JP2835579B2 - フライングバッター用改質剤、及びその製造方法 - Google Patents

フライングバッター用改質剤、及びその製造方法

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JP2835579B2 JP7019065A JP1906595A JP2835579B2 JP 2835579 B2 JP2835579 B2 JP 2835579B2 JP 7019065 A JP7019065 A JP 7019065A JP 1906595 A JP1906595 A JP 1906595A JP 2835579 B2 JP2835579 B2 JP 2835579B2
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槇吾 中村
博之 中田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フライングバッター用
改質剤、及びその製造方法に関し、詳しくはフライング
バッターに添加する改質剤、及びその製造方法に関し、
さらに詳しくは、パン粉で種物を包むためのつなぎ(バ
インダー)であるフライングバッターに添加する改質
剤、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フライングバッター(以下、
単に「バッター」ともいう)として、ステアリン酸モノ
グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステルが各々単独で使
用されていた。
【0003】すなわち、魚介類、肉類、野菜類等の種物
に前記のフライングバッターを付着させ、その後パン粉
付けをしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのあ
とフライせずに冷凍する冷凍フライ食品では、衣の部分
が硬くなったり、ベタついたりするという問題があっ
た。また、油ちょう時にあっては油ハネが発生するとい
う問題もあった。
【0005】なお、バッターの製造においては、機械撹
拌するうちにグルテンによる粘度上昇がおこり、バッタ
ーの付着量が増加したり、バッターの切れが悪くなる等
の問題があるため、低温管理が必要とされている。
【0006】一方、冷凍のフライ食品の衣は、ゴツゴツ
した食感になるのを防ぐために起泡剤を添加させること
があり、細かい起泡を抱き込ませ、ソフト感を出させる
ために脂肪酸モノグリセリドが添加されることがある。
【0007】しかし、低温管理されたもとでは起泡力は
低下し、充分な効果が発揮されない。特公昭58−54
788号公報では、炭素数14以下の脂肪酸とエステル
結合させたショ糖脂肪酸エステルが有効であり、その他
の乳化剤は効果がなかったとしている。
【0008】しかし、例えば、ラウリン酸(炭素数1
2)とエステル結合したショ糖ラウリン酸エステル等は
味の点で問題があり、満足のいく手段ではなかった。
【0009】[発明の目的]本発明は、このような従来
の問題点に着目してなされたものであり、その目的は、
冷凍フライ食品の風味に影響を与えない、食感改良効果
を有する改質剤であるフライングバッター用改質剤、及
びその製造方法を提供するところにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のフラ
イングバッター用改質剤は、 (A)HLB5以上のショ糖脂肪酸エステル (B)グリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪
酸有機酸モノエステルおよびソルビタン脂肪酸エステル
からなる群より選ばれた少なくとも1種 (C)糖類化合物 を含有するpH9以下の水溶液または水分散液を噴霧乾
燥して得られるものである。
【0011】また、本発明のフライングバッター用改質
剤の製造方法は、上記した(A)〜(C)成分を水に溶
解あるいは分散してpH9以下に調整したのち、この水
溶液あるいは水分散液を噴霧乾燥することを特徴とする
方法である。
【0012】[手段を構成する要件](A)成分 ショ糖脂肪酸エステルはHLBが5以上のものが用いら
れ、これを構成する脂肪酸が、炭素数16〜22の飽和
または不飽和脂肪酸の1種または2種以上の混合物から
なるものが好適に用いられる。
【0013】上記脂肪酸の具体例としては、パルミチン
酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の飽和脂
肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ
酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸などが挙げられる
が、これによって限定されるものではない。
【0014】ショ糖脂肪酸エステルのHLBが5未満の
場合、衣のベタつき、食感、油ハネ防止効果に劣る。
【0015】(B)成分 グリセリン脂肪酸モノエステルは、牛脂や綿実油などの
天然油脂から得られる蒸留又は未蒸留のグリセリン脂肪
酸モノエステルが好適に使用され、脂肪酸の炭素数が1
2〜22の飽和又は不飽和脂肪酸からなるものが好適に
使用される。
【0016】また、前記グリセリン脂肪酸モノエステル
の有機酸エステル、例えばクエン酸、コハク酸、酢酸、
ジアセチル酒石酸、乳酸などのグリセリン脂肪酸有機酸
モノエステルが用いられる。
【0017】ソルビタン脂肪酸エステルは、これを構成
する脂肪酸が炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸
からなるものが好適に用いられる。
【0018】グリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリ
ン脂肪酸有機酸モノエステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ルにおける脂肪酸の具体例は、(A)成分のところで挙
げたもの以外に、ラウリン酸、ミリスチン酸などが挙げ
られる。
【0019】グリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリ
ン脂肪酸有機酸モノエステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ルは、それぞれ1種を単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。また、グリセリン脂肪酸モノエス
テルの1種または複数種、グリセリン脂肪酸有機酸モノ
エステルの1種または複数種、及びソルビタン脂肪酸エ
ステルの1種または複数種を併用することもできる。
【0020】(C)成分 糖類化合物としては、果糖、ブドウ糖等の単糖類、ショ
糖、乳糖などの二糖類、デキストリン等の多糖類、ソル
ビット、マルビット等の糖アルコールを用いることがで
き、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。
【0021】(A)成分、(B)成分、(C)成分の配
合割合としては特に限定はないが、(A):(B):
(C)=(0.5〜90):(0.5〜90):(5〜
95)とするのが好ましい(数値は全て重量%)。
【0022】これら(A)〜(C)成分は配合に際し、
水に溶解または分散させて水溶液または水分散液とす
る。この時、前記水溶液または水分散液のpHは、アル
カリによってエステルが分解するので好ましくない、と
いう理由で9以下であることが必要である。
【0023】また、(B)成分としてグリセリン脂肪酸
有機酸モノエステルを選択した場合はpHが低下するの
で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネ
シウム等のアルカリを用いてpHを4以上に調整するこ
とが望ましい。pH4未満では共存するショ糖脂肪酸エ
ステルが酸により凝集することがある。このようにpH
を調整することにより、グリセリン脂肪酸有機酸モノエ
ステル(一部、塩となる)及びショ糖脂肪酸エステルの
安定性が向上し、フライングバッター改良効果も向上す
る。
【0024】次に、pH4〜9に調製された水溶液また
は水分散液は噴霧乾燥によって粉末状または顆粒状に製
剤化される。なお、噴霧乾燥は従来公知の方法により行
なえばよい。
【0025】本発明の改質剤のバッターへの添加量は、
ベースとする小麦粉に対し、乳化剤成分が通常0.01
〜5.0重量%になるように、好ましくは0.1〜3%
になるように使用される。0.01%未満では効果が不
十分であり、5%を超えるとそれ以上の効果の向上はな
く、経済的に不利となる。
【0026】
【作用】本発明の改質剤は、フライ食品のバッターある
いは衣部分の食感改良等の効果を有している。これらの
水溶液または水分散液を噴霧乾燥によって粉末状または
顆粒状に製剤化することによって単に粉体混合しただけ
のものより優れた効果を発揮する。
【0027】すなわち、冷凍フライ食品のバッターある
いは衣部分が硬くなり、ゴツゴツした食感になるのを防
ぎ、柔らかくサクサクした食感にする。この食感はフラ
イ後、長時間持続する。
【0028】また、保存中のベタつきを防止し、さらに
は、フライ中(油ちゅう時)の油ハネを抑制する。
【0029】この改質剤は粉末状または顆粒状であって
も、冷水に容易に分散、溶解することができるので、従
来の乳化剤のように加温して水に分散または溶解させる
必要がなく、小麦粉との粉体混合でも充分にその機能を
発現することができるものであり、取扱いが容易であ
る。
【0030】また、当然のことながら、この粉末状また
は顆粒状の改質剤を予め水に溶解、分散させたものを使
用することもできる。
【0031】
【実施例】本発明をより明瞭にするために、ポテトコロ
ッケの製造を例にとって具体的に説明する。
【0032】揚げ種の製法 下記[表1]に記載した配合割合を以て、 マッシュポテト、食塩、コショウを混ぜ、90℃の湯
を注ぎ、手早く混ぜ合わせる。 揚げ種60gを丸め、一晩冷蔵庫で保存する。
【0033】
【表1】
【0034】バッターの製法 下記[表2]に記載した配合割合を以て、 薄力粉、食塩、改質剤(下記実施例および比較例で得
たもの)を混合し、7〜8℃の卵を混合した冷水に添加
する。 氷水浴で冷やしながら、ハンドミキサーで低速30
秒、中速2分30秒撹拌する。
【0035】
【表2】
【0036】パン粉つけ 揚げ種に小麦粉、バッター、パン粉をこの順に付着させ
た後、−30℃で40分間冷凍する。
【0037】フライ 冷凍したコロッケを180℃で7.5分間油ちょうし
た。
【0038】(実施例1)下記[表3]に示した(A)
〜(C)成分を同表に示した配合割合で水65部(重量
部、以下同様)に加温分散、溶解させ、水溶液のpHを
水酸化ナトリウムによってpH6に調製した。
【0039】その後、150℃で噴霧乾燥させることに
より粉末製剤化を行った。粉末製剤化は、前記処方のp
H調製後の改質剤水溶液を、回転円板(具体的にはアト
マイザー)上に落下させ、霧化させることにより行っ
た。アトマイザーの回転数は約10,000rpmであ
り、150℃の熱風を水溶液と同方向から乾燥機内に供
給した。以上のようにして本発明の改質剤を得た。
【0040】この改質剤を上記[表2]の配合組成の生
地成分に添加してバッターを調製した。改質剤は薄力粉
100部に対して2.0部粉体混合して用いた。
【0041】
【表3】
【0042】(比較例1)改質剤製剤を添加しなかった
以外は実施例1と同様にした。
【0043】(比較例2)上記[表3]に示した(A)
〜(C)成分を同表に示した配合割合で混合し、水への
溶解、pH調整、噴霧乾燥など一切行なわずに、薄力粉
100部に対して2.0部の割合で混入し、実施例1と
同様にして製造した。
【0044】(実施例2)下記[表4]に示した(A)
〜(C)成分を同表に示した配合割合で水65部に加温
分散、溶解させ、以下実施例1と同様にして改質剤を
得、バッターを調製した。改質剤は薄力粉100部に対
して、2.0部を粉体混合して用いた。
【0045】
【表4】
【0046】上記工程において、冷凍保存時における
状態、油ちゅう時の油ハネ状態、及び油ちょう後の食
感(直後と5時間後)を調べた。結果を下記[表5]に
記載する。
【0047】
【表5】
【0048】
【発明の効果】本発明により、フライ食品のバッターあ
るいは衣部分の食感改良等の効果を有する改質剤の提供
が可能となった。
【0049】すなわち、冷凍フライ食品のバッターある
いは衣部分が硬くなりゴツゴツした食感になるのを防
ぎ、柔らかくサクサクした食感にする改質剤を提供する
ことができた。この食感はフライ後、長時間持続する。
【0050】また、上記改質剤は、前記冷凍フライ食品
の保存中のベタつきを防止し、さらには、フライ中(油
ちゅう時)の油ハネを抑制する。
【0051】さらに、この改質剤は粉末状または顆粒状
であっても、冷水に容易に分散、溶解することができる
ので、従来の乳化剤のように加温して水に分散または溶
解させる必要がなく、小麦粉との粉体混合でも充分にそ
の機能を発現することができるものであり、取扱いが容
易である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−46783(JP,A) 特開 昭58−56652(JP,A) 特公 昭56−39611(JP,B2) 特公 昭58−54788(JP,B2) 特公 昭46−27333(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/176

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)HLB5以上のショ糖脂肪酸エステ
    ル (B)グリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪
    酸有機酸モノエステルおよびソルビタン脂肪酸エステル
    からなる群より選ばれた少なくとも1種 (C)糖類化合物を含有するpH9以下の水溶液または
    水分散液を噴霧乾燥して得られるフライングバッター用
    改質剤。
  2. 【請求項2】請求項1記載の(A)〜(C)成分を水に
    溶解あるいは分散してpH9以下に調整したのち、この
    水溶液あるいは水分散液を噴霧乾燥することを特徴とす
    るフライングバッター用改質剤の製造方法。
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