JP2829755B2 - 抗ヒト心筋cプロテインモノクローナル抗体及び該抗体を産生するハイブリドーマ - Google Patents

抗ヒト心筋cプロテインモノクローナル抗体及び該抗体を産生するハイブリドーマ

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗
体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、
該モノクローナル抗体の製造法及び該モノクローナル抗
体を利用した心疾患診断剤に関する。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 心筋梗塞に代表される虚血性心疾患の非侵襲的画像診
断は、心筋の壊死巣の範囲や程度を知る上できわめて重
要であり、その一つとしてヒト心筋ミオシンに対するモ
ノクローナル抗体を用いたシンチスキャニングの試みが
なされている。
また、心筋細胞組織の壊死により、心筋細胞膜外へ漏
出して血流中に出現するミオシンを測定することによる
虚血性心疾患の診断の試みもなされている。
ヒト心筋ミオシンの重鎖に関連した蛋白であるヒト心
筋Cプロテインは、分子量13万5千〜15万で、分子量45
万〜48万のヒト心筋ミオシン重鎖と分子量7〜8万のヒ
ト心筋ミオシン軽鎖の中間に位置するヒト心筋細胞構成
蛋白である。心筋障害の診断において、このヒト心筋C
プロテインについてヒト心筋ミオシンと同様の測定を行
うと、その立体構造や代謝速度の相違により、ヒト心筋
ミオシンとは異なる臨床的情報が提供される。
しかしながら、上記診断に適した抗ヒト心筋Cプロテ
インモノクローナル抗体は未だ確立されていない。
従って、本発明は、抗ヒト心筋Cプロテインモノクロ
ーナル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマ、該モノクローナル抗体の製造法及び該モノクロ
ーナル抗体を含有するヒト心疾患の診断薬を提供するこ
とを目的とする。
[課題を解決するための手段] かかる実情において、本発明者らは鋭意研究を行った
結果、本発明に到達するに至った。
すなわち本発明は、ヒト心筋Cプロテインを特異的に
認識するモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマ、該モノクローナル抗体の製造
法及び該モノクローナル抗体の標識体を含有するヒト心
疾患の診断剤を提供するものである。
本発明のモノクローナル抗体は、ヒト心筋Cプロテイ
ンを免疫した動物から採取した抗体産生細胞と骨髄腫細
胞との細胞融合によって作製したハイブリドーマを動物
腹腔内または培養液中にて増殖せしめ、該腹水または培
養液から採取することにより製造される。
本発明において抗原として用いるヒト心筋Cプロテイ
ンは、ヒト心筋を材料とし、例えば「K.M.Prince,Bioch
em.J.,191,571−580(1980)」記載の方法に準じ、粗ミ
オシンを精製し、更にSDS−PAGE法により目的とするC
プロテインのバンドを切り出し、ゲルにより抽出するこ
とにより製造することができる。
また、本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマは、いわゆる細胞融合によって製造される。す
なわち、上記ヒト心筋Cプロテインを抗原として用いて
免疫した動物から抗体産生細胞を調製し、これを骨髄腫
細胞と融合させ、得られたハイブリドーマを選択的に増
殖させ、該ハイブリドーマから抗体産生ハイブリドーマ
を検索し、クローニングにより目的とするモノクローナ
ル抗体産生ハイブリドーマを得る。
抗体産生細胞としては、例えばヒト心筋Cプロテイン
またはこれから得られる抗原を免疫させた動物から得ら
れる脾臓細胞、リンパ節細胞、B−リンパ球塔が挙げら
れる。免疫させる動物としては、マウス、ラット、ウサ
ギ、ヤギ、ウマ等が挙げられる。免疫は、例えばヒト心
筋Cプロテインをそのまま、または完全フロインドアジ
ュバント等量混合液として、動物の皮下、筋肉内または
腹腔内に、約50μg/200μ/回を月1〜2回、2〜4
ヵ月間投与することにより行われる。抗体産生細胞の分
離は、最終免疫から2〜4日後に免疫動物から採取する
ことにより行われる。
骨髄腫細胞としては、マウス、ラット、ヒト等由来の
ものが使用できる。ここで、抗体産生細胞と骨髄腫細胞
とは同種動物由来であるのが好ましい。
細胞融合は、例えばケーラーとミルスタインの方法
〔Khler,G.and Milstein,C.,Nature,256,495(197
5)〕またはこれに準ずる方法によって行われる。すな
わち、PRMI1640培地等の培地中で抗体産生細胞と骨髄腫
細胞とを混合することにより行われる。このとき、ポリ
エチレングリコール等の融合促進剤を添加するのが好ま
しい。
細胞融合終了後、RPMI1640培地等で適当に希釈し、遠
心分離し、沈渣をHAT培地等の選択培地に懸濁し、これ
を培養することによりハイブリドーマを選択する。次い
で、培養上清を用いて酵素抗体法により抗体産生ハイブ
リドーマを検索し、限界希釈法等によりクローニングを
行い、本発明モノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマを得る。
本発明者らは、上記のようにしてヒト心筋Cプロテイ
ンを特異的に認識するモノクローナル抗体を産生するハ
イブリドーマを製造し、工業技術院微生物工業技術研究
所に寄託した〔AOC−1,微工研条寄第2473号(FERM BP−
2473)〕。本発明においては、例えばこのハイブリドー
マを使用して本発明モノクロー抗体を製造することが出
来る。
かくして得られた抗体産生ハイブリドーマを利用して
本発明モノクローナル抗体を製造するには、該ハイブリ
ドーマが本発明モノクロー抗体産生能を有しているの
で、これを適当な培養液中または生体内で培養し、該培
養物から採取することによって行われる。生体内で培養
するには、該ハイブリドーマを骨髄腫細胞と同種の動物
の腹腔内に投与し、その腹水中に本発明モノクローナル
抗体を蓄積せしめ、該腹水から採取する。ここで、抗体
産生ハイブリドーマの投与に先立って、プリスタン等の
鉱物油を投与するのが好ましい。
培養液または腹水からの本発明モノクローナル抗体の
採取は、IgG精製に通常使用される硫安分画法、陰イオ
ン交換体またはプロテインAカラムによるクロマトグラ
フィーによって実施される。
かくして得られる本発明モノクローナル抗体は、その
免疫グロブリンクラスがIgG1,κであり、ヒト心筋Cプ
ロテインに特異的に反応するものである。
本発明モノクローナル抗体はヒト心筋Cプロテインに
特異的に反応するため、これを酵素、放射性同位元素、
栄光物質等で標識すれば、心筋組織中のヒト心筋Cプロ
テイン状態や、循環血流中に逸脱してくるヒト心筋Cプ
ロテインの量を観察することができ、心疾患診断薬とし
て利用できる。
標識に用いられる酵素としては、ペルオキシダーゼ、
アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ等が
挙げられ、放射性同位元素としては、111In、99mTc、67
Ga、131I、125I、123I等が挙げられ、蛍光物質として
は、フルオレッセンスイソチオシアネート等が挙げられ
る。これらの標識物質による本発明モノクローナル抗体
の標識は、常法に従って行われる。
本発明心疾患診断剤を用いて心疾患を診断するには、
インビトロの方法として、本発明モノクローナル抗体標
識体を利用した種々の免疫測定法、例えば競合法やサン
ドイッチ法によるエンザイムイムノアッセイ、ラジオイ
ムノアッセイ、凝集反応、凝集阻止反応等により抗原を
定量または定性する方法が挙げられる。ここで、免疫測
定法の実施に際しては、ポリスチレンビーズ等の担体に
抗体を固定化した固相化抗体を利用し、免疫反応を該固
相化抗体上で行わせることもできる。また、インビボの
方法として、本発明モノクローナル抗体に前記放射性同
位元素を標識して、患者の外部よりシンチカメラ等で放
射線を測定することにより、心筋障害の範囲や程度を判
定することができる。
[作用及び発明の効果] 細胞膜は、生体において物質の輸送に重要な役割を果
たしており、例えば抗体は細胞外へ分泌されることはあ
っても、生細胞中へ単純輸送されることはない。もし細
胞膜が物質輸送の障壁としての役割を失った場合(例え
ば心筋障害部位における心筋細胞膜の破綻等)、抗体の
ような高分子量の蛋白が心筋細胞膜を自由に通過し、心
筋細胞内への侵入が可能な状態となる。従って、心筋障
害患者に本発明の心疾患診断剤を投与した場合、本発明
のモノクローナル抗体が心筋細胞膜を自由に通過して、
心筋細胞内の構成蛋白であるヒト心筋Cプロテインと結
合することができる。ここで、本発明モノクローナル抗
体を放射性同位元素で標識しておくことにより、シンチ
スキャニングが可能となる。すなわち、例えば111Inで
標識した抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗体を
人体に静脈より投与し、時間の経過と共に外部からシン
チカメラ等で放射線を計測することにより、111In標識
抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗体の体内分布
を非侵襲的に観察することができる。もし心筋に障害部
位が存在する場合には、その障害の部位及び程度に応じ
た放射能の集積が見られるので、これにより心筋障害の
範囲や程度を判定することができ、心筋障害を伴う心疾
患の診断に有用である。
また、筋障害を伴う心疾患により心筋細胞組織が破壊
されると、心筋細胞膜に破綻が生じ、心筋細胞組織中の
構成蛋白である心筋Cプロテインが循環血流中に逸脱し
てくる。そこで、本発明の抗ヒト心筋Cプロテインモノ
クローナル抗体を用いてイムノアッセイを行うことによ
り、末梢血流中のヒト心筋Cプロテイン量を測定し、心
筋障害を伴う心疾患の程度や予後を判断することが可能
であり、臨床上有用な診断的意義を与える。従って、本
発明の抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗体は、
イムノアッセイ法等のインビトロ検査における診断薬と
しても有用である。
[実施例] 以下、実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
実施例1 ハイブリドーマの作製: ヒト心筋を材料とし、「K.M.Prince,Biochem.J.,191,
571−580(1980)」記載の方法に準じて粗ミオシンを精
製し、更にSDS−PAGEにより目的とする心筋Cプロテイ
ンのバンドを切り出し、ゲルより抽出して免疫原とし
た。
雌性BALB/Cマウスを用い、完全フロインドアジュバン
ト等量混合液200μ(50μg)を、2週間おきに皮下
に4回免疫した。最終免疫3日後、脾臓を摘出し、この
脾細胞とミエローマ細胞(P3−X63−Ag8)とをポリエチ
レングリコールを用いて融合した。これをHAT培地に懸
濁し、培養した。抗体産生株を、ヒト心筋の凍結標本上
で間接蛍光抗体法によりスクリーニングした。ヒト心筋
Cプロテインに特異的な抗体産生株を限界希釈法により
クローニングし、目的のハイブリドーマ(AOC−1,微工
研条寄第2473号,FERM BP−2473)を得た。
実施例2 モノクローナル抗体の精製: 実施例1で得られたハイブリドーマを、プリスタン前
処理マウスの腹腔内に投与し、腹水から抗体を精製し
た。最終的にヒト心筋Cプロテインに特異的なモノクロ
ーナル抗体(IgG1,κ)を取得した。ウエスタンブロッ
ティングにより解析し、本抗体はヒト心筋Cプロテイン
に特異的に反応することを確認した。
実施例3 抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗体のヒト心筋
に対する特異性: ヘマトキシリン・エオジン染色によりわずかに健常心
筋細胞の生存が確認されたヒト陳旧性心筋梗塞組織の切
片を、実施例2で得られた抗ヒト心筋Cプロテインモノ
クローナル抗体を用いた間接蛍光抗体法により蛍光顕微
鏡で観察した。その結果、ヒト心筋細胞にのみ陽性反応
が認められた。
実施例4 抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗体の家兎虚血
性心筋障害部に対する特異性: 健康な家兎(日本白色種,約2.5kg)にペントバリビ
タール酸ナトリウムを35mg/kg投与し、麻酔した。左第
三第四脇間より開胸し、左冠状動脈回旋枝を血管縫合用
針付き縫合糸にて結紮し、虚血性心筋障害部位を有する
家兎を人工的に作製した。開胸24時間後、実施例2で得
た抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗体10mgを0.
02M燐酸緩衝溶液(0.15MのNaClを含む)1mlに溶解し、
耳静脈より投与した。投与2時間後、ベントバルビター
ル酸ナトリウムを大量に耳静脈より投与して死亡せし
め、解剖して心臓を摘出した。虚血性心筋障害部分を安
全剃刀で切り出し、組織包埋剤(マイルズサイエンス社
製,TISSUE−TEK O.C.T.4583)にて包埋し、ドライアイ
スを加えたアセトンに入れて凍結させた。凍結切片作製
装置(ライツ社製,クリオスタット1720DIGITAL)にて
厚さ5μmの組織切片を作製し、冷アセトン(4℃)に
て30秒間固定した。蛍光色素(フルオレッセンイソチオ
シアネート,FITC)標識抗マウスIgGヤギ抗体を、0.01M
燐酸緩衝溶液(0.15MのNaClを含む)にて希釈し、一切
片当たり200μで15分間染色した。大量の0.01M燐酸緩
衝溶液(0.15MのNaClを含む)で切片を洗浄後、50%グ
リセリン−燐酸緩衝溶液〔グリセリン:0.01M燐酸緩衝溶
液(0.15MのNaClを含む)=1:1)〕で封入し、蛍光顕微
鏡にて観察した。この結果から、ヘマトキシリン・エオ
ジン染色により確認される虚血性心筋障害部に一致し
て、蛍光抗体染色により強い蛍光色が認められ、抗ヒト
心筋Cプロテインモノクローナル抗体は、虚血性心筋障
害部位に特異的に集積することが確認された。
実施例5 抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗体とDTPA(C
14H23N3O10)のカップリッグ: 12mm×75mmのシリコンコーティング試験管に、3mmφ
×6mmのテフロン性撹拌子を入れ、0.02M燐酸緩衝溶液
(0.15MのNaClを含む)に溶解した抗ヒト心筋Cプロテ
インモノクローナル抗体(8.04mg/ml)1mlと0.1M NaHCO
32.5mlを混合した。これに、サイクリックDTPAアンハイ
ドライド(C14H19N3O8)をジメチルスルホキシドにて溶
解したものを加えた。室温で1時間攪拌した後、溶液を
吸引濃縮装置(ザルトリウス社製,コロジオンバッグSM
1320)に移し、バッグの外液を0.01M燐酸緩衝溶液(0.1
5MのNaClを含む)とし、濃縮した。濃縮液を透析チュー
ブに移し、5の0.01M燐酸緩衝溶液(0.15MのNaClを含
む)で透析した。3.6mg/mlの抗ヒト心筋Cプロテインモ
ノクローナル抗体−DTPA溶液を2ml得た。このカップリ
ング反応における収率は、約90%であった。
実施例6 抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗体−DTPAの活
性試験: ポリスチレンマイクロタイタープレート(コースター
社製,♯3590)に、ヒト心筋Cプロテインを0.1Mグリシ
ン緩衝溶液(5mM EDTA,pH8.5)に溶解した溶液(1μg/
100μ)を1ウエル当たり100μ添加し、4℃にて一
晩静置した。ヒト心筋Cプロテイン溶液を吸引除去後、
0.01M燐酸緩衝溶液(0.05%Tween80と0.15MのNaClを含
む)で洗浄した。各ウエルに免疫測定用ブロッキング試
薬(ブロックA)を200μずつ添加し、室温にて1時
間静置した。上記と同じ燐酸緩衝溶液で洗浄後、抗ヒト
心筋Cプロテインモノクローナル抗体溶液(100,10,1,
0.1,0.01及び0.001μg/ml)または抗ヒト心筋Cプロテ
インモノクローナル抗体−DTPA溶液(100,10,1,0.1,0.0
1及び0.001μg/ml)を1ウエル当たり100μずつ添加
し、室温にて1時間静置し、ヒト心筋Cプロテインと、
抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗体または抗ヒ
ト心筋Cプロテインモノクローナル抗体−DTPAとを反応
させた。上記と同じ燐酸緩衝溶液で洗浄後、第二抗体
(ペルオキシダーゼ結合抗マウスIgGヤギ抗体)を1ウ
エル当たり100μずつ添加し、室温にて1時間静置し
た。再度同じ燐酸緩衝溶液で洗浄後、0.05M燐酸ナトリ
ウム、0.025Mクエン酸ナトリウム及び0.03%過酸化水素
を含む溶液で3mg/mlとなるようにオルトフェニレンジア
ミンジハイドロクロライドを溶解した発色液を、1ウエ
ル当たり200μずつ添加し、室温で30分間反応させ
た。4N硫酸を1ウエル当たり50μずつ添加し、反応を
停止させた。各ウエルの492nmにおける吸光度を測定
し、抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗体と抗ヒ
ト心筋Cプロテインモノクローナル抗体−DTPAの抗体活
性を比較し、表1に示した。
この結果から、各ヒト心筋Cプロテイン濃度における
両者の吸光度にはほとんど差がなく、DTPAカップリング
による活性への影響は認められなかった。
実施例7111 Inによる抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗
体−DTPAの標識: 10mlガラスバイアルに、実施例5で調製した抗ヒト心
筋Cプロテインモノクローナル抗体−DTPA溶液(3.6mg/
ml)136μ、0.01M燐酸緩衝液(10%マルトースと0.15
MのNaClを含む)861μ、0.2Mクエン酸緩衝液1000μ
及び放射性塩化インジウム111(111InCl3)20μ(52M
Bq)を加え、よく撹拌して2時間静置した。得られた
111In−抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗体−D
TPAの純度試験を薄層クロマトグラフィーで試験した結
果、その標識率は100%であった。
実施例8 虚血性心筋障害家兎における111In−抗ヒト心筋Cプロ
テインモノクローナル抗体−DTPAの体内分布試験: 実施例4と同様の開胸手術にて作製した虚血性心筋障
害家兎1羽当たり111In−抗ヒト心筋Cプロテインモノ
クローナル抗体−DTPA0.5ml(13MBq,0.125mg)を耳静脈
より投与し、48時間後にガンマーカメラ(アロカ社製,
オメガ500)にて前面像を撮像した。111In−抗ヒト心筋
Cプロテインモノクローナル抗体−DTPAは、虚血性心筋
障害部へ集積することを確認した。撮像後、虚血性心筋
障害家兎を解剖し、諸臓器(血液,心筋障害部,心筋正
常部,肝臓,脾臓,腎臓)を摘出し、各々の放射能をガ
ンマーカウンター(パッカード社製,卓上型ミナキシー
ガンマーカウンター オートガンマ5530)にて測定し
た。各臓器の放射能分布を表2に示す。なお、「%Dose
/g」は、各臓器1g当たりの全投与放射能量に対する分布
率である。
この結果から、111In−抗ヒト心筋Cプロテインモノ
クローナル抗体−DTPAは、心筋正常部に比較して虚血性
心筋障害部への集積性が大きいことを確認した。
実施例999m Tcによる抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗
体−DTPAの標識: 10mlガラスバイアルに、実施例5で調製した抗ヒト心
筋Cプロテインモノクローナル抗体−DTPA溶液(3.1mg/
ml)200μ、0.1M燐酸緩衝液(0.15MのNaClを含む)80
0μ、塩化第一錫溶液(2mg/ml,0.1N塩酸溶液)50μ
及び放射性テクネチウム99m(99mTc)500μ(370MB
q)を加え、よく撹拌して1時間静置後、20%Ca−EDTA
溶液50μを加えた。0.01M燐酸緩衝液にて平衡化した
セファデックスG−25Mカラムを用いて精製を行ない、
ファーストピークを0.22μmのフィルターでろ過した。
得られた99mTc−抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナ
ル抗体−DTPAの純度試験を薄層クロマトグラフィーで試
験した結果、その標識率は90%であった。
実施例10 虚血性心筋障害家兎における99mTc−抗ヒト心筋Cプロ
テインモノクローナル抗体−DTPAの体内分布試験: 実施例4と同様の開胸手術にて作製した虚血性心筋障
害家兎1羽当たり99mTc−抗ヒト心筋Cプロテインモノ
クローナル抗体−DTPA1ml(37MBq)を耳静脈より投与
し、2時間30分後にガンマーカメラ(アロカ社製,オメ
ガ500)にて前面像を撮像した。99mTc−抗ヒト心筋Cプ
ロテインモノクローナル抗体−DTPAは、虚血性心筋障害
部へ集積することを確認した。撮像後、実施例8と同様
にして各臓器の放射能分布を測定した結果を表3に示
す。
この結果から、99mTc−抗ヒト心筋Cプロテインモノ
クローナル抗体−DTPAは、心筋正常部に比較して虚血性
心筋障害部への集積性が大きいことが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/577 C12N 5/00 B // A61K 39/395 A61K 49/02 B C (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト心筋Cプロテインを抗原として得られ
    る、ヒト心筋Cプロテインを特異的に認識する抗ヒト心
    筋Cプロテインモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】免疫グロブリンクラスが、IgG1,κである
    請求項1記載の抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル
    抗体。
  3. 【請求項3】請求項1記載の抗ヒト心筋Cプロテインモ
    ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
  4. 【請求項4】請求項3記載のハイブリドーマを運動腹腔
    内または培養液中にて増殖せしめ、該腹水または培養液
    より抗ヒト心筋Cプロテインモノクローナル抗体を採取
    することを特徴とする請求項1記載の抗ヒト心筋Cプロ
    テインモノクローナル抗体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の抗ヒト心筋Cプロテインモ
    ノクローナル抗体を、酵素、放射性同位元素または蛍光
    物質で標識したモノクローナル抗体を含有する心疾患診
    断剤。
  6. 【請求項6】放射性同位元素が、111In、99mTc、67Ga、
    131I、125Iまたは123Iである請求項5記載の心疾患診断
    剤。
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