JP2836493B2 - 苦味隠蔽されたマレイン酸トリメブチン含有製剤 - Google Patents

苦味隠蔽されたマレイン酸トリメブチン含有製剤

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JP2836493B2
JP2836493B2 JP6183772A JP18377294A JP2836493B2 JP 2836493 B2 JP2836493 B2 JP 2836493B2 JP 6183772 A JP6183772 A JP 6183772A JP 18377294 A JP18377294 A JP 18377294A JP 2836493 B2 JP2836493 B2 JP 2836493B2
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善行 平川
広祐 吉野
勝治 上村
義一 古川
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Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マレイン酸トリメブチ
ン含有製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】マレイン酸トリメブチンは、中枢を介さ
ず消化管平滑筋に直接作用して、食道から大腸までの消
化管運動異常を改善し、慢性胃炎における消化器症状
(腹部疼痛、悪心、腹部膨満感)や過敏性腸症候群等の
治療薬として優れた医薬品である。
【0003】しかしながら、マレイン酸トリメブチンは
非常に強い苦味と収れん性のあるしびれ感を有し、服用
を容易にするためには、この苦味を防止することが望ま
れていた。
【0004】一般的な苦味防止法としてはフィルムコー
ティングがあるが、これは錠剤に適した方法であり、顆
粒剤や細粒剤などの粒状製剤では、フィルムコーティン
グは工程の煩雑さに加え収率の低下や摩損の問題があり
最良の方法とは言い難い。また、マイクロカプセル化に
よる方法は、単一成分で散剤や細粒剤とするには適して
いるが、他の活性成分と配合した製剤では製造性やコス
ト面で難点がある。
【0005】更に、薬物の矯味方法として、マスキング
剤を添加あるいはコーティングする方法も数多く知られ
ている(特開昭63−258809号、特開平01−1
00116号、同03−130214号、同04−31
2523号等)が、これらの方法によっても、マスキン
グ剤の添加だけでは防止や抑制が充分でない場合や、顆
粒剤や細粒剤などの粒状製剤では、フィルムコーティン
グは工程の煩雑さに加え収率の低下や摩損の問題があ
り、最良の方法とは言い難いのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、苦味が隠蔽
され、服用容易なマレイン酸トリメブチン含有経口投与
製剤を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マレイン
酸トリメブチンの苦味隠蔽方法について鋭意研究を重ね
た結果、マレイン酸トリメブチンをエチルセルロース溶
液を用いて湿式造粒したところ、得られた粒状物は苦味
がなく、苦味隠蔽製剤となし得ること、更に該粒状物に
撥水性塩を配合して同様に湿式造粒したところ苦味隠蔽
効果が増強されることを見出し、本発明を完成したもの
であって、かかる知見に基づく本発明は、マレイン酸ト
リメブチンが水不溶性高分子を結合剤として造粒されて
なる苦味隠蔽製剤である。
【0008】本発明の製剤において、結合剤として用い
られる水不溶性高分子としては、薬物もしくは製剤の口
中での崩壊を抑制し、製剤技術の分野で通常、水に溶解
し難い高分子物質として知られているものであれば、い
ずれも好適に用いることが出来、例えば、水不溶性セル
ロース誘導体、水不溶性ビニル誘導体及び水不溶性アク
リル酸系ポリマー等から選ばれる1種又は2種以上があ
げられる。
【0009】水不溶性セルロース誘導体の例としては、
セルロースに含まれる水酸基の一部又は全部がエチル基
で置換されたエチルセルロース等のセルロースエーテル
類化合物、酢酸セルロース等のセルロースエステル類化
合物の他、胃溶性重合体である、ベンジルアミノメチル
セルロース、ジエチルアミノメチルセルロース、ピペリ
ジル・エチル・ヒドロキシ・エチルセルロース等のアミ
ノセルロース類化合物、セルロース・アセテート・ジエ
チルアミノアセテート等のアミノセルロースエステル類
化合物、セルロース・アセテート・ジブチルアミノ・ヒ
ドロキシプロピルエーテル等のアミノセルロースエーテ
ル類化合物等があげられる。
【0010】水不溶性ビニル誘導体の例としては、ポリ
酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルの他、胃溶性重合体であ
る、ビニルジエチルアミン・ビニルアセテート共重合
体、ビニルベンジルアミン・ビニルアセテート共重合体
等のビニルアミン類化合物、ポリビニルアセタール・ジ
メチルアミノアセテート、ポリビニルアセタール・ジエ
チルアミノアセテート、ビニルピペリジルアセトアセタ
ール・ビニルアセテート共重合体等のアミノアセタール
類化合物、ポリビニルアセタール・ジエチルアミノアセ
テート、ポリジメチルアミノエチル・メタクリレート等
のポリビニルエステル類化合物、ポリジメチルアミノメ
チルスチレン等のアミノスチレン類化合物等があげられ
る。
【0011】水不溶性アクリル酸系ポリマーの例として
は、胃溶性アクリル酸系ポリマーである、メタアクリル
酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメ
チルアミノエチル共重合体(例えば、商品名;オイドラ
ギットE、ロームファーマ社製)、pH非依存性アクリ
ル酸系ポリマーである、アクリル酸エチル・メタアクリ
ル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウ
ムエチル共重合体(例えば、商品名;オイドラギットR
S、オイドラギットRSL、ロームファーマ社製)、メ
タアクリル酸メチル・アクリル酸エチル共重合体(例え
ば、商品名;オイドラギットNE、ロームファーマ社
製)等があげられる。
【0012】これらの内、好ましい水不溶性高分子の具
体例としては、エチルセルロース、アクリル酸エチル・
メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチル
アンモニウムエチル共重合体、ポリビニルアセタール・
ジエチルアミノアセテート等があげられる。
【0013】本発明において、結合剤たる水不溶性高分
子の使用量は、苦味を隠蔽するに必要な量であって、製
剤の消化管内での薬物の吸収を著しく阻害しない程度の
量であれば、その範囲内において適宜勘案して使用でき
るが、例えばその比率を示すとすれば、マレイン酸トリ
メブチン1重量部に対し、水不溶性高分子が約0.01
〜0.5重量部、好ましくは約0.03〜0.3重量
部、とりわけ好ましくは約0.05〜0.25重量部、
最も好ましくは約0.1〜0.2重量部である。
【0014】また、水不溶性高分子と共に、本発明の目
的に併用し得る撥水性塩としては、疎水性ないし撥水性
で製剤に添加可能な塩であればよく、例えばステアリン
酸金属塩があげられる。具体的には例えば、ステアリン
酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムなどのステアリン
酸アルカリ金属塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸マグネシウムなどのステアリン酸アルカリ土類金属
塩があげられる。
【0015】これら撥水性塩の添加がもたらす苦味隠蔽
効果の増強作用の根拠は、おそらくこれら塩の添加によ
り、口中での唾液による製剤の濡れが遅延されるためと
推測されるので、かかる濡れ遅延効果をもつものであれ
ば、上記撥水性塩以外のものであっても、本発明の目的
に十分使用可能となるものであり、例えば、常温で固体
の高級炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、各種動
植物硬化油なども使用することが出来る。
【0016】本発明において、撥水性塩の使用量は、製
剤の消化管内での薬物の吸収を著しく阻害しない程度の
量であれば、その範囲内において適宜勘案して使用でき
るが、例えばその比率を示すとすれば、マレイン酸トリ
メブチン1重量部に対し、撥水性塩が約0.01〜0.
7重量部、好ましくは約0.05〜0.5重量部、とり
わけ好ましくは約0.1〜0.4重量部、最も好ましく
は約0.2〜0.3重量部である。
【0017】本発明の苦味隠蔽されたマレイン酸トリメ
ブチン製剤は、湿式造粒法等の常法により製造すること
が出来、マレイン酸トリメブチン、必要に応じ撥水性
塩、更に所望に応じて苦味隠蔽効果を阻害しない程度の
量の賦形剤、崩壊剤等、通常この分野で使用される各種
製剤添加剤を混合し、水不溶性高分子溶液を加えて粒状
物とすることが出来る。
【0018】例えば各成分を捏和した後、網式製粒機、
円筒製粒機、トーネードミル、スクリュー造粒機、アレ
キサンダー・マシン等の押出造粒機にかけて粒状物とす
るか、或いは回転ドラムないし回転パン中の各成分の粉
体に結合剤溶液を噴霧して造粒するいわゆる転動造粒に
より粒状物としてもよく、流動層乾燥機中で各成分を流
動させつつ結合剤溶液を噴霧する流動層造粒法により粒
状物としてもよい。
【0019】賦形剤としては、例えば結晶セルロース、
コーンスターチ、小麦デンプン、バレイショデンプン、
乳糖、庶糖、グルコース、マンニトール等の糖類、硫酸
カルシウム、リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、
塩化ナトリウム、ホウ酸等があげられる。
【0020】崩壊剤としては例えばデンプン、ヒドロキ
シプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースおよ
びそのカルシウム塩、低置換度ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、イオン交換樹脂、寒天末、結晶セルロー
ス、α−セルロース、架橋ゼラチン、架橋カゼイン等が
あげられる。
【0021】滑択剤としては、例えばタルク、合成ケイ
酸マグネシウム、微粒子性酸化ケイ素、デンプン、ラウ
リル硫酸ナトリウム、ホウ酸、酸化マグネシウム等があ
げられる。
【0022】これらの添加物の添加量や添加時期は、製
剤技術の分野で常用される知見に基づく範囲であれば、
何ら問題なく使用することができる。
【0023】更に、これら賦形剤、崩壊剤等の添加量や
添加時期も、製剤技術の分野で常用される知見に基づく
範囲であれば、何ら問題なく使用することができ、結合
剤の濃度や使用する溶媒も製剤技術の分野で常用される
知見に基づく範囲であれば、何ら問題なく使用すること
ができる。
【0024】かくして得られる粒状物は、日本薬局方に
規定される顆粒剤または細粒剤に該当する程度の形状と
すればよいが、もとよりこれに限定されず、適宜所望の
粒径に加工することが可能である。
【0025】本発明の製剤は、そのままで、あるいは制
酸剤成分及び健胃成分等を含有した一種または二種以上
の粒状物を混合して総合胃腸薬、健胃薬、消化薬、整腸
薬及び止瀉薬とすることが出来る。
【0026】以下に実験例及び実施例をあげて更に詳細
に本発明を説明するが、本発明はこれらに限られるもの
ではない。
【0027】
【作用】
実験例1 (目的)水不溶性高分子を結合剤とし、撥水性塩と共に
造粒したマレイン酸トリメブチン含有製剤の苦味隠蔽効
果及び口中感触の良否を調べる。
【0028】(使用製剤) 本発明の製剤:後記実施例1〜3記載の製剤 対照製剤:後記比較例1記載の製剤 下記表1に配合成分の比較を示す。
【0029】
【表1】
【0030】(実験方法)健康な成人20人を選択し、
本発明の製剤及び対象製剤の一回服用量(1.4g)を
口中に30秒間含んだ後、吐き出し、服用時の苦味及び
しびれ感を調べた。
【0031】(結果)結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】本試験結果より、結合剤として水不溶性高
分子(例えば、エチルセルロース、オイドラギットRS
〔商品名〕)を用いることにより、マレイン酸トリメブ
チン特有の苦味、しびれ感が軽減され、更にステアリン
酸マグネシウム等の撥水性塩と共に造立することにより
苦味隠蔽効果、しびれ感軽減効果は増強され、良好な製
剤が得られることがわかる。また、比較例より結合剤と
してヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性高分子を
用いると、ステアリン酸マグネシウムと共に造立しても
苦味隠蔽効果、しびれ感軽減効果は生じないことがわか
る。
【0034】実験例2 (目的)水不溶性高分子を結合剤とし、撥水性塩と共に
造粒したマレイン酸トリメブチン含有製剤に、他の成分
を加え、総合胃腸薬としたときの苦味隠蔽効果及び口中
感触の良否を調べる。
【0035】(使用製剤) 本発明の製剤:後記実施例7記載の製剤 対照製剤:後記比較例2〜3記載の製剤 下記表3に配合成分の比較を示す。
【0036】
【表3】
【0037】(実験方法)健康な成人20人を選択し、
本発明の製剤及び対象製剤の一回服用量(1.4g)を
口中に30秒間含んだ後、吐き出し、服用時の苦味及び
しびれ感を調べた。
【0038】(結果)結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】本試験結果より、結合剤としてエチルセル
ロース等の水不溶性高分子を用い、ステアリン酸マグネ
シウム等の撥水性塩と共に造立して得られたマレイン酸
トリメブチン含有製剤を含む総合胃腸薬は、マレイン酸
トリメブチン特有の苦味、しびれ感が軽減され、服用容
易な製剤が得られたことがわかる。
【0041】
【実施例】
実施例1 マレイン酸トリメブチン(200g)、D−マンニトー
ル(770g)に、エチルセルロース(30g)のエタ
ノール溶液を加えて造粒し、この造粒物をファイン・デ
ィスク・ペレッター(不二パウダル製、PV−5型)に
て押し出し製粒を行い、マレイン酸トリメブチン含有顆
粒を得た。
【0042】実施例2 マレイン酸トリメブチン(200g)、D−マンニトー
ル(720g)、ステアリン酸マグネシウム(50g)
に、エチルセルロース(30g)のエタノール溶液を加
えて造粒し、この造粒物をファイン・ディスク・ペレッ
ター(不二パウダル製、PV−5型)にて押し出し製粒
を行い、マレイン酸トリメブチン含有顆粒を得た。
【0043】実施例3 マレイン酸トリメブチン(200g)、D−マンニトー
ル(720g)、ステアリン酸マグネシウム(50g)
に、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタア
クリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体
(商品名;オイドラギットRS、ロームファーマ社製)
(30g)のエタノール溶液を加えて造粒し、この造粒
物をファイン・ディスク・ペレッター(不二パウダル
製、PV−5型)にて押し出し製粒を行い、マレイン酸
トリメブチン含有顆粒を得た。
【0044】実施例4 マレイン酸トリメブチン(200g)、D−マンニトー
ル(720g)、ステアリン酸カルシウム(50g)
に、エチルセルロース(30g)のエタノール溶液を加
えて造粒し、この造粒物をファイン・ディスク・ペレッ
ター(不二パウダル製、PV−5型)にて押し出し製粒
を行い、マレイン酸トリメブチン含有顆粒を得た。
【0045】実施例5 マレイン酸トリメブチン(200g)、D−マンニトー
ル(720g)、ステアリン酸カルシウム(50g)
に、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタア
クリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体
(商品名;オイドラギットRS、ロームファーマ社製)
(30g)のエタノール溶液を加えて造粒し、この造粒
物をファイン・ディスク・ペレッター(不二パウダル
製、PV−5型)にて押し出し製粒を行い、マレイン酸
トリメブチン含有顆粒を得た。
【0046】実施例6 マレイン酸トリメブチン(200g)、D−マンニトー
ル(720g)、ステアリン酸マグネシウム(50g)
に、ポリビニルアセタール・ジエチルアミノアセテート
(30g)のエタノール溶液を加えて造粒し、この造粒
物をファイン・ディスク・ペレッター(不二パウダル
製、PV−5型)にて押し出し製粒を行い、マレイン酸
トリメブチン含有顆粒を得た。
【0047】実施例7 (1)マレイン酸トリメブチン(200g)、D−マン
ニトール(700g)、アスパルテーム(20g)、ス
テアリン酸マグネシウム(50g)に、エチルセルロー
ス(30g)のエタノール溶液を加えて造粒し、この造
粒物をファイン・ディスク・ペレッター(不二パウダル
製、PV−5型)にて押し出し製粒を行い、マレイン酸
トリメブチン含有顆粒(顆粒Aと称する)を得た。
【0048】(2)炭酸カルシウム(400g)、炭酸
水素ナトリウム(200g)、メタケイ酸アルミン酸マ
グネシウム(160g)、D−マンニトール(90
g)、カルメロースカルシウム(50g)に、ポリビニ
ルピロリドン(100g)の30%エタノール溶液を用
いて、上記(1)と同様に実施することにより顆粒(顆
粒Bと称する)を得た。
【0049】(3)甘草末(100g)、ビオヂアスタ
ーゼ2000(80g)、リパーゼAP6(30g)、
ロートエキス3倍散(60g)、D−マンニトール(5
06g)に、ヒドロキシプロピルセルロース(24g)
のエタノール溶液を用いて、上記(1)と同様に実施す
ることにより顆粒(顆粒Cと称する)を得た。
【0050】(4)得られた顆粒A、顆粒B及び顆粒C
を1:1:0.8で混合することにより表5記載の総合
胃腸薬を得た。
【0051】
【表5】
【0052】実施例8 (1)マレイン酸トリメブチン(200g)、キシリト
ール(700g)、アスパルテーム(20g)、ステア
リン酸マグネシウム(50g)に、アクリル酸エチル・
メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチル
アンモニウムエチル共重合体(商品名;オイドラギット
RS、ロームファーマ社製)(30g)のエタノール溶
液を加えて造粒し、この造粒物をファイン・ディスク・
ペレッター(不二パウダル製、PV−5型)にて、押し
出し製粒を行いマレイン酸トリメブチン含有顆粒(顆粒
Aと称する)を得た。
【0053】(2)酸化マグネシウム(200g)、炭
酸水素ナトリウム(200g)、ケイ酸アルミン酸マグ
ネシウム(360g)、D−マンニトール(90g)、
カルメロース(50g)に、ヒドロキシプロピルセルロ
ース(100g)の30%エタノール溶液を用いて、上
記(1)と同様に実施することにより顆粒(顆粒Bと称
する)を得た。
【0054】(3)甘草末(100g)、ニガキ末(1
00g)、ケイヒ末(100g)、ロートエキス3倍散
(60g)、D−マンニトール(416g)に、ヒドロ
キシプロピルセルロース(24g)のエタノール溶液を
用いて、上記(1)と同様に実施することにより顆粒
(顆粒Cと称する)を得た。
【0055】(4)得られた顆粒A、顆粒B及び顆粒C
を1:1:0.8で混合することにより表6記載の総合
胃腸薬を得た。
【0056】なお、得られた総合胃腸薬を、上記実験例
2と同様にして実験したところ、苦味の評価は、「ほど
んど苦味を感じない」者が16名、「わずかに苦味を感
じる」者が4名、「強く苦味を感じる」者が0名であ
り、しびれ感の評価は、「ほどんどしびれ感を感じな
い」者が17名、「わずかにしびれ感を感じる」者が3
名、「強くしびれ感を感じる」者が0名であった。
【0057】
【表6】
【0058】実施例9 (1)マレイン酸トリメブチン(200g)、D−マン
ニトール(700g)、アスパルテーム(20g)、ス
テアリン酸マグネシウム(50g)に、ポリビニルアセ
タールジエチルアミノアセテート(30g)のエタノー
ル溶液を加えて造粒し、この造粒物をファイン・ディス
ク・ペレッター(不二パウダル製、PV−5型)にて、
押し出し製粒を行いマレイン酸トリメブチン含有顆粒
(顆粒Aと称する)を得た。
【0059】(2)炭酸カルシウム(200g)、炭酸
水素ナトリウム(200g)、ケイ酸アルミン酸マグネ
シウム(360g)、D−マンニトール(90g)、カ
ルメロースカルシウム(50g)に、ポリビニルピロリ
ドン(100g)の30%エタノール溶液を用いて、上
記(1)と同様に実施することにより顆粒(顆粒Bと称
する)を得た。
【0060】(3)甘草末(100g)、ケイヒ末(1
00g)、センブリ末(100g)、ロートエキス3倍
散(60g)、D−マンニトール(416g)に、ヒド
ロキシプロピルセルロース(24g)のエタノール溶液
を用い、上記(1)と同様に実施することにより顆粒
(顆粒Cと称する)を得た。
【0061】(4)得られた顆粒A、顆粒B及び顆粒C
を1:1:0.8で混合することにより表7記載の総合
胃腸薬を得た。
【0062】なお、得られた総合胃腸薬を、上記実験例
2と同様にして実験したところ、苦味の評価は、「ほど
んど苦味を感じない」者が17名、「わずかに苦味を感
じる」者が3名、「強く苦味を感じる」者が0名であ
り、しびれ感の評価は、「ほどんどしびれ感を感じな
い」者が18名、「わずかにしびれ感を感じる」者が2
名、「強くしびれ感を感じる」者が0名であった。
【0063】
【表7】
【0064】実施例10 (1)マレイン酸トリメブチン(200g)、D−マン
ニトール(700g)、アスパルテーム(20g)、ス
テアリン酸カルシウム(50g)に、エチルセルロース
(30g)のエタノール溶液を加えて造粒し、この造粒
物をファイン・ディスク・ペレッター(不二パウダル
製、PV−5型)にて押し出し製粒を行い、マレイン酸
トリメブチン含有顆粒(顆粒Aと称する)を得た。
【0065】(2)炭酸カルシウム(400g)、炭酸
水素ナトリウム(200g)、メタケイ酸アルミン酸マ
グネシウム(160g)、D−マンニトール(90
g)、カルメロースカルシウム(50g)に、ポリビニ
ルピロリドン(100g)の30%エタノール溶液を用
いて、上記(1)と同様に実施することにより顆粒(顆
粒Bと称する)を得た。
【0066】(3)甘草末(100g)、ビオヂアスタ
ーゼ2000(80g)、リパーゼAP6(30g)、
ロートエキス3倍散(60g)、D−マンニトール(5
06g)に、ヒドロキシプロピルセルロース(24g)
のエタノール溶液を用いて、上記(1)と同様に実施す
ることにより顆粒(顆粒Cと称する)を得た。
【0067】(4)得られた顆粒A、顆粒B及び顆粒C
を1:1:0.8で混合することにより表8記載の総合
胃腸薬を得た。
【0068】
【表8】
【0069】実施例11 (1)マレイン酸トリメブチン(200g)、キシリト
ール(700g)、アスパルテーム(20g)、ステア
リン酸カルシウム(50g)に、アクリル酸エチル・メ
タアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルア
ンモニウムエチル共重合体(商品名;オイドラギットR
S、ロームファーマ社製)(30g)のエタノール溶液
を加えて造粒し、この造粒物をファイン・ディスク・ペ
レッター(不二パウダル製、PV−5型)にて、押し出
し製粒を行いマレイン酸トリメブチン含有顆粒(顆粒A
と称する)を得た。
【0070】(2)酸化マグネシウム(200g)、炭
酸水素ナトリウム(200g)、ケイ酸アルミン酸マグ
ネシウム(360g)、D−マンニトール(90g)、
カルメロース(50g)に、ヒドロキシプロピルセルロ
ース(100g)の30%エタノール溶液を用いて、上
記(1)と同様に実施することにより顆粒(顆粒Bと称
する)を得た。
【0071】(3)甘草末(100g)、ニガキ末(1
00g)、ケイヒ末(100g)、ロートエキス3倍散
(60g)、D−マンニトール(416g)に、ヒドロ
キシプロピルセルロース(24g)のエタノール溶液を
用いて、上記(1)と同様に実施することにより顆粒
(顆粒Cと称する)を得た。
【0072】(4)得られた顆粒A、顆粒B及び顆粒C
を1:1:0.8で混合することにより表9記載の総合
胃腸薬を得た。
【0073】
【表9】
【0074】実施例12 (1)マレイン酸トリメブチン(200g)、D−マン
ニトール(700g)、アスパルテーム(20g)、ス
テアリン酸カルシウム(50g)に、ポリビニルアセタ
ール・ジエチルアミノアセテート(30g)のエタノー
ル溶液を加えて造粒し、この造粒物をファイン・ディス
ク・ペレッター(不二パウダル製、PV−5型)にて、
押し出し製粒を行いマレイン酸トリメブチン含有顆粒
(顆粒Aと称する)を得た。
【0075】(2)炭酸カルシウム(200g)、炭酸
水素ナトリウム(200g)、ケイ酸アルミン酸マグネ
シウム(360g)、D−マンニトール(90g)、カ
ルメロースカルシウム(50g)に、ポリビニルピロリ
ドン(100g)の30%エタノール溶液を用いて、上
記(1)と同様に実施することにより顆粒(顆粒Bと称
する)を得た。
【0076】(3)甘草末(100g)、ケイヒ末(1
00g)、センブリ末(100g)、ロートエキス3倍
散(60g)、D−マンニトール(416g)に、ヒド
ロキシプロピルセルロース(24g)のエタノール溶液
を用い、上記(1)と同様に実施することにより顆粒
(顆粒Cと称する)を得た。
【0077】(4)得られた顆粒A、顆粒B及び顆粒C
を1:1:0.8で混合することにより表10記載の総
合胃腸薬を得た。
【0078】
【表10】
【0079】比較例1 マレイン酸トリメブチン(200g)、D−マンニトー
ル(700g)、ステアリン酸マグネシウム(50g)
に、ヒドロキシプロピルセルロース(50g)のエタノ
ール溶液を加えて造粒し、この造粒物をファイン・ディ
スク・ペレッター(不二パウダル製、PV−5型)にて
押し出し製粒を行い、マレイン酸トリメブチン含有顆粒
を得た。
【0080】比較例2 (1)マレイン酸トリメブチン(200g)、D−マン
ニトール(700g)、アスパルテーム(20g)、ス
テアリン酸マグネシウム(50g)に、ポリビニルピロ
リドン(30g)のエタノール溶液を加えて造粒し、こ
の造粒物をファイン・ディスク・ペレッター(不二パウ
ダル製、PV−5型)にて、押し出し製粒を行いマレイ
ン酸トリメブチン含有顆粒(顆粒Aと称する)を得た。
【0081】(2)炭酸カルシウム(400g)、炭酸
水素ナトリウム(200g)、メタケイ酸アルミン酸マ
グネシウム(160g)、D−マンニトール(90
g)、カルメロースカルシウム(50g)に、ポリビニ
ルピロリドン(100g)の30%エタノール溶液を用
いて、上記(1)と同様に実施することにより顆粒(顆
粒Bと称する)を得た。
【0082】(3)甘草末(100g)、ビオヂアスタ
ーゼ2000(80g)、リパーゼAP6(30g)、
ロートエキス3倍散(60g)、D−マンニトール(5
06g)に、ヒドロキシプロピルセルロース(24g)
のエタノール溶液を用いて、上記(1)と同様に実施す
ることにより顆粒(顆粒Cと称する)を得た。
【0083】(4)得られた顆粒A、顆粒B及び顆粒C
を1:1:0.8で混合することにより総合胃腸薬を得
た。
【0084】比較例3 (1)マレイン酸トリメブチン(200g)、D−マン
ニトール(700g)、アスパルテーム(20g)、ス
テアリン酸マグネシウム(50g)、炭酸カルシウム
(400g)、炭酸水素ナトリウム(200g)、メタ
ケイ酸アルミン酸マグネシウム(160g)、D−マン
ニトール(90g)、カルメロースカルシウム(50
g)に、ポリビニルピロリドン(130g)の30%エ
タノール溶液を加え造粒し、この造粒物をファイン・デ
ィスク・ペレッター(不二パウダル製、PV−5型)に
て、押し出し製粒を行いマレイン酸トリメブチン含有顆
粒(顆粒A+Bと称する)を得た。
【0085】(2)甘草末(100g)、ビオヂアスタ
ーゼ2000(80g)、リパーゼAP6(30g)、
ロートエキス3倍散(60g)、D−マンニトール(5
06g)に、ヒドロキシプロピルセルロース(24g)
のエタノール溶液を用いて、上記(1)と同様に実施す
ることにより顆粒(顆粒Cと称する)を得た。
【0086】(3)得られた顆粒A+B及び顆粒Cを
2:0.8で混合することにより総合胃腸薬を得た。
【0087】
【発明の効果】結合剤として水不溶性高分子を用い、撥
水性塩を配合することによりマレイン酸トリメブチン特
有の苦味が隠蔽され、しびれ感も軽減され、服用容易な
経口投与製剤が得られる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−194193(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 31/135 A61K 47/30 A61K 47/38 CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイン酸トリメブチンが水不溶性高分
    子を結合剤として造粒されてなる苦味隠蔽製剤。
  2. 【請求項2】 マレイン酸トリメブチンが水不溶性高分
    子を結合剤とし、撥水性塩と共に造粒されてなる請求項
    1記載の製剤。
  3. 【請求項3】 マレイン酸トリメブチン1重量部に対
    し、水不溶性高分子が0.01〜0.5重量部配合され
    てなる請求項1記載の製剤。
  4. 【請求項4】 マレイン酸トリメブチン1重量部に対
    し、水不溶性高分子が0.01〜0.5重量部、撥水性
    塩が0.01〜0.7重量部配合されてなる請求項2記
    載の製剤。
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