JP2832176B2 - 円筒形状部材の支持構造及び支持構造を備えた電磁弁 - Google Patents

円筒形状部材の支持構造及び支持構造を備えた電磁弁

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JP2832176B2
JP2832176B2 JP4656196A JP4656196A JP2832176B2 JP 2832176 B2 JP2832176 B2 JP 2832176B2 JP 4656196 A JP4656196 A JP 4656196A JP 4656196 A JP4656196 A JP 4656196A JP 2832176 B2 JP2832176 B2 JP 2832176B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面が弾性材から
なる円筒形状部材の支持構造に関し、更に流体の影響を
受けて膨潤する弁体を支持する支持構造を備えた電磁弁
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から流体制御には、ソレノイドと固
定鉄心とによって発生する磁力吸引作用で可動鉄心を吸
着し、この可動鉄心の吸着移動によって弁部を連動開閉
させる電磁弁が利用されてきている。図7は、そのよう
な電磁弁の第1従来例を示した断面図である。電磁弁5
1は、大きく分けて上半分のソレノイド部30と下半分
の弁部40とにより構成されている。このソレノイド部
30と弁部40とは、ソレノイド部30の下方に延設さ
れたガイドパイプ34と弁部40を構成するボディ41
とが、ロックナット50によっ上下一体に固定されてい
る。
【0003】このソレノイド部30は、中空円筒形状の
コイルボビン31の胴部に銅線が巻かれたコイル32を
有し、その外周を囲むように磁気枠33が形成されてい
る。そのコイルボビン31の円筒内には、上述したよう
にロックナット50を介してボディ41に一体に固定す
べく、下端フランジ部を有する中空円筒形状のガイドパ
イプ34が挿入固定されている。このコイルボビン31
及びガイドパイプ34からなる中空部には、その上方か
ら固定鉄心35がコイル32のほぼ中央付近まで挿入さ
れ固定されている。一方、下方からは、可動鉄心36が
ガイドパイプ34内を上下方向に摺動可能に嵌挿保持さ
れている。そして、ソレノイド部30の外周面は、樹脂
によって形成されたカバー37により全体が一体化する
ようにモールド固定されている。
【0004】次に、弁部40は、電磁弁51のボディ4
1内に流体を流入させる入力ポート42、ボディ41内
の流体を吐出する出力ポート43が形成され、そのボデ
ィ41内には入力ポート42と出力ポート43とを連通
する弁孔が形成された弁座44とが設けられている。こ
の弁座44は、固定鉄心35及び可動鉄心36と同軸上
に形成されている。そして、ボディ41には、弁座44
を囲むように突設された円筒形の固定部41aが上方に
開口して形成され、その固定部41aの側面に切られた
ネジにガイドパイプ34を介してロックナット50が螺
設され、電磁弁51が構成されている。
【0005】また、弁部40には、ボディ41内に流入
した流体の流れを制御すべく、弁体45が、弁座44に
当接する位置に配設されている。この弁体45は、合成
ゴム等によって成形され、可動鉄心36の下端部に挟持
されている。そして、その可動鉄心36下端のフランジ
部には、ガイドパイプ34との間に嵌装された復帰バネ
46が当接し、この付勢力によって弁体45が弁座44
に当接されている。ところで、弁体45は、可動鉄心3
6下端面に形成された嵌合穴36a内に挟持されてい
る。この嵌合穴36aは、挿入される弁体45よりも大
きい容積で形成され、図に示すように隙間が生じるよう
に形成されている。また、この嵌合穴36aには、可撓
鉄心36側部に貫通した空気抜孔36bが形成されてい
る。
【0006】そして、このような構成による電磁弁51
は、図に示す閉弁状態からコイル32に電流が流される
と、固定鉄心35の上下方向に磁界が発生し、固定鉄心
35は電磁石となって可動鉄心36を吸引する。この吸
引力は、復帰バネ46のバネ力よりも強いので、可動鉄
心36は、固定鉄心35に当接する位置まで上昇するこ
ととなる。これによって、弁体45が弁座44から離れ
るので、その弁座44の弁孔が連通し流入ポート42か
ら流出ポート43へ流体が流れる。一方、電磁弁51へ
の通電を止めると、コイル32に電流が流されなくな
り、固定鉄心35に吸着されていた可動鉄心36は復帰
バネ46により下向きに付勢される。そして、可動鉄心
36の下降に伴ってその先端に設けられた弁体45も下
降し、その弁体45が弁座44に当接することにより、
流入ポート42から流出ポート43へ向けて流れていた
流体はその流れが遮断される。
【0007】ところで、このような電磁弁51を有機溶
剤等の合成ゴムを膨潤させる流体(例えばフロンガス
等)の制御に使用すると、合成ゴム(例えば、クロロプ
レンゴム等)によって形成された弁体45が流体の影響
を受けて膨潤することとなる。膨潤した弁体45は、図
8に示すように可動鉄心36に形成された嵌合穴36a
の形状に合わせて隙間を埋めるように徐々に膨張し、比
較的早期に飽和状態に達する。ところが、弁体45が膨
潤すると、本来可動鉄心36下端面にほぼ面一に嵌合さ
れていた弁体45が、図示の如く可動鉄心36下端面か
ら下方に盛り上がってしまう。これは、弁体45が電磁
弁51の作動時にずれてしまわないように、ある程度強
固に挟持する必要から、嵌合穴36aとの隙間をあまり
大きくとることができないためである。
【0008】しかし、このように弁体45が膨潤して下
方へ盛り上がってしまったのでは、弁体45のストロー
クに大きな影響を与えることとなる。例えば、実際に測
定したところでは、本来弁体45のストローク自体が
0.4mm程度と短いのに対し、膨潤によって弁体45
が可動鉄心36下面位置から1.2mm程度下方へ膨張
する結果を得た。そのため、このように弁体45のスト
ロークが短くなることによって、開弁時の開口面積が大
幅に減少して流量不足あるいは吐出不能が生じる等、適
切な流量制御が不可能となるといった問題を引き起こす
こととなった。
【0009】そこで、第2従来例として、上記電磁弁5
1の可動鉄心36に換えて、弁体の膨潤を考慮した構成
の可動鉄心を有するものが採用されている。図9は、か
かる可動鉄心を示した断面図である。可動鉄心61は、
その下端に弁体62を挿入し、更にその弁体62を上方
から付勢するスプリング65を同時に挿入するための挿
入孔63が下方に開口して形成されている。弁体62
は、第1従来例と同様クロロプレンゴム等の合成ゴムに
よって形成されたものである。また、弁体62下面に
は、挿入孔63の開口部に固定されたストッパ64が円
周部に沿って当接し、スプリング65によって下方へ付
勢される弁体62上面には弁体押え66が固着されてい
る。
【0010】そして、このような構成の可動鉄心61を
用いた第2従来例の電磁弁では、同様に弁体を膨潤させ
る性質のフロンガス等を使用すると、図10に示すよう
になる。即ち、膨潤した弁体62は、下方は可動鉄心6
1に固定されたストッパ64によって支持されて制限さ
れているため、スプリング65の付勢力に抗して上方に
膨張することとなる。従って、弁体62のストロークは
一定に保たれ、流体の流量も適正量の流れが確保される
こととなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このよな膨潤
を考慮した第2従来例の電磁弁には、次のような問題点
があた。第2従来例の電磁弁は、可動鉄心61の挿入孔
63内にスプリング65を嵌挿し弁体62を上方から付
勢することによって、閉弁時には弁体62を弁座へ押圧
させるとともに、流体の影響によって膨潤した場合には
スプリング65自体が圧縮されることによって弁体62
のストロークを一定に保っている。ところが、弁体62
が膨潤する場合は上下方向のみならず径方向へも膨張し
て体積を広げることとなるが、第2従来例の電磁弁で
は、弁体62と挿入孔63壁面との間に隙間を設けてフ
リーな状態としているため、弁体62が膨潤する際に心
ズレが生じるおそれがある。これは、弁の開閉が繰り返
し行なわれると、弁座44と当接する弁体62の当接面
にシール跡が形成され、そのシール跡が弁座44と交差
することによって、弁体62と弁座44とが気密に当接
せず流体の漏れを発生させる原因となる。従って、弁体
の膨潤には弁体のストロークの他に心ズレをも考慮する
必要がある。
【0012】そこで、本発明は、流体の影響を受けて弁
体が膨潤しても、弁体と弁座との距離を安定させ、若し
くは、弁体の心ズレを防止した電磁弁を提供すること、
また簡易な構成の円筒形状部材の支持構造を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の円筒形状部材の
支持構造は、開口面積の広い取付部を貫通して遊嵌され
た表面が弾性材からなる円筒形状部材を、当該取付部に
嵌挿支持するものであって、弾性を有する線材を正多角
形に折り曲げた支持手段と、前記取付部にあって、前記
支持手段の各頂部に対して上下方向の移動を制限するよ
うに当接する位置に形成された係合手段とを有し、前記
支持手段の各頂部が前記係合手段に当接して係設され、
当該支持手段の各辺が前記円筒形状部材の円筒側面に圧
接支持することにより、当該円筒形状部材が前記取付部
に対して嵌挿支持することを特徴とする。また、本発明
の円筒形状部材の支持構造は、前記支持手段が、弾性を
有する線材を正多角形に折り曲げたものであり、前記係
合手段が、前記円筒形状部材より径の大きい円筒孔をな
した前記取付部の内周面に形成された円周溝であること
が望ましい。
【0014】本発明の電磁弁は、導電性コイルの巻回さ
れるソレノイド部に固定的に設けられた固定鉄心と、ソ
レノイド部への通電により固定鉄心に発生される電磁力
により固定鉄心側に吸引される可動鉄心とを備え、固定
鉄心に吸引される可動鉄心の下端部に挟持された弁体
が、弁本体に形成された弁座に当接及び離間することに
よって弁の開閉動作を行うものであって、前記可動鉄心
が、下方に開口した挿入孔を備え、前記弁体が、当該可
動鉄心の挿入孔内において、上方から付勢部材によって
開口部に形成された支持部に押圧される一方、側部には
当該挿入孔内壁面との間に所定の隙間を設けて配設され
たものであって、前記弁体と前記挿入孔内壁面とに当接
して係設された弾性部材からなる弁体位置決手段を有す
ることを特徴とする。
【0015】また、本発明の電磁弁は、前記弁体位置決
手段が、弾性を有する線材を正多角形に折り曲げ、各辺
で前記弁体側面に当接し、各頂部で前記挿入孔内壁面に
当接するよう形成されたものであることが望ましい。ま
た、本発明の電磁弁は、前記弁体位置決手段が、ステン
レス性の針金を正四角形に折り曲げたものであることが
望ましい。
【0016】上記構成を有する本発明の円筒形状部材の
支持構造は、正多角形の支持手段の各頂部が前記係合手
段に当接して係設し、当該支持手段の各辺が前記円筒形
状部材の円筒側面に圧接支持することにより、当該円筒
形状部材が前記取付部に対して嵌挿支持するようにした
ので、取付部に対して支持手段の取り付け及びその支持
手段への円筒形状部材の取り付けが容易に行なうことが
でき、また、支持構造を部品点数の少ない簡易なものと
することができた。また、本発明の円筒形状部材の支持
構造は、前記支持手段を弾性を有する線材を正多角形に
折り曲げたもので極めて簡易に形成することができ、円
周溝からなる係合手段に対して当該支持手段の各頂部を
はめ込むように取り付ければよいので極めて簡単にその
組付けができることとなった。
【0017】上記構成を有する本発明の電磁弁は、通電
時には導電性コイルの巻回されるソレノイド部に設けら
れた固定鉄心に電磁力が発生することにより、可動鉄心
がその固定鉄心に吸引される一方、非通電時には固定鉄
心の電磁力が解かれ可動鉄心が開放され下降する、その
可動鉄心の固定鉄心への吸着および非吸着の動きに連動
して可動鉄心の端部に挟持された弁体が弁本体に形成さ
れた弁座に当接及び離間することによって弁の開閉動作
を行う。また、本発明の電磁弁では、制御する流体の影
響を受けて弁体が膨潤することがあるが、弁体の軸方向
への寸法変化に対しては、当該弁体を挿入孔開口部に形
成された支持部に押圧する付勢部材が縮むことによって
弁体と弁座との距離を一定に保ち、弁体の径方向への寸
法変化に対しては、当該弁体と挿入孔内壁面との隙間に
配設された弁体位置決手段が、弁体を支持しながら弁体
の膨潤に従って変形することによって弁座に対して弁体
の中心を保つため、繰り返し行なわれる弁の開閉動作に
おいて、弁体と弁座間のストローク及び弁体が弁座に当
接するシール部分が安定したものとなる。
【0018】また、本発明の電磁弁は、制御する流体の
影響によって弁体が膨潤する場合でも、前記弁体位置決
手段が、正多角形に折り曲げられた弾性を有する線材
が、膨潤する弁体に対して弁体側面に当接する各辺で支
持する一方、変形のない前記挿入孔内壁面には各頂部で
当接し、膨潤する弁体が支持されながら変形するため、
弁座に対する弁体の中心を保ち、弁体が弁座に当接する
シール部分が安定したものとなる。また、本発明の電磁
弁は、ステンレス性の針金を正四角形に折り曲げて形成
した弁体位置決手段が、膨潤する弁体に対して弁体側面
に当接する4辺で支持する一方、変形のない前記挿入孔
内壁面に4点で当接して支持され、膨潤する弁体が支持
されながら変形するため、弁座に対する弁体の中心を保
ち、弁体が弁座に当接するシール部分が安定したものと
なる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる電磁弁の具
体例を図面を参照して説明する。なお、本発明は、弁体
を挟持した可動鉄心部に特徴を有し、他の構成について
は上述した第1従来例のもの(図7)と共通するため、
特徴的な構成についてのみ示し、その他の構成について
の詳細は割愛する。そこで、図1は、本実施の形態の電
磁弁における弁体を挟持した可動鉄心を示した断面図で
ある。また、図2は、その弁体が膨潤した際の可動鉄心
を示した断面図である。本実施の形態の電磁弁の可動鉄
心1には、下端面に開口した挿入孔2が形成されてい
る。その挿入孔2は、弁体3の配設される開口部が広
く、そして上方に狭くなるように段差をつけて形成され
ている。そして、挿入孔2の開口端部には、弁体3の円
周部を下端で支持するホルダ4が挿入孔2内に圧入固定
されている。
【0020】弁体3は、このホルダ4の内側に張り出し
た支持部4aに載せられ、挿入孔2内に嵌挿されたコイ
ルスプリング5によって上方から付勢され、その支持部
4aに押し付けられるようにして上下方向の位置決めが
なされている。一方、弁体3は、その円周部に取り付け
られたガイドスプリング6によって、径方向即ち中心が
位置決めされている。ここで、図3は、図1のA−A断
面を示した図である。また、図5はガイドスプリングを
示した斜視図である。ガイドスプリング6は、0.3m
m径のステンレス性の針金を用いて、図5に示すような
正四角形のリングが形成されたものである。その際、針
金を何重にも巻くわけではなく、2辺の一部が重なる程
度である。また、コイルスプリング5の一辺の長さは弁
体3円柱部の直径と同寸法である。
【0021】そして、弁体3の胴部にガイドスプリング
6がはめ込まれた状態で挿入孔2内の嵌装される。この
とき、ガイドスプリング6は、4辺の各中央部分で弁体
3の胴部に圧接して支持する。一方、ホルダ4の内面に
円周方向に形成された円周溝4bの直径がガイドスプリ
ング6の対角線の寸法と同一に設計されている。そのた
め、図3に示すようにガイドスプリング6の各頂部がホ
ルダ4の円周溝4b内に入り込むように取り付けられる
と、円周溝4bにガイドスプリング6自体が4点で支持
される。このようにして、弁体3はガイドスプリング6
によって支持され、径方向への動きが規制されて中心が
位置決めされている。
【0022】このような構成によって弁体3が挟持され
た可動鉄心1を有する電磁弁では、上述した第1従来例
の電磁弁と同様に作用し、弁体3と弁座との当接、離間
によって弁の開閉が行なわれる。そして、有機溶剤等の
合成ゴムを膨潤させる流体(例えばフロンガス等)を使
用した場合には、クロロプレンゴム等の合成ゴムによっ
て形成された弁体3が膨潤し、比較的早期に飽和状態と
なる。その状態が図2によって示されている。また、図
4は、図2のB−B断面図である。本実施の形態の電磁
弁では、上述した構成によって弁体3が挿入孔2内で膨
潤すると、弁体3は、コイルスプリング5によって上方
から付勢される一方、下端面がホルダ4の支持部4aに
当接して支持されているため、弁体3の軸方向の変化
は、下端面の高さを変えることなく上面に当接するコイ
ルスプリング5を圧縮するように上方へ膨張する。
【0023】そして、膨潤する弁体3の径方向の変化
は、その弁体3が外側へ広がるように膨張すると、当接
した各辺を外側に押し広げる力がそのガイドスプリング
6へかかる。その際、ガイドスプリング6が元の形状を
維持しようとするのに反して、弁体3の膨張が図4に示
すように外側へ押し広げるため、ガイドスプリング6の
弾性力が、弁体3の中心を可動鉄心1の軸線上からずれ
ないように支持するよう中心方向に働くこととなる。即
ち、可動鉄心1の中心軸は弁座の中心に重ねられて形成
されているため、弁体3の中心は弁座の中心に重ねられ
た状態を維持しながら径方向へ膨張することとなる。
【0024】そこで、本実施の形態の電磁弁によれば、
次のような効果を奏する。先ず、弁体3をコイルスプリ
ング5によって上方から付勢する一方、弁体3の下端面
をホルダ4で支持するようにしたため、膨潤によって弁
体3が軸方向へ膨張しても弁体3の下端面の高さを変化
させることなく上方へ変化する。従って、弁体3が膨潤
しても、その弁体3と弁座との距離は常に一定を保ち、
安定した流量制御が可能な電磁弁の提供が可能となっ
た。また、ガイドスプリング6によって弁体3を支持す
るようにしたため、弁体3が膨潤によって径方向へ変化
しても、常に弁体3を中心方向に付勢するよう支持する
ため、弁体3の中心は弁座44の中心と重なるようにな
った。したがって、繰り返し行なわれた開閉によって生
じる弁体3下面のシール跡が弁座と交差するようなこと
はなく、弁体3が常に安定した状態で弁座へ当接し、信
頼性の高い電磁弁の提供が可能となった。また、本実施
の形態のガイドスプリング6は、針金を四角形に折り曲
げることによってのみ構成され、膨潤する弁体3の位置
決めという効果を簡易に、かつ安価に達成することがで
きた。
【0025】ところで、従来から弾性材からなる円筒形
状部材を支持する支持構造が種々存在する。しかし、そ
れらはいずれも構造が複雑であり、支持構造自体の組み
立ても容易でない場合が数多く見られる。かかる点を考
慮すると、上記実施の形態で示したガイドスプリング6
及びホルダ4に形成された円周溝4bは、弾性材からな
る円筒形状部材の支持構造を構成するものであり、その
構成は極めて簡易であり、組み立て工程も容易なもので
ある。即ち、図6に具体的な支持構造の構成を示してみ
ると、例えば、所定寸法のケーブル21等を支持するの
に、四角形のガイドスプリング22の各辺でケーブル2
1表面に圧接し、そして円筒孔を有する取付部23に形
成された円周溝24にガイドスプリング22の頂部を取
り付けて支持する。このとき、ケーブル21表面にはガ
イドスプリング22に対応する断面がU字形の溝を形成
しておくのもよい。従って、このような構成からなる円
筒形状部材の支持構造によれば、その構成が極めて簡易
であり、また、その組み付け工程も非常に容易なものと
なった。
【0026】なお、本発明は、上記実施の形態のものに
限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で
様々な変更が可能である。例えば、上記実施の形態で
は、弁体位置決手段に針金を折り曲げたガイドスプリン
グ6を採用したが、それ他に微小な円筒形状のスプリン
グをリング状に円環を形成したものを弁体3の胴部に巻
いたものや、複数の板バネによって弁体3を押圧支持す
るようなものであってもよい。また、例えば、上記実施
の形態では、ガイドスプリング6を正四角形に構成した
が、正三角形、正五角形、更にそれ以上の多角形でもよ
い。また、円筒形状部材の支持構造は、電磁弁の弁体を
支持するような寸法の小さなものだけでなく、それ以上
の径をもつものでもよい。その際、ガイドスプリング6
もステンレス性の針金ではなく、更に強度の高い材質で
あって径の大きいものが使用される。
【0027】
【発明の効果】本発明は、正多角形の支持手段の各頂部
が係合手段に当接して係設し、支持手段の各辺が円筒形
状部材の円筒側面に圧接支持することにより、円筒形状
部材が取付部に対して嵌挿支持するようにしたので、取
付部に対して支持手段の取り付け及びその支持手段への
円筒形状部材の取り付けが容易に行なうことができ、ま
た、支持構造を部品点数の少ない簡易なものとすること
ができた。本発明は、ソレノイドへの通電によって固定
鉄心に吸引される可動鉄心が下方に開口した挿入孔を備
えたものであって、弁体が、その可動鉄心の挿入孔内に
おいて、上方から付勢部材によって開口部に形成された
支持部に押圧される一方、側部には当該挿入孔内壁面と
の間に所定の隙間を設けて配設されたものであって、弁
体と挿入孔内壁面とに当接して係設された弾性部材から
なる弁体位置決手段を有するので、流体の影響を受けて
弁体が膨潤しても、弁体と弁座との距離を安定させ、ま
た、弁体の心ズレを防止した電磁弁を提供することが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電磁弁の一実施の形態における
弁体を挟持した可動鉄心を示した断面図である。
【図2】電磁弁の一実施の形態における膨潤した弁体を
挟持した可動鉄心を示した断面図である。
【図3】可動鉄心及び弁体を示した断面図である。
【図4】可動鉄心及び膨潤した弁体を示した断面図であ
る。
【図5】ガイドスプリングを示した斜視図である。
【図6】円筒形状部材の支持構造を示した図である。
【図7】第1従来例の電磁弁を示した断面図である。
【図8】第1従来例の電磁弁における膨潤した弁体を挟
持した可動鉄心を示した断面図である。
【図9】第2従来例の電磁弁における弁体を挟持した可
動鉄心を示した断面図である。
【図10】第2従来例の電磁弁における膨潤した弁体を
挟持した可動鉄心を示した断面図である。
【符号の説明】
1 可動鉄心 2 挿入孔 3 弁体 4 ホルダ 5 コイルスプリング 6 ガイドスプリング

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口面積の広い取付部を貫通して遊嵌さ
    れた表面が弾性材からなる円筒形状部材を、当該取付部
    に嵌挿支持する円筒形状部材の支持構造において、 弾性を有する線材を正多角形に折り曲げた支持手段と、 前記取付部にあって、前記支持手段の各頂部に対して上
    下方向の移動を制限するように当接する位置に形成され
    た係合手段とを有し、 前記支持手段の各頂部が前記係合手段に当接して係設さ
    れ、当該支持手段の各辺が前記円筒形状部材の円筒側面
    に圧接支持することにより、当該円筒形状部材が前記取
    付部に対して嵌挿支持することを特徴とする円筒形状部
    材の支持構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の円筒形状部材の支持構
    造において、 前記支持手段が、弾性を有する線材を正多角形に折り曲
    げたものであり、 前記係合手段が、前記円筒形状部材より径の大きい円筒
    孔をなした前記取付部の内周面に形成された円周溝であ
    ることを特徴とする円筒形状部材の支持構造。
  3. 【請求項3】 導電性コイルの巻回されるソレノイド部
    に固定的に設けられた固定鉄心と、 ソレノイド部への通電により固定鉄心に発生される電磁
    力により固定鉄心側に吸引される可動鉄心とを備え、 固定鉄心に吸引される可動鉄心の下端部に挟持された弁
    体が、弁本体に形成された弁座に当接及び離間すること
    によって弁の開閉動作を行う電磁弁において、前記可動
    鉄心が、下方に開口した挿入孔を備え、 前記弁体が、当該可動鉄心の挿入孔内において、上方か
    ら付勢部材によって開口部に形成された支持部に押圧さ
    れる一方、側部には当該挿入孔内壁面との間に所定の隙
    間を設けて配設されたものであって、 前記弁体と前記挿入孔内壁面とに当接して係設された弾
    性部材からなる弁体位置決手段を有することを特徴とす
    る電磁弁。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電磁弁において、 前記弁体位置決手段が、 弾性を有する線材を正多角形に折り曲げ、各辺で前記弁
    体側面に当接し、各頂部で前記挿入孔内壁面に当接する
    よう形成されたことを特徴とする電磁弁。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の電磁弁において、 前記弁体位置決手段が、 ステンレス性の針金を正四角形に折り曲げたものである
    ことを特徴とする電磁弁。
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