JP2825963B2 - 多色印刷物の欠点検査方法および装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、例えばグラビア印刷により得た多色印刷物
の印刷の良否を検査する検査方法および装置に関する。

［従来の技術］ グラビア印刷物についての検査は、通常所定時間ごと
に、熟練作業員が刷り上がった印刷物を直接目視し、絵
柄や文字等の抜けや掠れ、或いはすり傷等の欠点がある
か否かを判定している。そして、欠点が現れた色や、欠
点の種類等を特定することにより、それに対応した欠点
回避措置が採られるようになっている。例えば、絵柄や
文字等の抜けや掠れの場合には、欠点を含んだ色を印刷
したグラビア印刷機のロール圧の調整、インクの粘性の
調整などが実行され、また、すり傷の場合は該当色のド
クター調整が実施され、それによって以後の欠点の発生
を防止している。

また、印刷の良否をパターンマッチングにより判定す
る技術が知られている。この技術は以下のようにして実
施されていた。

まず、目視等により良品と判定された印刷物を用意し
て、それをテレビカメラを用いてモノクロで撮像する。
次に、カメラの映像信号を処理して、印刷の輪郭パター
ンを抽出する。そして、この輪郭パターンに対して縦横
の拡大処理を施して得た拡大輪郭パターンをマスタパタ
ーンとしてメモリに収納する。この拡大処理によって、
印刷にばらつきや印刷物の移動精度に基づく多少の誤差
を許容できる。この後、上記テレビカメラによって検査
すべき印刷物を撮像する。そして、このカメラの映像信
号を処理する輪郭抽出手段で抽出される輪郭パターン
と、上記メモリに収納されたマスタパターン読み出しを
同期させて、これらをパターンマッチング手段により比
較してパターンマッチングを行う。

すなわち、このようなパターンマッチング方法によ
り、印刷の良否を判定する情報を得ることができる。

また、印刷面の一部をカラー静止面としてテレビ等の
モニター用ディスプレイに表示するカラー静止画表示装
置も従来知られている。この装置は、走行する印刷物の
印刷面に対向して設けられ、印刷物の幅方向に延びるト
ラバースレールにカラーテレビカメラを移動自在に取付
け、このカメラを任意位置に移動させて印刷面の所定領
域を撮像し、上記カメラに接続されたモニター用ディス
プレイに、カラー静止面を表示するものである。したが
って、このカラー静止画表示装置を用いる場合には、印
刷物の走行を止めることなく、その印刷面の任意位置を
サンプリングして静止画として監視できる。

［発明が解決しようとする課題］ 上記パターンマッチングによる欠点検出では、マスタ
パターンとの比較判定により検出を検出するため、検出
した欠点がどのような種類であるかということまでは検
出できない。したがって、上記のような欠点検出技術を
多色印刷物の検査装置に適用しても、その検査結果から
欠点の発生原因を推測して十分な欠点回避措置を採るこ
とはできないという問題がある。

また、上記カラー静止画表示装置では、印刷面の一部
のみをカラー静止画として視認できるが、印刷の欠点は
ランダムに発生するから、モニター用ディスプレイの画
面に欠点が含まれているとの保証がない。したがって、
このようなカラー静止画表示装置を用いても、欠点検査
の省力化はさ程期待できず、印刷見当のチェックに使用
される程度であった。なお、このカラー静止画表示装置
を用いて印刷面の幅方向についての静止面を連続して次
々に得るようにすれば、結果的に全幅のモニタニングが
可能であるが、その場合には、多色印刷物の走行速度を
速くできなず、検査速度が遅くなるという問題がある。

本発明の目的は、多色印刷物についての欠点検査の信
頼性と効率を向上できる多色印刷物の欠点検査方法およ
び装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、請求項１に係る多色印刷
物の欠点検査方法においては、イメージセンサを受光部
とするとともに走行中の連続した長い多色印刷物と対向
して固定的に配置された欠点検出用テレビカメラで、走
行中の上記多色印刷物をその幅方向に走査し、上記テレ
ビカメラからの映像信号を処理して上記多色印刷物の印
刷の良否を判定するとともに、上記印刷中に欠点がある
と判定したときに、この欠点の上記多色印刷物の幅方向
の位置を測定し、上記欠点検出用テレビカメラが配置さ
れた欠点検出位置よりも上記多色印刷物の走行方向下流
側の欠点監視位置に、上記多色印刷物の幅方向に移動自
在に設けられた監視用カラーテレビカメラを、上記欠点
の位置情報に基づいて上記欠点が通過する予定位置に移
動させて、このカメラにより上記欠点が上記予定位置を
通過する際にこの欠点を含む所定領域を撮像し、上記監
視用カラーテレビカメラからの映像信号をカラー静止面
としてモニター用ディスプレイに表示するようにしたも
のである。

また、同様の目的を達成するために請求項２に係る多
色印刷物の欠点検査装置は、任意の位置に定められた欠
点検出位置に固定的に配置され、走行する連続した長い
多色印刷物をその幅方向に走査するイメージセンサを受
光部とした欠点検出用テレビカメラと、このテレビカメ
ラからの映像信号が供給され、この映像信号を処理して
上記多色印刷物の印刷の良否を判定するとともに、上記
印刷中に欠点があると判定したときに、この欠点の上記
多色印刷物の幅方向の位置を測定する欠点検出装置と、
上記欠点検出位置よりも上記多色印刷物の走行方向下流
側に定められた欠点監視位置に配置され、上記多色印刷
物の幅方向に移動自在に設けられた監視用カラーテレビ
カメラを有し、かつ、上記欠点検出装置が測定した欠点
の位置情報が供給され、この位置情報に基づいて上記監
視用カラーテレビカメラを上記欠点が通過する予定位置
に移動配置させて、このカメラにより上記欠点が上記予
定位置を通過する際にこの欠点を含む所定領域を撮像す
る監視装置と、上記監視用カラーテレビカメラからの映
像信号をカラー静止画としてモニター用ディスプレイに
表示するカラー静止画表示装置とを具備したものであ
る。

また、上記目的を達成するに当たり、欠点検査に必要
とするラインの長さを短くするために、請求項３に係る
多色印刷物の欠点検査装置は、前記欠点検出用テレビカ
メラが前記多色印刷物がその幅方向全体にわたって走査
するものであって、かつ、前記監視用カラーテレビカメ
ラの移動開始の原点を前記多色印刷物の幅方向の中央部
としたことを特徴としている。

また、上記目的を達成するに当たり、検出された欠点
のモニタリングをより容易にするために、請求項４に係
る多色印刷物の欠点検査装置は、前記監視用カラーテレ
ビカメラにズーム機能を有したものを採用したことを特
徴としている。

［作用］ 請求項１、２に係る発明において、欠点検出用テレビ
カメラは、その設置位置つまり欠点検出位置において、
グラビア印刷機などにより多色印刷が施されて走行して
いる連続した長い多色印刷物の印刷面を、その幅方向に
走査する。この走査により、印刷面のカラー情報が光−
電変換される。

この欠点検出用テレビカメラの出力（映像信号）が供
給される欠点検出装置は、映像信号を処理して印刷の良
否を判定する。その判定により印刷中に欠点があると判
定した時において欠点検出装置は、検出した欠点が、任
意位置に定めた原点に対して多色印刷物の幅方向のどの
位置にあるかを測定する。この測定は、上記テレビカメ
ラのイメージセンサの原点相当位置の受光素子から欠点
相当位置の受光素子までの素子数をカウントして演算す
ることにより行われる。

この演算処理により得られた欠点の位置情報が供給さ
れる監視装置は、その位置情報に基づいて上記監視用カ
ラーテレビカメラを、その原点位置から多色印刷物の幅
方向に動かして、欠点監視位置における上記欠点が通過
する予定位置に移動配置させる。なお、上記カラーテレ
ビカメラのピントは予め印刷面に対して合わされてい
る。そして、カラーテレビカメラは、多色印刷物の走行
に伴って上記欠点検出装置により検出された上記欠点が
上記予定位置に移動されてきたときに、タイミングを合
わせて動作して、上記欠点を含む所定領域を撮像する。

この監視用カラーテレビカメラからの映像信号が供給
されるカラー静止画表示装置は、その映像信号をモニタ
用ディスプレイにカラー静止画として表示する。

以上のようにして多色印刷物の走行中に欠点検出装置
が欠点を自動的に検出するたびに、オペレータは、検出
された欠点を含んだ所定領域のカラー静止画を、モニタ
ー用ディスプレイを介してモニタリングできる。したが
って、欠点の検出が自動的にできることは勿論のこと、
検出した欠点を確実にカラー静止画で見ることができ
る。そのため、検出された欠点のモニタリングにより、
その欠点がどの色であるのか、どのような種類であるの
かを知ることができる。

また、請求項３の発明に係る欠点検査装置において
は、その監視装置の監視用カラーテレビカメラが、上記
多色印刷物の幅方向の中央部位置を原点として上記多色
印刷物の幅方向に移動するから、このカメラが多色印刷
物の縁部を撮像する位置に達するまでの時間を短くでき
る。

また、請求項４の発明に係る欠点検査装置において
は、監視用カラーテレビカメラにより、検出された欠点
をズームアップしてモニタリングできる。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。

第１図中31はグラビア印刷装置であり、互いに並設さ
れた例えば８台のグラビア印刷機32〜39で形成されてい
る。同第１図中40は印刷に使用される連続した長い用紙
が巻かれた巻出しロールであり、これから操作された用
紙は第１段のグラビア印刷機32に供給される。同第１図
中41は多色印刷物Ｓの巻取りロールで、これは各グラビ
ア印刷機32〜39を次々に通って８色の印刷が施された用
紙、つまり多色印刷物Ｓを巻き取るものである。そし
て、最終の第８段のグラビア印刷機39と巻取りロール41
との間は欠点検査ラインとして設定されている。なお、
第１図および第２図中矢印Ｄは多色印刷物Ｓの走行方向
を示している。

第１図および第２図中１は例えば４台の欠点検出用テ
レビカメラ２を備えたカメラユニットであり、これは、
欠点検査ラインの始端部に定められる欠点検査位置にお
いて、多色印刷物Ｓの印刷面と対向するとともに、この
印刷物Ｓの幅方向に延びて動かないように固定的に配置
されている。このカメラユニット１の視野は必要により
設けられる図示しない照明装置により照明されるように
なっている。

各欠点検出用テレビカメラ２は多色印刷物Ｓの幅方向
に沿って並べられているとともに、各カメラ２にはCCD
リニアアレーイメージセンサを受光部としたものが使用
されている。これら各テレビカメラ２によって多色印刷
物Ｓの幅方向全体にわたる印刷面の走査ができる。各テ
レビカメラ２から出力される映像信号は、第１図に示し
た欠点検出装置５によって処理され、それにより多色印
刷の良否の判定と欠点ｆの位置測定がなされる。

欠点検出装置５は、AGC装置６、輪郭抽出回路７、第
１欠点認識部８、第１欠点判定回路９、第２欠点認識部
10、第２欠点判定回路11、および欠点位置測定回路12を
備えて形成されている。次に、これらについて説明す
る。

AGC装置６は、上記テレビカメラ２の出力端に接続し
て設けられたもので、欠点検出装置５全体の利得変動に
対して、送信出力の一定化を図るために使用されてい
る。

輪郭抽出手段としての輪郭抽出回路７はAGC装置６の
出力端に接続されている。この回路７は微分回路からな
り、テレビカメラ２から出力される信号の全てを取込ん
で、この信号の変化を強調し、それにより画像の輪郭パ
ターンを抽出する。

第１欠点認識部８は、パターン拡大処理手段としての
第１パターン拡大処理回路15、第１記憶手段としての第
１マスタパターンメモリ16、およびパターンマッチング
手段としての第１パターンマッチング回路17とから形成
されている。

第１パターン拡大処理回路15は輪郭抽出回路17の出力
端に接続して設けられている。この回路15は、多色印刷
物Ｓの印刷のばらつきおよび送り精度に基づく誤差を許
容するために、上記輪郭に係る信号を縦方向および横方
向に拡大処理するための回路であって、その拡大寸法に
より所期のばらつきや多色印刷物Ｓの送り精度に基づく
多少の誤差を許容できる。この拡大寸法は初期設定時に
指定される。そして、この回路15により、上記輪郭パタ
ーンにパターン拡大処理が施されて被検査パターンが形
成される。

第１マスタパターンメモリ16は輪郭抽出回路７の出力
端に接続して設けられている。このメモリ16は書込みお
よび読み出しができるものであって、これには、目視ま
たは他の適当な検査により良品と判断された多色印刷物
について上記輪郭抽出回路７が抽出したマスタ輪郭パタ
ーンが収納される。そして、上記メモリ16はそれに収納
されたマスタ輪郭パターンを、同種の多色印刷物Ｓにつ
いての検査をしている間は、変更されないように凍結し
て保持するものである。

第１パターンマッチング回路17は、第１パターン拡大
処理回路15の出力端と第１マスタパターンメモリ16の出
力端に夫々接続して設けられている。このマッチング回
路17は、第１マスタパターンメモリ16から読み出された
上記マスタ輪郭パターンに対して、第１パターン拡大処
理回路15で得た被検査パターンとを比較照合して、これ
らのパターンが一致しているかどうかを比較するもので
ある。

上記第１欠点判定回路９は第１パターンマッチング回
路17の出力端に接続して設けられている。この回路11
は、上記第１欠点認識部８で認識した欠点情報に係るサ
イズを見極めて、それが欠け性の欠点であるかどうかを
判定するものである。なお、ここに欠け性の欠点とは、
印刷の一部が欠落していたり、掠れている欠点を指すも
のであって、その欠点のサイズは初期設定時において上
記判定回路９に指定されることは勿論である。

上記第２欠点認識部10は、第１図に示すようにパター
ン拡大処理手段としての第２パターン拡大処理回路21、
第２記憶手段としての第２マスタパターンメモリ22、お
よび第２パターンマッチング手段としての第２パターン
マッチング回路23とから形成されている。

第２パターン拡大処理回路21は輪郭抽出回路７の出力
端に接続して設けられている。この回路21は、上記第１
パターン拡大処理回路15と同じ構成であって、上記輪郭
パターンにパターン拡大処理を施してマスタ拡大パター
ンを形成するようになっている。

第２マスタパターンメモリ22は第２パターン拡大処理
回路21の出力端に接続して設けられている。このメモリ
22も書込みおよび読み出しができるものであって、これ
には、目視または他の適当な検査により良品と判断され
た多色印刷物の印刷について上記処理回路21で処理され
た上記マスタ拡大パターンが収納される。そして、この
メモリ22に収納されたマスタ拡大パターンも、同種の多
色印刷物についての検査をしている間は、変更されない
ように凍結して保持されるものである。

第２パターンマッチング回路23は、輪郭抽出回路７の
出力端と第２マスタパターンメモリ22の出力端に夫々接
続して設けられている。このマッチング回路23は、第２
マスタパターンメモリ22から読み出された上記マスタ拡
大パターンと、輪郭抽出回路７で得た多色印刷物の印刷
に係る輪郭パターンとを比較照合して、これらのパター
ンが一致しているかどうかを比較するものである。

上記第２欠点判定回路11は第２パターンマッチング回
路23の出力端に接続して設けられている。この回路23
は、上記第２欠点認識部10で認識した欠点情報に係るサ
イズを見極めて、それが飛び性の欠点であるかどうかを
判定するものである。なお、ここに飛び性の欠点とは、
飛び散ったインクや汚れ、異物などが所定の印刷箇所以
外の場所に付着してできた欠点を指すものであって、そ
の欠点のサイズは初期設定時において上記判定回路11に
指定されることは勿論である。

また、上記欠点位置測定回路12は、上記両欠点判定回
路9,11の出力端に夫々接続して設けられている。この測
定回路12は第１の中央演算装置（CPU）からなり、欠点
があるとの判定がなされたときに、その欠点が多色印刷
物Ｓの幅方向のどの位置にあるのかを測定するものであ
る。欠点位置（位置情報）の測定は、上記テレビカメラ
２のリニアアレーイメージセンサのうち原点相当位置の
受光素子から欠点相当位置の受光素子までの素子数をカ
ウントして演算することにより行われる。なお、上記原
点は任意に定められ、図示例においてはカメラユニット
１の一端部1aを原点としており、これから欠点ｆまでの
距離Ｇが上記素子数をもとにした演算により求められ
る。また、この測定回路12の出力端にはブザーやチャイ
ムなどの報知装置45が接続されており、この装置45は欠
点位置の測定と同時に動作される。

上記欠点検出位置よりも距離Ｌ（第２図参照）を隔て
て多色印刷物Ｓの走行方向下流側に定められた欠点監視
位置には、監視装置51が配設されている。この監視装置
51は、多色印刷物Ｓの幅方向に延びるトラバースレール
52と、このレール52を案内として多色印刷物Ｓの幅方向
に移動自在に設けられて印刷面の一部領域を撮像する監
視用カラーテレビカメラ53と、このカメラ53を移動させ
る図示しないトラバース機構とを有している。

カラーテレビカメラ53は、多色印刷物Ｓの幅方向の中
央部を原点として、常時この原点位置に配置されてい
る。なお、カラーテレビカメラ53のピントは自動焦点機
構により予め欠点監視位置の印刷面に対して合わされて
いるとともに、このカメラ53はズーム機能を有してお
り、図示しない操作盤での操作により必要とする部分の
ズームアップが可能である。しかも、カラーテレビカメ
ラ53の側部にはストロボ発光機（図示しない）が取付け
られ、この発光器のストロボ発光の際にシャッターを介
してこのカラーテレビカメラ53による瞬間的な撮像がな
されるようになっている。

上記欠点位置測定回路12の他の出力端が接続された上
記トラバース機構は、上記欠点ｆの位置情報が供給され
たときに、この位置情報に基づいて欠点ｆが通過する予
定位置に、上記カラーテレビカメラ53を移動して待機さ
せるものである。

また、上記欠点位置測定回路12の他の出力端にはカラ
ー静止画表示装置55が接続されている。この表示装置55
は、カラー静止画制御回路56と、RGBメモリ57と、テレ
ビ等のモニター用ディスプレイ58とを備えている。

RGBメモリ57は上記カラーテレビカメラ53の出力端に
接続して設けられ、上記カメラ53で瞬間的に撮像して得
た映像信号を分解したＲ（赤）,G（緑）,B（青）の色成
分信号を蓄積するものである。上記欠点位置測定回路12
の他の出力端に接続されたカラー静止画制御回路56は第
２の中央演算装置（CPU）からなる。この制御回路56
は、上記位置情報の入力に基づいてRGBメモリ57が上記
カメラ53からの映像信号を取込むタイミングを得て、こ
のRGBメモリ57を動作させ、カラー静止画を作るととも
に、モニター用ディスプレイ58にRBGメモリ57に蓄積さ
れた一画面分の映像情報をカラー静止画として表示させ
る制御をなすものである。

なお、第１図および第２図中61はパルスジェネレータ
であり、これは上記検査ラインの始端側におけるガイド
ローラ62を経由する多色印刷物Ｓの縁部に転接して設け
られている。このパルスジェネレータ61の出力は上記各
マスタパターンメモリ16,22、および各欠点判定回路9,1
1に夫々供給され、この出力に基づいて多色印刷物Ｓの
ライン速度に同期して欠点検出装置５が動作されるよう
になっている。

次に、上記構成の欠点検査装置を用いて走行している
多色印刷物Ｓを検査をする場合を説明する。

まず、必要な初期設定操作をした後に、目視または他
の適当な検査により良品と判断された印刷を欠点検出用
テレビカメラ２で撮像して、この良品（マスタ）に係る
画像について輪郭抽出回路７で輪郭パターンを抽出をし
た後に、抽出された輪郭パターンを第１欠点認識部８お
よび第２欠点認識部10の夫々に収納する。

この後に、グラビア印刷が開始されて、多色印刷物Ｓ
の印刷面が次々に欠点検出用テレビカメラ２の視野に送
込まれて撮像される。テレビカメラ２から出力される映
像信号は、すべてAGC装置６を経由して輪郭抽出回路７
を通るから、この回路７において検査されるべき輪郭パ
ターンが抽出され、このパターンは第１欠点認識部８お
よび第２欠点認識部10に夫々供給される。

第１欠点認識部８では、輪郭抽出回路７から出力され
た検査すべき輪郭パターンを、第１パターン拡大処理回
路15で拡大処理する。その結果得られた検査すべきパタ
ーンは第１パターンマッチング回路17に供給される。こ
の回路17へのパターンの入力と、第１マスタパターンメ
モリ16から第１パターンマッチング回路17への上記マス
タ画像に係るマスタ輪郭パターンの読み出しとは、タイ
ミングを一致させて実施され、それによって両パターン
の比較照合を行う。

そうすると、検査すべきパターンが欠け性の欠点を有
している場合には、拡大処理された検査すべきパターン
に対して、マスタ画像に係る輪郭パターンの一部が食み
出す。この食み出し部分は欠け性の欠点情報として認識
される。

次に、この欠点情報は第１欠点判定回路９に供給され
るから、この回路９により上記欠点情報が欠点であるか
どうかの判定が下される。

また、第２欠点認識部10に供給された上記カメラ２か
らの映像信号についての検査すべき輪郭パターンは、拡
大処理を施されることなく、そのまま第２パターンマッ
チング回路23に供給される。そして、この回路23への検
査すべき輪郭パターンの入力と、第２マスタパターンメ
モリ22から第２パターンマッチング回路23への上記マス
タ画像に係るマスタ拡大パターンの読み出しとは、タイ
ミングを一致させて実施され、それによって両パターン
の比較照合を行う。

そのため、検査すべきパターンが飛び性の欠点を有し
ている場合には、マスタ拡大パターンに対して、検査す
べき輪郭パターンの一部が食み出す。この食み出し部分
は飛び性の欠点情報としてが認識される。そして、この
欠点情報は第２欠点判定回路11に供給されるから、この
回路11により上記欠点情報が欠点であるかどうかの判定
が下される。

以上のようにして検出された上記欠点情報は欠点位置
測定回路12に供給される。そうすると、この回路12は、
検出された欠点の上記原点1aに対する多色印刷物Ｓの幅
方向の位置、つまり第２図中Ｇの距離を、上記カメラ２
のリニアアレーイメージセンサ原点相当位置の受光素子
から欠点相当位置の受光素子までの素子数をカウントし
て演算することにより測定する。また、この欠点位置の
測定をもとに欠点位置測定回路12は、報知装置45を動作
させて、その鳴動等により欠点の検出をオペレータに報
知する。

そして、検出された欠点の位置情報は、監視装置51に
供給される。そのため、監視装置51は、供給された位置
情報に基づいて動作して、監視用カラーテレビカメラ53
を、その原点位置から欠点監視位置において上記欠点ｆ
が通過する予定位置までトラバースレール52に沿って多
色印刷物Ｓの幅方向に動かす。この移動は、上記予定位
置に上記欠点ｆが至るまでに完了し、上記カメラ53は上
記予定位置において待機する。

この直後に上記欠点検出装置５により検出された上記
欠点ｆが、第２図中に示す距離Ｌを移動して上記欠点監
視位置中の予定位置に移動されてきたときに、既に上記
予定位置を視野におさめる位置に移動されて待機してい
るカラーテレビカメラ53が、タイミングを合わせて動作
され、上記欠点ｆを含む所定領域をストロボ発光下にお
いて瞬間的に撮像する。

この監視用カラーテレビカメラ53からのカラー映像信
号はカラー静止画表示装置55に供給される。そうする
と、欠点位置測定回路12からの欠点位置情報を受けるこ
とによりタイミングを合わせて動作されるカラー静止画
制御回路56の制御動作により、撮像により得たカラー映
像信号がR,G,Bに３色分解してRGBメモリ57に蓄積される
とともに、この蓄積されたカラー映像情報は、モニター
用ディスプレイ58にカラー静止画として表示される。

以上のようにして多色印刷物Ｓの走行中に欠点検出装
置５が欠点ｆを自動的に検出するたびに、その欠点ｆを
含んだ所定領域のカラー静止画像をモニター用ディスプ
レイ58を介してモニタリングできる。

したがって、欠点ｆの検出が自動的にできることは勿
論のこと、検出した欠点ｆを確実にカラー静止画像で見
ることができる。そのため、検出された欠点ｆのモニタ
リングにより、その欠点がどの色であるのか、どのよう
な種類であるのか等の欠点の形状症状を知ることがで
き、それに伴ってオペレータは、適正な欠点回避措置を
講じることができる。勿論、既述のように欠点の検出に
伴って報知装置45が動作するので、オペレータはモニタ
ー用ディスプレイ58を連続注視する必要がなく、上記の
報知の都度注視すれば良いから、作業負担が少ない。し
かも、カラーテレビカメラ53はズーム機能を備えている
ので、ズームアップにより検出された欠点を拡大してモ
ニター用ディスプレイ58に表示させ子細にモニタリング
でき、したがって、欠点のモニタリングが容易であり、
作業者の疲労度を少なくできる。

また、監視装置51の監視用カラーテレビカメラ53は、
多色印刷物Ｓの幅方向の中央部位置を原点として多色印
刷物Ｓの幅方向に移動するから、このカメラ53が多色印
刷物Ｓの縁部を撮像する位置に達するまでの時間を短く
できる。そのため、欠点検出位置から欠点監視位置まで
の距離Ｌ、つまり欠点検査に必要とするライン長さを短
くできる。

［発明の効果］ 以上説明したように構成された本発明の欠点検査方法
および装置によれば、走行中の多色印刷物についての欠
点を自動的に検出できるだけではなく、検出の都度その
欠点を確実にカラー静止面にして、検出された欠点の形
状、色、種類等の症状を知るモニタリングができるか
ら、上記多色印刷物についての欠点検査の信頼性と効率
を向上できる。それに加えて、監視用カラーテレビカメ
ラの原点を、多色印刷物の幅方向の中央部に位置させた
欠点検査位置においては、欠点検査に必要とするライン
長さを短くできる。また、監視用カラーテレビカメラが
ズーム機能を備えている欠点検査装置においては、検出
された欠点を拡大表示して、それを子細かつ容易にモニ
タリングすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は本発明方法を
実施する欠点検査装置の構成を説明するための図、第２
図は欠点検査ラインの概略的平面図である。 ２……欠点検出用テレビカメラ、５……欠点検出装置、
51……監視装置、55……カラー静止画表示装置、58……
モニター用ディスプレイ、Ｓ……多色印刷物、ｆ……欠
点

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−12341（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B41F 33/14 G01N 21/84 G06F 15/62 H04N 7/18 B41F 33/02

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】イメージセンサを受光部とするとともに走
   行中の連続した長い多色印刷物と対向して固定的に配置
   された欠点検出用テレビカメラで、走行中の上記多色印
   刷物をその幅方向に走査し、 上記テレビカメラからの映像信号を処理して上記多色印
   刷物の印刷の良否を判定するとともに、上記印刷中に欠
   点があると判定したときに、この欠点の上記多色印刷物
   の幅方向の位置を測定して、 上記欠点検出用テレビカメラが配置された欠点検出位置
   よりも上記多色印刷物の走行方向下流側の欠点監視位置
   に、上記多色印刷物の幅方向に移動自在に設けられた監
   視用カラーテレビカメラを、上記欠点の位置情報に基づ
   いて上記欠点が通過する予定位置に移動させ、このカメ
   ラにより上記欠点が上記予定位置を通過する際にこの欠
   点を含む所定領域を撮像し、 上記監視用カラーテレビカメラからの映像信号をカラー
   静止面としてモニター用ディスプレイに表示することを
   特徴とする多色印刷物の欠点検査方法。
2. 【請求項２】任意の位置に定められた欠点検出位置に固
   定的に配置され、走行する連続した長い多色印刷物をそ
   の幅方向に走査するイメージセンサを受光部とした欠点
   検出用テレビカメラと、 このテレビカメラからの映像信号が供給され、この映像
   信号を処理して上記多色印刷物の印刷の良否を判定する
   とともに、上記印刷中に欠点があると判定したときに、
   この欠点の上記多色印刷物の幅方向の位置を測定する欠
   点検出装置と、 上記欠点検出位置よりも上記多色印刷物の走行方向下流
   側に定められた欠点監視位置に配置され、上記多色印刷
   物の幅方向に移動自在に設けられた監視用カラーテレビ
   カメラを有し、かつ、上記欠点検出装置が測定した欠点
   の位置情報が供給され、この位置情報に基づいて上記監
   視用カラーテレビカメラを上記欠点が通過する予定位置
   に移動配置させて、このカメラにより上記欠点が上記予
   定位置を通過する際にこの欠点を含む所定領域を撮像す
   る監視装置と、 上記監視用カラーテレビカメラからの映像信号をカラー
   静止画としてモニター用ディスプレイに表示するカラー
   静止画表示装置と を具備したことを特徴とする多色印刷物の欠点検査装
   置。
3. 【請求項３】前記欠点検出用テレビカメラが前記多色印
   刷物をその幅方向全体にわたって走査するものであっ
   て、かつ、前記監視用カラーテレビカメラの移動開始の
   原点を前記多色印刷物の幅方向の中央部としたことを特
   徴とする前記請求項２に記載の多色印刷物の欠点検査装
   置。
4. 【請求項４】前記監視用カラーテレビにズーム機能を有
   したものを採用したことを特徴とする前記請求項２また
   は３に記載の多色印刷物の欠点検査装置。