JP2501146B2 - アルキルホスフィンの精製方法 - Google Patents

アルキルホスフィンの精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度アルキルホスフ
ィンの製造方法に関する。本発明は特に、半導体薄膜製
造用MOCVD(MetalrganicChem
ical Vapour Deposition)法の
原料に適する高純度アルキルホスフィンの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】インジウムリンをはじめとするIII
族−V族化合物半導体薄膜は電子デバイスを作製する材
料として有用である。化合物半導体薄膜を形成する方法
としては、MBE(Molecular Beam
Epitaxy)、ハライドCVD、MOCVD、
MOMBE(Metalorganic Molec
ular Beam Epitaxy)などがある。こ
れらの中でもMOCVDあるいはMOMBEは結晶成長
系内を高真空に保つ必要がなく原料の交換が容易であ
り、メンテナンスが楽であるため、使用頻度の高まりと
ともに注目されつつある結晶成長法である。
【0003】ところがこれらの方法によってIII 族−リ
ン化合物半導体を作製する際には、リン化合物の原料と
して、毒性の高いリンの水素化物であるホスフィンを用
いているため、量産化に伴う原料の多量使用に不安が持
たれている。そこで近年、リン原料として、ホスフィン
に代わってアルキルホスフィンが提案され、特にモノア
ルキルホスフィンは水素を2個有するため半導体薄膜へ
の炭素の混入が少なく、毒性を低減したホスフィン代替
材料として注目されている。(例えばJ.Crysta
l Growth.77(1986)11)
【0004】アルキルホスフィンの合成法としては、 アルキルハロゲノリン化合物の水素化アルミニウム
リチウムあるいは金属ナトリウムによる還元 2RPCl+LiAlH→2RPH+LiACl RPCl+4Na(+HO)→RPH+2NaCl+2NaOH 亜ホスホン酸ジアルキルやホスホン酸ジアルキルの
水素化アルミニウムリチウムによる還元 RP(OR+LiAlH→RPH P(O)(OR +LiAlH →R PH ホスフィンとオレフィンの反応 PH+C2n→C2n+1・PH+ (C2n+1・PH+(C2n+1P などが知られている。 (R,R,R:アルキル基)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アルキルホスフィンを
MOCVD用原料とする場合、純度を99.9999%
以上とすることが要求される。特にケイ素不純物はIII
−V族化合物半導体の活性不純物であり、完全に除去し
なければ良い電気的特性を有するエピタキシャル膜は期
待できない。ところが、ケイ素は雰囲気及び試薬中に多
量に存在しており、アルキルホスフィン中に混入してき
やすい不純物である。
【0006】特に上記した合成法の中で、の還元剤
を用いる合成法においては、収率の点から、従来還元剤
として主として水素化アルミニウムリチウム(LiAl
)やナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキ
シ)アルミニウム(特願平02−265588)が用い
られている。これらの還元剤により還元した後、生成物
を塩酸水溶液を用いて加水分解し、有機相を抽出、蒸留
して目的物であるアルキルホスフィンを合成していた
(例えば新実験化学講座15 酸化と還元(II))。
【0007】しかしこれらの還元剤中には不純物として
ケイ素化合物が含まれており、これは上記の如く反応生
成物を塩酸水溶液を用いて加水分解する等の方法で処理
しても完全には除去することができず、得られたアルキ
ルホスフィン中にはケイ素不純物が通常数ppmの量で
含まれ、一般にこの還元剤を用いて合成されたアルキル
ホスフィンにはケイ素の混入量が多いという傾向があっ
た。しかもこのようなケイ素化合物はアルキルホスフィ
ンと沸点が近接しているためか蒸留精製を繰り返しても
低減しないという問題があった。そしてケイ素は化合物
半導体中に混入すると電気的特性を大きく低下させるた
め半導体製造用原料としてのアルキルホスフィン中のケ
イ素の混入は大きな問題であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、ケ
イ素を低減する方法を検討した結果、合成されたアルキ
ルホスフィンをそのまま、あるいはこれを有機溶媒に溶
解させた溶液をアルカリ水溶液で洗浄するとケイ素が大
幅に低減することを見出し、このような処理を施して精
製したアルキルホスフィンを用いてMOCVD成長によ
り製造した化合物半導体の電気的特性は大きく向上する
ことがわかり本発明に到達した。
【0009】本発明方法により精製することができるア
ルキルホスフィンはホスフィン(PH3 )の水素がアル
キル基に置換したものであり、アルキル基としては任意
のものを選択することができるが、特に本発明は半導体
薄膜製造用原料となるtert-ブチルホスフィン、ジエチ
ルホスフィン、トリエチルホスフィン等のアルキルホス
フィン類の精製法として好適である。
【0010】また本発明は不純物としてケイ素化合物を
含有するアルキルホスフィンであればいかなる方法によ
って製造されたものにでも適用し得るが、特にケイ素化
合物含有量の多い前記、のような還元剤を用いる方
法により合成されたアルキルホスフィンの精製法として
優れており、好適に使用できる。
【0011】ここでアルカリとしては水酸化カリウム、
水酸化ナトリウムなどが使用できる。またアルカリの濃
度はアルキルホスフィンの処理量によるが、3規定以下
の濃度が好ましい。処理時間、処理回数はケイ素の混入
を追跡しながら適宜決めることが好ましい。また処理温
度は室温〜100℃で実施するのが好ましいが通常は室
温で充分である。
【0012】アルキルホスフィンに対するアルカリ水溶
液の使用量は含有するケイ素化合物の量にもよるが、ア
ルキルホスフィンに対し10〜500重量%程度の量を
用いるのが好適である。これより少量では精製効果が不
十分であり、また多すぎるとアルキルホスフィンの損失
量が多くなり不利である。
【0013】アルカリ処理はアルキルホスフィンをその
まま処理してもよいが、抽出操作によるアルキルホスフ
ィンの損失を少なくすることから、水との分離性が良好
でかつアルキルホスフィンとの反応性が低い有機溶媒を
用いることが望ましい。有機溶媒としてアルカリ処理に
よるSi低減効果を高めるため水と親和性の高いエ−テ
ル類等を用いることが望ましい。具体的にはジブチルエ
−テル、ジイソペンチルエ−テルなどの特にエ−テル類
を挙げることができる。用いる有機溶媒の量は不純物の
量、有機溶媒の種類にもよるが、アルキルホスフィンの
濃度として10〜50重量%となる範囲で使用するのが
好ましい。
【0014】アルカリ処理をした後、処理物は蒸留によ
り精製する。蒸留は任意の方法で行なうことができる
が、特に半導体原料としての高純度アルキルホスフィン
を得るためには精密蒸留を数回繰り返すのが好ましい。
【0015】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお操作はすべて不活性雰囲気下で行った。実施例1 ケイ素含有量0.4ppmのtert−ブチルホスフィ
ン80gにジブチルエ−テルを100ml加え、さらに
2N水酸化カリウム水溶液100mlを加え室温にて5
0時間激しく攪拌した。攪拌停止後、有機相を抽出し蒸
留塔を用いて4回精留し、56gの無色透明液体を得
た。ICPによりケイ素含有量は定量下限の0.03p
pm以下となっていた。
【0016】得られたtert−ブチルホスフィンと市
販のトリメチルインジウムを用い水平式MOCVD装置
で成長温度600℃、V/III比30、常圧という成
長条件でInP基板(Feドープ)上にInPエピタキ
シャル膜を成長し、電気的特性をVan der Pa
uw法により測定した。移動度(77K)μ77K=1
05,000cmV・SEC,キャリア濃度n
77K=3.3×1014cm−3であり、半導体物性
として充分なものが得られた。
【0017】実施例2 ケイ素含有量0.2ppmのtert−ブチルホスフィ
ン50gにジブチルエーテルを100ml加え、さらに
2N水酸化ナトリウム水溶液100mlを加え室温にて
3時間激しく撹拌した。実施例1と同様の精留を行い得
られた31gの無色液体のケイ素含有量は定量下限0.
03ppm以下であった。
【0018】比較例 ケイ素含有量0.3ppmのtert−ブチルホスフィ
ン80gにジブチルエーテルを100ml加えさらに水
100mlを加え室温にて50時間激しく撹拌した。実
施例1と同様の精留を行い得られた52gの無色液体の
ケイ素含有量は0.3ppmと全く低減されていなかっ
た。実施例1と同様の条件でMOCVD結晶成長を行い
得られたInPエピタキシャル膜の電気的特性を測定し
た。移動度(77K)μ77K=10,100cm
V・sec,キャリア濃度(77K)n77K=1.9
×1016cm −3 で半導体物性としては不十分なもの
であった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、ケイ素が混入したアル
キルホスフィンをアルカリ処理することにより、ケイ素
含有量が0.03ppm以下の半導体薄膜製造用の高純
度アルキルホスフィンを得ることができる。この方法に
より精製されたアルキルホスフィンを原料とすることに
より、優れた電気特性のIII族−V族化合物半導体薄膜
が得られる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキルホスフィンをアルカリ水溶液で
    処理することを特徴とするアルキルホスフィンの精製方
    法。
  2. 【請求項2】 アルキルホスフィンを有機溶媒に溶解し
    た溶液をアルカリ水溶液で処理することを特徴とする請
    求項1記載のアルキルホスフィンの精製方法。
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