JP2827511B2 - 安定な医薬組成物の製法及び製剤 - Google Patents

安定な医薬組成物の製法及び製剤

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、物理化学的に安定な医薬組成物の製法に関
するものである。
背景技術 様々な疾病に対して有用な薬物が供されているが、一
方で薬物自身が不安定なために保存中に薬物が分解した
り、製剤が変色したり、吸湿によって顆粒同士が付着し
たりする等の好ましくない現象もまた生じている。この
ような好ましくない現象は、熱、湿度、水、光、酸、塩
基、空気等によって引き起こされることが多い。また、
これらの要因が複雑に絡み合ってかかるが現象が引き起
こされていると考えられている。
薬物又は製剤を物理的化学的に安定化させる従来の一
般的な方法は、個々に不安定要因を突き止め、それを克
服するというものである。例えば、昇華性のある薬物に
対しては金属塩を添加する方法(ドイツ特許1034327
号、特公昭49−11219号公報)や、薬物を非晶質化する
方法(特開昭58−154547号公報、特開昭58−154548号公
報)等がとられている。水の存在下で加水分解する薬物
に対しては、珪酸アルミニウム及び澱粉加水分解物を加
えて造粒乾燥する方法(特開昭60−89479号公報)、或
いは従来からの一般的な方法として合成又は天然の高分
子皮膜や蝋状物による被覆法等がとられている。ホイス
カー(Whisker)を発生する薬物に対しては、炭、無水
珪酸及び/又はモンモリロナイトを混合する方法(特公
昭56−37990号公報)、制酸剤を配合する方法(特公平
2−85214号公報)、ホイスカー(whisker)発生薬物含
有顆粒と他の薬物含有顆粒を別々に製する方法(特公平
4−5234号公報)等がとられている。吸湿性薬物又は潮
解性薬物が原因となって生じる製剤同士の付着や溶解に
対しては、環状デキストリンによって包接化する方法
(特開昭56−133236号公報)、有機酸を用いる方法(薬
剤学、47,No.2,p87,1987)、吸水能力の大きい賦形剤を
配合する方法(日本薬学会第105年会要旨集、p740)等
がとられている。
しかしながら、個々に不安定要因を突き止め、それを
克服するという方法は時として煩雑なことがある。ま
た、従来の克服手段は、実用性やコスト、生産効率、作
業条件、品質等の面において充分でない場合が多い。即
ち、従来の克服手段は、工業上問題が多いといえる。
一方、多軸型エクストルーダーは、主に食品分野やプ
ラスチック分野で食品(穀類、タンパク、畜肉、魚肉
等)の加工等に広く使用されているスクリュー式混練押
出機である。
医薬品分野で多軸型エクストルーダーを利用した技術
としては、固形薬剤の製法(特開昭62−242630号公
報)、固体分散体の製造方法(PCT WO92/18106)、ワッ
クスマトリックスの製法(PCT WO94/08568)、特開平5
−194197号公報等がある。これらはバイオアベイラビリ
ティーの向上は徐放化等に有用な製剤形態を簡便かつ実
用的に製造しうる技術に関するものであり、いずれも薬
物等の安定化を図る技術とは直接関係するものではな
い。
発明の開示 薬物及び製剤の安定性に係わる複数の現象に対して、
同一の方法でしかも簡便に薬物及び製剤の安定化を図る
ことができれば工業上極めて有利である。
従って、本発明の主な目的は、従来よりも実用性、経
済性に優れた方法で、簡便に薬物及び製剤を物理化学的
に安定化することができる技術を提供することにある。
本発明者らは、医薬品分野における多軸型エクストル
ーダー(以下、単に「エクストルーダー」という)の利
用を種々検討する中で、偶然にも上記目的を達成しうる
医薬組成物の製法を見出し、本発明を完成した。
エクストルーダーは、バレルと呼ばれる筒、出口に相
当するダイ及びスクリューから主に構成されている。バ
レルは通常複数あり、その中をスクリューが貫通してい
る。スクリューには、台形スクリュー、台形カットスク
リュー、台形リバースカット、ボールスクリュー、ニー
ディングパドル(ニーディングディスク)等のタイプが
あり、その組合せは任意に行うことができる。エクスト
ルーダーに送られた試料は、スクリューによりバレル内
を移動し、その間に混練等の処理がなされ、ダイの細孔
から押し出される。通常、各バレル及びダイは独立して
温度調節ができるようになっている。エクストルーダー
は、複数のスクリューが互いに絡み合い干渉しあって物
理的に高いエネルギーを発生させ、これによって原料を
加工するものである。
本発明においては、食品分野やプラスチック分野等で
一般に使用されている高水分・高油分原料の搬送機能、
混合・圧縮粉砕・加熱機能といった基本特性を備えたエ
クストルーダーをそのまま使用することができる。2本
のスクリューを有するエクストルーダーであれば充分に
本発明に係る医薬組成物(以下「本発明組成物」とい
う)を製造することができる。
また、エクストルーダーには、非噛み合い型異方向又
は同方向エクストルーダーや完全又は一部噛み合い型異
方向又は同方向エクストルーダーなど種々のタイプのも
のがあり、本発明においては、完全噛み合い型同方向回
転エクストルーダーが好ましく、特に軸上にニーディン
グパドル(ニーディングディスク)を有する完全噛み合
い型同方向回転エクストルーダーが好ましい。
なお、エクストルーダーを用いて薬物及び製剤の物理
化学的安定化を図ったのは本発明者らが初めてである。
本発明を以下に詳述する。
本発明は、生理的に不活性な粉末添加物1重量部、高
分子添加物0.001〜1重量部及び下記の薬物群から選ば
れた少なくとも一つを必須原料として、これらをエクス
トルーダーによって一括処理することを特徴とする医薬
組成物の製法である。
(薬物群) 昇華性を有する薬物、揮発性を有する薬物、水
の存在下で加水分解する薬物、ホイスカー(whiske
r)を発生する薬物、吸湿性又は潮解性を有する薬
物。
このように薬物をエクストルーダーによって適当に処
理し、かかる組成比を有する医薬組成物とすることによ
り薬物及び製剤を物理化学的に安定化することができ
る。
エクストルーダーでの一括処理は、エクストルーダー
の全バレル及びダイ内で必ずしも行われなければならな
いものではない。あるバレル内以降において一括処理さ
れれば、充分に本発明組成物を製造することができる。
ここで「一括処理」とは、全原料に対し実質同時に剪
断、混合、連合、圧縮、押出し処理等のエクストルーダ
ーが有する処理を行うことをいう。
エクストルーダーで全原料を一括処理する方法として
は、全原料を予め混合及び/又は練合し、これをエク
ストルーダーの主供給孔から供給して一括処理する方
法、「いくつかの原料」を予め混合及び/又は練合
し、これをエクストルーダーの主供給孔から供給し、
「残りの原料」を補助供給孔から供給して一括処理する
方法、「一つの原料」をエクストルーダーの主供給孔
から供給し、残りの原料を補助供給孔から供給して一括
処理する方法などを挙げることができる。薬物等にもよ
るが、上記が最も簡便な方法であると考えられる。
ここで主供給孔とは、バレル内へ原料を供給する最も
基本的な供給孔をいい、補助供給孔とは、水や添加剤等
を補助的にバレル内に供給しうる主供給孔以外の供給孔
をいう。
上記において、必要に応じ、任意の原料を更に補助
供給孔から供給することもできる。
上記において、例えば、薬物、生理的に不活性な粉
末添加物等を「いくつかの原料」とし、高分子添加物等
を「残りの原料」とすることができ、生理的に不活性な
粉末添加物、高分子添加物等を「いくつかの原料」と
し、薬物等を「残りの原料」とすることができる。「い
くつかの原料」として、生理的に不活性な粉末添加物を
主体とすることが好ましい。「残りの原料」は混合物と
して一つの補助供給孔から供給することもできるし、個
々の原料を又は任意の混合物を複数の補助供給孔から供
給することもできる。なお、主供給孔から供給される
「いくつかの原料」のうちの一以上を「残りの原料」の
中に含めて更に補助供給孔から供給することもできる。
上記において、「一つの原料」は、液体状のものを
除いて任意であるが、生理的に不活性な粉末添加物を主
体とすることが好ましい。「残りの原料」は、混合物と
して一つの補助供給孔から供給することもできるし、個
々の原料を又は任意の混合物を複数の補助供給孔から供
給することもできる。
本発明において混合又は練合は、ニーダーミキサー、
V型混合機、二重円錐型混合機、立方体型混合機、リボ
ン型混合機などの機械や手動によって行うことができ
る。
バレル内への原料の供給は、手動により、又は使用す
るエクストルーダーに一般に装備されている原料供給機
によって行うことができるが、一定速度で原料を供給し
うる装置であれば特に制限なく行うことができる。かか
る装置として、例えば、スクリューフィーダー、テーブ
ルフィーダー、スラリーフィーダー、圧送フィーダー、
ベルトコンベア式定量供給機、電磁フィーダーなどを挙
げることができる。
高分子添加物の原料比率は、他の原料、製造形態、エ
クストルーダーの種類や機種等によって異なるが、生理
的に不活性な粉末添加物1重量部に対して、0.001〜1
重量部が適当であり、0.005〜0.9重量部が好ましく、0.
01〜0.6重量部がより好ましい。但し、0.001重量部未
満、又は1重量部より大きくても本発明組成物を製造す
ることができる場合がある。
薬物の原料比率については、特に制限がないが、生理
的に不活性な粉末添加物及び高分子添加物の合計量に対
して0.0001〜10倍量(重量比)が適当であり、0.001〜
5倍量(重量比)が好ましく、0.01〜等倍量(重量比)
がより好ましい。0.0001倍量より少ないと実用的でな
く、10倍量より多いと本発明組成物を製造することがで
きない場合がある。
ここで生理的に不活性な粉末添加物とは、一般に医薬
品の製剤分野において粉末の形態で賦形剤として用いら
れ、エクストルーダーにおける処理の間、実質的に変性
しないものをいう。例えば、乳糖、マルトース、フラク
トース、グルコース、キシロース、結晶セルロース、低
置換度ヒドロキシプロピルセルロース、リン酸水素カル
シウム、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、
グラニュー糖、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ
酸アルミニウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリ
ウム、タルク、デキストリン、シクロデキストリン、軽
質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、クロスカルメロース
ナトリウム、カルメロースカルシウム、カオリン、カル
ボキシメチルスターチナトリウム、合成ヒドロタルサイ
ト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどを挙げるこ
とができる。また、エクストルーダーの設定条件によっ
ては変性するおそれがあるコーンスターチ、バレイショ
澱粉、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉等の澱粉類であ
っても変性しない条件であれば充分に当該生理的に不活
性な粉末添加物として用いることができる。
上記生理的に不活性な粉末添加物は、少なくとも一つ
を用いることができる。二種以上であっても充分に本発
明組成物を製造することができる。
ここで、高分子添加物としては、例えば、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタ
ールジエチルアミノアセテート、カルボキシビニールポ
リマーで代表されるビニル系高分子、ポリアクリル酸ナ
トリウム、メタアクリル酸コポリマー、アミノアルキル
メタアクリレートコポリマーで代表されるアクリル系高
分子、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナト
リウムで代表されるセルロース誘導体、トラガント、ゼ
ラチン、アルギン酸ナトリウム、プルラン、アラビアゴ
ム末、寒天、キサンタンガムなどの天然高分子、トウモ
ロコシ、バレイショ、コメ、コムギ、タピオカ、クズ等
の植物材料から分離される澱粉を化工した熱処理澱粉、
酸化澱粉、酸処理澱粉、酵素処理澱粉、α化澱粉等のい
わゆる化工澱粉、常温で固体、加熱することにより溶融
する性状を有する、例えば、ステアリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マ
ーガリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リ
グノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸で代表される高級脂肪酸、ステ
アリルアルコール、セタノール、ペンタデカノール、ヘ
キサデカノール、ヘプタデカノール、エイコサノール、
コレステロール等で代表される高級アルコール、ポリエ
チレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、
ポリエチレングリコール20000等で代表される多価アル
コール、カルナウバロウ、カカオ脂、牛脂、豚脂、パラ
フィン、ミツロウ、マイクロクリスタルワックス、硬化
ヒマシ油等で代表される油脂類、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシルエチレン
−ポリオキシプロピレングリコール類、モノステアリン
酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパル
ミチン酸ソルビタン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロ
マクロゴールで代表される界面活性剤などを挙げること
ができる。
上記高分子添加物は、少なくとも一つを用いることが
できる。二種以上であっても充分に本発明組成物を製造
することができる。
本発明において物理化学的に安定化しうる薬物として
は、昇華性を有する薬物、揮発性を有する薬物、水の存
在下で加水分解する薬物、ホイスカー(whisker)を発
生する薬物、吸湿性又は潮解性を有する薬物等を挙げる
ことができる。
昇華性を有する薬物としては、ソジウム、1,4−ジメ
チルイソプロピルアズレン−3−スルホネート(以下
「GASN」という)、L−メントール、パラホルム、トリ
メタジオン、カンフル、ナフタレン等を挙げることがで
き、揮発性を有する薬物としては、芳香性生薬に含まれ
るケイヒアルコール、アネトール、オイゲノール等の精
油、生薬抽出部であるケイヒ油、ユーカリ油、レモン
油、ウイキョウ油、チョウジ油、ハッカ油等の香料等を
挙げることができ、水の存在下で加水分解する薬物とし
ては、アスピリン、塩酸ピペサネート、塩酸L−エチル
システイン、臭化ピリドスチグミン、パントテン酸カル
シウム、メピチオスタン、ペントバルビタールナトリウ
ム、トリクロルイソシアヌール酸等を挙げることがで
き、ホイスカー(ホイスカー(whisker)とは、特に密
封容器に保存中に発生する髭状結晶をいう。)を発生す
る薬物としては、エテンザミド、カフェイン、アセトア
ミノフェン、ブロムワレリル尿素、塩酸クロフェダノー
ル等を挙げることができ、吸湿性又は潮解性を有する薬
物としては、バルプル酸ナトリウム、シアノコバラミ
ン、クエン酸ジエチルカルバマジン、イソソルビド、ジ
クロフェナックナトリウム、メシル酸ベタヒスチン、塩
化カルプロニウム、塩酸トラゾリン、塩酸レセルピリン
酸ジメチルアミノエチル、カルバコール、コリンテオフ
ィリン、サリチル酸コリン、シチコリン、臭化ヘキサメ
トニウム、銅クロロフィリンナトリウム、パンテノー
ル、リン酸デキサメタゾンナトリウム、エキス類(ウラ
ジロガシエキス、アカメガシワエキス、スギナエキス
等)、塩酸プロカインアミド、L−プロリン、塩化カル
シウム等を挙げることができる。
上記薬物は、少なくとも一つを用いることができる。
本発明において、薬物によっては溶媒を添加又は含ん
で製造することができる。溶媒を使用するほうが好まし
い場合もある。溶媒を使用することによってバレル内で
の混練作用及び剪断作用をよくしたり強くしたりするこ
とができ、その結果、薬物及び製剤の物理化学的な安定
性をより高めることができる。また処理能率を高めるこ
ともできる。例えば、加水分解を受けない薬物や吸湿性
及び潮解性を有しない薬物に対しては水や有機溶媒を使
用するほうが好ましい。一方、加水分解を受ける薬物や
吸湿性又は潮解性を有する薬物に対しては水や有機溶媒
を使用しないほうが好ましく、代わりに可塑剤、流動化
剤等を使用するほうが好ましい。
ここで溶媒とは、水若しくは有機溶媒又はこれらの混
合溶媒をいう。水は、単なる水の他、生理食塩水、等張
化水、中性、酸性若しくは塩基性緩衝液、又はアンモニ
ア水なども含まれる。有機溶媒としては、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアル
コール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコ
ールなどのアルコール、クロロホルム、塩化メチル、ト
リクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、ヘキサン、ベ
ンゼン、トルエン等の炭化水素、エーテル類、ケトン類
等を挙げることができる。この中、人体への影響を考慮
すればエチルアルコールが好ましい。混合溶媒として
は、任意の割合の上記水及び有機溶媒の任意の混合溶媒
を挙げることができる。いずれも本発明組成物を製造す
ることができる。
なお、溶媒を使用する場合、本発明においてはかかる
溶媒として水を使用すれば充分工業的に本発明組成物を
製造することができる。即ち、有機溶媒を実質的に一切
使用する必要がない。このことは本発明の大きな特徴の
一つである。
上記溶媒は、他の原料、製造形態、エクストルーダー
の種類や機種等によって異なるが、全固形原料に対し1
〜80%(w/w)の割合で添加することができ、好ましく
は3〜60%(w/w)、より好ましくは5〜40%(w/w)の
割合で添加することができる。1%(w/w)より少ない
と前記溶媒使用の利点が得られない場合があり、60%
(w/w)より多いと柔らかい押し出し物となり、その後
の操作に支障をきたす場合がある。
その他,必要に応じて一般に医薬品の製剤分野で使用
されている可塑剤、流動化剤等を適宜配合することがで
きる。可塑剤、流動化剤等によって、パレル内における
必要以上の摩擦抵抗を軽減することができ、エクストル
ーダーによる処理をより円滑に行うことができる。溶媒
を使用しない、又は使用できない場合に有用である。
可塑剤、流動化剤等の原料比率は、生理的に不活性な
粉末添加物及び高分子添加物の合計量に対して30%(w/
w)程度まで配合することができる。これを超えても、
本発明組成物を製造することができるが、押し出し物同
士の固着や崩壊不良等、製剤物性上好ましくない現象が
生ずる場合がある。
可塑剤、流動化剤等としては、常温で液状を有する物
質を挙げることができ、例えば、トリアセチン、クエン
酸トリエチル、中鎖脂肪酸トリグリセライド、ミリスチ
ン酸イソプロピル、グリセリン脂肪酸エステルで代表さ
れる脂肪酸誘導体、プロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリエ
チレングリコール600、グリセリンで代表されるアルコ
ール類、流動パラフィン、硬化油、オリーブ油、オレン
ジ油、ゴマ油、大豆油、椿油、トウモロコシ油、菜種
油、椰子油、落花生油で代表される油脂類、ポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油類、セスキオレイン酸ソルビタ
ン、トリオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソル
ビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート類
で代表される界面活性剤等を挙げることができる。
続いてエクストルーダーの処理条件について説明す
る。
エクストルーダーのバレル及びダイの温度は、生理的
に不活性な粉末添加物、高分子添加物、薬物、溶媒、可
塑剤、流動化剤、エクストルーダーの機種や種類等によ
って異なるが、0〜150℃、好ましくは30〜90℃に設定
することができる。0℃より低いと本発明組成物を製造
することができない場合があり、150℃より高いと薬物
によっては分解するおそれがある。
スクリューの回転数(処理速度)は、エクストルーダ
ーの機種や種類、原料、スクリューの形状等によって適
宜設定することができ、使用するエクストルーダーの許
容範囲内で設定することができる。バレルの全長が長い
エクストルーダーほど回転数を上げることができる。バ
レルの全長が長いほど処理能力が高いからである。具体
的には50rpm以上が適当であり、50〜300rpmが好まし
い。
吐出圧力は、10〜150kg/cm2が適当であり、30〜120kg
/cm2が好ましい。
使用しうるスクリューの形状及びその組合せは、特に
制限なく選択することができる。但し、混練作用及び剪
断作用の強いニーディングパドル(ニーディングディス
ク)という形状のエレメントを1つ以上選択することが
好ましい。ニーディングパドルによる一括処理は、その
高い混練力、剪断力により薬物及び製剤の物理化学的な
安定性をより向上させうる。
排出ダイは、目的とする本発明組成物からなる製剤
(以下、「本発明製剤」という)によって適宜変えるこ
とができる。具体的には、円柱状処理物を得るための種
々の口径を有する円型排出ダイ、板状処理物を得るため
の平型排出ダイ等を挙げることができる。但し、ダイの
形状にかかわりなく、いずれの排出ダイによっても薬物
等を物理化学的に安定化することができ、本発明組成物
及び本発明製剤を得ることができる。
本発明製剤は、本発明組成物を含有することができる
製剤であり、その製剤形態は特に制限されない。具体的
には本発明組成物を含有する顆粒剤、細粒剤、散剤、カ
プセル剤、錠剤などを挙げることができる。
本発明製剤は、以下のようにして製造することができ
る。
エクストルーダーで一括処理された原料は、本発明組
成物となってダイの細孔から連続して押し出されてく
る。これを適当な裁断機、例えば、ローラー型解砕機、
カッターミル、ピンミル等で所望の長さに裁断すること
ができる。この裁断されたものは、そのまま顆粒状又は
細粒状の本発明製剤とすることができる。また、ダイの
細孔から押し出されてきた本発明組成物を、例えばダイ
の先端に装備した回転式カッター(例えば、ロータリー
カッター、型式:2枚羽根、回転数0〜175rpm)にて所望
にする長さに裁断することで、特別な整粒操作なしに直
接顆粒状、又は細粒状の本発明製剤とすることができ
る。
裁断された顆粒状、又は細粒状の本発明組成物をカプ
セル等に詰めれば、本発明カプセル製剤とすることがで
き、圧縮成形すれば錠剤形の本発明製剤とすることがで
きる。
更に、ダイの細孔から押し出されてきた本発明組成
物、裁断された顆粒状若しくは細粒状の本発明組成物、
又は圧縮成形された本発明組成物にコーティング処理な
どを施したものを、そのまま又はカプセルに詰めるなど
して本発明製剤とすることもできる。この場合、水溶性
皮膜、不溶性皮膜、胃溶性皮膜又は腸溶性皮膜などの異
なった性状のコーティング基剤を用いることにより、各
々異なった機能を有する本発明製剤を得ることができ
る。
発明を実施するための最良の形態 以下に実施例、比較例、試験例を挙げて、本発明を更
に詳しく説明する。本発明は、以下の実施例に制限され
るものではない。
実施例1 100メッシュ篩過を行ったGASN4g、乳糖500g、コーン
スターチ400g、結晶セルロース100gを小型ニーダー(KD
H−3;不二電気工業社製、以下同じ)で混合し、これに2
0%ポリビニルアルコール水溶液100mlを加えて10分間の
混練操作を行った。得られた練合物を、直径:32mmφ、
有効L/D:20、スクリューパターン:16P,12P,9.6P,30deg,
60deg,9.6P,8Pのスクリュー(2軸共同じ)及び口径0.7
mmφ×8穴のダイを装着した2軸型エクストルーダー
(KEXN−30S−20型;栗本鉄工所製、以下同じ)の主供
給孔から30g/minの速度で供給し、バレル温度50℃、ダ
イ温度50℃、スクリュー回転速度80rpmの条件で処理を
行い、これを45℃で乾燥してGASN組成物を得た。
実施例2 100メッシュ篩過を行ったGASN4g、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース20gに精製水100gを加え、TKホモミ
キサー(HUM;特殊機化工業社製、以下同じ)を用いてGA
SN懸濁液を調製した。この液を乳糖1000gを入れた小型
ニーダーに加えて10分間の混練操作を行った。得られた
練合物を、直径:32mmφ、有効L/D20、スクリューパター
ン:16P,12P,9.6P,30deg,60deg,9.6P,8Pのスクリュー
(2軸共同じ)及び口径1.0mmφ×5穴のダイを装着し
た2軸型エクストルーダーの主供給孔から30g/minの速
度で供給し、バレル温度50℃、ダイ温度50℃、スクリュ
ー回転速度100rpmの条件で処理を行い、これを45℃で乾
燥してGASN組成物を得た。
実施例3 100メッシュ篩過を行ったGASN8g、乳糖1200g、コーン
スターチ700g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
100gの割合からなる混合物を、直径:32mmφ、有効L/D:2
0、スクリューパターン:16P,12P,9.6P,30deg,60deg,9.6
P,8Pのスクリュー(2軸共同じ)及び口径0.5mmφ×15
穴のダイを装着した2軸型エクストルーダーの主供給孔
から40g/minの速度で供給し、一方バレル1(主供給孔
バレル)とバレル2の間にある補助供給孔より30%ポリ
ビニルピロリドン水溶液を4g/minの速度で加え、バレル
温度50℃、ダイ温度50℃、スクリュー回転速度100rpmの
条件で処理を行い、これを45℃で乾燥してGASN組成物を
得た。
実施例4 GASN4g、ヒドロキシプロピルセルロース20gに、精製
水50g及びエタノール50gを加え、TKホモミキサーを用い
てGASNを溶解した。この溶液をD−マンニット1000gを
入れた小型ニーダーに加えて10分間の混練操作を行っ
た。得られた練合物を、直径:32mmφ、有効L/D:20、ス
クリューパターン:16P,12P,9.6P,30deg,60deg,9.6P,8P
のスクリュー(2軸共同じ)及び口径1.0mmφ×5穴の
ダイを装着した2軸型エクストルーダーの主供給孔から
30g/minの速度で供給し、バレル温度50℃、ダイ温度50
℃、スクリュー回転速度100rpmの条件で処理を行い、こ
れを45℃で乾燥してGASN組成物を得た。
実施例5 実施例1で得たGASN組成物を12メッシュスクリーンを
取り付けたフェザーミル(FM−1型;ホソカワミクロン
社製、以下同じ)により回転数900rpmで整粒し、篩過を
行って本発明に係るGASN顆粒剤を得た。
実施例6 実施例2で得たGASN組成物を16メッシュスクリーンを
取り付けたフェザーミルにより回転数3500rpmで粉砕し
た。これをカプセル充填機(No.8カプセル充填機;日本
エランコ社製、以下同じ)を用いて0号カプセルに約50
0mgを充填して本発明に係るGASNカプセル剤を得た。
実施例7 実施例3で得たGASN組成物を16メッシュスクリーンを
取り付けたフェザーミルにより回転数3500rpmで粉砕し
た。この顆粒1000gに対してステアリン酸マグネシウム5
gを加え、V型混合機(FM−V−10型;富士産業社製、
以下同じ)で20分間の混合操作を行った。得られた打錠
用顆粒を2段圧縮打錠機(CLEANPRESS Correct 12HUK;
菊水製作所社製、以下同じ)により直径9.0mmφ、1錠
重量約250mgに打錠して本発明に係るGASN錠剤を得た。
実施例8 実施例4で得たGASN組成物を10メッシュスクリーンを
取り付けたフェザーミルにより回転数900rpmで整粒し、
篩過を行って本発明に係るGASNが含嗽用顆粒剤を得た。
実施例9 200メッシュ篩過を行ったL−メントール微粉末4g、
コーンスターチ150g、D−マンニット156g、ヒドロキシ
プロピルセルローズ10g、及びポリエチレングリコール6
000 80gをV型混合機で20分間の混合を行った。この混
合末を直径:32mmφ、有効L/D:20、スクリューパターン:
16P,12P,9.6P,30deg,60deg,9.6P,8Pのスクリュー(2軸
共同じ)及び口径0.7mmφ×8穴のダイを装着した2軸
型エクストルーダーの主供給孔から30g/minの速度で供
給し、バレル温度55℃、ダイ温度30℃、スクリュー回転
速度80rpmの条件で処理を行ない、L−メントール組成
物を得た。続いて組成物を10メッシュスクリーンを取り
付けたフェザーミルにより回転数900rpmで整粒し、篩過
を行って本発明に係るL−メントール顆粒剤を得た。
実施例10 エテンザミド800g、マレイン酸クロルフェニラミン5
g、ノスカピン20g、dl−塩酸メチルエフェドリン20g、
グアヤコールスルホン酸カリウム100g、カフェイン60
g、乳糖355g、コーンスターチ368g、ビトロキシプロピ
ルセルローズ72g、ポリエチレングリコール6000 480g及
び粉末ステアリン酸120gをV型混合機で20分間の混合を
行った。この混合末200gを直径:32mmφ、有効L/D:20、
スクリューパターン:16P,12P,9.6P,30deg,60deg,9.6P,8
Pのスクリュー(2軸共同じ)及び口径1.0mmφ×5穴の
ダイを装着した2軸型エクストルーダーの主供給孔から
30g/minの速度で供給し、バレル温度60℃、ダイ温度30
℃、スクリュー回転速度80rpmの条件で処理を行ない医
薬組成物を得た。続いてこの医薬組成物を12メッシュス
クリーンを取り付けたフェザーミルにより回転数900rpm
で整粒し、篩過を行って本発明に係る総合感冒顆粒剤を
得た。
実施例11 100メッシュ篩過を行った塩酸ピペサネート60g、乳糖
234g、コーンスターチ156g及び粉末ステアリン酸150gを
V型混合機で20分間の混合を行った。この混合末200gを
直径:32mmφ、有効L/D:20、スクリューパターン:16P,12
P,9.6P,30deg,60deg,9.6P,8Pのスクリュー(2軸共同
じ)及び口径0.7mmφ×8穴のダイを装着した2軸型エ
クストルーダーの主供給孔から30g/minの速度で供給
し、バレル温度70℃、ダイ温度40℃、スクリュー回転速
度80rpmの条件で処理を行ない医薬組成物を得た。続い
てこの医薬組成物を10メッシュスクリーンを取り付けた
フェザーミルにより回転数900rpmで整粒し、篩過を行っ
て本発明に係る塩酸ピペサネート顆粒剤を得た。
実施例12 バルプロ酸ナトリウム160g、乾燥水酸化アルミニウム
ゲル160g、ポリエチレングリコール6000 150g、粉末ス
テアリン酸60g、含水二酸化ケイ素100g及びヒドロキシ
プロピルセルローズ10gをV型混合機で20分間の混合を
行った。この混合末を直径:32mmφ、有効L/D:20、スク
リューパターン:16P,12P,9.6P,30deg,60deg,9.6P,8Pの
スクリュー(2軸共同じ)及び口径1.0mmφ×5穴のダ
イを装着した2軸型エクストルーダーの主供給孔から30
g/minの速度で供給し、バレル温度60℃、ダイ温度30
℃、スクリュー回転速度80rpmの条件で処理を行ない医
薬組成物を得た。続いてこの医薬組成物を12メッシュス
クリーンを取り付けたフェザーミルにより回転数900rpm
で整粒し、篩過を行って本発明に係るバルプロ酸ナトリ
ウム顆粒剤を得た。
比較例1 実施例1の小型ニーダーで得られた練合物の一部を口
径0.7mmφスクリーンを装着した通常の1軸型顆粒製造
機(エックペレッターEXK−1;不二電機社製、以下同
じ)により、30rpmの速度で押し出し、これを45℃で乾
燥した。次いで12メッシュスクリーンを取り付けたフェ
ザーミルにより回転数900rpmで整粒し、篩過を行って比
較用GASN顆粒とした。
比較例2 実施例2の小型ニーダーで得られた練合物の一部を口
径1mmφスクリーンを装着した通常の1軸型顆粒製造機
により、30rpmの速度で押し出し、これを45℃で乾燥し
た。次いで16メッシュスクリーンを取り付けたフェザー
ミルにより回転数3500rpmで粉砕し、これをカプセル充
填機を用いて0号カプセルに約500mgを充填して比較用G
ASNカプセル剤とした。
比較例3 100メッシュ篩過を行ったGASN4.8g、乳糖720g、コー
ンスターチ420g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
ス60gを小型ニーダーで混合し、これに30%ポリビニル
ピロリドン水溶液150mlを加えて10分間の混練操作を行
い、45℃で乾燥した。次いで16メッシュスクリーンを取
り付けたフェザーミルにより回転数3500rpmで粉砕し、
この顆粒1000gに対してステアリン酸マグネシウム5gを
加え、V型混合機で20分間の混合操作を行った。得られ
た打錠用顆粒を2段圧縮打錠機により直径9.0mmφ、1
錠重量約250mgに打錠して比較用GASN錠剤とした。
比較例4 実施例4の小型ニーダーで得られた練合物の一部を口
径1.0mmφスクリーンを装着した通常の1軸型顆粒製造
機により、30rpmの速度で押し出し、これを45℃で乾燥
した。次いで10メッシュスクリーンを取り付けたフェザ
ーミルにより回転数900rpmで整粒し、篩過を行って比較
用GASN含嗽用顆粒剤とした。
比較例5 コーンスターチ225g、D−マンニット234g、ポリエチ
レングリコール6000 120gを小型ニーダーで混合し、こ
れにL−メントール6g及びヒドロキシプロピルセルロー
ズ15gを溶解したエタノール溶液50mlを加えて10分間の
混練操作を行った。得られた練合物を口径0.7mmφスク
リーンを装着した通常の1軸型顆粒製造機により、30rp
mの速度で押し出し、流動層造粒乾燥機(STREA−1;富士
産業製、以下同じ)を用いて40℃で乾燥した。次いで10
メッシュスクリーンを取り付けたフェザーミルにより回
転数900rpmで整粒し、篩過を行って比較用L−メントー
ル顆粒剤とした。
比較例6 実施例9においてV型混合機によって得られた混合末
を比較用試料とした。
比較例7 実施例10で得られた混合末の一部を小型ニーダーに入
れ、これに10%ヒドロキシプロピルセルローズ水溶液を
加えて10分間の混練操作を行った。得られた練合物を口
径1.0mmφスクリーンを装着した通常の1軸型顆粒製造
機により、30rpmの速度で押し出し、流動層造粒乾燥機
を用いて50℃で乾燥した。次いで12メッシュスクリーン
を取り付けたフェザーミルにより回転数900rpmで整粒
し、篩過を行って比較用総合感冒顆粒剤とした。
比較例8 実施例11で得られた混合末の一部を小型ニーダーに入
れ、これに10%ヒドロキシプロピルメチルセルローズ水
溶液を加えて10分間の混練操作を行った。得られた練合
物を口径0.7mmφスクリーンを装着した通常の1軸型顆
粒製造機により、30rpmの速度で押し出し、流動層造粒
乾燥機を用いて50℃で乾燥した。次いで10メッシュスク
リーンを取り付けたフェザーミルにより回転数900rpmで
整粒し、篩過を行って比較用塩酸ピペサネート顆粒剤と
した。
比較例9 実施例11で得られた混合末を比較用混合末とした。
比較例10 実施例12で得られた混合末の一部を小型ニーダーで混
合し、これに10%ヒドロキシプロピルセルローズ水溶液
を加えて10分間の混練操作を行った。得られた練合物を
口径1.0mmφスクリーンを装着した通常の1軸型顆粒製
造機により、30rpmの速度で押し出し、流動層造粒乾燥
機を用いて50℃で乾燥した。次いで12メッシュスクリー
ンを取り付けたフェザーミルにより回転数900rpmで整粒
し、篩過を行って比較用バルプロ酸ナトリウム顆粒剤と
した。
試験例1 GASN 実施例5〜8で得られた本発明GASN顆粒剤、カプセル
剤、錠剤、含嗽用顆粒剤、比較例1〜4で得られた比較
用GASN顆粒剤、カプセル剤、錠剤、含嗽用顆粒剤、及び
GASN原末をポリエチレン瓶に詰めて密栓し、これを温度
40℃及び50℃の苛酷条件下に4週間保存し、経時的にサ
ンプリングを行って各製剤中のGASNの安定性を評価し
た。
なお、定量法としてpH7.0の燐酸緩衝液中における568
nmの吸光度を測定する方法を用い、次式に従って残存す
るGASNを求めた。
表1及び表2にこれらの結果を示す。
表1、2から明らかなように、2軸型エクストルーダ
ーを用いて調製した本発明製剤は、GASNの添加方法に拘
らず(実施例5、7:粉末添加、実施例6:懸濁添加、実施
例8:溶解添加)、GASN原末及び一般的な1軸型顆粒製造
機で調製した顆粒(比較例1、2、4)、あるいは通常
の練合法を主体として調製した錠剤(比較例3)に比べ
て、40℃及び50℃という荷酷保存条件下に長期間保存し
ても充分に安定化が図られていた。
試験例2 L−メントール 実施例9、比較例5及び比較例6で得られた本発明製
剤、比較用製剤及び比較用混合及び/又は練合末を内径
90mmのガラス製シャーレに約20mmの深さになるように入
れ、これを40℃苛酷条件下に4週間保存し経時的にサン
プリングを行ってL−メントールの含有量を測定した。
なお、定量は、日本薬局法を参考にして行った。表3に
この結果を示す。
表3から明らかなように、2軸型エクストルーダーを
用いて調製した本発明製剤は、比較用製剤末及び比較用
混合末に比べてL−メントールの飛散量が少ない。従っ
て、本発明は、昇華性を有し且つ含量の極端な低下をと
もなうこれらの薬物に対して有用な方法であることがわ
かる。
試験例3 エテンザミド及びカフェイン 実施例10及び比較例7で得られた顆粒10gを内容量20m
lのバイアルビンに入れ、ゴム栓、及びアルミキャップ
により密封した(それぞれ3検体づつを調製)。これを
50℃苛酷条件下に3月間保存し、ホイスカー(whiske
r)の発生状況を光学顕微鏡で観察した。表4にこの結
果を示す。
表4から明らかなように、2軸型エクストルーダーを
用いて調製した本発明製剤は、3月経過後もホイスカー
(whisker)が僅かに発生したに過ぎなかった。これに
対して、比較用製剤では1月後よりすでに相当量のホイ
スカー(whisker)が発生しており、3月後ではホイス
カー(whisker)がバイアルビン全体に密生している状
況であった。
従って、本発明は、2軸型エクストルーダーを用いる
ことによって極めて簡便にホイスカー(whisker)の発
生を抑制することができる有用な方法であることがわか
る。
試験例4 塩酸ピペサネート 実施例11、比較例8及び比較例9で得られた本発明製
剤、比較用製剤及び比較用混合末10gに対して日局酸化
マグネシウム2gを加えてポリエチレン袋中で充分混合
し、内径70mmのガラス製シャーレに約10mmの深さになる
ように入れ、これを40℃RH75%の苛酷条件下に4週間保
存し経時的にサンプリングを行って塩酸ピペサネートの
含有量を測定した。なお、定量はHPLC法により、検出波
長259nmにおける吸光度を測定することにより行った。
表5にこの結果を示す。
表5から明らかなように、2軸型エクストルーダーを
用いて調製した本発明製剤は、40℃RH75%苛酷条件下に
長期間保存しても、比較用混合末、及び通常の顆粒製造
に用いられる1軸型顆粒製造機で得られた比較製剤より
も塩酸ピペサネートの安定化が図られた。
試験例5 バルプロ酸ナトリウム 実施例12、比較例10で得られた本発明製剤、及び比較
用製剤それぞれ10gを、内径70mmのガラス製シャーレに
約10mmの深さになるように入れ、これを40℃RH75%の苛
酷条件下に4週間保存し経時的に吸湿状況を観察した。
またこれと別に、ガラス製秤量瓶に本発明製剤、比較用
製剤、及び実施例12で得られた混合末2gを用意し、40℃
RH75%下に放置して経時的に吸湿量を測定した。表6及
び図1にこの結果を示す。
表6及び図1から明らかなように、2軸型エクストル
ーダーを用いて調製した本発明製剤は、40℃RH75%苛酷
条件下に保存しても、通常の顆粒製造に用いられる1軸
型顆粒製造機で得られた製剤(比較用製剤)よりも外観
における吸湿性が抑制された。
発明の効果 本発明によれば、簡便、迅速、大量に、しかも基本的
に連続して物理化学的に安定な医薬組成物を製造するこ
とができる。即ち、実用性及び経済性の優れた本発明に
よって薬物及び製剤を物理化学的に安定化することがで
きる。また、実質的に一切の有機溶媒を使用せずに本発
明組成物を製造することができるので、安全性の高い製
法であるということもできる。
図面の簡単な説明 図1は、バルプロ酸ナトリウム製剤の吸湿性を表す。
縦軸は吸湿率(%)を、横軸は経過日数(日)をそれぞ
れ示す。
●は実施例12に係るバルプロ酸ナトリウム顆粒剤の結
果を、○は比較例10のバルプロ酸ナトリウム顆粒剤の結
果を、△は実施例12で得られる単なる混合末の結果を、
それぞれ示す。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生理的に不活性な粉末添加物1重量部、高
    分子添加物0.001〜1重量部及び下記の薬物群から選ば
    れた少なくとも一つを必須原料として、これらを多軸型
    エクストルーダーによって一括処理することを特徴とす
    る医薬組成物の製法。 (薬物群) 昇華性を有する薬物、揮発性を有する薬物、水の
    存在下で加水分解する薬物、ホイスカー(whisker)
    を発生する薬物、吸湿性又は潮解性を有する薬物。
  2. 【請求項2】昇華性を有する薬物がソジウム1,4−ジメ
    チルイソプロピルアズレン−3−スルホネート、L−メ
    ントール、パラホルム、トリメタジオン、カンフル、ナ
    フタレンかるなる群より選ばれた少なくとも一の薬物で
    ある請求項1記載の医薬組成物の製法。
  3. 【請求項3】揮発性を有する薬物がケイヒアルコール、
    アネトール、オイゲノール、ケイヒ油、ユーカリ油、レ
    モン油、ウイキョウ油、チョウジ油、ハッカ油かるなる
    群より選ばれた少なくとも一の薬物である請求項1記載
    の医薬組成物の製法。
  4. 【請求項4】水の存在下で加水分解する薬物がアスピリ
    ン、塩酸ピペサネート、塩酸L−エチルシステイン、臭
    化ピリドスチグミン、パントテン酸カルシウム、メピチ
    オスタン、ペントバルビタールナトリウム、トリクロル
    イソシアヌール酸かるなる群より選ばれた少なくとも一
    の薬物である請求項1記載の医薬組成物の製法。
  5. 【請求項5】ホイスカー(whisker)を発生する薬物が
    エテンザミド、カフェイン、アセトアミノフェン、プロ
    ムワレリル尿素、塩酸クロフェダノールかるなる群より
    選ばれた少なくとも一の薬物である請求項1記載の医薬
    組成物の製法。
  6. 【請求項6】吸湿性若しくは潮解性を有する薬物がバル
    プル酸ナトリウム、シアノコバラミン、クエン酸ジエチ
    ルカルバマジン、イソソルビド、ジクロフェナックナト
    リウム、メシル酸ベタヒスチン、塩化カルプロニウム、
    塩酸トラゾリン、塩酸レセルピリン酸ジメチルアミノエ
    チル、カルバコール、コリンテオフィリン、サリチル酸
    コリン、シチコリン、臭化ヘキサメトニウム、銅クロロ
    フィリンナトリウム、パンテノール、リン酸デキサメタ
    ゾンナトリウム、エキス類、塩酸プロカインアミド、L
    −プロリン、塩化カルシウムからなる群より選ばれた少
    なくとも一の薬物である請求項1記載の医薬組成物の製
    法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6記載の製法により製造され
    る医薬組成物を含有する製剤。
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