JP2837907B2 - マグネトロン駆動回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は単相三線式の商用交流電源で電子レンジのマ
グネトロンを駆動する回路に関するものである。

従来の技術 近年、家庭用電気機器の駆動電圧を100Vから200Vに切
替える動きが盛んである。並行して200Vで作動する機器
の開発も盛んに行なわれている。その場合、使用する部
品に200V仕様のものを新たに設計して利用している。

発明が解決しようとする課題 電源電圧の高圧化によって機器の一層の高性能化、高
機能化が達成される反面、200V仕様の部品を新たに用意
しなければならないという作業が要求される。

マグネトロンの駆動回路を考えるとき、スイッチング
駆動制御を行なわない場合はともかくとして、高性能高
機能化のためにスイッチング制御を行なおうとすると、
半導体スイッチング素子にも200V対応のものを用意しな
ければならなくなる。しかし、マグネトロンを200Vでス
イッチング駆動するための半導体スイッチング素子のコ
ストが極めて高い現状では、その採用には価格管理上時
期尚早の感がある。

課題を解決するための手段 本発明は単相三線式商用交流200V回路の中性点を挟ん
だ各100V回路に現在広く普及しているところの単相商用
交流の100Vで作動するマグネトロン駆動回路を接続し、
個々のマグネトロンの駆動を制御することによって廉価
にしかも広い範囲での高周波出力の制御を可能にする。

作用 単相三線式商用交流電源回路の各100V回路に接続され
たマグネトロン駆動回路が適宜マグネトロンを制御して
加熱室内の被加熱物を加熱する。高周波出力の制御とし
ては、２基あるマグネトロンのうちの１基のみを制御し
て（残る１基を休止させ）、高周波出力を例えば最小10
0Wから最大500Wまでというように連続制御するほかに、
２基のうち１基をフルパワーにて駆動制御した上で残る
１基を上述したような具合で連続制御することにより、
マグネトロンの出力が１基による最小出力から２基分が
加算された最大出力まで連続的に制御される。

実施例 第１図において、１は単相三線式の商用交流電源であ
る。２および３は第一および第二のマグネトロンで、詳
細図示を省略しているが、電子レンジ加熱室の上面、下
面、もしくは側面に直接ないし導波管を介して、また並
び合ってもしくは分散してそれぞれ結合するものであ
る。この実施例においては、第一のマグネトロン２とし
て高周波出力500Wを発生するものを用い、第二のマグネ
トロン３として高周波出力400Wを発生するものを用いて
いる。４および５はそれぞれ第一および第二のマグネト
ロン２、３を駆動する高圧電源回路であり、６はこれら
高圧電源回路４、５のうち第一のマグネトロン２用の高
圧電源回路４をスイッチング駆動するスイッチング駆動
回路である。そして７は高周波出力設定用のノブで、８
はこのノブ７の設定に応じて作動させるマグネトロンを
選択するほか選択した出力でマグネトロン駆動用回路を
制御する制御回路である。

この実施例において、制御回路８の出力設定用ノブ７
を操作して高周波出力を第一のマグネトロン２の制御可
能な最小出力100Wから最大出力500Wの間で制御するとき
は、制御回路８は第一のマグネトロン２用の高圧電源回
路４とスイッチング駆動回路６を選択して第一のマグネ
トロン２をスイッチング駆動する。制御回路８のノブ７
が操作されて高周波出力が第一のマグネトロン２だけで
はまかない切れない例えば650Wと設定された場合には、
制御回路８は第二のマグネトロン３をオンさせて400Wの
高周波出力を発生させるほかに第一のマグネトロン２を
250Wの高周波出力が得られるように駆動して合計650Wの
所定の高周波出力となるように制御する。高周波出力を
高める場合には、ノブ７を操作することによって、900W
まで制御することができる。

発明の効果 我国で広く普及し信頼性の確立されている単相商用10
0V交流電源用のマグネトロン駆動回路を直ちに単相三線
式商用交流電源回路上で作動させることができ、単相三
線式商用200V電源への対応ならびに展開を比較的容易に
達成することができる。

また、スイッチング駆動回路によって駆動される方の
マグネトロンをスイッチング駆動されないマグネトロン
に比して高出力形としたので、スイッチング駆動によっ
て得られる最大高周波出力より高い出力を２基目のマグ
ネトロンを作動させて合成する場合に、実用上差し支え
無い程度に途切れることなく連続的に発生させることが
でき、使用可能な出力の範囲を拡大するのに役立ってい
る。

ここまでの実施例の説明は、２基のマグネトロンのう
ち１基のみをスイッチング制御するものであったが、２
基ともにスイッチング制御してもよいことは言うまでも
ないことである。その場合、被加熱物の質や形状等に応
じたきめ細かい出力制御が可能になることが考えられ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の回路図の一例を示したもので、第２図
はマグネトロン２基によって高周波出力が連続的に調節
される様子を説明する説明図である。 １……単相三線式商用交流電源、 ２……第一のマグネトロン、 ３……第二のマグネトロン、 ４……第一のマグネトロンのための高圧電源回路、 ５……第二のマグネトロンのための高圧電源回路、 ６……スイッチング駆動回路、 ７……ノブ、８……制御回路。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 999999999 中部電力株式会社 愛知県名古屋市東区東新町１番地 (73)特許権者 999999999 北陸電力株式会社 富山県富山市牛島町15番１号 (73)特許権者 999999999 関西電力株式会社 大阪府大阪市北区中之島３丁目３番22号 (73)特許権者 999999999 中国電力株式会社 広島県広島市中区小町４番33号 (73)特許権者 999999999 四国電力株式会社 香川県高松市丸ノ内２番５号 (73)特許権者 999999999 九州電力株式会社 福岡県福岡市中央区渡辺通２丁目１番82 号 (72)発明者 杉本 賢治 千葉県柏市新十余二３番地１ 日立熱器 具株式会社内 (72)発明者 森田 喜久蔵 千葉県柏市新十余二３番地１ 日立熱器 具株式会社内 (72)発明者 鈴木 共之 千葉県柏市新十余二３番地１ 日立熱器 具株式会社内 (72)発明者 新美 健一郎 千葉県柏市新十余二３番地１ 日立熱器 具株式会社内 (72)発明者 荒井 達志 千葉県柏市新十余二３番地１ 日立熱器 具株式会社内 (56)参考文献 特開 昭48−92933（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−122293（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H05B 6/68

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】単相三線式の200V商用交流電源の中性線を
   挟んだ各100V回路のうちの一方に100Vでスイッチング駆
   動されるマグネトロン駆動用回路を接続し、他方に100V
   で非スイッチング駆動されるマグネトロン駆動用回路を
   接続し、かつこれら前記各マグネトロン駆動用回路によ
   って駆動される各マグネトロンを一つの加熱室に結合し
   た構成によって、単相三線式200V電源の利用であればこ
   その幅広い出力で、前記加熱室内の被加熱物の加熱を可
   能としたことを特徴とするマグネトロン駆動回路。
2. 【請求項２】スイッチング駆動回路によって駆動される
   前記マグネトロンを非スイッチング駆動される前記マグ
   ネトロンに比して高出力形としたことを特徴とする請求
   項（１）記載のマグネトロン駆動回路。