JP2838874B2 - 植物繊維質成分を含む原料からなる成形体の製造方法、及び生分解性成形体 - Google Patents

植物繊維質成分を含む原料からなる成形体の製造方法、及び生分解性成形体

Info

Publication number
JP2838874B2
JP2838874B2 JP7048473A JP4847395A JP2838874B2 JP 2838874 B2 JP2838874 B2 JP 2838874B2 JP 7048473 A JP7048473 A JP 7048473A JP 4847395 A JP4847395 A JP 4847395A JP 2838874 B2 JP2838874 B2 JP 2838874B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
component
molded article
plant fiber
fiber component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7048473A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08246398A (ja
Inventor
昌央 坂本
征次 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Seishi KK
Original Assignee
Nippon Seishi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Seishi KK filed Critical Nippon Seishi KK
Priority to JP7048473A priority Critical patent/JP2838874B2/ja
Publication of JPH08246398A publication Critical patent/JPH08246398A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2838874B2 publication Critical patent/JP2838874B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物繊維質成分を含む
原料からなる成形体の押出成形機を用いた製造方法、及
びかかる製造方法により得られる生分解性成形体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、合成プラスチック系素材は、環境
問題に対する世界的な関心の高まりとともに、環境汚染
を引き起こす大きな原因の一つとして、その廃棄、さら
にはその使用についても厳しい制限が加えられつつあ
り、多くの分野でこれらの素材を生分解性のものに代替
する研究が進められている。
【0003】これは包装資材の分野でも例外ではなく、
例えばカートン、トレーを始めとする種々の包装用袋・
容器、そして緩衝材等でこうした研究が行われ、また現
に生分解性であることを大きな特徴としてうたったこれ
らの商品も市販され始めている。
【0004】こうした情況を背景として本発明者らは先
に、澱粉を主たる成分とし、他の成分として植物繊維質
成分、あるいは植物繊維質成分と蛋白質成分とを含む原
料からなる生分解性の緩衝材を提案した(特開平7−1
7571)。かかる緩衝材は入手容易な素材を原料とし
て用いながら、主にその植物繊維質成分の効果により、
必要な強度が与えられ、かつ使用環境中の湿度の影響に
よるべとつきや強度の低下等の問題が改善された、従来
の澱粉系緩衝材にはない優れた性能を有するものであ
り、押出成形機等を用いて製造することにより効率的に
連続生産することも可能であった。
【0005】しかし、このような原料組成の成形体を押
出成形法により製造する場合、原料中の植物繊維質成分
の割合を多くすると、その流動性が悪化するため、原料
の混練や押出成形の際などに押出成形機に多大の負荷が
かかって生産性が低下し、甚だしい場合には装置内部で
の原料の焦つき等のトラブル、更には装置の損傷といっ
た事態をも引き起こすこととなる。つまり原料中には、
澱粉質成分を糊化させる等のため、上記成分の他5〜3
0重量%程度の水分も含まれており、それにより押出成
形機内におけるその流動性も確保されているのである
が、原料中の植物繊維質成分の割合が多くなると、この
程度の水分ではこれが十分確保できなくなるのである。
かと言って原料中の水分増は、成形に必要な粘度や最終
製品の強度の確保、及び製品の乾燥に要するエネルギー
等の面から好ましくない。本発明者らの検討によるとか
かる問題を回避するため、例えば緩衝材を押出成形する
場合には、植物繊維質成分の澱粉質成分に対する割合は
65重量%以下、原料全量に占める割合としては30重
量%以下とする必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、植物繊維質
成分及び澱粉質成分、あるいは植物繊維質成分、澱粉質
成分及び蛋白質成分を骨格成分とする成形体の押出成形
による製造にあたって、押出成形機に大きな負荷をかけ
ることなく、原料中の植物繊維質成分の増配を可能とす
る方法、及びかかる方法を用いて製造される生分解性成
形体を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく検討を重ねた結果、成形体の原料としてこ
れらの骨格成分と共に高吸水性ポリマーを用いることに
より、成形体原料の混練時や押出成形時等に機械にかか
る負荷を大幅に軽減できることを見出だした。
【0008】即ち本発明の製造方法及びこの方法により
製造される成形体は、植物繊維質成分、澱粉質成分及び
高吸水性ポリマー、あるいは植物繊維質成分、澱粉質成
分、蛋白質成分及び高吸水性ポリマーを含む混合物を原
料とすること、そしてこれを押出成形機にて押出成形す
ること、もしくは押出成形したものであることを特徴と
する。
【0009】高吸水性ポリマーは、高度の架橋構造を有
する不溶化された高分子電解質であり、その網目状構造
の中に水を取り込んで膨潤することにより吸水し、これ
をこの構造中に保持し続けるという特性を持つ。その吸
水力は製品により差が大きいが、パルプ等の天然吸水性
素材が最大でも20cc/g程度(純水で測定。以下同
じ。)であるのに対し、現在では約40cc/gから約
1000cc/gに達するものまで開発・市販されてお
り、その構造にしても、例えばポリアクリル酸系、澱粉
/ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール/ポリアク
リル酸系、ポリビニルアルコール系、澱粉/ポリアクリ
ロニトリル系、イソブチレン/マレイン酸系等、種々の
ものが知られている。本発明においてはこれらの高吸水
性ポリマーを単独で、または2種以上併用して使用する
ことができるが、原料中のこの高吸水性ポリマー含有量
は0.3〜4.0重量%となるようにすることが望まし
い。この含有量が0.3重量%未満では、たとえ吸水力
の大きいものを使用したとしてもその効果を十分に発揮
させることができず、また4.0重量%を超えると、高
吸水性ポリマーによる効果よりもそのポリマー自体の物
性がもたらす影響の方が大きくなってしまう。しかもこ
のように高吸水性ポリマーを多く含む原料は成形体製造
工程中に過剰の水分を吸収するため、押出成形時の乾燥
に伴って成形体に収縮、ひびわれ等が生じたり、発泡押
出成形を行う場合には発泡が阻害されるおそれがあるか
らである。
【0010】植物繊維質成分としては、例えば木材パル
プ、コーンファイバー、または麻、棉、藁等より得られ
る繊維、更には古紙の粉砕物もしくは解繊物を単独で、
あるいは2種以上併用して使用することができる。また
その使用量は原料全量に対して5〜50重量%の範囲に
あることが望ましい。これが5重量%未満では成形体へ
強度を与え、環境湿度の影響を軽減するというその役割
を果たすことができず、50重量%を超えた場合には、
高吸水性ポリマーの使用によっても原料の流動性の十分
な確保が難しくなるからである。なお、これらの素材の
中でも古紙の粉砕物もしくは解繊物の使用はその価格、
入手の容易性の上で特に有利である。かかる古紙の粉砕
・解繊物を得るには、新聞、雑誌、OA用紙、証券用
紙、板紙、段ボール等の古紙をハンマーミル、ターボミ
ル、ターボカッター等で0.1〜5mm程度に粉砕すれ
ばよい。
【0011】また澱粉質成分としては一般に用いられて
いるすべての澱粉、例えばとうもろこし、もちとうもろ
こし、小麦、大麦、裸麦、えん麦、米、もち米などの穀
類、もしくは馬鈴薯、さつまいも、タピオカ、キャッサ
バなどの根茎類から得られた精製澱粉、あるいはデキス
トリン、カルボキシメチル化澱粉、エーテル化澱粉、エ
ステル化澱粉などの加工澱粉等を単独で、または2種以
上併用して使用することができる。
【0012】なお本発明においては、上記の精製澱粉以
外にもコーンフラワー、小麦粉、おからなど、澱粉質成
分の他に蛋白質成分を含む未精製澱粉等を、単独でまた
は2種以上併用して使用することも可能である。さらに
蛋白質成分は、澱粉とは別個に原料中に加えてもよい。
この場合に用いられる蛋白質成分はその起源に制約され
るものではなく、例えば大豆タンパク、小麦タンパク、
コーンタンパク等の植物性蛋白質、あるいは乳タンパ
ク、卵白等の動物性蛋白質、さらにはこれらを精製して
得られるカゼイン、グルテン、アルブミン、ゼラチン、
コラーゲン等を使用することができる。
【0013】本発明において成形体は、これらの成分
を、常温下で撹拌混合機を用い、あるいはヘンシェルミ
キサー、混練ロール、加圧ニーダー等で加熱混練するな
どして均質に混合した後、押出成形機に導入して押出成
形することにより製造される。この過程において原料中
の澱粉質成分は、水の存在下で加熱・加圧されることに
よりその分子中の水素間結合が破壊される一方、破壊さ
れずに残った一部の強い水素結合を結び目とした網目構
造の中に、多量の水分子を取り込んで不可逆的に大きく
膨潤して粘性のある糊液を与える。この現象を糊化と呼
ぶが、本発明においては成形体の製造に必要な原料の流
動性と粘性、そして最終製品の強度確保の上から、この
糊化のため、全原料に対する澱粉質成分の割合を20〜
70重量%、同じく水分を7.5〜20重量%とするこ
とが望ましい。
【0014】押出成形法においては、ホッパーから押出
成形機内のシリンダーに導入された水分含量7.5〜2
0重量%の原料は、平均品温(第1混練ゾーン、第2混
練ゾーン、及び押出し出口における原料温度を平均した
もの)105〜195℃で加熱されながら、シリンダー
内をスクリューで混練されつつ第1、第2混練ゾーンを
経て、押出し出口、即ち押出用ダイに向かって輸送され
る。原料はダイに近付くにつれて、シリンダー内壁と回
転するスクリューの相互作用から生じる圧力を受け、最
終的には10〜200kg/cm2 ・ゲージの吐出圧で
ダイから押し出され、ダイの形状に応じた形態をした成
形物を与える。このとき、原料中の水分、加熱温度、ス
クリューの形状や回転数、押出速度等の押出条件を調整
することで、押出し出口における加圧下から常圧下への
急激な圧力変化を利用して、混練された原料中に含まれ
ている水分、空気等のガスにより原料を発泡させれば、
多孔性あるいは海綿状の形態を有し弾性を与えられた、
緩衝材として有用な成形体を得ることができる。なお、
本発明において原料中の水分は、その殆どが押出し出口
における上記した圧力変化に伴ない気化するため、得ら
れる成形体については多くの場合、特別な乾燥工程を必
要としない。しかしこの成形工程の後に別途、乾燥工程
を加えることももちろん可能である。
【0015】以上、本発明の特徴を説明してきたが、本
発明においてはその特徴を損ねない範囲内において、そ
の他の構成を付加することができる。例えば本発明にお
いては上記成分の他、可塑剤、滑剤、接着剤、整泡剤、
膨脹剤、抗菌・坑カビ剤、漂白剤、色素、香料等の一般
に使用される各種添加剤を、その目的に応じて使用する
ことも可能である。
【0016】
【作用】本発明において、その原料中の植物繊維質成分
は、製造される成形体の物理的強度を高めるフィラーと
しての役割を果たしていると考えられる。従来、澱粉質
成分を骨格成分とする成形体では、強度を確保するた
め、アミロース高含量の澱粉等、特殊な澱粉を使用しな
ければならなかったが、本発明の成形体ではかかる植物
繊維質成分の効果により、特殊な澱粉を使用する必要は
なく、一般に用いられているいかなる澱粉をも使用でき
ることとなった。
【0017】しかも、この植物繊維質成分を原料中に存
在させることにより、使用環境中の湿度による成形体の
べとつきや強度の低下等の問題が解決される。これはこ
の成分が、高湿度下においては成形体中の余剰の水分を
吸収してその内部、例えば繊維間隙等に保持し、また低
湿度下においては吸収した水分をその周囲の水分含量に
応じて放出する、いわば成形体中の水分分布調節機構と
して働き、結果として、高湿度下では過剰の水分により
溶解してべとつきやすく、低湿度下では乾燥して強度が
低下しやすい糊化澱粉中の水分含量の変動を、抑制する
ためであると考えられる。さらにこの植物繊維質成分
は、原料中に蛋白質成分が含まれていた場合に、成形体
製造過程において一部の蛋白質が分解して生じる臭気を
吸着し、その発生を防止する効果をも有している。
【0018】なお、原料中の蛋白質成分は植物繊維質成
分とともにフィラーとしての役割を果たす。即ち、原料
を押出成形機で処理することにより、蛋白質成分は成形
体中で網目状等に組織化され、これがフィラーとして成
形体の強度に寄与することになるのである。
【0019】また高吸水性ポリマーは、原料の流動性、
柔軟性を高め、その混練時や押出成形時等に押出成形機
にかかる負荷を大幅に軽減する役割を果たす。これは本
発明の成形体製造過程において、このポリマーが植物繊
維質成分や澱粉質成分、蛋白質成分等の原料と均質に混
合される際に、原料中の水分がこれに吸収されつつ、こ
れとともに原料中にまんべんなく練り込まれることにな
るためであると考えられる。
【0020】加えて澱粉質成分、植物繊維質成分及び蛋
白質成分は、いずれも生分解性、即ちバクテリア、カ
ビ、酵母等の微生物あるいは他の生物など、自然環境下
で天然に存在する因子により化学的に破壊され得る高分
子物質である。それゆえこれらを骨格成分として製造さ
れる本発明の成形体は、自然環境下で容易に分解されや
すく、またその焼却に際しても、大きな燃焼エネルギー
を発生して焼却設備に過大の負荷を与えることはない。
【0021】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。
【0022】[実施例1〜5]長さ0.1〜3.0mm
に粉砕した新聞古紙120部(重量部、以下同じ。)に
65%ハイアミロース澱粉(日本食品加工(株)製)7
0部、PVA(ポリビニルアルコール)10部、グリセ
リン50部、水12部、及び高吸水性ポリマーとしてア
ラソープS−100(ポリアクリル酸系、吸水倍率92
0cc/g:荒川化学工業(株)製)を1、2、5、1
0、または15部加え、ニーダーにて混練後、一軸押出
型プロストグラフ(ブラベンダーコーポレーション社
製)に導入してスクリュー回転数20rpm、シリンダ
ー内温度150℃、吐出量20g/分で直径3mmのダ
イから大気中に押出し、その時のプロストグラフ加重係
数を計測した。
【0023】なおプロストグラフ加重係数は、ある原料
をプロストグラフで押出した際にそのスクリューにかか
る加重を示す値であり、従ってこの値が大きければ大き
いほどその原料は押出され難く、そのとき押出成形機内
には大きな負荷がかかっていると言うことができる。
【0024】[比較例1]高吸水性ポリマーを添加しな
い以外は、実施例1〜5と全く同様にして一軸押出型プ
ロストグラフによる押出しを行い、その時のプロストグ
ラフ加重係数を計測した。
【0025】実施例1〜5及び比較例1の結果を表1に
示す。
【表1】
【0026】表1より明らかなように、高吸水性ポリマ
ーは原料中にわずか0.4重量%(配合量1部)含まれ
ていただけでその効果を十分に発揮し、この含有量が
0.8重量%(配合量2部)のときには押出成形機にか
かる負荷は最小となった。しかし原料中の含有量がこれ
より多くなると負荷は増加する傾向を示し、高吸水性ポ
リマー含有量が5.4重量%(配合量15部)となる
と、成形機にかかる負荷はこれを添加していない場合よ
りもかえって大きくなったが、これは高吸水性ポリマー
自体の物性が表面に表れた結果であると考えられる。即
ち、そもそも高吸水性ポリマーの流動点は180℃前後
であり、実施例1〜5及び比較例1で採用した押出温度
よりも高いため、押出成形時にはこのポリマー自体はほ
とんど流動性を有しない。従って、原料中の高吸水性ポ
リマー含有量が多くなると、その効果よりもこうしたポ
リマー自体の物性がもたらす影響の方が大きくなり、そ
の結果ここに示したような成形機にかかる負荷の増加が
観察されるのである。
【0027】[実施例6〜10]長さ0.5〜5.0m
mに粉砕したオフィス古紙15部にコーンフラワー(澱
粉含量74%、蛋白質含量8%の未精製澱粉:(株)ホ
ーネン・コーポレーション製)180部、PVA10
部、グリセリン55部、水10部、及び高吸水性ポリマ
ーとしてイゲタゲルP(ポリビニルアルコール/ポリア
クリル酸系、吸水倍率500cc/g:住友化学工業
(株)製)を1、2、5、10、または15部加え、ニ
ーダーにて混練後、実施例1〜5と同条件で一軸押出型
プロストグラフによる押出しを行い、その時のプロスト
グラフ加重係数を計測した。
【0028】[比較例2]高吸水性ポリマーを添加しな
い以外は、実施例6〜10と全く同様にして一軸押出型
プロストグラフによる押出しを行い、その時のプロスト
グラフ加重係数を計測した。
【0029】実施例6〜10及び比較例2の結果を表2
に示す。
【表2】
【0030】[実施例11〜15]原料中のオフィス古
紙を90部に、コーンフラワーを100部にした以外
は、実施例6〜10と全く同様にして一軸押出型プロス
トグラフによる押出しを行い、その時のプロストグラフ
加重係数を計測した。
【0031】[比較例3]高吸水性ポリマーを添加しな
い以外は、実施例11〜15と全く同様にして一軸押出
型プロストグラフによる押出しを行い、その時のプロス
トグラフ加重係数を計測した。
【0032】実施例11〜15及び比較例3の結果を表
3に示す。
【表3】
【0033】[実施例16〜20]原料中のオフィス古
紙を120部に、コーンフラワーを75部にした以外
は、実施例6〜10と全く同様にして一軸押出型プロス
トグラフによる押出しを行い、その時のプロストグラフ
加重係数を計測した。
【0034】[比較例4]高吸水性ポリマーを添加しな
い以外は、実施例16〜20と全く同様にして一軸押出
型プロストグラフによる押出しを行い、その時のプロス
トグラフ加重係数を計測した。
【0035】実施例16〜20及び比較例4の結果を表
4に示す。
【表4】
【0036】高吸水性ポリマーの効果は、表2〜4のい
ずれにおいても表1と同様の傾向を示し、この効果がピ
ークに達するその原料中の含有量も0.7重量%から
1.8重量%の間に分布していた。
【0037】[実施例21]実施例17で用いた原料を
ニーダーにて混練後、二軸押出成形機((株)日本製鋼
所製TEL−L型)に導入し、これを平均品温155
℃、吐出圧20kg/cm2 ・ゲージで直径3mmのダ
イから大気中に押出すことにより発泡させ、吐出量1
0.0kg/時で発泡成型物を連続して得た。これを3
cm長さに切断しすると緩衝材として有用なものが得ら
れた。
【0038】[比較例5]高吸水性ポリマーを添加しな
い以外は、実施例21と全く同様にして二軸押出成形機
による発泡押出成型を行ったが、この場合には吐出圧を
80kg/cm2・ゲージまで上げても、吐出量は最高
2.5kg/時までしか上げることができなかった。
【0039】
【効果】以上述べたように、本発明の成型体製造方法に
よれば、植物繊維質成分を含む原料を押出成型する際
に、押出成形機にかかる負荷を大幅に軽減することがで
きる。従って、かかる原料からなる成形体を一層効率良
く生産することができ、また、この原料中の植物繊維質
成分の割合をこれまで以上に増加させてもその生産性が
低下することがないので、このとき植物繊維質成分とし
て古紙の粉砕物・解繊物等、安価に入手できるものを用
いれば、生産コストの引き下げも可能となる。
【0040】また本発明の成形体は、原料として植物繊
維質成分を澱粉質成分と併せて用いることにより、成形
体としての必要な強度を備え、しかも、使用環境中の湿
度の影響によるべとつきや強度の低下等の問題を解決し
たものである。従って、本発明の成形体は原料の澱粉質
成分として特殊なものを選択することを要しない。また
その使用環境中の湿度に関わらず、従来のものよりも広
い範囲で使用することができ、例えば緩衝材、苗床シー
ト、培土代替ペレット、臭気吸収ペレット等、種々の製
品としての応用が考えられる。なお、苗床シート、培土
代替ペレットとして本発明の成型体を使用する場合に
は、高吸水性ポリマーによる保湿効果も期待できる。
【0041】しかも本発明の成形体においては、原料中
の蛋白質成分に起因する臭気の発生も防止される。従っ
て、澱粉質成分の他に蛋白質成分を含む未精製澱粉等も
原料として使用することが可能となる。
【0042】さらに、本発明において原料として使用さ
れる澱粉質成分、植物繊維質成分及び蛋白質成分はいず
れも生分解性の高分子物質であるため、本発明の成形体
は自然環境下で容易に分解され易く、焼却する場合にも
大きな燃焼にエネルギーを発生しない。また、植物繊維
質成分として古紙の粉砕・解繊物を使用することによ
り、資源の有効活用を図ることもできる。

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物繊維質成分、澱粉質成分及び高吸
    水性ポリマーを含む混合物を調製して原料とし、これを
    押出成形機にて押出成形することを特徴とする成形体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 植物繊維質成分、澱粉質成分、蛋白質
    成分及び高吸水性ポリマーを含む混合物を調製して原料
    とし、これを押出成形機にて押出成形することを特徴と
    する成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 原料中に占める植物繊維質成分の割合
    を5〜50重量%とすることを特徴とする、請求項1ま
    たは2に記載の成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 原料中の高吸水性ポリマー含有量を
    0.3〜4.0重量%とすることを特徴とする、請求項
    1、2または3に記載の成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 植物繊維質成分として紙の粉砕物もし
    くは解繊物を用いることを特徴とする、請求項1、2、
    3または4に記載の成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 植物繊維質成分、澱粉質成分及び高吸
    水性ポリマーを含む混合物からなる生分解性の押出成形
    体。
  7. 【請求項7】 植物繊維質成分、澱粉質成分、蛋白質
    成分及び高吸水性ポリマーを含む混合物からなる生分解
    性の押出成形体。
  8. 【請求項8】 上記混合物中に占める植物繊維質成分
    の割合が5〜50重量%であることを特徴とする、請求
    項6または7に記載の生分解性の押出成形体。
  9. 【請求項9】 上記混合物中の高吸水性ポリマー含有
    量が0.3〜4.0重量%であることを特徴とする、請
    求項6、7または8に記載の生分解性の押出成形体。
  10. 【請求項10】 植物繊維質成分が紙の粉砕物もしくは
    解繊物であることを特徴とする、請求項6、7、8また
    は9に記載の生分解性の押出成形体。
  11. 【請求項11】 その形状が多孔性あるいは海綿状を示
    すことを特徴とする、請求項6、7、8、9、または1
    0に記載の生分解性の押出成形体。
JP7048473A 1995-03-08 1995-03-08 植物繊維質成分を含む原料からなる成形体の製造方法、及び生分解性成形体 Expired - Lifetime JP2838874B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7048473A JP2838874B2 (ja) 1995-03-08 1995-03-08 植物繊維質成分を含む原料からなる成形体の製造方法、及び生分解性成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7048473A JP2838874B2 (ja) 1995-03-08 1995-03-08 植物繊維質成分を含む原料からなる成形体の製造方法、及び生分解性成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08246398A JPH08246398A (ja) 1996-09-24
JP2838874B2 true JP2838874B2 (ja) 1998-12-16

Family

ID=12804360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7048473A Expired - Lifetime JP2838874B2 (ja) 1995-03-08 1995-03-08 植物繊維質成分を含む原料からなる成形体の製造方法、及び生分解性成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2838874B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100545045B1 (ko) * 2001-05-29 2006-01-24 에코니아 주식회사 폐지를 이용한 생분해성 재료제 성형품 제조 방법
JP4577640B2 (ja) * 2003-12-26 2010-11-10 東洋紡績株式会社 有機elデバイス
WO2010134208A1 (ja) * 2009-05-20 2010-11-25 日世株式会社 エクストルーダーおよびそれを用いた生分解性発泡成形物の原料の製造方法
JP5888641B2 (ja) * 2010-11-04 2016-03-22 一般財団法人生産技術研究奨励会 押出成形用乾燥装置
JP5888642B2 (ja) * 2010-11-04 2016-03-22 一般財団法人生産技術研究奨励会 押出成形用乾燥装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08246398A (ja) 1996-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4302318B2 (ja) タンパク質およびデンプンを主成分とした生物分解性熱可塑性組成物
US5569692A (en) Biodegradable compositions and films or moulded articles obtained therefrom
US5322866A (en) Method of producing biodegradable starch-based product from unprocessed raw materials
JP2749918B2 (ja) 生分解性生成物およびその製造方法
US6025417A (en) Biodegradable polyester compositions with natural polymers and articles thereof
IE66344B1 (en) Polymer base bland compositions containing destructurized starch
JP2004002613A (ja) 澱粉質系複合樹脂組成物およびその成形物
WO2008136314A9 (ja) 高分子複合材料、その製造装置及びその製造方法
EP2610286B1 (en) Foam and methods of making the same
US8277718B2 (en) Biodegradable film or sheet, process for producing the same, and composition for biodegradable film or sheet
JP4263337B2 (ja) 生分解性発泡体及びその製造方法
JP2838874B2 (ja) 植物繊維質成分を含む原料からなる成形体の製造方法、及び生分解性成形体
AU688657B2 (en) Composition and method for improving the extrusion characteristics of aqueous starch-polymer mixtures
US5691403A (en) Biodegradable compositions
JPH0717571A (ja) 生分解性緩衝材およびその製造法
KR100228833B1 (ko) 전분을 기본으로 하는 발포생성물 및 그 제조방법
JP3253135B2 (ja) 生分解性樹脂発泡体
WO1992018325A1 (en) Biodegradable packaging material
Pachori et al. Synthesis methods of starch-based polymer foams and its comparison with conventional polymer foams for food packaging applications
JP2001288295A (ja) 生分解性組成物およびその成形物
US6630543B1 (en) Method of making biodegradable polymer compositions
KR19980038704A (ko) 고지를 이용한 생분해성 완충재의 제조방법
CN110511437A (zh) 一种生物可降解环保型食品包装材料
JP2981129B2 (ja) 生分解性複合化プラスチック組成物
JP3344752B2 (ja) 生分解性樹脂発泡体の製造方法