JP2832245B2 - 両面刷り用の印刷機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特に多色刷り用の一面刷りあるいは両面刷
り用印刷機に関する。

〔従来の技術〕

各印刷部のゴム胴がインキを伝達するために接触して
列を成して配置され、一つのゴム胴には紙差し胴および
排紙系統の転向装置を兼ねる円胴が押し付けられている
ような枚葉紙（一枚一枚の紙）印刷機は既に知られてい
る（ドイツ連邦共和国特許第3203948号公報参照）。

この公知の印刷機の場合、印刷画像を伝達するために
多くのインキ隙間個所（Farbspaltstelle）が必要であ
り、このインキ隙間個所は点を増大し、二重印刷を生
じ、これに伴って品質が低下する。更にこの公知の印刷
機の場合、平均以上に多くのインキ隙間個所があるため
に、被印刷材にインキを伝達するまでのインキ搬送距離
の違いに応じて、インキ層の密度を調整することは困難
である。上述した欠点によりこの公知の印刷機は、多数
の印刷部を有する最近の印刷機には、例えば10色刷り印
刷機には適用できない。

更にこの印刷機は両面刷りができないという欠点を有
する。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の目的は、印刷の質を高め、枚葉紙の案内を簡
単化し、これによって印刷出力を増大し、画像搬送原理
に基づく印刷機の応用分野を広げることにある。

本発明の課題は、インキ隙間個所が少数であり、多数
の印刷部が装備でき、両面刷りが行えるような画像搬送
原理に基づく印刷機を作ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明によればこの課題は、被印刷材供給装置、被印
刷材搬送装置、被印刷材搬出装置、インキ装置と湿し装
置とを持つ少なくとも一つの版胴、被印刷材搬送装置お
よび版胴に接触している少なくとも一つの印刷画像伝達
要素を有している両面刷り用の印刷機において、被印刷
材搬送装置が、被印刷材供給装置と共働する中央圧胴お
よびこの中央圧胴に後置され被印刷材排出装置に前置さ
れ裏面刷り装置の一部を形成し且つ少なくとも一つの裏
面刷り圧胴を有する円胴系（27）として構成され、各版
胴に対向圧胴が付属され、印刷画像伝達要素が、複数の
版胴と複数の対向圧胴との間の印刷領域を通して導かれ
中央圧胴に接触する無端ベルト状の印刷画像集合要素と
して形成されていることによって達成できる。

中央圧胴は、少なくとも一つのくわえ爪装置を持った
枚葉紙案内中央圧胴として形成されている。円胴系は、
ウエッブ（連続紙）裏刷り圧胴から成っているか、少な
くとも一つのくわえ爪装置を持った枚葉紙裏刷り圧胴お
よび少なくとも一つのくわえ爪装置を持った渡し胴から
成っているか、枚葉紙反転胴あるいは搬送胴として選択
的に形成された二つの渡し胴から成っているか、あるい
は枚葉紙反転胴あるいは搬送胴として選択的に形成され
た四つの渡し胴から成っている。

裏刷り装置は、インキ装置と湿し装置とを持つ版胴お
よびこの版胴と円胴系とに接触するオフセット胴から成
る印刷ユニットとして形成されているか、あるいはイン
キ装置と湿し装置とを持つ少なくとも一つの版胴および
対向圧胴を有し円胴系に接触するもう一つの印刷画像集
合要素として形成されている。

その場合、インキ装置と湿し装置とを持つ少なくとも
一つの版胴は、印刷画像集合要素の上側ラインの上側に
配置されているか、インキ装置と湿し装置とを持つ少な
くとも一つの版胴は、印刷画像集合要素の下側ラインの
下側に配置されている。印刷画像集合要素は無端オフセ
ット印刷クロスとして形成されているか、少なくとも一
つのオフセット印刷クロス片が印刷画像集合要素に固く
接続されているか、あるいは印刷画像集合要素は、オフ
セット印刷クロス片に対する少なくとも一つのくわえ爪
装置を有している。

〔実施例〕

以下図面に示した実施例を参照して本発明を詳細に説
明する。

枚葉紙印刷機としての本発明に基づく印刷機は、枚葉
紙案内系と印刷画像案内系とから成っている。

第１図において枚葉紙案内系は、給紙機１と紙差し板
２と紙渡し機３、例えば前方くわえ爪とを有する被印刷
材供給装置、紙渡し機３に後置され枚葉紙案内中央圧胴
4.1として形成された被印刷材搬送装置、および排紙機
５として形成された被印刷材排出装置から構成されてい
る。

紙案内中央圧胴4.1と排紙機５との間に円胴系27が挿
入配置されている。この円胴系27は裏面刷り装置28の一
部である。円胴系27は裏面刷り圧胴29.1を有する（第１
図参照）か、裏面刷り圧胴29.1と渡し胴30を有する（第
２図および第３図参照）か、紙反転胴あるいは搬送胴と
して選択的に駆動される二つの円胴を有する（第４図参
照、ドイツ民主共和国特許第54703号公報記載のプラネ
タ方式）か、あるいは紙反転胴あるいは搬送胴として選
択的に駆動される四つの円胴を有している（第５図参
照、ドイツ連邦共和国特許第1107246号公報記載のミラ
ー方式）。

プラネタ方式における両面刷りの場合、第１の紙反転
胴は紙反転胴31として作用し、第２の紙反転胴は裏面刷
り圧胴29.1として作用する。その場合枚葉紙の反転は、
紙案内中央圧胴4.1と第１の紙反転胴31との間で、ある
いは第１の紙反転胴31と裏面刷り圧胴29.1との間で公知
のようにして行われる。一面刷りの場合、紙の反転は行
われず、円胴系27は搬送胴32だけで構成される。二つの
紙反転胴29.1,31は円胴系を公知のようにして転換する
ことによって搬送胴32としても利用できる。

ミラー方式における両面刷りの場合、第１、第２およ
び第３の紙反転胴31,33,34が紙反転胴として作用し、第
４の紙反転胴が裏面刷り圧胴29.1として作用する。紙の
反転は第２の紙反転胴33と第３の紙反転胴34との間で行
われる。一面刷りの場合、紙の反転は行われず、円胴系
27は搬送胴32だけで構成される。四つの紙反転胴は円胴
系の転換によって搬送胴32として利用できる。

紙案内中央圧胴4.1、裏面刷り圧胴29.1、渡し胴30、
紙反転胴31,33,34および搬送胴32はそれぞれ二つのくわ
え爪装置６を有しており、その場合くわえ爪装置６の数
は増加あるいは低減できる。

ウエッブ印刷機としての本発明に基づく印刷機は、ウ
エッブ案内系と印刷画像案内系とから成っている。

第６図においてウエッブ案内系は、ウエッブ供給ロー
ラ23付の巻取機を持った被印刷材供給装置、ウエッブ中
央圧胴4.2、およびウエッブ排紙ローラ25付の巻取機24
として形成された被印刷材排出装置から構成されてい
る。ウエッブ中央圧胴4.2にウエッブ案内裏刷り圧胴29.
2が後置されている。印刷画像案内系は一方では、二つ
の案内ローラ８を介して案内された無端ベルトとして形
成され、中央圧胴４に接触している印刷画像集合要素７
から成っている。印刷画像案内系は他方では少なくとも
一つの印刷部から成っている。この印刷部はインキ装置
10と湿し装置11とを持った版胴９および対向圧胴12から
成っている。印刷画像集合要素７の上側ライン13は、版
胴９と対向圧胴12との間の接触領域を通過している（第
１図、第４図および第５図参照）。

第２図における実施例の場合、第１の印刷部は印刷画
像集合要素７の上側ライン13に接触し、第２の印刷部は
印刷画像集合要素７の下側ライン14に接触している。第
３図における実施例の場合、印刷部はインキ装置10と湿
し装置11とを持つ版胴９および印刷画像集合要素７の下
側ライン14に接触している対向圧胴12から構成されてい
る。第６図における実施例の場合、ウエッブ案内中央圧
胴4.2に印刷画像集合要素７が付属されている。中央圧
胴４には少なくとも一つの乾燥装置15が作用し、印刷画
像集合要素７には少なくとも一つの洗浄装置16および塊
除去装置17が作用する（第２図参照）。

印刷画像集合要素７は無端オフセット印刷クロス18と
して形成されている（第１図参照）か、印刷画像集合要
素７に少なくとも一つのオフセット印刷クロス片19が接
続され、その際に印刷画像集合要素７に複数のオフセッ
ト印刷クロス片19が接続されている場合、印刷画像集合
要素７には、中央圧胴4.1のくわえ爪装置６に適合する
間隙部が設けられている（第２図参照）。間隙部を設け
たことによって、くわえ爪装置６が、オフセット印刷ク
ロス片19を磨耗させたり、引っ掻いたりすることが防止
される。印刷画像集合要素７は、前縁、前縁と後縁、お
よび又は側縁でくわえ爪装置20で案内される少なくとも
一つのオフセット印刷クロス片19からも構成できる（第
３図参照）。裏刷り圧胴29には裏刷り装置28が付属され
ている。裏刷り装置28は印刷ユニット28.1あるいはもう
一つの印刷画像集合要素28.2から成っている。印刷ユニ
ット28.1はオフセット胴26およびインキ装置10と湿し装
置11とを持つ版胴９から構成されている。印刷画像集合
要素28.2は印刷画像集合要素７に類似して形成されてい
る。

次に本発明に基づく枚葉紙印刷機の作用について説明
する。

給紙機１から取り出された枚葉紙は紙差し板２および
紙渡し機３を介して中央圧胴4.1に導かれる。印刷後に
枚葉紙に付けられたインキは乾燥装置15によって乾燥さ
れる。印刷画像集合要素７は第１の印刷部の版胴９と対
向圧胴12との間の印刷領域を通過し、第１のインキで印
刷画像を受け取る。

印刷部の数に応じて同じようにして別のインキが塗ら
れる。集合インキ画像は中央圧胴４と印刷画像集合要素
７との間の印刷領域を通過する際に枚葉紙に伝達され
る。

枚葉紙が裏刷り圧胴29.1に渡された後、それ自体公知
の印刷ユニット28.1の形をした裏刷り装置28、あるいは
もう一つの印刷画像集合要素28.2により、枚葉紙の裏面
の印刷が行われる。その後枚葉紙は排紙機５に導かれ
る。ウエッブの印刷は同じように行われる。

本発明に基づく装置の利点は、両面刷りの場合におけ
る枚葉紙の案内が単純であること、およびインキ隙間個
所が少なくて二重刷りなしに印刷できることである。

【図面の簡単な説明】

第１図は印刷ユニットを有する選択的に一面刷りおよび
裏面刷りするための枚葉紙印刷機の概略構成図、第２図
は印刷画像集合要素を有する選択的に一面刷りおよび裏
面刷りするための枚葉紙印刷機の概略構成図、第３図は
印刷ユニットおよび渡し胴を有する選択的に一面刷りお
よび裏面刷りするための枚葉紙印刷機の概略構成図、第
４図はプラネタ式枚葉紙渡し装置を持った選択的に一面
刷りおよび裏面刷りするための枚葉紙印刷機の概略構成
図、第５図はミラー式枚葉紙渡し装置を持った選択的に
一面刷りおよび裏面刷りするための枚葉紙印刷機の概略
構成図、第６図は両面刷り用のウエッブ印刷機の概略構
成図である。 １……給紙機、２……紙差し板、３……枚葉紙渡し機、
４……中央圧胴、4.1……枚葉紙供給中央圧胴、4.2……
ウエッブ供給中央圧胴、５……排紙機、６……くわえ爪
装置、７……印刷画像集合要素、８……案内ローラ、９
……版胴、10……インキ装置、11……湿し装置、12……
対向圧胴、13……印刷画像集合要素の上側ライン、14…
…印刷画像集合要素の下側ライン、15……乾燥装置、16
……洗浄装置、17……塊除去装置、18……無端オフセッ
ト印刷クロス、19……オフセット印刷クロス片、20……
くわえ爪装置、23……ウエッブ供給ローラ、24……巻取
機、25……ウエッブ排紙ローラ、26……オフセット胴、
27……円胴系、28……裏面刷り装置、28.1……印刷ユニ
ット、28.2……印刷画像集合要素、29……裏面刷り圧
胴、29.1……枚葉紙裏面刷り圧胴、29.2……ウエッブ裏
面刷り圧胴、30……渡し胴、31……第１の用紙反転胴、
32……搬送胴、33……第２の枚葉紙反転胴、34……第３
の枚葉紙反転胴。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B41F 7/02 - 7/14 B41F 13/08

Claims (16)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被印刷材供給装置、被印刷材搬送装置、被
   印刷材搬出装置、インキ装置と湿し装置とを持つ少なく
   とも一つの版胴、被印刷材搬送装置および版胴に接触し
   ている少なくとも一つの印刷画像伝達要素を有している
   両面刷り用の印刷機において、被印刷材搬送装置が、被
   印刷材供給装置と共働する中央圧胴（４）およびこの中
   央圧胴（４）に後置され被印刷材排出装置に前置され裏
   面刷り装置（28）の一部を形成し且つ少なくとも一つの
   裏面刷り圧胴（29）を有する円胴系（27）として構成さ
   れ、各版胴（９）に対向圧胴（12）が付属され、印刷画
   像伝達要素が、複数の版胴（９）と複数の対向圧胴（1
   2）との間の印刷領域を通して導かれ中央圧胴（４）に
   接触する無端ベルト状の印刷画像集合要素（７）として
   形成されていることを特徴とする両面刷り用の印刷機。
2. 【請求項２】中央圧胴（４）が、少なくとも一つのくわ
   え爪装置（６）を持った枚葉紙案内中央圧胴（4.1）と
   して形成されていることを特徴とする請求項１記載の印
   刷機。
3. 【請求項３】中央圧胴（４）が、ウエッブ案内中央圧胴
   （4.2）として形成されていることを特徴とする請求項
   １記載の印刷機。
4. 【請求項４】円胴系（24）が、ウエッブ裏刷り圧胴（2
   9.2）から成っていることを特徴とする請求項１記載の
   印刷機。
5. 【請求項５】円胴系（27）が、少なくとも一つのくわえ
   爪装置（６）を持った少なくとも一つの枚葉紙裏刷り圧
   胴（29.1）から成っていることを特徴とする請求項１記
   載の印刷機。
6. 【請求項６】円胴系（27）が少なくとも一つのくわえ爪
   装置（６）を持った枚葉紙裏刷り圧胴（29.1）および少
   なくとも一つのくわえ爪装置（６）を持った渡し胴（3
   0）から成っていることを特徴とする請求項１記載の印
   刷機。
7. 【請求項７】円胴系（27）が、枚葉紙反転胴（29.1,3
   1）あるいは搬送胴（32）として選択的に形成された二
   つの渡し胴から成っていることを特徴とする請求項１記
   載の印刷機。
8. 【請求項８】円胴系（27）が、枚葉紙反転胴（29.1,31,
   33,34）あるいは搬送胴（32）として選択的に形成され
   た四つの渡し胴から成っていることを特徴とする請求項
   １記載の印刷機。
9. 【請求項９】裏刷り装置（28）が、インキ装置（10）と
   湿し装置（11）とを持つ版胴（９）およびこの版胴
   （９）と円胴系（27）とに接触するオフセット胴（26）
   から成る印刷ユニット（28.1）として形成されているこ
   とを特徴とする請求項１記載の印刷機。
10. 【請求項１０】裏刷り装置（28）が、インキ装置（10）
    と湿し装置（11）とを持つ少なくとも一つの版胴（９）
    および対向圧胴（12）を有し円胴系（27）に接触するも
    う一つの印刷画像集合要素（28.2）として形成されてい
    ることを特徴とする請求項１記載の印刷機。
11. 【請求項１１】インキ装置（10）と湿し装置（11）とを
    持つ少なくとも一つの版胴（９）が、印刷画像集合要素
    （７）の上側ライン（13）の上側に配置されていること
    を特徴とする請求項１記載の印刷機。
12. 【請求項１２】インキ装置（10）と湿し装置（11）とを
    持つ少なくとも一つの版胴（９）が、印刷画像集合要素
    （７）の下側ライン（14）の下側に配置されていること
    を特徴とする請求項１記載の印刷機。
13. 【請求項１３】インキ装置（10）と湿し装置（11）とを
    持つ少なくとも一つの版胴（９）が、印刷画像集合要素
    （７）の上側ライン（13）の上側に配置され、インキ装
    置（10）と湿し装置（11）とを持つ少なくとも一つの版
    胴（９）が、印刷画像集合要素（７）の下側ライン（1
    4）の下側に配置されていることを特徴とする請求項１
    記載の印刷機。
14. 【請求項１４】印刷画像集合要素（7,28.2）が無端オフ
    セット印刷クロス（18）として形成されていることを特
    徴とする請求項１記載の印刷機。
15. 【請求項１５】少なくとも一つのオフセット印刷クロス
    片（19）が印刷画像集合要素（7,28.2）に固く接続され
    ていることを特徴とする請求項１記載の印刷機。
16. 【請求項１６】印刷画像集合要素（7,28.2）が、オフセ
    ット印刷クロス片（19）に対する少なくとも一つのくわ
    え爪装置（20）を有していることを特徴とする請求項１
    記載の印刷機。