JP2839204B2 - 流体せん断継手 - Google Patents

流体せん断継手

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JP2839204B2 JP2260332A JP26033290A JP2839204B2 JP 2839204 B2 JP2839204 B2 JP 2839204B2 JP 2260332 A JP2260332 A JP 2260332A JP 26033290 A JP26033290 A JP 26033290A JP 2839204 B2 JP2839204 B2 JP 2839204B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D35/00Fluid clutches in which the clutching is predominantly obtained by fluid adhesion
    • F16D35/02Fluid clutches in which the clutching is predominantly obtained by fluid adhesion with rotary working chambers and rotary reservoirs, e.g. in one coupling part
    • F16D35/021Fluid clutches in which the clutching is predominantly obtained by fluid adhesion with rotary working chambers and rotary reservoirs, e.g. in one coupling part actuated by valves
    • F16D35/022Fluid clutches in which the clutching is predominantly obtained by fluid adhesion with rotary working chambers and rotary reservoirs, e.g. in one coupling part actuated by valves the valve being actuated by a bimetallic strip

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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、流体せん断継手、特に、せん断流体を作用
室から戻すために使用される自由浮動型ダムの新規な設
計に関する。
(従来の技術及びその課題) 「粘性ファン駆動装置」と称されることの多い流体せ
ん断継手は、様々な分野にて使用されている。かかるフ
ァン駆動装置は、カバー組立体により形成されたキャビ
ティと軸受けハウジングとにより画成される作用室を備
えている。この作用室内のシリコン流体は、ロータから
ファン羽根組立体に物理的に取り付けられた軸受けハウ
ジングまでトルクを伝達する。ロータと作用室の壁との
間の流体せん断作用に起因して、作用室内のシリコン流
体量によってファン速度が決まる。ファン駆動装置の係
合モード及び非係合モード間の差は、作用室内に存在す
るトルク伝達シリコン流体量に正比例する。
流体せん断継手は、典型的に自動車のエンジン冷却フ
ァンを駆動するために使用される。これら継手は、ファ
ンが比較的低速の角速度にて回転される非係合モード
と、比較的高速の角速度にて回転される係合モードとを
有している。燃料を節約し、騒音を軽減するためには、
非係合モードが可能な限り低速の角速度に維持されるよ
うにすることが望ましい。ある状態下においては、出来
るだけ早く流体を作用室から送出し、リザーバ又は再循
環通路内に供給することが望ましい。
流体を作用室から送出するためのダムは、通常、ロー
タの外径付近に位置決めされる。ダムの目的は、「ダン
プ穴」と一般に呼ばれるリザーバの戻り通路に流体圧力
が蓄積されるようにすることである。この流体圧力は、
ロータ速度(エンジン速度)とカバー速度(ファン速
度)との速度差、シリコン流体の粘度及びロータとダム
との間の隙間に起因する。ダムにおける流体圧力によっ
て、流体は通路を通ってリザーバに戻る。上述のパラメ
ータに起因して利用可能である流体圧力の程度がダムの
効率を示す。作用室内の流体の液位は、定常状態下のダ
ムの効率に依存し、その結果、非係合状態のファン速度
となる。
従来技術には、固定隙間ダム及び可調整ばね負荷ダム
という、公知の設計による2型式のダムがある。第3の
設計のものとして、ばね構造を複雑にすることなく、大
きい設計許容交差を可能にする自由浮動型ダムがある。
固定隙間ダムの場合、ロータ、カバー、及びダム組立体
の設計許容公差を厳密に制御し、緊密な一定のダム隙間
を維持することが必要とされる。かかるダムは、ロール
ピン等によってカバーに取り付けることを必要とする。
ばね負荷式ダムは、形成される隙間を補正し得るように
調整することが出来るため、ロータ及びカバーの設計許
容公差の制御は厳密でなくてよい。しかし、この設計
は、調整のためばねのような余分な部品を必要とし、組
立てが困難で面倒である。自由浮動型ダムは、ばねを必
要とすることなく、ロータ及びカバーの設計許容公差の
緩い制御を可能にする。又、組立ても又、より容易であ
る。
1981年6月9日付けにてブリッジ(Bridge)に付与さ
れた米国特許第4,271,946号において、温度応答型の粘
性ファン駆動装置用の送出又はダム構成要素が開示され
ている。このブリッジの装置は、典型的に、ディスクの
外側部分に隣接する戻り穴を画成するハウジング内にて
回転するディスクを備えている。L字形の送出構成要素
が記載されており、該構成要素は、ディスクの外周縁に
沿った第1の部分と、戻り穴に隣接するディスクの側部
にて環状溝内にある第2の部分とを備えている。このL
字形ダムは、戻り穴が通って伸長する弁板に溶接されて
いる。
相互に垂直方向に方向決めされた2つのダム構成要素
を備える流体せん断継手が、1983年5月17日付けにてブ
レアー(Blair)に付与された米国特許第4,383,597号に
開示されている。このブレアーの装置は、作用室内に受
け入れられたロータと、ディスクの外側部分に隣接する
ハウジングの片側を通って伸長する戻り穴とを備えてい
る。一方のダム構成要素は、ディスクの外周縁に隣接し
て円筒状キャビティ内に固定された突起を備え、及び戻
り穴が形成されたハウジングの側部に流体を導入するた
めの斜面を有している。別個のダムがディスクの外側部
分に隣接して環状溝内に取り付けられており、従来の方
法にて流体を穴内に導入するための戻り穴を囲繞する表
面を備えている。ブレアーの装置において、2つのダム
構成要素が分離して、その各々はハウジングに取り付け
られている。
その他の各種のダム設計が当該技術分野にて、公知で
ある。例えば、1986年1月14日付けでストルズ(Stor
z)に付与された米国特許第4,564,094号において、スロ
ット内に受け入れられたタブを有し、これによって、ダ
ムが2つの位置間を周縁方向に動くことが出来る、各種
の形状の平坦なダム構造体が図示されている。これら2
つの位置は、ロータ及びハウジングの相対的回転に依存
して、2つの異なる戻りダンプ穴の一方に対するダムの
位置に対応する。ダム設計の他の実施例が1986年1月14
日付け、及び1984年12月4日付けにてストルズにそれぞ
れ付与された米国特許第4,564,093号及び第4,485,902
号、並びに1978年5月2日付けにてスペンス(Spence)
に付与された米国特許第4,086,988号に記載されてい
る。
本発明の目的は、せん断流体をリザーバに戻すために
使用されるダムに関係する、効率が向上し、組立ての容
易な流体せん断継手を提供することである。
本発明の別の目的は、より効率的に作動し、より低速
のファン非係合速度を提供するダムを提供することであ
る。
本発明の別の目的は、カバー及びロータ組立体に関係
する設計許容公差を吸収しかつ積み重ねるために通常使
用されるばねのような付加的手段が不要である流体せん
断継手及びダム装置を提供することである。
本発明の更に別の目的は、戻り通路を通る流体の流速
を増大させることにより、せん断流体を一層良く冷却し
得るようにすることである。
本発明のもう1つの目的は、ダムからダンプ穴までの
距離を容易に変更し、装置の非係合速度を適用基準に合
うように調整することを可能にする流体せん断継手及び
ダム装置を提供することである。
本発明の更に別の目的は、時計方向又は反時計方向の
回転適用例に使用することの出来る対称状の自由浮動型
ダム及び継手組立体を提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明の一形態を簡単に説明すると、共通の軸線を中
心として回転し得るように共に取り付けられた駆動部材
と、被動部材と、を備える流体せん断継手が提供され、
該被動部材は、駆動部材のせん断表面に対面するせん断
表面を有する作用室を画成し、該作用室は、駆動部材の
側部に対面する環状溝、及び及び駆動部材の外周に対面
する周縁キャビティを画成し、 更に、該作用室の環状溝内に受け入れられた半径方向
に伸長する部分、及び作用室の周縁キャビティ内に受け
入れられた軸方向に伸長する部分を有する単一体のL字
形ダムを備え、該ダムが被動部材に自由に取り付けるこ
とが出来るようにしてある。一実施例において、被動部
材は、共に作用室を画成する軸受けハウジングと、及び
カバーとを備えており、ダムは、軸受けハウジングによ
って画成されたキャビティ内に収容され、カバー及び軸
受けハウジングは、異なる相対的位置に位置決めして、
カバーによって画成されたダンプ穴の片側又は反対側に
ダムを位置決めすることが出来る。別の実施例におい
て、ダムは被動部材によって画成された第1及び第2の
ストッパ間に受け入れられかつこれらストッパ間を自由
に動き、環状穴内にて伸長するダンプ穴片側又はその反
対側にダムを位置決めすることが出来る。
(実施例) 本発明の別の目的、及び利点は、以下の好適な実施例
に関する説明から明らかになるであろう。
本発明の原理を一層良く理解し得るようにするため、
以下に図面に示した実施例について説明が、その説明の
ために特定の用語を使用する。しかし、これら用語によ
り本発明の範囲が何ら制限されるものではなく、かかる
変更および図示した装置の更に改変、並びに記載された
本発明の原理の更に応用例は、本発明の当業者にとって
通常、案出可能なものであることが理解されよう。
特に、添付図面を参照すると、本発明に従って構成さ
れた流体せん断継手装置10が図示されている。第1の実
施例は、全体として、外部の駆動源に接続された駆動部
材と、共通の軸線を中心として相対回転可能に駆動部材
に取り付けられた被動部材とを備えている。駆動部材
は、軸12に固着されたディスク状ロータ11を備えてい
る。該軸12は、穴14にボルト(図示せず)を受け入れる
等の方法により外部の駆動源に接続可能である取り付け
部分13を備えている。装置10が被動部材に取り付けられ
た複数のファン羽根を駆動する継手装置として使用され
る実施例の場合、典型的な外部駆動源は、自動車のエン
ジンである。被動部材15は、金属帯18により相互に固着
された軸受けハウジング16と、カバー17とを備えてい
る。
駆動部材11のディスク状部分は、第1図に図示する環
状リッジ及び溝のような各種の形態とすることが出来る
せん断表面19を画成する。平面状のせん断表面を含むそ
の他の形状も当該技術分野にて公知である。駆動部材11
は又、円筒状の外周縁20を有している。被動部材は、せ
ん断流体リザーバ21と、内部に駆動部材11が受け入れら
れる作用室22とを備えている。該作用室22は、駆動部材
11のせん断表面19に対面しかつ該せん断表面19に隣接す
るせん断表面23を備えている。従来の方法にて、駆動部
材及び被動部材のせん断表面が近接し、その間にせん断
流体を受け入れることにより、2つの部材間に継手動作
を提供し、被動部材に回転力を伝達する。せん断表面23
は、同様に、駆動部材11のせん断表面19の形状と相補的
な幾多の形状を備えることが出来る。
作用室は、駆動部材の外周縁に隣接して駆動部材11の
側部に対面する環状溝24を画成する。該作用室は又、駆
動部材の外周縁20に対面する周縁キャビティ25を画成す
る。
被動部材及び駆動部材は、中心軸線26を中心として相
対回転可能に相互に取り付けられる。軸受けハウジング
16が、軸12に軸受け可能に取り付けられる。ころがり軸
受け28の内側レース27は、駆動部材のハブ部分29と軸12
のショルダ30との間に受け入れられる。軸受けハウジン
グ16は、ショルダ32を画成するハブ中央部分31を形成
し、ころがり軸受けの外側レース33の片側が該ショルダ
32に対して受けられる。該ハブ部分は、リング35が固着
される周縁凹所34を更に画成し、外側レース33の反対側
部に圧接する。
流体せん断継手10の上述の説明は、1988年10月25日付
けにてブロエメンダール(Bloemendaal)に付与された
米国特許第4,779,323号に記載された装置と同等のもの
である。該ブロエメンダールの特許の関係部分は、引用
して本明細書の一部に含める。本発明は、駆動部材が外
側の被動部材の作用室内に回転可能に受け入れられる各
種の任意の流体せん断継手に有用であることが理解され
よう。
単体のL字形ダム(dam)36が流体せん断継手内に取
り付けられる。該ダム36は、環状溝24内に受け入れられ
た半径方向伸長部分37と、周縁キャビティ25内に受け入
れられた軸方向伸長部分38とを備えている。半径方向伸
長部分37は、駆動部材11の側部に対面しかつ該側部に隣
接する表面39を備えている。軸方向伸長部分38は、駆動
部材11の外周縁20に対面しかつ外周縁20に隣接する表面
40を備えている。
ダム36は、該ダム36の中心にて軸方向及び半径方向に
伸長する部分に対して垂直方向に伸長する面41を中心と
して対称であるようにすることが望ましい。これら半径
方向及び軸方向伸長部分は、環状溝24上にて開放するダ
ンプ穴(dumphole)42(第4図)に向けて流体を流動さ
せ得るように設計される。ダム36は、ダンプ穴の片側に
受け入れられ得るように設計されており、対称の形態に
より、該ダムはダンプ穴の片側又はその反対側の何れか
に一方に位置決めし、同様に流体をダンプ穴に向けて流
動させ得るようにすることが出来る。
半径方向伸長部分37は、第2図に図示するように、内
方にテーパが付けられた第1の傾斜面43と、第2の傾斜
面44とを画成する。同様に、軸方向伸長部分38は、第3
図に図示するように、共に内方にテーパが付けられた第
1の傾斜面45と、第2の傾斜面46とを備えている。この
ようにして、ダムの半径方向伸長部分の第1及び第2の
傾斜面は、軸方向伸長部分に向けて内方に角度が付けら
れている。同様に、好適な実施例において、ダムの軸方
向伸長部分の第1及び第2の傾斜面は、半径方向伸長部
分に向けて内方に角度が付けられる。
軸方向伸長部分38は、軸方向47への幅寸法、及び該軸
方向に対して直角の長さ寸法を有している。半径方向伸
長部分37は、半径方向48への幅寸法、及び長さ寸法を有
している。好適な実施例において、軸方向伸長部分38の
長さ寸法は、半径方向伸長部分37の長さ寸法より長く、
半径方向伸長部分の長さ寸法の約2倍の長さとすること
が最も望ましい。
ダム36は、せん断流体をダンプ穴を通じて導入し、半
径方向通路49を通じて流体リザーバ21に戻すポンプ要素
として作用する。全体として、ダム36の作用は、その他
のポンプ装置と同等である。該ダム36は、ダンプ穴に隣
接して位置決めされており、符号43、45で示すような傾
斜面がせん断流体をタンプ穴内に導入する。せん断流体
による継手の性質に起因して、駆動部材11と被動部材18
間には相対回転が生ずる。故に、駆動部材はせん断流体
を傾斜面に付勢させ、その結果生ずる蓄積圧力によって
流体は、ダンプ穴を通って、次に、リザーバ内まで半径
方向に送出される。ポンプ動作を促進させるため、ディ
スク状駆動部材に対面する面39、40は、駆動部材の隣接
面に対して近接し得るような形状を備え、かつそのよう
に位置決めされている。
第1図の実施例は、駆動部材及び被動部材間の相対回
転に依存して、ダムをダンプ穴に対して自動的に位置決
めする。この実施例において、環状溝24はカバー17を中
心として伸長する。周縁キャビティ25は被動部材の一部
分に沿ってのみ伸長するようにすることが望ましい。例
えば、第1図に図示するように、カバー17は、軸受けハ
ウジング16の凹所50内に受け入れられる環状フランジ53
を備えることが出来る。環状フランジ53は、ダンプ穴42
の領域に端末を有し、これにより長さの短い周縁キャビ
ティ25を残す。環状フランジ53は、ダム及びダンプ穴の
両側にて第1及第2のストッパとして機能する第1端51
及び第2端52に端末がある。第5図及び第6図に図示す
るように、ダム36は、それぞれ第1のストッパ51及び第
2のストッパ52間を自由に動き得るような寸法にする。
図示するように、第1のストッパ51及び第2のストッ
パ52は、環状フランジ53の端部によって周縁キャビティ
25内に提供されている。別の形態として、これら第1及
び第2のストッパは、上述の形態程望ましくないが、環
状溝24に沿って提供されるようにしてもよい。
ダム36は、第1のストッパ51に対して受けられた第1
の位置(第6図)を有しており、該第1の位置におい
て、第2の傾斜面44、46がダンプ穴に隣接しかつ該ダン
プ穴に対面するように位置決めされる。第2の位置(第
5図)において、ダム36は、第2のストッパ52に対して
位置決めされ、第1の傾斜面43、45は、ダンプ穴42に隣
接しかつ該ダンプ穴42に対面するように位置決めされ
る。第5図に図示した位置において、ダム36は、被動部
材に対し時計方向(第5図に見た場合)に回転する駆動
部材に対して作用可能に位置決めされる。第6図に図示
した位置は、被動部材に対して反時計方向(第6図に見
た場合)に作用する被動部材に関係する。駆動部材が被
動部材に対して相対回転することにより、流体は被動部
材に対して同一方向に付勢され、第1図の実施例の場
合、ダムを適当な位置に動かすと共に、流体をダンプ穴
を通って流動させ、リザーバに戻す作用をする。
本発明の別の好適な実施例が、特に第7図及び第8図
に図示されている。流体せん断継手54は、第1図の継手
装置10について説明したのと同一の形状に形成されてい
るが、以下に説明するような幾つかの相違点がある。ダ
ム36は、第2図及び第3図に図示したダム36と同一であ
り、駆動部材、ロータ55、又は被動部材56の何れにも取
り付けられていない状態にある。しかし、ダム36は、第
1図に図示するようなカバー17で保持することに代え、
軸受けハウジング58により画成された凹所57内に受け入
れられる。好適な実施例において、3つのダム及び関係
する凹所57が、等間隔の半径方向に離間した位置に設け
られる。
軸受けハウジングの凹所は、ダムの半径方向伸長部分
38を受け入れることが理解されよう。これら凹所は、ダ
ムを所定の周縁位置に固定し得るように寸法決めされ
る。ダムのダンプ穴に対する位置は、第1図に図示する
ように、その上に位置決めされた軸受けハウジング58及
びカバー17の相対的位置により制御される。カバー及び
軸受けハウジングの整合を容易にするため、それぞれの
外周に位置決め標識を設け、ダム及びダンプ穴の位置を
識別することが出来る。このようにして、軸受けハウジ
ング58及びカバー17は、時計方向又は反時計方向の何れ
かに回転可能に組み立てることが出来る。次に、軸受け
ハウジング及びカバーは、第7図に図示するような磁気
形成帯(magneformed band)を使用するような各種の公
知の任意の方法により相互に固着する。第1図の実施例
におけると同様、ダムが対称であるようにすることによ
り、組立体を交互の位置に位置決めすることが可能であ
る。
ダムがロータ55に対して適正に位置決めされる限り、
凹所57は上記とは異なる形状にすることが出来る。最も
簡単な形態にて、各凹所57はダムの軸方向伸長部分38に
対して相補的な形状の単一の連続的な凹所を備えること
が出来る。該形態における凹所は、軸方向伸長部分38を
受ける円筒状の連続的外面を有するようにする。この円
筒状外面を半径方向に正確に位置決めすれば、ダムの内
向き面40はロータ55の外周縁59に隣接して位置決めされ
る。
第8図に図示するように、ダムは、中間ランド領域62
を有する別個の隣接するキャビティ60、61を備える凹所
内に収容することが望ましい。各キャビティ60、61に
は、符号63で示すような張出し端縁を画成する外半径部
分が設けられている。ダム及びキャビティ60、61の相対
的寸法は、軸方向伸長部分38の端部が張出し端縁63の下
方に受け入れられ、かつ該張出し端縁63によって適所に
収容されるような値とする。これと同時に、ダムの中央
部分は、中間ランド領域62に対して受けられ、第8図に
図示するようにダムに対して幾分湾曲した形状を提供す
るようにする。
キャビティ60、61及び中間ランド領域62の上述の形状
には、次のような利点がある。即ち、製造時、軸受けハ
ウジング58は典型的に鋳造構造体とし、キャビティ60、
61をハウジングに鋳造成形することが出来る。故に、キ
ャビティの外表面は鋳造面となり、鋳造法により実現可
能な設計許容公差を呈する。しかし、ロータ55の外径59
及び軸受けハウジング58の内径64は、機械加工面とし、
機械加工法により実現可能なより高度の設計許容公差を
呈するようにすることが望ましい。ダム36は、ロータ55
に対して正確に制御された位置に位置決めし、ダムが最
大の効率を発揮し得るようにすることが望ましい。単一
の連続的凹所57を形成する場合、ダムの位置は軸方向伸
長部分38を鋳造面に対して位置決めすることにより設定
される。鋳造時に得られる設計許容公差がより緩やかで
あることを考慮すると、ダムのロータに対する間隔は狭
くなる。しかし、第8図に図示するように、ランド領域
62は軸受けハウジングの内径64に対応するため、同一工
程にて機械加工することが出来る。ダムの中央部分がこ
の中間ランド領域に着座する状態にて、ダムの該中央部
分とロータとの間の間隔は、正確に制御可能な寸法、即
ち、ロータの外径59、ランド領域の内径及びダムの軸方
向伸長部分の肉厚により決定される。これら寸法は、厳
格な設計許容公差にて容易に設定し、上述のように、望
ましいダム効率を実現することが出来る。
本発明の1つの特徴は、流体せん断継手の離脱速度
が、ダムのダンプ穴に対する位置決めを調節することに
より制御可能であることである。かかる特徴は、ダムが
ダンプ穴から離反することによって離脱速度が増大する
ため、ダムとダンプ穴との間の距離を変化させることに
より実現される。ダムがダンプ穴から離反するに伴い、
ダム効率は犠牲にされるが、かかるダム効率が低下する
速度は離脱速度の変化よりも遅く生じ、従って、ダムの
動きを効果的に利用して、適用条件に合った継手設計と
することが出来る。
第1図の実施例において、ダムの位置は2つの方法に
て変更することが出来る。第1に、ダムストッパ51、52
の位置はフランジ53を更に機械加工する等して変えるこ
とが出来る。別の方法として、ダム36の形状又は長さを
変えてもよい。第8図の実施例の調節は、軸受けハウジ
ング58及びカバーの相対的位置を変化させることにより
容易に実現可能である。かかる調節を容易にするため、
軸受けハウジング及びカバーの外周縁に位置決め標識を
設け、調節の対象となる特定の整合状態を表示し、又は
所望の別の位置に対応する別の整合状態を表示するよう
にすることが出来る。
本発明のダムの設計には幾つかの利点がある。ダム効
率は、ダムの幾何学的形態及び該ダムが作用する幾何学
的平面の性質によって改良される。ダムは、軸方向伸長
部分と、もう一方の半径方向伸長部分という2つの部分
から成っている。更に、傾斜面には角度を付け、流体を
ダンプ穴に導入し又は集束することが出来る。ダムの2
つの部分を利用することにより、流体は駆動部材のせん
断面に沿って及びその外周縁に沿って集めることが出来
る。ダムは又、駆動部材の側面に対して90゜以外の角度
を付けた外周縁に従うような設計とし、これに対応して
2つのダム部分の位置を変更することが出来る。
改良された効率及び外径におけるトルクの低下によ
り、継手の離脱速度は遅くなる。ファンの離脱速度は、
閉塞した弁が定常的状態下にあるときに作用室内に残る
流体によるものである。この残る流体は、駆動部材、即
ちロータと、被動部材、即ちカバー又はハウジングとの
間のトルクに変換される。伝達されるトルク量は2つの
部分間の隙間及びその内部の流体の液位に関係する。2
つの部分間の隙間が狭ければ狭い程、トルク伝達機能は
増大する。本発明の設計は、外径を有するロータに対し
てダムの軸方向伸長部分の最大肉厚に等しい最小隙間を
提供する。故に、作用室内に残る流体は、係合離脱した
ファン速度にそれほど寄与しない。
本発明について図面に関し詳細に説明したが、これは
本発明の単に一例であり、本発明の性質を限定するもの
ではなく、好適な実施例のみを説明したものであり、本
発明の精神に属する全ての変更及び変形例を保護の対象
に含むことを望むものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による流体せん断継手及び自由浮動ダム
を示す一部断面図とした側方立面図、 第2図は本発明による流体ダムの後方立面図、 第3図は第2図の流体ダムの平面図、 第4図は特に環状溝に対する流体ダムの位置、及びダム
を受け入れる周縁キャビティを示す第1図の流体せん断
継手の部分拡大図、 第5図は特に駆動部材が被動部材に対し時計方向に回転
することに関連する2つの交互の位置の一方にあるせん
断ダムを示す第1図の流体せん断継手の部分背面図、 第6図は特に駆動部材が被動部材に対して反時計方向に
回転することに関連する2つの交互の位置の一方にある
せん断ダムを示す第1図の流体せん断継手の部分背面
図、 第7図は軸受けハウジング及びカバーの相互の取り付け
状態を示す部分側面図、 第8図は流体ダムの取り付け方法を示す軸受けハウジン
グ及びロータの立面図である。 10:流体せん断継手 11:駆動部材、12:軸 13:部分、14:穴 15:被動部材、16:ハウジング 17:カバー、18:金属帯 19:せん断表面、20:外周縁 21:せん断リザーバ 22:作用室、23:せん断表面 24:環状溝、25:キャビティ 26:中心軸線、27:内側レース 28:軸受け、29:ハブ部分 30、32:ショルダ 31:ハブ中央部分、33:外側レース 34:凹所、35:リング 36:L字形ダム、37:半径方向伸長部分 38:軸方向伸長部分 39、40、41:面 42:ダンプ穴 43、44、45、46:傾斜面 47:軸方向、48:半径方向 49:半径方向通路 50:凹所、51、52:ストッパ 53:環状フランジ、54:流体せん断継手 55:ロータ、56:被動部材 57:凹所、58:軸受けハウジング 59:外周縁、60、61:キャビティ 62:中間ランド領域 63:端縁、64:内径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−62060(JP,A) 実開 昭58−97327(JP,U) 特公 昭63−31009(JP,B2) 特公 昭62−1128(JP,B2) 特公 平3−6373(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16D 35/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体せん断継手(10)にして、 せん断面(19)を画成する側部及び円筒状の外周縁(2
    0)を有するディスク状部分(11)を備える駆動部材(1
    1)と、 せん断流体リザーバ(21)を有しかつ前記駆動部材(1
    1)を受け入れる作用室(22)を画成する被動部材(1
    5)と、を備え、 前記作用室(22)は、前記駆動部材(11)のせん断面
    (19)に対面しかつ該せん断面(19)に隣接するせん断
    面(23)を有しており、 前記作用室(22)は、前記駆動部材(11)の外周縁(2
    0)に隣接して前記駆動部材(11)の側部に対面する環
    状溝(24)を画成しており、 前記作用室(22)は、また、前記駆動部材(11)の外周
    縁(20)に対面する周縁方向キャビティ(25)を画成し
    ており、 前記被動部材(15)は、軸受けハウジング(16)と、カ
    バー(17)と、前記カバー(17)を前記軸受けハウジン
    グ(16)に結合する継手手段(18)とを有しており、 前記流体せん断継手は、更に、 前記被動部材(15)を共通の軸線(26)を中心として回
    転可能であるように前記駆動部材(11)に取り付ける取
    り付け手段(12、16)と、 半径方向伸長部分(37)と、軸方向伸長部分(38)とを
    有する単体のL字形ダム(36)とを備え、 前記半径方向伸長部分(37)は、前記作用室(22)の前
    記環状溝(24)内に受け入れられており、 前記半径方向伸長部分(37)は、また、前記駆動部材
    (11)の側部(70)に対面しかつ該側部(70)に隣接す
    る面(39)を有しており、 前記軸方向伸長部分(38)は、前記作用室(22)の前記
    周縁キャビティ(25)内に受け入れられており、 前記軸方向伸長部分(38)は、また、前記駆動部材(1
    1)の外周縁(20)に対面しかつ該外周縁(20)に隣接
    する面(40)を有しており、 前記半径方向伸長部分(37)及び軸方向伸長部分(38)
    の各々は、第1の方向(71)に向いた一端に設けた第1
    の傾斜面(43、45)と、前記第1の方向(71)と反対の
    第2の方向(72)に向いた他端に設けた第2の傾斜面
    (44、46)とを有しており、 前記軸受けハウジング(16)及び前記カバー(17)の一
    方が、前記環状溝(24)内に開口するダンプ穴(42)を
    有する流体戻り通路(49)を画成しており、 前記軸受けハウジング(16)及び前記カバー(17)の他
    方が、前記ダム(36)を受け入れるキャビティ(25)を
    画成しており、 前記被動部材(15)の前記継手手段(18)は、前記カバ
    ー(17)を前記軸受けハウジング(16)に結合し、 前記ダム(36)は、2つの交互の位置の一方を有し、そ
    の第1の位置は、第2の傾斜面(44、46)が前記ダンプ
    穴(42)に隣接しかつ該ダンプ穴(42)に対面する位置
    にあり、第2の位置は、前記第1の傾斜面(43、45)が
    前記ダンプ穴(42)に隣接しかつ該ダンプ穴(42)に対
    面する位置にあるようにしたことを特徴とする流体せん
    断継手。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の流体せん断継手にして、 前記軸受けハウジング(16)は、前記ダム(36)の軸方
    向伸長部分(38)を受け入れるキャビティ(25)を画成
    する流体せん断継手。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の流体せん断継手にして、 前記ダム(36)の前記軸方向伸長部分(38)の第1及び
    第2の傾斜面(45、46)は、前記半径方向伸長部分(3
    7)に向いた方向(73)において内方に角度が付けられ
    る流体せん断継手。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の流体せん断継手にして、 前記ダム(36)の前記半径方向伸長部分(37)の第1及
    び第2の傾斜面(43、44)は、前記軸方向伸長部分(3
    8)に向いた方向(74)において内方に角度が付けられ
    る流体せん断継手。
  5. 【請求項5】流体せん断継手(10)にして、 せん断面(19)を画成する側部及び円筒状の外周縁(2
    0)を有するディスク状部分(11)を備える駆動部材(1
    1)と、 せん断流体リザーバ(21)を有しかつ前記駆動部材(1
    1)を受け入れる作用室(22)を画成する被動部材(1
    5)と、を備え、 前記作用室(22)は、前記駆動部材(11)のせん断面
    (19)に対面しかつ該せん断面(19)に隣接するせん断
    面(23)を有しており、 前記作用室(22)は、前記駆動部材(11)の外周縁(2
    0)に隣接して前記駆動部材(11)の側部に対面する環
    状溝(24)を画成しており、 前記作用室(22)は、また、前記駆動部材(11)の外周
    縁(20)に対面する周縁方向キャビティ(25)を画成し
    ており、 前記流体せん断継手は、更に、 前記被動部材(15)を共通の軸線(26)を中心として回
    転可能であるように前記駆動部材(11)に取り付ける取
    り付け手段(12、16)と、 半径方向伸長部分(37)と、軸方向伸長部分(38)とを
    有する単体のL字形ダム(36)とを備え、 前記半径方向伸長部分(37)は、前記作用室(22)の環
    状溝(24)内に受け入れられており、 また、前記半径方向伸長部分(37)は、前記駆動部材
    (11)の側部(70)に対面しかつ該側部(70)に隣接す
    る面(39)を有しており、 前記軸方向伸長部分(38)は、前記作用室(22)の前記
    周縁キャビティ(25)内に受け入れられており、 また、前記軸方向伸長部分(38)は、前記駆動部材(1
    1)の前記外周縁(20)に対面しかつ該外周縁(20)に
    隣接する面(40)を有しており、 前記半径方向伸長部分(37)及び前記軸方向伸長部分
    (38)の各々は、第1の方向(71)に向いた一端に設け
    た第1の傾斜面(43、45)と、前記第1の方向(71)と
    反対の第2の方向(72)に向いた他端に設けた第2の傾
    斜面(44、46)とを有しており、 前記被動部材(15)は、前記環状溝(24)内に開口する
    ダンプ穴(42)を有する流体戻り通路(49)を画成して
    おり、 前記作用室(22)は、前記ダム(36)及び前記ダンプ穴
    (42)の両側部に第1のストッパ(51)及び第2のスト
    ッパ(52)を画成し、 前記第1のストッパ(51)は、前記ダム(36)の前記第
    1の傾斜面(43、45)と同一側に設けられており、 前記第2のストッパ(52)は、前記ダム(36)の第2の
    傾斜面(44、46)と同一側に設けられており、 前記ダム(36)は、前記第1のストッパ(51)と第2の
    ストッパ(52)との間にて前記環状溝(24)及び前記周
    縁キャビティ(25)内を自由に移動可能であり、 前記ダム(36)は、 前記第2の傾斜面(44、46)が前記ダンプ穴(42)に隣
    接しかつ該ダンプ穴(42)に対面するように位置決めさ
    れた、第1のストッパ(51)に当接する第1の位置と、 第1の傾斜面(43、45)が前記ダンプ穴(42)に隣接し
    かつ該ダンプ穴(42)に対面するように位置決めされ
    た、前記第2のストッパ(52)に当接する第2の位置と
    を有することを特徴とする流体せん断継手。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の流体せん断継手にして、 前記ダム(36)の前記軸方向伸長部分(38)の第1及び
    第2の傾斜面(45、46)が、前記半径方向伸長部分(3
    7)に向いた方向(73)において内方に角度が付けられ
    る流体せん断継手。
  7. 【請求項7】請求項5に記載の流体せん断継手にして、 前記ダム(36)の前記半径方向伸長部分(37)の前記第
    1及び第2の傾斜面(43、44)が、前記軸方向伸長部分
    (38)に向いた方向(74)において内方に角度が付けら
    れる流体せん断継手。
JP2260332A 1989-09-29 1990-09-28 流体せん断継手 Expired - Lifetime JP2839204B2 (ja)

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