JP2826877B2 - 半田吸取装置 - Google Patents

半田吸取装置

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JP2826877B2
JP2826877B2 JP2027590A JP2027590A JP2826877B2 JP 2826877 B2 JP2826877 B2 JP 2826877B2 JP 2027590 A JP2027590 A JP 2027590A JP 2027590 A JP2027590 A JP 2027590A JP 2826877 B2 JP2826877 B2 JP 2826877B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、プリント基板等に半田付けされた半田
を、加熱溶融して吸取除去するための半田吸取装置に関
するものである。
(従来の技術) 従来のこの種の半田吸取装置の一般的構成は、先端部
に吸取ノズルおよび該吸取ノズルを加熱するヒータを有
するこて部と、上記吸取ノズルに吸引力を発生させる真
空ポンプを有するステーション部とを備えてなり、上記
真空ポンプがこて部に設けられたトリガスイッチにより
ON−OFF操作される構成とされている。
そして、加熱された上記吸取ノズルの先端を、除去す
べき半田に当接させてこれを溶融させるとともに、この
溶融半田を、上記真空ポンプの作動により発生する負圧
で吸引して、こて部に内蔵されたフィルタパイプ内に貯
留するようにされている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記吸取ノズルの先端は大気圧に開放
されており、これに連通し負圧経路を構成する接続ホー
ス、さらには上記真空ポンプ内も大気圧に開放されてい
ることになる。よって、上記真空ポンプが作動して負圧
を発生しても、負圧経路内の負圧は急激には増加せず、
上記吸取ノズルの先端に所要の強さの吸引力が生ずるま
でにもある程度の時間を要することになる。
このような負圧の増加率の遅れは、溶融半田の吸引速
度の遅れを招くことになり、特にトリガスイッチのON時
間が短い場合は、この吸引された溶融半田が上記フィル
タパイプ内まで十分に到達することができずに、吸取ノ
ズルや上記ヒータの加熱芯部位に滞留してしまう。する
と、この半田により、負圧経路が詰まって閉塞されてし
まい、次の半田吸取作業時に大きな支障をきたすという
問題があった。
この点に関して、第8図に示すように、こて部aを保
持するこて台bに、これと連動する真空ポンプc用の作
動スイッチdが設けられ、上記こて台bからこて部aを
外すと、これにと同時に、上記真空ポンプcが作動を開
始し、こて部aを再びこて台b上に載置するまで連続的
に作動する構成とされたものがある。そして、この真空
ポンプcの作動により発生した負圧は負圧タンクe内に
蓄積され、上記こて部aのトリガスイッチfのON−OFF
操作により、電磁弁gが開閉されて、上記負圧タンクe
内に蓄積された負圧により溶融半田を吸引するようにさ
れている。
このような構成とすることにより、上記のような負圧
の立ち上がりの遅れによる問題は解消できることになる
が、半面、こて台bからこて部aを外すと、つまり半田
除去作業中は、上記真空ポンプcが常時作動しているこ
とになるため、振動・騒音の発生や消費電力の浪費とい
った種々の作業条件の悪化を招くという問題が新たに生
じていた。
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので
あって、作業条件の悪化を招くことなく、負圧の立ち上
がり速度も速くて、作業効率のきわめて良好な半田吸取
装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明の半田吸取装置は、
先端部に吸取ノズルおよび該吸取ノズルを加熱するヒー
タを有するこて部と、前記吸取ノズルに吸引力を発生さ
せる真空ポンプを有するステーション部とを備え、前記
真空ポンプが、前記こて部に設けられたトリガスイッチ
によりON−OFF操作可能とされてなり、前記吸取ノズル
と真空ポンプとを連通する負圧経路中に、該負圧経路を
開閉する負圧開閉弁が設けられ、該負圧開閉弁は、タイ
ミング制御手段により前記真空ポンプと連動され、該真
空ポンプが作動開始後、所定の時間遅延をもって開放動
作するように構成されていることを特徴とし、より好適
には、前記負圧開閉弁は、前記真空ポンプが作動停止
後、所定の時間遅延をもって閉止動作するように構成さ
れる。
また、前記真空ポンプは、前記トリガスイッチのONと
同時に作動開始するとともに、トリガスイッチのON時間
が所定時間未満の場合、トリガスイッチのOFF後所定の
時間遅延をもって停止し、一方、トリガスイッチのON時
間が所定時間以上の場合、トリガスイッチのOFFと同時
に停止するように構成される。
(作用) 吸取ノズルと真空ポンプとを連通する負圧経路中に設
けられた負圧開閉弁は、トリガスイッチをONして、真空
ポンプが作動を開始してから、所定の時間遅延をもって
開放動作することとなる。したがって、真空ポンプ作動
開始後一定時間は、負圧開閉弁と真空ポンプ間の負圧経
路は大気に対して遮断され、その内部の負圧は急激に上
昇して、吸取ノズルに所要の吸引力が発生するに十分な
大きさとなる。そして、一定時間経過後、負圧開閉弁が
開放して、負圧経路の遮断を解き、これにより、上記負
圧経路内に蓄積されていた十分大きな負圧が一気に吸取
ノズル先端まで達し、溶融された半田を瞬時に素早く吸
い取り、吸取ノズルや加熱芯内部の詰まりを有効に防止
する。
また、真空ポンプは、トリガスイッチをONして初めて
作動を始めるため、振動や騒音の発生時間の減少および
消費電力の無駄を抑える。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明に係る半田吸取装置を第1図に示し、該半田吸
取装置は、吸取ノズル1、ヒータ2等を主要部として備
えるこて部Aと、真空ポンプ3等を主要部として備える
ステーション部Bとから構成されている。また、この半
田吸取装置の負圧経路Cの途中には、負圧開閉弁4が設
けられており、該負圧開閉弁4は、制御装置(タイミン
グ制御手段)5により、上記真空ポンプ3と連動するよ
うにされている。
こて部Aは、ピストル型の本体ケース6を備え、その
先端部の銃身部分に、上記吸取ノズル1およびヒータ2
が設けられている。該ヒータ2の外周には加熱芯7が設
けられ、この先端が上記吸取ノズル1に接合されてい
る。8は保護パイプである。
上記吸取ノズル1の吸取孔1aには、吸取パイプ9が連
通されており、該吸取パイプ9は、上記ヒータ2および
加熱芯7を貫通するとともに、その基端がフィルタパイ
プ10に連通されている。該フィルタパイプ10は、その内
部にフィルタ11を備えるとともに、接続パイプ12,13を
介して上記真空ポンプ3に連通されている。そして、こ
れらのパイプ9,10,12,13により、上記吸取ノズル1と真
空ポンプ3とを連通する上記負圧経路Cが形成されてい
る。
14は上記ヒータ2のリード線で、DINプラグ15を備え
た電源コード16に接続されており、DINプラグ15を所定
の電源コンセント(図示省略)に接続することにより、
ヒータ2を介して、上記吸取ノズル1が所定温度まで加
熱される。
また、本体ケース6には、引き金形状のトリガスイッ
チ17が設けられており、これを操作することにより、上
記真空ポンプ3がON−OFF制御される。この作動制御に
ついては後述する。
ステーション部Bには、真空ポンプ2の他、上記負圧
開閉弁4および制御装置5が設けられており、負圧開閉
弁4は、上記接続パイプ12と13の接続部に設けられたフ
ィルタケース18内に一体的に装置されている。
該フィルタケース18は、接続口19aを備える筒状のフ
ィルタケース本体19と、該フィルタケース本体19の弁座
部材20に取り付けられたフィルタ21と、接続口22aを備
えるフィルタケースキャップ22とからなり、上記接続口
19aが、接続パイプ13を介して真空ポンプ3に連通され
るとともに、上記接続口22aが、接続パイプ12を介して
フィルタパイプ10に連通されている。
負圧開閉弁4は、具体的には電磁弁であって、プラン
ジャ23、弁体24、弁ばね25およびソレノイド26を主要部
として備える。上記プランジャ23は、上記弁ばね25とソ
レノイド26の作用により、上記フィルタケース本体19の
内部において、第1図左右方向へ往復動可能とされてい
る。該プランジャ23の先端部には、上記弁体24が固設さ
れており、該弁体24は、プランジャ23の往復動により、
上記弁座部材20の弁座20aと協働して開閉動作される。
すなわち、弁体24は、ソレノイド26が励磁されないと
き、弁ばね25の作用により上記弁座20aに着座して、負
圧経路Cを閉止する(第2図(a)参照)。一方、ソレ
ノイド26が励磁されると、プランジャ23の右方向への移
動により、弁座20aから離脱し、負圧経路Cを開放する
(第2図(b)参照)。なお、上記ソレノイド26の励磁
タイミングは、上記制御装置5により制御され、これに
より、負圧開閉弁4は、後述するように、上記真空ポン
プ3と連動して開閉動作される。
真空ポンプ3は、こて部Aの吸取ノズル1に吸引力を
発生させるもので、後述するように、上記トリガスイッ
チ17を操作することにより、制御装置5を介して、所定
のタイミングをもって作動制御される。
制御装置5は、上記真空ポンプ3と負圧開閉弁4の作
動タイミングを制御するもので、具体的には、第3図に
示すように、真空ポンプ3のON時間を制御する真空ポン
プON時間制御回路30と、負圧開閉弁4の開閉時間を制御
する負圧開閉弁開閉時間制御回路31とからなる。なお、
第3図において、32は交流電源、33は負圧開閉弁4のソ
レノイド26用の整流器であり、交流電源32からの交流
は、整流器33で直流に整流されて、上記ソレノイド26を
作動させる。
上記制御装置5により作動制御される真空ポンプ3と
負圧開閉弁4の作動タイミングは、トリガスイッチ17の
ON時間に対応して決定されている。本例においては、ト
リガスイッチ17のON時間が0.5秒未満かあるいは以上か
により、2種類の作動サイクルパターンが決定されてお
り、その各パターンのタイミングチャートを第4図およ
び第5図にそれぞれ例示する。
第4図は、トリガスイッチ17のON時間が0.5秒以下の
場合で、例えば0.3秒のときの各部のタイミグチャート
を示している。これは、ごく少量の半田を多数の箇所に
わたって次々に吸い取る作業を行うときのように、吸取
作業一回当りの吸取時間がきわめて短い場合が該当す
る。
すなわち、トリガスイッチ17のON時間が0.5秒未満の
どんな場合でも、真空ポンプ3は、トリガスイッチ17が
ONすると同時に作動するとともに、その後0.5秒間は必
ず作動するように設定されている。
また、負圧開閉弁4は、真空ポンプ3が作動を開始
(トリガスイッチ17がON)してから0.2秒後に開くとと
もに、真空ポンプ3が停止してから0.2秒後に閉じるよ
うに設定されている。
一方、第5図は、トリガスイッチ17のON時間が0.5秒
以上の場合、例えば0.7秒のときの各部のタイミングチ
ャートを示している。これは、多量の半田を吸い取る作
業を行うときのように、吸取作業一回当りの吸取時間が
比較的長い場合が該当する。
すなわち、この場合、真空ポンプ3は、トリガスイッ
チ17がONすると同時に作動するとともに、トリガスイッ
チ17がOFFすると同時に停止するように設定されてい
る。つまり、トリガスイッチ17のON時間が0.5秒以上の
時は、真空ポンプ3の作動タイミングは、トリガスイッ
チ17のON−OFFタイミングに完全に同期される。
また、負圧開閉弁4は、前記と同様、真空ポンプ3が
作動を開始(トリガスイッチ17がON)してから0.2秒後
に開くとともに、真空ポンプ3が停止してから0.2秒後
に閉じるように設定されている。
次に、これら真空ポンプ3と負圧開閉弁4との作動タ
イミング、および上記2種類のタイミングチャートの決
定条件についてそれぞれ説明する。
I.真空ポンプと負圧開閉弁の作動タイミング: (a) 真空ポンプ3作動から負圧開閉弁4作動までの
遅延時間: 真空ポンプ3が作動を開始してから負圧開閉弁4が
開くまでの遅延時間は、以下の理由から、長ければ良い
というものではない。
すなわち、負圧開閉弁4を開放した際の負圧経路内に
おける負圧の立ち上がり速度(立ち上がりの鋭さ)は、
真空ポンプ3と負圧開閉弁4間の負圧経路内の真空圧蓄
積容量(接続パイプ13内容積)と、接続パイプ12、吸取
パイプ9および吸取ノズル12の吸取孔1aの内径などとに
よって、負圧流量が制約を受ける。このため、上記負圧
の立ち上がり速度の増加は、上記遅延時間がある時間を
境として停止してしまう。
この遅延時間の臨界点を調べるために行った試験結果
を第6図に示す。この試験は、負圧開閉弁4を開くタイ
ミング(遅延時間)を、真空ポンプ3が作動を開始して
から0.1〜0.3秒の間において、0.05秒間隔で変えてみ
て、これら5種類の開放タイミング毎の吸取ノズル1先
端における負圧の大きさを測定した。なお、図中の
( )内の数値は、各タイミングにおいて、負圧開閉弁
4が開いて0.05秒後の負圧値を示している。
この図から明らかなように、負圧開閉弁4が開いて0.
05秒後に吸取作業に必要な負圧値(−400mmHg)を得る
ためのタイミングは、真空ポンプ3が作動開始して0.25
秒のときが限界で、これ以上遅らせてみても、負圧の立
ち上がり速度は増加しないことが判明した。
一方、トリガスイッチ17をONしてから吸取ノズル1
での吸引が始まるまでのタイムラグがあまり長いと、作
業者に感覚的な作動遅れを感じさせてしまうことから、
負圧開閉弁4の開放タイミングをあまり遅くすることは
好ましくなく、実験的にその限界は0.2秒である。
したがって、これらおよびの条件を同時に満足さ
せるための最適値として、負圧開閉弁4作動開始の遅延
時間が0.2秒に決定された。
(b) 真空ポンプ3停止から負圧開閉弁4停止までの
遅延時間: 真空ポンプ3が作動している間は、負圧開閉弁4か
ら真空ポンプ3内は負圧状態になっている。このため、
真空ポンプ3が停止すると同時に負圧開閉弁4が閉じて
しまうと、負圧開閉弁4と真空ポンプ3との間の負圧経
路および真空ポンプ3内に負圧が残留してしまうことに
なる。すると、次にトリガスイッチ17をONした場合に、
上記の残留負圧により、真空ポンプ3に負荷がかかって
起動しにくくなってしまう。よって、これを防ぐために
は、負圧開閉弁4の作動停止にはある程度の遅延時間を
設ける必要がある。
つまり、真空ポンプ3が停止してから、負圧開閉弁4
が遅れて閉じることによって、真空ポンプ3内の負圧を
こて部Aの吸取ノズル1から逃してやることができる。
これにより、次にトリガスイッチ17をONすると同時に真
空ポンプ3が作動し、0.2秒後に負圧開閉弁4が開くと
いう各部の正確なタイミングを満足させることができ、
半田吸取装置の性能を十分に発揮させることができる。
次に、上記遅延時間を設ける場合、この遅延時間が
あまり短いと負圧を十分に逃すことができず、一方、こ
の遅延時間は、真空ポンプ3が作動を開始して負圧開閉
弁4が開くまでの遅延時間と制御回路上で同期させる必
要から、あまり長くもできない。
そして、種々の実験を行った結果、これら二つの条件
を満たすことができる最適値として、負圧開閉弁4作動
開始の遅延時間が0.2秒に決定された。
II.2種類のタイミングチャート: (a)第4図のタイミングチャート: 上述した真空ポンプ3と負圧開閉弁4の作動タイミン
グの決定により、真空ポンプ3が作動した後、遅延時間
0.2秒をもって負圧開閉弁4が開放する一方、真空ポン
プ3が停止した後、遅延時間0.2秒をもって負圧開閉弁
4が閉止する。
ところで、トリガスイッチ17と真空ポンプ3を完全に
同期させた場合、例えば、ごく少量の半田を多数の箇所
にわたって次々に吸い取るときのように、早いサイクル
(短いサイクル)で半田吸取作業を行うと、トリガスイ
ッチ17のOFFにより、溶融半田の十分な吸引が完了しな
いうちに、真空ポンプ3が作動を停止してしまうことに
なる。この結果、溶融半田はフィルタパイプ10まで十分
に到達することができず、加熱芯7や吸取ノズル1の吸
取孔1a内に残留してしまうことになる。そして、このよ
うな操作を、多数箇所で連続して行うと、加熱芯7や吸
取ノズル1の吸取孔1a内に徐々に半田や不純物が蓄積し
て、負圧経路Cに詰まりを生じて、次回の吸取作業を不
可能にする事態を招くことになる。
この現象を解消させるためには、真空ポンプ3をある
一定時間以上作動させて溶融半田がフィルタパイプ10に
達するようにすれば良い。すなわち、トリガスイッチ17
が一瞬でもONすると、必ず真空ポンプ3が一定時間以上
作動するように設定すれば、少量の半田であればフィル
タパイプ10内に十分に到達することができる。
このような観点から種々の実験を行った結果、真空ポ
ンプ3の最低作動時間を0.5秒に決定し、第4図に示す
タイムチャートを得た。
(b)第5図のタイミングチャート: 一方、0.5秒以上トリガスイッチ17をONする場合は、
上記実験からも明らかなように、溶融した半田はフィル
タパイプ10まで十分に到達することができるため、トリ
ガスイッチ17のON時間と真空ポンプ3の作動時間は完全
に同期させることができる。この結果、第5図のタイミ
ングチャートを得た。
次に、以上のように構成された半田吸取装置による半
田吸取作業について説明する。
吸取ノズル1を吸い取る箇所の半田に当て、この半
田が溶融するのを待ってから、こて部Aのトリガスイッ
チ17をONする。すると、そのON時間が0.5秒未満かまた
は0.5秒以上かによって、真空ポンプ3は、真空ポンプO
N時間制御回路30により、第4図または第5図のタイミ
ングチャートに従って作動される。
つまり、トリガスイッチ17のON時間が0.5秒未満の場
合、真空ポンプ3は、トリガスイッチ17がONすると同時
に作動するとともに、その後0.5秒間作動して停止す
る。一方、トリガスイッチ17のON時間が0.5秒以上の場
合、真空ポンプ3は、トリガスイッチ17がONすると同時
に作動するとともに、トリガスイッチ17がOFFすると同
時に停止する。
一方、上記真空ポンプON時間制御回路30のタイミン
グによって、負圧開閉弁開閉時間制御回路31が、負圧開
閉弁4の開放タイミングと開放時間および閉止タイミン
グを制御して、これにより負圧開閉弁4が作動される。
つまり、負圧開閉弁4は、真空ポンプ3の作動開始後
0.2秒で開放動作を開始し、真空ポンプ3の作動停止後
0.2秒で閉止する。
しかして、真空ポンプ3の作動開始後0.2秒間は負圧
開閉弁4が閉じて、該負圧開閉弁4から真空ポンプ3ま
での負圧経路Cが大気と遮断されているため、この負圧
経路C内の負圧は急激に上昇する。そして、上記0.2秒
経過後に負圧開閉弁4が開放すると、この負圧経路Cに
蓄積された負圧が一気に吸取ノズル1の先端まで達し、
溶融した半田を瞬時に吸い取り、吸取ノズル1や加熱芯
7部位の半田の詰まりを有効に防止する。
また、トリガスイッチ17をONして初めて真空ポンプ3
が作動を開始するため、振動や騒音の発生は半田吸取作
業を行う瞬間だけであり、消費電力にもムダがなく、作
業条件の悪化が必要最小限に抑えられる。
続いて、本発明に係る半田吸取装置の特性を調べるた
めに行った特性試験結果について説明する。
試験装置および試験方法: 以下の3種類のタイプの半田吸取装置を使用して、こ
れら装置のトリガスイッチをONした後の吸取ノズル先端
に生じる負圧の大きさを、時間の経過と共に測定した。
装置A(本発明装置):第1図に示すタイプ 装置B(従来装置1):トリガスイッチにより真空ポ
ンプがON−OFF操作されるタイプ 装置C(従来装置2):真空ポンプが常時作動するタ
イプ 試験結果: 試験結果を第7図に示す。この図において、本発明装
置(装置A)の実際の測定結果は曲線Dのようになる
が、従来装置1(装置B)および従来装置2(装置C)
のそれぞれの測定結果(曲線Bおよび曲線C)と比較す
るため、0.2秒だけ左に平行移動して曲線Aとしてい
る。
これらの負圧特性曲線においては、曲線の傾きが急な
ほど、半田を吸引する速度が速く、吸取ノズルや加熱芯
部位の半田の詰まりを解消することができるが、第7図
から明らかなように、トリガスイッチにより真空ポンプ
がON−OFF操作されるタイプの従来装置1(曲線B)
は、真空ポンプが常時作動するタイプの従来装置C(曲
線C)より、はるかに曲線の傾きが緩く、半田を吸引す
る速度が遅い。これに対して、本発明装置Aの曲線の傾
きは、上記従来装置Cと全く同一であり、半田を吸引す
る速度が非常に速いことが判明した。しかも、本発明装
置Aの真空ポンプ3は、トリガスイッチ17をONして初め
て作動するため、従来装置Cに比較して、振動や騒音の
発生時間がはるかに短く、消費電力の無駄も確実に抑え
ることができる。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、以下に列挙す
るような種々のすぐれた効果が得られる。
(1) 吸取ノズルと真空ポンプとを連通する負圧経路
中に、該負圧経路を開閉する負圧開閉弁が設けられ、該
負圧開閉弁は、タイミング制御手段により上記真空ポン
プと連動され、該真空ポンプが作動開始後、所定の時間
遅延をもって開放動作するように構成されているから、
負圧の立ち上がり速度がきわめて速い。
すなわち、真空ポンプ作動開始後一定時間は、負圧開
閉弁と真空ポンプ間の負圧経路は大気に対して遮断さ
れ、この結果、その内部の負圧は急激に上昇して、吸取
ノズルに所要の吸引力が発生するに十分な大きさとな
る。そして、一定時間経過後、負圧開閉弁が開放して、
負圧経路の遮断を解き、これにより、上記負圧経路内に
蓄積されていた十分大きな負圧が一気に吸取ノズル先端
まで達することになる。
したがって、溶融された半田は瞬時に素早く吸い取ら
れ、吸取ノズルや加熱芯内部の詰まりが有効に防止され
る。
(2) 真空ポンプは、トリガスイッチをONして初めて
作動を始めるため、振動や騒音の発生時間が必要最小限
に抑えることができ、作業条件の悪化を招くことがな
く、また消費電力の無駄も抑えることができる。
(3) 負圧開閉弁が、真空ポンプの作動停止後、所定
の時間遅延をもって閉止動作するように構成されている
と、真空ポンプ内の負圧をこて部の吸取ノズルから逃が
してやることができ、残留負圧による真空ポンプの起動
への悪影響を有効に防止できる。これにより、次回の作
動サイクルにおける装置各部の正確なタイミングを確保
して、装置性能を十分に発揮させることができる。
(4) 真空ポンプは、トリガスイッチのON時間が所定
時間未満の場合、トリガスイッチのOFF後所定の時間遅
延をもって停止し、一方、トリガスイッチのON時間が所
定時間以上の場合、トリガスイッチのOFFと同時に停止
するように構成されていると、吸取作業一回当りの吸取
時間の長短にかかわらず、装置性能を常に安定して発揮
することができ、ごく少量の半田を多数の箇所にわたっ
て次々に吸い取る作業を行う場合から多量の半田を吸い
取る作業を行う場合まで、あらゆる状況下できわめて効
率のよい半田吸取作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る一実施例である半田吸取装置を
示す概略構成図、第2図(a)(b)は、同半田吸取装
置の負圧開閉弁の作動状態を示す図で、第2図(a)は
開放状態、第2図(b)は閉止状態、第3図は、同半田
吸取装置の制御装置の回路図、第4図および第5図は、
それぞれ同半田吸取装置のトリガスイッチ、真空ポンプ
および負圧開閉弁の作動タイミングを示すタイムチャー
ト、第6図は、同半田吸取装置における負圧開閉弁の開
放タイミングによる負圧の変化を示す線図、第7図は、
同半田吸取装置と従来の半田吸取装置の負圧特性を示す
線図、第8図は、従来の半田吸取装置を示す概略図であ
る。 1……吸取ノズル、2……ヒータ、3……真空ポンプ、
4……負圧開閉弁、5……制御装置(タイミング制御手
段)、17……トリガスイッチ、18……フィルタケース、
26……ソレノイド、30……真空ポンプON時間制御回路、
31……負圧開閉弁開閉時間制御回路、A……こて部、B
……ステーション部、C……負圧経路

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端部に吸取ノズルおよび該吸取ノズルを
    加熱するヒータを有するこて部と、前記吸取ノズルに吸
    引力を発生させる真空ポンプを有するステーション部と
    を備え、前記真空ポンプが、前記こて部に設けられたト
    リガスイッチによりON−OFF操作可能とされたものであ
    って、 前記吸取ノズルと真空ポンプとを連通する負圧経路中
    に、該負圧経路を開閉する負圧開閉弁が設けられ、 該負圧開閉弁は、タイミング制御手段により前記真空ポ
    ンプと連動され、該真空ポンプが作動開始後、所定の時
    間遅延をもって開放動作するように構成されていること
    を特徴とする半田吸取装置。
  2. 【請求項2】前記負圧開閉弁は、前記真空ポンプが作動
    開始後、所定の時間遅延をもって開放動作するととも
    に、前記真空ポンプが作動停止後、所定の時間遅延をも
    って閉止動作するように構成されている請求項第1項記
    載の半田吸取装置。
  3. 【請求項3】前記真空ポンプは、前記トリガスイッチの
    ONと同時に作動開始するとともに、トリガスイッチのON
    時間が所定時間未満の場合、トリガスイッチOFF後所定
    の時間遅延をもって停止し、一方、トリガスイッチのON
    時間が所定時間以上の場合、トリガスイッチのOFFと同
    時に停止するように構成されている請求項第1項または
    第2項記載の半田吸取装置。
  4. 【請求項4】前記タイミング制御手段は、前記真空ポン
    プのON時間を制御する真空ポンプON時間制御回路と、前
    記負圧開閉弁の開閉時間を制御する負圧開閉弁開閉時間
    制御回路とからなる請求項第1項記載の半田吸取装置。
  5. 【請求項5】前記負圧開閉弁は、前記ステーション部に
    設けられたフィルタケース内に設けられた電磁弁である
    請求項第1項記載の半田吸取装置。
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