JP2022532252A - (S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドを含んでなるマトリックス組成物 - Google Patents

(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドを含んでなるマトリックス組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、RIP1キナーゼ阻害剤化合物の放出調節医薬組成物およびその形態、組成物調製のプロセスまたは方法ならびにそれに対する使用または治療方法に関する。

Description

発明の分野
本発明は、RIP1キナーゼ阻害剤化合物の放出調節医薬組成物およびその形態、組成物調製のプロセスまたは方法ならびにそれに対する使用または治療方法に関する。
発明の背景
RIP1キナーゼ依存的プログラム壊死は、多種多様な炎症性疾患、特にTNFαにより誘発されるものにおける重要な発症機序として、急速に出現しつつある。(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(化合物1もしくはGSK2982772)、またはその互変異性体、またはその塩は、RIPK1の高度に選択的な阻害剤である。pK/pD試験において、120mg用量の即時放出(IR)製剤を使用した結果、血漿/血液中の化合物1の濃度は、投与後およそ12時間まで急速に減少し、およそ2~3時間のt1/2および高い比のCmax/Cminが認められた。Weisel et al., Pharmacol Res Perspect. 2017;e00365, https://doi.org/10.1002/prp2.365; 10頁。
化合物1のIR製剤の場合は、13例の対象における含量120mgのIR製剤の薬物動態試験において、幾何平均CmaxおよびC24hはそれぞれ1.375および0.006μg/mLであり、Cmax:C24h比は280であったと報告された。
食事制限なしの1日1回(QD)投与は、経口製剤を設計する場合に最適であると考えられる。QDは、最も一般的な経口投与レジメンであり、患者により最も好まれる。1日1回投与は、コンプライアンスを促進し、薬物療法管理の問題を低減し、治療成績を改善する。1日2回投与も、ほとんどの患者により十分受け入れられる。1日2回を超える投与を必要とする経口投与レジメンは、より不良なアドヒアランスと関連する。投与頻度および投与回数に加え、投与制限も重要な役割を果たす。特に、食事との同時投与または特定の期間食事を避ける必要がある投与の必要性は、多剤療法の管理およびノンアドヒアランスの複雑性を大幅に増大させる。
したがって、食事制限なしの化合物1のQD投与が好ましいと思われる。QD投与を達成するためには、化合物1は、より高い血中濃度および/またはより大きな曲線下面積(AUC)を達成するように投与する必要があり得る。用量の増量および/または投与頻度の増加が、必要な場合がある。残念ながら、化合物1のIR用量の増量は、毒性/有害作用をもたらす恐れがあり、投与頻度の増加は、患者のアドヒアランス低下をもたらす恐れがある。よって、IR製剤以外のQD投与を達成し得る製剤の開発が望まれた。出願人は、本明細書において、化合物1の放出制御または放出調節(MR)製剤を説明する。
伝統的なポリマーマトリックス、例えば、ヒプロメロースマトリックスおよび機能的賦形剤(「従来の」賦形剤に加えて追加の機能または質を提供し得る賦形剤を説明するために、医薬技術業界により使用される(http://www.pharmtech.com/excipients-formulation-success))の添加ありまたはなしでのより複雑な多層マトリックスを含むMR組成物の開発において、多数のアプローチが開示されている。有効薬剤の放出速度を制御するためのコーティングの使用が、かなりの注目を集めており、多くの異なるデバイスがこの目的のために開発されている。
1つの特定のMRアプローチが開発され、GlaxoSmithKline社によりDiffCOREという商品名で商品化されている。このアプローチは、フィルムコーティング錠剤、例えば、腸溶性錠剤の機械的穿孔を用いて、フィルムコートにおいて特定のサイズ、数および位置の開口部を形成することが関与する。薬剤の放出速度は、露出した表面積の変更、錠剤コアの組成、開口部の数の変更および/または開口部の位置の変更を通じて、調節および制御することができる。錠剤の製造は、混合、造粒および圧縮などの標準的な製造単位操作を使用する。
化合物1のQD製剤の開発において、その短い半減期、および関連するドラッグデリバリーの問題のために、本発明者らは、遭遇するこれらのおよび他の問題を克服することを対象とする本発明を開発した。
一つの側面において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体、またはその塩を含んでなる、放出調節医薬組成物を提供する。
第2の側面において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体、またはその塩および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有する、放出調節医薬組成物を提供する。
別の側面において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体、またはその塩および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、放出調節医薬組成物を提供する。
一つの側面において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる、放出調節医薬組成物を提供する。
第2の側面において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体、および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有する、放出調節医薬組成物を提供する。
別の側面において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体、および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、放出調節医薬組成物を提供する。
本発明の一つの実施形態において、前記放出調節医薬組成物は、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体、および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアは、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングは、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなり、前記フィルムコーティングにおける前記少なくとも1つの開口部は、所定のサイズである。
一つの側面において、本発明は、1日1回投与のための、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体を含んでなる、放出調節医薬組成物を提供する。
第2の側面において、本発明は、1日1回投与のための、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体、および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有する、放出調節医薬組成物を提供する。
別の側面において、本発明は、1日1回投与のための、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、放出調節医薬組成物を提供する。
本発明の一つの実施形態において、1日1回投与のための前記放出調節医薬組成物は、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなり、前記フィルムコーティングにおける前記少なくとも1つの開口部は、所定のサイズである。
本発明の一つの実施形態において、前記放出調節医薬組成物は、経口投与形である。
本発明の一つの実施形態において、前記放出調節医薬組成物は、経口投与形であり、前記経口投与形は、錠剤である。
本発明の一つの実施形態において、前記放出調節医薬組成物は、経口投与形であり、前記経口投与形は、1日1回投与に好適な錠剤である。
本発明の一つの実施形態において、前記放出調節組成物は、2つの錠剤として1日1回投与され、各錠剤は、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアは、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングは、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる。
一つの側面において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる錠剤であって、前記コアが、
(a)約30mg~約480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体、またはその塩;
(b)約1.0%wt/wt~約60%wt/wtの放出調節剤;
(c)約1.0%wt/wt%~約95%wt/wtの希釈剤;
(d)約0.25%wt/wt~約5.0%wt/wtの滑沢剤;ならびに
(e)錠剤コアの約1.0%wt/wtおよび錠剤コアの約10%wt/wtの量の侵食性材料、ならびにフィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、前記侵食性マトリックスコアの周囲のフィルムコーティング
を含んでなる、錠剤を提供する。
一つの側面において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる錠剤であって、前記コアが、
(a)約240mg~約480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体、またはその塩;
(b)約1.0%wt/wt~約20%wt/wtの放出調節剤;
(c)約15%wt/wt%~約30%wt/wtの希釈剤;
(d)約0.50%wt/wt~約3.0%wt/wtの滑沢剤;ならびに
(e)錠剤コアの約2.0%wt/wtおよび錠剤コアの約6%wt/wtの量の侵食性材料、ならびにフィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、前記侵食性マトリックスコアの周囲のフィルムコーティング
を含んでなる、錠剤を提供する。
一つの側面において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる錠剤であって、前記コアが、
(a)約480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体、またはその塩;
(b)約20%wt/wtの放出調節剤;
(c)約25%wt/wt%の希釈剤;
(d)約1.0%wt/wtの滑沢剤;ならびに
(e)錠剤コアの約4%wt/wtの量の侵食性材料、およびフィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、前記侵食性マトリックスコアの周囲のフィルムコーティング
を含んでなる、錠剤を提供する。
一つの側面において、本発明は、乾癬を有する対象を治療する方法であって、前記対象に治療上有効な量の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体を投与することを含んでなり、ここで、前記化合物は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物中で投与され、前記コアは、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる、方法を提供する。
第2の側面において、本発明は、乾癬を有する対象を治療する方法であって、前記対象に治療上有効な量の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体を投与することを含んでなり、ここで、前記化合物は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物中で投与され、前記コアは、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアは、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有する、方法を提供する。
別の側面において、本発明は、乾癬を有する対象を治療する方法であって、前記対象に治療上有効な量の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体を投与することを含んでなり、ここで、前記化合物は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物中で投与され、前記コアは、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアは、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングは、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、方法を提供する。
さらに別の側面において、本発明は、乾癬を有する対象を治療する方法であって、前記対象に錠剤の形態の放出調節医薬組成物を投与することを含んでなり、前記錠剤が、侵食性マトリックスコアを含んでなり、前記コアが、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなり、ここで、前記錠剤の2つは、1日1回投与される、方法を提供する。
本発明の一つの実施形態において、前記対象は、哺乳動物である。本発明の一つの実施形態において、前記対象は、ヒトである。
一つの側面において、本発明は、乾癬の治療における使用のための、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる、放出調節医薬組成物を提供する。
第2の側面において、本発明は、乾癬の治療における使用のための、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有する、放出調節医薬組成物を提供する。
別の側面において、本発明は、乾癬の治療における使用のための、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、放出調節医薬組成物を提供する。
さらに別の側面において、本発明は、乾癬の治療における使用のための、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、放出調節医薬組成物を提供する。
一つの側面において、本発明は、乾癬の治療における使用のための薬剤の製造における、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる、放出調節医薬組成物を提供する。
第2の側面において、本発明は、乾癬の治療における使用のための薬剤の製造における、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有する、放出調節医薬組成物を提供する。
別の側面において、本発明は、乾癬の治療における使用のための薬剤の製造における、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、放出調節医薬組成物を提供する。
本発明の上記の側面または実施形態のいずれかにおいて、前記放出調節医薬組成物は、中等度の乾癬の治療において有用である。
本発明の上記の側面または実施形態のいずれかにおいて、前記放出調節医薬組成物は、重度の乾癬の治療において有用である。
本発明の上記の側面または実施形態のいずれかにおいて、前記放出調節医薬組成物は、中等度~重度の乾癬の治療において有用である。
本発明の上記の側面または実施形態のいずれか1つにおいて、前記放出調節医薬組成物は、経口投与形である。
本発明の上記の側面または実施形態のいずれか1つにおいて、前記放出調節医薬組成物は、経口投与形であり、前記経口投与形は、錠剤である。
本発明の上記の側面または実施形態のいずれか1つにおいて、前記投与形は、前面および裏面を有する錠剤である。本発明の一つの実施形態において、前記投与形の前面に開口部が存在する。本発明の一つの実施形態において、前記投与形の裏面に開口部が存在する。本発明の一つの実施形態において、前記投与形の前面に開口部が存在し、前記投与形の裏面に開口部が存在する。
本発明の上記の側面または実施形態のいずれか1つにおいて、前記少なくとも1つの開口部は、前記投与形における露出した表面積を作る。
本発明の上記の側面または実施形態のいずれか1つにおいて、前記フィルムコーティングにおける前記少なくとも1つの開口部は、所定のサイズである。
本発明の上記の側面または実施形態のいずれか1つにおいて、前記化合物、またはその互変異性体の放出速度は、前記フィルムコーティングにおける前記少なくとも1つの開口部のサイズを変更することにより、部分的に調節される。
本発明の上記の側面または実施形態のいずれか1つにおいて、前記化合物、またはその互変異性体の放出速度は、前記フィルムコーティングにおける前記開口部の数を変更することにより、部分的に調節される。
本発明の上記の側面または実施形態のいずれか1つにおいて、前記化合物、またはその互変異性体の放出速度は、前記フィルムコーティングにおける前記開口部のサイズを変更することにより、および前記フィルムコーティングにおける前記開口部の数を変更することにより、部分的に調節される。
本発明の上記の側面または実施形態のいずれか1つにおいて、前記化合物、またはその互変異性体の放出速度は、前記フィルムコーティングにおける前記開口部のサイズを変更することにより、または前記フィルムコーティングにおける前記開口部の数を変更することにより、部分的に調節される。
本発明のこれらの上記の実施形態のいずれかにおいて、前記放出調節医薬組成物は、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。
本発明の上記の実施形態のいずれかにおいて、前記放出調節医薬組成物は、480mgの結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。
本発明のこれらの上記の実施形態のいずれかにおいて、前記放出調節医薬組成物は、錠剤の形態であり、前記錠剤は、480mgの結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなり、ここで、この放出調節錠剤の2つは、1日1回対象に投与される。したがって、用量は1日あたり960mgであることが理解されるであろう。
本発明のこれらの上記の実施形態のいずれかにおいて、前記放出調節医薬組成物は、錠剤の形態であり、前記錠剤は、侵食性マトリックスコアを含んでなり、前記コアは、480mgの結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアは、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングは、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなり、ここで、この放出調節錠剤の2つは、1日1回投与される。したがって、用量は1日あたり960mgであることが理解されるであろう。
図1は、USPIIによる、2つのミニタブレット放出調節製剤(一方は、20%w/wのメトセルK15Mを含有し、もう一方は、0.1N HCl中の60%w/wのメトセルK15Mを含有する)の溶出プロファイルを示す。 図2は、IR120mg錠剤、ミニタブ放出調節8h 120mg錠剤(絶食)、およびミニタブ放出調節12h 120mg(絶食および標準食)に関する平均濃度時間プロットを示す;線形(図2A)および片対数(図2B)尺度。 図3は、ミニタブ放出調節120mg(最速および最遅放出)ならびに即時放出120mgに関する平均濃度時間プロファイルを示す;線形(図3A)および片対数(図3B)尺度。 図4は、製剤別の平均血漿中GSK2982772濃度時間(μg/ml)プロットを示す:IRと240mg DiffCORE MR-12h、MR-16hおよびMR-18hとの比較、絶食パートA試験209261。 図5は、DiffCORE組成物とIR組成物とを比較した、化合物1(GSK2982772)240mg錠剤の投与曲線を示す。 図6は、両方ともIR参照成績と比較した、絶食状態および食後におけるプロトタイプミニタブ放出調節製剤およびDiffCORE MRの成績の横並び比較を示す。
発明の詳細な説明
GSK2982772は、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、網膜剥離、網膜色素変性症、黄斑変性、膵炎、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、脊椎関節炎、痛風、若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎(SoJIA)、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、抗リン脂質症候群、血管炎、変形性関節症、非アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝胆道疾患、原発性硬化性胆管炎、腎炎、セリアック病、自己免疫性ITP、移植拒絶反応、実質臓器の虚血再灌流傷害、敗血症、全身性炎症反応症候群、脳血管障害、心筋梗塞、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、アレルギー性疾患、喘息、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、I型糖尿病、ウェゲナー肉芽腫症、肺サルコイドーシス、ベーチェット病(Bechet’s disease)、インターロイキン1変換酵素関連発熱症候群、慢性閉塞性肺疾患、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、および歯周炎から選択される疾患または障害の治療のために開発中である、ファースト・イン・クラスの高度に選択的な受容体共役タンパク質1(RIP1)キナーゼ阻害剤である。
本発明の一つの実施形態において、前記疾患または障害は、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎および乾癬から選択される。本発明の一つの実施形態において、前記疾患は、炎症性腸疾患である。本発明の一つの実施形態において、前記疾患は、クローン病である。本発明の一つの実施形態において、前記疾患は、潰瘍性大腸炎である。本発明の一つの実施形態において、前記疾患は、乾癬である。本発明の一つの実施形態において、前記疾患は、軽度~中等度の乾癬である。本発明の一つの実施形態において、前記疾患は、中等度~重度の乾癬である。
本発明の化合物、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドは、
Figure 2022532252000001
である構造、またはその互変異性体を有する。一つの実施形態において、本発明は、WO2014/125444A1に記載のように、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる放出調節医薬組成物を提供する。
第2の実施形態において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有する、放出調節医薬組成物を提供する。
第3の実施形態において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、放出調節医薬組成物を提供する。
第4の実施形態において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなり、ここで、前記フィルムコーティングにおける前記少なくとも1つの開口部は、所定のサイズである、放出調節医薬組成物を提供する。
第5の実施形態において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなり、ここで、前記化合物、またはその互変異性体の放出速度は、前記フィルムコーティングにおける前記少なくとも1つの開口部のサイズを変更することにより、部分的に調節され、ここで、前記化合物は、結晶形で前記組成物中に存在する、放出調節医薬組成物を提供する。
第6の実施形態において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなり、ここで、前記化合物、またはその互変異性体の放出速度は、前記フィルムコーティングにおける開口部の数を変更することにより、部分的に調節され、ここで、前記化合物は、結晶形で前記組成物中に存在する、放出調節医薬組成物を提供する。
第7の実施形態において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなり、ここで、前記化合物、またはその互変異性体の放出速度は、前記フィルムコーティングにおける前記少なくとも1つの開口部のサイズを変更することにより、および前記フィルムコーティングにおける開口部の数を変更することにより、部分的に調節され、ここで、前記化合物は、結晶形で前記組成物中に存在する、放出調節医薬組成物を提供する。
一つの側面において、本発明は、乾癬を有する対象を治療する方法であって、前記対象に、計960mgの化合物1となる2つの480mgの錠剤として、上記の医薬組成物を1日1回投与することを含んでなり、各錠剤は、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる、方法を提供する。
慢性炎症病態に対して、QD投与選択肢は、より大きな利便性をもたらすと思われ、よって、コンプライアンスを最適化する可能性がある。2~3時間の半減期を有する化合物1は、1日1回投与が可能であるとは想定されなかった。にもかかわらず、本発明の放出調節医薬組成物は、化合物1に関して1日1回の投与形である。これは、本明細書に記載の組成物を介した化合物1の放出速度の調節であり、1日1回投与を可能にする。
乾癬、関節リウマチ(RA)および潰瘍性大腸炎(UC)を含む炎症性疾患の潜在的な治療のための化合物1の安全性および有効性プロファイルを評価するために、複数の臨床試験を実施した。
本明細書で使用する場合、用語「開口部」は、孔、オリフィス、通路、出口などの用語と同義である。
本明細書で使用する場合、用語「絶食状態」、「絶食」または「絶食投与」は、互換的であり、参加者が、投与前に夕方に軽食をとり、その後、投与の最低10時間前~投与のおよそ4時間後の間、飲食物(水を除く)を控えた臨床試験を指す。
本明細書で使用する場合、用語「高脂肪食」は、参加者が、1個の目玉焼き、2片のベーコン、2枚のバター付きパン、1個のハッシュブラウン、および240mLの全乳からなる食事をとる臨床試験を指す。
本明細書で使用する場合、用語「標準食」または「標準投与」は、互換的に使用され、参加者が、240mLの全乳をかけた50gのシリアル、1個のクロワッサン、および小瓶1個のジャムの食事をとる臨床試験を指す。標準食は、投与の30分前に開始され、投与のおよそ5分前に終了した。食事の少なくとも90%が、投与を進めるために消費されなればならなかった。
初期の臨床試験において使用された製剤には、最大5mgの用量を支持するための0.1mg/mL経口溶液;5mg~120mgの用量に対するHPMCカプセル中の原薬(API);ならびに10、20および30mgの含量のローラー圧縮IR錠剤が含まれた。
即時放出(IR)製剤として投与された場合の化合物1の薬物動態(PK)プロファイルは、最高濃度到達時間(Tmax)が投与後およそ2時間である急速な吸収および消失を特徴とした。最高血漿中濃度(Cmax)到達後、化合物1の血漿中濃度は、投与後およそ12時間まで急速に減少し、2~3時間の消失半減期(t1/2)に次いで、およそ5~6時間のより遅い終末相t1/2が認められた。GSK2982772への全身曝露の大部分が、2~3時間のより短い半減期と関連していた。
短い半減期は、標的とする有効な濃度の維持を達成するためには、頻回の投与が必要であったことを示すものであった。GSK2982772のIR製剤も、1日2回(BID)および1日3回(TID)投与した。慢性炎症病態に対して、QD投与選択肢は、より大きな利便性をもたらすと思われ、コンプライアンスを最適化する可能性がある。QD放出調節(MR)製剤の開発の実現可能性を評価するため、および選択された製剤に対する食事の影響を評価するために、以下の試験を実施した。
ミニタブレット放出調節製剤(「ミニタブMR」または「MT」)も、臨床状況において試験した。ミニタブMR製剤に関して、in vitro薬物放出時間の目標範囲は、「速い」放出では10時間で溶出した薬物の80%、「遅い」放出では24時間で溶出した薬物の80%であった。GSK2982772を、達成されたデザインスペースの極端を表した最遅(MT-12h;12時間で80%放出)および最速(MT-8h;8時間で80%放出)の放出速度で、120mgミニタブMRとして投与した。最初は、24時間で80%のより遅い放出速度を評価することを計画したが、ミニタブMR製剤のサイズ制限のために、60%w/wヒプロメロース2208を超えてポリマー含量を増加させることが不可能であったため、12時間で80%放出より遅い放出速度は、ミニタブMRで達成不可能であった。
各ミニタブMRは、HPMCカプセル中の5mgのGSK2982772(総重量20mg)、および20~60重量%(w/w)に調整された単一ポリマーを含有した。図1に示すように、メトセルK15Mポリマーレベルを製剤中で60%~低値の20%に変えることにより、ミニタブMRの異なる錠剤放出/溶出速度が達成された。ミニタブMRの組成の詳細は、表1に示す。
Figure 2022532252000002
試験ID205017のパートA(N=19)では、12時間(MT-12h)または時間(MT-8h)での80%放出、即時放出錠剤(総て絶食)、およびMT-12h(高脂肪食)の120mg単回投与の固定順序でGSK2982772ミニタブMR製剤を投与した後の薬物動態を評価した。パートB(N=10)では、MT-12h:120mg(絶食)、240mg(絶食)、および300mg(標準食)での1日1回投与3日間を評価した。この臨床試験のさらなる詳細については、実施例5を参照。
ミニタブMRおよびIRの薬物動態評価は、ミニタブMR製剤で持続放出が達成されたことを示している(図2に示されるように;図2Aは、線形尺度でのデータを示し、図2Bは、片対数尺度でのデータを示す)。総ての放出調節製剤が、即時放出と比較して、最高血漿中濃度(Cmax)の減少、Cmax到達時間の遅延、および24時間濃度の増加を示した。即時放出と比較したバイオアベイラビリティは、MT-12hで61%、MT-8hで73%であった。高脂肪食とのMT-12hの投与では、絶食状態と比較して、Cmaxが2.25倍増加し、血漿中濃度時間曲線下面積(0-inf)が1.24倍増加した。1日1回のMT-12hの3日間では、GSK2982772の最小限の蓄積をもたらした。
パートAにおいて、120mgミニタブMR製剤には、薬物放出の時間とGSK2982772のPKとの間に順位関係が認められた。ミニタブMR-12hのより長い放出時間は、ミニタブMR-8hと比較して、より長いTmax、より低いCmax、より高いC24h、およびAUC0-infの減少をもたらした。吸収の全体的な程度は、IRと比較して、ミニタブMR製剤でより低かった(MT-8hでは73%、MT-12hでは61%)。
食事の影響を検討するために、MT-12hを選択した。GSK2982772の吸収の速度および程度の両方とも、絶食状態と比較して、高脂肪食とともにMT-12hを投与した場合に増加した。Cmaxは、2倍超増加し(2.25倍の増加)、Cmax:Cmin比は、およそ5倍増加し、吸収の全体的な程度は、およそ25%高かった。
高脂肪食による食事の影響が、ミニタブMRで認められた(図3参照;図3Aは、線形尺度でのデータを示し、図3Bは、片対数尺度でのデータを示す)。ミニタブMR-12h製剤は、高脂肪食とともに投与された場合、CmaxおよびAUCの両方の増加を示した。ミニタブMR製剤は、即時放出製剤と比較してより平坦な薬物動態プロファイルを示したが、ミニタブMR製剤は、高脂肪食による食事の影響を受けやすかった。
その後の臨床試験(試験ID209261;実施例6参照)は、本発明の240mg DiffCORE放出調節(DiffCORE MR)技術(GSK2982772 MR製剤ともいう)を用いて、具体的には、放出制御ポリマーマトリックスコア(「侵食性マトリックスコア」)および腸溶コーティングであった放出制御侵食性コーティングの組合せを使用して、実施した。総ての240mg DiffCORE MR錠剤製剤(MR-12h、MR-16hおよびMR-18h)での投与は、IR 240mg製剤と比較して、Tmaxの遅延、CmaxおよびAUCの減少、ならびにC24h(24時間における濃度)の増加を伴うより平坦なPKプロファイルをもたらした。DiffCORE MR-12h、DiffCORE MR-16hおよびDiffCORE MR-18hに対するそれぞれ12時間、16時間および18時間という時間の命名は、GSK2982772の80%がin vitro 溶出試験において放出されるおよその時間を表す。溶出試験は、2段階溶出試験において、USPII装置を用いて実施した。条件は、0.01N HCl、0.4%CTABを1時間、次いで、0.4%CTABを含有するpH6.8リン酸緩衝液であった。パドル速度は100rpmであった。
maxの中央値は、240mg DiffCORE MRの放出速度の増加とともに増加した。Cmax、AUCおよびC24hの値は、240mg DiffCORE MRの放出速度の範囲にわたって類似していた。具体的には、絶食状態において、Tmaxは、IRと比較して4時間延長し;Cmaxは、IRのCmaxのおよそ14%まで減少し;C24hは、IRよりも約10倍高かった。AUC(0-inf)に基づくIRと比較したDiffCORE MRのバイオアベイラビリティは、絶食状態においておよそ50%~60%の範囲であった。DiffCORE MR-16hに関するGSK2982772のバイオアベイラビリティは、IRと比較して48%であった。図4を参照。
高脂肪食との240mg DiffCORE MRの投与後、絶食状態と比較して、CmaxまたはAUCに対する食事の顕著な影響は認められなかった。図4および図5を参照。侵食性コアを有するDiffCORE MR製剤は、およそ2~3時間の半減期を有する化合物に関して1日1回投与を可能にした。
好適には、本発明は、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる本発明の放出調節錠剤であって、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の経時的総薬物曝露値と比較して約30%~約55%低い化合物1の経時的総薬物曝露値(AUC)を生じさせる、放出調節錠剤を提供する。本発明の一つの実施形態において、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる放出調節錠剤は、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の経時的総薬物曝露値と比較して約30%~約50%低い化合物1の経時的総薬物曝露値を生じさせる。
好適には、本発明は、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる本発明の放出調節錠剤であって、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の最高血漿中濃度と比較して約70%~約90%低い化合物1の最高血漿中濃度を生じさせる、放出調節錠剤を提供する。本発明の一つの実施形態において、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる放出調節錠剤は、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の最高血漿中濃度と比較して約75%~約90%低い化合物1の最高血漿中濃度を生じさせる。本発明の別の実施形態において、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる放出調節錠剤は、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の最高血漿中濃度と比較して約80%~90%低い化合物1の最高血漿中濃度を生じさせる。
好適には、本発明は、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる本発明の放出調節錠剤であって、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の24時間における血漿中濃度と比較して約10倍~約25倍低い化合物1の24時間における血漿中濃度(C24)を生じさせる、放出調節錠剤を提供する。本発明の一つの実施形態において、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる本発明の放出調節錠剤は、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の24時間における血漿中濃度と比較して約12倍~約18倍低い化合物1の24時間における血漿中濃度(C24)を生じさせる。本発明の一つの実施形態において、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる本発明の放出調節錠剤は、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の24時間における血漿中濃度と比較して約15倍~約18倍低い化合物1の24時間における血漿中濃度(C24)を生じさせる。本発明の一つの実施形態において、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる本発明の放出調節錠剤は、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の24時間における血漿中濃度と比較して約10倍低い化合物1の24時間における血漿中濃度(C24)を生じさせる。
好適には、本発明は、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる本発明の放出調節錠剤であって、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の最高濃度値到達時間より約3~約4時間長い化合物1の最高濃度値到達時間(Tmax)を生じさせる、放出調節錠剤を提供する。本発明の一つの実施形態において、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる本発明の放出調節錠剤は、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の最高濃度値到達時間より約3時間長い化合物1の最高濃度値到達時間を生じさせる。本発明の一つの実施形態において、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる本発明の放出調節錠剤は、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の最高濃度値到達時間より約4時間長い化合物1の最高濃度値到達時間を生じさせる。
ミニタブMR製剤および240mg DiffCORE MR錠剤の平均濃度時間プロファイルの横並び比較は、ミニタブMR製剤で食事の影響が認められたこと、および高脂肪食とのDiffCORE MR 240mgを用いた結果、絶食状態と比較してCmaxまたはAUCに対する食事の顕著な影響は認められなかったことを示している。図6を参照。
標準食との480mg DiffCORE MR-16hの投与後、Tmaxの中央値は、絶食状態と比較してわずかに遅延し、CmaxまたはAUC(0-inf)に対する顕著な影響は認められず、幾何平均比はそれぞれ1.02および0.97であった。
一つの側面において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体、またはその塩を含んでなる、放出調節医薬組成物を提供する。
第2の側面において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体、またはその塩および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有する、放出調節医薬組成物を提供する。
本発明の一つの実施形態において、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体は、遊離塩基である。
本発明の一つの実施形態において、前記放出調節医薬組成物は、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである遊離塩基化合物、またはその互変異性体を含んでなる。
本発明の一つの実施形態において、前記放出調節医薬組成物は、前記侵食性マトリックスコア内に、放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなる。水膨潤性であってもなくてもよい放出調節ポリマーとしては、とりわけ、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸、カルボキシメチルアミド、メタクリル酸カリウムジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、高分子量ポリビニルアルコールなどが挙げられる。放出調節ゲル化可能ポリマーとしては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、低分子量ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、低分子量ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレングリコール、非架橋ポリビニルピロリドン、キサンタンガムなどが挙げられる。膨潤特性およびゲル化特性を同時に有する放出調節ポリマーとしては、中粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび中粘度ポリビニルアルコールが挙げられる。
本発明の一つの実施形態において、前記放出調節剤は、セルロースポリマーである。本発明の別の実施形態において、前記放出調節剤は、ヒプロメロース-ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーである。本発明のさらなる実施形態において、前記放出調節剤は、メトセルポリマーである。さらに別の実施形態において、前記放出調節剤は、メトセルK3LVである。本発明のさらに別の実施形態において、前記放出調節剤は、メトセルK100LVである。本発明のなおさらなる別の実施形態において、前記放出調節剤は、メトセルK4Mである。好適には、前記放出調節剤は、セルロースポリマーの混合物である。
好適には、前記放出調節剤は、総組成物の約1%~約60%重量/重量の量で製剤中に存在する。本発明の一つの実施形態において、前記放出調節剤は、総組成物の約1.0%~約45%重量/重量の量で存在する。本発明の一つの実施形態において、前記放出調節剤は、総組成物の約1.0%~約20%重量/重量の量で存在する。本発明の一つの実施形態において、前記放出調節剤は、総組成物の約20%~約45%重量/重量の量で存在する。本発明の別の実施形態において、前記放出調節剤は、総組成物の約20%~約25%重量/重量の量で存在する。本発明の別の実施形態において、前記放出調節剤は、総組成物の約20%重量/重量の量で存在する。本発明の範囲内に収まる240mg DiffCORE MR組成物は、実施例1に示す。本発明の範囲内に収まる60mgおよび480mg DiffCORE MR組成物は、実施例2に示す。
一つの側面において、本発明は、少なくとも1つの侵食性材料を含んでなるフィルムコーティングを提供する。本発明の一つの実施形態において、前記侵食性材料は、錠剤の約1%wt/wt~錠剤コアの約20%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、前記侵食性材料は、錠剤コアの約1%wt/wt~錠剤コアの約10%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、前記侵食性材料は、錠剤の約2%wt/wt~錠剤の約6%wt/wtの量で存在する。本発明の別の実施形態において、前記侵食性材料は、錠剤コアの約3.6%wt/wt~錠剤コアの約4.6%wt/wtの量で存在する。一つの実施形態において、前記侵食性材料は、錠剤コアの約4%wt/wtの量で存在する。好適には、前記侵食性材料は、錠剤表面積の約4mg/cm~約6mg/cmを覆うフィルムコーティングを作る。本発明の一つの実施形態において、前記侵食性材料フィルムコーティングは、錠剤表面積の6mg/cmを覆う。
好適には、本発明の侵食性材料としては、種々のポリメタクリレートポリマー、共処理ポリビニルアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、セルロースアセテートフタレート、セラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートポリマーおよびそれらのコポリマーが挙げられる。コーティング材料は、胃酸、すなわち、pH1.5~2において不溶性またはごくわずかに可溶性であるように、かつ小腸、すなわち、およそpH5.5または大腸、すなわち、およそpH7において可溶性または侵食性であるように、好適に選択される。これを達成するために、一般に、コーティングの材料は、pH4.5以上で侵食性である。好適には、コーティング材料は、pH4.8で溶解するセルロースアセテートトリメリテート(CAT)、pH5.0で溶解するポリビニルアセテートフタレート、pH5.2で溶解するヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、pH5.4で溶解するヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、pH5.5で溶解するAcryl-EZE(商標)、pH5.8で溶解するAquateric(商標)、pH6.0で溶解するセルロースアセテートフタレート、pH5.5で溶解するEudragit(商標)L30 D、pH6.0で溶解するEudragit(商標)L、pH6.8で溶解するEudragit(商標)S、およびpH7.2で溶解するセラックから選択される。
本発明の一つの実施形態において、前記侵食性材料は、HPMC-AS、ポリ(メタ)アクリレートポリマーなどの腸溶性ポリマー、例えば、Acryl-EZE(商標)などから選択される。一つの実施形態において、前記侵食性材料は、Eudragit(商標)ポリマーなどのメタクリル酸コポリマーに基づいた腸溶コーティングである。本発明の一つの実施形態において、前記侵食性材料は、Eudragit(商標)L30-D55、Plasacrylである腸溶コーティングである。
必要に応じて、侵食性コーティングは、可塑剤または粘着防止剤の添加により調節してもよい。この目的のための好適な材料としては、グリセリドなどの蝋状材料、例えば、モノステアリン酸グリセリンなどが挙げられる。
侵食性であるコーティングへの上記の言及は、コーティングが、液体がコアに接触することを可能にする環境液体への接触時に、部分的もしくは全体的に崩壊するか、または溶解するか、または多孔質となる状況を含む。好適には、コーティングは、部分的に崩壊する。好適には、コーティングは、全体的に崩壊する。好適には、コーティングは、溶解する。好適には、コーティングは、多孔質となる。
同様に、侵食性であるコアへの言及は、コアが、液体が有効薬剤に接触することを可能にする環境液体への接触時に、部分的もしくは全体的に崩壊するか、または溶解するか、または多孔質となる状況を含む。好適には、コアは、部分的に崩壊する。好適には、コアは、全体的に崩壊する。好適には、コアは、溶解する。好適には、コアは、多孔質となる。コアは、そのマトリックスから化合物またはその互変異性体を放出するために、コアのpH依存的な侵食または崩壊を可能にする材料であってもよい。
コア材料の保護として、投与前の開口部を介したコンタミネーションを防止するために、開口部の形成後にコアまたは投与形のいずれかに対して従来のシールコーティングを施すことが望まれ得る。シールコートは、侵食性コーティングに対するサブコートであってもよいし、オーバーコートであってもよい。好適には、シールコートは、水性フィルムコーティングである。本発明の一つの実施形態において、前記水性フィルムコーティングは、約1.5%wt/wt~2.5%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、前記水性フィルムコーティングは、約2%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、前記水性フィルムコーティングは、協定規格に対してGlaxoSmithKline社により購入された専売のフィルムコーティング材料であるオパドライ(登録商標)ベージュ02B170003である。
一つの側面において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなり、ここで、前記化合物、またはその互変異性体の放出速度は、前記フィルムコーティングにおける前記少なくとも1つの開口部のサイズを変更することにより、部分的に調節される、放出調節医薬組成物を提供する。
コーティングにおける開口部がその完全性および放出速度を保持するために、前記開口部は、所定のサイズである。コーティングにおいて形成される円形である場合の開口部の典型的なサイズは、錠剤の全体的なサイズおよび放出の所望の速度に応じて、直径1、2、3、4または5mmなどの直径約0.5mm~約8mmの範囲である。
本発明の一つの実施形態において、前記少なくとも1つの開口部は、約4.0mm~約5.5mmである。本発明の一つの実施形態において、前記少なくとも1つの開口部は、約4.5mm~約5.0mmである。本発明の一つの実施形態において、前記少なくとも1つの開口部は、約4.5mmである。
好適には、経口投与形は、2つの相対する主要な表面を有し、便宜上、前面および裏面という。本発明の一つの実施形態において、前記経口投与形の前面に1つの開口部が存在し、前記開口部は、約4.5mmである。1つ超の開口部が提供される場合、前記開口部は、前記経口投与形の同じ面に位置してもよいし、前記経口投与形の反対の面に位置してもよい。本発明の一つの実施形態において、2つの開口部が存在し、1つは投与形の前面に、1つは投与形の裏面に存在する。本発明の一つの実施形態において、錠剤の前面の開口部は、約4.5mmであり、錠剤の裏面の開口部は、約4.5mmである。各開口部は、錠剤の面の中心に位置してもよいし、中心から外れていてもよい。
好適には、開口部は、任意の好都合な幾何学的な形状、例えば、卵形、丸形、正方形を有してもよいが、丸い形状、例えば、実質的に円形または楕円形が、一般に好ましい。放出速度が個々の投与形において均一にできる限り、テキスト文字または図形などのより精巧な形状も形成してよい。
好適には、開口部は、米国特許第7,923,027号に開示される方法により、形成され得る。一般に、開口部は、例えば、機械的ドリルビット、超音波切削またはレーザー光を用いた穿孔により、または切削領域を除去するパンチにより、形成され得る。開口部の形成は、通常の場合、露出したコアの小さな部分を除去する。前記少なくとも1つの開口部は、コーティングを通って、すなわち、フィルムコーティング内で穿孔され、ちょうどコアに達するが、コアまで貫通しないことが理解されるであろう。
化合物1を含んでなる完全な腸溶性錠剤を試験した際、一部の患者において、腸溶コーティングがいずれの薬物放出も無効にした(有効性なし)。一般に、DiffCORE製剤に関して、薬物放出を経時的に制御するのは、開口部のサイズおよび数である。本発明に関して、化合物1の放出速度は、開口部のサイズおよび/または数により部分的にのみ調節または制御される。本発明のいかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、デザインにより、本明細書におけるフィルムコーティングは、液体環境のpHを含む胃のストレスから侵食性マトリックスコアを保護する。したがって、ごく少量の薬物が、フィルムコーティングにおける開口部を通じて胃において放出される。薬物が開口部を通じて胃において放出されるにつれ、錠剤はより小さくなり、錠剤が胃から腸へ移動する支援となる。一度腸に入ると、侵食性マトリックスコアの周囲のフィルムコーティングは侵食され始め、それにより、化合物1が長期間制御された様式で放出される。これは、化合物1の短い半減期を考慮すると、予想外のことであった。
フィルムコーティングにおける開口部が、その完全性および放出速度の制御を保持するように、コーティングの侵食が規定のpH閾値を有する、すなわち、コーティングが腸内以外で実質的に侵食されないことが望ましい。よって、コーティングの侵食は、それが溶解する規定の所定のpH閾値を有すると想定される。一つの実施形態において、前記コーティングは、約4.5超のpHで侵食される。別の実施形態において、前記コーティングは、約4.5~約8のpH範囲で侵食される。さらに別の実施形態において、前記コーティングは、約5~約7.5のpH範囲で侵食される。
本発明の概念の適用において、化合物1、またはその互変異性体、またはその塩は、従来の経口錠剤または放出制御マトリックス(膨潤系および非膨潤系の両方を含む)に組み込んでもよい。マトリックスは、コアの形となり、次いで、これが、侵食性材料、例えば、メタクリルコポリマーに基づく侵食性コーティングでコーティングされる。次いで、米国特許第5,004,614号に開示される従来の技術を用いて、1以上の開口部を、コーティングを通って穿孔してもよい。
本発明は、腸のpH条件下でコーティングが侵食される状況下での特定の使用を見出している。したがって、本発明はまた、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体を含有する侵食性マトリックスコアを含んでなる経口投与形であって、前記コアが、前記コアに通じる1以上の開口部を有するコーティングを有し、ここで、前記コーティングは、哺乳動物の腸において一般的なpH条件下で侵食性である、経口投与形を提供する。
低いpHレベルでの放出は、侵食性コーティングにおける開口部を通じた有効薬剤の拡散に実質的に限定されるため、pH>4.5で侵食されるコーティングの使用は、胃に関連する酸性条件に放出される薬物の量を制限することが分かるであろう。投与形が、低いpH環境、例えば、胃を離れ、次いで、より高い環境pH、例えば、腸に遭遇すると、コーティングは、溶解し始め、侵食されて離れて、錠剤コアの総てが露出される。コート侵食の間、薬物を放出するのに利用可能な表面積が増加する。
一つの側面において、本発明は、侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなり、ここで、前記化合物、またはその互変異性体の放出速度は、前記フィルムコーティングにおける開口部の数を変更することにより、部分的に調節される、放出調節医薬組成物を提供する。
好適には、フィルムコーティングにおける開口部により覆われる表面積の範囲が存在する。本発明の一つの実施形態において、この範囲は、錠剤表面積の1~50%である。本発明の一つの実施形態において、この範囲は、錠剤表面積の5~15%である。本発明の一つの実施形態において、例えば、2つの4.5mmの開口部を有する240mg錠剤に関して、この範囲は、錠剤表面積の12.7%である。フィルムコーティングにおける開口部の数を調節することにより、化合物の放出速度を部分的に調節することができると理解されるであろう。
本発明の好ましい実施形態において、前記医薬組成物は、結晶形のGSK2982772および放出調節侵食性マトリックス製剤を含んでなる経口錠剤である。前記錠剤は、可溶性のオパドライ(登録商標)サブコートおよびメタクリル酸コポリマーの透明腸溶コーティングでコーティングされる。コーティング錠剤は、胃の酸性環境下で薬物の放出制御を可能にするために、錠剤の両面のコーティングを通って穿孔された開口部を有する。
好適には、本発明の放出調節組成物は、ラクトース、微晶質セルロース、リン酸二カルシウム、スクロース、マンニトール、キシリトール;デンプンなどの希釈剤/圧縮助剤、およびそれらの混合物も含んでもよい。本発明の一つの実施形態において、前記希釈剤は、ラクトースである。本発明の一つの実施形態において、前記希釈剤は、ラクトース一水和物である。本発明の一つの実施形態において、前記希釈剤は、無水ラクトースである。本発明の一つの実施形態において、前記希釈剤は、ラクトース一水和物および無水ラクトースの組合せである。本発明の一つの実施形態において、前記希釈剤は、錠剤コアの約1%wt/wt~錠剤コアの約95%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、前記希釈剤は、錠剤コアの約1%wt/wt~錠剤コアの約75%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、前記希釈剤は、錠剤コアの約10%wt/wt~錠剤コアの約50%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、前記希釈剤は、錠剤コアの約15%wt/wt~錠剤コアの約50%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、前記希釈剤は、錠剤コアの約15%wt/wt~錠剤コアの約30%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、前記希釈剤は、錠剤コアの約20%wt/wt~錠剤コアの約40%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、前記希釈剤は、錠剤コアの約20%wt/wt~錠剤コアの約25%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、前記希釈剤は、錠剤コアの約25%wt/wtの量で存在する。
好適には、本発明の放出調節組成物は、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウムおよびステアリン酸などの滑沢剤も含んでもよい。本発明の一つの実施形態において、前記滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。本発明の一つの実施形態において、滑沢剤は、錠剤コアの約0.25%wt/wt~約5.0%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、滑沢剤は、錠剤コアの約0.50%wt/wt~約3.0%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、滑沢剤は、錠剤コアの約0.50%wt/wt~約1.0%wt/wtの量で存在する。本発明の一つの実施形態において、滑沢剤は、錠剤コアの約1.0%wt/wtの量で存在する。
放出調節組成物は、架橋ポリビニルピロリドン(CLPVP)およびデンプングリコール酸ナトリウムなどの崩壊剤;ポビドン(ポリビニルピロリドン)などの結合剤;二酸化ケイ素またはタルクなどの流動助剤をさらに含んでなってもよい。
コアは、投与形のコアを含んでなる圧縮塊を形成するために、好適な成分を圧縮することにより、調製してもよい。これは、従来の賦形剤および製剤圧縮方法を用いて調製してもよい。よって、コアは、一般に、希釈剤、結合剤および滑沢剤などの良好な加工および圧縮特性を付与する賦形剤とともに、有効薬剤または剤を含んでなる。デバイスのコアの一部を形成し得るさらなる賦形剤としては、崩壊剤、香味剤、着色剤、放出調節剤ならびに/または可溶化剤、例えば、界面活性剤、pH調節剤および錯体形成ビヒクルが挙げられる。
コアは、両凸形、半球形、ほぼ半球形、丸形、卵形、一般に楕円形、長方形、一般に円柱形または多面体形、例えば、三角柱形などの任意の所望の事前選択された形状に従って、作製してもよい。用語「ほぼ半球形」は、米国特許第7,923,027号に記載の様式で解釈されるものとする。
本発明の経口投与形を作製するための好適な製造プロセスは、有効成分GSK2982772、ラクトース一水和物、およびヒプロメロース2208 K3LV/K100LV/K4Mを高剪断造粒機に移し、それらの成分を、精製水または洗浄用滅菌水で混合および造粒することを含む。次いで、湿塊を乾燥させ、粉砕する。顆粒をブレンダーに移す。無水ラクトースおよびステアリン酸マグネシウムをブレンダーに加える。成分を混合する。混合物を錠剤に圧縮し、得られた錠剤を水性フィルムコーティングおよび腸溶コーティングでコーティングする。次いで、コーティング錠剤を、錠剤の前面および裏面で穿孔し、好ましくは、4.5mmのサイズの好適なサイズの開口部を作る。
コアは、任意の薬学上許容可能なコーティング法により、好適なpH依存的侵食性材料でコーティングしてもよい。例としては、米国特許第7,923,027号に開示されるコーティング法およびフィルムコーティング、糖コーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、圧縮コーティング、静電コーティングが挙げられる。典型的な方法としては、所望のコーティング厚が達成されるまで、回転パンコーターまたは流動床コーター中で錠剤コアにコーティングを噴霧することが挙げられる。好適には、コーティングは、錠剤表面積の周囲に約4~8mg/cmまたは5~7mg/cmの乾燥ポリマーを加えるために施される。一般に、これは、約3~10%または約5~10重量%の重量の増加(コアと比較した)をもたらす。好適には、コーティングは、0.05~0.5mmの範囲の厚さを有する。
コア中に存在する化合物1、またはその互変異性体、またはその塩の量は、「治療上有効な量」であり、健全な医学的判断の範囲内で、患者の病態を治療するのに十分であるが、重篤な副作用を避けるのに十分低い(妥当なベネフィット/リスク比の)化合物の量を意味する。化合物、またはその互変異性体、またはその塩の治療上有効な量は、選択された投与経路;治療される病態;治療される病態の重症度;治療される患者の年齢、大きさ、体重、および健康状態;治療される患者の病歴;治療の期間;併用療法の性質;所望の治療効果;などの因子によって変わり、本発明のプロセスにより限定されない。
一つの側面において、本発明は、約30mg~約960mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる放出調節組成物を提供する。本発明の一つの実施形態において、前記放出調節組成物は、30mg~480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。本発明の一つの実施形態において、前記放出調節組成物は、30mg~240mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。本発明の一つの実施形態において、前記放出調節組成物は、120mg~960mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。本発明の一つの実施形態において、前記放出調節組成物は、120mg~480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。本発明の一つの実施形態において、前記放出調節組成物は、120mg~240mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。本発明の一つの実施形態において、前記放出調節組成物は、480mg~960mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。本発明の一つの実施形態において、前記放出調節組成物は、240mg~480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。
本発明の一つの実施形態において、前記放出調節組成物は、120mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。本発明の一つの実施形態において、前記放出調節組成物は、240mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。本発明の一つの実施形態において、前記放出調節組成物は、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。本発明の一つの実施形態において、前記放出調節組成物は、960mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。
これらの上記の実施形態のいずれかにおいて、前記放出調節医薬組成物は、結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。一つの実施形態において、化合物1は、遊離塩基、またはその互変異性体の形態である。
上記の実施形態のいずれかにおいて、前記放出調節医薬組成物は、480mgの結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる。
好適には、前記放出調節医薬組成物は、障害に対する管理を維持するのに十分である投与レジメンで投与される。本発明の一つの実施形態において、前記投与レジメンは、1日1回である。
これらの上記の実施形態のいずれかにおいて、前記放出調節医薬組成物は、侵食性マトリックスコアを含んでなる錠剤であって、前記コアが、480mgの結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体および放出調節剤である少なくとも1つの成分を含んでなり、前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有し、前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなり、ここで、前記放出調節錠剤は、2つの錠剤として1日1回投与される、錠剤の形態である。
本発明はまた、例えば、米国食品医薬品局により定義され、かついわゆる「オレンジブック」(治療的同等性評価のある承認医薬品(Approved Drug Products with Therapeutic Equivalence Evaluations)、米国保健福祉省)において考察されているような、吸収の速度および程度の両方の点で本発明の錠剤または製剤と生物学的に同等である製剤にまで及ぶ。
以下、本発明の範囲内に収まる組成物を実施例において説明する。これらの実施例は、本発明を限定するものではなく、例示の目的であることを意図するものである。
実施例1:GSK2982772 240mg DiffCORE放出調節コーティング錠剤の組成
Figure 2022532252000003
実施例2:GSK2982772放出調節コーティング錠剤60mgおよび480mgの組成
Figure 2022532252000004
実施例3:GSK2982772 480mg DiffCORE放出調節コーティング錠剤の組成
Figure 2022532252000005
実施例4:GSK2982772放出調節錠剤240mgの組成
Figure 2022532252000006
実施例5:臨床試験205017(IRとミニタブMRとの比較)に関するプロトコール:即時放出(IR)錠剤製剤と比較したカプセル中の異なる放出調節(MR)製剤およびMR錠剤製剤の投与後のGSK2982772の薬物動態(PK)を比較する、かつ反復投与後のカプセル中のMR製剤のPKを確認する試験
健常参加者を対象とした即時放出参照錠剤製剤と比較したカプセル中のミニタブ放出調節製剤の投与後のGSK2982772の薬物動態(パートA)、選択されたミニタブ放出調節プロトタイプの漸増反復投与の薬物動態(パートB)、ならびに食後および絶食状態における放出調節錠剤製剤の投与後のGSK2982772の薬物動態(パートC)を評価するようデザインされた3パート非無作為化非盲検試験。
本試験は、GSK2982772の即時放出(IR)錠剤製剤と比較したGSK2982772のカプセル中の放出調節(MR)ミニタブレット(MT)およびMRモノリシックマトリックス(MM)製剤を評価するために、健常参加者を対象として実施された非盲検3パート単回および反復投与試験であった。
本試験の主要目的:参照製剤(120mg)と比較して、試験製剤(120mg)の単回投与後にどの程度の量の試験薬剤が身体により取り込まれるかを評価すること。IR製剤(240mg)と比較して、MR錠剤(240mg)の単回投与後にどの程度の量の試験薬剤が身体により取り込まれるかを評価すること。
群名:MT-12時間絶食/MT-8時間絶食/IR絶食/MT-12時間食後(標準)。
GSK2982772 MRは、パートAにおいて単位含量60mgのカプセル中のプロトタイプMRミニタブレットとして利用可能であった。パートAにおける参加者は、第1期において絶食状態で120mgのGSK2982772 MR MT-12時間(hr)カプセル(12時間で80%放出)の単回投与を受け、次いで、第2期において絶食状態で120mgのGSK2982772 MR MT-8時間カプセル(8時間で80%放出)の単回投与を受けた。第3期において、参加者は、絶食状態で120ミリグラム(mg)のGSK2982772(4×30mg)IR錠剤の単回経口投与を受け、次いで、第4期において高脂肪食摂取後に120mgのGSK2982772 MR MT-12時間カプセル(12時間で80%放出)の単回経口投与を受けた。各治療期間の間に7日間の休薬期間を設けた。全用量は、240ミリリットル(mL)の水とともに経口経路で投与された。
パートAにおいて、GSK2982772 IR錠剤は、単位含量30mgで利用可能であり、参加者により投与された総用量は、240mLの水とともに経口で120mg(含量30mgの4錠)であった。
パートBにおいて、単位含量15、30または60mgのカプセル中のGSK2982772ミニタブMRが、参加者により1~3日目に投与された。パートBにおける参加者は、第1期において絶食状態で120mgのGSK2982772 MR MT-12時間カプセル(12時間で80%放出)の1日1回の投与を3日間受け、次いで、第2期において絶食状態で240mgのGSK2982772 MR MT-12時間カプセル(12時間で80%放出)の1日1回の投与を3日間受けた。第3期において、参加者は、食後(標準食)において300mgのGSK2982772 MR MT-12時間カプセル(12時間で80%放出)の1日1回の投与を3日間受けた。各治療期間の間に7日間の休薬期間を設けた。全用量は、240mLの水とともに経口経路で投与された。
群名:MM240絶食/IR240絶食/MM480絶食/MM480食後/MM480DF/MM240DF。
パートCにおいて、単位含量240、360および480mgのGSK2982772 MR錠剤が、参加者により投与された。パートCにおける参加者は、第1期において絶食(Fast)状態で240mgのGSK2982772 MR MM-12時間錠剤(12時間で80%放出)の単回投与を受け、次いで、第2期において絶食状態で240mgのGSK2982772 IR錠剤の単回投与を受けた。第3期において、参加者は、絶食状態で480mgのGSK2982772 MR MM-12時間錠剤(12時間で80%放出)の単回投与を受けた。第4期において、参加者は、食後において480mgのGSK2982772 MR MM-12時間錠剤(12時間で80%放出)の単回投与を受け、次いで、第5期において標準朝食(遅延食[DF])の前に480mgのGSK2982772 MR MM-12時間(12時間で80%放出)の単回投与を受けた。第6期において、参加者は、高脂肪標準朝食(DF)の前に240mgのGSK2982772 MR MM-12時間(12時間で80%放出)の単回投与を受けた。各治療期間の間に7日間の休薬期間を設けた。全用量は、240mLの水とともに経口経路で投与された。
パートCにおいて、GSK2982772 IR錠剤は、単位含量30mgで利用可能となり、被験者により投与された総用量は、240mLの水とともに経口で240mg(含量30mgの8錠)であった。
実施例6:健常参加者を対象とした固定含量の即時放出参照錠剤製剤と比較したGSK2982772の放出調節プロトタイプコーティング錠剤製剤の薬物動態プロファイル(パートA)および選択された放出調節プロトタイプコーティング錠剤製剤の代替の錠剤含量の薬物動態プロファイル(パートB、任意選択)を評価するようデザインされた2パート非無作為化非盲検試験
本試験は、GSK2982772の放出調節(MR)プロトタイプコーティング錠剤製剤を評価する健常男性および女性参加者を対象とした非盲検非無作為化単一施設2パート単回投与試験であった。本試験は、MRプロトタイプを評価する第2の試験であった。第1の試験(205017)は、カプセル中のミニタブおよびマトリックスモノリシック錠剤製剤としてのMRプロトタイプを評価した。本試験は、GSK2982772の異なる放出速度を有するDiffCOREプロトタイプ製剤を評価した。GSK2982772の吸収の速度および程度に対する食事(高脂肪朝食)の影響を、選択されたDiffCORE MR製剤に関して評価し、代替の錠剤含量および複数の用量単位の投与の評価も実施した。標準朝食摂取後の投与の評価も含めた。
本試験のパートAは、絶食または食後における単一用量投与(240mg)後に3つのDiffCORE MRプロトタイプ製剤を評価した非無作為化6期6ウェイ固定順序デザインであった。第1、2および3期では、絶食状態でそれぞれMR1(12時間で80%放出を目標)、即時放出(IR)錠剤(240mg)およびMR2(18時間で80%放出を目標)を評価した。製剤および食事状態を次の期間で検討するか決定するために、第3、4および5期の後に中間決定を行った。第4および5期において、それぞれMR2(18時間で80%放出を目標)およびMR1(12時間で80%放出を目標)を、高脂肪朝食摂取後に投与した。第6期において、MR3製剤(16時間で80%放出を目標)を、絶食状態で投与した。パートAの完了後に、任意選択のパートBに進むかどうかを決定するために、中間レビューを行った。MR3(16時間で80%放出を目標)製剤を用いてパートBに進むことを決定した。
本試験のパートBは、異なる錠剤含量のまたは複数の単位用量としてのMR3(16時間で80%放出)を評価する非盲検非無作為化最大7期固定順序試験デザインであった。パートBにおいて選択された錠剤含量は、最大240mgのIR錠剤の用量が1日3回(TID)投与されていた高用量薬物動態試験において達成されたGSK2982772の曝露量、およびIR錠剤と比較した選択されたMRプロトタイプコーティング錠剤製剤のバイオアベイラビリティ(パートAから)に基づくものであった。パートAからのデータのレビュー後、3つの異なる用量レベル(120mg、480mgおよび960mg)を、パートBにおける投与に選択した。パートBにおいて、MRプロトタイプコーティング錠剤製剤の投与は、食後または絶食状態のいずれかにおいてであった。第1および2期では、絶食状態でそれぞれ480mgおよび960mgの用量レベルを評価した。第3および4期では、それぞれ食後(高脂肪食)における480mgおよび絶食状態における120mgを評価した。第5期では、食後(高脂肪食)における480mgの腸溶性製剤を評価し、第6期では、食後(標準食)における480mgの製剤を評価した。パートBの第1~5期の後に中間レビューを行い、その後の各期間に関して、必要に応じて、用量レベル、製剤および食事状態を決定した。任意選択の第7期は実施しなかった。
パートAに関して、評価可能な参加者は、IR錠剤製剤(参照)およびMR製剤の少なくとも1つの投与を受け、投与後24時間までの計画された安全性およびPK評価を完了していた。食事の影響の評価に関して、評価可能な参加者は、絶食状態および関連する食事状態において選択されたMR製剤の投与を受け、投与後48時間までの計画された安全性およびPK評価を完了していた。パートBに関して、評価可能な参加者は、少なくとも1つのMRプロトタイプコーティング錠剤製剤の投与後48時間までの計画された安全性およびPK評価を完了していた。
総てのPK解析は、PK集団に対して実施した。
本試験の総てのパートに関して、血漿中GSK2982772濃度時間データを、WinNonlin v8.0を用いたノンコンパートメント法により解析した。
実施例7:中等度~重度の乾癬参加者を対象としたGSK2982772のベネフィットおよび安全性を評価する多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験
目的:尋常性乾癬は、ケラチノサイトの過剰増殖および表皮過形成を特徴とする慢性再発性炎症性皮膚疾患である。乾癬に対する標準的な治療は、一般に、適切な疾患管理を達成および維持するために、局所療法、ソラレンおよび長波長紫外線(PUVA)、中波長紫外線(UVB)ならびに/または全身免疫抑制療法の長期使用を必要とする。本試験は、中等度~重度の尋常性乾癬を有する参加者を対象として実施された多施設無作為化二重盲検試験である。本試験では、1日1回の放出調節(MR)製剤として投与される960ミリグラム(mg)のGSK2982772の有効性、安全性、薬物動態および薬力学プロファイルを評価する。参加者は、2:1の比で無作為化され、960mgのGSK2982772またはプラセボのいずれかを12週間投与される。スクリーニングおよび追跡調査を含めた本試験の期間は、各参加者につきおよそ21週である。
主要評価項目
・12週目に乾癬面積と重症度指数(PASI)スコアのベースラインからの75パーセント以上の改善を達成した参加者の割合[時間枠:ベースラインおよび12週目]
PASIスコアリングシステムを用いて、乾癬病変を評価する。紅斑、硬結、および鱗屑をそれぞれ5ポイントスケール(0~4)でグレード分けし、罹患した体表面積(BSA)パーセントを、4つの特定の身体領域(頭部、上肢、体幹、および下肢)のそれぞれに関して7ポイントスケール(0~6)でスコア化する。身体領域スコアそれぞれに加重係数を乗じ、領域スコアの和が総合PASIスコアを示す。スコアが高い程、疾患がより重度であることを示す。
副次評価項目
・12週目にPASIスコアのベースラインからの50パーセント以上の改善を達成した参加者の割合[時間枠:ベースラインおよび12週目]
PASIスコアリングシステムを用いて、乾癬病変を評価する。紅斑、硬結、および鱗屑をそれぞれ5ポイントスケール(0~4)でグレード分けし、罹患したBSAパーセントを、4つの特定の身体領域(頭部、上肢、体幹、および下肢)のそれぞれに関して7ポイントスケール(0~6)でスコア化する。身体領域スコアそれぞれに加重係数を乗じ、領域スコアの和が総合PASIスコアを示す。スコアが高い程、疾患がより重度であることを示す。
・12週目にPASIスコアのベースラインからの90パーセント以上の改善を達成した参加者の割合[時間枠:ベースラインおよび12週目]
PASIスコアリングシステムを用いて、乾癬病変を評価する。紅斑、硬結、および鱗屑をそれぞれ5ポイントスケール(0~4)でグレード分けし、罹患したBSAパーセントを、4つの特定の身体領域(頭部、上肢、体幹、および下肢)のそれぞれに関して7ポイントスケール(0~6)でスコア化する。身体領域スコアそれぞれに加重係数を乗じ、領域スコアの和が総合PASIスコアを示す。スコアが高い程、疾患がより重度であることを示す。
・12週目にPASIスコアのベースラインからの100パーセント以上の改善を達成した参加者の割合[時間枠:ベースラインおよび12週目]
PASIスコアリングシステムを用いて、乾癬病変を評価する。紅斑、硬結、および鱗屑をそれぞれ5ポイントスケール(0~4)でグレード分けし、罹患したBSAパーセントを、4つの特定の身体領域(頭部、上肢、体幹、および下肢)のそれぞれに関して7ポイントスケール(0~6)でスコア化する。身体領域スコアそれぞれに加重係数を乗じ、領域スコアの和が総合PASIスコアを示す。スコアが高い程、疾患がより重度であることを示す。
・12週目におけるPASIスコアのベースラインからの変化量[時間枠:ベースラインおよび12週目]
PASIスコアリングシステムを用いて、乾癬病変を評価する。紅斑、硬結、および鱗屑をそれぞれ5ポイントスケール(0~4)でグレード分けし、罹患したBSAパーセントを、4つの特定の身体領域(頭部、上肢、体幹、および下肢)のそれぞれに関して7ポイントスケール(0~6)でスコア化する。身体領域スコアそれぞれに加重係数を乗じ、領域スコアの和が総合PASIスコアを示す。スコアが高い程、疾患がより重度であることを示す。
・12週目に0または1の治験責任医師による静的総合評価(Static Investigator’s Global Assessment)(sIGA)スコアを有する参加者の割合[時間枠:12週目]
治験責任医師または指名された医師のみが、医師総合評価項目を用いて疾患活動性の総合評価を完了する。5ポイントスコアリングシステムを用いて、評価時点における全身の乾癬病変の重症度を測定する。12週目に0=解消または1=ほぼ解消のsIGAスコアを有する参加者の割合を要約する。
・12週目における乾癬BSAのベースラインからの変化量[時間枠:ベースラインおよび12週目]
乾癬に罹患したBSAを、治験責任医師または適切な訓練を受けた代理人が、全試験来院日に評価する。参照として、手掌全体の領域を1パーセントBSAとして数える。推定登録数:21。
介入を割り付けた群
試験:参加者はGSK2982772 960mgの投与を受ける。
参加者は、GSK2982772 960mg経口錠剤の投与を1日1回12週間受ける。
薬剤:GSK2982772
GSK2982772は、単位含量480mgのMR錠剤として利用可能である。
プラセボ対照薬:参加者はプラセボの投与を受ける。
参加者は、GSK2982772にマッチするプラセボ経口錠剤の投与を1日1回12週間受ける。
薬剤:プラセボ
GSK2982772にマッチするプラセボ錠剤を、経口経路で投与する。
実施例8:GSK2982772放出調節プロトタイプコーティング錠剤240mgの製造プロセスおよび管理
Figure 2022532252000007
本発明は、上記の側面または実施形態に限定されず、例示した側面または実施形態および以下の特許請求の範囲内に収まる総ての改変に対して権利が留保されると理解されるべきである。

Claims (20)

  1. 侵食性マトリックスコアを含んでなる放出調節医薬組成物であって、前記コアが、(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体、またはその塩を含んでなる、放出調節医薬組成物。
  2. 前記侵食性マトリックスコアが、放出調節剤である少なくとも1つの成分をさらに含んでなる、請求項1に記載の放出調節医薬組成物。
  3. 前記侵食性マトリックスコアが、前記コアの周囲のフィルムコーティングを有する、請求項2に記載の放出調節医薬組成物。
  4. 前記フィルムコーティングが、少なくとも1つの侵食性材料および前記フィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、請求項3に記載の放出調節医薬組成物。
  5. 前記フィルムコーティングにおける前記少なくとも1つの開口部が、所定のサイズである、請求項4に記載の放出調節医薬組成物。
  6. 前記少なくとも1つの開口部が、前記フィルムコーティングにおける露出した表面積を作る、請求項4または請求項5に記載の放出調節医薬組成物。
  7. 前記開口部が、約4.0mm~約5.5mmである、請求項4~6のいずれか一項に記載の放出調節医薬組成物。
  8. 侵食性マトリックスコアを含んでなる請求項1~7のいずれか一項に記載の放出調節医薬組成物であって、前記コアが、480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体を含んでなる、放出調節医薬組成物。
  9. 錠剤の形態である、請求項1~8のいずれか一項に記載の放出調節医薬組成物。
  10. 侵食性マトリックスコアを含んでなる錠剤であって、前記コアが、
    (a)約30mg~約480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体、またはその塩;
    (b)約1.0%wt/wt~約60%wt/wtの放出調節剤;
    (c)約1.0%wt/wt%~約95%wt/wtの希釈剤;
    (d)約0.25%wt/wt~約5.0%wt/wtの滑沢剤;ならびに
    (e)錠剤コアの約1.0%wt/wtおよび錠剤コアの約10%wt/wtの量の侵食性材料、ならびにフィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、前記侵食性マトリックスコアの周囲のフィルムコーティング
    を含んでなる、錠剤。
  11. 侵食性マトリックスコアを含んでなる錠剤であって、前記コアが、
    (a)約240mg~約480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体、またはその塩;
    (b)約1.0%wt/wt~約20%wt/wtの放出調節剤;
    (c)約15%wt/wt%~約30%wt/wtの希釈剤;
    (d)約0.50%wt/wt~約3.0%wt/wtの滑沢剤;ならびに
    (e)錠剤コアの約2.0%wt/wtおよび錠剤コアの約6%wt/wtの量の侵食性材料、ならびにフィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、前記侵食性マトリックスコアの周囲のフィルムコーティング
    を含んでなる、錠剤。
  12. 侵食性マトリックスコアを含んでなる錠剤であって、前記コアが、
    (a)約480mgの(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミドである化合物、またはその互変異性体、またはその塩;
    (b)約20%wt/wtの放出調節剤;
    (c)約25%wt/wt%の希釈剤;
    (d)約1.0%wt/wtの滑沢剤;ならびに
    (e)錠剤コアの約4%wt/wtの量の侵食性材料、およびフィルムコーティングにおける少なくとも1つの開口部を含んでなる、前記侵食性マトリックスコアの周囲のフィルムコーティング
    を含んでなる、錠剤。
  13. 前記錠剤が、1日1回投与に好適である、請求項1~12のいずれか一項に記載の錠剤。
  14. 前記放出調節剤が、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、高分子量ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルアミド、メタクリル酸カリウムジビニルベンゼンコポリマー、ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、高分子量ポリビニルアルコールから選択される、請求項2~13のいずれか一項に記載の放出調節組成物。
  15. 結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる本発明の放出調節錠剤であって、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の最高血漿中濃度と比較して約70%~約90%低い化合物1の最高血漿中濃度を生じさせる、放出調節錠剤。
  16. 結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる本発明の放出調節錠剤であって、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の経時的総薬物曝露値と比較して約30%~約55%低い化合物1の経時的総薬物曝露値を生じさせる、放出調節錠剤。
  17. 結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる本発明の放出調節錠剤であって、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の24時間における血漿中濃度と比較して約10倍~約25倍低い化合物1の24時間における血漿中濃度を生じさせる、放出調節錠剤。
  18. 結晶形の(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド、またはその互変異性体を含んでなる本発明の放出調節錠剤であって、ヒトへの投与時に、即時放出錠剤により生じる化合物1の最高濃度値到達時間より約3~約4時間長い化合物1の最高濃度値到達時間を生じさせる、放出調節錠剤。
  19. 乾癬を有する対象を治療する方法であって、前記対象に請求項1~18のいずれか一項に記載の放出調節組成物を投与することを含んでなる、方法。
  20. 前記対象が、中等度~重度の乾癬を有する対象である、請求項19に記載の方法。
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