JP2837302B2 - 太陽電池 - Google Patents
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- JP2837302B2 JP2837302B2 JP3320590A JP32059091A JP2837302B2 JP 2837302 B2 JP2837302 B2 JP 2837302B2 JP 3320590 A JP3320590 A JP 3320590A JP 32059091 A JP32059091 A JP 32059091A JP 2837302 B2 JP2837302 B2 JP 2837302B2
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は太陽電池に関し、特に
太陽電池の電極の耐食性の改善に関するものである。
太陽電池の電極の耐食性の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体太陽電池は、半導体接合を利用し
た放射エネルギ変換器である。従来の太陽電池の一例と
して、特に薄いシリコン基板を用いる場合には、基板の
光電変換効率の向上を図るため、背面反射またはBSR
(Back SurfaceReflector)型と
呼ばれる構造が用いられることは周知である。この構造
を使用する太陽電池について、以下に図を参照して説明
する。図1は従来の背面反射型太陽電池の概略的な斜視
図を示している。図1に示すように、P型半導体基板を
用いた場合の従来の太陽電池セルの構造では、P型半導
体基板10の光入射側の面にN+ 型不純物層15が形成
され、これによってP型半導体基板10とN+ 型不純物
層15との間にPN接合16が形成される。さらにN+
型不純物層15表面を覆うようにシリコン酸化膜14が
形成される。またそのシリコン酸化膜14表面を覆うよ
うに反射防止膜13が形成される。そして、前記のシリ
コン酸化膜14および反射防止膜13を貫通し、N型不
純物層15に接続されるくし形の受光面側電極25が形
成され、またP型半導体基板10の裏面に隣接して裏面
電極35が形成される。
た放射エネルギ変換器である。従来の太陽電池の一例と
して、特に薄いシリコン基板を用いる場合には、基板の
光電変換効率の向上を図るため、背面反射またはBSR
(Back SurfaceReflector)型と
呼ばれる構造が用いられることは周知である。この構造
を使用する太陽電池について、以下に図を参照して説明
する。図1は従来の背面反射型太陽電池の概略的な斜視
図を示している。図1に示すように、P型半導体基板を
用いた場合の従来の太陽電池セルの構造では、P型半導
体基板10の光入射側の面にN+ 型不純物層15が形成
され、これによってP型半導体基板10とN+ 型不純物
層15との間にPN接合16が形成される。さらにN+
型不純物層15表面を覆うようにシリコン酸化膜14が
形成される。またそのシリコン酸化膜14表面を覆うよ
うに反射防止膜13が形成される。そして、前記のシリ
コン酸化膜14および反射防止膜13を貫通し、N型不
純物層15に接続されるくし形の受光面側電極25が形
成され、またP型半導体基板10の裏面に隣接して裏面
電極35が形成される。
【0003】この構造を有する太陽電池において、太陽
光線は太陽電池の半導体基板10の受光面11より基板
10内に入射し、大部分の光線は基板10内で半導体接
合により吸収され電力に変換される。基板10内で半導
体接合により吸収変換されず透過した光線は、受光面の
背面に形成された高い反射率を有する裏面電極35によ
って反射され、再度基板10内へ入力され半導体接合に
吸収される。それにより太陽電池の変換効率が向上す
る。
光線は太陽電池の半導体基板10の受光面11より基板
10内に入射し、大部分の光線は基板10内で半導体接
合により吸収され電力に変換される。基板10内で半導
体接合により吸収変換されず透過した光線は、受光面の
背面に形成された高い反射率を有する裏面電極35によ
って反射され、再度基板10内へ入力され半導体接合に
吸収される。それにより太陽電池の変換効率が向上す
る。
【0004】従来、このような背面反射型構造を有する
半導体太陽電池において、半導体基板に直接隣接する高
い反射率を有する裏面電極を形成するために、電極材料
としてアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、パラジ
ウム(Pb)、銀(Ag)等の金属を用いて、半導体基
板上に金属を積層して電極層を形成していた。しかしな
がら、前述の積層構造を有する裏面電極には以下に述べ
る問題が存在してきた。
半導体太陽電池において、半導体基板に直接隣接する高
い反射率を有する裏面電極を形成するために、電極材料
としてアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、パラジ
ウム(Pb)、銀(Ag)等の金属を用いて、半導体基
板上に金属を積層して電極層を形成していた。しかしな
がら、前述の積層構造を有する裏面電極には以下に述べ
る問題が存在してきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】通常、太陽電池が使用
される環境は屋外が主であり、さらに用途としての性格
上、寒暖差、塩分、高温湿度、降雹などの厳しい気象環
境条件下にさらされる。先行技術においては、半導体基
板上に直接的に隣接する裏面電極を形成する際、優れた
伝導度を有しかつ高い反射率を有する高純度アルミニウ
ム(Al)が電極材料として使用されてきた。
される環境は屋外が主であり、さらに用途としての性格
上、寒暖差、塩分、高温湿度、降雹などの厳しい気象環
境条件下にさらされる。先行技術においては、半導体基
板上に直接的に隣接する裏面電極を形成する際、優れた
伝導度を有しかつ高い反射率を有する高純度アルミニウ
ム(Al)が電極材料として使用されてきた。
【0006】ところが、半導体基板と前記基板に直接的
に隣接する裏面電極のアルミニウム(Al)からなる電
極層との界面に、ごく僅かな水分や電界質等が浸入した
場合には、電極表面から金属の腐蝕が生じやすく、その
結果電極の接触抵抗の増加を引起し、接触不良のため太
陽電池の電気的機能特性が劣化してしまうという問題が
あった。
に隣接する裏面電極のアルミニウム(Al)からなる電
極層との界面に、ごく僅かな水分や電界質等が浸入した
場合には、電極表面から金属の腐蝕が生じやすく、その
結果電極の接触抵抗の増加を引起し、接触不良のため太
陽電池の電気的機能特性が劣化してしまうという問題が
あった。
【0007】それゆえ、この発明は厳しい環境条件下に
おいて、半導体基板に直接的に隣接する裏面電極との界
面に浸入するごく僅かな水分や電界質等によって引き起
こされる電極表面の腐蝕を大幅に抑制する、高い耐食性
を有する太陽電池を提供することを目的とする。
おいて、半導体基板に直接的に隣接する裏面電極との界
面に浸入するごく僅かな水分や電界質等によって引き起
こされる電極表面の腐蝕を大幅に抑制する、高い耐食性
を有する太陽電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る太陽電池
は、半導体接合を有する単結晶または多結晶の半導体基
板と、半導体基板の主面に形成された受光面側電極と、
半導体基板の背面に形成された裏面電極とを備え、前記
半導体基板と裏面電極との界面での電極表面の腐蝕を抑
制するため、前記裏面電極の半導体基板に直接隣接する
電極部分が、アルミニウムの耐喰性を向上させる第2元
素をアルミニウムの高い反射率を実質的に維持できる原
子量比で添加したアルミニウム合金で構成される。
は、半導体接合を有する単結晶または多結晶の半導体基
板と、半導体基板の主面に形成された受光面側電極と、
半導体基板の背面に形成された裏面電極とを備え、前記
半導体基板と裏面電極との界面での電極表面の腐蝕を抑
制するため、前記裏面電極の半導体基板に直接隣接する
電極部分が、アルミニウムの耐喰性を向上させる第2元
素をアルミニウムの高い反射率を実質的に維持できる原
子量比で添加したアルミニウム合金で構成される。
【0009】好ましくはアルミニウム合金は、ニッケル
アルミニウム合金、チタンアルミニウム合金またはタン
タルアルミニウム合金のいずれかである。またニッケル
アルミニウム合金に第2元素として含まれるニッケルの
原子量比は5%以下であり、チタンアルミニウム合金に
第2元素として含まれるチタンの原子量比は3%以下で
あり、タンタルアルミニウム合金に第2元素として含ま
れるタンタルの原子量比は2%以下であることが望まし
い。
アルミニウム合金、チタンアルミニウム合金またはタン
タルアルミニウム合金のいずれかである。またニッケル
アルミニウム合金に第2元素として含まれるニッケルの
原子量比は5%以下であり、チタンアルミニウム合金に
第2元素として含まれるチタンの原子量比は3%以下で
あり、タンタルアルミニウム合金に第2元素として含ま
れるタンタルの原子量比は2%以下であることが望まし
い。
【0010】
【作用】この発明に係る太陽電池は上記のように構成さ
れ、裏面電極がアルミニウム合金を含んで形成されるの
で、裏面電極の腐食電位が上昇し、耐腐食特性が向上す
る。この結果、裏面電極と半導体基板との接触抵抗の増
加が抑制され、接触不良の発生を減らすことができる。
れ、裏面電極がアルミニウム合金を含んで形成されるの
で、裏面電極の腐食電位が上昇し、耐腐食特性が向上す
る。この結果、裏面電極と半導体基板との接触抵抗の増
加が抑制され、接触不良の発生を減らすことができる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図2は本発明の代表的な一実施例に従う太陽電
池の基本的構造を示す断面図である。図2に基づきP型
半導体基板を用いた際の太陽電池セルの構造を簡単に説
明する。
明する。図2は本発明の代表的な一実施例に従う太陽電
池の基本的構造を示す断面図である。図2に基づきP型
半導体基板を用いた際の太陽電池セルの構造を簡単に説
明する。
【0012】図2において、P型半導体基板10の光入
射側の面にN+ 型不純物層15が形成され、これによっ
てP型半導体基板10とN+型不純物層15との間にP
N接合16が形成される。さらにN+ 型不純物層15表
面を覆うようにシリコン酸化膜14が形成される。また
そのシリコン酸化膜14表面を覆うように反射防止膜1
3が形成される。前記のシリコン酸化膜14および反射
防止膜13を貫通し、N型不純物層15に接続される受
光面側電極20が形成される。
射側の面にN+ 型不純物層15が形成され、これによっ
てP型半導体基板10とN+型不純物層15との間にP
N接合16が形成される。さらにN+ 型不純物層15表
面を覆うようにシリコン酸化膜14が形成される。また
そのシリコン酸化膜14表面を覆うように反射防止膜1
3が形成される。前記のシリコン酸化膜14および反射
防止膜13を貫通し、N型不純物層15に接続される受
光面側電極20が形成される。
【0013】太陽電池内で光電変換され発生した電流
は、光入射側に形成された受光面側電極20によって取
出される。さらに、P型半導体基板10の裏面に隣接し
て、アルミニウム合金を含む裏面反射電極30が形成さ
れる。
は、光入射側に形成された受光面側電極20によって取
出される。さらに、P型半導体基板10の裏面に隣接し
て、アルミニウム合金を含む裏面反射電極30が形成さ
れる。
【0014】裏面電極30および受光面側電極20は、
図に示されるように複数の金属材料からなる金属層を積
層して構成される。たとえば、典型的にはP型半導体基
板10と直接的に隣接し、その界面を形成する裏面電極
30の最上段に位置する電極層1は、電極材料に従来の
高純度アルミニウム(Al)単体に代替するものとし
て、アルミニウム合金を用いて形成される。
図に示されるように複数の金属材料からなる金属層を積
層して構成される。たとえば、典型的にはP型半導体基
板10と直接的に隣接し、その界面を形成する裏面電極
30の最上段に位置する電極層1は、電極材料に従来の
高純度アルミニウム(Al)単体に代替するものとし
て、アルミニウム合金を用いて形成される。
【0015】このアルミニウム合金は、Al(100-x) X
x(0<x<50)の組成式で表わされる。ここでXは
アルミニウムに添加される元素(第2元素と呼ぶ)を示
し、xは第2元素が合金中に占める原子量比(%)を示
している。代表的な好ましい第2元素として、ニッケル
(Ni)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、クロム
(Cd)からなる群から選ばれる元素の添加によりアル
ミニウム合金が獲得される。
x(0<x<50)の組成式で表わされる。ここでXは
アルミニウムに添加される元素(第2元素と呼ぶ)を示
し、xは第2元素が合金中に占める原子量比(%)を示
している。代表的な好ましい第2元素として、ニッケル
(Ni)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、クロム
(Cd)からなる群から選ばれる元素の添加によりアル
ミニウム合金が獲得される。
【0016】さらに、このアルミニウム合金からなる電
極層1を覆うように、電極材料にチタン(Ti)を用い
て電極層2が形成される。このチタン電極層2を覆うよ
うに、電極材料にパラジウム(Pd)を用いて電極層3
が形成される。同様にこのパラジウム電極層3を覆うよ
うに、電極材料に銀(Ag)を用いて電極層4が形成さ
れる。以上の電極層1ないし4から裏面電極30が構成
される。
極層1を覆うように、電極材料にチタン(Ti)を用い
て電極層2が形成される。このチタン電極層2を覆うよ
うに、電極材料にパラジウム(Pd)を用いて電極層3
が形成される。同様にこのパラジウム電極層3を覆うよ
うに、電極材料に銀(Ag)を用いて電極層4が形成さ
れる。以上の電極層1ないし4から裏面電極30が構成
される。
【0017】一方、受光面側電極20は裏面電極30と
同様に、半導体基板10上に電極材料にチタン(Ti)
を用いて電極層2を、パラジウム(Pd)を用いて電極
層3を、銀(Ag)を用いて電極層4を積層して形成さ
れる。このように裏面電極30および受光面側電極20
を構成する電極層は同一の金属材料を使用して形成され
るため、同一符号を用いて示した。
同様に、半導体基板10上に電極材料にチタン(Ti)
を用いて電極層2を、パラジウム(Pd)を用いて電極
層3を、銀(Ag)を用いて電極層4を積層して形成さ
れる。このように裏面電極30および受光面側電極20
を構成する電極層は同一の金属材料を使用して形成され
るため、同一符号を用いて示した。
【0018】ただし、上記の電極層の構成は典型的な一
例であって、本実施例の太陽電池におけるアルミニウム
合金を含む電極を限定するものではない。金属を積層し
て電極を形成する場合、電極材料の選択および積層の順
序、積層数などは太陽電池の使用目的、製造工程および
性能等の種々の条件によって変化し得る。
例であって、本実施例の太陽電池におけるアルミニウム
合金を含む電極を限定するものではない。金属を積層し
て電極を形成する場合、電極材料の選択および積層の順
序、積層数などは太陽電池の使用目的、製造工程および
性能等の種々の条件によって変化し得る。
【0019】次に、裏面電極を構成する本発明の太陽電
池のアルミニウム合金を含む裏面電極の反射率と耐食性
との関係について説明する。通常、高純度アルミニウム
単体に比較して、第2元素を添加して得られたアルミニ
ウム合金は耐食性に優れていることは知られている。
池のアルミニウム合金を含む裏面電極の反射率と耐食性
との関係について説明する。通常、高純度アルミニウム
単体に比較して、第2元素を添加して得られたアルミニ
ウム合金は耐食性に優れていることは知られている。
【0020】このアルミニウム合金の耐食性能はアルミ
ニウムに添加されるニッケル(Ni)、チタン(T
i)、タンタル(Ta)等に代表される第2元素の種類
や、その添加量によって決定する。すなわち、添加した
第2元素の種類によってまたは添加量の多少によってア
ルミニウム合金の腐食電位が変化する。一般に、第2元
素の添加量の増加に伴って合金の腐食電位は上昇する。
この結果アルミニウム合金の耐食性能が向上する。すな
わち、耐食性を改善するためには、アルミニウムに適当
な第2元素をできる限り多量に添加することで、所望の
アルミニウム合金が獲得されることが理解される。
ニウムに添加されるニッケル(Ni)、チタン(T
i)、タンタル(Ta)等に代表される第2元素の種類
や、その添加量によって決定する。すなわち、添加した
第2元素の種類によってまたは添加量の多少によってア
ルミニウム合金の腐食電位が変化する。一般に、第2元
素の添加量の増加に伴って合金の腐食電位は上昇する。
この結果アルミニウム合金の耐食性能が向上する。すな
わち、耐食性を改善するためには、アルミニウムに適当
な第2元素をできる限り多量に添加することで、所望の
アルミニウム合金が獲得されることが理解される。
【0021】しかしながら、アルミニウムへの第2元素
の添加量が増加するのに伴って合金の耐食性が向上する
一方で、アルミニウム合金の反射率が低下するという傾
向が見られる。アルミニウム合金のこのような反射率の
低下は、特に背面反射型の太陽電池において、耐食性改
善のための裏面電極の電極材料にアルミニウム合金を選
択する場合に光電変換効率の点で重要な問題となる。こ
のため、本発明では従来の高純度アルミニウム単体を使
用した際に得られる裏面電極の反射率とほぼ同等の反射
率を有し、かつより優れた耐食性能を有することを特徴
とするアルミニウム合金を含んで形成される裏面電極を
備えた太陽電池を提供することを目的としている。
の添加量が増加するのに伴って合金の耐食性が向上する
一方で、アルミニウム合金の反射率が低下するという傾
向が見られる。アルミニウム合金のこのような反射率の
低下は、特に背面反射型の太陽電池において、耐食性改
善のための裏面電極の電極材料にアルミニウム合金を選
択する場合に光電変換効率の点で重要な問題となる。こ
のため、本発明では従来の高純度アルミニウム単体を使
用した際に得られる裏面電極の反射率とほぼ同等の反射
率を有し、かつより優れた耐食性能を有することを特徴
とするアルミニウム合金を含んで形成される裏面電極を
備えた太陽電池を提供することを目的としている。
【0022】図3は、特に好ましい代表的な第2元素と
して、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)またはタンタ
ル(Ta)を用いた場合の第2元素の添加量とアルミニ
ウム合金の反射率との関係を示すグラフである。
して、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)またはタンタ
ル(Ta)を用いた場合の第2元素の添加量とアルミニ
ウム合金の反射率との関係を示すグラフである。
【0023】グラフにおいて、横軸には第2元素の添加
量を示し、添加量の値は合金中のアルミニウム(A1)
原子に対する第2元素の原子量比(%)で表わすものと
した。また、縦軸にはアルミニウム合金の反射率を示す
ものとした。ここでaはニッケル(Ni)を添加した場
合の添加量とアルミニウム合金の反射率との関係を示す
曲線であり、bはチタン(Ti)を添加した場合の添加
量とアルミニウム合金の反射率との関係を示す曲線であ
り、さらにcはタンタル(Ta)を添加した場合の添加
量とアルミニウム合金の反射率との関係を示す曲線であ
る。
量を示し、添加量の値は合金中のアルミニウム(A1)
原子に対する第2元素の原子量比(%)で表わすものと
した。また、縦軸にはアルミニウム合金の反射率を示す
ものとした。ここでaはニッケル(Ni)を添加した場
合の添加量とアルミニウム合金の反射率との関係を示す
曲線であり、bはチタン(Ti)を添加した場合の添加
量とアルミニウム合金の反射率との関係を示す曲線であ
り、さらにcはタンタル(Ta)を添加した場合の添加
量とアルミニウム合金の反射率との関係を示す曲線であ
る。
【0024】グラフより、いかなる第2元素も添加して
いない、すなわち添加量0%におけるアルミニウム単体
の反射率は92%であることが示される。このアルミニ
ウム単体の反射率に比較すると、ニッケル(Ni)、チ
タン(Ti)、タンタル(Ta)を各々添加した3種類
のアルミニウム合金で第2元素の添加量の増加とともに
反射率が低下する傾向が確認された。この結果から過剰
な第2元素の添加は裏面電極の反射率の点から望ましく
ないことは容易に理解されるであろう。
いない、すなわち添加量0%におけるアルミニウム単体
の反射率は92%であることが示される。このアルミニ
ウム単体の反射率に比較すると、ニッケル(Ni)、チ
タン(Ti)、タンタル(Ta)を各々添加した3種類
のアルミニウム合金で第2元素の添加量の増加とともに
反射率が低下する傾向が確認された。この結果から過剰
な第2元素の添加は裏面電極の反射率の点から望ましく
ないことは容易に理解されるであろう。
【0025】さらにグラフに示した結果から、ニッケル
(Ni)、チタン(Ti)またはタンタル(Ta)を第
2元素とするアルミニウム合金各々が、アルミニウム単
体とほぼ同等の反射率を保持し得る限界の添加量とし
て、ニッケル(Ni)を添加する場合では原子量比
(%)にして約5%以下であること、チタン(Ti)を
添加する場合では原子量比(%)にして約3%以下であ
ること、さらにタンタル(Ta)を添加する場合では原
子量比(%)にして約2%以下であることが望ましいと
わかった。
(Ni)、チタン(Ti)またはタンタル(Ta)を第
2元素とするアルミニウム合金各々が、アルミニウム単
体とほぼ同等の反射率を保持し得る限界の添加量とし
て、ニッケル(Ni)を添加する場合では原子量比
(%)にして約5%以下であること、チタン(Ti)を
添加する場合では原子量比(%)にして約3%以下であ
ること、さらにタンタル(Ta)を添加する場合では原
子量比(%)にして約2%以下であることが望ましいと
わかった。
【0026】さらに第2元素の添加量と反射率との関係
を表わすこれらの結果を受けて、図4はアルミニウム単
体および3種類のアルミニウム合金の腐食電位と電流密
度との関係を示すグラフである。曲線はアルミニウム単
体および特に好ましい代表的な第2元素としてニッケル
(Ni)、チタン(Ti)またはタンタル(Ta)を添
加した3種類のアルミニウム合金の腐食電位と電流密度
との関係を示す。
を表わすこれらの結果を受けて、図4はアルミニウム単
体および3種類のアルミニウム合金の腐食電位と電流密
度との関係を示すグラフである。曲線はアルミニウム単
体および特に好ましい代表的な第2元素としてニッケル
(Ni)、チタン(Ti)またはタンタル(Ta)を添
加した3種類のアルミニウム合金の腐食電位と電流密度
との関係を示す。
【0027】このグラフにおいて示したアルミニウム合
金の組成は、原子量比5%のニッケル(Ni)を添加し
た合金としてAl9 5 Ni5 であり、原子量比3%のチ
タン(Ti)を添加した合金としてAl9 7 Ti3 であ
り、さらに原子量比2%のタンタル(Ta)を添加した
合金としてAl9 8 Ta2 である。
金の組成は、原子量比5%のニッケル(Ni)を添加し
た合金としてAl9 5 Ni5 であり、原子量比3%のチ
タン(Ti)を添加した合金としてAl9 7 Ti3 であ
り、さらに原子量比2%のタンタル(Ta)を添加した
合金としてAl9 8 Ta2 である。
【0028】図5において曲線で示される結果から、同
一電流密度に対する各々の電位を比較するとアルミニウ
ム単体、ニッケルアルミニウム合金(Al95 N
i5 )、チタンアルミニウム合金(Al9 7 Ti3 )、
タンタルアルミニウム合金(Al9 8 Ta2 )の順で腐
食電位が高くなる傾向が示された。この傾向は電流密度
が上昇するに伴ってより顕著となり、3種類のアルミニ
ウム合金の腐食にはより高い電圧が印加されなければな
らないことが示された。
一電流密度に対する各々の電位を比較するとアルミニウ
ム単体、ニッケルアルミニウム合金(Al95 N
i5 )、チタンアルミニウム合金(Al9 7 Ti3 )、
タンタルアルミニウム合金(Al9 8 Ta2 )の順で腐
食電位が高くなる傾向が示された。この傾向は電流密度
が上昇するに伴ってより顕著となり、3種類のアルミニ
ウム合金の腐食にはより高い電圧が印加されなければな
らないことが示された。
【0029】上記の結果を受けて、実際にこの3種類の
合金、すなわちニッケルアルミニウム合金(Al9 5 N
i5 )、チタンアルミニウム合金(Al9 7 Ti3 )、
タンタルアルミニウム合金(Al9 8 Ta2 )をそれぞ
れ電極材料に用いて、電極材料にアルミニウム単体を用
いた場合と比較して耐湿性試験を行なった。
合金、すなわちニッケルアルミニウム合金(Al9 5 N
i5 )、チタンアルミニウム合金(Al9 7 Ti3 )、
タンタルアルミニウム合金(Al9 8 Ta2 )をそれぞ
れ電極材料に用いて、電極材料にアルミニウム単体を用
いた場合と比較して耐湿性試験を行なった。
【0030】この試験では、電極材料のみを限定要因と
しその他の一切の要因は全て同一であるものとして試験
温度80℃、相対湿度90%の条件下で実施するものと
した。電極表面の剥離等の外観的変化および接触抵抗の
増加が認められるまでの耐湿時間を試験し、その結果を
表1に示した。
しその他の一切の要因は全て同一であるものとして試験
温度80℃、相対湿度90%の条件下で実施するものと
した。電極表面の剥離等の外観的変化および接触抵抗の
増加が認められるまでの耐湿時間を試験し、その結果を
表1に示した。
【0031】
【表1】 表1に示した耐湿試験の結果において、原子量比5%の
ニッケル(Ni)を添加したニッケルアルミニウム合金
では480時間、原子量比3%チタン(Ti)を添加し
たチタンアルミニウム合金では600時間、原子量比2
%のタンタル(Ta)を添加したタンタルアルミニウム
合金では650時間の評価可能な腐食保護特性が提供さ
れた。これらの結果からアルミニウム単体を裏面電極に
用いた場合の耐温時間40時間に対して明らかに優位な
差異が見られ、著しい耐食性向上の効果を呈することが
確認された。
ニッケル(Ni)を添加したニッケルアルミニウム合金
では480時間、原子量比3%チタン(Ti)を添加し
たチタンアルミニウム合金では600時間、原子量比2
%のタンタル(Ta)を添加したタンタルアルミニウム
合金では650時間の評価可能な腐食保護特性が提供さ
れた。これらの結果からアルミニウム単体を裏面電極に
用いた場合の耐温時間40時間に対して明らかに優位な
差異が見られ、著しい耐食性向上の効果を呈することが
確認された。
【0032】一連の実験結果から、ニッケル(Ni)、
チタン(Ti)、タンタル(Ta)を添加元素とする3
種類の合金のうち第2元素としてタンタル(Ta)を原
子量比にして2%添加したアルミニウム合金が最も高い
耐食特性を有することが判明した。
チタン(Ti)、タンタル(Ta)を添加元素とする3
種類の合金のうち第2元素としてタンタル(Ta)を原
子量比にして2%添加したアルミニウム合金が最も高い
耐食特性を有することが判明した。
【0033】このように本実施例によるとアルミニウム
合金を電極材料として用いることで裏面電極の反射率の
低下を招くことなく、太陽電池の裏面電極の耐食性を著
しく向上することができる。
合金を電極材料として用いることで裏面電極の反射率の
低下を招くことなく、太陽電池の裏面電極の耐食性を著
しく向上することができる。
【0034】なお、上記と同様の問題が受光面側電極の
電極表面でも起こり得る可能性は十分に予測されるとこ
ろであり、使用可能な範囲内でアルミニウム合金を含む
電極が適用されてもよい。
電極表面でも起こり得る可能性は十分に予測されるとこ
ろであり、使用可能な範囲内でアルミニウム合金を含む
電極が適用されてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば耐食性
能が要求される裏面電極の電極材料にアルミニウム合金
を含むことにより、半導体基板と裏面電極との界面に浸
入するごく僅かな水分および電解質等によって引き起こ
される電極表面の腐食を大幅に抑制することができる。
さらに適量の第2元素の添加により裏面電極表面の反射
率を低下することなく、すぐれた耐食性を有する裏面電
極を備えた太陽電池が供されるという効果がある。
能が要求される裏面電極の電極材料にアルミニウム合金
を含むことにより、半導体基板と裏面電極との界面に浸
入するごく僅かな水分および電解質等によって引き起こ
される電極表面の腐食を大幅に抑制することができる。
さらに適量の第2元素の添加により裏面電極表面の反射
率を低下することなく、すぐれた耐食性を有する裏面電
極を備えた太陽電池が供されるという効果がある。
【図1】従来の背面反射型太陽電池の概略的な斜視図で
ある。
ある。
【図2】本発明の代表的な一実施例に従う太陽電池の基
本的構造を示す断面図である。
本的構造を示す断面図である。
【図3】添加元素として、ニッケル(Ni)、チタン
(Ti)またはタンタル(Ta)を用いた場合の第2元
素の添加量とアルミニウム合金の反射率との関係を示す
グラフである。
(Ti)またはタンタル(Ta)を用いた場合の第2元
素の添加量とアルミニウム合金の反射率との関係を示す
グラフである。
【図4】アルミニウム単体および3種類のアルミニウム
合金の腐食電位と電流密度との関係を示すグラフであ
る。
合金の腐食電位と電流密度との関係を示すグラフであ
る。
1 アルミニウム合金電極層 2 チタン(Ti)電極層 3 パラジウム(Pd)電極層 4 銀(Ag)電極層 10 P型半導体基板 11 受光面 13 反射防止膜 14 シリコン酸化膜 15 N+ 型不純物層 16 PN接合 20 受光面側電極 25 受光面側電極 30 裏面電極 35 裏面電極 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−203369(JP,A) 特開 昭58−39072(JP,A) 特開 昭55−138260(JP,A) 特開 昭52−143784(JP,A) 特開 昭52−45887(JP,A) 実開 平3−96053(JP,U) 実開 平3−113854(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/04
Claims (5)
- 【請求項1】 半導体接合を有する単結晶または多結晶
の半導体基板と、 前記半導体基板の主面に形成された受光面側電極と、 前記半導体基板の背面に形成された裏面電極とを備えた
太陽電池において、前記裏面電極の半導体基板に直接隣接する電極部分が、
アルミニウムの耐喰性を向上させる第2元素をアルミニ
ウムの高い反射率を実質的に維持できる原子量比で添加
したアルミニウム合金であることを特徴とする太陽電
池。 - 【請求項2】 前記アルミニウム合金は、ニッケルアル
ミニウム合金、チタンアルミニウム合金またはタンタル
アルミニウム合金のいずれかである、請求項1記載の太
陽電池。 - 【請求項3】 前記ニッケルアルミニウム合金に第2元
素として含まれるニッケルの原子量比は5%以下であ
る、請求項2記載の太陽電池。 - 【請求項4】 前記チタンアルミニウム合金に第2元素
として含まれるチタンの原子量比は3%以下である、請
求項2記載の太陽電池。 - 【請求項5】 前記タンタルアルミニウム合金に第2元
素として含まれるタンタルの原子量比は2%以下であ
る、請求項2記載の太陽電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3320590A JP2837302B2 (ja) | 1991-12-04 | 1991-12-04 | 太陽電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3320590A JP2837302B2 (ja) | 1991-12-04 | 1991-12-04 | 太陽電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05160420A JPH05160420A (ja) | 1993-06-25 |
JP2837302B2 true JP2837302B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=18123121
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3320590A Expired - Fee Related JP2837302B2 (ja) | 1991-12-04 | 1991-12-04 | 太陽電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2837302B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100446593B1 (ko) * | 1997-03-05 | 2005-07-04 | 삼성전자주식회사 | 실리콘태양전지및그제조방법 |
EP2031659A1 (de) * | 2007-08-30 | 2009-03-04 | Applied Materials, Inc. | Verfahren zur Erzeugung eines metallischen Rückkontaktes eines Halbleiterbauelements, insbesondere einer Solarzelle |
JP5278824B2 (ja) * | 2008-07-28 | 2013-09-04 | 日立金属株式会社 | 光散乱膜および光散乱膜の製造方法 |
JP5171653B2 (ja) * | 2009-01-07 | 2013-03-27 | 三菱電機株式会社 | 太陽電池とその製造方法 |
WO2011097676A1 (en) * | 2010-02-15 | 2011-08-18 | Csg Solar Ag | Contact composition |
CN103782394B (zh) | 2011-08-24 | 2016-05-04 | 株式会社村田制作所 | 太阳能电池和该太阳能电池的制造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0656883B2 (ja) * | 1986-03-03 | 1994-07-27 | 鐘淵化学工業株式会社 | 半導体装置 |
JP3096053U (ja) * | 2003-02-24 | 2003-08-29 | 有限会社 コバコウー | ゴミ収集補助具 |
-
1991
- 1991-12-04 JP JP3320590A patent/JP2837302B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05160420A (ja) | 1993-06-25 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |