JP2836689B2 - マグネット装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、磁気共鳴診断装置等に使用される高均一
磁場を発生するマグネット装置特に磁気遮蔽装置に関す
るものである。 〔従来の技術〕 第３図は例えば特開昭60−10546号公報に示された磁
気共鳴診断装置に用いられる従来のマグネット装置を示
す断面図で、図において、１は中心部11に高均一磁場を
発生する超電導コイル、２は内部を真空に保つと共に図
示しない熱シールドによって内部を低温に保っている真
空断熱容器、３は鉄等の強磁性体によって構成され超電
導コイル１が発生する磁束を集中させると共に、帰還路
を構成することによって磁界の広がりを防止する磁気遮
蔽装置である。 この従来のものでは、超電導コイル１によって中心部
11は例えば10ppm程度の高均一磁場に保たれている。ま
た同時に0.1ppm/Hr程度以下の高安定な磁場となってい
る。一方超電導コイル１によって発生した磁束の大部分
は強磁性体で構成され、磁気抵抗の小さい磁気回路に集
束されるので、磁気遮蔽装置の外の磁界は低くおさえら
れ、磁気遮蔽される。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来マグネット装置は以上のように構成されているの
で、周囲の気温が変動すると磁気遮蔽装置の温度が変動
し、そのために熱膨張あるいは熱収縮し、そのため磁気
抵抗が変動し、高均一磁場領域の磁界強度も変動する。
その結果、高均一磁場領域の磁界安定度が悪くなる等の
問題があった。 この発明はこのような問題点を解消するためになされ
たもので、高均一磁場領域の磁界安定度の向上をはかっ
たマグネットを得ることを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 この発明に係るマグネット装置は、マグネット本体の
外周に磁気遮蔽装置を配置すると共に、この磁気遮蔽装
置の少なくとも外周に密着して断熱材を配置したもので
ある。 〔作用〕 この発明における磁気遮蔽装置の少なくとも外周に
は、密着して断熱材が配置されているので、磁気遮蔽装
置の温度変化による変形が抑制されマグネット装置の発
生磁界が安定する。 〔実施例〕 以下この発明の一実施例を第１図にもとづいて説明す
る。即ち第１図において、４は磁気遮蔽装置３の内外側
に取付けられた発泡材あるいはガラスウール等からなる
断熱材である。なおその他の構成は第３図に示す従来の
ものと同様であるので説明を省略する。 このように構成されたものでは、断熱材４によって磁
気遮蔽装置３に侵入する熱量は約1/10以下まで減らすこ
とが可能となるので、磁気遮蔽装置３の温度変化も約1/
10以下となる。磁気遮蔽装置３の温度変化が1/10以下に
なると温度変化による熱膨張、収縮もそれに応じて少な
くなり、磁界の安定度も１桁程度向上させることができ
る。 なお、断熱材４を第２図に示すように磁気遮蔽装置３
の外側にのみ取付けてもよい。また磁気遮蔽装置が超電
導マグネットに取付けられた場合について説明したが、
常電導マグネットあるいは永久磁石の場合についても同
様の効果を期待することができる。 さらに、超電導マグネットの真空槽が磁気遮蔽装置を
兼用している場合についても同様の効果を奏する。 〔発明の効果〕 上記のようにこの発明によるマグネット装置は、磁気
遮蔽装置の少なくとも外周に密着して断熱材を配置した
ので、発生磁界が安定になり特性が向上する。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの発明の一実施例を示す断面図、第２図はこ
の発明の他の実施例を示す断面図、第３図は従来のこの
種マグネット装置を示す断面図である。 図中、１は超電導コイル、２は真空断熱容器、３は磁気
遮蔽装置、４は断熱材である。 尚、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−159714（ＪＰ，Ａ) 特開 昭47−23089（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−151946（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．マグネット本体の外周に配置された磁性体からなる
   磁気遮蔽装置、この磁気遮蔽装置の少なくとも外周に密
   着して配置された断熱材を備えたマグネット装置。 ２．マグネット本体は、超電導マグネットである特許請
   求の範囲第１項記載のマグネット装置。 ３．磁気遮蔽装置は真空容器を兼ねている特許請求の範
   囲第１項または第２項記載のマグネット装置。