JP2829995B2 - 易滑性医療材料 - Google Patents

易滑性医療材料

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JP2829995B2 JP63299114A JP29911488A JP2829995B2 JP 2829995 B2 JP2829995 B2 JP 2829995B2 JP 63299114 A JP63299114 A JP 63299114A JP 29911488 A JP29911488 A JP 29911488A JP 2829995 B2 JP2829995 B2 JP 2829995B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は湿潤時の優れた低摩擦性、つまり易滑性の抗
血栓性をあわせもつ医療材料に関するものであり、カテ
ーテル、ガイドワイヤー、カニューレなどに広く応用可
能な有用なものである。
[従来の技術] 医療材料、特にカテーテルやガイドワイヤーにおい
て、その表面の低摩擦化(易滑性)は必須の要求項目と
なっている。例えば易滑性を有さない場合、カテーテル
を人体に挿入する際に痛みを伴ったり、また組織粘膜を
損傷したり炎症を引起こす恐れがある。
従来の易滑性の付与技術の1つとしては基材に親水性
ポリマーをコーティングする方法が知られている。
親水性ポリマーをコーティングする具体的な方法とし
ては、イソシアネートを用いたポリビニルピロリドンの
固定(特開昭59−19582号公報、米国特許4100309号公
報)、反応性官能基を共重合した親水性ポリマーとイソ
シアネートを用いた方法(特開昭59−81341号公報)、
イソシアネートを用いたポリエチレンオキサイドの固定
(特開昭58−193766号公報)などが開示されいる。
また抗血栓性は医療材料において重要な要求である。
つまり血栓の形成に伴う医療材料の機能低下や生体に対
する合併症の発生は大きな問題である。
抗血栓性材料としては親水性ヘパリン化材料(特公昭
54−18518)、セグメント化ポリウレタンなどが知られ
ている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来の親水性ポリマーをコーティング
した易滑性材料は抗血栓性を有しておらず、血栓の形成
に伴う医療材料の機能低下や生体に対する合併症の発生
が危惧され、適用範囲が限られた。逆に従来の抗血栓性
材料は易滑性が十分ではない。
このように、易滑性と抗血栓性をあわせもつ医療材料
は従来存在しなかった。すなわち本発明の目的は従来技
術にない優れた易滑性と抗血栓性をあわせもつ医療材料
を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成しようとするものであり、以
下の構成を有する。すなわち本発明は、イソシアネート
基を含むポリマーからなる基材の表面、または基材表面
にイソシアネート基を含むポリマを被覆した表面に、下
記親水性成分(A)、イソシアネート基と反応する成分
(B)、酸性多糖類と反応する成分(C)を必須成分と
する親水性共重合体を共有結合により被覆固定されてな
り、さらに、該共重合体に酸性多糖類がイオン結合また
は共有結合により固定されてなることを特徴とする易滑
性医療材料。
親水性成分(A):(メタ)アクリルアミド、メトキシ
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N
−ビニル−2−ピロリドン、無水マレイン酸、2−ビニ
ルピリジン、4−ビニルピリジン、N−1,2,4−トリア
ゾリルエチレン、メチルビニルエーテル、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸およびその塩、スルホン酸ビ
ニルおよびその塩の中から選ばれる少なくとも一種の成
分 イソシアネートと反応する成分(B):(メタ)アクリ
ルアミド、2−アミノエチル−4−ビニルフェネチルア
ミン、(メタ)アクリル酸、スルホン酸ビニル、スルホ
ン化スチレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリセリル(メタ)アクリレートの中から選ばれる少な
くとも一種 酸性多糖類と反応する成分(C):(メタ)アクリル
酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)
アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジ
ン、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、
ジアルキルアミノアルキルスチレン、2−アミノエチル
−4−ビフェニルフェネチルアミンの中から選ばれる少
なくとも一種 本発明におけるイソシアネートと反応する成分を有す
る親水性共重合体を共有結合により被覆固定させる方法
としては、イソシアネート基などの反応性ポリマーより
なる基材に親水性ポリマーを被覆し反応させる方法、ま
たは基材表面にイソシアネート基などを含む反応性ポリ
マーをあらかじめ被覆し、その上にアミノ基、アミド
基、カルボキシル基、スルホン酸基や水酸基などの反応
性官能基を有した親水性共重合体を被覆、反応させる方
法などが好ましい。またこのイソシアネート基を含むポ
リマーの1つとしては、ポリイソシアネートが挙げられ
る。その具体例としてはポリメチレンポリフェニルイソ
シアネートやトルエンジイソシアネート、4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネートおよび3,4−ジクロロフ
ェニルジイソシアネートとトリメチロールプロパンやポ
リオールなどとの付加体が挙げられる。
次に、本発明で使用する親水性共重合体について詳細
に説明する。この共重合体の特徴としては、イソシアネ
ート基で代表される反応性基と反応し、しかも酸性多糖
類をイオン結合または共有結合しうる官能基を有する親
水性ポリマーである。親水性の定義としては、水に溶解
もしくは膨潤することである。このようなポリマーとし
ては、 (A)親水性成分:(メタ)アクリルアミド、メトキシ
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N
−ビニル−2−ピロリドン、無水マレイン酸、2−ビニ
ルピリジン、4−ビニルピリジン、N−1,2,4−トリア
ゾリルエチレン、メチルビニルエーテル、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸およびその塩、スルホン酸ビ
ニルおよびその塩の中から選ばれる少なくとも1種、 (B)イソシアネートと反応する成分:(メタ)アクリ
ルアミド、2−アミノエチル−4−ビニルフェネチルア
ミン、(メタ)アクリル酸、スルホン酸ビニル、スルホ
ン化スチレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリセリル(メタ)アクリレートの中から選ばれる少な
くとも1種、 (C)酸性多糖類と反応する成分:(メタ)アクリル
酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)
アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジ
ン、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、
ジアルキルアミノアルキルスチレン、2−アミノエチル
−4−ビニルフェネチルアミンの中から選ばれる少なく
とも1種、の3つの必須成分を組合わせて共重合するこ
とによって得ることができる(必須成分は重複しても構
わない)。またこれらの必須成分の他に、 (D)疎水性成分:エチレン、プロピレン、スチレン、
(メタ)アクリル酸アルキル、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリルの中から
選ばれる少なくとも1種が耐久性の向上を目的に共重合
可能である。これら4成分の組成比は、A:B:C:D=50〜9
9.8:0.1〜49.9:0.1〜49.9:0〜49.8の範囲が好ましい。
また、分子量としては1000〜500万のものが好まし
く、特に10万以上のものが好ましく使用される。
本材料に用いる酸性多糖類としては、ヒアルロン酸、
コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、ヘパ
ラン硫酸のようなムコ多糖類の他に、デキストラン硫
酸、キトサン硫酸、セルロース硫酸、アミロペクチン硫
酸、ペクチン硫酸、アルギン酸、アルギン酸硫酸などの
親水性の高い多糖類が挙げられる。この中でも特にヘパ
リンあるいはその誘導体(ヘパリノイド)は優れた抗血
栓性を有し好ましいものである。
これら酸性多糖類の親水性共重合体への固定化方法と
しては、イオン結合あるいは共有結合を適用する。イオ
ン結合法としては、親水性共重合体中の3級アミノ基や
その4級アンモニウム塩(4級化処理物)と酸性多糖類
とをイオン結合させることが好ましい。一方共有結合と
しては、親水性共重合体中の官能基であるアミノ基、ヒ
ドロキシ基、カルボキシル基と酸性多糖類中に含まれる
アミノ基、水酸基、カルボキシル基などや反応によって
導入したエポキシ基やホルミル基などとを結合させる。
これらの反応に際しては縮合剤などの種々触媒が使用可
能である。また、結合に際してはスペーサーを導入する
ことも好ましい。スペーサーとしてはアルキレンジカル
ボン酸、アミノアルキルカルボン酸、アルキレンジアミ
ン、アルキレンジオール、ポリエチレングリコール、ジ
アミノポリエチレンオキシドやビスエポキシポリエチレ
ングリコールなどが挙げられる。
酸性多糖類を親水性共重合体に固定することによって
易滑性は大幅に向上するが、特にイオン結合によるもの
はその効果が大きい。
また、親水性共重合体に固定する酸性多糖類の量は目
的とする易滑性および抗血栓性によって異なり特に限定
はしないが、親水性共重合体に対して0.1wt%以上が好
ましく、特に1〜50wt%の範囲で好ましく選択される。
次に、本発明の易滑性医療材料の製造方法について説
明する。
医療材料に用いる基材は使用目的によって種々選択さ
れるが、種々プラスチック、種々無機材料や金属材料な
どが好ましく用いられる。具体的には、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リウレタン、ポリウレア、ポリメタクリル酸メチル、ナ
イロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリルやそれら
が被覆された金属線、ステンレス、弾性金属、セラミッ
クスや木材などが挙げられる。
各コーティング層の形成方法としては種々適用可能で
あるが、好ましい方法としては、先ず基材表面へポリイ
ソシアネートを適当な良溶媒に所定量溶解させた溶液と
してディップやスピンコーティング法によりコーティン
グする。つぎに親水性共重合体を同様な方法でコーティ
ングし、加熱等により反応、固定化することである。
酸性多糖類の固定に際してはイオン結合と共有結合で
は方法が異なる。
イオン結合は固定された親水性共重合体中に存在する
3級アミノ基をそのまま、あるいはハロゲン化アルキル
等で処理し、4級アンモニウム塩とした後、酸性多糖類
と反応させることにより達成される。
共有結合は種々の方法が適用可能で特に限定はしない
が、例えば親水性共重合体中に存在する1級アミノ基
(またはカルボキシル基)と酸性多糖類中に存在するカ
ルボキシル基(または1級アミノ基)とを反応させる場
合はカルボジイミドやウッドワード試薬などの縮合剤を
用いることにより、達成される。またスペーサーを導入
する場合は、あらかじめ親水性共重合体中あるいは酸性
多糖類中にスペーサーを導入し、そのスペーサーの反応
性末端に一方を結合させる方法や一度にスペーサー介し
て反応、結合させる方法により達成される。
本発明の易滑性医療材料は優れた易滑性と抗血栓性を
合せ持つことから、種々カテーテル、ガイドワイヤー、
カニューレ、内視鏡などの医療材料に広く適用可能であ
る。
[実施例] 実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
実施例1 N−ビニル−2−ピロリドン16.0gとN,N−ジメチルア
ミノエチルアクリレート2.0gおよび2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート2.0gをエチルアルコール中、アゾビスジ
メチルバレロニトリル(V−65)を開始剤として重合す
ることにより分子量約50万の親水性共重合体を得た。
ステンレス線にポリウレタンを被覆した長さ70cm、直
径2mmのガイドワイヤーををポリイソシアネート{日本
ポリウレタン工業社製、商品名:C−L、TDI(トルエン
ジイソシアネート)/TMP(トリメチロールプロパン)付
加物}の3%メチルエチルケトン(MEK)溶液に1分間
浸漬後、50℃で1時間乾燥した。
つぎにこのガイドワイヤーを先に合成した親水性共重
合体の4%クロロホルム溶液に5秒間浸漬後引上げ、乾
燥後80℃で5時間反応させた。反応後、ガイドワイヤー
を熱水でよく洗浄して未結合の親水性共重合体を除去し
た。
さらにこのガイドワイヤーを臭化エチル5%を含むメ
チルアルコール中に35℃で2時間浸漬し、ビニルピロリ
ドン系ポリマー中の3級アミノ基を4級化した後、2%
ヘパリン水溶液中に50℃で24時間浸漬して、イオン結合
による固定化を行なった。次いでイオン交換水で洗浄し
て未結合ヘパリンおよび残留塩を除去し、常温で2昼夜
真空乾燥した。
コーティングポリマー層中のヘパリン含有量をX線マ
イクロアナライザーによるイオウ原子の定量により測定
したところ、20.5wt%であった。また、血漿中における
ヘパリン溶出速度は0.01U/cm2・minであった。
易滑性の定量は以下の手順と方法で行なった。
(1)スライドガラス上にガイドワイヤーを敷き詰め
る。
(2)ガイドワイヤーを生理食塩水に浸す。
(3)ガイドワイヤー上に底面をポリウレタンで被覆し
た100gの分銅を置く。
(4)スライドガラスの長軸方向の一端を固定し、もう
一端を徐々に持上げ、分銅の滑り始める時の傾斜角度
(θ)を測定する。
(5)求めた傾斜角度(θ)から、式μ=tanθを用い
摩擦係数μを算出する。
以上の方法により評価したところ、静摩擦係数μ=0.
026であり、優れた易滑性を示した。また、コーティン
グ前のガイドワイヤーはμ=0.36であり、易滑性を示さ
なかった。
抗血栓性の評価は、成犬(約15kg)を用いて、下大静
脈中にガイドワイヤーを2週間留置した後、ガイドワイ
ヤー表面の血栓付着状況を観察することによって行なっ
た。
その結果、本実施例の易滑性ガイドワイヤー表面には
肉眼的にも電子顕微鏡的にも全く血栓の付着が見られ
ず、優れた抗血栓性を示した。一方、コーティング前の
ガイドワイヤーでは著しい血栓の付着が認められた。
以上のように本易滑性ガイドワイヤーは、優れた易滑
性と抗血栓性をあわせもつことが明らかになった。
実施例2 メタクリルアミド18.0gとN,N−ジメチルアミノエチル
メタクリレート2.0gとをテトラヒドロフラン中でAIBN
(アゾビスイソブチロニトリル)を開始剤として重合
し、分子量約30万の親水性共重合体を得た。
実施例1と同様にポリイソシアネートをコーティング
したガイドワイヤーをこの親水性共重合体の5%アセト
ンに5秒間浸漬後引上げ、乾燥後80℃で5時間反応させ
た。反応後、ガイドワイヤーを熱水でよく洗浄して未結
合の親水性共重合体を除去した。4級化およびヘパリン
化は実施例1と同様に行なった。また、コーティングポ
リマー層中のヘペリン含有量は11.7wt%であった。
易滑性および抗血栓性の評価を実施例1と同様にして
行なったところ、静摩擦係数μ=0.035と優れており、
また血栓の付着も全く確認されなかった。
実施例3 重合度23のポリエチレンオキサイド単位を有するメト
キシポリエチレングリコールモノメタクリレート(新中
村化学製、M−23G)18.0gとアクリル酸2.0gとをアゾビ
スジメチルバレロニトリル(V−65)を開始剤として重
合し、分子量約60万の親水性共重合体を得た。
実施例1と同様にポリイソシアネートをコーティング
したガイドワイヤーをこの親水性共重合体の4%テトラ
ヒドロフラン溶液に5秒間浸漬後引上げ、乾燥後80℃で
5時間反応させた。反応後、ガイドワイヤーを熱水でよ
く洗浄して未結合の親水性共重合体を除去した。
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−
カルボジイミド塩酸塩の1%水溶液中にガイドワイヤー
を4℃、24時間浸漬した。これとは別にヘパリン5gと1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カル
ボジイミド塩酸塩0.05gをイオン交換水100gに溶解し4
℃、24時間反応させておいた。
ヘキサメチレンジアミンの5%水溶液にカルボジイミ
ド活性化ガイドワイヤーを25℃、2時間浸漬、反応させ
た後、イオン交換水でよく洗浄した。
さきに調製した活性化ヘパリン溶液中に、このガイド
ワイヤーを25℃、2時間浸漬、反応させて、ヘパリンを
共有結合により固定した。コーティングポリマー層中の
ヘパリン含有量は8.3wt%であった。
易滑性および抗血栓性の評価を実施例1と同様にして
行なったところ、静摩擦係数μ=0.026と優れており、
また血栓の付着も全く確認されなかった。
比較例1 N−ビニル−2−ピロリドン18.0gと2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート2.0gとをエチルアルコール中、AI
BNを開始剤として重合することのより分子量約30万の親
水性共重合体を得た。
実施例1と同様にポリイソシアネートをコーティング
したガイドワイヤーをこの親水性共重合体の4%クロロ
ホルム溶液に5秒間浸漬後引上げ、乾燥後80℃で5時間
反応させた。反応後、ガイドワイヤーを熱水でよく洗浄
して未結合の親水性共重合体を除去した。
易滑性および抗血栓性の評価は実施例1と同様に行な
った。静摩擦係数はμ=0.043で、易滑性は比較的優れ
ているが実施例には及ばない。また、抗血栓性の評価で
はかなりの血栓の付着が認められた。
比較例2 光官能基としてジエチルチオカルバマート基を0.032
モル%含有する重合度1100のポリ塩化ビニル20gと重合
度23のポリエチレンオキシド単位を有するメトキシポリ
エチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学
製、M−23G)20gおよびN,N−ジメチルアミノエチルメ
タクリレート10gを200gのテトラヒドロフランに溶解
し、光源内部浸漬型光重合装置(ウシオ電機製ULO−6Q
R)中で高圧水銀灯を用いて、30℃、7時間、アルゴン
気流下に紫外線を照射し、ポリ塩化ビニルに上記2種の
単量体がグラフトしたグラフト共重合体を得た。元素分
析により求めた共重合体の化学組成は、ポリ塩化ビニル
63wt%、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリ
レート26wt%、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート11wt%であった。
実施例1と同じポリウレタン被覆ガイドワイヤーをこ
の共重合体の5%ジメチルホルムアミド溶液に1分間浸
漬後、引上げて50℃、1時間乾燥した。つづいて、実施
例1と同様の方法で4級化およびヘパリン化を行なっ
た。また、コーティングポリマー層中のヘパリン含有量
は12.3wt%であった。
易滑性および抗血栓性の評価は実施例1と同様に行な
った。静摩擦係数μ=0.27であり、易滑性を示さなかっ
た。しかしながら、抗血栓性の評価においては、血栓の
付着が全く認められず優れていた。
実施例1〜3および比較例1、2の易滑性および抗血
栓性の評価結果を表1に示す。
[発明の効果] 本発明の易滑性医療材料は以下のような効果を有して
いた。
1)従来の易滑性材料に比べてより優れた低摩擦性(易
滑性)を有している。
2)抗血栓性に優れている。
3)安全性が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−69890(JP,A) 特開 昭49−44590(JP,A) 特開 昭50−143873(JP,A) 特開 昭57−14358(JP,A) 特開 昭58−193766(JP,A) 特開 昭61−73667(JP,A) 特開 昭62−284652(JP,A) 特開 昭53−106778(JP,A) 特開 平2−80056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61L 29/00 A61L 33/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソシアネート基を含むポリマーからなる
    基材の表面、または基材表面にイソシアネート基を含む
    ポリマを被覆した表面に、下記親水性成分(A)、イソ
    シアネート基と反応する成分(B)、酸性多糖類と反応
    する成分(C)を必須成分とする親水性共重合体を共有
    結合により被覆固定されてなり、さらに、該共重合体に
    酸性多糖類がイオン結合または共有結合により固定され
    てなることを特徴とする易滑性医療材料。 親水性成分(A):(メタ)アクリルアミド、メトキシ
    ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N
    −ビニル−2−ピロリドン、無水マレイン酸、2−ビニ
    ルピリジン、4−ビニルピリジン、N−1,2,4−トリア
    ゾリルエチレン、メチルビニルエーテル、2−ヒドロキ
    シエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピ
    ル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレ
    ート、(メタ)アクリル酸およびその塩、スルホン酸ビ
    ニルおよびその塩の中から選ばれる少なくとも一種の成
    分 イソシアネートと反応する成分(B):(メタ)アクリ
    ルアミド、2−アミノエチル−4−ビニルフェネチルア
    ミン、(メタ)アクリル酸、スルホン酸ビニル、スルホ
    ン化スチレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
    ート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
    グリセリル(メタ)アクリレートの中から選ばれる少な
    くとも一種 酸性多糖類と反応する成分(C):(メタ)アクリル
    酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
    シプロピル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)
    アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジ
    ン、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、
    ジアルキルアミノアルキルスチレン、2−アミノエチル
    −4−ビフェニルフェネチルアミンの中から選ばれる少
    なくとも一種
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