JPH0717571A - 生分解性緩衝材およびその製造法 - Google Patents

生分解性緩衝材およびその製造法

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JPH0717571A
JPH0717571A JP16460393A JP16460393A JPH0717571A JP H0717571 A JPH0717571 A JP H0717571A JP 16460393 A JP16460393 A JP 16460393A JP 16460393 A JP16460393 A JP 16460393A JP H0717571 A JPH0717571 A JP H0717571A
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starch
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weight
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JP16460393A
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Masahisa Sakamoto
昌央 坂本
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02W90/10Bio-packaging, e.g. packing containers made from renewable resources or bio-plastics

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  • Buffer Packaging (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 澱粉を主たる成分とし、他の成分として植物
繊維質成分および/または蛋白質成分を含む原料を発泡
成形して多孔性あるいは海綿状とした、生分解性の緩衝
材、および発泡押出成形法によるその製造法。 【効果】 原料として、植物繊維質成分と澱粉質成分を
併せて用いることにより、澱粉質成分として特殊なもの
を選択することなく、使用環境中の湿度の広範囲な変化
にも強度等の緩衝特性を高いレベルで維持でき、しかも
澱粉質成分と蛋白質成分の化学反応に起因する臭気が発
生しない緩衝材を得ることができる。さらに、押出成形
機を使用した発泡押出成形により、かかる緩衝材の工業
的連続生産が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、澱粉を主たる成分とす
る原料を発泡成形して得られる、生分解性の緩衝材およ
びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】緩衝材は、運搬・輸送される物品を振動
による衝撃等から保護するために用いられるものであ
り、その使用目的から、加えられた衝撃を吸収するため
の弾性が必要とされ、従来は発泡ポリスチレン等が使用
されてきた。
【0003】ところが、合成高分子を原料とするこれら
のプラスチック系素材は、燃焼に大きな熱を必要とし焼
却設備に過大の負荷を要求するため、あるいはその際に
有毒ガスを発生する等の問題のため、その廃棄にあたっ
ては、その多くを埋め立て処理に頼らなければならなか
った。
【0004】しかし、これら合成プラスチック系素材は
自然環境下では容易に分解せず、近年の環境問題に対す
る世界的な関心の高まりとともに、埋め立て施設の容量
を圧迫し、環境汚染を引き起こす大きな原因の一つとし
て、その廃棄についての問題がにわかにクローズアップ
され、それとともにこれらの使用に対しても現在、次第
に厳しい制限が加えられつつある。
【0005】こうした情況を背景として、天然高分子で
ある澱粉は、自然環境下で微生物等により容易に分解さ
れるため、いわゆる環境に優しい素材として、広く包装
用素材の分野で注目を集め始めており、緩衝材として
も、澱粉を主たる成分とする原料を発泡成形して多孔性
あるいは海綿状とし、必要な弾性を与えたものが提案さ
れている。
【0006】しかし、これらの澱粉発泡成形体は、澱粉
質成分として一般に用いられている澱粉、すなわちコー
ンスターチ、ポテトスターチ等を用いた場合には、非常
に脆く、壊れやすいため緩衝材としての使用に耐えるこ
とはできず、またこれをエステル化、エーテル化、酸化
等により変性した、いわゆる変性澱粉を原料として使用
した場合にも、これまでのところ満足できる強度のもの
は得られていない。
【0007】これらの欠点を解決するために、特開平2
−298525号公報には、45重量%以上のアミロー
スを含有する特殊な澱粉を主たる成分とする発泡成形体
が提案されているが、この発泡成形体はその性能が、使
用環境、特に湿度の影響を受けやすく、高湿度下におい
てはべとつきが出て復元力が低下し、低湿度下において
は強度が低下する等の問題を含んでいる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、澱粉を主た
る成分とする原料を発泡成形して得られ、使用環境の広
範囲な変化にも強度等の緩衝特性を高いレベルで維持す
ることができる、生分解性の緩衝材およびその製造方法
を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、澱粉を主
たる成分とする生分解性の緩衝材について、上記の課題
を解決すべく検討を重ねた結果、原料として澱粉質成分
に植物繊維質成分を加え発泡成形したものが、必要な強
度を備え、しかも、低湿度下においてもその強度が低下
せず、高湿度下においてもべとつきや復元力の低下が起
こらない、緩衝材を与えることを見出した。
【0010】すなわち、本発明の緩衝材は、澱粉を主た
る成分とし、他の成分として植物繊維質成分を含む原料
を、発泡成形して製造されることを特徴とする。
【0011】ここで生分解性とは、自然環境下で天然に
存在する因子、例えばバクテリア、カビ、酵母等の微生
物あるいは他の生物により、化学的に破壊され得ること
をいう。
【0012】本発明においては、澱粉質成分をそのアミ
ロース含量の高低に関わらず選択することができる。従
って澱粉質成分としては、高アミロース澱粉の他に、一
般に用いられているすべての澱粉、例えばとうもろこ
し、もちとうもろこし、小麦、大麦、裸麦、えん麦、
米、もち米等の穀類、もしくは馬鈴薯、さつまいも、タ
ピオカ、キャッサバ等の根茎類から得られた、アミロー
ス含量35重量%以下の精製澱粉も、本発明において単
独でまたは2種類以上を併用して使用することができ
る。これらの澱粉の多くは、高アミロース澱粉に比べて
価格も安く、入手も容易であるので、本発明における澱
粉質成分としての使用には、これらがより好ましい。
【0013】また、本発明においては、植物繊維質成分
として、例えば木材パルプ、コーンファイバー、または
麻、棉、もしくは藁等より得られた繊維、更には古紙の
粉砕もしくは解繊物を単独でまたは2種類以上を併用し
て使用することができる。
【0014】これらの植物繊維質成分は、澱粉質成分に
対して10〜65重量%の範囲で使用することができ
る。植物繊維質成分が10重量%未満では上記の効果を
発揮することができず、65重量%を超えると原料の発
泡性が悪くなるため、緩衝材に要求される本質的な性能
である弾性に悪影響を与え、また圧力等の製造条件によ
りその発泡性を補おうとすれば、その製造に極めて大き
なエネルギーを消費することになる。のみならず、かか
る植物繊維質成分高含量の原料を緩衝材の製造のために
押出成形機等に導入した場合には、原料の流動性が悪い
ため装置内部での焦げつき等のトラブルを招き、甚だし
い場合には装置の損傷といった事態を引き起こす。な
お、澱粉質成分のアミロペクチン含有量が高いと原料の
発泡性は良くなるので、アミロペクチン含量70重量%
以上の澱粉を使用する場合には25〜65重量%、アミ
ロペクチン含量70重量%未満の澱粉を使用する場合に
は10〜40重量%の植物繊維質成分を用いることが望
ましい。
【0015】また、本発明においては、精製澱粉以外に
もコーンフラワー、小麦粉等、澱粉質成分の他に蛋白質
成分を含む未精製澱粉なども、単独でまたは2種類以上
を併用して使用することができる。さらに蛋白質成分
は、澱粉とは別個に原料中に加えることもできる。この
場合に用いられる蛋白質成分は、その起源に制約される
ものではなく、例えば大豆タンパク、小麦タンパク、コ
ーンタンパク等の植物性蛋白質、もしくは乳タンパク、
卵白等の動物性蛋白質、さらにはこれらを精製して得ら
れたカゼイン、グルテン、アルブミン、ゼラチン、コラ
ーゲン等の使用が可能である。
【0016】なおこのとき蛋白質成分は、澱粉中に含ま
れているか、あるいは澱粉とは別個に加えるかには関わ
らず、植物繊維質成分に対して相補的な役割を果たすた
め、これが原料中に含まれている場合には、使用する植
物繊維質成分の割合を、原料中の澱粉質成分に対し、植
物繊維質成分および蛋白質成分を合わせたものの割合と
して、10重量%以上とすることで上記した本発明の効
果を発揮することができる。ただしこの場合に、植物繊
維質成分を用いずに蛋白質成分のみを使用することは、
最終製品において臭気の問題が発生するため、本発明に
おいては回避しなければならない。また同時に、本発明
の緩衝材の製造に必要な原料の発泡性を確保するため、
植物繊維質成分および蛋白質成分を合わせたものの割合
は、澱粉質成分に対し、65重量%以下の範囲であるこ
とも要求される。
【0017】本発明における緩衝材は、原料中の澱粉質
成分を糊化させた後、あるいは糊化と同時に、発泡させ
て膨化させ、これを成形後、乾燥したものである。糊化
は、澱粉粒を水の存在下で加熱するか、あるいはこれを
ジメチルスルホキシド、液体アンモニア、アルカリ溶
液、ロダン酸ナトリウム等の溶媒中に置くことにより、
澱粉分子の水素間結合が破壊されて起こる。このとき澱
粉粒は、破壊されずに残った、一部の強い水素結合を結
び目とした網目構造の中に多量の水分子を取り込んで不
可逆的に大きく膨潤し、粘性のある糊液を与える。本発
明においては、緩衝材の製造に必要な粘性と発泡性、そ
してそれと同時に、最終製品の強度をも確保するため、
全原料に対して、澱粉質成分の割合を35〜70重量
%、水分を5〜30重量%とすることが望ましい。
【0018】糊化した原料の発泡・膨化は、直接もしく
は加熱水蒸気等を用いて加熱することにより行うことも
できるが、密閉型膨化機あるいは押出成形機等を使用し
て、加圧条件下から常圧に解放した時の圧力差により発
泡・膨化させる方法によっても行うことができる。とり
わけ、押出成形機を使用した発泡押出成形は、澱粉質成
分の糊化も押出成形機内で同時に行うことができるこ
と、温度・圧力等の製造条件の調整が容易であること、
必要とあれば添加剤の添加およびその添加量の調節も容
易であること、および短時間で均一な発泡・膨化物を得
ることができること等、作業性に優れ、工業的連続生産
に適していることからより好ましく用いられる。
【0019】発泡押出成形法においては、ホッパーから
シリンダー内に供給された水分含量5〜30重量%の原
料は、平均品温120〜190℃で加熱されながら、シ
リンダー内をスクリューで混練されつつ第一混練ゾー
ン、第2混練ゾーンを経て、出口、すなわち押出用ダイ
に向かって輸送される。このとき、原料はダイに近付く
につれて、シリンダー内壁およびスクリューの形状とそ
の回転の相互作用から生じる圧力を受け、最終的には6
〜60kg/cm2 ・ゲージの吐出圧でダイから押し出
され、ここで一挙に加圧下から常圧下に解放される。こ
のため混練された原料中に含まれていた水分および空気
等のガスは急激に気化・膨張して原料を発泡させ、ダイ
の形状に応じた形態をした発泡成形物を与える。なお、
原料中の水分はこのときその大部分がこのようにして気
化するが、本方法においては、得られた発泡成形物の乾
燥状態等によって必要に応じ、押出成形工程の後に乾燥
工程を加えることもできる。またここで平均品温とは、
押出成形機内の第一混練ゾーン、第2混練ゾーン、およ
び押出し出口における原料温度を平均したものをいう。
【0020】なお、本発明の緩衝材には上記成分の他、
その特性を損ねない範囲内において各種の添加剤、例え
ば保湿材、可塑剤、整泡剤、膨脹剤、接着剤、抗菌・抗
カビ剤、漂白剤、色素、香料等を、各使用目的に応じて
加えることができる。
【0021】
【作用】本発明により得られた発泡成形物は多孔性ある
いは海綿状をしており、その膨化倍率は5〜35倍、比
重は0.1〜0.4であるが、その形態は、押出用ダイ
の形状、ダイから吐出される原料の切断長さ等を選ぶこ
とによって球状、リング状、マカロニ状、紐状、カール
状など各種の形態をとることができる。また、ダイから
押し出された原料をシート状に加工することも、熱圧成
形により所望の形態に加工することも可能である。
【0022】本発明の緩衝材において、その原料中の植
物繊維質成分は、物理的強度を高めるフィラーとしての
役割を果たしていると考えられる。しかも、この植物繊
維質成分を原料中に存在させることにより、使用環境中
の湿度によるべとつきや強度の低下等の問題が解決され
る。これはこの成分が、高湿度下においては緩衝材中の
余剰の水分を吸収してその内部、例えば繊維間隙等に保
持し、また低湿度下においては吸収した水分をその周囲
の水分含量に応じて放出する、いわば緩衝材中の水分含
量調節機構として働き、結果として、高湿度下では過剰
の水分により溶解してべとつきやすく、低湿度下では乾
燥して強度が低下しやすい澱粉質成分中の水分含量の変
動を、抑制するためであると考えられる。
【0023】なお、原料中に蛋白質成分が含まれている
場合は、原料を押出成形機で処理することにより、蛋白
質成分が緩衝材中で網目状に組織化されたものが得られ
る。この場合には、フィラーとしての植物繊維質成分と
共にこの蛋白質成分もまた、緩衝材の強度に寄与するこ
とになる。
【0024】さらに本発明の緩衝材においては、澱粉質
成分と蛋白質成分を含む原料を加熱・加圧処理した場合
等に発生し、従来から問題とされていた製品の臭気がほ
とんど発生しないことが明らかになった。これは、植物
繊維質成分が臭気成分を吸着するためであると考えられ
るが、この予期しない効果により、これまで臭気の発生
により澱粉を主たる成分として得られる緩衝材において
敬遠されていた、蛋白質成分を含む原料の使用が本発明
においては可能となった。
【0025】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基いて説明する。
【0026】[実施例1]65%ハイアミロース澱粉1
70部、PVA(ポリビニルアルコール)10部、グリ
セリン54部に、長さ0.1〜3.0mmに粉砕した古
紙60部と水12部を加え、ニーダーにて混練後、水分
10%の原料を得た。次いでこれを、二軸押出成形機
((株)日本製鋼所製、TEX−L型)に導入して、平
均品温155℃、吐出圧20kg/cm2 ・ゲージ、吐
出量2.5kg/時で、直径3mmのダイから大気中に
押し出し、3cm長さに切断して、円柱状の発泡成形物
を得た。なお、65%ハイアミロース澱粉は、日本食品
加工(株)製、アミロース含量65重量%、アミロペク
チン含量35重量%の精製澱粉である。
【0027】[実施例2]実施例1で用いた65%ハイ
アミロース澱粉170部、PVA10部、グリセリン5
4部に、長さ0.2〜3.0mmに粉砕した針葉樹機械
パルプシート60部と水12部を加え、ニーダーにて混
練後、水分12%の原料を得た。次いでこれを、二軸押
出成形機に導入して、平均品温155℃、吐出圧20k
g/cm2・ゲージ、吐出量2.6kg/時で、直径3
mmのダイから大気中に押し出し、3cm長さに切断し
て、円柱状の発泡成形物を得た。
【0028】[実施例3]コーンスターチ200部、P
VA15部、グリセリン60部に、長さ0.1〜3.0
mmに粉砕した古紙50部と水20部を加え、ニーダー
にて混練後、水分17%の原料を得た。次いでこれを、
二軸押出成形機に導入して、平均品温170℃、吐出圧
25kg/cm2 ・ゲージ、吐出量2.0kg/時で、
直径3mmのダイから大気中に押し出し、3cm長さに
切断して、円柱状の発泡成形物を得た。なお、ここで用
いたコーンスターチは、三和澱粉工業(株)製、アミロ
ース含量20重量%、アミロペクチン含量80重量%の
精製澱粉である。
【0029】[実施例4]ポテトスターチ200部、P
VA15部、グリセリン60部に、長さ0.1〜3.0
mmに粉砕した古紙50部と水17部を加え、ニーダー
にて混練後、水分15%の原料を得た。次いでこれを、
二軸押出成形機に導入して、平均品温147℃、吐出圧
20kg/cm2 ・ゲージ、吐出量2.9kg/時で、
直径3mmのダイから大気中に押し出し、3cm長さに
切断して、円柱状の発泡成形物を得た。なお、ここで用
いたポテトスターチは、全農共同組合製、アミロース含
量18重量%、アミロペクチン含量82重量%の精製澱
粉である。
【0030】[実施例5]ワキシスターチ(Y)150
部、PVA10部、グリセリン54部に、長さ0.1〜
3.0mmに粉砕した古紙80部と水10部を加え、ニ
ーダーにて混練後、水分12%の原料を得た。次いでこ
れを、二軸押出成形機に導入して、平均品温160℃、
吐出圧18kg/cm2 ・ゲージ、吐出量3.0kg/
時で、直径3mmのダイから大気中に押し出し、3cm
長さに切断して、円柱状の発泡成形物を得た。なお、こ
こで用いたワキシスターチ(Y)は、(株)ホーネン・
コーポレーション製、アミロース含量2重量%、アミロ
ペクチン含量98重量%の精製澱粉である。
【0031】[実施例6]実施例5で用いたワキシスタ
ーチ(Y)200部、PVA20部、グリセリン100
部に、長さ0.1〜3.0mmに粉砕した古紙80部と
水70部を加え、ニーダーにて混練後、水分21%の原
料を得た。これを撹拌しつつ加熱して糊化させた後、縦
10cm、横10cm、高さ5cmのテフロン製容器の
中に厚さが1cmになるように充填し、電子レンジ(三
洋電機(株)製、EMO−V−92F)を用いて710
Wで3分間加熱することにより、原料を発泡・膨化さ
せ、更に引き続き加熱して、これを乾燥させた。
【0032】[実施例7]コーンフラワー230部、P
VA20部、グリセリン50部に、長さ0.1〜3.0
mmに粉砕した古紙85部と水22部を加え、ニーダー
にて混練後、水分16%の原料を得た。次いでこれを、
二軸押出成形機に導入して、平均品温155℃、吐出圧
32kg/cm2 ・ゲージ、吐出量4.3kg/時で、
直径3mmのダイから大気中に押し出し、3cm長さに
切断して、円柱状の発泡成形物を得た。なお、ここで用
いたコーンフラワーは、(株)ホーネン・コーポレーシ
ョン製、澱粉含量74%、蛋白質含量8%の未精製澱粉
であり、その澱粉中のアミロース含量は25重量%、ア
ミロペクチン含量は75重量%である。
【0033】[実施例8]実施例7の原料を、二軸押出
成形機に導入して、平均品温163℃、吐出圧54kg
/cm2 ・ゲージ、吐出量4.5kg/時で、厚さ1m
m、幅50mmのダイから大気中に押し出し、これを牽
引して巻き取り、厚さ5mm、幅50mmのシート状の
発泡成形物を得た。
【0034】[比較例1]実施例1で用いた65%ハイ
アミロース澱粉280部、PVA25部、グリセリン6
0部をニーダーにて混練後、水分11%の原料を得た。
次いでこれを、二軸押出成形機に導入して、平均品温1
50℃、吐出圧15kg/cm2 ・ゲージ、吐出量5.
0kg/時で、直径3mmのダイから大気中に押し出
し、3cm長さに切断して、円柱状の発泡成形物を得
た。
【0035】[比較例2]実施例7で用いたコーンフラ
ワー280部、PVA25部、グリセリン60部をニー
ダーにて混練後、水分12%の原料を得た。次いでこれ
を、二軸押出成形機に導入して、平均品温150℃、吐
出圧20kg/cm2 ・ゲージ、吐出量6.1kg/時
で、直径3mmのダイから大気中に押し出し、3cm長
さに切断して、円柱状の発泡成形物を得た。
【0036】実施例1〜8で得られた発泡成形物、並び
に比較例1、2、および澱粉を主成分とする市販の緩衝
材(王子製袋(株)製)について、下記項目に関する品
質試験を行った。結果を表1に示す。
【0037】(1)嵩密度;単位体積当たりの重量を表
す。 (2)弾性度合;温度30℃で、相対湿度10%もしく
は90%の条件下に24時間放置した、長さ3cm、直
径約1cmの測定試料を、実質的に弾性がなく平滑なガ
ラス板(3cm×5cm×0.2cm)2枚の短辺側の
両端に挟んで、これを一方のガラス面を下にして水平な
台上に置き、上側のガラス面のほぼ中央に1kgの荷重
を1分間かけた後(圧力にして67g/cm2 )この荷重
を除去し、更に1分間経過後の試料の形状の回復状態を
次の基準で評価した。 優 …原形に復元。 良 …やや変形が残る。20分以内にほぼ完全に原形に
復元。 可 …やや変形が残る。20分経過しても完全に原形に
は復元せず。 不可…原形に対して約50%以上の変形、もしくは崩
壊。 (3)臭気;官能試験により評価した。
【0038】
【表1】 実施例1〜8で得られた発泡成形物は比較例1、2およ
び市販緩衝材と比べて、環境湿度10%の低湿度下にお
いても、また環境湿度90%の高湿度下においても、優
または良レベルの弾性度合を示し、原料中の蛋白質成分
に起因する臭気の発生も検出されず、従来提案されてき
たものよりも緩衝材として優れた特性を有することが明
らかになった。
【0039】
【効果】以上述べたように、本発明の緩衝材は、原料と
して植物繊維質成分を澱粉質成分と併せて用いることに
より、緩衝材としての必要な強度を備え、しかも、使用
環境中の湿度の影響によるべとつきや強度の低下等の問
題を解決したものである。従って、本発明の緩衝材は、
原料の澱粉質成分として特殊なものを選択することを要
しない。またその使用環境中の湿度に関わらず、従来の
ものよりも広い範囲で使用することができる。
【0040】また、本発明の緩衝材においては、原料中
の澱粉質成分と蛋白質成分の化学反応に起因する臭気の
発生も防止される。従って、澱粉質成分の他に蛋白質成
分を含む未精製澱粉等も原料として使用することができ
る。
【0041】しかも、これらの原料を押出成形機を用い
て発泡押出成形することにより、本発明の緩衝材を比較
的容易に、安定した品質で連続生産することができ、そ
の工業的生産にも速かに対応することが可能となる。
【0042】さらに、本発明において原料として使用さ
れる澱粉質成分、植物繊維質成分および蛋白質成分はい
ずれも生分解性の天然高分子物質であるため、本発明の
緩衝材は自然環境下で容易に分解され易く、焼却する場
合にも燃焼に大きなエネルギーを必要としない。また、
植物繊維質成分として古紙を使用することにより、資源
の有効活用を図ることもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 3/00 LAV

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉を主たる成分とし、他の成分として
    植物繊維質成分を含む原料を発泡成形して多孔性あるい
    は海綿状とした、生分解性の緩衝材。
  2. 【請求項2】 植物繊維質成分の澱粉質成分に対する割
    合が10〜65重量%であることを特徴とする、請求項
    1に記載の生分解性の緩衝材。
  3. 【請求項3】 澱粉を主たる成分とし、他の成分として
    植物繊維質成分および蛋白質成分を含む原料を発泡成形
    して多孔性あるいは海綿状とした、生分解性の緩衝材。
  4. 【請求項4】 植物繊維質成分と蛋白質成分を合わせた
    ものの澱粉質成分に対する割合が10〜65重量%であ
    ることを特徴とする、請求項3に記載の生分解性の緩衝
    材。
  5. 【請求項5】 澱粉質成分のアミロース含量が35重量
    %以下であることを特徴とする、請求項1、2、3、ま
    たは4に記載の生分解性の緩衝材。
  6. 【請求項6】 植物繊維質成分が古紙の粉砕物もしくは
    解繊物、および/またはパルプであることを特徴とす
    る、請求項1、2、3、4または5に記載の生分解性の
    緩衝材。
  7. 【請求項7】 澱粉質成分に対して、ポリビニルアルコ
    ール5〜25重量%、グリセリン15〜40重量%を原
    料に添加することを特徴とする、請求項1、2、3、
    4、5、または6に記載の生分解性の緩衝材。
  8. 【請求項8】 澱粉を主たる成分とし、他の成分として
    植物繊維質成分あるいは植物繊維質成分と蛋白質成分を
    含む成形用原料を水分含量5〜30重量%に調整し、こ
    の原料を平均品温120〜190℃、吐出圧6〜60k
    g/cm2 ・ゲージにて発泡押出成形することを特徴と
    する、生分解性緩衝材の製造法。
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