JP2824595B2 - コーティング用粉体組成物 - Google Patents

コーティング用粉体組成物

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JP2824595B2 JP3453690A JP3453690A JP2824595B2 JP 2824595 B2 JP2824595 B2 JP 2824595B2 JP 3453690 A JP3453690 A JP 3453690A JP 3453690 A JP3453690 A JP 3453690A JP 2824595 B2 JP2824595 B2 JP 2824595B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,缶詰用缶等の金属製容器のコーティング用
粉体組成物,とくに食品用に用いられる金属容器の内
面,とりわけ継ぎ目(シーム部)のコーティング用粉体
組成物に関するものである。
(従来の技術) 缶詰用缶等の金属容器では,金属の腐食防止や内容物
の汚染を防止するため,その内面にコーティングが施さ
れている。とくに缶詰用缶の金属容器には,その製造工
程の関係で通常継ぎ目(シーム部)が存在し,その部分
よりの内容物の漏れや汚染を防ぐため,継ぎ目にコーテ
ィングが施されている。このようなコーティング用材料
として,古くはエナメル,近年はナイロン樹脂等の溶液
が用いられており,これらの溶液を継ぎ目に塗布し,そ
の後,加熱して溶剤を蒸発させることによりコーティン
グする方法が用いられている。しかし,この方法には次
の欠点がある。
溶剤が必要である。
長時間の加熱が必要である。
塗りむらが発生しやすい。
有機溶剤蒸気による環境汚染の防止が必要である。
原料樹脂成分等の回収,再利用が困難な場合が多い。
そこで、これらの欠点を排除するため,有機重合体組
成物を用いた粉体塗装によってコーティングする方法が
試みられている。
例えば,特公昭48−4428号では,金属製容器の継ぎ目
を樹脂によって粉体塗装する方法が提案されており,こ
の方法は,従来の有機溶剤を用いる方法に比べて,塗装
時間の短縮,低公害性,人体への安全性,原料樹脂の回
収,再利用の容易さ等の利点を有している。
この方法に用いる有機重合体組成物としては,当初,
硬化剤を有するエポキシ樹脂が広く試みられていたが,
硬化に時間を要する等,生産性向上に限界があり,最近
では検討の主流は熱可塑性樹脂に移ってきている。とく
に耐熱性と成型性のバランスおよび食品用として用いる
場合のフレーバー性等の点からポリエステル系共重合体
が注目されている。
しかし,ポリエステル系共重合体を用いて粉体塗装を
行った場合でも,耐衝撃性とくに低温での耐衝撃性と耐
レトルト性等の高温操作に耐える性質を併有する被膜と
して充分満足し得るものは知られておらず,種々検討が
試みられている。例えば,これらの性質を改良したポリ
エステル系共重合体組成物を得るため,エチレン−アク
リル酸エチル共重合体(Plastics Engineering 44
(3),47 (1988)),エチレン−酢酸ビニル共重合
体(特公昭54−39429号公報など),ポリエーテル系エ
ラストマー(特開昭49−45150号公報など)などを組成
物に配合する方法が試みられている。
また,本発明者らは,ポリブチレンテレフタレート系
共重合体とニトリルゴムとエポキシ樹脂と二酸化チタン
とを所定の割合で含有するコーティング用粉体組成物が
上記問題,特に生成被膜が優れた耐衝撃性を有すること
を見い出し,既に特許出願した(特願昭63−272810号
(特開平2−117972号公報))。
しかしながら,これらの粉体組成物においても, (1)粉体塗料として用いた場合,均一な膜厚のコーテ
ィング被膜を得にくい, (2)レトルト処理後の常温あるいは低温における被膜
の耐衝撃性が大幅に低下する, (3)コーティング時に必要な粉末流動性が低下する, (4)たとえば食品用容器として用いた場合に耐食性が
低下する, 等の理由により,充分満足し得るものはえられない。
(発明が解決しようとする問題点] 本発明は,前記の問題点を解決したものであり,その
目的は缶詰用缶等の金属製容器のコーティング用粉体組
成物,とくに食品用に用いられる金属製容器の内面,な
かでも継ぎ目用のコーティング用粉体組成物を提供する
ことである。
本発明の他の目的は,コーティング時の粉末輸送の
際,脈動や詰まりをおこさない良好な粉末流動性を有す
るコーティング用粉体組成物を提供することにある。本
発明のさらに他の目的は,被膜を形成した後は十分な耐
衝撃性,とくに低温において優れた耐衝撃性を有し,か
つ加熱殺菌処理等の高温操作を行っても,伸びや耐衝撃
性が低下しないコーティング用粉体組成物を提供するこ
とにある。本発明のさらに他の目的は,金属との密着性
等塗膜特性に優れたコーティング用粉体組成物を提供す
ることにある。本発明のさらに他の目的は,食品等に使
用する場合には安全性が高く(たとえば食品用缶の内面
コーティングの場合のFDA§175,300適合品),しかも被
膜が内容物によって腐食されにくい高い耐食性を有する
金属性容器のコーティング用粉体組成物を得ることにあ
る。
(問題を解決するための手段) 先願(特願昭63−272810号(特開平2−117972号公
報))の粉体組成物を用いた,前記ポリブチレンテレフ
タレート系共重合体を単独でコーティング用組成物とし
て用いた場合には,低温,とくにガラス転移点以下の温
度では塗膜の柔軟性が失われ,耐衝撃性が低下する。そ
こで本発明者らは,ポリブチレンテレフタレート系共重
合体の基本的性質を損なわず,低温でも十分な耐衝撃性
を保ち,良好な粉末流動性,耐食性を得るために新たな
第2成分をブレンドすることを検討した。
従来,この目的のためにはエラストマーを添加するこ
とが前述のごとく種々試みられているが,これでは耐衝
撃性は向上するものの,粉末流動性,耐食性等は不十分
である。
この第2成分に要求される性能として, (1)ポリブチレンテレフタレート系共重合体に完全に
相溶し,そのガラス転移点を低下させること, (2)ポリブチレンテレフタレート系共重合体の諸物性
に悪影響を及ぼさないこと, (3)粉末流動性を悪化させないこと, (4)安全(前記,FDA§175,300適合品)であること等
である。
本発明者らは,これらを満足させる添加物について鋭
意検討した結果,ポリブチレンテレフタレート系共重合
体の構成成分の任意の成分で構成されるポリエステルの
うち,融点120℃以下,ガラス転移点10℃以下を有する
ポリエステル共重合体を用いれば,前記の性能を満足す
ることを見出し本発明に到達した。
すなわち,本発明のコーティング用粉体組成物は,
(a)融点130〜200℃,ガラス転移点20〜50℃を有する
ポリブチレンテレフタレート系共重合体(A)が60〜90
重量%,(b)融点120℃以下,ガラス転移点10℃以下
を有するポリエステル共重合体(B)が,7〜30重量%
(c)エポキシ樹脂が3〜10重量%含有されている樹脂
成分100重量部に二酸化チタンが5〜30重量部含有され
ており,本組成物を用いることにより,前記問題点を解
決した塗膜を得ることができる。
本発明で使用するポリブチレンテレフタレート系共重
合体(A)とは,融点130〜200℃,ガラス転移点20〜50
℃を有する,テレフタル酸と1,4−ブタンジオールを主
な構成成分とするポリエステル共重合体であり,その特
性を発揮させるために,その構成酸成分中のテレフタル
酸および構成ジオール成分中の1,4−ブタンジオールが
それぞれ50モル%以上使用されているものが好ましく用
いられ,さらに好ましくは75モル%以上のものである。
本発明では加工性と金属容器に対する密着性を向上させ
るため上記主構成2成分に少量のカルボン酸成分やアル
コール成分等の他成分を加えて得られる各種共重合体を
使用するのが有利な場合が多い。また,後記実施例に示
すように,レトルト処理試験が通常120℃で行われるた
め,上記組成のポリブチレンテレフタレート系共重合体
の中でも,軟化点が130℃を越える該重合体を用いるこ
とが必要である。
テレフタル酸と混合使用が可能なカルボン酸成分のう
ちジカルボン酸の例を挙げると,イソフタル酸,フター
ル酸,2,6−ナフタリンジカルボン酸,1,5−ナフタリンジ
カルボン酸,1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p′−
ジカルボン酸,ジフェニル−p,p′−ジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸,コハク酸,アジピン酸,アゼライ
ン酸,セバシン酸,ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカル
ボン酸,1,4−シクロヘキサンジカルボン酸,1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸,1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸,テトラヒドロフタル酸,クロレンド酸等の脂環族ジ
カルボン酸および5−ナトリウムスルホイソフタル酸等
の上記ジカルボン酸のスルホン酸塩誘導体等の各種誘導
体などである。
1,4−ブタンジオールと混合使用が可能なアルコール
成分のうちジオールの例を挙げると,エチレングリコー
ル,1,2−または1,3−プロパンジオール,1,4−以外の各
種ブタンジオール,1,5−ペンタンジオール,ネオペンタ
ンジオール等の各種ペンタンジオール,1,6−等の各種ヘ
キサンジオール等のアルキレングリコール,ジエチレン
グリコール,トリエチレングリコール,テトラ以上のポ
リエチレングリコール,ジプロピレングリコール,トリ
以上のポリプロピレングリコール等のポリアルキレング
リコール,1,4−シクロヘキサンジメタノール,水素化ビ
スフェノールA等の脂環族ジオール,パラキシリレンジ
オール等の芳香族ジオール,ビスフェノールAや水素化
ビスフェノールA等の活性水素を2ケ有する化合物のア
ルキレンオキシド付加物,およびジブロモネオペンタン
ジオール等の上記グリコールのハロゲン化合物等の各種
誘導体などである。
これらの混合使用が可能なジカルボン酸やジオールは
例示したものに限定されるものではなく,また,単独使
用に限らず併用も可能である。またカルボン酸成分とし
て,前記ジカルボン酸の他にトリメリット酸,ピロメリ
ット酸などの3価以上の多価カルボン酸や1価のカルボ
ン酸を必要に応じて少量併用することも可能である。さ
らにアルコール成分としても,前記グリコールの他に,
トリメチロールエタン,トリメチロールプロパン,ベン
タエリスリトール等の3価以上の多価アルコールや1価
アルコールを必要に応じて少量併用することも可能であ
る。さらにp−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸,p
−ヒドロキシメチル安息香酸等のヒドロキシカルボン酸
の少量併用も可能である。これらの化合物からのポリブ
チレンテレフタレート系共重合体の製造法は特に制限は
なく,エステル交換法,直接エステル化法等いずれの方
法で製造したものも使用が可能である。
前記のポリエステル共重合体(B)は,前述のポリブ
チレンテレフタレート系共重合体(A)と同様のカルボ
ン酸成分およびアルコール成分から構成される。特に,
構成酸成分のうちテレフタール酸が20モル%以上,50モ
ル%未満であり,ジオール成分は,ポリブチレンテレフ
タレート系共重合体(A)と同様に1,4−ブタンジオー
ルが50モル%以上からなるポリエステル共重合体が特に
本発明の目的に好適である。このポリエステル共重合体
(B)は融点が低く,低いガラス転移点を持つため単独
では本発明で要求される諸要求を満足させることはでき
ないが,ポリブチレンテレフタレート系共重合体(A)
とブレンドすることによって組成物の物性は要求にかな
う性質となる。
すなわちポリブチレンテレフタレート系共重合体
(A)とポリエステル共重合体(B)とは完全に相溶す
るため,両共重合体(A),(B)を混合することによ
り得られる本発明の粉体組成物の融点をポリブチレンテ
レフタレート系共重合体(A)の融点とほぼ同じにする
ことができ,粉体組成物のガラス転移点のみを共重合体
(A)のガラス転移点に比べて低下させることができ
る。さらに共重合体(A)に対するポリエステル共重合
体(B)の添加割合を調整することにより,任意のガラ
ス転移点を有する粉体組成物を得ることができる。従っ
て,ポリブチレンテレフタレート系共重合体(A)の融
点は130〜200℃であり、特に150〜180℃が好ましく,そ
のガラス転移点は20〜50℃が好ましい。また,ポリエス
テル共重合体(B)の融点は120℃以下,特に60〜120℃
が好ましく,そのガラス転移点は10℃以下,特に−30〜
0℃が好ましい。
一方,金属と塗膜の接着性を向上させるためには,粉
体組成物にエポキシ樹脂を含有させることが必要であ
る。
本発明で使用するエポキシ樹脂とは,1分子内にエポキ
シ基を2ケ以上有する公知のエポキシ樹脂であり,グリ
シジルエーテル型,グリシジルエステル型,グリシジル
アミン型,線状脂肪族型,脂環族型のいずれでも使用す
ることができる。その主なものは,ビスフェノールA,3,
5,3′,5′−テトラブロムビスフェノールAなどの多価
フェノールとエピクロロヒドリンから得られる平均分子
量300〜1000程度,エポキシ当量100〜5000程度,好まし
くは500〜1500程度のビスフェノールタイプのもの;フ
ェノールとホルムアルデヒトの初期縮合物を原料とする
もの;脂環基含有エポキシ化合物;等である。液状のエ
ポキシ樹脂も使用可能であるが固体状のものが好まし
い。このエポキシ樹脂の硬化剤を必要に応じ組成物に含
有させることもでき,硬化剤としては,ジシアンジアミ
ド,芳香族アミン等の公知の物質が使用できる。
上記,本発明の組成物の成分であるポリブチレンテレ
フタレート系共重合体(A),ポリエステル共重合体
(B),およびエポキシ樹脂の組成比は,これらの樹脂
成分中にポリブチレンテレフタレート系共重合体(A)
が60〜90重量%,ポリエステル(B)が7〜30重量%,
エポキシ樹脂が3〜10重量%含有されている。ポリエス
テル共重合体(B)をこの範囲で使用すれば、得られる
粉体組成物の粉末流動性は極めて高い値を示し,耐食性
も十分満足できる。ポリエステル共重合体(B)の添加
量が7重量%より少ないと十分な耐衝撃性を有する塗膜
が得られず,また30重量%より多い場合にはMI(メルト
インデックス)が必要以上に高くなってしまい,粉体塗
料として用いた場合,不適当な場合がある。上記エポキ
シ樹脂の含有量が3重量%未満では粉体組成物で形成さ
れた塗膜と金属との接着向上効果が十分でなく,10重量
%をこえると塗膜が固くなりすぎ,耐衝撃性が低下す
る。
本発明においては,前記3成分に加えてさらに,二酸
化チタンが含有される。二酸化チタンは通常,着色用に
用いられるが,本発明においては金属と塗膜の接着性を
向上し,および耐衝撃性を向上するために添加する。
本発明において,二酸化チタンが接着性向上効果およ
び耐衝撃性向上効果を示すことは驚くべきことである。
本発明では,二酸化チタンとしてアナタース型のもの,
ルチル型のもののいずれも使用し得る。通常は,平均粒
径0.1〜0.5μ,表面積5〜20m2/gの顔料グレード品で充
分であるが,好ましくは吸油量が15以下のものが本発明
の目的に有効である。二酸化チタンは,ポリブチレンテ
レフタレート系共重合体(A),ポリエステル共重合体
(B),エポキシ樹脂の3成分の樹脂成分合計100重量
部に対し5〜30重量部使用する。特に15〜25重量部が好
ましい。5重量部未満では,生成塗膜の金属面に対する
接着力が充分でなく,30重量部をこえると加工時の流れ
性(メルトフローレート)が低下し,粉体コーティング
用としての使用が困難となる。
次に,本発明のコーティング用粉体組成物の製法の一
例を説明する。
本発明の組成物は,前記4成分すなわちポリブテレン
テレフタレート系共重合体(A),ポリエステル共重合
体(B),エポキシ樹脂,二酸化チタンおよび必要に応
じてレベリング剤の所定量を任意の順序でまたは一気に
混合し,粉砕して製造する。これらの成分の混合には,
二軸押出機,一軸押出機,あるいはバンバリーミキサ
ー,加圧型ニーダー,ロール等を用いる溶融混練法を用
いる。この際,混合前に乾式でブレンドしておくことが
好ましい。
レベリング剤としては,公知のアクリル系添加剤,例
えばモダフロー(モンサント・ケミカル社製),ポリフ
ローS(共栄社油脂化学工業(株)製)等やシリコン系
添加剤,例えばバイシロンOL(バイエル社製),YF−381
8(東芝シリコン(株)製)などが使用できる。使用量
は,前記樹脂3成分の合計100重量部に対して0.1〜1重
量部である。
このようにして得られたポリブチレンテレフタレート
系共重合体(A),ポリエステル共重合体(B),エポ
キシ樹脂,二酸化チタンおよびレベリング剤の溶融混合
物を粉砕して本発明のコーティング用粉体組成物が得ら
れるが,レベリング剤以外にも,充填剤,公知の結晶核
剤,顔染料,可塑剤,難燃剤等を必要に応じて添加する
ことができる。
粉砕は通常の粉砕法を用いることも出来るが,液窒素
等を用いて冷却下で行なういわゆる冷凍粉砕法を用いる
のが,生産性の点からは好ましい。
また,生成した粉体組成物の粉体流動性等の粉体物性
向上のため,粉砕時または粉砕後に粉末流動性改良剤を
添加するのが好ましい。
流動性改良剤としては,二酸化ケイ素,酸化アルミニ
ウム,酸化硼素,酸化マグネシウム,二酸化チタン,二
酸化ジルコニウム等の金属酸化物を主成分とする通常20
0μm以下,とくに,0.01〜200μm程度の微粉末が好ま
しい。もちろん,これらの金属酸化物微粉末の表面をア
シロキシ基,アミド基,アミノ基,アミノキシ基,オキ
シム基,アルコキシ基,ハロゲン原子等と直接結合した
ケイ素,アルミニウム,硼素,マグネシウム,チタン,
ジルコニウム等の原子を有する化合物で処理したもの
や,他の金属酸化物を少量添加して変性したものも有利
に使用し得る。
その使用量は上記樹脂成分100重量部に対し0.01〜1
重量部が好ましい。0.01重量部未満では充分な粉末流動
性を得難く,1重量部をこえる量を加えても,流動性改良
効果の向上はほとんどなく,生成塗膜のレベリング不良
や接着性低下をもたらす場合がある。かくして,前記し
た方法により粉砕後,必要に応じて様々な粒径範囲に分
級し,各種の方法に適した粉体コーティング用組成物が
得られる。
本発明のコーティング用粉体組成物は,流動浸漬法,
静電塗装法,空気流噴付法等通常の方法で缶詰用缶等の
金属製容器のコーティングに使用する。とくに,缶詰用
缶などの金属製容器の内面,なかでもつぎ目(シーム
部)のコーティングに有利に使用でき,金属製容器がそ
の内容物である食品等の充填工程において加熱殺菌等の
高温処理を伴なう場合に,本発明の粉体組成物は塗膜の
伸度や耐衝撃性の低下が見られない等の大きな特徴を発
揮する。この場合のコーティング方法として,例えば特
公昭48−4428号公報に記載の被覆法を利用できる。
勿論,内容物の充填時に高温処理がない場合は,さら
に長期間安定した伸度や耐衝撃性の保持が見込める故,
食品や液体飲料用等の容器に限らず,種々の金属容器た
とえば,エアゾール缶の内面,なかでも溶接つぎ目部や
小型金属製チューブの内面等へのコーティングとしても
有利に使用し得る。
(実施例) 以下,実施例によって本発明をさらに詳細に説明する
が,本発明はこれら実施例によって何ら限定されるもの
ではない。なお,コーティング用粉体組成物の樹脂物性
および塗膜の評価等は次の方法により行なった。
レトルト処理 テストピース数枚と250mlの水を300mlのオートクレー
ブに入れ,1時間で120℃に加温し,30分保持した後,徐冷
した。
樹脂物性の測定 伸度,抗張力: JIS K7113に準じて行なった。(2号試験片使用。) MI(メルトインデックス): JIS K7210 A法によって行なった。(190℃,荷重 2.
16kg) 表面硬度: JIS K7215によって行ない,shore D硬度で示した。
融点: JIS K7121に準じて行った。
ガラス転移点: 動的粘弾性を測定し,温度分散のtanδのピークをガ
ラス転移点とした。但し,動的粘弾性は非共振強制振動
法の測定器を用い,測定周波数は10Hzとした。
塗膜物性の測定 DuPont衝撃試験: JIS K5400法に準じて行なった。衝撃強度は割れが生
じない荷重高さ(mm)の最高値で示した。
試験は室温で24時間以上放置したテストピースについ
ては23℃,レトルト処理したテストピースについては23
℃および5℃でそれぞれ行なった。なお,荷重は23℃で
は1000g,5℃では500gのものを用いた。
碁盤目試験: JIS K5400に準じて行った。試験は,室温で24時間以
上放置したテストピースについてのみ行った。
耐食性: 食塩水,硫黄,酸,塩混合液,酸化液,還元液の4種
の試験液で行ない,これらの結果を総合評価した。各種
試験液での試験方法は,次の通りとした。
(1)食塩水:レトルト処理したテストピースを1wt%
NaCl水溶液に入れ,50℃に保持し,その経時変化を観察
した。
(2)硫黄,酸,塩混合液:4の水に200mlの酢酸,120g
のゼラチン,120gの食塩,2gの硫化ナトリウムを溶解し,
試験液とした。これにテストピースを入れ,120℃,30分
のレトルト処理をした後,腐食の度合いの観察,90℃折
り曲げ試験,碁盤目試験を行った。
(3)酸化液:4の水に,80gのクエン酸,1gの過酸化水
素水,4gの硝酸アンモニウムを溶解し,試験液とした。
これにテストピースを入れ,120℃,30分のレトルト処理
をした後,腐食の度合いの観察,90℃折り曲げ試験,碁
盤目試験を行った。
(4)還元液:4の水に,80gのクエン酸,16gのアスコル
ビン酸を溶解し,試験液とした。これにテストピースを
入れ,120℃,30分のレトルト処理をした後,腐食の度合
いの観察,90℃折り曲げ試験,碁盤目試験を行った。
粉末物性の測定 サメス社のフルイドメータAS100を用い,流量250Nl/h
rでのスプレー係数を測定した。
実施例1〜6 酸成分としてテレフタール酸65モル%,イソフタール
酸35モル%,ジオール成分として1,4−ブタンジオール1
00モル%からなるポリブチレンテレフタレート共重合体
(融点170℃,ガラス転移点23℃)をポリブチレンテレ
フタレート系共重合体(A)とし,酸成分としてテレフ
タール酸33モル%,イソフタール酸34モル%,セバシン
酸33モル%,ジオール成分として1,4−ブダンジオール1
00モル%からなる共重合体(融点75℃,ガラス転移点−
19℃)をポリエステル共重合体(B)として用い,それ
ぞれを粗粉砕した。次に,表1,A〜Fに示す割合となる
ように上記ポリブチレンテレフタレート系共重合体
(A),ポリエステル共重合体(B),エポキシ樹脂,
二酸化チタン,レベリング剤,熱安定剤を配合し,ヘン
シェルミキサーで予備混合した後,押出機を用いて溶融
混合し,ペレット化した。このペレットを冷凍粉砕法に
よって微粉砕し,できた粉体を,100メッシュのふるいで
分級した。得られた100メッシュパスの粉体100重量部に
対して,粉末流動性改良剤(アエロジル)0.1重量部を
加え,ヘンシェルミキサーで混合し,表1に示すコーテ
ィング用粉体組成物A〜Fを得た。得られた各粉体組成
物について,樹脂物性,粉末物性を測定した。この結果
を表3に示す。
次いで上記粉体組成物を長さ120mm×幅30mm×厚み0.2
mmのスズメッキを施した鋼板に,静電塗装装置を用いて
片面に吹き付け,その後,600℃の電気炉中に7秒間入れ
て焼き付けを行い,厚み100μの塗膜を得た。得られた
テストピースの一部は,前述のレトルト処理を行った。
レトルト処理およびレトルト未処理の各種テストピース
について塗膜評価を行い,その結果を表3に伴せ示し
た。
また,前述の方法により塗膜の耐食性についてテスト
した結果を表4に示した。
比較例1〜6 実施例1と同様にして表1,表2に示すコーティング用
粉体組成物G〜Lを得た。得られた粉体について,樹脂
物性,粉末物性を測定した。この結果を比較例1〜6と
して表3に示した。
この粉体を用いて実施例1と同様にして粉体塗装を行
ない,得られたテストピースについて各種試験を行っ
た。その結果を表3に示した。また,耐食性テストの結
果を表4に示した。
(発明の効果) 本発明のコーティング用粉体組成物は,塗装装置ある
いはその配管中で脈動や詰まりを生じない良好な粉末流
動性を持ち,その粉体組成物で形成された塗膜は,常温
はもとより低温,あるいは高温(レトルト処理)で処理
された後も卓越した耐衝撃性,接着性,表面硬度を有す
る。また,内容物による腐食に強く,高い耐食性を保持
する。かかる特性を利用して,本発明の組成物は,缶詰
用などの金属製容器の内面,特につぎ目(シーム部)の
コーティングに有利に使用できる。さらに上記食品や液
体飲料用などの容器に限らず,種々の金属容器,例え
ば,エアゾール缶の内面,特に溶接つぎ目部や小型金属
製チューブの内面等へのコーティング用として有利に使
用し得る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)融点130〜200℃,ガラス転移点20〜
    50℃を有するポリブチレンテレフタレート系共重合体
    (A)が60〜90重量%, (b)融点120℃以下,ガラス転移点10℃以下を有する
    ポリエステル共重合体(B)が7〜30重量% (c)エポキシ樹脂が3〜10重量%含有されている樹脂
    成分100重量部に,二酸化チタンが5〜30重量部含有さ
    れているコーティング用粉体組成物。
  2. 【請求項2】前記エポキシ樹脂のエポキシ当量が100〜5
    000である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】前記二酸化チタンの吸油量が15以下である
    請求項1または2記載の組成物。
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