JP2826280B2 - 分光画像受像装置 - Google Patents

分光画像受像装置

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JP2826280B2
JP2826280B2 JP7069795A JP6979595A JP2826280B2 JP 2826280 B2 JP2826280 B2 JP 2826280B2 JP 7069795 A JP7069795 A JP 7069795A JP 6979595 A JP6979595 A JP 6979595A JP 2826280 B2 JP2826280 B2 JP 2826280B2
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和宏 辻田
秀彦 村岡
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SEITAI HIKARI JOHO KENKYUSHO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検体の蛍光や吸光の
分光画像を得る分光画像受像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生体自身や生体から採取したサンプルに
おける物質の分布を特定することは、生体の物質代謝の
メカニズムの解明、病変部の特定等に役立つ。このよう
な、生体や生体サンプルにおける物質の分布を識別する
にあたり吸光スペクトルや蛍光スペクトル等のスペクト
ル情報を得ることは非常に有効である。
【0003】物質の分布、即ち二次元画像情報と、スペ
クトル情報とを同時に扱うシステムは、イメージング・
スペクトロスコピーと呼ばれ、リモートセンシング等の
分野で採用されている。現在主流となっているイメージ
ング・スペクトロスコピーは、従来の分光器と結像器と
を組合せ、スリット等を用いて画像を順次スキャニング
していく方法であり、測定時間の短縮、S/Nの向上等
の効率上の観点からマルチチャンネル化の研究が進めら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ただし、従来は、スキ
ャニングを行なうシステムにしろ、マルチチャンネル化
されたシステムにしろ、分光画像を得ることはできるも
のの、その分光画像が波長にとらわれない全体的な画像
に対しどういう位置関係にあるのかわかりにくく、その
分光画像中の注目点が、生体や生体サンプル等の被検体
全体の中のどの位置に対応しているのか直観的には把握
しにくいという問題がある。
【0005】また、従来のイメージング・スペクトロス
コピーの場合、あらかじめ、特定ないし識別したい物質
を分離、精製し、分光光度計や蛍光分光光度計等を用い
て、分離、精製された各物質を測定し、その測定結果に
合わせて光学フィルタ等を何種類か用意する等の事前準
備が必要である。またその事前準備の手間に加え、分
離、精製された物質自体とその物質が生体組織内に存在
する場合とではスペクトルが異なっている場合もあり、
生きている状態により近い状態でのスペクトル特性の測
定が求められている。
【0006】本発明は、上記事情に鑑み、画像全体の中
の位置関係を容易に把握することのできる分光画像を得
ることのできる分光画像受像装置を提供することを目的
とする。また、本発明は、分離、精製することなしに被
検体内の一部分の組織のスペクトル分布を測定すること
ができる分光画像受像装置を提供することも目的の1つ
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の分光画像受像装
置は、 (1)被検体の画像情報を担持する直線偏光光を入射し
て、その入射光の、駆動信号の周波数に応じた波長成分
のうちの少なくとも一部の偏光状態を変化させる音響光
学素子 (2)上記音響光学素子に変更自在な所定の周波数の駆
動信号を供給することにより該音響光学素子を駆動する
音響光学素子ドライバ (3)上記音響光学素子を経由した光を、駆動信号の周
波数に応じた波長成分のうちの少なくとも一部からなる
第1の光と、その第1の光を除く第2の光とに分離する
偏光ビームスプリッタ (4)上記第1の光が担持する第1の画像を受像する第
1の受像素子 (5)上記第2の光が担持する第2の画像を受像する第
2の受像素子を備えたことを特徴とする。
【0008】ここで、上記本発明の分光画像受像装置に
おいて、 (6)上記第1の受像素子で得られた第1の画像と上記
第2の受像素子で得られた第2の画像とを表示画面上に
重畳して表示する表示モードを有する表示手段を備える
ことが好ましい。また、本発明の分光画像受像装置にお
いて、 (7)音響光学素子ドライバが音響光学素子を互いに周
波数の異なる複数の駆動信号それぞれで駆動した複数の
時点における、上記第1の光が担持する第1の画像の所
定の関心領域に対応する画像情報、もしくはその関心領
域内の一部領域に対応する画像情報に基づいて、その関
心領域もしくは一部領域の分光分布を求める分光分布演
算手段を備えることが好ましい。
【0009】上記(7)の分光分布演算手段は、(7−
1)上記第1の受像素子で得られた、関心領域もしくは
一部領域に対応する画像情報に基づいて、その関心領域
もしくは一部領域の分光分布を求めるものであってもよ
く、あるいは、本発明の分光画像受像装置が、 (8)上記第1の受像素子とは別に、上記第1の光のう
ちの、関心領域もしくは一部領域に対応する部分の光を
受光する受光手段を備え、上記(7)の分光分布演算手
段が、(7−2)上記受光手段で得られた画像情報に基
づいて、関心領域もしくは一部領域の分光分布を求める
ものであってもよい。
【0010】また、上記(7)の分光分布演算手段が、
関心領域もしくは一部領域の分光分布を補正するもので
あることが好ましい。その補正を実現するにあたって
は、例えば、上記(7)の分光分布演算手段が、(7−
3)関心領域もしくは一部領域の分光分布を、上記第1
の画像上の被検体を表わす領域から外れた所定の参照用
の関心領域の画像情報もしくはその参照用の関心領域内
の一部の参照用の一部領域の画像情報に基づいて補正す
るものであってもよく、あるいは、上記本発明の分光画
像受像装置が、 (9)切替え自在に、上記直線偏光光に代えて、その直
線偏光光と同一の方向に直線偏光した、被検体を経由し
ない参照光を音響光学素子に入射する参照光入射手段を
備え、上記(7)の分光分布演算手段が、(7−4)関
心領域もしくは一部領域の分光分布を、受光された参照
光の分光分布に基づいて補正するものであってもよく、
あるいは、上記本発明の分光画像受像装置が、 (10)上記直線偏光光に重畳して、その直線偏光光の
偏光方向に対し交差する方向に直線偏光した、被検体を
経由しない参照光を音響光学素子に入射する参照光入射
手段を備え、上記(7)の分光分布演算手段が、(7−
5)関心領域もしくは一部領域の分光分布を、受光され
た参照光の分光分布に基づいて補正するものであっても
よい。
【0011】さらに上記(7)の分光分布演算手段が、
(7−6)光学系の色収差が補正されるように、上記駆
動信号の周波数に応じて画像上の位置が移動した関心領
域もしくは一部領域の分光分布を求めるものであること
が好ましい。また、本発明の分光画像受像装置が、 (11)上記第1の受像素子で得られた第1の画像、上
記第2の受像素子で得られた第2の画像、もしくはこれ
ら第1の画像と第2の画像とが重畳された画像が表示さ
れた表示画面上に、さらに1つもしくは複数の関心領域
を示す表示を重畳する表示モードを有する表示手段と、 (12)上記表示画面上の関心領域の位置を指定するた
めの操作手段とを備え、上記(7)の分光分布演算手段
が、(7−7)表示画面上の関心領域、もしくはその関
心領域内の一部領域の分光分布を求めるものであること
が好ましい。
【0012】また、 (13)上記関心領域の大きさを変更自在に指定する関
心領域寸法変更手段を備えることが好ましい。また、 (14)上記分光分布演算手段で求められた分光分布を
表示画面上に表示する表示モードを有する表示手段を備
えることが好ましい。
【0013】さらに、本発明の分光画像受像装置が、 (15)所望の波長を指定するための操作手段を備え、
上記(2)の音響光学素子ドライバ手段が、(2−1)
上記操作手段を操作することにより波長が指定されたこ
とを受けて、音響光学素子への入射光の、指定された波
長に合致する波長成分のうちの少なくとも一部の偏光状
態を変化させる周波数の駆動信号をその音響光学素子に
供給するものであることも好ましい態様である。
【0014】尚、上記(6)の表示手段、上記(11)
の表示手段、上記(14)の表示手段は、物理的には1
つの表示画面上に各表示を行なうものであってもよい。
また、本発明における「偏光ビームスプリッタ」は、上
記第1の光と上記第2の光とに分離するものであればよ
く、例えば誘電体多層膜コートによるものや、グランレ
ーザプリズム,グラントムソンプリズムのような複屈折
性を利用した素子等を含む概念である。
【0015】
【作用】本発明の分光画像受像装置は、上記(1)〜
(5)の各要素を備え、第1の受像素子で分光画像(第
1の画像)を受像するとともに第2の受像素子で全体画
像(第2の画像)を受像するものであるため、分光画像
の、全体画像中の位置関係を容易に把握することができ
る。
【0016】また、本発明の分光画像受像装置におい
て、分光画像(第1の画像)と全体画像(第2の画像)
は、並べて表示し、あるいは交互に切り換えて表示して
もよいが、上記(6)の表示手段、即ち分光画像と全体
画像とを重畳して表示する表示モードを有すると、分光
画像の、全体画像中の位置関係を一層容易に把握するこ
とができる。
【0017】また、上記本発明の分光画像受像装置にお
いて、上記(7)の分光分布演算手段を備えると、被検
体内の一部分の組織のスペクトル分布を、その組織内の
物質を分離、精製することなく、その被検体の状態のま
ま測定することができる。スペクトル分布を求めるにあ
たっては、上記第1の受像素子でそのスペクトル分布を
求めてもよいが(上記(7−1)参照)、上記(8)の
受光手段を備え、その受光手段でそのスペクトル分布を
求めてもよい(上記(7−2)参照)。上記(8)の受
光手段は、二次元的な画像を受像するものではなく、被
検体の一点もしくは一部の領域内の光を受光するもので
あり、したがって光電子増倍管、ピンフォトダイオード
等、ダイミックレンジの極めて広い受光手段を採用する
ことができ、スペクトル分布を高精度に求めることがで
きる。ただし、その受光手段を備える分、装置が複雑、
大型となり、コスト上不利になるため、スペクトル分布
の、必要とされる精度等を考慮してその受光手段を備え
るか否かが定められる。
【0018】また、スペクトル分布を求めるにあたって
は、上記(7−3)〜(7−5)のようにしてそのスペ
クトル分布を補正することにより、より高精度なスペク
トル分布が求められる。また、上記(7−6)のように
して、光学系の色収差を補正することにより、波長によ
らず、被検体の同一の関心領域もしくは一部領域のスペ
クトル分布を求めることができる。
【0019】尚、本発明において、スペクトル分布を求
める領域を「関心領域もしくはその関心領域内の一部領
域」としているのは、関心領域内全域の平均的なスペク
トル分布を求める場合、およびその関心領域内の、例え
ば輝度の高い一部領域のスペクトル分布を求める場合の
双方を含む意である。スペクトル分布を求めるにあたっ
ては、上記(11)の表示手段および上記(12)の操
作手段を備えると、画像上の関心領域を容易に把握し関
心領域を自由に設定することができ、測定の自由度の高
い、使い勝手の良い装置となる。さらに、上記(13)
の関心領域寸法変更手段を備えると、やはり測定の自由
度が高められる。
【0020】また、上記(14)の表示手段を備える
と、スペクトル分布が視認できそのスペクトル分布の特
徴の把握が容易となる。さらに、上記(15)の操作手
段を備えるとともに、波長が指定されたことを受けてそ
の波長の分光画像が得られるように駆動信号の周波数を
調整する手段を備えると、一層使い勝手の良い装置とな
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明の分光画像受像装置の第1実施例の概略構
造、および表示画面上への表示の態様を表わした模式図
である。被検体(図示せず)を透過し、もしくは被検体
で反射した、その被検体の画像情報を担持する物体光1
がこの分光画像受像装置10に入射し、偏光子11によ
り、その光1の直線偏光光1aが抽出される。尚、光源
(図示せず)自体が直線偏光光を放射するものである場
合等、この分光画像受像装置10に入射する光1が既に
直線偏光光である場合は、偏光子11は必ずしも必要で
はない。
【0022】偏光子11から射出した直線偏光光1a
は、音響光学素子12に入射される。この音響光学素子
12は、音響光学素子ドライバ13から入力される駆動
信号により駆動され、入射された直線偏光光1aのう
ち、その駆動信号の周波数に対応した波長成分の偏光方
向を回転させる役割を成す。この音響光学素子12から
射出された光1cは、偏光ビームスプリッタ14に入射
され、その偏光ビームスプリッタ14で、上記駆動信号
の周波数に対応した波長成分のうちの偏光状態が変化し
た成分(以下、これを「分光光」と称する)1dと、上
記駆動信号の周波数に対応した波長成分のうちもとの偏
光状態のままの成分およびその他の波長成分(以下、こ
れを「0次光」と称する)1eとに分離される。
【0023】分光光1dは、偏光子15により、ノイズ
として混入した、その分光波長以外の波長の光がカット
され、レンズ16により、二次元受光素子17上に、被
検体の、その分光光1dによる画像(分光画像)が形成
される。その分光画像は二次元受光素子17により受光
され、分光画像を担持する画像信号が生成される。一
方、偏光ビームスプリッタ14から射出された0次光1
eは、レンズ18により、もう1つの二次元受光素子1
9上に、被検体の、その0次光による画像が形成され
る。この0次光による画像は、分光光1dの波長成分の
一部が欠けているだけの広い波長分布にわたる光による
画像であり、被検体の全体画像を表わしている。この全
体画像は、二次元受光素子19により受光され、全体画
像を表わす画像信号が生成される。
【0024】尚、以後の発明においては、簡単のため、
画像信号とその画像信号が表わす画像とを区別せずに、
いずれをも単に「画像」と称することがある。二次元受
光素子17,19で得られた分光画像、全体画像は、各
AD変換器20,21でディジタル信号に変換されてメ
モリ22に一旦格納される。このメモリ22に格納され
た分光画像、全体画像は、画像表示器23の表示画面2
3a上に表示される。この表示の態様としては、図1
(a)〜(c)に示すように、分光画像のみ、全体画像
のみの画像の他、分光画像と全体画像とが重畳された画
像を表示することもできる。この重畳された画像は、例
えば、全体画像を白黒で表示し、分光画像はその分光光
の色で表示するなど、全体画像と分光画像とが明確に識
別できるような表示態様で表示される。このように、分
光画像のほか全体画像も得、それらを表示することによ
り、分光画像の、全体画像中の位置関係を容易に把握す
ることができる。
【0025】図2は、本発明の分光画像受像装置の第2
実施例の概略構造、および表示画面への表示の態様を表
わした模式図である。図1に示す第1実施例との相違点
について説明する。図2に示す分光画像受像装置10A
では分光光1dの光路上にハーフミラー24が備えられ
ており、その分光光1dを受光して分光画像を得る二次
元受光素子17のほか、その分光画像の一部の領域の光
を受光するフォトマルチプライヤ25が備えられてい
る。尚、ハーフミラー24に代えて可倒式ミラーを用い
てもよい。このフォトマルチプライヤ25は、ステージ
26上に載置されており、そのステージ26はステージ
コントローラ27により、図示のx方向、およびy方向
に移動される。
【0026】また、この第2実施例には、パーソナルコ
ンピュータ28、マウス29が備えられており、マウス
29を操作して表示画面23a上に関心領域30を設定
することができる。表示画面23a上に関心領域30が
設定されると、パーソナルコンピュータ28はステージ
コントローラ27に指令を送り、フォトマルチプライヤ
25を、分光光1dの、その関心領域301の光を受光
する位置に移動させる。フォトマルチプライヤ25の位
置調整が終了すると、パーソナルコンピュータ28は、
音響光学素子ドライバ13に指令を送り、音響光学素子
12に送る駆動信号の周波数をスイープさせる。そのス
イープの間、フォトマルチプライヤ25で、波長が連続
的に変化する分光光1dの、関心領域の部分の光を受光
する。その受光信号はアンプ31で増幅され、最終的に
は表示画面上に図示のようなスペクトル分布を表わすグ
ラフが表示される。
【0027】このように、関心領域を設定し、その関心
領域のスペクトル分布を求めて表示することにより、物
質を分離、精製することなく、例えば生体の状態のま
ま、関心領域のスペクトルを得ることができる。また、
図2に示す第2実施例には、二次元受光素子17のほか
にフォトマルチプライヤ25を備えている。フォトマル
チプライヤは、二次元受光素子17例えばCCD等と比
べ感度が約100倍、ダイナミックレンジはCCDが約
104 程度であるのに比べ106 程度もあり、このよう
にフォトマルチプライヤを用いることにより、構造は複
雑ではあるが、関心領域のスペクトル分布が高精度に求
められる。
【0028】図3は、本発明の分光画像受像装置の第3
実施例の概略構造および表示の態様を表わした模式図で
ある。図1,図2に示す第1実施例、第2実施例との相
違点について説明する。この図3に示す分光画像受像装
置10Bの表示画面23aには、複数の関心領域30
a,30b,…,30fが表示されており、このうち、
被検体の画像(表示画面上の斜線を付した部分)から外
れた部分に指定された関心領域30d,30e,30f
は参照用の関心領域である。この図3に示す分光画像受
像装置10Bには、図2に示すフォトマルチプライヤ2
5は備えられておらず、二次元受光素子17で得られた
画像信号に基づいて各関心領域内のスペクトル分布が求
められ、被検体の画像外部の参照用関心領域30d,3
0e,30fのスペクトル分布に基づいて、被検体の画
像内部の各関心領域30a,30b,30cのスペクト
ル分布が補正される。この場合の参照用関心領域は、正
しいスペクトル分布を求めようとする関心領域のできる
だけ近傍に設定することが望ましい。
【0029】次に、図3に示されているもう1つの補正
手法について説明する。光源41から放射された光は、
チョッピングミラー42,43により、被検体40を経
由した物体光と被検体40を経由しない参照光が交互に
偏光子11に入射するように切り換えられる。このよう
に時分割的に切り換えると、例えば表示画面全体に被検
体の画像が広がっており、上述の説明のような被検体の
画像から外れた領域に参照用の関心領域を設定できない
場合であっても、表示画面上に1つの関心領域を設定す
るだけで、物体光が入射したときのスペクトル分布を参
照光が入射したときのスペクトル分布に基づいて補正す
ることができる。
【0030】また、図3に示す分光画像受像装置10B
では、表示画面上にスペクトル分布を表示した状態で、
マウス29によりそのスペクトル分布上のある1つの波
長を指定すると、パーソナルコンピュータ28は、音響
光学素子ドライバ13に指令を送り、音響光学素子12
の駆動信号の周波数をその指定された波長に対応する周
波数に調整させる。こうすることにより、操作者は、ス
ペクトル分布を見て関心のある波長を指定するだけでそ
の波長の分光画像を得ることができ、その分光画像を表
示してより詳細に観察することができる等、使い勝手の
良い装置が構成される。
【0031】図4は、表示画面上に指定される関心領域
の指定の態様の一例を示した図である。この図に示すよ
うに関心領域は位置の変更のみでなく、その寸法も可変
できる。また、スペクトル分布を求めるにあたっては、
関心領域内部の全領域の平均的なスペクトル分布を求め
ることのほか、関心領域内部の一部領域、例えば周囲と
比べ輝度の異なる領域や輝度のピークの領域等のスペク
トル分布を求めることもできる。また、複数の関心領域
を指定することで、互いに区別したい複数の領域のスペ
クトルの測定を行なうこともでき、その測定結果に基づ
いてスペクトルの特徴的な波長を選定し、数波長分の画
像情報から、物質分布を正確に識別することもできる。
【0032】図5は、表示画面上に指定される関心領域
の指定の態様のもう一つの例、およびそれに対応したス
ペクトル分布を示した図である。図5(A)に示すよう
に一直線状に並ぶ複数の関心領域を設定し、図5(B)
に示すように、その複数の関心領域のスペクトル分布を
並べて表示することにより、その複数の関心領域の並び
に沿ってスペクトル分布がどう変化するかを観察するこ
とができる。
【0033】図6は、波長による関心領域の位置の変化
を示す模式図である。光学系には色収差が存在し、被検
体上の同一の関心領域は、分光光1dの波長により、画
像上ではその位置が変化する。そこで、あらかじめその
光学系について色収差を求めてパーソナルコンピュータ
28内部に記憶しておき、音響光学素子12の駆動信号
の周波数の変化に応じて、その周波数の波長に対応す
る、色収差が補正された位置に関心領域を移動させる。
こうすることにより、被検体上の同一の関心領域のスペ
クトル分布を求めることができる。
【0034】図7は、本発明の分光画像受像装置の第4
実施例の構成を示す模式図である。この図7に示す分光
画像受像装置10Cには、参照光重畳光学系50が備え
られている。この参照光重畳光学系50は、光源50か
ら発せられた参照光を、レンズ53で平行光にし、さら
に偏光子53で、偏光子11を経由した物体光の偏光方
向に対し90°異なる方向に直線偏光させ、偏光ビーム
スプリッタ54により物体光と重畳させて音響光学素子
12に向けて射出する。音響光学素子12を経由し、さ
らに偏光ビームスプリッタ14を経由した分光光1dに
は、物体光と、参照光のうちの、音響光学素子12で偏
光方向が変化しなかった成分が重畳されて入射される。
【0035】ここで、物体光が実質的に入射されない画
像領域に参照光を重畳させることにより、実質的に参照
光のみの領域を参照用の関心領域とし、照明系、光学
系、受光素子の分光分布やムラ等、測光系全体の波長依
存性をキャンセルし、高精度のスペクトル分布を求める
ことができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
分光画像の、全体画像中の位置関係を容易に把握するこ
とができる。また、被検体内の一部分の組織のスペクト
ル分布を、その組織内の物質を分離、精製することな
く、その被検体の状態のまま測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分光画像受像装置の第1実施例の概略
構造、および表示画面上への表示の態様を表わした模式
図である。
【図2】本発明の分光画像受像装置の第2実施例の概略
構造、および表示画面への表示の態様を表わした模式図
である。
【図3】本発明の分光画像受像装置の第3実施例の概略
構造および表示の態様を表わした模式図である。
【図4】表示画面上に指定される関心領域の指定の態様
の一例を示した図である。
【図5】表示画面上に指定される関心領域の指定の態様
のもう一つの例、およびそれに対応したスペクトル分布
を示した図である。
【図6】波長による関心領域の位置の変化を示す模式図
である。
【図7】本発明の分光画像受像装置の第4実施例の構成
を示す模式図である。
【符号の説明】
10,10A,10B,10C 分光画像受像装置 11,15 偏光子 12 音響光学素子 13 音響光学素子ドライバ 14 偏光ビームスプリッタ 17,19 二次元受光素子 23 画像表示器 25 フォトマルチプライヤ 28 パーソナルコンピュータ 29 マウス 30,30a,30b,……,30f 関心領域 42,43 チョッピングミラー 50 参照光重畳光学系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01J 3/12 G01N 21/17 G01N 21/27 G06T 1/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の画像情報を担持する直線偏光光
    を入射して、該入射光の、駆動信号の周波数に応じた波
    長成分のうちの少なくとも一部の偏光状態を変化させる
    音響光学素子と、 前記音響光学素子に変更自在な所定の周波数の駆動信号
    を供給することにより該音響光学素子を駆動する音響光
    学素子ドライバと、 前記音響光学素子を経由した光を、前記周波数に応じた
    波長成分のうちの少なくとも一部からなる第1の光と、
    該第1の光を除く第2の光とに分離する偏光ビームスプ
    リッタと、 前記第1の光が担持する第1の画像を受像する第1の受
    像素子と、 前記第2の光が担持する第2の画像を受像する第2の受
    像素子とを備えたことを特徴とする分光画像受像装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の受像素子で得られた前記第1
    の画像と前記第2の受像素子で得られた前記第2の画像
    とを表示画面上に重畳して表示する表示モードを有する
    表示手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の分光
    画像受像装置。
  3. 【請求項3】 前記音響光学素子ドライバが前記音響光
    学素子を互いに周波数の異なる複数の駆動信号それぞれ
    で駆動した複数の時点における、前記第1の光が担持す
    る前記第1の画像の所定の関心領域に対応する画像情
    報、もしくは該関心領域内の一部領域に対応する画像情
    報に基づいて、該関心領域もしくは該一部領域の分光分
    布を求める分光分布演算手段を備えたことを特徴とする
    請求項1又は2記載の分光画像受像装置。
  4. 【請求項4】 前記分光分布演算手段が、前記第1の受
    像素子で得られた前記関心領域もしくは前記一部領域に
    対応する画像情報に基づいて、該関心領域もしくは該一
    部領域の分光分布を求めるものであることを特徴とする
    請求項3記載の分光画像受像装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の受像素子とは別に、前記第1
    の光のうちの、前記関心領域もしくは前記一部領域に対
    応する部分の光を受光する受光手段を備え、 前記分光分布演算手段が、前記受光手段で得られた画像
    情報に基づいて、該関心領域もしくは該一部領域の分光
    分布を求めるものであることを特徴とする請求項3記載
    の分光画像受像装置。
  6. 【請求項6】 前記分光分布演算手段が、前記関心領域
    もしくは前記一部領域の分光分布を、前記第1の画像上
    の前記被検体を表わす領域から外れた所定の参照用の関
    心領域の画像情報もしくは該参照用の関心領域内の一部
    の参照用の一部領域の画像情報に基づいて補正するもの
    であることを特徴とする請求項3から5のうちのいずれ
    か1項記載の分光画像受像装置。
  7. 【請求項7】 切替え自在に、前記直線偏光光に代え
    て、該直線偏光光と同一の方向に直線偏光した、前記被
    検体を経由しない参照光を前記音響光学素子に入射する
    参照光入射手段を備え、 前記分光分布演算手段が、前記関心領域もしくは前記一
    部領域の分光分布を、受光された前記参照光の分光分布
    に基づいて補正するものであることを特徴とする請求項
    3から5のうちのいずれか1項記載の分光画像受像装
    置。
  8. 【請求項8】 前記直線偏光光に重畳して、該直線偏光
    光の偏光方向に対し交差する方向に直線偏光した、前記
    被検体を経由しない参照光を前記音響光学素子に入射す
    る参照光入射手段を備え、 前記分光分布演算手段が、前記関心領域もしくは前記一
    部領域の分光分布を、受光された前記参照光の分光分布
    に基づいて補正するものであることを特徴とする請求項
    3から5のうちのいずれか1項記載の分光画像受像装
    置。
  9. 【請求項9】 前記分光分布演算手段が、光学系の色収
    差が補正されるように、前記駆動信号の周波数に応じて
    画像上の位置が移動した前記関心領域もしくは前記一部
    領域の分光分布を求めるものであることを特徴とする請
    求項3から8のうちのいずれか1項記載の分光画像受像
    装置。
  10. 【請求項10】 前記第1の受像素子で得られた前記第
    1の画像、前記第2の受像素子で得られた前記第2の画
    像、もしくはこれら第1の画像と第2の画像とが重畳さ
    れた画像が表示された表示画面上に、さらに1つもしく
    は複数の前記関心領域を示す表示を重畳する表示モード
    を有する表示手段と、 前記表示画面上の前記関心領域の位置を指定するための
    操作手段とを備え、 前記分光分布演算手段が、前記表示画面上の前記関心領
    域、もしくは該関心領域内の一部領域の分光分布を求め
    るものであることを特徴とする請求項1から9のうちの
    いずれか1項記載の分光画像受像装置。
  11. 【請求項11】 前記関心領域の大きさを変更自在に指
    定する関心領域寸法変更手段を備えたことを特徴とする
    請求項3から10のうちのいずれか1項記載の分光画像
    受像装置。
  12. 【請求項12】 前記分光分布演算手段で求められた分
    光分布を表示画面上に表示する表示モードを有する表示
    手段を備えたことを特徴とする請求項3から11のうち
    のいずれか1項記載の分光画像受像装置。
  13. 【請求項13】 所望の波長を指定するための操作手段
    を備え、 前記音響光学素子駆動手段が、前記操作手段を操作する
    ことにより波長が指定されたことを受けて、前記音響光
    学素子への入射光の、指定された波長に合致する波長成
    分のうちの少なくとも一部の偏光状態を変化させる周波
    数の駆動信号を該音響光学素子に供給するものであるこ
    とを特徴とする請求項1から12のうちのいずれか1項
    記載の分光画像受像装置。
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