JP2839074B2 - 地中障害物切断装置 - Google Patents

地中障害物切断装置

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JP2839074B2 JP6099566A JP9956694A JP2839074B2 JP 2839074 B2 JP2839074 B2 JP 2839074B2 JP 6099566 A JP6099566 A JP 6099566A JP 9956694 A JP9956694 A JP 9956694A JP 2839074 B2 JP2839074 B2 JP 2839074B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、刃先が先端に設けられ
て回転しながら削孔する円筒状ケーシング内に残留する
地中障害物を切断する地中障害物切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】刃先が先端に設けられ回転しながら削孔
するケーシングドライバーは公知であり、ケーシングに
よって既存駆体、杭または転石等の地中障害物を貫通す
るので、ケーシング内に残存する地中障害物(以下障害
物と略称する)を除去する方法も開発されている。以下
従来の方法とその問題点を説明する。
【0003】1.ハンマグラブを用いる方法。
【0004】図8に示すようにケーシング2によって円
筒状状に切断された障害物10の厚さtが約300粍程
度のものであれば簡単にハンマグラブ30に把持される
のでケーシング2内に残存する障害物10aを除去する
ことは簡単である。図中符号7,8,9はそれぞれ外歯
カッター,内歯カッター,内面カッターである。しかし
障害物の厚さが大きい例えば基礎、地中梁または場所打
ちコンクリート杭等については、重量も大きいので爪を
深く挿入する必要があるが実際は挿入がしにくく把持が
困難であり多大の労力と時間を要する。
【0005】2.ロケットハンマーやチゼルハンマーを
用いる方法・・・・図9において、ロケットハンマー4
0で障害物10aの肩部を徐々に破砕して把持し易い形
状にしたり、図10においてチゼルハンマー50で重量
を軽減させたりしてハンマグラブ(図8参照)で把持し
易くするのであるが、この方法は施工時間がかかる他、
騒音と振動が発生して市街地域や住居地域の現場では適
用が困難である。
【0006】3.内面カツターの増設方法。
【0007】図11において、ケーシング2の先端部に
固設された内面カッター9の上位に更に内側に突出する
補助内面カッター9aを増設して障害物の外径を小さく
しケーシング2と障害物との隙間とを広げ、ハンマグラ
ブによる障害物の把持を容易にするものであるが、ケー
シングカッターの交換回数が増えて煩わしいこと、隙間
Sの増大に限定があること及び障害物10aの重量に対
する改善策にならない。
【0008】4.小ケーシングの使用方法。
【0009】図12において、最初に小径のケーシング
2aを使用して切断し障害物10より小径の障害物10
bを分離する。小径の障害物10bは軽量であるからハ
ンマグラブ30により容易に把持除去できる。次に図1
3において所定のケーシング2によって切断し中抜きさ
れた障害物10cを分離する。中抜きされた障害物10
cは軽量だからハンマグラブ30により容易に把持除去
できる。しかし、本方法は工程が増えて作業時間がかか
り、異径のケーシングを用意しなければならずまた小ケ
ーシングを抜くと周囲の土砂が入り込んで杭造成の品質
低下という問題点がある。
【0010】研磨材を混合した高圧水の噴射により地中
障害物を切断する技術は、いわゆるアブレイシブジェッ
ト工法として公知である。しかしながらケーシングドラ
イバーによって円筒状に切断された大型の地中障害物の
更なる切断は、前記のように、いずれもケーシングの軸
線方向の切断であるので、前記の問題を解決することが
できない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、周囲から土
砂が入り込まず、振動騒音がなく、障害物を輪切りで
き、作業が簡単な地中障害物切断装置を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、刃先が
先端に設けられて回転しながら削孔する円筒状ケーシン
グ内に残留する地中障害物を切断する地中障害物切断装
置において、ケーシングの先端に取り付けられていて半
径方向にケーシングと地中障害物との間に隙間を形成す
る内面カッターと、ケーシングによって地中障害物が円
柱状に切断された後にケーシングの軸線上に取り付けら
れるケリーバーと、そのケリーバーに固着されていてケ
ーシングと地中障害物との間の前記隙間に挿入されるノ
ズルホルダーと、そのノズルホルダーの下位に取り付け
られケーシングの軸線に対して直交する向きに配置され
たノズルと、研磨材を水に混合し圧力を上げて前記ノズ
ルより噴出させる高圧ポンプ装置とを有することを特徴
とする地中障害物切断装置とを有している。
【0013】
【0014】
【作用効果の説明】上記本発明によれば、ケーシングは
障害物に到達するまで土砂を先端に設けられた刃先によ
り円柱状に切削する。ケーシングは障害物に到達すると
同様に障害物を円柱状に切削する。障害物を切削し終わ
ると、ケーシング内には上方に土砂と下方に障害物が残
置されるので、ケーシング内に残置された土砂を例えば
ハンマグラブで公知の方法で地表に排出する。その際ケ
ーシングと障害物との間の半径方向隙間に充満している
土砂をも排除するが、ケーシングの先端には内面カッタ
ーが取り付けられているから、半径方向にケーシングと
障害物との間に後記のノズルが挿入可能な大きさの隙間
が形成される。ケーシングの軸線に沿ってケリーバーを
ケーシングに連結し、ノズルを下位に取り付けたノズル
ホルダーを前記ケリーバーの下端部に固着する。ノズル
はノズルホルダーの下位に取り付けられノズルホルダー
はケリーバーに固着されているから、具体的には前記隙
間にノズルホルダーを挿入するとノズルはケリーバーの
下端より所定の下方位置に挿入される。
【0015】ポンプ装置を介して研磨材を水に混合し圧
力を上げて前記ノズルより噴出させる。このノズルはケ
ーシングの軸線に対して直交する向きに配置されて、い
るから障害物は輪切りにされる。輪切りにされた障害物
は例えばグラブハンマー等により簡単に把持されつり上
げられて地表に排出される。
【0016】従って、残留障害物の切断位置はつり上げ
られる重量を勘案してケリバーを所定位置に位置させら
れるから、ロケットハンマーやチゼルハンマー等を使用
する必要がなく、更なる内面カッターを取り付けること
もなく、異径のケーシングを用意することもないので、
施工時間が短縮し振動、騒音が発生せず、かつケーシン
グを途中で抜くことをしないから土砂が入り込まず高品
質の杭が期待できる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
するが、まず本発明をよく理解するために公知技術につ
いて説明する。
【0018】図1において、公知のケーシングドライバ
ーを説明する。ケーシングドライバーは、ケーシングド
ライバー本体1と円筒状のケーシング2とを有してい
る。ケーシングドライバー本体1は、地面Gに敷かれた
治具鉄板4の上に固定されていて、回転駆動装置5によ
りバンド装置6を介してケーシング2を回転させるよう
になっている。ケーシング2の下端部には外歯カッター
7、内歯カッター8及び内面カッター9が取り付けられ
地中をリング状に切削し地中に障害物10があれば同様
にリング状に切削し、ケーシング2内に周面のみ円筒状
に形成された障害物10aが残置されるようになってい
る。
【0019】以上は公知の技術に属するものであるが、
さて本発明による装置の構成の一部をなすケリーバー3
は、ケーシング2の軸線に沿って移動可能に延びる正方
形断面の長尺材であって、連結材11によりケーシング
2とともに回転させられるようになっている。詳しく
は、図2ないし図4において、連結材11は中央部に正
方形の角筒状の穴12が設けられ十字形に延びる部材が
一体に形成されている。この十字形に延びる部材の端部
はケーシング2の上端部にアングル材13によりボルト
を介して固装されている。
【0020】ケーシングドライバーのケリーバー3の下
端部にノズルホルダー14がボルトを介して固着され、
ノズルホルダー14の下端部には一対のノズル15が対
向するように配置され、それぞれケーシング2の軸線に
直交する向きに固定されている。この場合ノズルホルダ
ー14は天板14a付いた円筒体14bであって、ケリ
ーバー3に天板14aが固着され、図5に示すように円
筒体14bの内面に一対のノズル15対向して配設さ
れ、それぞれ配管が溶接等で固定されている。ノズル1
5を保護するために図6に示すように、ノズル養生鉄板
15aがノズル15を挟んで溶接等で固着されている。
図7はノズル15,配管16及びノズル養生鉄板15a
が一体的に固着された円筒体14bに、更に配管16及
び高圧水噴射装置17を配置した天板14aを溶接等で
固着させて形成された組立体18を示している。
【0021】図6に示したノズル15及びノズル養生鉄
板15aを固着した円筒体15aの平面図上の寸法は、
ケーシング2に取り付けられた内歯カッター8及び内面
カッター9により切削されてなる半径方向の隙間Sに上
下動かつ回転可能に規制されていて時計方向と反時計方
向とに交互に180度回転が繰り返されるようになって
いる。
【0022】ノズル15は配管16により高圧水噴出装
置17に接続され、更に配管16aにより地上に配置さ
れた高圧ポンプユニット19及び研磨材供給タンク20
に接続されており、高圧ポンプユニット19及び研磨材
供給タンク20の作動を監視制御するために監視制御盤
21が設けられている。
【0023】次に上記の構成による作動を説明する。ケ
ーシングドライバーにより円筒状ケーシング2を回転さ
せながら地中に沈める。障害物10の存在はあらかじめ
予測されているが、ケーシング2は障害物10に到達す
るまで土砂を先端に設けられた刃先すなわち外歯カッタ
ー7,内歯カッター8及び内面カッター9により円柱状
に切削する。ケーシング2は障害物10に到達すると同
様に障害物を円柱状に切削して障害物10aを得る(切
削工程)。
【0024】ケーシング2が障害物10に到達したこと
は回転数の変化や電力量の増加によって判断される。さ
て、障害物を切削し終わると、ケーシング2内には上方
に土砂と下方に障害物10aが残置されるから、ケーシ
ング2内に残置された土砂を例えばハンマグラブで公知
の方法で地表に除去する。その際ケーシング2と障害物
10aとの間の半径方向隙間Sに充満している土砂をも
排除する。ケーシングの先端には内面カッターが取り付
けられているから、前記隙間Sは半径方向にケーシング
と障害物との間に後記のノズルが挿入可能な大きさに形
成される(隙間形成工程)。
【0025】次に、ケーシング2の軸線に沿ってケリー
バー3をケーシング2に十字形に形成された連結材11
を介して従動回転しながら上下動自在に連結する(ケリ
ーバー連結工程)。
【0026】次にノズル15を下位に取り付けたノズル
ホルダー14の天板14aをケリーバー3の下端部にボ
ルトを介して固着する(ノズルホルダー固着工程)。
【0027】次に隙間Sにノズル15を挿入するが、ノ
ズル15はノズルホルダー14の円筒体14b下位に取
り付けられノズルホルダー14はケリーバー3の下端部
にに固着されているから、具体的には前間Sにノズルホ
ルダー14の円筒体14bを挿入する(ノズル挿入工
程)。挿入する位置はケリーバー3を上下方向に移動し
て任意に設定できる。
【0028】次に監視制御盤21を用いてケリーバー3
を図1及び図7に示すように、障害物10aの上面より
所望の厚さHの位置に降下させる。厚さHの値は障害物
10aの種類によって異なる。要するにハンマグラブが
障害物10aを容易に把持しつりあげられる程度であれ
ばよい。次に高圧ポンプユニット19及び研磨材供給タ
ンク20を作動させ、研磨材が混合された水を配管16
a,高圧水噴出装置17及び配管16を通ってノズル1
5より高圧になって噴出させるとともに、ケリーバー3
を180゜ずつ方向を交互に反転させながら回転させる
と、ケリーバー3に固設されたノズルホルダー14は空
間Sの中で180゜回転しては反転を繰り返す。そして
ノズル15はケーシング2の軸線に対して直交する向き
に配置されており、高圧水は研磨材を含んでいるから、
障害物10aは徐々に小径10bとなりついに水平に切
断される(切断工程)。
【0029】高圧水の噴射時期と圧力等は監視制御盤2
1により制御される。切断中は地中で水噴射のみで行わ
れるので振動騒音が発生せず、また切断された障害物1
0aは適度の重量であるから、更なる破砕,切断をせず
にハンマグラブにより容易に把持除去される。切断工程
中はケーシング2を抜かないから杭造成に有害な土砂流
入がない。このようにして輪切りされた障害物は例えば
グラブハンマー等により簡単に把持されつり上げられて
地表に排出される。
【0030】従って、残留障害物を輪切りでき、かつケ
リバーを所定位置に位置させられるから、ロケットハン
マーやチゼルハンマー等を使用する必要がなく、更なる
内面カッターを取り付けることもなく、異径のケーシン
グを用意することもないので、施工時間が短縮し振動、
騒音が発生せず、かつケーシングを途中で抜くことをし
ないから土砂が入り込まない。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、下記のような効果がある。
【0032】1.ケーシングで円筒状に切削した障害物
を、ケーシングに挿入した状態でケーシングの軸線に対
して直交する向きに切断するので周囲の土砂が入り込む
おそれがない。
【0033】2.高圧水噴射によって切断するので振動
や騒音の発生がなく都市の住宅地域で作業しても公害が
ない。
【0034】3.ケーシングと障害物との間に隙間がケ
ーシングの半径方向に形成されるので、この隙間からノ
ズルがケーシングの軸線に向かって高圧水を噴射し障害
物を適度に薄く輪切りするので容易に除去することがで
きる。
【0035】4.作業が簡単なので作業効率が向上し、
結果として品質の良い杭を造成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による地中障害物切断装置を示す一部断
面側面図。
【図2】本発明による地中障害物切断装置を示す平面
図。
【図3】ケーシングとケリーバーとの連結を説明する
図。
【図4】フレームとケリーバーとの固定を説明する図。
【図5】ノズルの配置を説明する図。
【図6】ノズル養生鉄板の配置を説明する図。
【図7】切断工程を説明する図。
【図8】従来の障害物除去法を説明する図。
【図9】従来の別の障害物除去法を説明する図。
【図10】従来の更なる別の障害物除去法を説明する
図。
【図11】従来の更なる別の障害物除去法を説明する
図。
【図12】従来の更なる別の障害物除去法を説明する
図。
【図13】従来の更なる別の障害物除去法を説明する
図。
【符号の説明】
1・・・ケーシングドライバー本体 2,2a・・・ケーシング 3・・・ケリーバー 4・・・治具鉄板 5・・・回転駆動装置 6・・・バンド装置 7・・・外歯カッター 8・・・内歯カッター 9・・・内面カッター 9a・・・補助内面カッター 10,10a,10c,10d・・・障害物 11・・・連結材 12・・・穴 13・・・アングル材 14・・・ノズルホルダー 14a・・・天板 14b・・・円筒体 15・・・ノズル 15a・・・ノズル養生鉄板 16,16a・・・配管 17・・・高圧水噴射装置 18・・・組立体 19・・・高圧ポンプユニット 20・・・研磨材供給タンク 21・・・監視制御盤 30・・・ハンマグラブ 40・・・ロケットハンマー 50・・・チゼルハンマー H・・・切断厚さ S・・・隙間 t・・・地中障害物の厚さ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刃先が先端に設けられて回転しながら
    削孔する円筒状ケーシング内に残留する地中障害物を切
    断する地中障害物切断装置において、ケーシングの先端
    に取り付けられていて半径方向にケーシングと地中障害
    物との間に隙間を形成する内面カッターと、ケーシング
    によって地中障害物が円柱状に切断された後にケーシン
    グの軸線上に取り付けられるケリーバーと、そのケリー
    バーに固着されていてケーシングと地中障害物との間の
    前記隙間に挿入されるノズルホルダーと、そのノズルホ
    ルダーの下位に取り付けられケーシングの軸線に対して
    直交する向きに配置されたノズルと、研磨材を水に混合
    し圧力を上げて前記ノズルより噴出させる高圧ポンプ装
    置とを有することを特徴とする地中障害物切断装置。
JP6099566A 1994-05-13 1994-05-13 地中障害物切断装置 Expired - Fee Related JP2839074B2 (ja)

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