JP2835613B2 - 押入れの換気装置 - Google Patents

押入れの換気装置

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JP2835613B2 JP1026372A JP2637289A JP2835613B2 JP 2835613 B2 JP2835613 B2 JP 2835613B2 JP 1026372 A JP1026372 A JP 1026372A JP 2637289 A JP2637289 A JP 2637289A JP 2835613 B2 JP2835613 B2 JP 2835613B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、押入れの換気装置に関するものである。
〔従来技術〕
実公昭58−9719号公報に、押入れの後壁を二重壁構造
として、前側の壁面板と後壁との間に空気の流通空間を
形成すると共に、前側の壁面板を多孔板でもって構成
し、押入れ内の物品の収納空間を、この多孔板の孔を通
してその後方の上記空気流通空間に連通せしめると共
に、後壁に換気用のファンを取付けてなる、押入れの換
気装置が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕 上記のような換気装置を備えた押入れの場合には、換
気装置を作動させれば、押入れ内の空気を強制的に換気
することで、押入れ内の湿気を排除できる。
しかし、上記のような構造の換気装置は、それを常時
作動させておくと、エネルギーのロスが大であるため不
経済であるばかりでなく、換気装置から常時騒音が発生
する。そこでこの発明は、上記したような問題点を解決
しようとするものである。
また、上記した換気装置では、換気用のファンを押入
れの後壁面に取付けているため、後壁を二重構造とする
ことで、多孔板からなる前壁板と後壁との間に空気流通
空間を形成せしめているが、この換気用ファンの取付け
位置をうまく選択するならば、押入れ内での換気には、
必ずしもこのような多孔板は必要ではない。何故なら、
後壁と押入れ内の収容物との間に適度の隙間を与えてお
きさえするならば、殊更後壁を二重構造としなくても、
つまり、多孔板を取り去った極めてシンプルな形状の押
入れ構成によっても、充分換気しうるからである。
この発明の他の目的は、この点に着眼して、上記のよ
うな多孔板からなる壁板を必ずしも必要としない、押入
れの換気装置を提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するために、本発明が講じた技術的
手段は、次の通りである。すなわち、本発明の特徴は、
後壁板・天井板・床板・両側壁板及び襖又は戸等からな
る押入れの内部に、一枚以上の棚板が配設されている押
入れにおいて、 i)上記各棚板の後端縁と上記後壁板の前面との間に、
空気流通用の隙間が形成されていること、 ii)上記天井板の適所に、押入れ内の空気を押入れ外に
排出するための換気扇が取付けられていること、 iii)上記押入れ内の適所に、押入れ内の湿度を測定す
るための湿度センサーが配設されていること、 iv)前記換気扇に、上記湿度センサーの信号によって開
閉される電気回路と、タイマーによって設定された一定
時間毎に、間欠的に、所定時間閉の状態に保たれる電気
回路とが、並列的に連結されていること、 にある。
〔作用〕
上記のように構成された押入れ内では、換気扇が作動
すると、押入れ内の空気は、押入れ内の前部側では、襖
と棚板の前端縁との間を通過し、押入れ内の後部側で
は、後壁板と棚板の後端縁との間に形成してある空気流
通用の隙間を通過して、上向流せしめられ(第1図及び
第2図の矢印参照)、押入れ内の空気は、天井板に取付
けられている換気扇方向に向かって吸引され、押入れ外
へと排出されることになる。そしてこの押入れ内には、
襖又は戸が閉じられていた状態においては、これらの襖
又は戸の隙間から、押入れ外の乾燥した空気が、押入れ
内へと流入せしめられることになる。
また、上記のように構成された押入れの換気装置は、
湿度センサーの信号によって換気扇の電気回路が開閉さ
れるので、湿度センサーによって電気回路が開閉される
湿度の設定値を予め所望の湿度に設定しておくと、少な
くとも、押入れ内の上記センサーが取付けられている部
位の湿度が設定値以上になると換気扇を自動的に発進せ
しめて押入れ内の空気を押入れ外に排出せしめ、押入れ
内の上記部位の湿度が設定値以下になると換気扇を自動
的に停止させることで、この押入れ内の上記センサーが
取付けられている部位の湿度を常時所望の設定値以下に
保っておくことができる。
ところが、上記換気扇が作動していない状態において
は、襖が閉じられた押入れ内の空気は押入れ内に停滞し
ている。したがって、上記センサーが取りつけられてい
る部位の湿度は、押入れ内に収容されている物体の状況
如何では、必ずしも押入れ内の平均的な湿度を示してい
るとは限らない。すなわち、押入れ内の空気が停滞して
いる状態では、押入れ内における湿度の上昇を、いち速
く且つ的確に、該センサーによってキャッチできるとは
限らないのである。
しかし、この発明にしたがった換気装置の前記換気扇
には、上記湿度センサーの信号によって開閉される電気
回路の他に、タイマーI・IIによって開閉される電気回
路が並列的に接続されていて、タイマーIによって設定
された一定の時間が経過するとその都度、間欠的に、タ
イマーIIによって設定された所定時間だけ該電気回路が
閉じられるようになっているので、上記換気扇は、押入
れ内の上記センサーが取付けられている部位の湿度が所
定の湿度に達していなくても、センサーの測定値と無関
係に、上記タイマーIによって設定された一定の時間
(長時間)が経過するとその都度、間欠的に、タイマー
IIによって設定された所定時間(短時間)作動せしめら
れることになる。すなわち、この間においては、押入れ
内の湿度に関係なく押入れ内の空気が移動されることに
なる。
したがって、この発明にしたがった押入れの換気装置
によれば、上記換気扇は、たとえ押入れ内の上記センサ
ーが取付けられている部位の湿度が所望の設定値以下で
あっても、上記タイマーIによって上記電気回路が間欠
的に閉じられる都度発進して、押入れ内の空気を移動さ
せ、その時押入れ内を移動する空気の湿度をセンサーに
よって検知せしめることになる。そして、押入れ内を移
動する空気の湿度が設定値を越えていなかった場合に
は、タイマーIIに設定された時間(短時間)が経過した
ところで停止し、このとき該空気の湿度が設定値を越え
ていた場合には、上記タイマーIIによって設定された時
間が経過してもなお、センサーよりの信号によって開閉
される電気回路によって、換気扇がそのまま作動状態を
継続され、押入れ内を移動する空気の湿度が所定の値以
下になったことをセンサーが検知したときにおいてはじ
めて、換気扇の運転が停止されることになる。
〔実施例〕
実施例を第1〜3図について説明すると、この実施例
は、例えばマンション等の施行現場で簡単に組み立てる
ことができる、ユニットタイプの押入れAに本発明を実
施した場合に関し、この実施例の押入れAは、押入れA
の空間部を構成するための天井板1、後壁板2、床板3
及び一対の側壁板4が、これらの板を前方が開いた押入
れ状に固定するための骨組みである、4本の柱5・6・
7・8、3本の間柱9、2本の根太受11・12及び5本の
根太13等でもって押入れの形状に組立てられている。な
お、14は鴨居、15は中鴨居、16は敷居、17・18は何れも
襖又は戸である。
この押入れA内には、後壁板2の前面2aに接して中柱
10が立設されると共に、両側壁板4間に、上棚用の前框
19と後框20及び中棚用の前框21と後框22が架け渡されて
おり、上棚用及び中棚用の各前框と後框間19・20、21・
22には、夫々、複数本宛の根太23・24が夫々架け渡され
ていて、上棚用の前後の框19・20間には、根太23の上に
天袋用の上棚板25が架け渡して張設されており、中棚用
の前後の框21・22間には、根太24の上に中棚板26が架け
渡して張設されているのであるが、この発明にしたがっ
た押入れAにあっては、上記天袋用の棚板25及び中棚板
26は、何れも、それらの後端縁25a・26aが、夫々この押
入れAの後壁板2の前面2aに接することなく、該後壁板
2との間に空気流通用の適度の隙間αを付与されて、上
記前後の框間19・20、21・22で根太23・24の上に張設さ
れている。
そして、上記のように構成された押入れAの中棚板26
の下面の近くに配しては、上記根太24の一つの側面に湿
度センサー28が取付けられており、天井板1には、その
適所の孔をあけて、そこに押入れA内の空気を押入れA
外に排出するための換気扇30が取付けられているのであ
るが、この換気扇30を発停させるための電気回路は第4
・5図に示してあるように構成されている。すなわち、
電源回路部31と換気扇30との間に、タイマー(I及びI
I)からの信号と湿度センサー28の出力接点28aからの信
号の双方によって制御される出力制御回路部32が挿入さ
れており、上記出力制御回路部32に、上記タイマーIに
よって設定された一定時間が経過すると閉じ、タイマー
IIによって設定された時間が経過すると開かれる、開閉
器33が挿入された電気回路34と、上記湿度センサー28か
らの信号によって開閉される、開閉器28a(湿度センサ
ー出力接点)が挿入された電気回路35とが、並列的に配
設されていて、換気扇30は、少なくとも上記何れか一方
の開閉器33・28aが閉じている間、作動せしめられるよ
うになっている。なお、第1・2図において、29は間柱
10の一つに沿って配線されたセンサーのリード線、第4
・5図においてL1は電源ランプ、L2は換気扇の運転状態
表示ランプである。
この実施例の押入れAには、上記したような換気装置
が配設されているので、押入れA内の湿度センサーが取
付けられている部位の湿度が湿度センサー28の設定値以
上になると、勿論自動的に換気扇30が作動するが、押入
れ内の湿度センサーが取付けられている部位の湿度が湿
度センサーの設定値以下でも、タイマーIに設定された
時間が経過する都度、換気扇30は間欠的に作動せしめら
れる。すなわち、第6図に示してあるように、 電源回路部31に電源を投入すると、表示ランプL1
点灯し、同時にタイマーIが入る。
このとき以後、湿度センサー28によって検知されて
いる湿度が設定値以下のときは、タイマーIの設定時間
T1(例えば23時間55分)が経過したとき換気扇30は発進
され、タイマーIIの設定時間T2(例えば5分)が経過し
た時点で停止される。
以後、設定時間T1・T2が経過するたびに、上記の通り
の発停が繰り返される。
勿論、上記の発停が繰り返されている間におい
て、センサー28によって設定値以上の湿度が検知される
と、換気扇30は自動的に発進せしめられ、湿度が設定値
以下になるまで作動し続けて自動的に止まる。
以後は、再び上記のように発停を繰り返す。
上記のようにして換気扇30が短時間T2でも作動せし
められると、湿度センサー28は、そのとき、押入れ内を
移動する空気の湿度を測定することになり、上記のよ
うにして換気扇30が作動せしめられると、押入れA内の
空気は、第1・2図に矢印でもって示してある方向に押
入れ1内を流れ、押入れAの外に、つまり天井裏に向か
って排出され、代わってこの押入れA内には、各襖17・
18の隙間から、室内の空気が導入されることになる。勿
論、押入れA内の湿度が所定の湿度以下になると、それ
を湿度センサー28が検知した時点で、換気扇30が自動的
に停止されることは言うまでもない。
〔発明の効果〕
本発明の換気装置は上記したような構成で、しかも、
上記したように作用するものであるから、次のような効
果を奏することができる。
1)換気扇が、押入れの後壁面にではなく、押入れ内に
収納された物品によって最も塞がれ難い天井板に取付け
られているので、換気扇の吸込み口が押入れ内に収納さ
れた物品でもって閉塞されるのを防ぐための、従来装置
に見られたような多孔板は不要で、押入れ内に多孔板を
配設しておかなくても、換気扇の吸入口を閉塞しないよ
うに、容易に品物を押入れ内に収納することができる。
2)したがってこの発明の換気装置では、後壁が二重構
造とはなっておらず、棚板の後端縁と後壁板の前面との
間に適所の隙間αを与えただけで、押入れ内の空気を天
井に向かって上向流せしめうるようになっているので、
これを従来装置に比較すると、低コストで作るとができ
る。
3)この発明の換気装置では、押入れ内の空気が停滞し
ているためにセンサーの取付けられている部位の湿度が
湿度センサーの設定値以下であっても、押入れ内の他の
部位の湿度が湿度センサーの設定値を越えていると、タ
イマーI・IIによって換気扇が作動されたとき、押入れ
内の空気が移動せしめられるので、この時、押入れ内の
他の部位の湿度が湿度センサーの設定値に達しているこ
とを確実にキャッチして、自動的に換気を行わせること
ができる。
4)また、換気扇は、湿度センサーが押入れ内の湿度上
昇を感知しない限り発進せず、湿度センサーが押入れ内
の湿度が所定の湿度以下になったことを感知すると直ち
に停止するので、この換気扇は、必要最小限の時間しか
作動しない。したがって、この発明の換気装置によれば
電力ロスが少なく、換気扇の作動に伴う騒音の発生を最
小限に止めることができ、しかも押入れ内の湿度を、常
時確実に所定値以下に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る押入れの換気装置の一実施例を
示した押入れの縦断側面図(断面は第2図のI−I線に
沿う)、第2図は襖をはずして示した同押入れの正面
図、第3図は同押入れの横断平面図(断面は第1図のII
I−III線に沿う)、第4図は電気回路を示したブロック
図第5図は同要部のシーケンス図、第6図はタイムチャ
ートである。 A……押入れ、 1……天井板、 2……後壁板、 2a……前面、 3……床板、 4……側壁板、 5・6・7・8……柱 17・18……襖又は戸、 25……天袋用の棚板、 26……中棚板、 25a・26a……後端縁、 28……湿度センサー、 28a……開閉器(湿度センサー出力接点)、 30……換気扇、 31……電源回路部、 32……出力制御回路部、 33……開閉器、 34・35……電気回路、 I・II……タイマー、 α……空気流通用の隙間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平1−119730(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04F 19/08 102 E04B 1/70

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後壁板・天井板・床板・両側壁板及び襖又
    は戸等からなる押入れの内部に、一枚以上の棚板が配設
    されている押入れにおいて、 i)上記各棚板の後端縁と上記後壁板の前面との間に、
    空気流通用の隙間が形成されていること、 ii)上記天井板の適所に、押入れ内の空気を押入れ外に
    排出するための換気扇が取付けられていること、 iii)上記押入れ内の適所に、押入れ内の湿度を測定す
    るための湿度センサーが配設されていること、及び iv)前記換気扇に、上記湿度センサーの信号によって開
    閉される電気回路と、タイマーによって設定された一定
    時間毎に、間欠的に、所定時間閉の状態に保たれる電気
    回路とが、並列的に連結されていること、 を特徴とする押入れの換気装置。
  2. 【請求項2】前記湿度センサーが、最下段の棚板の背面
    の近傍に取付けられている、請求項1記載の押入れの換
    気装置。
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