JP2831226B2 - 有機燐化合物の精製方法 - Google Patents

有機燐化合物の精製方法

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JP2831226B2 JP5051806A JP5180693A JP2831226B2 JP 2831226 B2 JP2831226 B2 JP 2831226B2 JP 5051806 A JP5051806 A JP 5051806A JP 5180693 A JP5180693 A JP 5180693A JP 2831226 B2 JP2831226 B2 JP 2831226B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化合物半導体を製造す
るためのエピタキシャル成長用材料として有用な有機燐
化合物の精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、発光ダイオード、半導体レーザ
ー、高速動作トランジスタ(HEMT)などでは化合物
半導体が広く用いられている。化合物半導体の製造にあ
たっては有機金属化学蒸着法(MOCVD Metalorgan
ic Chemical Vapor Deposition)などで結晶をエピタキ
シャル成長させる方法が最近活発に行なわれてきた。こ
うした方法で製造される化合物半導体には例えばIII −
V族化合物半導体などがある。V族側の原料としては燐
を含有するホスフィンが使用される。
【0003】ホスフィンを用いる方法は安全性が問題に
なる。ホスフィンは毒性がある。しかも常温では気体で
あり、化合物半導体の製造にあたっては高圧で使用しな
ければならない。毒性のある気体を高圧にして用いれば
危険を伴う。ホスフィンのそうした危険性を回避する意
味で、近年モノアルキルホスフィンの使用が提案されて
いる。エピタキシャル成長膜は炭素の含入を嫌う。モノ
アルキルホスフィンはエピタキシャル成長膜への炭素の
混入が少なくホスフィンより毒性が低いことから、その
代替材料として注目されている。
【0004】モノアルキルホスフィンの合成方法には、
Z. anorg. allg. Chem. 443, 42(1978). などに記載さ
れているような塩化亜ホスホニルや亜ホスホン酸を還元
する方法がある。あるいは J. Org. Chem. 24, 356(195
9). などに記載されているようなホスフィンとオレフィ
ンとの反応による方法などもある。これらのうちホスフ
ィンとオレフィンとを反応させる方法が最も量産化が容
易である。
【0005】ホスフィンとオレフィンとを反応させてモ
ノアルキルホスフィンを合成するには触媒にスルホン酸
系化合物が用いられる。そのため合成して得られた粗モ
ノアルキルホスフィンは、精製後も通常、微量の硫黄化
合物を含んでいる。そのため粗成物は水系で洗浄され
る。その結果、精製物には水系に含まれていた水その他
にもアルコールなどの酸素含有化合物が不純物として残
ることとなる。水およびその他の酸素含有化合物は残留
していれば微量でも半導体結晶の電気的光学的特性に不
測のトラブルをもたらす。そのため半導体を作る場合、
有機金属化合物は一般に高精密蒸留によって精製され
る。ところがこれまで精密蒸留精製法だけでは、化合物
半導体の製造で要求される高い純度のモノアルキルホス
フィンを十分得ることはできなかった。本発明者が確認
したところでは、例えばゼオライトやモレキュラーシー
ヴなどを応用した吸着法によってもこのような不純物を
十分に除去することはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためなされたもので、エピタキシャル成長用材
料となる有機燐化合物を化合物半導体の原料として一般
に要求される高い純度になるまで安全に精製でき、水お
よびその他の酸素含有化合物を有効に除去できる工業的
に有利な精製方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の有機燐化合物の精製方法は、下記
一般式1で示される有機燐化合物と、アルカリ金属水素
化物またはアルカリ土類金属水素化物とを、接触して不
純物を除去する。 Ra3-a P ・・・・(1) 上記式中でRは炭素数1〜4のアルキル基である。aは
1〜3の整数である。
【0008】この方法は一般式1で示される有機燐化合
物の中でも特にaが1であるモノアルキルホスフィンに
つき、含有されている不純物を除去しようとする場合に
好ましく応用される。その場合のモノアルキルホスフィ
ンとしては例えばモノ-1,1−ジメチルエチルホスフィ
ン、モノ−1-メチルプロピルホスフィン、モノエチルホ
スフィンなどが挙げられる。これらはいずれも化合物半
導体の製造でエピタキシャル成長用材料として使用され
る。その中でも特にモノ-1,1−ジメチルエチルホスフィ
ンに最適である。上記の有機燐化合物は、触媒の除去に
使用された水系の一部にあたる水およびアルコールなど
の酸素含有化合物を不純物としてしばしば微量に含んで
いる場合が多い。
【0009】不純物を含む有機燐化合物と、アルカリ金
属水素化物またはアルカリ土類金属水素化物である金属
水素化物とを接触させる。アルカリ金属水素化物として
は具体的には水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素
化カリウム、水素化ルビジウム、水素化セシウムおよび
水素化アルミニウムリチウムなどが挙げられる。アルカ
リ土類金属水素化物としては具体的には水素化カルシウ
ム、水素化ストロンチウム、水素化バリウムなどが挙げ
られる。
【0010】金属水素化物を用いて有機燐化合物を精製
するには有機燐化合物に金属水素化物を添加して常温も
しくは加熱下で撹拌する。有機燐化合物に金属水素化物
を添加するには、直接行なってもよく有機燐化合物を溶
液状態にしてその中に金属水素化物を添加してもよい。
金属水素化物の添加量は、有機燐化合物100重量部あ
たり1〜10重量部、好ましくは3〜5重量部がよい。
過剰分の金属水素化物の除去は濾過または蒸留によって
有機燐化合物を取り出すとき同時に行なわれる。
【0011】このような方法によると例えばモノ-1,1−
ジメチルエチルホスフィンなどの中から微量不純物を効
率よく除去できる。さらにモノアルキルホスフィン以外
に、ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、トリメ
チルホスフィン、トリエチルホスフィン中からも効率よ
く除去できる。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、エピタキシャル成長用
材料となる有機燐化合物について、精密蒸留でも除去で
きない水および酸素含有化合物からなる微量不純物を、
化合物半導体の原料として一般に要求される高い純度に
まで効果的にしかも安全に簡単な装置で除去して精製で
きる。より品質信頼度の高い化合物半導体を製造するこ
とができるようになる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 容量1リットルのチッ素ガスまたはヘリウムガスで置換
したオートクレーブ反応容器中にイソブテン120g、
n−デカン100g、ホスフィン120gを充填した。
これに触媒としてメタンスルホン酸140gを圧入添加
し、容器内温度を60℃に維持しながら2時間撹拌し、
イソブテンとホスフィンとを反応させた。反応時、オー
トクレーブ内の圧力は約30kg/cm2 まで上昇し
た。反応が終了した後30℃まで温度が下がった時点
で、未反応のホスフィンをオートクレーブから排気し
た。反応液をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、モノ−1,1-ジメチルエチルホスフィンが合成されて
いることが分かった。反応収率はイソブテン基準で4
4.4%だった。
【0014】反応液を静置したところ有機層と無機層と
に分離した。有機層を分離採取してそこに1N水酸化ナ
トリウム水溶液を添加して撹拌洗浄した。静置したとこ
ろ有機層と無機層とに分離した。有機層を取り出して保
存するとともに水層についてICP発光分光分析を行な
った。分光分析の結果からは硫黄分が検出された。有機
層への水酸化ナトリウム水溶液の添加、有機層と無機層
との分離、発光分光分析という一連の操作を、発光分光
分析で硫黄分が検出されなくなるまで繰り返した。無機
層から硫黄分が検出されなくなった有機層にさらに超純
水を添加し撹拌して有機層を洗浄した。静置したところ
有機層と水層とに分離した。有機層を保存して水層を分
析したところ水酸化ナトリウムが検出された。超純水の
添加、撹拌洗浄、水層の分析という一連の操作を水酸化
ナトリウムが検出がされなくなるまで繰り返した。水層
から水酸化ナトリウムが検出がされなくなった有機層に
3.0gの水素化カルシウムを添加し、常温で1時間撹
拌した。常温での撹拌後加熱し、還流しながらさらに1
時間撹拌した。その後蒸留によってモノ-1,1−ジメチル
エチルホスフィン65.0gを得た。
【0015】超純水で洗浄後であって水素化カルシウム
を加える前にガスクロマトグラフィー・質量分析装置に
より検出された不純物の割り合い、および蒸留後に同じ
装置で検出された不純物の割り合いを表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】このようにして精製されたモノ-1,1−ジメ
チルエチルホスフィンを使用してエピタキシャル結晶半
導体を製造してみた。優れた電気的、光学的特性が認め
られた。
【0018】比較例1 実施例1と同様にし、ICP発光分光分析で硫黄分、水
酸化ナトリウム分いずれも実質的に検出されなくなった
モノ-1,1−ジメチルエチルホスフィンを得た。得られた
モノ-1,1−ジメチルエチルホスフィン69.5gを実施
例1と同様な方法で3.0gのモレキュラーシーヴと接
触させた。モレキュラーシーヴと接触させる前と接触さ
せた後の不純物の分析結果を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】実施例1、比較例1から、アルカリ系水素
化物には不純物の除去にあたり優れた効果があることが
分かった。
フロントページの続き (72)発明者 杉矢 正 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本 化学工業株式会社研究開発本部内 (72)発明者 柳井 富雄 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本 化学工業株式会社研究開発本部内 (56)参考文献 欧州特許出願公開470936(EP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 9/50

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式1 Ra3-a P ・・・・(1) (上記式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、aは1〜
    3の整数)で示される有機燐化合物と、アルカリ金属水
    素化物またはアルカリ土類金属水素化物とを、接触させ
    て不純物を除去することを特徴とする有機燐化合物の精
    製方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属水素化物が水素化ナトリウ
    または水素化アルミニウムリチウム、アルカリ土類金
    属水素化物が水素化カルシウムである請求項1に記載の
    精製方法。
  3. 【請求項3】 該有機燐化合物がモノアルキルホスフィ
    ンである請求項1または2に記載の有機燐化合物の精製
    方法。
  4. 【請求項4】 該モノアルキルホスフィンがモノ-1,1−
    ジメチルエチルホスフィンである請求項3に記載の有機
    燐化合物の精製方法。
  5. 【請求項5】 該不純物には水分と酸素含有化合物とが
    合わせて含まれている請求項1〜4のいずれかに記載の
    有機燐化合物の精製方法。
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DE69317820T DE69317820T2 (de) 1992-07-17 1993-07-16 Verfahren zur Herstellung hochreiner Monoalkylphosphine
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