JP2842069B2 - クラッチレリーズシリンダ - Google Patents
クラッチレリーズシリンダInfo
- Publication number
- JP2842069B2 JP2842069B2 JP21826692A JP21826692A JP2842069B2 JP 2842069 B2 JP2842069 B2 JP 2842069B2 JP 21826692 A JP21826692 A JP 21826692A JP 21826692 A JP21826692 A JP 21826692A JP 2842069 B2 JP2842069 B2 JP 2842069B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- clutch
- piston
- state
- oil chamber
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- Expired - Lifetime
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- Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
- Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用駆動系の摩擦ク
ラッチに用いられるクラッチレリーズシリンダに関す
る。
ラッチに用いられるクラッチレリーズシリンダに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば実開昭61−19143号
公報には、クラッチの接続操作時において半クラッチ状
態を自動的につくり出せるように改良されたクラッチレ
リーズシリンダの構造が開示されている。つまりこのク
ラッチレリーズシリンダにおいては、シリンダ内のピス
トンがクラッチ解放位置から接続開始位置までリターン
動作してきたときに、このピストンに対してその作動方
向へ相対移動可能に設けられた弁がシリンダの油流通孔
を閉じるように構成されている。そしてこの状態でのシ
リンダ内とクラッチマスターシリンダとは、前記弁に形
成されたオリフィスのみを通じて連通している。したが
ってクラッチの接続開始位置から完全接続位置までの間
は、クラッチペダルの急激な操作にかかわらず前記オリ
フィスによる作動油の流量規制によってピストンのリタ
ーン動作が緩慢になり、半クラッチ状態が自動的に得ら
れることとなる。
公報には、クラッチの接続操作時において半クラッチ状
態を自動的につくり出せるように改良されたクラッチレ
リーズシリンダの構造が開示されている。つまりこのク
ラッチレリーズシリンダにおいては、シリンダ内のピス
トンがクラッチ解放位置から接続開始位置までリターン
動作してきたときに、このピストンに対してその作動方
向へ相対移動可能に設けられた弁がシリンダの油流通孔
を閉じるように構成されている。そしてこの状態でのシ
リンダ内とクラッチマスターシリンダとは、前記弁に形
成されたオリフィスのみを通じて連通している。したが
ってクラッチの接続開始位置から完全接続位置までの間
は、クラッチペダルの急激な操作にかかわらず前記オリ
フィスによる作動油の流量規制によってピストンのリタ
ーン動作が緩慢になり、半クラッチ状態が自動的に得ら
れることとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこのようにクラ
ッチの接続開始位置から完全接続位置までピストンのリ
ターン速度を遅くすると、半クラッチ状態が必要以上に
長く続く嫌いがある。その結果は、クラッチの摩擦部材
(クラッチフェーシング)の摩耗が極端に促進されるこ
ととなって好ましくない。
ッチの接続開始位置から完全接続位置までピストンのリ
ターン速度を遅くすると、半クラッチ状態が必要以上に
長く続く嫌いがある。その結果は、クラッチの摩擦部材
(クラッチフェーシング)の摩耗が極端に促進されるこ
ととなって好ましくない。
【0004】本発明の技術的課題は、クラッチ解放位置
から接続開始位置までリターン動作してきたピストンの
速度を一瞬だけ遅くし、半クラッチ状態が得られた後は
ピストンを通常どおりの速さでリターン動作させてクラ
ッチを速やかに完全接続させることにより、クラッチフ
ェーシングなどの早期摩耗を避けることである。
から接続開始位置までリターン動作してきたピストンの
速度を一瞬だけ遅くし、半クラッチ状態が得られた後は
ピストンを通常どおりの速さでリターン動作させてクラ
ッチを速やかに完全接続させることにより、クラッチフ
ェーシングなどの早期摩耗を避けることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のクラッチレリーズシリンダは次のように構
成されている。すなわちシリンダボディの内部をピスト
ンが位置する側の第一油室とマスターシリンダからの油
圧作用を受ける側の第二油室とに分離した隔壁と、この
隔壁に対し前記の両油室を連通させた状態で形成された
オリフィスと、同じく隔壁に形成されて前記オリフィス
よりも充分に大きな流路面積で前記の両油室を連通させ
ている油孔と、この油孔の開閉可能でかつ通常は油孔を
閉じた状態に保持されている切換バルブと、前記シリン
ダボディに形成され、前記の両油室内でそれぞれ開口し
て両油室を連通させている油通路とを備えている。そし
て前記ピストンと、前記切換バルブと、前記油通路にお
ける第一油室での開口とのそれぞれの位置関係が、クラ
ッチ解放位置からクラッチ接続開始位置にまでリターン
動作してきたピストンにより前記油通路の開口を閉じて
前記オリフィスのみで両油室を連通させた状態とした
後、リターン動作を続けるピストンによって前記切換バ
ルブを前記油孔の開放状態に切換えるように設定されて
いる。
に、本発明のクラッチレリーズシリンダは次のように構
成されている。すなわちシリンダボディの内部をピスト
ンが位置する側の第一油室とマスターシリンダからの油
圧作用を受ける側の第二油室とに分離した隔壁と、この
隔壁に対し前記の両油室を連通させた状態で形成された
オリフィスと、同じく隔壁に形成されて前記オリフィス
よりも充分に大きな流路面積で前記の両油室を連通させ
ている油孔と、この油孔の開閉可能でかつ通常は油孔を
閉じた状態に保持されている切換バルブと、前記シリン
ダボディに形成され、前記の両油室内でそれぞれ開口し
て両油室を連通させている油通路とを備えている。そし
て前記ピストンと、前記切換バルブと、前記油通路にお
ける第一油室での開口とのそれぞれの位置関係が、クラ
ッチ解放位置からクラッチ接続開始位置にまでリターン
動作してきたピストンにより前記油通路の開口を閉じて
前記オリフィスのみで両油室を連通させた状態とした
後、リターン動作を続けるピストンによって前記切換バ
ルブを前記油孔の開放状態に切換えるように設定されて
いる。
【0006】
【作用】この構成によれば、クラッチ接続のための操作
に伴って前記ピストンがクラッチ解放位置から接続開始
位置までリターン動作してくると、このピストンにより
前記第一油室内の前記油通路の開口が閉ざされる。この
結果、それまで油通路を通じて互いに連通していた第一
油室と第二油室とは前記隔壁のオリフィスのみで連通し
た状態となる。したがってこの時点からピストンのリタ
ーン動作が遅くなり、仮にクラッチの接続操作が急激で
あってもクラッチの完全接続が遅延されて半クラッチ状
態が得られる。そしてこの半クラッチ状態が得られた後
は、前記ピストンにより前記切換バルブが隔壁の前記油
孔を開放した状態に切換えられ、第一油室と第二油室と
はこの油孔を通じて連通する。このためピストンのリタ
ーン動作は通常の速さとなり、クラッチが速やかに完全
接続される。
に伴って前記ピストンがクラッチ解放位置から接続開始
位置までリターン動作してくると、このピストンにより
前記第一油室内の前記油通路の開口が閉ざされる。この
結果、それまで油通路を通じて互いに連通していた第一
油室と第二油室とは前記隔壁のオリフィスのみで連通し
た状態となる。したがってこの時点からピストンのリタ
ーン動作が遅くなり、仮にクラッチの接続操作が急激で
あってもクラッチの完全接続が遅延されて半クラッチ状
態が得られる。そしてこの半クラッチ状態が得られた後
は、前記ピストンにより前記切換バルブが隔壁の前記油
孔を開放した状態に切換えられ、第一油室と第二油室と
はこの油孔を通じて連通する。このためピストンのリタ
ーン動作は通常の速さとなり、クラッチが速やかに完全
接続される。
【0007】
【実施例】次に本発明の実施例を図面にしたがって説明
する。図1にクラッチレリーズシリンダが断面図で示さ
れている。この図面で明らかなように筒状に形成されて
いるシリンダボディ10の一端部(図面の右端部)に
は、キャップ部材12が油密をもって取付けられてい
る。このキャップ部材12にはシリンダボディ10の内
部に連通した接続口14が形成されていて、ここには図
示されていないマスターシリンダに通じる油圧パイプが
所定の継手により接続される。前記シリンダボディ10
の内周部には、このシリンダボディ10とは別体の内筒
16が圧入などにより組込まれている。そしてこの内筒
16の内部には、前記キャップ部材12に近い箇所にお
いて隔壁18が一体的に設けられている。この隔壁18
によってシリンダボディ10の内部は、つぎに説明する
ピストン20が位置する側の第一油室10Aと、前記接
続口14を通じてマスターシリンダからの油圧作用を受
ける側の第二油室10Bとに分離されている。
する。図1にクラッチレリーズシリンダが断面図で示さ
れている。この図面で明らかなように筒状に形成されて
いるシリンダボディ10の一端部(図面の右端部)に
は、キャップ部材12が油密をもって取付けられてい
る。このキャップ部材12にはシリンダボディ10の内
部に連通した接続口14が形成されていて、ここには図
示されていないマスターシリンダに通じる油圧パイプが
所定の継手により接続される。前記シリンダボディ10
の内周部には、このシリンダボディ10とは別体の内筒
16が圧入などにより組込まれている。そしてこの内筒
16の内部には、前記キャップ部材12に近い箇所にお
いて隔壁18が一体的に設けられている。この隔壁18
によってシリンダボディ10の内部は、つぎに説明する
ピストン20が位置する側の第一油室10Aと、前記接
続口14を通じてマスターシリンダからの油圧作用を受
ける側の第二油室10Bとに分離されている。
【0008】前記ピストン20はシリンダボディ10の
内部を図面の左右方向へ移動可能であり、その外周には
前記内筒16の内周面に油密をもって接触したシールリ
ング22が設けられている。このピストン20において
前記隔壁18と対向する側、つまり前記第一油室10A
側の端面中心には突起26が形成されており、この突起
26と隔壁18との間にはスプリング32が設けられて
いる。またピストン20の他方の端面には凹部24が形
成されていて、ここでプッシュロッド28の一端を受け
ている。このプッシュロッド28の他端はシリンダボデ
ィ10の外部においてレリーズフォーク(図示しない)
に連結されている。したがって前記ピストン20は、レ
リーズフォーク及びプッシュロッド28を通じてクラッ
チ接続荷重(ダイヤフラムスプリングなどの荷重)を受
けており、クラッチ接続時のピストン20は前記スプリ
ング32を圧縮して図1のリターン位置に押し戻されて
いる。なおプッシュロッド28が挿通しているシリンダ
ボディ10の開口端部は、ダストブーツ30で覆われて
いる。
内部を図面の左右方向へ移動可能であり、その外周には
前記内筒16の内周面に油密をもって接触したシールリ
ング22が設けられている。このピストン20において
前記隔壁18と対向する側、つまり前記第一油室10A
側の端面中心には突起26が形成されており、この突起
26と隔壁18との間にはスプリング32が設けられて
いる。またピストン20の他方の端面には凹部24が形
成されていて、ここでプッシュロッド28の一端を受け
ている。このプッシュロッド28の他端はシリンダボデ
ィ10の外部においてレリーズフォーク(図示しない)
に連結されている。したがって前記ピストン20は、レ
リーズフォーク及びプッシュロッド28を通じてクラッ
チ接続荷重(ダイヤフラムスプリングなどの荷重)を受
けており、クラッチ接続時のピストン20は前記スプリ
ング32を圧縮して図1のリターン位置に押し戻されて
いる。なおプッシュロッド28が挿通しているシリンダ
ボディ10の開口端部は、ダストブーツ30で覆われて
いる。
【0009】さて前記隔壁18には、オリフィス40と
このオリフィス40よりも充分に大きな流路面積をもつ
油孔44とが、それぞれ前記第一油室10Aと第二油室
10Bとを連通させた状態で形成されている。この油孔
44には切換バルブ46が設けられ、この切換バルブ4
6の円錐形状の部分が、前記第二油室10B側において
油孔44の周縁に形成されているバルブシート44aに
押し付けられると、この油孔44が閉ざされる。そして
この切換バルブ46はバルブスプリング48の弾性力に
より油孔44を閉じる方向へ常時付勢されている。ただ
し前記ピストン20が図1のリターン位置にあるときの
切換バルブ46は、ピストン20の前記突起26により
バルブスプリング48の弾性力に抗して前記バルブシー
ト44aから押し離され、油孔44を開放した状態に保
持されている。また前記隔壁18には逆止弁42が、前
記オリフィス40及び油孔44と並列に設けられてい
る。この逆止弁42はシリンダボディ10内の作動油が
前記第二油室10Bから第一油室10Aへ流れるのは許
容し、その逆の流れは阻止する構成となっている。
このオリフィス40よりも充分に大きな流路面積をもつ
油孔44とが、それぞれ前記第一油室10Aと第二油室
10Bとを連通させた状態で形成されている。この油孔
44には切換バルブ46が設けられ、この切換バルブ4
6の円錐形状の部分が、前記第二油室10B側において
油孔44の周縁に形成されているバルブシート44aに
押し付けられると、この油孔44が閉ざされる。そして
この切換バルブ46はバルブスプリング48の弾性力に
より油孔44を閉じる方向へ常時付勢されている。ただ
し前記ピストン20が図1のリターン位置にあるときの
切換バルブ46は、ピストン20の前記突起26により
バルブスプリング48の弾性力に抗して前記バルブシー
ト44aから押し離され、油孔44を開放した状態に保
持されている。また前記隔壁18には逆止弁42が、前
記オリフィス40及び油孔44と並列に設けられてい
る。この逆止弁42はシリンダボディ10内の作動油が
前記第二油室10Bから第一油室10Aへ流れるのは許
容し、その逆の流れは阻止する構成となっている。
【0010】前記シリンダボディ10には、その内周面
と前記内筒16との間を利用して前記隔壁18を迂回さ
せた油通路50が構成されている。つまりこの油通路5
0は前記第一油室10A側と第二油室10B側とのそれ
ぞれにおいて前記内筒16に形成された開口50a,5
0bを有し、これらの開口50a,50bを通じて両油
室10A,10Bを連通させることができる。ただしピ
ストン20がリターン位置にあるときは、このピストン
20により第一油室10Aの開口50aが閉ざされてい
るので、油通路50による両油室10A,10Bの連通
は遮断されている。なお前記油通路50の一部には、ブ
リーザプラグ34に通じる油路36を連通させている。
したがってブリーザプラグ34は少なくとも第二油室1
0Bに対しては常時連通している。
と前記内筒16との間を利用して前記隔壁18を迂回さ
せた油通路50が構成されている。つまりこの油通路5
0は前記第一油室10A側と第二油室10B側とのそれ
ぞれにおいて前記内筒16に形成された開口50a,5
0bを有し、これらの開口50a,50bを通じて両油
室10A,10Bを連通させることができる。ただしピ
ストン20がリターン位置にあるときは、このピストン
20により第一油室10Aの開口50aが閉ざされてい
るので、油通路50による両油室10A,10Bの連通
は遮断されている。なお前記油通路50の一部には、ブ
リーザプラグ34に通じる油路36を連通させている。
したがってブリーザプラグ34は少なくとも第二油室1
0Bに対しては常時連通している。
【0011】つぎに前記クラッチレリーズシリンダの機
能を、クラッチ解放操作時及びクラッチの急激な接続時
のそれぞれについて説明する。 クラッチ解放操作について 図2にクラッチ操作に伴うクラッチレリーズシリンダの
作動状態が概略図で示されている。いまクラッチは接続
状態にあり、したがって前記ピストン20は図1の実線
あるいは図2(A)の仮想線で示すリターン位置にある
ものとする。このとき、すでに説明したように前記切換
バルブ46は隔壁18の油孔44を開放しており、かつ
前記油通路50における第一油室10A側の開口50a
は閉ざされている。そこで図示しないクラッチペダルが
踏み込まれてマスターシリンダから前記第二油室10B
に油圧が作用すると、この油圧は前記逆止弁42及び油
孔44を通じて第一油室10Aに作用し、ピストン20
を図面の左方向へ移動させる。このピストン20の移動
に伴い、その突起26が前記切換バルブ46から離れる
ため前記油孔44が閉ざされるものの、前記逆止弁42
は第二油室10Bから第一油室10Aへの作動油の流通
を許容している。またピストン20の移動により、やが
ては図1(A)の実線で示すように第一油室10Aの前
記開口50aが開放され、両油室10A,10Bは前記
油通路50によっても連通された状態となる。したがっ
てピストン20は通常どおり移動し、これに連動する前
記プッシュロッド28及びレリーズフォークを通じてク
ラッチが解放される。
能を、クラッチ解放操作時及びクラッチの急激な接続時
のそれぞれについて説明する。 クラッチ解放操作について 図2にクラッチ操作に伴うクラッチレリーズシリンダの
作動状態が概略図で示されている。いまクラッチは接続
状態にあり、したがって前記ピストン20は図1の実線
あるいは図2(A)の仮想線で示すリターン位置にある
ものとする。このとき、すでに説明したように前記切換
バルブ46は隔壁18の油孔44を開放しており、かつ
前記油通路50における第一油室10A側の開口50a
は閉ざされている。そこで図示しないクラッチペダルが
踏み込まれてマスターシリンダから前記第二油室10B
に油圧が作用すると、この油圧は前記逆止弁42及び油
孔44を通じて第一油室10Aに作用し、ピストン20
を図面の左方向へ移動させる。このピストン20の移動
に伴い、その突起26が前記切換バルブ46から離れる
ため前記油孔44が閉ざされるものの、前記逆止弁42
は第二油室10Bから第一油室10Aへの作動油の流通
を許容している。またピストン20の移動により、やが
ては図1(A)の実線で示すように第一油室10Aの前
記開口50aが開放され、両油室10A,10Bは前記
油通路50によっても連通された状態となる。したがっ
てピストン20は通常どおり移動し、これに連動する前
記プッシュロッド28及びレリーズフォークを通じてク
ラッチが解放される。
【0012】クラッチの急激な接続について クラッチペダルの踏み込が誤操作であったような場合、
クラッチペダルの踏力が急激に解除されることがある。
このような操作が行われると、シリンダボディ10内に
作用していた油圧が一気に下がるため、図2(B)で示
すクラッチ解放位置にあるピストン20は、すでに説明
したクラッチ接続荷重に基づいて素早くリターン動作す
る。そして図2(C)で示すように前記油通路50にお
ける第一油室10A側の開口50aがピストン20で閉
ざされると、第一油室10Aと第二油室10Bとは前記
オリフィスのみを通じて連通した状態になる。このため
ピストン20のリターン動作が緩慢となり、クラッチの
完全接続のタイミングが遅延される。したがって図2
(C)で示すピストン20の位置をクラッチの接続開始
位置に対応させておけば、クラッチの急激な接続操作が
行われた場合でも半クラッチ状態が得られ、車両の駆動
系に対する過大な負荷やエンストの発生が防止される。
クラッチペダルの踏力が急激に解除されることがある。
このような操作が行われると、シリンダボディ10内に
作用していた油圧が一気に下がるため、図2(B)で示
すクラッチ解放位置にあるピストン20は、すでに説明
したクラッチ接続荷重に基づいて素早くリターン動作す
る。そして図2(C)で示すように前記油通路50にお
ける第一油室10A側の開口50aがピストン20で閉
ざされると、第一油室10Aと第二油室10Bとは前記
オリフィスのみを通じて連通した状態になる。このため
ピストン20のリターン動作が緩慢となり、クラッチの
完全接続のタイミングが遅延される。したがって図2
(C)で示すピストン20の位置をクラッチの接続開始
位置に対応させておけば、クラッチの急激な接続操作が
行われた場合でも半クラッチ状態が得られ、車両の駆動
系に対する過大な負荷やエンストの発生が防止される。
【0013】特に本実施例では半クラッチ状態が得られ
た直後においてピストン20の突起26が前記切換バル
ブ46に当たり、図2(D)で示すように前記油孔44
が開放される。この結果、ピストン20のリターン動作
は一瞬遅くなった後、すぐに通常の速さとなってリター
ン位置に戻されることとなり、クラッチは速やかに接続
される。なおクラッチを通常の操作で接続する場合にお
いても、クラッチの接続開始位置で前述したようにピス
トン20のリターン動作が一瞬緩慢となるが、このとき
は運転者によるクラッチペダルのリターン操作も半クラ
ッチ状態を得ようとして緩慢となっている。したがって
通常のペダル操作に違和感は生じない。
た直後においてピストン20の突起26が前記切換バル
ブ46に当たり、図2(D)で示すように前記油孔44
が開放される。この結果、ピストン20のリターン動作
は一瞬遅くなった後、すぐに通常の速さとなってリター
ン位置に戻されることとなり、クラッチは速やかに接続
される。なおクラッチを通常の操作で接続する場合にお
いても、クラッチの接続開始位置で前述したようにピス
トン20のリターン動作が一瞬緩慢となるが、このとき
は運転者によるクラッチペダルのリターン操作も半クラ
ッチ状態を得ようとして緩慢となっている。したがって
通常のペダル操作に違和感は生じない。
【0014】
【発明の効果】このように本発明は、クラッチ接続のた
めの操作が急激であっても半クラッチ状態が得られるの
は勿論のこと、特にこの半クラッチ状態が得られた後は
クラッチを速やかに完全接続させ、これによってクラッ
チフェーシングなどの早期摩耗を避けることができる。
めの操作が急激であっても半クラッチ状態が得られるの
は勿論のこと、特にこの半クラッチ状態が得られた後は
クラッチを速やかに完全接続させ、これによってクラッ
チフェーシングなどの早期摩耗を避けることができる。
【図1】クラッチレリーズシリンダの断面図である。
【図2】クラッチレリーズシリンダの作動状態を表した
概略図である。
概略図である。
10 シリンダボディ 10A 第一油室 10B 第二油室 18 隔壁 20 ピストン 40 オリフィス 44 油孔 46 切換バルブ 50 油通路 50a 開口 50b 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16D 25/08
Claims (1)
- 【請求項1】 シリンダボディの内部をピストンが位置
する側の第一油室とマスターシリンダからの油圧作用を
受ける側の第二油室とに分離した隔壁と、この隔壁に対
し前記の両油室を連通させた状態で形成されたオリフィ
スと、同じく隔壁に形成されて前記オリフィスよりも充
分に大きな流路面積で前記の両油室を連通させている油
孔と、この油孔の開閉可能でかつ通常は油孔を閉じた状
態に保持されている切換バルブと、前記シリンダボディ
に形成され、前記の両油室内でそれぞれ開口して両油室
を連通させている油通路とを備え、 前記ピストンと、前記切換バルブと、前記油通路におけ
る第一油室での開口とのそれぞれの位置関係が、クラッ
チ解放位置からクラッチ接続開始位置にまでリターン動
作してきたピストンにより前記油通路の開口を閉じて前
記オリフィスのみで両油室を連通させた状態とした後、
リターン動作を続けるピストンによって前記切換バルブ
を前記油孔の開放状態に切換えるように設定されている
ことを特徴としたクラッチレリーズシリンダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21826692A JP2842069B2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | クラッチレリーズシリンダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21826692A JP2842069B2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | クラッチレリーズシリンダ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0642554A JPH0642554A (ja) | 1994-02-15 |
JP2842069B2 true JP2842069B2 (ja) | 1998-12-24 |
Family
ID=16717181
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21826692A Expired - Lifetime JP2842069B2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | クラッチレリーズシリンダ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2842069B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1944519A2 (en) | 2007-01-11 | 2008-07-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Clutch operating device |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19847529A1 (de) * | 1998-03-20 | 1999-09-23 | Schaeffler Waelzlager Ohg | Arbeitszylinder für eine Fahrzeughydraulik |
JP2018179134A (ja) * | 2017-04-12 | 2018-11-15 | アイシン精機株式会社 | 油路切替装置 |
-
1992
- 1992-07-24 JP JP21826692A patent/JP2842069B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1944519A2 (en) | 2007-01-11 | 2008-07-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Clutch operating device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0642554A (ja) | 1994-02-15 |
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