JP2829569B2 - 光増幅装置 - Google Patents

光増幅装置

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JP2829569B2 JP32647294A JP32647294A JP2829569B2 JP 2829569 B2 JP2829569 B2 JP 2829569B2 JP 32647294 A JP32647294 A JP 32647294A JP 32647294 A JP32647294 A JP 32647294A JP 2829569 B2 JP2829569 B2 JP 2829569B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光増幅装置に係り、特
に多重パス増幅を行う光増幅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多重パス増幅を行う光増幅装置と
しては、図7に示すような4パスの光増幅装置101が
ある。この光増幅装置101は、光増幅器102、旋光
子103、ファラデー回転子104,105、偏光子1
06,107、反射ミラー108,109から構成され
ている。
【0003】光増幅器102は、双方向に増幅特性を有
するレーザ光増幅器であり、旋光子103は、透過する
レーザ光の偏光を反時計回りに45度だけ回転させ、フ
ァラデー回転子104,105は、透過するレーザ光に
磁界を作用させ、進行方向に対して時計回りまたは反時
計回りのいずれかに45度だけ回転させるものである。
また、偏光子106,107は、水平偏光のレーザ光
は透過し、垂直偏光のレーザ光は反射するものであり、
反射ミラー108,109は、すべての偏光のレーザ光
を反射するものである。
【0004】上記構成の光増幅装置の動作例を、レーザ
光の増幅と偏光の移り変わりを示す図8を参照して説明
する。まず、水平偏光のレーザ光が入射されると、偏光
子106を透過して旋光子103により反時計回りに4
5度回転され、ファラデー回転子104によって時計回
りに45度回転されることで再び水平偏光に戻される。
次いで、水平偏光となったレーザ光が偏光子107を透
過して光増幅器102によって増幅され(1パス)、フ
ァラデー回転子105によって反時計回りに45度回転
されるとともに、反射ミラー108によって反射され
る。
【0005】反射ミラー108によって反射されたレー
ザ光は、今までの進行方向から見ると時計回りに45度
回転した偏光となっており、今度はファラデー回転子1
05によって時計回りに45度回転されて垂直偏光とな
る。すなわち、レーザ光はファラデー回転子105と反
射ミラー108とを往復することにより偏光が90度回
転する。この垂直偏光のレーザ光は光増幅器102によ
って増幅され(2パス)、偏光子107,反射ミラー1
09,偏光子107をそれぞれ反射して光増幅器102
によって増幅される(3パス)。そして、再度、レーザ
光はファラデー回転子105と反射ミラー108とを往
復することにより偏光が90度回転して水平偏光とな
り、光増幅器102によって増幅されて(4パス)、偏
光子107を透過する。
【0006】次いで、レーザ光は、ファラデー回転子1
05で反時計回りに45度、さらに、旋光子103によ
り反時計回りに45度回転されて垂直偏光となり、偏光
子106により反射されて出射される。ここで、出射側
からレーザ光が入射した場合を考えると、水平偏光のレ
ーザ光は、旋光子103を透過して光増幅器102には
入射しない。また、垂直偏光のレーザ光は偏光子106
及びファラデー回転子104を透過しても偏光が変わら
ないため、偏光子107で反射されて光増幅器102に
は入射しない。これによって、この光増幅装置101
は、偏光子106及びファラデー回転子104の組み合
わせにより、一方向のみの入射光を増幅する光増幅装置
となっている。すなわち、水平偏光で入射したレーザ光
は、偏光の向きを旋光子103及びファラデー回転子1
04,105により変化させ、光増幅器102によって
4回増幅した後、垂直偏光となって出射される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の光増幅装置101にあっては、双方向に対し
て増幅特性を有する光増幅器102を備え、かつ、反射
ミラー108,109が光経路を介して対向位置に設け
られているため、反射ミラー108,109があたかも
共振器ミラーのように振る舞うことにより、寄生発振を
招くおそれがあるという問題点があった。
【0008】そこで本発明の課題は、上記問題点に鑑
み、多重パス増幅を行う光増幅装置において、寄生発振
を抑制することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光増幅装置は、
図1に示すように、レーザ光を増幅する光増幅器2と、
レーザ光の偏光を回転させる旋光子3,4及びファラ
デー回転子5と、レーザ光の偏光状態によって当該レー
ザ光を透過または反射する偏光子6〜8と、レーザ光を
反射する反射ミラー9〜11と、を備え、前記偏光子
7,8及び前記反射ミラー9,10によってループ状の
レーザ光経路を形成し、当該レーザ光経路内に前記光増
幅器2を配設するとともに、該レーザ光経路内における
各反射ミラー9,10の反射面がレーザ光経路に対して
所定の角度を有して配置されることを特徴としている。
【0010】この場合、前記偏光子7,8及び前記反射
ミラー9,10によって形成されるループ状のレーザ光
経路は、該偏光子7,8及び該反射ミラー9,10の反
射面をレーザ光経路に対してそれぞれ45度の角度で配
置することによって形成されることが有効である。
【0011】
【作用】本発明の光増幅装置にあっては、偏光子及び反
射ミラーによってループ状のレーザ光経路が形成され、
当該レーザ光経路内に光増幅器が配設されるとともに、
このレーザ光経路内における各反射ミラーの反射面がレ
ーザ光経路に対して所定の角度を有して配置されること
により、各反射ミラーが対向することがないため、多重
パス増幅を行う光増幅装置において、寄生発振が抑制さ
れる。このとき、偏光子及び反射ミラーによって形成さ
れるループ状のレーザ光経路が、これら偏光子及び反射
ミラーの反射面をレーザ光経路に対してそれぞれ45度
の角度で配置されることにより、レーザ光に対してより
効率良くループ状のレーザ光経路が形成される。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は、本発明の一実施例に係る光増幅装
置1の概略構成を示すブロック図である。図1におい
て、光増幅装置1は、光増幅器2、旋光子3,4、ファ
ラデー回転子5、偏光子6〜8、反射ミラー9〜11か
ら構成されている。
【0013】光増幅器2は、双方向に増幅特性を有する
レーザ光増幅器であり、旋光子3は、透過するレーザ光
の偏光を反時計回りに45度だけ回転させ、旋光子4
は、透過するレーザ光の偏光を反時計回りに90度回転
させる。そして、ファラデー回転子5は、透過するレー
ザ光に磁界を作用させ、進行方向に対して時計回りまた
は反時計回りのいずれかに45度だけ回転させるもので
ある。また、偏光子6〜8は、水平偏光のレーザ光は透
過し、垂直偏光のレーザ光は反射するものであり、反射
ミラー9〜11は、すべての偏光のレーザ光を反射する
ものである。
【0014】さらに、本実施例では、偏光子7,8及び
反射ミラー9,10をレーザ光経路に対してそれぞれ4
5度の角度で配置することによってループ状のレーザ光
経路が形成されている。
【0015】次に、本実施例の動作を、図2に基づいて
説明する。図2は、本実施例のレーザ光の増幅と偏光の
移り変わりを示す図である。この図によれば、水平偏光
のレーザ光が入射されると、入射光は、偏光子6を透過
して旋光子3により反時計回りに45度回転され、ファ
ラデー回転子5によって時計回りに45度回転されるこ
とで再び水平偏光に戻される。次いで、水平偏光となっ
たレーザ光が偏光子7を透過して光増幅器2によって増
幅され(1パス)、旋光子4によって反時計回りに90
度回転されて垂直偏光となり、垂直偏光となったレーザ
光は、偏光子8により反射されるとともに、反射ミラー
9,10及び偏光子7により反射され、再度光増幅器2
によって増幅される(2パス)。
【0016】そして、旋光子4によってレーザ光が再び
水平偏光となり、偏光子8を透過し、反射ミラー11に
反射されて再度偏光子8を透過するとともに、偏光子8
を透過したレーザ光は、旋光子4によって再度垂直偏光
となって光増幅器2により増幅される(3パス)。
【0017】増幅されたレーザ光は、偏光子7、反射ミ
ラー10,9、偏光子8によって反射されるとともに、
旋光子4によって水平偏光となって光増幅器2により増
幅され(4パス)、4回目の増幅が終了した水平偏光の
レーザ光は、偏光子7を透過し、ファラデー回転子5及
び旋光子3によって垂直偏光となり、偏光子6により反
射されて出射される。すなわち、ファラデー回転子5及
び旋光子3の組み合わせによって光アッテネータが構成
され、光増幅装置の一方向性が確立されている。
【0018】次に、図7に示す従来例と比較して、本実
施例の光増幅装置1がどの程度寄生発振に対して有効で
あるかを説明する。
【0019】寄生発振の元となる光を考えた場合、その
偏光は、水平偏光と、垂直偏光との2種類に大別され
る。また、その光の進行方向も2方向が考えられるの
で、以下では、説明の都合上、通常時にレーザ光が増幅
される方向を順方向とし、反対方向を逆方向とする。
【0020】従来例において、図9,図10に示すよう
に、光増幅器から発生する光は、信号方向及び偏光によ
らず、増幅4回、減衰2回で1サイクルとなっており、
寄生発振の式は、α2 ・G4 ≧1(αは減衰、Gは増幅
係数)であった。
【0021】これに対し、本実施例の場合は、図3〜図
5に示すように順方向の進行方向では、A,B,Cの3
通りのサイクルが考えられ、また、図6に示すように、
逆方向の進行方向では、増幅2回、減衰2回で増幅が2
回分減っており、寄生発振の式は、順方向A及び逆方向
で、α2 ・G2 ≧1(αは減衰、Gは増幅係数)であ
り、1サイクルで増幅2回分が減っている。そして、図
4,図5に示す順方向B及び順方向Cでは、寄生発振の
サイクルが特殊であるため、Σ(αG)2n2 ≧1(n=
1,・・・,∞)と考えた場合、前述の順方向A及び逆方向と
ほぼ同じとみなすことができる。
【0022】すなわち、順方向B及び順方向Cでは、最
終的には、逆方向のサイクルとなるため、例えば、順方
向Cにおける増幅4回、減衰2回は、1サイクル目だけ
であり、以降は、増幅2回、減衰2回の発振サイクルと
なるので、従来例と比較して、あらゆる状態において寄
生発振の抑制に優れており、さらに、ループ状のレーザ
光経路を利用して多重パスアンプにおいても寄生発振の
抑制効果を高めることができる。
【0023】以上説明したように、本実施例では、偏光
子7,8及び反射ミラー9,10によってループ状のレ
ーザ光経路を形成し、当該レーザ光経路内に光増幅器2
を配設するとともに、このレーザ光経路内における各反
射ミラー9,10の反射面をレーザ光経路に対して所定
の角度を有して配置することにより、各反射ミラー9,
10が対向することがないため、多重パス増幅を行う光
増幅装置において、寄生発振を抑制することができる。
【0044】以上、本発明を好適な実施例に基づき具体
的に説明したが、本発明はレーザ光経路内における各反
射ミラーの反射面をレーザ光経路に対して所定の角度を
有して配置することを主眼とするので、上記実施例に限
定されるものではなく、種々の実施態様が可能であるこ
とはいうまでもない。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、偏光子及び反射ミラーによってループ状のレーザ
光経路を形成し、当該レーザ光経路内に光増幅器を配設
するとともに、このレーザ光経路内における各反射ミラ
ーの反射面をレーザ光経路に対して所定の角度を有して
配置し、各反射ミラーが対向しないようにしたので、多
重パス増幅を行う光増幅装置において、寄生発振が抑制
される効果がある。
【0046】また、偏光子及び反射ミラーによって形成
されるループ状のレーザ光経路が、これら偏光子及び反
射ミラーの反射面をレーザ光経路に対してそれぞれ45
度の角度になるように配置したので、上記効果に加え、
レーザ光に対してより効率良くループ状のレーザ光経路
が形成される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光増幅装置の概略構成
を示すブロック図。
【図2】本実施例のレーザ光の増幅と偏光の移り変わり
を示す図。
【図3】本実施例のレーザ光の順方向Aから偏光遷移を
示す図。
【図4】本実施例のレーザ光の順方向Bから偏光遷移を
示す図。
【図5】本実施例のレーザ光の順方向Cから偏光遷移を
示す図。
【図6】本実施例のレーザ光の逆方向から偏光遷移を示
す図。
【図7】従来のこの種の光増幅装置の概略構成を示すブ
ロック図。
【図8】従来例のレーザ光の増幅と偏光の移り変わりを
示す図。
【図9】従来例のレーザ光の順方向から偏光遷移を示す
図。
【図10】従来例のレーザ光の逆方向から偏光遷移を示
す図。
【符号の説明】
1 光増幅装置 2 光増幅器 3,4 旋光子 5 ファラデー回転子 6〜8 偏光子 9〜11 反射ミラー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光を増幅する光増幅器と、前記レー
    ザ光を一定方向に一定角度毎に回転偏光させる旋光子
    と、前記レーザ光を任意の方向に任意の角度毎に回転偏
    光させるファラデー回転子と、前記レーザ光の偏光状態
    により透過あるいは反射する偏光子と、前記レーザ光を
    その偏光状態によらず反射する反射ミラーとを備え、 前記偏光子及び前記反射ミラーによってループ状のレー
    ザ光経路を形成し、当該レーザ光経路内に前記光増幅器
    および前記旋光子を配設するとともに、当該レーザ光経
    路内における各反射ミラーの反射面が各々対向しないよ
    うな所定の角度を有して配置され、前記ループ状のレー
    ザ光経路内に入ったレーザ光は前記旋光子により偏光状
    態を変えられ、前記ループ状のレーザ光経路を一巡した
    後前記旋光子にて偏光状態を元に戻した上で前記レーザ
    光経路から出ていくことを特徴とする光増幅装置。
  2. 【請求項2】前記ループ状のレーザ光経路は、前記偏光
    子及び前記反射ミラーの反射面とレーザ光の入射角が4
    5度となるように構成されることを特徴とする請求項1
    記載の光増幅装置。
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