JP2842583B2 - 運動施設におけるグラウンド構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は運動場や競技場等の運動
施設におけるグラウンド構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】運動場や競技場等の運動施設では、グラ
ウンドに勾配を設け、外周等に設けた排水溝に雨水を誘
導することにより表面排水を行ない、また、地下排水は
暗渠を利用して行なっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来で
は排水溝がグラウンドの外周等に配置され、排水までに
時間がかかることから、例えば、雨の中で競技を行なう
ときは、グラウンドが水浸しの状態で競技を行なわなけ
ればならず、非常に不便であるという問題があった。ま
た、排水に時間がかかることから、雨が止んだのちも再
使用できる状態になるまでに相当時間がかかるという問
題もあった。本発明は、かかる従来の問題点を解決する
ためになされたものであって、その目的とするところ
は、運動場等のグラウンドに降った雨を速やかに排水さ
せることにより、雨の中でも競技がし易く、しかも、雨
が止んだのちは短時間で再使用が可能な運動施設におけ
るグラウンド構造を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の手段として、本発明の運動施設におけるグラウンド構
造では、運動場や競技場等の運動施設のグラウンドに、
軟質素材からなる平板状排水材を所定間隔を設けて多数
列埋設し、かつ、前記排水材は列ごとに前記グラウンド
の地下に設置した暗渠の上面およびグラウンドの地表面
に対し平板状態で略垂直配置し該排水材の上端厚み部を
前記地表面に配置すると共に下端厚み部を前記暗渠と連
通させた構成を採用した。

【０００５】

【作用】本発明の運動施設のグラウンド構造では、運動
場や競技場等の運動施設のグラウンドに、軟質素材から
なる排水材を多数埋設し、かつ、該排水材の上端を前記
グラウンドの地表面に配置すると共に下端を地下に設置
した暗渠と連通させたので、グラウンドに降った雨は多
数埋設した排水材を伝わって速やかに排水される。その
ため、雨の中で競技をしてもグラウンドには水が溜らな
いので支障なく競技を行なうことができる。また、表面
排水がスム−ズに行なわれるので、雨が止んだのちは短
時間で再使用が可能になる。また、排水材を軟質素材で
形成すると共にその上端をグラウンドの地表面に配置し
ているので、排水材が競技や運動の邪魔になったり、あ
るいは、これにつまずいて怪我をするようなことがな
い。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

【０００７】図１は本実施例の運動施設におけるグラウ
ンド構造を示す断面図、図２はその平面図、図３はその
要部の拡大図である。

【０００８】本実施例の運動施設におけるグラウンド構
造は、グラウンド１と、排水材２と、暗渠３と、を主要
な構成としている。

【０００９】前記グラウンド１は、中央部１０から左右
に向かってわずかに下り勾配に傾斜した形状に形成さ
れ、その先端には排水溝１１が設けられている。尚、図
中１２はまさ土や混合土で形成した表層材、１３は砕石
からなる路盤材である。

【００１０】前記排水材２は、グラウンド１に降った雨
を速やかに排水するためのもので、本実施例では、グラ
ウンドで運動や競技をする人がつまずいたり、あるいは
競技の邪魔にならないようにするためフエルト状又は毛
布状の不織布で形成している。そして、排水材２は、前
記グラウンド１に中央部１０から左右に向かって約１０
メ−トル間隔に設けられ、グラウンド１に降った雨が下
方に向かって流れていく途中で排水されるように形成し
ている。また、排水材２は、上端２０がグラウンド１の
地表面１４と略同一平面になるように配置すると共に、
下端２１はグラウンド１の地下に配設した暗渠３と連通
するようにしている。

【００１１】前記暗渠３は、グラウンド１内に浸透した
雨水や排水材２を伝わってきた雨水を集水したのち、外
部に排水するためのもので、本実施例では、外周に多数
の穴を形成した排水管３０の周りに砕石３１を配置して
構成している。暗渠３はグラウンド１の地下に所定間隔
毎に設けられている。尚、排水管３０は排水溝１１に流
れ込んだ雨水を外部に排水するための表面排水管（図示
せず）と接続されている。

【００１２】したがって、本実施例のグラウンド構造で
は、グラウンド１に所定間隔毎に排水材２が埋設され、
グラウンド１に降った雨水は排水材２を伝わって速やか
に排水されるので、雨の中で競技をしても支障なく行な
うことができる。また、雨が止んだのちの再使用も早く
なる。また、排水材２は軟質素材で形成すると共に上端
２０を地表面１４と略同一平面になるようにしているか
ら、競技者がこれにつまずいて怪我をしたり、また、こ
れにより競技が妨げられることもない。

【００１３】以上、本発明の実施例を説明してきたが、
本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。

【００１４】例えば、実施例では、排水材２として不織
布を使用したが、土砂粒子で目詰まりせず、かつ、通水
性を有するものであれば、これ以外に織布やスポンジあ
るいは軟質繊維板等を使用してもよい。また、暗渠の構
造も任意である。

【００１５】

【発明の効果】前記目的を達成するための手段として、
本発明の運動施設におけるグラウンド構造では、運動場
や競技場等の運動施設のグラウンドに、軟質素材からな
る平板状排水材を所定間隔を設けて多数列埋設し、か
つ、前記排水材は列ごとに前記グラウンドの地下に設置
した暗渠の上面およびグラウンドの地表面に対し平板状
態で略垂直配置し該排水材の上端厚み部を前記地表面に
配置すると共に下端厚み部を前記暗渠と連通させること
により、雨が降っても速やかに雨水を排水することがで
きるように構成しているので、雨が降っても競技を続け
ることができるし、また、雨が止んだ後は速やかに再使
用することができるようになる。また、排水材を軟質素
材で形成すると共にその上端を地表面と略同一平面にな
るように配置しているので、競技者がこれに足を取られ
て転倒するようなことがなく安全に使用することができ
るし、競技の邪魔になることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の運動施設におけるグラウンド構造を
示す断面図である。

【図２】本実施例の運動施設におけるグラウンド構造を
示す平面図である。

【図３】本実施例の運動施設におけるグラウンド構造の
要部拡大図である。

【符号の説明】

１ グラウンド ２ 排水材 ３ 暗渠 １４ グラウンドの地表面 ２０ 排水材の上端 ２１ 排水材の下端

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 運動場や競技場等の運動施設のグラウン
   ドに、軟質素材からなる平板状排水材を所定間隔を設け
   て多数列埋設し、かつ、前記排水材は列ごとに前記グラ
   ウンドの地下に設置した暗渠の上面およびグラウンドの
   地表面に対し平板状態で略垂直配置し該排水材の上端厚
   み部を前記地表面に配置すると共に下端厚み部を前記暗
   渠と連通させたことを特徴とする運動施設におけるグラ
   ウンド構造。