JP2824294B2 - 多気筒エンジンの吸気装置 - Google Patents

多気筒エンジンの吸気装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエンジンの吸気装置、特に各気筒毎に接続さ
れた複数の分岐通路の上流端を集合室に集合させる構造
とされたエンジンの吸気装置に関する。
(従来の技術) 近年、車両用等のエンジンにおいては、出力性能の向
上を図るため、共鳴効果や慣性効果等の吸気系における
吸気の動的効果を利用して吸気充填効率を高めるように
する場合がある。この場合、吸気系には、エアクリーナ
から導かれた上流通路が接続されるサージタンク等の集
合部が設けられ、該集合部から分岐された気筒数と同数
の分岐通路を各気筒にそれぞれ接続する構造とされる。
このような構造によれば、エンジン回転数が所定値以
下の低回転領域では集合部及びその上流通路が、各気筒
の吸気行程に発生する負圧波を起振力とする圧力振動が
発生する共鳴空間として作用することで、共鳴効果によ
る吸気充填量の増大効果が得られ、またエンジン回転数
が所定値以上の高回転領域では、上記集合部が吸気弁の
開時に分岐通路の下流部に発生する負圧波を正圧波に反
転させる大気開放空間として作用することで、慣性効果
による吸気充填量の増大効果が得られる。
ところで、従来、上記のような集合部として、上流通
路が一端の壁面もしくは周壁面の中央部に接続され、か
つ分岐通路が周壁面に並設される細長いサージタンク状
のものが多く用いられているが、このような集合部構造
であると、前記上流通路の接続部から各分岐通路の接続
部までの距離や各分岐通路の長さが相違するため、各気
筒への吸気の分配性あるいは各気筒に対する共鳴効果な
いし慣性効果の作用等が不均一となり、また上流通路の
開口部から各分岐通路の開口部に至る吸気の流動経路が
急激に屈曲することによって、吸気抵抗が増大すること
になる。
これに対しては、例えば実開昭60−88062号公報には
第6図に示すような形状の集合部が開示されている。こ
の集合部Aは、ほぼ円錐台形状とされていると共に、そ
の小径側の端面に開口する上流通路の開口部Bの中心を
通る軸線L−Lに関して、該集合部A自体の形状及び台
形側の端面に開口する各分岐通路C…Cの開口部の配置
をほぼ軸線対称に設けた構成とされている。
これによれば、集合部Aにおける上流通路の開口部B
から各分岐通路C…Cの開口部までの距離や各分岐通路
C…Cの長さがほぼ等しくなって、各気筒への吸気の分
配性や各気筒に対する共鳴効果ないし慣性効果の作用等
が均一化され、また吸気の流動系路の急激な屈曲が無く
なって吸気抵抗が低減され、その結果吸気充填効率ない
しエンジン出力特性が向上することになる。また、集合
部Aの下流側の端面が各分岐通路C…Cの上流端に近接
して開口するので、慣性効果に関して、各分岐通路C…
Cが互いに他の分岐通路に対する大気開放空間として作
用し、したがって集合部Aの容積を小さくすることが出
来る。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上記の慣性効果は、吸気弁の開時に分岐通
路の下流部に生じる負圧波が該通路を上流側に向かって
伝播し、大気開放部(集合部)で正圧波に反転した上で
下流側に方向転換した後、この正圧波が吸気弁の開弁直
前に分岐通路の下流端に到達したときに最も大きな過給
効果が得られるものであり、このように圧力波が分岐通
路を2往復する時間と吸気弁の開時から閉時までの時間
とがほぼ等しくなる特定のエンジン回転数が効果が最大
となる。また。共鳴効果も、各気筒における吸気弁の開
時に順次生じる負圧波が吸気振動の起振力となって、そ
の振動周波数が集合部とその上流側通路とでなる共鳴空
間の固有振動数に一致したときに大きな過給効果が得ら
れるものであるから、同じく特定のエンジン回転数で効
果が最大となる。
つまり、吸気の慣性効果や共鳴効果等の動的効果は、
吸気系統の所定の形状に対して、特定の同調回転数及び
その近傍の回転数においてのみ得られるものであり、一
般に共鳴効果によるエンジン出力のピークは低回転側に
あらわれ、慣性効果によるエンジン出力のピークはそれ
よりも高回転側にあらわれることになる。したがって、
特に加速時のようにエンジン出力が急激に立ち上がると
きには、共鳴効果による過給効果が衰えだしてから慣性
効果による過給効果が得られるまでの間にエンジン出力
が一瞬落ち込むことがあって、改善すべき余地があっ
た。
そこで、本発明は、前述の吸気の分配性や吸気抵抗の
低減化等を図った吸気装置において、吸気の動的効果に
よる過給効果が広いエンジン回転領域で得られるように
することを課題とする。
(課題を解決するための手段) すなわち、本願の請求項1の発明(以下、第1発明と
いう)に係る多気筒エンジンの吸気装置は、各気筒に接
続される複数の分岐通路と、これらの分岐通路の上流端
が束ねられて集合する集合室と、該集合室の上流側に連
設される上流通路とを有する構成において、各気筒と集
合室とを結ぶ短絡通路を設ける。そして、この短絡通路
には、気筒毎に開閉弁を備え、かつ該開閉弁の上流側を
連通させる連通部を設ける。
また、請求項2の発明(以下、第2発明という)に係
る多気筒エンジンの吸気装置は、上記第1発明と同様
に、各気筒に接続される複数の分岐通路と、これらの分
岐通路の上流端が束ねられて集合する集合室と、該集合
室の上流側に連設される上流通路とを有する構成におい
て、上記各分岐通路を集合部側に近づくに従って互いに
近接するように配置すると共に、これらを分岐通路の互
いに近接した部位を、各分岐通路から分岐する分岐部と
これらの分岐部が連通する連通部とを有する連通路によ
って連通させ、かつ該連通路の各分岐部に、所定エンジ
ン回転数以上の領域で開弁する開閉弁をそれぞれ設けた
ことを特徴とする。
(作用) 上記の構成により、本願の各発明によれば、それぞれ
次の作用が得られる。
まず、第1発明によれば、各気筒と集合室とを結ぶ短
絡通路には、気筒毎に備えられた開閉弁の上流側を連通
させる連通部が設けられているので、この短絡通路にお
ける上流開閉弁の上流部分と上記集合室とで、所要の容
積を有する第2の共鳴空間が形成されることになり、こ
の第2共鳴空間が上記集合室と上流通路とでなる第1の
共鳴空間よりも小さくなるように適切に設定することに
より、該第1共鳴空間によって生じる共鳴効果によるエ
ンジン出力のピークと高回転側の慣性効果によるエンジ
ン出力のピークとの谷間を埋めるように第2の共鳴効果
による過給効果が生じることになる。しかも、上記短絡
通路には上記開閉弁の上流側に連通部が設けられている
ことによって、慣性効果に関しても反転空間が大容量化
することになるので、各気筒の吸気弁の開時に各分岐通
路の下流部で生じた負圧波が上記集合部を大気開放部と
して確実に正圧波に反転することになり、これにより連
通部が無い場合に比べて吸気充填効率ないしエンジン出
力特性がさらに向上することになる。さらに、上記開閉
弁を開くと各気筒には短絡通路を介して吸気が供給され
て慣性効果の同調回転数が高回転側にシフトすることに
なるが、その場合においても短絡通路には連通部が設け
られていることによって反転空間が拡大することにな
り、該短絡通路を大気開放空間とする慣性効果が確実に
得られて、吸気充填効率ないしエンジン出力特性が向上
することになる。
また、第2発明によれば、各気筒の分岐通路を集合部
側に近づくに従って互いに近接するように配置すると共
に、これらの分岐通路の互いに近接した部位を、各分岐
通路から分岐された分岐部とこれらの分岐部が連通する
連通部とを有する連通路によって連通させ、かつ該連通
路の各分岐部に所定エンジン回転数以上の領域で開く開
閉弁をそれぞれ設けたので、上記連通路を極力短くする
ことができると共に、該連通路による各分岐通路の連通
部における容積の増大が抑制されて、圧力波の減衰が抑
制されることになる。また、上記開閉弁が開く高エンジ
ン回転領域では、連通路の各分岐部と連通部とでなる容
積の大きな圧力波の反転空間が集合部より下流側に形成
されることになって、高回転領域でも慣性効果が得られ
ることになる。
(実 施 例) 以下、本発明の実施例について説明する。
第1〜3図は、本発明を直列4気筒エンジンに適用し
た第1実施例を示すもので、この実施例に係る吸気マニ
ホルド1は、エンジン(図示せず)のシリンダヘッドに
取り付けられるフランジ部2と、該フランジ部2に一端
が接続されて上記シリンダヘッドにおける吸気ポートを
介して第1〜第4気筒の燃焼室にそれぞれ連通される第
1〜第4分岐通路31〜34と、これらの分岐通路31〜34
上流端部が集合する集合室4と、該集合室4から上流側
に延びる上流通路5とを有する。なお、図示しないが上
記上流通路5の上流端には、エアフローメータを介して
エアフローメータが取り付けられるようになっている。
上記各分岐通路31〜34は、長さがほぼ等しくなるよう
に屈曲されて上流部が一体的に束ねられており、その上
流開口端が互いに近接した状態で上記集合室4の下流側
の端面に開口されている。また、この集合室4は、上記
各分岐通路31〜34の開口端における軸線方向とほぼ同一
方向の軸線を有すると共に、上記上流通路5の下流端が
接続された上流側端面から上記下流側端面にかけて断面
積が滑らかに変化する形状とされている。
そして、上記吸気マニホルド1には、上記第1第4分
岐通路31〜34と集合室4とを結ぶ短絡通路6が設けられ
ている。この短絡通路6は、各分岐通路31〜34にそれぞ
れ接続された同数の分岐部6a…6aと、これらの分岐部6a
…6aを上記各分岐通路31〜34の横断方向に連通させる連
通部6bと、この連通部6bの中間部分と上記集合室4とを
接続する上流部6cとで構成されていると共に、この短絡
通路6における上記各分岐部6a…6aには、該分岐部6a…
6aを開閉する開閉弁7…7がそれぞれ備えられている。
これらの開閉弁7…7は、1本の回動軸8によって連
動連結されており、この回動軸8を回動させることによ
って開閉弁7…7が作動して集合室4と各分岐通路31
34とを連通させ、また連通状態を遮断するようになって
いる。そして、これらの開閉弁7…7を駆動するため
に、レバー9及びロッド10を介して上記回動軸8を回動
させる負圧ダイヤフラム式のアクチュエータ11と、この
アクチュエータ11に三方電磁弁12を介して作動負圧を供
給する真空タンク13と、上記三方電磁弁12を開閉制御す
るコントローラ14とが備えられ、該コントローラ14にエ
ンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ15からの
信号S1が入力されるようになっている。そして、コント
ローラ14は、上記信号S1が示すエンジン回転数が所定回
転数以下の低回転領域では、上記アクチュエータ11を介
して開閉弁7…7が集合室4と各分岐通路31〜34との連
通状態を遮断させ、また所定回転数以上の高回転領域で
は、該開閉弁7…7が短絡通路6を介して集合室4と各
分岐通路31〜34とを連通させるように、上記三方電磁弁
12に制御信号S2を出力する。
次に、この実施例の作用を説明する。
すなわち、エンジン回転数が設定回転数N0以下の低回
転領域では、コントローラ14及びアクチュエータ11の作
動により、開閉弁7…7が集合室4と各分岐通路31〜34
との連通状態を遮断する。まず、エンジン回転数が低い
ときには、各気筒の吸気行程時に発生する負圧波が、集
合室4及びその上流側の上流通路5でなる第1共鳴空間
に、該負圧波を起振力とするエンジン回転数に比例する
圧力振動を励起する。そして、この圧力振動が上記共鳴
空間の固有振動数と一致したときに、そのエンジン回転
数の付近で上記空間内に共鳴現象による大きな圧力振動
が発生し、この圧力振動が燃焼室に吸気を過給する作用
を行うことにより吸気充填量が増大する。その結果、エ
ンジン出力特性は、第4図の実線の矢印アで示すよう
に、共鳴現象による第1段目のピークを示すことにな
る。
その状態からエンジン回転数が高回転側に移行する
と、上記短絡通路6には気筒毎に備えられた開閉弁7…
7の上流側を連通させる連通部6bが設けられて、この連
通部6bを含む短絡通路6における上記開閉弁7…7の上
流部分と上記集合室4とで、所要の容積を有する第2の
共鳴空間が形成されているので、この第2共鳴空間が上
記集合室4と上流通路5とでなる第1の共鳴空間よりも
小さくなるように適切に設定することにより、従来では
図の鎖線のように該第1共鳴空間によって生じる共鳴効
果が弱くなることによりエンジン出力特性のピークが落
ち込んでいたのが、上記第2共鳴空間による第2の共鳴
現象によって矢印イのように新たなピークが発生するこ
とになる。
そして、さらに高回転側に移行すると、今度は上記集
合室4と大気開放部とする慣性効果による過給作用が発
生することになるが、その場合に上記短絡通路6には開
閉弁7…7の上流側に連通部6bが設けられていることに
よって、該短絡通路6と集合室4とで大容量の反転空間
が形成されることになるので、各気筒の吸気弁の開時に
各分岐通路31〜34の下流端部で生じた負圧波が上記集合
室4を大気開放部として確実に正圧波に反転することに
なる。したがって、鎖線で示した連通部6bを設けない場
合のピークに対して、図の矢印ウで示すように、一層高
いピークを有するエンジン出力特性が得られることにな
る。
一方、エンジン回転数が設定回転数N0を越えると開閉
弁7…7が短絡通路6を開くので、各気筒には短絡通路
6を介して吸気が供給されて慣性効果の同調回転数が高
回転側にシフトすることになるが、その場合においても
短絡通路6には連通部6bが設けられていることによって
反転空間が拡大することになり、該短絡通路6を大気開
放空間とする慣性効果が確実に得られて、図の実線の矢
印エのように高回転側の吸気充填効率ないしエンジン出
力特性が向上することになる。
そして、特に上記集合室4は、上記各分岐通路31〜34
の上流端の開口部における軸線とほぼ同一方向の軸線を
有し、かつ上流通路5が開口する上流側側面から各分岐
通路31〜34が開口する上記上流側側面より断面積が大き
い下流側端面にかけて断面積が滑らかに変化する形状と
されているので、吸気の流動経路の屈曲が少なくなって
吸気抵抗が低減され、しかも各気筒への吸気の分配性が
均一化されて、上記の共鳴効果及び慣性効果と相俟って
エンジン出力が効果的に向上することになる。また、各
分岐通路31〜34の上流端が互いに近接した状態で集合室
4の下流側端面に開口しているので、慣性効果に関し
て、各分岐通路31〜34が他の分岐通路31〜34の大気開放
空間として作用することになり、集合室4自体の容積が
比較的少なくて済むことになる。
次に、第5図は本発明の第2の実施例を示している。
この実施例に係る吸気マニホルド21も、エンジンのシリ
ンダヘッドに取り付けられるフランジ部22と、該フラン
ジ部22に一端が接続されて上記シリンダヘッドにおける
吸気ポートを介して各気筒の燃焼室にそれぞれ連通され
る複数の分岐通路23…23と、これらの分岐通路23…23の
上流端部が集合する集合室34と、該集合室24から上流側
に延びる上流通路25とを有する。
上記各分岐通路23…23は、長さがほぼ等しくなるよう
に屈曲されて上流部が横一列状に一体的に束ねられてお
り、その上流開口端が互いに近接した状態で上記集合室
24の下流側の端面に開口されている。また、この実施例
においても、上記集合室24は、上記各分岐通路23…23の
開口端における軸線方向とほぼ同一方向の軸線を有する
と共に、上記上流通路25の下流端が接続された上流側端
面から上記下流側端面にかけて断面積が滑らかに変化す
る形状とされている。
そして、この実施例においては、上記各分岐通路23…
23と集合室24とを短絡させる同数の短絡通路26…26が設
けられている。各短絡通路26…26は、その上流部が横一
列状に束ねられた状態で上記集合室24に接続され、下流
部が上記フランジ部22の近傍において上記分岐通路23…
23にそれぞれ接続されることにより、通路全長が各分岐
通路23…23よりも短くされている。そして、これらの短
絡通路26…26には、その下流部分に開閉弁27…27がそれ
ぞれ備えられていると共に、これらの短絡通路26…26に
おける上記開閉弁27…27の上流側には各短絡通路26…26
を互いに連通させる連通路28が設けられている。
このように、集合室24と各分岐通路23…23とを分岐通
路と同数の短絡通路26…26で結び、これらの短絡通路26
…26を連通路28を介して互いに連通させるようにして
も、上記第1実施例と同様な効果が得られることにな
る。
(発明の効果) 以上のように本願の第1発明によれば、各気筒に接続
される複数の分岐通路と、これらの分岐通路の上流端が
束ねられて集合する集合室と、該集合室の上流側に連設
される上流通路とを有する多気筒エンジンの吸気装置に
おいて、各気筒と集合室とを結ぶ短絡通路を設けて、こ
の短絡通路に気筒毎に備えられた開閉弁の上流側を連通
させる連通部を設けているので、この短絡通路における
上記開閉弁の上流部分と上記集合室とで、所要の容積を
有する第2の共鳴空間が形成されることになり、この第
2共鳴空間が上記集合室と上流通路とでなる第1の共鳴
空間よりも小さくなるように適切に設定することによ
り、該第1共鳴空間によって生じる共鳴効果によるエン
ジン出力のピークと高回転側の慣性効果によるエンジン
出力のピークとの谷間を埋めるように第2の共鳴効果に
よる過給効果が生じることになる。しかも、上記短絡通
路には上記開閉弁の上流側に連通部が設けられているこ
とによって、慣性効果に関しても反転空間が大容量化す
ることになるので、各気筒の吸気弁の開時に各分岐通路
の下流部で生じた負圧波が上記集合部を大気開放部とし
て確実に正圧波に反転することになり、これにより低回
転側での吸気充填効率ないしエンジン出力特性がさらに
向上することになる。さらに、上記開閉弁を開くと各気
筒には短絡通路を介して吸気が供給されて慣性効果の同
調回転数が高回転側にシフトすることになるが、その場
合においても短絡通路には連通部が設けられていること
によって反転空間が拡大することになり、該短絡通路を
大気開放空間とする慣性効果が確実に得られて、高回転
側での吸気充填効率ないしエンジン出力特性が向上する
ことになる。
また、第2発明によれば、各気筒の分岐通路を集合部
側に近づくに従って互いに近接するように配置すると共
に、これらの分岐通路の互いに近接した部位を、各分岐
通路から分岐された分岐部とこれらの分岐部が連通する
連通部とを有する連通路によって連通させ、かつ該連通
路の各分岐部に所定エンジン回転数以上の領域で開く開
閉弁をそれぞれ設けたので、上記連通路を極力短くする
ことができると共に、該連通路による各分岐通路の連通
部における容積の増大が抑制されて、圧力波の減衰が抑
制されることになる。そして、上記開閉弁が開く高エン
ジン回転領域では、連通路の各分岐部と連通部とでなる
容積の大きな圧力波の反転空間が集合部より下流側に形
成されることになって、高回転領域でも慣性効果が得ら
れ、その結果、広い領域でエンジン出力特性が向上する
ことになる。
【図面の簡単な説明】
第1〜第5図は本発明の実施例を示すもので、第1図は
第1実施例に係る吸気マニホルドの一部を省略した斜視
図、第2図はその部分断面図、第3図は第2図をIII−I
II線で切断した断面図、第4図は該実施例の作用を示す
エンジン出力特性図、第5図は本発明の第2実施例に係
る吸気マニホルドの断面図である。第6図は本発明の従
来技術を示す吸気マニホルドの平面図である。 31〜34……分岐通路、4……集合室、5……上流通路、
6……短絡通路(連通路)、6a……分岐部、6b……連通
部、7……開閉弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 幹公 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−88062(JP,A) 特開 昭58−75946(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02B 27/02 F02M 35/104 - 35/116

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各気筒に接続される複数の分岐通路と、こ
    れらの分岐通路の上流端が束ねられて集合する集合室
    と、該集合室の上流側に連設される上流通路とを有する
    多気筒エンジンの吸気装置であって、各気筒と集合室と
    を結ぶ短絡通路が設けられていると共に、この短絡通路
    には気筒毎に開閉弁が備えられており、かつ該通路に上
    記開閉弁の上流側を連通させる連通部が設けられている
    ことを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  2. 【請求項2】各気筒に接続される複数の分岐通路と、こ
    れらの分岐通路の上流端が束ねられて集合する集合室
    と、該集合室の上流側に連設される上流通路とを有する
    多気筒エンジンの吸気装置であって、上記各分岐通路が
    集合部側に近づくに従って互いに近接するように配置さ
    れていると共に、これらの分岐通路の互いに近接した部
    位が、各分岐通路から分岐する分岐部とこれらの分岐部
    が連通する連通部とを有する連通路によって連通されて
    おり、かつ該連通路の各分岐部に、所定エンジン回転数
    以上の領域で開弁する開閉弁がそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
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