JP2830245B2 - 電力増幅装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は半導体等の増幅素子を有する電力増幅装置に
関する。

従来の技術 電力増幅装置においては、特に増幅の最終段の増幅素
子を中心に起こる熱の発生に対して十分な注意をした設
計をすることが不可欠で、周囲温度が定格を超えた状態
で使われた場合、電力増幅装置の寿命を著るしく損うこ
とになる。

このため電力増幅装置を使う場合には、常時増幅素子
周辺の温度をモニターし、定格を超えた時には直ちに保
護回路を使って動作を止めるようしている。

第７図は保護回路の概念図を示す。ここで１は電力増
幅装置を、２は感熱素子を、３は保護回路を、４は電力
増幅装置１の動作を止めるのに使うスイッチを、５は電
源回路を、６及び７は前記電力増幅装置１の信号入力端
子と信号出力端子を示す。感熱素子２は第９図のごとく
保護回路用の印刷配線基板３の上に実装されており、し
かも感熱素子２の感熱部は電力増幅装置１に物理的に十
分近く配置するようにされる。

発明が解決しようとする課題 第８図の従来例では保護回路用の印刷配線基板３上に
感熱素子２を設けるため、本来検出したい電力増幅装置
１の増幅素子はどうしても物理的に離れてしまい、その
結果として温度検出精度が悪くなるという課題があっ
た。

又感熱素子２を十分に電力増幅装置１に近く配置する
ために第９図のように感熱素子２のみ独立した印刷配線
基板８を使って実装する例もあるが、この場合製造上、
管理すべき部品が増えるほかこの小印刷配線基板８をね
じ8Aで止める工程が新たに必要となり、煩わしいもので
あった。

そこで本発明は温度検出精度を高めるとともに、実装
工程も簡略化することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 そしてこの目的を達成するために本発明の電力増幅装
置は、アップコンバータの出力が供給される電力増幅装
置であって、前記電力増幅装置は、金属筐体内に設けら
れた印刷配線基板と、この印刷配線基板に設けられた孔
に実装された増幅素子と、この増幅素子の近傍であっ
て、そのリード端子が前記印刷配線基板に接続された感
熱素子と、前記金属筐体の一部に設けられるとともに前
記感熱素子の感熱部が格納される凹部を設けた構成とし
たものである。

作用 この構成により、増幅素子と感熱素子とは、印刷配線
基板を介してその相対位置が決まるとともに金属筐体を
介して低熱抵抗で接続されるので、温度検出精度を高め
ることができるとともに実装工程も簡略化される。

実施例 なお以下の各実施例について従来例と同一部分につい
ては同一番号を付している。

第１図，第２図において９は最終段の増幅素子、10は
電力増幅装置用の印刷配線基板である。11は前記増幅素
子９を実装するため前記印刷配線基板11に設けた孔であ
る。12は電力増幅装置の金属筐体である。第１図，第２
図からも分かるように感熱素子２のリード端子2Aは、前
記印刷配線基板10上に半田付けされるとともに、金属筐
体12に設けた貫通端子13と14を介して保護回路基板３に
接続されるようになっている。

また感熱素子２の感熱部は金属筐体12上に設けた凹部
15A内にシリコン樹脂などともに格納されるようになっ
ている。

以上のごとく本実施例では感熱素子２を印刷配線基板
10上に設けたため、第10図の小印刷配線基板８が不要と
なるとともにねじ止めする工程も省くことが出来る。又
感熱素子２が電力増幅装置と一体となった構造のため、
本来検出したい電力増幅装置の最終段の増幅素子９に物
理的に十分近付けることができるため、温度検出の精度
が高くなる。

また第２図の15は金属筐体12の一部に設けた突起部で
あって、その上面には凹部15Aを構成し、前記感熱素子
２をシリコン樹脂とともに格納する。又その更に上から
は、金属よりなる蓋16が被せられている。

第３図は他の実施例を示し、17は金属筐体12の一部に
設けた凹部であって、前記感熱素子２をシリコン樹脂と
ともに格納している。又その更に上からは、金属製の蓋
18が被せられている。

第４図はさらに他の実施例を示し、19は金属筐体12に
設けた凹部であって、前記印刷配線基板10の裏（アー
ス）面より実装された感熱素子２をシリコン樹脂ととも
に格納する。

第５図a,bは本発明の電力増幅装置を使った送信用屋
外装置20のブロック図を示す。21はアップコンバータ
を、23は入力端子を、22は出力端子を示す。24は信号入
力端子を、25は電源入力端子を示す。

第６図は本発明の電力増幅装置を使った双方向通信用
屋外装置26のブロック図を示す。27は低雑音受信機を、
28はブロックコンバータを、29は受信機の出力端子を示
す。

発明の効果 以上のように本発明によれば、増幅素子と感熱素子と
は、印刷配線基板を介してその相対位置が決まるととも
に金属筐体を介して低熱抵抗で接続されるので、温度検
出精度を高めることができるとともに実装工程も簡略化
される。

また、アップコンバータの出力が供給される増幅素子
が印刷配線基板上に実装されているので、この印刷配線
基板上には容易にマイクロストリップ線路を形成するこ
とができ、高周波信号を能率良く増幅素子に供給するこ
とができる。

更に、この電力増幅装置は金属筐体内に設けられてい
るので、雨等が印刷配線基板内に侵入することはなく、
屋外で使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の分解斜視図、第２図はその
要部の拡大斜視図、第３図は他の実施例の斜視図、第４
図はさらに他の実施例の分解斜視図、第５図a,bは本発
明の電力増幅装置を使った送信用屋外装置のブロック
図、第６図a,bは本発明の電力増幅装置を使った双方向
通信用屋外装置のブロック図、第７図は従来例を示すブ
ロック図、第８図はその要部斜視図、第９図は他の従来
例の要部斜視図である。 ２……感熱素子、９……増幅素子、12……金属筐体、15
A……凹部、17……凹部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】アップコンバータの出力が供給される電力
   増幅装置であって、前記電力増幅装置は、金属筐体内に
   設けられた印刷配線基板と、この印刷配線基板に設けら
   れた孔に実装された増幅素子と、この増幅素子の近傍で
   あって、そのリード端子が前記印刷配線基板に接続され
   た感熱素子と、前記金属筐体の一部に設けられるととも
   に前記感熱素子の感熱部が格納される凹部を設けた電力
   増幅装置。