JP2830450B2 - 作業用踏台 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は大形工作機械の主として工作物着脱用の作業
用踏台に関するものである。

従来の技術 従来、例えば第５図に示すように大形のNC旋盤は、チ
ャック101への寄付きが悪いため工作物102を着脱する際
に、作業者は少しでも楽な姿勢で着脱を行うために機内
に足を踏み入れて作業を行うことが多い。

発明が解決しようとする課題 従来の技術で述べた機内に足を踏み入れて着脱作業を
行う方法は、切粉の溜まったチップコンベア又は切粉受
皿上に乗ることになり足場が不安定で、工作物を持って
カバーレールを跨ぐ際に、足を引っかけて工作物を落と
したり転倒する等の事故を引き起こす危険が多いという
問題点を有している。

本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑
みなされたものであり、その目的とするところは、工作
物の着脱作業を安全かつ楽に行うことのできる自動出し
入れ可能な可動踏台を有する作業用踏台を提供しようと
するものである。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明における作業用踏台
は、自動開閉可能なカバーを有する工作機械の前記カバ
ー開口部前床上に設置された作業踏台に、可動踏台を本
機内に水平に出し入れ可能に設け、前記カバーの開閉と
連動して前記可動踏台を移動する駆動手段を設けたもの
である。

作用 切削加工が終わるとカバーが開き、カバー開の確認信
号で駆動手段により可動踏台カバー開口部より本機内に
押し出される。作業者がこの可動踏台に乗って工作物の
着脱作業を行い、機外に退出して押釦スイッチを押すと
可動踏台が後退して作業踏台内に完全に収納され、収納
確認信号が出てカバーが閉じ、切削加工が再開される。

実施例 実施例について第１図〜第４図を参照して説明する。

床上に設置された周知の大形NC旋盤は、固定カバー１
と移動カバー２によって全面覆われており、移動カバー
２はベース４前面のカバーレール５に沿ってエアシリン
ダ３により自動開閉可能とされている。

旋盤には主軸先端にチャック６が嵌着され、チャック
６の把持爪に工作物Ｗが着脱可能に把持され、図示しな
いＸ及びＺ軸方向に移動位置決め可能なタレット刃物台
が設けられており、ベース４上に落下する切粉を機外に
搬出するチップコンベア７が設けられている。

ベース４の前面移動カバー２開口部に隣接して作業踏
台８が床上に設置されている。作業踏台８は四隅にキャ
スタ11付脚12を有する矩形体のＬ形鋼材による組枠10の
側面四周に化粧用鋼板13を貼りつけた構造で、上面に固
定踏板14が固着されている。作業踏台８の組枠10内の上
部には長手（前後）方向水平にコ字形断面形状の２本の
案内レール15が互いに開口面を向かい合わせて平行に固
着されている。

一方可動踏台16は横桟16aを外枠に圧接したグレーテ
イング構造で、下面の両側に座金17を介してブラケット
18が固着されており、ブラケット18の外側面四隅部分
に、四本の支軸19が外側を向いて平行に固着され、支軸
19にローラー21が回転可能に枢支されている。更にブラ
ケット18の外側面にはＬ形断面形状の横板22が水平に固
着されており、横板22の上面離れた位置に、二本の支軸
23が垂直かつ上向きに固着され、支軸23にローラ24が回
転可能に枢支されている。そしてローラ21が二本の案内
レール15のコ字形断面形状の内側上下面に、またローラ
24が内側面に隙間なく接触して、可動踏台16が円滑に水
平移動できるようになっている。更に組枠10内には案内
レール15の中央平行にロッドレスエアシリンダ25が取付
けられており、エアシリンダ25の可動片25aに固着の連
結具26の上面に刻設された溝26aに、可動踏台16下面に
固着の駒27が係合されており、圧力空気の切り換えによ
り可動踏台16が水平移動して組枠10の本機側開口部より
本機内に出し入れされるようになっている。

作業踏台８には長手方向中央部の両側に二本の中脚28
が設けられており、中脚28の下端にジャッキボルト29が
調整可能に螺着されている。更に作業踏台８の側面前側
位置に固定用金具31が固着されており、固定用金具31は
本機のベース４前面に固着の連結金具32に固定ピン33に
より連結固定されるようになっている。

続いて本実施例の作用について説明する。

主軸チャック６に把持した工作物Ｗに対する切削加工
が終わると、図示しないタレット刃物台が所定の位置に
退避し、主軸チャック６が停止され、エアシリンダ３に
より移動カバー２が開かれる。カバー２が完全に開くと
図示しないリミットスイッチより確認信号が出て、ロッ
ドレスエアシリンダ25の後室に圧力空気が供給され、可
動踏台16が前進してコンベアベルト上方位置に位置決め
され、作業踏台上に乗った作業者により加工済工作物Ｗ
の取外しと、新しい工作物Ｗの取付けが行われる。

工作物の着脱が終わり、作業者が機外に出て、図示し
ない起動釦を押すと、ロッドレスエアシリンダ25の前室
に圧力空気が供給されて、可動踏台16が後退し、固定踏
台14の下に完全に収納されて図示しないリミットスイッ
チより確認信号が出て、移動ドア２が閉じ、切削加工が
再開される。

発明の効果 本発明は、上述のとおり構成されているので、次に記
載する効果を奏する。

本機のカバー開口部前の床上に設置した作業踏台に、
出し入れ可能に設けた可動踏台を、カバーの開閉と連動
して前進させて本機内に突出させ、可動踏台上に乗って
工作物の着脱を行うようにしたので、チャックへの寄付
きが良くなって楽な姿勢で着脱作業を行うことができる
ようになり、工作物を落としたり、作業者が転倒する等
の事故がなくなり、労働災害防止上極めて有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例の作業用踏台を取付けた旋盤の姿図、
第２図は作業用踏台を側面から見た断面図、第３図は可
動踏台駆動部の部分図、第４図は第２図を正面から見た
断面図、第５図は工作物着脱作業中を表す従来の旋盤の
姿図である。 ８……作業踏台、11……キャスタ 14……固定踏板、16……可動踏台 25……ロッドレスエアシリンダ 31……固定用金具

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動開閉可能なカバーを有する工作機械の
   前記カバー開口部前床上に設置された作業踏台に可動踏
   台を本機内に水平に出し入れ可能に設け、前記カバーの
   開閉と連動して前記可動踏台を移動する駆動手段を設け
   てなることを特徴とする作業用踏台。