JP2834711B2 - 構造物壁面の流下水用導水樋 - Google Patents

構造物壁面の流下水用導水樋

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JP2834711B2
JP2834711B2 JP8120642A JP12064296A JP2834711B2 JP 2834711 B2 JP2834711 B2 JP 2834711B2 JP 8120642 A JP8120642 A JP 8120642A JP 12064296 A JP12064296 A JP 12064296A JP 2834711 B2 JP2834711 B2 JP 2834711B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、隧道などの構造物
の壁に設けられ、構造物の壁面を伝って流れ落ちる水を
受ける構造物壁面の流下水用導水樋に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば隧道などの構造物の壁面61a
を伝って、涌水などの水が流れ落ちると、構造物の壁面
61aに縞模様ができてしまい美観が低下してしまう。
このような水を受けるために、図12に示すような導水
樋60が設けられる。導水樋60は、構造物壁61に固
定される固定壁62と、固定壁62の上端部から構造物
壁61に離反する方向に屈曲する底板63と、底板63
の構造物壁61に離反する側の端部から立上がる貯留壁
64とを有する。固定壁62は、構造物壁61との間に
止水シール部材65を介在させて、たとえばアンカプラ
グ66、アンカボルト67およびナット68によって固
定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術で
は、水が導かれる導水空間69に、止水シール部材65
および構造物壁61が露出しており、構造物壁61が腐
食したり、止水シール部材65が早期に劣化してしまう
おそれがあり、水の下方への流れ落ち防止効果の持続性
が悪い。
【0004】したがって本発明の目的は、壁面を伝って
流れ落ちる水を受けて、下方への流れ落ちを防止する効
果の持続性を向上することができる構造物壁面の流下水
用導水樋を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、構造物壁に、
上方が開放される樋体が固定され、樋体は、耐水性を有
する材料から成り、前記構造物壁に固定される固定壁
と、固定壁の下部に連なって立下がる第1貯留壁と、第
1貯留壁の下端部に連なり構造物壁から離反する方向に
屈曲する底板と、底板の構造物壁から離反する側の端部
に連なって立上がる第2貯留壁とを有し、第2貯留壁の
構造物壁と反対側には、少なくとも構造物壁と反対側の
外表面が明度の高い色である視線誘導プレートが設けら
れることを特徴とする構造物壁面の流下水用導水樋であ
る。本発明に従えば、構造物壁には、樋体が固定され、
この樋体は、固定壁と、第1貯留壁と、底板と、第2貯
留壁とを有し、上方が開放されている。これによって、
構造物の壁面を伝って流れ落ちる、たとえば涌水などの
水を樋体によって受けて、樋体よりも下方へ流れ落ちる
ことを防ぎ、所定の排水場所へ導くことができる。ま
た、前記水を導く導水空間は、第1貯留壁と、底板と、
第2貯留壁とによって形成され、これらの第1貯留壁
と、底板と、第2貯留壁とを有する樋体は、耐水性を有
する材料から成る。これによって、従来のように、導水
空間内の水によって構造物壁が浸食されてしまい、水が
通過する隙間が形成されて下方に流れ落ちてしまう不具
合を生じにくく、水が樋体よりも下方へ流れ落ちること
を防止する効果の持続性が向上される。さらに、第2貯
留壁には視線誘導プレートが設けられ、この視線誘導プ
レートの外表面は明度の高い色である。これによって、
光の反射率が高くなり、たとえば自動車の前照灯が照射
されると、その反射光によって視線誘導プレートを容易
に認識することができる。したがって、構造物壁の位置
を容易に認識することができる。
【0006】また本発明は、前記樋体の固定壁と、構造
物壁との間には、耐水性を有する材料から成る止水シー
ル部材が介在されることを特徴とする。本発明に従え
ば、固定壁と構造物壁との間は、止水シール部材によっ
て水密性が達成される。これによって、構造物の壁面を
伝って流れ落ちる水が、構造物の壁面と樋体の固定壁と
の間から下方に流れ落ちることを防止して、樋体によっ
て確実に水を受けることができる。しかも、止水シール
部材は、耐水性を有する材料から成り、かつ導水空間に
臨んでいないので、止水シール部材は劣化しにくい。
【0007】さらに本発明は、前記視線誘導プレートに
は、少なくとも前記外表面に蛍光塗料が塗布されている
ことを特徴とする。本発明に従えば、視線誘導プレート
の前記外表面での光の反射率が、蛍光塗料によって向上
される。これによって、視線誘導プレートに照射された
光が高い反射率で反射し、視線誘導プレートが認識しや
すくなり、構造物壁が認識しやすくなる。
【0008】さらに本発明は、前記樋体は、構造物であ
る隧道の壁に、隧道の延在方向に延びて固定され、隧道
の壁には、耐水性を有する材料から成り、隧道の延在方
向に垂直な周方向に沿って延び、前記樋体の上方で開放
する水案内体が固定され、水案内体は、隧道の壁に固定
される2つの保持部材と、各保持部材によって隧道の壁
から間隔をあけて保持される導水プレートとを備えるこ
とを特徴とする。本発明に従えば、樋体は、隧道の壁
に、隧道の延在方向に延びて固定され、隧道の延在方向
に延びる涌水箇所、たとえば打継ぎ部からの涌水を受け
ることができる。隧道の壁には、隧道の延在方向に垂直
な周方向に沿って延び、前記樋体の上方で開放する水案
内体が固定される。水案内体は、2つの保持部材と、各
保持部材によって隧道の壁から間隔をあけて保持される
導水プレートとを備える。これによって、隧道の天井部
などからの涌水を受け、樋体に導くことができる。たと
えば、隧道の周方向に延びる打継ぎ部からの涌水を受け
ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態の構
造物壁の流下水用導水樋(以下、「導水樋」と略記す
る)1を示す鉛直断面図であり、図2は導水樋1を斜め
から見て示す断面図である。たとえばコンクリートなど
から成る構造物壁2に、上方が開放される樋体3が固定
される。樋体3は、構造物壁2に固定される固定壁4
と、固定壁4の下部に連なって立下がる第1貯留壁5
と、第1貯留壁5の下端部に連なり構造物壁2から離反
する方向に屈曲する底板6と、底板6の構造物壁2から
離反する側の端部に連なって立上がる第2貯留壁7とを
有する。
【0010】この樋体3は、たとえば耐水性を有する材
料であるポリプロピレンなどの合成樹脂から成り、図1
の紙面に対して垂直な方向に延びる長尺材である。この
樋体3の固定壁4には、図1の紙面に対して垂直な長手
方向に間隔をあけて、たとえば250mm毎に挿通孔8
が形成されている。構造物壁2に埋設されたアンカプラ
グ9を挿通し、挿通孔8を挿通したアンカボルト10に
ナット11を螺着し、締付けて樋体3が固定壁4で構造
物壁2に固定される。
【0011】このような樋体3を構造物壁2に固定する
ことによって、構造物壁2の壁面12を伝って流れ落ち
る涌水などの水を、矢符Aで示すように樋体3の導水空
間13に導いて受け、前記水が壁面12を伝って樋体3
よりも下方に流れ落ちることを防止することができる。
樋体3は、たとえば図2に矢符Bで示す排水勾配を有し
て固定されており、樋体3によって受けられた水は、た
とえば集水桝などの所定の排水場所へ導かれて排水され
る。
【0012】導水空間13を有する樋体3は、前述のよ
うな耐水性を有する材料から成り、水が樋体3よりも下
方へ流れ落ちることを防止する効果が長く持続される。
さらに詳しく述べると、構造物壁2が導水空間13に臨
んで露出していないので、導水空間13内の水によって
構造物壁2が腐食されてしまい、この腐食によって、水
が通過する隙間が、樋体3と構造物壁2との間に形成さ
れにくく、従来に比べて水の下方の流れ落ち防止効果が
持続される。また樋体3は、このように合成樹脂から成
るので、たとえば押出し成型によって形成することがで
き、製造が容易である。
【0013】第2貯留壁7には、構造物壁2と反対側
に、視線誘導プレート16がたとえば木ねじなどのねじ
部材70によって固定されている。視線誘導プレート1
6は、たとえばポリプロピレンなどの合成樹脂から成る
白色のプレートである。これによって構造物壁2と反対
側の外表面17を白色とし、このような視線誘導プレー
ト16を設けることによって、外表面17での光の反射
率を高くすることができ、視線誘導プレート16を目に
付きやすくすることができる。このような視線誘導プレ
ート16を備える導水樋1を構造物壁2に設けることに
よって、視線誘導プレート16によって構造物壁2の位
置を認識することができる。
【0014】樋体3の固定壁4と構造物壁2との間に
は、止水シール部材18が介在されている。この止水シ
ール部材18は、樋体3の延在方向に延びて設けられて
おり、これによって固定壁4と構造物壁2との間を水密
に塞ぐことができる。したがって、構造物壁2の壁面1
2を伝って流れ落ちる水が固定壁4と構造物壁2との間
を介して下方に流れ落ちることを確実に防ぐことができ
る。この止水シール部材18は、耐水性を有する発泡性
の天然ゴムから成る。発泡性の天然ゴムは、独立した多
数の気泡を有する多孔質である。
【0015】これによって、止水シール部材18の高い
耐久性を得ることができるとともに、可撓性および弾発
性を得ることができる。この可撓性および弾発性によっ
て、構造物壁2がコンクリートから成り、壁面12が凹
凸を有していても、その凹凸を吸収して、固定壁4と構
造物壁2との間の高い水密性を達成することができる。
また、止水シール部材18は、導水空間13に臨んでい
ないので、前記水との接触は、壁面12から導水空間1
3に導くときだけであり、劣化しにくい。
【0016】固定壁4とナット11との間には、ライナ
14およびワッシャ15が介在されている。ライナ14
を介在させることによって、ナット11を締付けて固定
壁4を構造物壁2に近接する方向に締付け力を作用させ
たときに、その締付け力を分散させて固定壁4に与える
ことができる。これによって、固定壁4に局部的に大き
な力が作用して損傷してしまうことを防ぐことができ
る。
【0017】図3は樋体3を示す正面図であり、図4は
図3の左側から見て示す樋体3の左側面図であり、図5
は図3の右側から見て示す樋体3の右側面図であり、図
6は図3の上側から見て示す樋体3の平面図であり、図
7は図3の下側から見て示す樋体3の底面図である。樋
体3の背面図については、正面図と左右対称となるので
省略する。
【0018】図1および図2をも参照して、固定壁4は
平板状であり、その上端部には、図3の右方となる第2
貯留壁7とは反対側に向けて突出する突条19が形成さ
れている。突条19は、樋体3が構造物壁2に固定され
たときに、構造物壁2に向けて突出している。固定壁4
はその下端部から突条19と同一の方向に屈曲する屈曲
部20を有し、この屈曲部20に連なってほぼ直角に第
1貯留壁5が立下がっている。このような突条19およ
び屈曲部20が形成されることによって凹所21が形成
される。この凹所21に止水シール部材18が部分的に
嵌まり込んでおり、これによって止水シール部材18
が、樋体3に対してずれることなく、位置決めされてい
る。
【0019】第1貯留壁5、底板6および第2貯留壁7
は平板状であり、第1貯留壁5に対して底板6はほぼ直
角に屈曲し、底板6に対して第2貯留壁7はほぼ直角に
屈曲している。第1貯留壁5と底板6の屈曲部34およ
び底板6と第2貯留壁7の屈曲部35の内面23,24
は、丸みを帯びて形成されており、たとえば導水空間1
3に溜まる水の自重などによって作用する曲げに対する
応力などが集中することを防止することができ、強度が
向上される。第2貯留壁7の上端部には、第1貯留壁5
に向けて突出する突部22が形成されている。この突部
22によって第2貯留壁7の上端部が曲げなどに対して
補強される。
【0020】突部22によって第2貯留壁7の上端部の
厚みが大きくなり、また、前記屈曲部35の内面24を
丸み帯びて形成することによって第2貯留壁7の下端部
の厚みが大きくなる。これによって、前記ねじ部材70
を用いて視線誘導プレート16を固定する場合に、厚み
の大きくなった第2貯留壁7の上端部および下端部で固
定することによって、ねじ部材70として木ねじを用い
て捩込んでも第2貯留壁7が割れにくくなる。
【0021】このような樋体3の高さH1は、100m
mに選ばれており、幅L1は50mmに選ばれている。
第1貯留壁5の高さは、前記樋体3の高さH1の約1/
2であり、第2貯留壁6は、第1貯留壁5とほぼ同様
に、高さH1の約1/2の高さまで底板6から立上がっ
ている。また、樋体3は、長さL2が3000mmに選
ばれ、固定壁4の厚みT10は5〜10mmに選ばれ、
第1貯留壁5、底板6および第2貯留壁7の厚みはT1
1は2〜3mmに選ばれている。図4〜図7において、
長さL2は、2800mm省略して示す。このような寸
法に選ぶことによって、樋体3を軽量にして、運搬を容
易に、かつ取付作業を容易にすることができる。また、
固定壁4は、第1貯留壁5、底板6および第2貯留壁7
に比べて厚く形成され、ナット11の締付け時に損傷し
にくくなっている。このような樋体3は、その長手方向
に複数接続して用いることが可能であり、隣接する各樋
体3間の接続部は、コーキング剤によって塞がれ、また
は溶接されて、水密性が達成される。
【0022】止水シール部材18の高さH2は、47m
mであり、厚みT1は、10mmであり、図3の紙面に
対して垂直な方向の長さL12は、1000mmであ
る。この止水シール部材18の上端部には、固定壁4の
前記突部19が嵌まり込む切欠きが形成されている。こ
れによって、固定壁4の上面4aと、止水シール部材1
8の上面18aとが面一となり、壁面12を伝って流れ
落ちる水が導水空間に導かれやすくなる。また、突条1
9が形成されることによって、止水シール部材18の固
定壁4寄りの部分のナット11の締付けによる上方への
変形が制限されるため、構造物壁2寄りの部分が固定壁
4寄りの部分よりも上方となるように変形する。これに
よって、壁面12を伝って流れ落ちる水が矢符Aのよう
に導水空間13に導かれやすくなる。
【0023】前記凹所21の第1貯留壁5の外表面25
からの深さT2は、止水シール部材18の厚みT1より
も小さく、たとえば5mmに選ばれており、これによっ
て止水シール部材18は、前記凹所21に嵌まり込んだ
状態で、第1貯留壁5の外表面25よりも外方、すなわ
ち図3の右方に距離T3、たとえば5mmだけ突出した
状態となる。これによって、図1に示すように構造物壁
2に樋体3を固定する際に、ナット11を締付ける締代
を得ることができるとともに、構造物壁2に樋体3を取
付ける際に、第1貯留壁5の外表面25と構造物壁2の
壁面12との間に隙間ΔDを形成して前記壁面12の凹
凸などを吸収することができる。
【0024】このような止水シール部材18は、図1の
紙面に対して垂直な方向に連続して設けられ、隣接する
2つのシール部材18の接続部は、前記ナット11を締
めることによって隣接する各止水シール部材18が相互
に当接する方向に変形されることによって、隣接する各
止水シール部材18が相互に弾発的に当接して、接続部
の水密性が達成される。またこのような接続部にコーキ
ング剤を充填して、水密性を向上するようにしてもよ
い。
【0025】視線誘導プレート16は、高さH3が10
0〜300mmに、本実施の形態においては100mm
に選ばれ、厚みT12が2〜3mmに選ばれている。こ
の視線誘導プレート16は、樋体3と同様に、図1の紙
面に対して垂直な方向に延びて設けられ、その紙面に対
して垂直な方向の長さL13は2000mmに選ばれて
いる。このような視線誘導プレート16は、樋体3の底
板6と第2貯留壁7との屈曲部から立上がって設けられ
ており、その上端部は、少なくとも固定壁4の上端部付
近まで延びている。このような視線誘導プレート16を
設けることによって、前記アンカボルト10およびナッ
ト11などが外方から見えにくくなり、美観を向上する
ことができる。このような視線誘導プレート16は、図
1の紙面に対して垂直な方向に連続して樋体3に固定さ
れている。
【0026】このような導水樋1の取付けは、樋体3の
取付位置に応じて、構造物壁2の挿通孔8に対応した位
置にたとえばドリルによってアンカプラグ9を挿入する
ための孔を形成し、アンカプラグ9を挿入してアンカボ
ルト10をナット11によって締込むことによって樋体
3が構造物壁2に固定され、その後、視線誘導プレート
16が固定される。これによって、視線誘導プレート1
6が邪魔になることなく、アンカプラグ9、アンカボル
ト10およびナット11によって樋体3を固定すること
ができ、導水樋1の取付作業が容易になる。
【0027】アンカボルト10は、M8ボルトであっ
て、その長さが70mmである。これによって、樋体3
を構造物壁2に保持するために充分な強度を得ることが
でき、樋体3を構造物壁2にしっかりと固定することが
できる。アンカプラグ9、アンカボルト10およびナッ
ト11は、ステンレス鋼から成る。これによって、アン
カプラグ9、アンカボルト10およびナット11の高い
耐食性を得ることができる。
【0028】したがって、涌水などの水を受けるために
設けられる樋体3を固定する手段として、悪条件下に用
いられるこれらのアンカプラグ9、アンカボルト10お
よびナット11が容易に腐食してしまうことを防ぐこと
ができる。また、ライナ14と固定壁4との間の隙間な
どには、毛細管現象によって水が侵入しやすいが、隙間
腐食に対しても高い耐食性によって腐食しにくくするこ
とができる。これによって、たとえば樋体3の交換時な
どに、たとえばボルト10およびナット11が錆び付い
てしまって交換が困難になることがない。
【0029】他の形態として、鋼鉄から成り、亜鉛メッ
キの施されたアンカプラグ9、アンカボルト10および
ナット11を用いるようにしてもよい。これによって、
亜鉛の犠牲防食作用によって鋼鉄の腐食を防ぐことがで
き、ステンレス鋼から成る場合と同様に、高い耐食性を
得て同様の効果を得ることができる。
【0030】前記ライナ14は、たとえばステンレス鋼
から成り、高さH4が25mmであり、長さL14が8
0mmであり、厚みT14が3mmである。このような
寸法に選ぶことによって、前述のようにナット11の締
付による力を固定壁4に損傷を与えないように分散させ
ることができる。
【0031】図8は、構造物である隧道28に導水樋1
を取付た状態を簡略化して示す断面図である。図8にお
いて、隧道壁が構造物壁2となるので、同一の参照符号
を付す。樋体3は、隧道壁2に固定され、コンクリート
から成る隧道壁2の図8の紙面に対して垂直な隧道の延
在方向に延びる打継ぎ部26の下方に設けられる。これ
によって、経年変化によって打継ぎ部26に隙間が形成
されてしまった場合に、この隙間から涌水を受けて下方
に流れ落ちることを防止することができる。これによっ
て、壁面12に縞模様ができることを防止して美観が低
下してしまうことを防ぐことができるとともに、たとえ
ば隧道28内の路面27上に前記涌水が流れ落ちてしま
うなどの不具合を生じることがない。またこのような導
水樋1を隧道28に設けた場合、自動車の前照灯などに
よって視線誘導プレート16が明るく照らし出され、導
水樋1を認識することによって隧道の壁2を容易に認識
することができる。これによって、隧道内を通行する際
の安全性を向上することができる。
【0032】このように導水樋1を隧道28に設ける場
合には、水案内体40を設けるようにしてもよい。図9
は水案内体40を示す断面図であって図8の切断面線I
X−IXから見た断面を示し、図10は隧道28内を斜
めから見て示す断面図である。図8をも参照して、水案
内体40は、隧道壁2の固定される一対の保持部材4
1,42と、各保持部材41,42によって保持される
導水プレート43とを有する。各保持部材41,42
は、耐水性を有する材料たとえばポリプロピレンなどの
合成樹脂から成り、隧道壁2に固定される基部45,4
6と、各基部45,46に連なって隧道壁2から離反す
る方向に延びる挟持部47,48とを有し、各挟持部4
7,48には、相互に対抗する挟持片49a,49b;
50a,50bがそれぞれ形成されている。このような
各保持部材41,42は、各固定部45,46におい
て、隧道28の周方向に間隔をあけて、たとえば500
mm毎に、アンカプラグ9、アンカボルト10およびナ
ット11によって隧道壁2に固定される。アンカプラグ
9、アンカボルト10およびナット11は、樋体3を固
定するために用いたものと同一のものである。
【0033】導水プレート43は、耐水性を有する材
料、たとえばポリプロピレンなどの合成樹脂から成る板
部材であって、各保持部材41,42の各挟持片49
a,49b;50a,50b間に、それぞれ水密に嵌ま
り込んで挟持され、隧道壁2から間隔をあけて保持され
ている。このようにして導水空間51が形成され、隧道
壁2からの涌水を導くことができる。また保持部材4
1,42と隧道壁2との間には止水シール部材57が介
在され、水密性が達成されている。
【0034】このような案内体40は、隧道の延在方向
と垂直な周方向に沿って延び、その両端部40a,40
bにおいて、導水空間51が前記導水樋1上で開放され
ている。これによって、隧道28の周方向に延びる打継
ぎ部分56からの涌水を導水樋1に導くことができる。
これによって、隧道壁2の隧道の天井部に位置する部分
2aからたとえば路面27上に涌水が垂れ落ちることが
防がれる。また、導水樋1には、集水桝54の上方に図
示ししない開孔が形成され、この開孔に連なる排水管5
2が設けられ、導水樋1によって受けられた水は、この
排水管52を通じて所定の排水場所である集水桝54に
排水される。
【0035】各保持部材41,42の隧道壁2に臨む部
分のL20は、49mmであり、隧道壁2に臨む面41
aから隧道壁2に離反した側の挟持片49aまでの距離
L21は、30mmであり、長さL22は3000mm
であり、隧道の周方向に複数接続されて設けられる。図
解を容易にするために、いずれか一方の保持部材41ま
たは42の寸法だけ参照する。隣接する各保持部材4
1,42間の接続部は、たとえばコーキング剤によって
塞がれ、または溶接されて水密性が達成されている。
【0036】導水プレート43は、その幅L23が、1
80〜980に選ばれ、厚みT20が3mmであり、長
さL22は、保持部材41,42と同様に3000mm
に選ばれており、同一の参照符号を付す。隣接する各導
水プレート43間の接続部は、コーキング剤によって塞
がれ、または溶接されて水密性が達成されている。この
ような導水プレート43を各保持部材41,42によっ
て保持する構成とすることによって、保持プレート43
の幅L23を選ぶことによって、打継ぎ部51などの涌
水の流出箇所の存在領域の幅に応じて、経済的に水案内
体40の幅を選択して設けることができる。
【0037】各止水シール部材57は、止水シール部材
18とほぼ同様の構成を有し、異なる点は、止水シール
部材18に形成された切欠きが形成されていない点であ
る。各止水シール部材57は、各保持部材41,42に
形成される突起部41a,42aによって位置決めされ
る。
【0038】図11は、導水樋1を構造物である土留擁
壁29に取付けた状態を示す断面図である。図11にお
いて、土留擁壁29が構造物壁2に対応する。その他の
対応する部分には、同一の参照符号を付す。図11に示
すように、たとえば山を切開いて道路30を敷設する場
合に土留擁壁29が用いられる場合がある。この土留擁
壁29には、山からの水を抜くために水抜き管31が設
けられている。この水抜き管31からの水を受けて下方
に流れ落ちないようにするために、導水樋1を設けるよ
うにしてもよい。このような場合にも、図8に示す隧道
28と同様に、その壁面29aを伝って流れ落ちる水を
受け、下方に流れ落ちてしまうことを防ぐことができ、
壁面29aに縞模様ができて美観が低下されてしまうこ
とが防がれるとともに、路面57上などに流れてしまう
などの不具合を生じることがない。また土留擁壁29に
用いた場合にも、視線誘導プレート16が夜間などに自
動車の前照灯などによって照らし出されて、土留擁壁2
9を認識しやすくなる。
【0039】上述の形態において、樋体3、視線誘導プ
レート16、各保持部材41,42および導水プレート
43は、前述のようにポリプロピレンから成り、これに
よって耐衝撃性にも優れており、たとえば自動車のタイ
ヤによって、路面上の小石などが弾き飛ばされて衝突し
ても損傷しにくい。また、樋体3、視線誘導プレート1
6、各保持部材41,42および導水プレート43が、
ポリプロピレンから成ることによって、塩化ビニルから
成る場合と異なり、万一火災が発生して燃焼しても、人
体に有害なガスの発生が極微量である。
【0040】上述の形態において、導水樋1は、隧道2
8および土留擁壁29に設けられたけれども、本発明の
他の形態として、ボックスカルバートなど他のコンクリ
ート構造物などに設けるようにしてもよい。また、視線
誘導プレート16の少なくとも外表面17に蛍光塗料を
塗布して、反射率を向上し、視線誘導プレート16を認
識しやすくするようにしてもよい。また、視線誘導プレ
ート16は、白色であったけれども、ナトリウム光に近
い色として、自動車の前照灯などによって暗所で照らし
出されても、瞳孔が開いたときの目に対して過度の刺激
を与えないようにしてもよい。また、さらに、視線誘導
プレート16は、連続して設けられたけれども、断続的
に設けて、視覚的に印象を強くするようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、構造物の
壁面を伝って流れ落ちる水を樋体によって受けて、樋体
よりも下方へ流れ落ちることを防ぎ、樋体よりも下方の
壁面に縞模様ができることを防ぎ、美観の低下を防ぐこ
とができる。また、前記水を導く導水空間を形成する第
1貯留壁と、底板と、第2貯留壁とを有する樋体は、耐
水性を有する材料から成るので、腐食を防止して水が樋
体よりも下方へ流れ落ちることを防止する効果の持続性
が向上される。さらに、視線誘導プレートの外表面は明
度の高い色であり、反射光によって視線誘導プレートを
容易に認識することができるので、構造物壁の位置を容
易に認識することができる。
【0042】また本発明によれば、構造物の壁面を伝っ
て流れ落ちる水が、構造物壁と樋体の固定壁との間から
下方に流れ落ちることを、止水シール部材によって防止
して、樋体によって確実に水を受けることができる。し
かも、止水シール部材は、耐水性を有する材料から成
り、かつ導水空間に臨んでいないので、止水シール部材
は劣化しにくいので、止水シール部材の交換時期までの
期間を長くすることができる。
【0043】さらに本発明によれば、視線誘導プレート
の前記外表面での光の反射率が、蛍光塗料によって向上
されるので、照射された光が高い反射率で反射し、視線
誘導プレートを確実に認識することができ、構造物壁を
確実に認識することができる。
【0044】さらに本発明に従えば、樋体は、隧道の壁
に、隧道の延在方向に延びて固定され、たとえば隧道の
延在方向に延びる打継ぎ部からの涌水を受けることがで
きる。隧道の壁には、隧道の延在方向に垂直な周方向に
沿って延び、前記樋体の上方で開放する水案内体が固定
され、隧道の天井部からの涌水を受け、樋体に導くこと
ができるので、たとえば隧道の周方向に延びる打継ぎ部
からの涌水を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の導水樋1を示す鉛直断
面図である。
【図2】導水樋1を斜めから見て示す断面図である。
【図3】樋体3を示す正面図である。
【図4】樋体3を示す左側面図である。
【図5】樋体3を示す右側面図である。
【図6】樋体3を示す平面図である。
【図7】樋体3を示す底面図である。
【図8】隧道28に導水樋1を取付けた状態を示す断面
図である。
【図9】水案内体40を示す鉛直断面図である。
【図10】導水樋1および漏水樋40を取付た状態で隧
道28内を斜めから見て示す断面図である。
【図11】土留擁壁29に導水樋1を取付けた状態を示
す断面図である。
【図12】従来技術の導水樋60を示す断面図である。
【符号の説明】
1 導水樋 2 構造物壁 3 樋体 4 固定壁 5 第1貯留壁 6 底板 7 第2貯留壁 16 視線誘導プレート 17 外表面 40 水案内体 41,42 固定部材 43 導水プレート

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物壁に、上方が開放される樋体が固
    定され、 樋体は、耐水性を有する材料から成り、前記構造物壁に
    固定される固定壁と、固定壁の下部に連なって立下がる
    第1貯留壁と、第1貯留壁の下端部に連なり構造物壁か
    ら離反する方向に屈曲する底板と、底板の構造物壁から
    離反する側の端部に連なって立上がる第2貯留壁とを有
    し、 第2貯留壁の構造物壁と反対側には、少なくとも構造物
    壁と反対側の外表面が明度の高い色である視線誘導プレ
    ートが設けられることを特徴とする構造物壁面の流下水
    用導水樋。
  2. 【請求項2】 前記樋体の固定壁と、構造物壁との間に
    は、耐水性を有する材料から成る止水シール部材が介在
    されることを特徴とする請求項1記載の構造物壁面の流
    下水用導水樋。
  3. 【請求項3】 前記視線誘導プレートには、少なくとも
    前記外表面に蛍光塗料が塗布されていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の構造物壁面の流下水用導水
    樋。
  4. 【請求項4】 前記樋体は、構造物である隧道の壁に、
    隧道の延在方向に延びて固定され、 隧道の壁には、耐水性を有する材料から成り、隧道の延
    在方向に垂直な周方向に沿って延び、前記樋体の上方で
    開放する水案内体が固定され、 水案内体は、隧道の壁に固定される2つの保持部材と、
    各保持部材によって隧道の壁から間隔をあけて保持され
    る導水プレートとを備えることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の構造物壁面の流下水用導水樋。
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