JP2828762B2 - 放射性廃棄物の除染装置 - Google Patents

放射性廃棄物の除染装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は放射性金属廃棄物のブラスト除染に関するも
のであり、特に研削材と研削ダストとを分級する分級装
置を改良した放射性廃棄物の除染装置に関するものであ
る。
(従来の技術) 第3図(a)は従来の放射性廃棄物の除染装置の一例
を示す図である。第3図(a)に示す例において、放射
性金属廃棄物41はブラスト室42内においてブラストノズ
ル43から放出される研削材によりブラスト除染される。
ブラスト後の研削材及び研削ダストは排気ブロワ44によ
り同時に吸引され、サイクロン分級器45において研削材
と研削ダストを含む空気に分離され、分離された研削材
は再循環使用されるとともに、分離された研削ダストを
含む空気はバグフィルタ46及びHEPAフィルタ47からなる
排気処理系に導かれて処理されていた。
上述した除染装置において、研削材により放射性金属
廃棄物をブラスト処理すると、金属表面に付着した放射
性物質はその大部分が研削ダストとなり金属表面より離
脱する。従って、上述した除染装置のように研削材を再
循環使用する場合には、研削材と研削ダストとを完全に
分離する必要があった。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述した従来の除染装置のようにサイ
クロンを用いた分級方式では、空気側に研削材が移行す
る割合は少ないが、逆に研削材中には研削ダストが混入
する割合が多いという問題があった。また、この点を改
善したサイクロンを利用した分級器もあるが、構造が複
雑となり放射性物質が堆積し易くなる問題があった。さ
らに、研削材と研削ダスト及び微粉ダストが混じった空
気が、一本の配管で分級器に送り込まれるため、ブラス
ト室での分級ができない問題もあった。
一方、上述したサイクロン分級装置の問題点を解消
し、放射性廃棄物の分級精度を上げるために、第3図
(b)に示すように第3図(a)と同様の構成でサイク
ロン分級器45の代わりにカスケード分級器48を設けた例
が知られている。
しかしながら、第3図(b)に示すカスケード分級装
置を利用した例でも、カスケード分級装置までの搬送手
段としてスクリューコンベア49、バケットコンベア50等
を用いているため、研削ダストが滞留し易い問題があっ
た。その結果、スクリューコンベア付近にて研削ダクト
との接触による研削材の汚染が発生するとともに、これ
らの機器のメンテナンスも煩雑となる問題があった。さ
らに、研削材と研削ダストとの接触が多くなり、研削材
が汚染し易い問題もあった。
本発明の目的は上述した課題を解消して、研削材と研
削ダストの分離をより完全に実施でき、高精度の除染を
達成できる放射性廃棄物の除染装置を提供しようとする
ものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の放射性廃棄物の除染装置は、密閉状態で、放
射性金属廃棄物をブラスト除染するブラスト除染装置
と、ブラスト除染後の放射性廃棄物を研削材と研削ダス
トに分級する分級装置と、分級されたダストを含む排気
ガスを処理する排気処理装置とからなる放射性廃棄物の
除染装置において、前記分級装置を、前記ブラスト除染
装置の直下に設けたカスケード式の第一の分級装置と、
この第一の分級装置の下流側に設けたサイクロン式の第
二の分級装置とから構成したことを特徴とするものであ
る。
(作用) 上述した構成において、放射性廃棄物の分級を研削材
と研削ダストとの接触を極力避けるため、ブラスト除染
装置の直下にカスケード分級器を設けブラスト処理後直
ちにカスケード分級を行うよう構成し、スクリューコン
ベア等の使用をなくしたため、研削ダストの滞留部をな
くし、研削材の汚染を防止することができる。
また、カスケード分級器の下流側にサイクロン分級器
を設けたため、放射性廃棄物を2回分級することがで
き、分級の精度をより高めることができるとともに、第
二の分級装置としてサイクロン式の分級器を設けたた
め、カスケード式の分級器とサイクロン式の分級器との
間にスクリューコンベア等を設ける必要はなく、研削ダ
ストの滞留部はないため、研削材の汚染を同様に防止す
ることができる。
(実施例) 第1図は本発明の放射性廃棄物の除染装置の一例の構
成を示す図である。第1図に示す例において、1はブラ
スト除染装置の密閉したブラスト室、2は除染すべき放
射性金属廃棄物、3はブラストに使用する研削材を放出
するためのノズル、4はブラスト室1の直下に直接設け
たカスケード分級器、5はカスケード分級器4での分級
に用いる清浄空気の供給口、6はカスケード分級器4で
分級した研削ダストの回収容器、7はカスケード分級器
4で分級した研削材を貯留するホッパ、8はカスケード
分級器4の下流側に設けたサイクロン分級器、9はホッ
パ7とサイクロン分級器8を接続する管路、10はサイク
ロン分級器8で分級した研削材をブラスト室内へ循環す
るためのブラスト装置、11はサイクロン分級器8で分級
した研削ダストを分離するためのバグフィルタ、12はバ
グフィルタ11を通過した研削ダストをさらにフィルタリ
ングするHEPAフィルタ、13はブラスト室1とバグフィル
タ11との間、カスケード分級器4とバグフィルタ11との
間及びサイクロン分級器8とバグフィルタ11との間を接
続する管路、14はサイクロン分級器8内の研削ダスト及
びブラスト室1及びカスケード分級器4内に浮遊してい
る研削ダストを管路13、バグフィルタ11及びHEPAフィル
タ12を介して吸引する排気ブロワである。
上述した本発明の放射性廃棄物の除染装置において実
際の操作は以下のようになる。まず、ブラスト装置10に
ブラスト操作に使用する研削材を供給し、排気ブロワ14
を起動する。次に、放射性金属廃棄物2をブラスト室1
内に搬入し、ノズル3から研削材を噴出してブラスト処
理を実施する。この時、ブラスト室1内に浮遊する微粒
ダストは、管路13を介して排気とともにバグフィルタ11
に供給され一次分級される。ブラスト処理後の研削材は
下部に落下し、カスケード分級器4に供給され、供給口
5から供給される清浄空気により分級される。この時も
同様に、カスケード分級器4内に浮遊する微粒ダスト
は、管路13を介して排気とともにバグフィルタ11に供給
される。
カスケード分級器4において分級された研削材はホッ
パ7に一次貯留され、管路9を介してサイクロン分級器
8に供給される。下流側の分級器はサイクロン分級器8
であるため、研削材を管路9を介して真空搬送すること
ができる。ここで、配管流速は20m/s以上であると好ま
しい。分級された研削ダストは、研削ダストの回収容器
6内に貯留される。
サイクロン分級器8に供給された研削材はサイクロン
分級器8において再度分級され、分級後の微粒ダストは
管路13を介して排気系に導かれるとともに、分級後の研
削材はブラスト装置10に戻り、同様の処理が実施され
る。
第2図は本発明で使用した放射性廃棄物の分級装置の
一例の構成を示す図である。第2図に示す例において、
21は研削材及び研削ダストからなる放射性廃棄物の投入
口、22は分級に使用する清浄空気の供給口、23は供給さ
れる清浄空気の量を調整するための調整ダンパ、24は放
射性廃棄物中の大きな廃棄物を除去する篩、25−1〜25
−4はそれぞれ一定の角度だけ傾けて設けた分級板、26
−1〜26−4は各分級板25−1〜25−4の下端にそれぞ
れ一定の間隔をおいて設けた放射性廃棄物の衝突板、27
a,27bは篩24を通過後の放射性廃棄物を分級板25−1〜2
5−4へ導くための導入板、28は分級後の研削材を排出
する排出口、29は分級後の研削ダストを回収する回収
口、30は微粉で浮遊しているダストを排気するとともに
装置内に清浄空気の流れを発生させるための排気ノズ
ル、31は清浄空気を排気ノイズ30へおよび研削ダクトを
回収口29へ導くための仕切り板、32は回収口29にたい積
した研削ダストである。
上述した本発明の分級装置においては、分級すべき研
削材及び研削ダストからなる放射性廃棄物は投入口21か
ら装置内に投入され、まず篩24により大きな廃棄物を除
去する。大きな廃棄物を除去した放射性廃棄物は導入板
27a,27bに沿って下降し、導入板27bの先端から分級板25
−1に向かって落下する。この落下中に、仕切り板31の
下部開口を経由して、排気ノズル30に向かって清浄空気
の供給口22から供給された清浄空気の流れと放射性廃棄
物が接し、軽い研削ダストは清浄空気の流れにのって仕
切り板31の下部開口を経由して排気ノズル30の方向へ運
ばれ、その途中で軽い研削ダクトの一部は重力沈降して
研削ダクトの回収口29にたい積するとともに、重い研削
材は分級板25−1に沿って下降しさらに衝突板26−1と
当接した後、分級板25−2に向かって落下する。同様の
水平流分級及び垂直流分級からなる重力分級操作が分級
板25−2〜25−4において行われ、その後研削材は研削
材の排出口28から装置外部へと排出される。
なお、分級板25−1〜25−4の寸法については分級装
置の大きさにより異なり一概にはいえないが、その一例
として、分級板の長さは100mm以上、分級板の角度は15
〜60゜で望ましくは20〜40゜、分級板の幅は100mm以
上、分級板の間隔は15mm以上であると好ましい。また、
分級板間の清浄空気の流速は0.3〜3m/s程度が望まし
く、研削材の粒径0.7〜1mmにおいては1〜1.5m/sが良好
である。
本発明は上述した実施例にのみ限定されるものではな
く、幾多の変更が可能である。例えば、上述した実施例
では、ブラスト処理としてバッチ処理の例を示したが、
ホッパ内の研削材の量が一定になるようなコントロール
(例えば、重量、レベルコントロール)を実施して、研
削材を連続的に供給できるように構成すれば、連続処理
も可能となる。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、本発明によれば、ブラス
ト除染装置の直下にカスケード分級器を設けブラスト処
理後直ちにカスケード分級を行うよう構成し、スクリュ
ーコンベア等の使用をなくしたため、研削ダストの滞留
部をなくし、研削材の汚染を防止することができ、長期
間にわたって安定した放射性廃棄物の除染を実施するこ
とができる。
また、カスケード分級器の下流側にサイクロン分級器
を設けたため、放射性廃棄物を2回分級することがで
き、分級の精度をより高めることができるとともに、第
二の分級装置としてサイクロン式の分級器を設けたた
め、カスケード式の分級器とサイクロン式の分級器との
間にスクリューコンベア等を設ける必要はなく、研削ダ
ストの滞留部はないため、研削材の汚染を同様に防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の放射性廃棄物の除染装置の一例の構成
を示す図、 第2図は本発明で使用した放射性廃棄物の分級装置の一
例の構成を示す図、 第3図(a),(b)はそれぞれ従来の放射性廃棄物の
除染装置の一例の構成を示す図である。 1……ブラスト室、2……放射性金属廃棄物 3……ノズル、4……カスケード分級器 5……供給口、6……回収容器 7……ホッパ、8……サイクロン分級器 9……管路、10……ブラスト装置 11……バグフィルタ、12……HEPAフィルタ 13……管路、14……排気ブロワ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21F 9/28 B07B 4/02 - 4/04 B07B 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉状態で、放射性金属廃棄物をブラスト
    除染するブラスト除染装置と、ブラスト除染後の放射性
    廃棄物を研削材と研削ダストに分級する分級装置と、分
    級されたダストを含む排気ガスを処理する排気処理装置
    とからなる放射性廃棄物の除染装置において、前記分級
    装置を、前記ブラスト除染装置の直下に設けたカスケー
    ド式の第一の分級装置と、この第一の分級装置の下流側
    に設けたサイクロン式の第二の分級装置とから構成した
    ことを特徴とする放射性廃棄物の除染装置。
  2. 【請求項2】前記ブラスト除染装置と前記排気処理装置
    とを管路で接続し、ブラスト除染装置内で浮遊する研削
    ダストを直接一次分級することを特徴とする請求項1記
    載の放射性廃棄物の除染装置。
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