JP2823784B2 - 含水性ソフトコンタクトレンズ - Google Patents

含水性ソフトコンタクトレンズ

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JP2823784B2
JP2823784B2 JP22424693A JP22424693A JP2823784B2 JP 2823784 B2 JP2823784 B2 JP 2823784B2 JP 22424693 A JP22424693 A JP 22424693A JP 22424693 A JP22424693 A JP 22424693A JP 2823784 B2 JP2823784 B2 JP 2823784B2
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康人 菱田
剛 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含水性ソフトコンタク
トレンズに関する。さらに詳しくは、高含水性であって
酸素透過性にすぐれると同時に、薄型のコンタクトレン
ズとして好適なすぐれた形状安定性、高機械的強度およ
び高硬度を有する含水性ソフトコンタクトレンズに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ソフトコンタクトレンズは、その
材料のしなやかさに起因して装用感がよく、目に馴染み
やすいことから広く用いられている。しかしながら、そ
の酸素透過性が材料の含水率に依存するため、ハードコ
ンタクトレンズをこえる高酸素透過性を有するソフトコ
ンタクトレンズをうることが困難である。
【0003】そこで、レンズの厚さを小さくして実質的
な酸素透過性を高め、連続装用が可能なソフトコンタク
トレンズとすることが研究されている。しかしながら、
このような薄型のソフトコンタクトレンズには、形状安
定性にすぐれず、機械的強度が小さいことから取扱いが
困難であるという欠点がある。かかる欠点は、酸素透過
性をより高めるべく開発された高含水率を有する材料か
らえられるソフトコンタクトレンズにおいてより顕著に
現れる。
【0004】たとえば、特定の配合割合の2-ヒドロキシ
エチルメタクリレート、ジメチルアクリルアミド、N-ビ
ニルピロリドン、アルキルメタクリレートおよび架橋性
モノマーからえられる共重合体からなるソフトコンタク
トレンズ(特開昭57-144521号公報)やジメチルアクリ
ルアミド、N-ビニルピロリドン、アルキルメタクリレー
トを主成分とし、架橋剤としてメタクリロイルオキシエ
チルアクリレートとアリルアクリレートまたはビニルア
クリレートとアリルメタクリレートを用いてえられる共
重合体からなるソフトコンタクトレンズ(特開昭58-287
18号公報)は、確かに酸素透過性にすぐれるものの、そ
の機械的強度および耐久性がきわめてすぐれるとは言い
難く、これらのさらなる向上が望まれている。
【0005】特開昭60-250019 号公報には、アクリルア
ミド類からなる水性ゲル用樹脂をソフトコンタクトレン
ズに用いることが、また特開昭62-111229 号公報には、
アクリルアミド類からなるソフトコンタクトレンズが開
示されているが、かかる水性ゲル用樹脂およびソフトコ
ンタクトレンズは、薄型の含水性コンタクトレンズとし
て実用上満足しうる高機械的強度やすぐれた耐久性を有
するものではない。
【0006】また特定の配合割合のジメチルアクリルア
ミド、疎水性メタクリレート類および架橋剤からなる高
含水コンタクトレンズ(特開昭61-166516 号公報)や、
特定の配合割合のN,N-ジメチルアクリルアミド、疎水性
モノマー、不飽和カルボン酸および架橋剤からなる高含
水コンタクトレンズ(特開昭61-226728 号公報)が提案
されているが、これら高含水コンタクトレンズも、確か
に酸素透過性にはすぐれるものの、薄型の含水性コンタ
クトレンズとして実用上満足しうる高機械的強度やすぐ
れた耐久性を有するものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて高含水性であって酸素透過性
にすぐれると同時に、薄型のコンタクトレンズとして好
適なすぐれた形状安定性などの耐久性および高機械的強
度や、良好な形状安定性をうるための高硬度を有する含
水性ソフトコンタクトレンズをうるべく鋭意研究を重ね
た結果、かかる含水性ソフトコンタクトレンズを見出
し、本発明を完成するにいたった。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ア
ルキル(メタ)アクリレート(A)および架橋剤(B)
を主成分とした共重合成分(I)を共重合してなる分子
内に少なくとも1個の重合性基を有するポリマーと、ア
ルキル(メタ)アクリレート(A)と、(メタ)アクリ
ルアミド60〜90重量%およびN-ビニルラクタム10〜40重
量%からなる親水性モノマー(C)とを含有した共重合
成分(II)を共重合してなり、共重合成分(I)におけ
るアルキル(メタ)アクリレート(A)の配合量がアル
キル(メタ)アクリレート(A)全量の5〜50重量%で
あり、前記共重合成分(II)がアルキル(メタ)アクリ
レート(A)35〜60重量%、架橋剤(B)0.01〜1重量
%および親水性モノマー(C)40〜65重量%を含有した
ことを特徴とする含水性ソフトコンタクトレンズに関す
る。
【0009】
【作用および実施例】本発明の含水性ソフトコンタクト
レンズは、前記したように、アルキル(メタ)アクリレ
ート(A)(以下、(A)成分という)および架橋剤
(B)(以下、(B)成分という)を主成分とした共重
合成分(I)を共重合してなる分子内に少なくとも1個
の重合性基を有するポリマー(以下、ポリマー(I)と
いう)と、(A)成分と、(メタ)アクリルアミド(以
下、(C−1)成分という)60〜90重量%およびN-ビニ
ルラクタム(以下、(C−2)成分という)10〜40重量
%からなる親水性モノマー(C)(以下、(C)成分と
いう)とを含有した共重合成分(II)を共重合してな
り、共重合成分(I)における(A)成分の配合量が
(A)成分全量の5〜50重量%であり、前記共重合成分
(II)が(A)成分35〜60重量%、(B)成分0.01〜1
重量%および(C)成分40〜65重量%を含有したことを
特徴とするものである。
【0010】本発明に用いられるポリマー(I)は、分
子内に少なくとも1個の重合性基を有するので、重合性
基を有する他の共重合成分(II)との共重合性が良好で
あり、とくに2個以上の重合性基を有するポリマー
(I)を用いたばあいには、前記重合性基を有する他の
共重合成分(II)との共重合によって化学的な架橋点が
増加するので、含水時にはマクロな相分離が生じず、と
くに形状安定性などの耐久性にすぐれ、高機械的強度を
有する含水性ソフトコンタクトレンズをうることができ
る。
【0011】なお、前記ポリマー(I)の分子内の重合
性基の数は、あまりにも多いばあいには、その他の共重
合成分(II)との共重合の際に、えられる共重合体の架
橋密度が大きくなりすぎて目的とする含水性ソフトコン
タクトレンズの含水率が低下したり、脆くなってしまう
傾向があるので、通常5個程度までであることが好まし
い。
【0012】前記ポリマー(I)は、(A)成分および
(B)成分を主成分とした共重合成分(I)を共重合し
てえられたものである。
【0013】前記(A)成分においては、分子内のアル
キル基が直鎖状、分岐鎖状および環状のアルキル基のい
ずれであってもよく、該アルキル基の水素原子がフッ素
原子などで置換されていてもよい。
【0014】前記(A)成分の具体例としては、たとえ
ばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ
レート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘ
キシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフ
ルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプ
ロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロ
ピル(メタ)アクリレートなどがあげられ、これらは単
独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、
これらのなかでは、ポリマー(I)と共重合性を有する
他の共重合成分(II)とを立体障害を起こすことなく共
重合させることができることから、たとえば炭素数1〜
3の低級アルキル(メタ)アクリレートを用いることが
好ましい。
【0015】なお、前記共重合成分(I)として用いら
れる(A)成分の量は、(A)成分全量の5〜50重量
%、好ましくは10〜45重量%である。かかる共重合成分
(I)として用いられる(A)成分の量が(A)成分全
量の5重量%未満であるばあいには、えられる含水性ソ
フトコンタクトレンズの機械的強度が劣るようになり、
また50重量%をこえるばあいには、ポリマー(I)と後
述する(C)成分を主成分とするポリマー部とが相分離
しやすく、均一な含水性ソフトコンタクトレンズがえら
れにくくなる。
【0016】前記(B)成分の具体例としては、たとえ
ばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート;プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート;ヘキサメチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、
アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオ
キシエチル(メタ)アクリレート、 N,N′−メチレンビ
ス(メタ)アクリルアミド、 N,N′−ジヒドロキシエチ
レン−ビス(メタ)アクリルアミドなどがあげられ、こ
れらは単独でまたは2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0017】ポリマー(I)は、前記(A)成分および
(B)成分を主成分とした共重合成分(I)を共重合し
てえられるものであるが、これらのほかにも、共重合成
分(I)として、たとえば水酸基含有(メタ)アクリレ
ート(D)(以下、(D)成分という)や、N,N-ジメチ
ル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、N-ビ
ニル-2- ピロリドン、グリセロール(メタ)アクリレー
トなどの親水性モノマーなどを用いることができる。
【0018】前記(D)成分は、ポリマー(I)と後述
する(C)成分との相分離を防ぎ、光学的に透明な含水
性ソフトコンタクトレンズをうる目的で用いられ、その
具体例としては、たとえばヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シペンチル(メタ)アクリレートなどがあげられ、これ
らは単独でまたは2種以上を混合して用いることができ
る。
【0019】なお、前記(D)成分の配合量は、共重合
成分(I)の30重量%以下、なかんづく1〜15重量%で
あることが好ましい。かかる(D)成分の配合量が共重
合成分(I)の30重量%をこえるばあいには、相対的に
(A)成分の配合量が少なくなって機械的強度の付与効
果が低下し、すぐれた形状安定性、高機械的強度および
高硬度を有する含水性ソフトコンタクトレンズをうるこ
とが困難となる傾向がある。
【0020】前記ポリマー(I)をうる方法としては、
たとえば前記(A)成分および(B)成分、必要に応じ
て(D)成分などの共重合成分(I)を溶媒に溶解して
重合開始剤を添加し、撹拌しながら還流温度にて重合を
行なう溶液重合法などがあげられる。
【0021】前記溶液重合法に用いられる溶媒は、とく
に限定がなく、前記共重合成分(I)の溶解が良好であ
り、かつ重合反応を阻害しないものであればよい。かか
る溶媒としては、たとえばベンゼン、アセトンなどがあ
げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用い
ることができる。溶媒の使用量は、重合温度、時間など
の条件や共重合成分(I)の種類などによって異なるの
で、必要に応じて適宜調整すればよい。
【0022】前記重合開始剤としては、たとえばアゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリ
ル、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロ
パーオキサイド、過酸化ベンゾイルなどを用いることが
でき、かかる重合開始剤の使用量は、重合を開始せしめ
るのに充分な量であればよく、たとえば前記共重合成分
(I)全量100 部(重量部、以下同様)に対して0.001
〜5部、なかんづく0.01〜2部であることが好ましい。
【0023】重合温度および時間には相関関係があり、
一概には決定することができないが、たとえば比較的低
温、たとえば50〜100 ℃で数分間〜数時間であることが
好ましい。
【0024】かくしてえられるポリマー(I)の数平均
分子量は、目的とする含水性ソフトコンタクトレンズの
機械的強度などに影響を及ぼすため、約5000〜100000、
なかんづく約10000 〜50000 であることが好ましい。か
かるポリマー(I)の数平均分子量が小さすぎるばあい
には、含水性ソフトコンタクトレンズの機械的強度が劣
るようになる傾向があり、また大きすぎるばあいには、
共重合反応の際にポリマー(I)がその他の共重合成分
(II)に対して均一に混合しにくくなり、均一な含水性
ソフトコンタクトレンズをうることが困難となる傾向が
ある。
【0025】本発明においては、前記ポリマー(I)と
後述する(C)成分との相分離を防止したり、えられる
含水性ソフトコンタクトレンズに形状安定性を付与せし
める目的で、前記(A)成分が共重合成分(II)として
用いられる。
【0026】なお、かかる共重合成分(II)として用い
られる(A)成分の量は、前記ポリマー(I)の共重合
成分(I)として用いられる(A)成分の量とあわせて
後述する(A)成分の含有量の範囲内にあるように調整
される。
【0027】本発明において、えられる含水性ソフトコ
ンタクトレンズに所望の含水率を付与せしめる(C)成
分は、(C−1)成分および(C−2)成分からなるも
のである。
【0028】前記(C−1)成分の具体例としては、た
とえば(メタ)アクリルアミド;N-メチル(メタ)アク
リルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロ
ピル(メタ)アクリルアミドなどのN-アルキル(メタ)
アクリルアミド;N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N,N-メチル(エチル)
(メタ)アクリルアミド、N,N-メチル(プロピル)(メ
タ)アクリルアミド、N,N-エチル(プロピル)(メタ)
アクリルアミドなどのN,N-ジアルキル(メタ)アクリル
アミドなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上
を混合して用いることができる。
【0029】前記(C−2)成分の具体例としては、た
とえばN-ビニル-2- ピロリドン、N-ビニル-3- メチル-2
- ピロリドン、N-ビニル-4- メチル-2- ピロリドン、N-
ビニル-5- メチル-2- ピロリドン、N-ビニル-3- エチル
-2- ピロリドン、N-ビニル-4,5- ジメチル-2- ピロリド
ン、N-ビニル-5,5- ジメチル-2- ピロリドン、N-ビニル
-3,3,5- トリメチル-2- ピロリドン、N-ビニル-5- メチ
ル-5- エチル-2- ピロリドンなどのピロリドン;N-ビニ
ル-2- ピペリドン、N-ビニル-3- メチル-2- ピペリド
ン、N-ビニル-4- メチル-2- ピペリドン、N-ビニル-5-
メチル-2- ピペリドン、N-ビニル-6- メチル-2- ピペリ
ドン、N-ビニル-6- エチル-2- ピペリドン、N-ビニル-
3,5- ジメチル-2- ピペリドン、N-ビニル-4,4- ジメチ
ル-2- ピペリドンなどのピペリドン;N-ビニル-2- カプ
ロラクタム、N-ビニル-3- メチル-2-カフ゜ロラクタム、N-ビニル-
4- メチル-2- カプロラクタム、N-ビニル-7- メチル-2-
カプロラクタム、N-ビニル-7- エチル-2- カプロラク
タム、N-ビニル-3,5-ジメチル-2- カプロラクタム、N-
ビニル-4,6- ジメチル-2- カプロラクタム、N-ビニル-
3,5,7- トリメチル-2- カプロラクタムなどのカプロラ
クタムなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上
を混合して用いることができる。
【0030】前記(C)成分における(C−1)成分と
(C−2)成分との配合割合は、(C−1)成分60〜90
重量%、好ましくは65〜85重量%および(C−2)成分
10〜40重量%、好ましくは15〜35重量%である。かかる
(C−1)成分の配合量が60重量%未満、すなわち(C
−2)成分の配合量が40重量%をこえるばあいには、え
られる含水性ソフトコンタクトレンズの伸びが小さくな
るようになり、また(C−1)成分の配合量が90重量%
をこえる、すなわち(C−2)成分の配合量が10重量%
未満であるばあいには、共重合の際の重合速度を制御し
にくく、均一な共重合体をうることが困難となるように
なる。
【0031】本発明において、前記共重合成分(II)中
の(A)成分、(B)成分および(C)成分の含有量
は、それぞれ(A)成分が35〜60重量%、好ましくは40
〜55重量%、(B)成分が0.01〜1重量%、好ましくは
0.05〜0.5 重量%および(C)成分が40〜65重量%、好
ましくは45〜60重量%となるように調整される。
【0032】前記(A)成分の含有量が35重量%未満で
あるばあいには、えられる含水性ソフトコンタクトレン
ズの機械的強度が実用上満足しうるものではなく、耐久
性や形状安定性に劣るようになり、また60重量%をこえ
るばあいには、所望の含水率を有するソフトコンタクト
レンズがえられにくくなる。
【0033】また、前記(B)成分の含有量が0.01重量
%未満であるばあいには、えられる含水性ソフトコンタ
クトレンズの機械的強度が実用上満足しうるものではな
く、耐久性や形状安定性に劣るようになり、また1重量
%をこえるばあいには、えられるソフトコンタクトレン
ズの伸びが小さく、脆くなるようになる。
【0034】さらに、前記(C)成分の含有量が40重量
%未満であるばあいには、所望の含水率を有するソフト
コンタクトレンズがえられにくくなり、また65重量%を
こえるばあいには、ソフトコンタクトレンズの含水率が
高くなりすぎて、機械的強度が実用上満足しうるもので
はなく、耐久性や形状安定性に劣るものとなるようにな
る。
【0035】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズ
は、前記したように、(A)成分および(B)成分を主
成分とした共重合成分(I)を共重合してなるポリマー
(I)と、(A)成分と、(C−1)成分および(C−
2)成分からなる(C)成分とを含有した共重合成分
(II)を共重合してえられるものであるが、本発明にお
いては、必要に応じて、ポリマー(I)と(C)成分と
の相分離の防止や、えられる含水性ソフトコンタクトレ
ンズの形状安定性の向上の目的で、前記(B)成分を共
重合成分(II)として用いることができる。
【0036】なお、必要に応じて共重合成分(II)とし
て用いられる(B)成分の量は、前記ポリマー(I)の
共重合成分(I)として用いられる(B)成分の量とあ
わせて前記(B)成分の含有量の範囲内にあるように調
整すればよいが、かかる共重合成分(II)として用いら
れる(B)成分の量があまりにも多いばあいには、共重
合成分(I)として用いられる(B)成分の量が少なく
なってポリマー(I)中に存在する重合性基の量が減少
し、充分な補強効果が発現されなくなる傾向があるの
で、(B)成分全量の60重量%以下、なかんづく5〜50
重量%であることが好ましい。
【0037】さらに本発明においては、えられる含水性
ソフトコンタクトレンズに、紫外線吸収能を付与した
り、着色するために、共重合成分(II)として、たとえ
ば重合性紫外線吸収剤、重合性色素、重合性紫外線吸収
色素などを用いることができる。
【0038】前記重合性紫外線吸収剤の具体例として
は、たとえば2-ヒドロキシ-4- (メタ)アクリロイルオ
キシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- (メタ)アクリ
ロイルオキシ-5-tert-ブチルベンゾフェノン、2-ヒドロ
キシ-4- (メタ)アクリロイルオキシ-2′,4′- ジクロ
ロベンゾフェノン、2-ヒドロキシ -4-(2′- ヒドロキシ
-3′- (メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)ベンゾ
フェノンなどのベンゾフェノン系重合性紫外線吸収剤;
2-( 2′- ヒドロキシ-5′- (メタ)アクリロイルオキ
シエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-( 2′
- ヒドロキシ-5′- (メタ)アクリロイルオキシエチル
フェニル)-5- クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-(
2′- ヒドロキシ-5′- (メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-( 2′-
ヒドロキシ-5′- (メタ)アクリロイルオキシプロピル
-3′-tert-ブチルフェニル)-5- クロロ-2H-ベンゾトリ
アゾールなどのベンゾトリアゾール系重合性紫外線吸収
剤;2-ヒドロキシ-4- メタクリロイルオキシメチル安息
香酸フェニルなどのサリチル酸誘導体系重合性紫外線吸
収剤;その他2-シアノ-3- フェニル -3-( 3′- (メ
タ)アクリロイルオキシフェニル)プロペニル酸メチル
エステルのような重合性紫外線吸収剤などがあげられ、
これらの重合性紫外線吸収剤は単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。
【0039】前記重合性色素の具体例としては、たとえ
ば1-フェニルアゾ-4- (メタ)アクリロイルオキシナフ
タレン、1-フェニルアゾ-2- ヒドロキシ-3- (メタ)ア
クリロイルオキシナフタレン、1-ナフチルアゾ-2- ヒド
ロキシ-3- (メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1-
(α- アントリルアゾ)-2- ヒドロキシ-3- (メタ)ア
クリロイルオキシナフタレン、 1-((4′- (フェニルア
ゾ)- フェニル)アゾ)-2- ヒドロキシ-3- (メタ)ア
クリロイルオキシナフタレン、1-(2′,4′- キシリルア
ゾ)-2- (メタ)アクリロイルオキシナフタレン、1-
(o-トリルアゾ)-2- (メタ)アクリロイルオキシナフ
タレン、2-(m-(メタ)アクリロイルアミド- アニリ
ノ)-4,6- ビス(1′-(o-トリルアゾ)-2′- ナフチルア
ミノ)-1,3,5- トリアジン、2-(m-ビニルアニリノ)-4
- (4′- ニトロフェニルアゾ)- アニリノ)-6- クロロ
-1,3,5- トリアジン、2-(1′-(o-トリルアゾ)- 2′- ナ
フチルオキシ)-4- (m-ビニルアニリノ)-6- クロロ-
1,3,5- トリアジン、2-(p-ビニルアニリノ)-4- (1′-
(o-トリルアゾ)-2′ナフチルアミノ)-6- クロロ-1,3,
5- トリアジン、N-(1′-(o-トリルアゾ)-2′- ナフチ
ル)-3- ビニルフタル酸モノアミド、N-(1′-(o-トリル
アゾ)-2′- ナフチル)-6- ビニルフタル酸モノアミ
ド、3-ビニルフタル酸 -(4′- (p-スルホフェニルア
ゾ)-1′- ナフチル)モノエステル、6-ビニルフタル酸
-(4′- (p-スルホフェニルアゾ)-1′- ナフチル)モ
ノエステル、3-(メタ)アクリロイルアミド-4- フェニ
ルアゾフェノール、3-(メタ)アクリロイルアミド-4-
(8′- ヒドロキシ-3′,6′- ジスルホ-1′- ナフチルア
ゾ)- フェノール、3-(メタ)アクリロイルアミド-4-
(1′- フェニルアゾ-2′- ナフチルアゾ)- フェノー
ル、3-(メタ)アクリロイルアミド-4- (p-トリルア
ゾ)フェノール、2-アミノ-4- (m-(2′- ヒドロキシ-
1′- ナフチルアゾ)アニリノ)-6- イソプロペニル-1,
3,5- トリアジン、2-アミノ-4-(N-メチル-p- (2′- ヒ
ドロキシ-1′- ナフチルアゾ)アニリノ)-6- イソプロ
ペニル-1,3,5- トリアジン、2-アミノ-4- (m-(4′- ヒ
ドロキシ-1′- フェニルアゾ)アニリノ)-6- イソプロ
ペニル-1,3,5- トリアジン、2-アミノ-4- (N-メチル-p
- (4′- ヒドロキシフェニルアゾ)アニリノ)-6- イソ
プロペニル-1,3,5- トリアジン、2-アミノ-4- (m-(3′
- メチル-1′- フェニル-5′- ヒドロキシ-4′- ピラゾ
リルアゾ)アニリノ)-6- イソプロペニル-1,3,5- トリ
アジン、2-アミノ-4- (N-メチル-p- (3′- メチル-1′
- フェニル-5′- ヒドロキシ-4′- ピラゾリルアゾ)ア
ニリノ)-6- イソプロペニル-1,3,5- トリアジン、2-ア
ミノ-4-(p-フェニルアゾアニリノ)-6- イソプロペニ
ル-1,3,5- トリアジン、4-フェニルアゾ-7- (メタ)ア
クリロイルアミド-1- ナフトールなどのアゾ系重合性色
素;1,5-ビス((メタ)アクリロイルアミノ)-9,10-ア
ントラキノン、1-(4′- ビニルベンゾイルアミド)-9,1
0-アントラキノン、4-アミノ-1- (4′- ビニルベンゾイ
ルアミド)-9,10-アントラキノン、5-アミノ-1- (4′-
ビニルベンゾイルアミド)-9,10-アントラキノン、8-ア
ミノ-1- (4′- ビニルベンゾイルアミド)-9,10- アン
トラキノン、4-ニトロ-1- (4′- ビニルベンゾイルアミ
ド)-9,10-アントラキノン、4-ヒドロキシ-1- (4′- ビ
ニルベンゾイルアミド)-9,10-アントラキノン、1-(3′
- ビニルベンゾイルアミド)-9,10-アントラキノン、1-
(2′-ビニルベンゾイルアミド)-9,10-アントラキノ
ン、1-(4′- イソプロペニルベンゾイルアミド)-9,10-
アントラキノン、1-(3′- イソプロペニルベンゾイルア
ミド)-9,10-アントラキノン、1-(2′- イソプロペニル
ベンゾイルアミド)-9,10-アントラキノン、1-4-ビス
(4′- ビニルベンゾイルアミド)-9,10-アントラキノ
ン、1-4-ビス- (4′- イソプロペニルベンゾイルアミ
ド)-9,10-アントラキノン、1- 5′- ビス- (4′- ビニ
ルベンゾイルアミド)-9,10-アントラキノン、1,5-ビス
- (4′- イソプロペニルベンゾイルアミド)-9,10-アン
トラキノン、1-メチルアミノ-4- (3′- ビニルベンゾイ
ルアミド)-9,10-アントラキノン、1-メチルアミノ-4-
(4′- ビニルベンゾイルオキシエチルアミノ)-9,10-ア
ントラキノン、1-アミノ-4- (3′- ビニルフェニルアミ
ノ)-9,10-アントラキノン-2- スルホン酸、1-アミノ-4
- (4′- ビニルフェニルアミノ)-9,10-アントラキノン
-2- スルホン酸、1-アミノ-4- (2′- ビニルベンジルア
ミノ)-9,10-アントラキノン-2- スルホン酸、1-アミノ
-4- (3′- (メタ)アクリロイルアミノフェニルアミ
ノ)-9,10-アントラキノン-2- スルホン酸、1-アミノ-4
- (3′- (メタ)アクリロイルアミノベンジルアミノ)
-9,10-アントラキノン-2- スルホン酸、1-(β- エトキ
シカルボニルアリルアミノ)-9,10-アントラキノン、1-
(β- カルボキシアリルアミノ)-9,10-アントラキノ
ン、1,5-ジ- (β- カルボキシアリルアミノ)-9,10-ア
ントラキノン、1-(β- イソプロポキシカルボニルアリ
ルアミノ)-5-ベンゾイルアミド-9,10-アントラキノ
ン、2-(3′- (メタ)アクリロイルアミド- アニリノ)
-4- (3′- (3″- スルホ-4″- アミノアントラキノン-
1″- イル)- アミノ- アニリノ)-6- クロロ-1,3,5-
トリアジン、2-(3′- (メタ)アクリロイルアミド- ア
ニリノ)-4- (3′- (3″- スルホ-4″- アミノアントラ
キノン-1″- イル)- アミノ- アニリノ)-6- ヒドラジ
ノ-1,3,5- トリアジン、2,4-ビス-((4″- メトキシアン
トラキノン-1″- イル)- アミノ)-6- (3′- ビニルア
ニリノ)-1,3,5- トリアジン、2-(2′- ビニルフェノキ
シ)-4- (4′- (3″- スルホ-4″- アミノアントラキノ
ン-1″- イル- アミノ)- アニリノ)-6- クロロ-1,3,5
- トリアジンなどのアントラキノン系重合性色素;o-ニ
トロアニリノメチル(メタ)アクリレートなどのニトロ
系重合性色素;(メタ)アクリロイル化テトラアミノ銅
フタロシアニン、(メタ)アクリロイル化(ドデカノイ
ル化テトラアミノ銅フタロシアニン)などのフタロシア
ニン系重合性色素などがあげられ、これらの重合性色素
は単独でまたは2種以上を混合して用いることができ
る。
【0040】前記重合性紫外線吸収色素の具体例として
は、たとえば2,4-ジヒドロキシ-3(p-スチレノアゾ)ベ
ンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-5- (p-スチレノア
ゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3- (p-(メ
タ)アクリロイルオキシメチルフェニルアゾ)ベンゾフ
ェノン、2,4-ジヒドロキシ-5- (p-(メタ)アクリロイ
ルオキシメチルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジ
ヒドロキシ-3- (p-(メタ)アクリロイルオキシエチル
フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-5-
(p-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルアゾ)
ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3- (p-(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルフェニルアゾ)ベンゾフェノ
ン、2,4-ジヒドロキシ-5- (p-(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジヒ
ドロキシ-3- (o-(メタ)アクリロイルオキシメチルフ
ェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-5-
(o-(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニルアゾ)
ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3- (o-(メタ)ア
クリロイルオキシエチルフェニルアゾ)ベンゾフェノ
ン、2,4-ジヒドロキシ-5- (o-(メタ)アクリロイルオ
キシエチルフェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジヒド
ロキシ-3- (o-(メタ)アクリロイルオキシプロピルフ
ェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-5-
(o-(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニルア
ゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3- (p-(N,N-
ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノ)フェニル
アゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-5- (p-(N,
N-ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノ)フェニ
ルアゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3- (o-
(N,N-ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノ)フ
ェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-5-
(o-(N,N-ジ(メタ)アクリロイルエチルアミノ)フェ
ニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3- (p-
(N-エチル-N- (メタ)アクリロイルオキシエチルアミ
ノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ
-5-(p-(N-エチル-N- (メタ)アクリロイルオキシエ
チルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4-ジヒ
ドロキシ-3- (o-(N-エチル-N- (メタ)アクリロイル
オキシエチルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、
2,4-ジヒドロキシ-5-(o-(N-エチル-N- (メタ)アク
リロイルオキシエチルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフ
ェノン、2,4-ジヒドロキシ-3- (p-(N-エチル-N- (メ
タ)アクリロイルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノ
ン、2,4-ジヒドロキシ-5- (p-(N-エチル-N- (メタ)
アクリロイルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、
2,4-ジヒドロキシ-3- (o-(N-エチル-N- (メタ)アク
リロイルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノン、2,4-
ジヒドロキシ-5- (o-(N-エチル-N- (メタ)アクリロ
イルアミノ)フェニルアゾ)ベンゾフェノンなどのベン
ゾフェノン系重合性紫外線吸収色素や、2-ヒドロキシ-4
- (p-スチレノアゾ)安息香酸フェニルなどの安息香酸
系重合性紫外線吸収色素などがあげられ、これらの重合
性紫外線吸収色素は単独でまたは2種以上を混合して用
いることができる。
【0041】前記重合性紫外線吸収剤、重合性色素およ
び重合性紫外線吸収色素の配合量は、レンズの厚さに大
きく影響されるため、共重合成分(II)の10重量%以
下、なかんづく1〜3重量%であることが好ましい。か
かる配合量が10重量%をこえるばあいには、えられる含
水性ソフトコンタクトレンズの物性、たとえば機械的強
度などが低下する傾向があり、また紫外線吸収剤や色素
の毒性も考慮すれば、生体組織に直接接触するソフトコ
ンタクトレンズとしては適さなくなる傾向がある。この
ほかとくに色素のばあいには、その配合量が多すぎると
レンズの色が濃くなりすぎて透明性が低下し、ソフトコ
ンタクトレンズが可視光線を透過しにくくなる傾向があ
る。
【0042】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズ
は、たとえばそれぞれ使用量を調整したポリマー
(I)、(A)成分および(C)成分、ならびに必要に
応じて(B)成分などの共重合成分(II)を共重合する
ことによってうることができる。
【0043】前記共重合の方法としては、たとえばラジ
カル重合開始剤を共重合成分(II)に配合したのち、ま
ずたとえば約30〜60℃にて数時間〜数10時間加熱して重
合させ、ついで約130 ℃まで数時間〜10数時間で順次昇
温して重合を完結させる方法(加熱重合法)、光重合開
始剤を配合したのち、たとえば紫外線などの光重合開始
剤の活性化の吸収帯に応じた波長の光線を照射して重合
を行なう方法(光重合法)、加熱重合法と光重合法とを
組合せて重合を行なう方法などがあげられる。
【0044】前記加熱重合法を用いるばあいには、恒温
槽または恒温室内で加熱してもよく、またマイクロ波の
ような電磁波を照射してもよく、その加熱は段階的に行
なってもよい。また、前記光重合法を用いるばあいに
は、増感剤をさらに添加してもよい。
【0045】なお、本発明における前記共重合の際に
は、通常の塊状重合法、溶液重合法などを採用すること
ができる。
【0046】前記ラジカル重合開始剤の具体例として
は、たとえばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジ
メチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、t-
ブチルハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイ
ド、過酸化ベンゾイルなどがあげられる。
【0047】前記光重合開始剤の具体例としては、たと
えばベンゾイル、メチルオルソベンゾイルベンゾエー
ト、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、メチルベン
ゾイルフォメート、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン-n- ブ
チルエーテルなどのベンゾイン系光重合開始剤;2-ヒド
ロキシ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、p-イ
ソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p-t-
ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-
フェニルアセトフェノン、α,α−ジクロロ-4- フェノ
キシアセトフェノン、N,N-テトラエチル-4,4- ジアミノ
ベンゾフェノンなどのフェノン系光重合開始剤;1-ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン;1-フェニル-1,2
- プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシ
ム;2-クロロチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン
などのチオキサンソン系光重合開始剤;ジベンゾスバロ
ン;2-エチルアンスラキノン;ベンゾフェノンアクリレ
ート;ベンゾフェノン;ベンジルなどがあげられる。
【0048】ラジカル重合開始剤または光重合開始剤
は、これらのなかから1種または2種以上を選択して用
いればよく、かかる重合開始剤の使用量は、共重合成分
(II)全量100 部に対して約0.001 〜5部、なかんづく
0.01〜2部であることが好ましい。
【0049】かくして共重合してえられた共重合体を成
形することによって本発明の含水性ソフトコンタクトレ
ンズがえられる。かかる成形には、当業者が通常行なっ
ている成形方法が採用され、たとえば切削、研磨などに
よる加工法(機械的加工法)、鋳型を利用した成形法
(モールド法)、該機械的加工法とモールド法とを組合
わせた方法などのなかから、ばあいに応じて適宜選択し
て用いることができる。
【0050】前記機械的加工法は、共重合成分(II)の
共重合を適当な型または容器の中で行ない、たとえば棒
状、ブロック状、板状などの共重合体をえたのち、切削
加工、研磨加工などの機械的加工を施し、所望のコンタ
クトレンズ形状に加工する方法である。
【0051】前記モールド法は、所望のコンタクトレン
ズ形状に対応した成形型(鋳型)を用意し、この型のな
かで共重合成分(II)を共重合して成型物をえたのち、
必要に応じて仕上げ加工を施す方法である。
【0052】前記機械的加工法とモールド法とを組合わ
せた方法は、まず所望のコンタクトレンズ形状の少なく
とも1つの面に対応した成形型を用意し、この型のなか
で共重合成分(II)の共重合を行ない、ついでコンタク
トレンズの他の面をうるように機械的加工を施してコン
タクトレンズをうる方法である。
【0053】かくしてえられる本発明の含水性ソフトコ
ンタクトレンズは、20℃および35℃における含水率が50
〜70重量%程度と高含水性を呈するものであるととも
に、形状安定性にすぐれ、高機械的強度および高硬度の
ものであるので、レンズの中心の厚さが0.03〜0.09mm程
度の薄型で酸素透過性にすぐれ、連続装用が可能なソフ
トコンタクトレンズとすることができる。
【0054】つぎに本発明の含水性ソフトコンタクトレ
ンズを実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0055】製造例1(ポリマー(I)の合成) 5リットル容の三つ口丸底フラスコに、メチルメタクリ
レート(以下、MMAという)641.3 g(93.7部)、ア
リルメタクリレート(以下、AMAという)6.3 g(0.
9 部)、エチレングリコールジメタクリレート(以下、
EDMAという)3.3 g(0.5 部)、ヒドロキシブチル
メタクリレート(以下、HOBという)33.8g(4.9
部)、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル
(以下、AIBNという)4.5 g(0.7 部)および溶媒
としてベンゼン2500mlを添加し、撹拌しながら80℃にて
70分間重合させ、重合液をえた。
【0056】つぎにえられた重合液を多量のn-ヘキサン
中に投入して共重合体を沈殿物としてえたのち、溶媒を
除去して乾燥し、ポリマー(I)の微粉末(以下、ポリ
マー(I)−1という)340 g(収率約50%)をえた。
【0057】えられたポリマー(I)−1の数平均分子
量をゲル浸透クロマトグラフィにより測定したところ、
25000 であり、また1分子あたりの平均重合性基数をゲ
ル浸透クロマトグラフィおよびフーリエ変換プロトン核
磁気共鳴スペクトルにより測定したところ、平均2.2 個
であった。
【0058】実施例1 2リットル容のフラスコに製造例1でえられたポリマー
(I)−130部、ジメチルアクリルアミド(以下、DM
AAという)57部およびN-ビニル-2- ピロリドン(以
下、NVPという)19部、MMA50部、EDMA0.1 部
ならびにAIBN0.1 部を添加して混合したのち、内径
15mmのガラス製試験管に移し、かかる試験管内にて35℃
で40時間、50℃で8時間重合し、さらに60℃から130 ℃
まで昇温(昇温速度:10℃/1.5 時間)させて重合を完
結させ、棒状の共重合体をえた。
【0059】えられた共重合体を含水時に中心の厚さが
0.07mmとなるようなレンズに加工し、該レンズを生理食
塩水中に浸漬したところ、該レンズは含水時に透明かつ
機械的強度が良好でしなやかなソフトコンタクトレンズ
であった。
【0060】また、えられた共重合体に切削研磨加工を
施して所望の厚さおよび直径15mmの試験片を作製し、か
かる試験片を用いて各物性を以下の方法にしたがって調
べた。その結果を表2に示す。
【0061】(イ)透明性 水中での試験片を肉眼で観察し、以下の評価基準に基づ
いて評価した。 (評価基準) ○:透明 △:少し白濁する ×:かなり白濁する (ロ)酸素透過係数(DK0.2 ) 理科精機工業(株)製の製科研式フィルム酸素透過率計
を用いて35℃の生理食塩水中にて試験片の酸素透過係数
を測定した。なお、酸素透過係数の単位はml(STP) ・cm
2 /(cm3 ・sec ・mmHg)であり、表2中の酸素透過係
数は、試験片の厚さが0.2mm のときの酸素透過係数の値
に1011を乗じた数値である。
【0062】(ハ)線膨潤率 試験片を水和処理したのち、20℃および35℃における試
験片の線膨潤率(%)を次式に基づいてそれぞれ求め
た。 線膨潤率(%)={(Y−Yo)/Yo}×100 ただし、Yは水和処理後の平衡含水状態での試験片の直
径(mm)、Yo は水和処理前の乾燥状態での試験片の
直径(mm)を表わす。
【0063】(ニ)含水率 試験片を水和処理したのち、20℃および35℃における試
験片の含水率(重量%)を次式に基づいてそれぞれ求め
た。 含水率(重量%)={(W−Wo)/W}×100 ただし、Wは水和処理後の平衡含水状態での試験片の重
量(g)、Wo は水和処理後、乾燥器中にて乾燥した乾
燥状態での試験片の重量(g)を表わす。
【0064】(ホ)突抜強度 突抜強度試験機を用いて試験片の中央部へ直径1/16イ
ンチの押圧針をあて、試験片の破断時の突抜荷重(g)
を測定した。ただし、表2中の値は、試験片の厚さを0.
2mm として換算した値である。
【0065】(ヘ)伸び率 前記突抜荷重(g)の測定時において、試験片の破断時
の伸び率(%)を測定した。
【0066】(ト)ゴム硬度 厚さ12mmの試験片を0.9 %食塩水中に2週間浸漬したの
ち、JIS K 6301「加硫ゴム物理試験方法」のスプ
リング式硬さ試験(A型)に準拠してゴム硬度(単位な
し)を測定した。
【0067】また前記試験片のかわりに、中心の厚さ0.
07mm、パワー−3.00D、直径13.5mmの含水性ソフトコン
タクトレンズを作製し、以下の方法にしたがって形状安
定性を調べた。その結果を表2に示す。
【0068】(チ)形状安定性 含水性ソフトコンタクトレンズの凸面を下にして人差し
指の上に載せたときにレンズの形状が維持されるかどう
かを調べ、レンズの形状が維持されたばあいを形状安定
性が良好(表2中、○と表示)、レンズの凸面が指の上
で潰れてしまったばあいを形状安定性が不良(表2中、
×と表示)であると判断した。
【0069】実施例2〜4 組成を表1に示すように変更したほかは実施例1と同様
にして棒状の共重合体をえた。
【0070】えられた共重合体を含水時に中心の厚さが
0.07mmとなるようなレンズに加工し、該レンズを生理食
塩水中に浸漬したところ、該レンズは含水時に透明かつ
機械的強度が良好でしなやかなソフトコンタクトレンズ
であった。
【0071】また、えられた共重合体を用いて実施例1
と同様にして試験片および含水性ソフトコンタクトレン
ズを作製し、各物性を実施例1と同様にして調べた。そ
の結果を表2に示す。
【0072】比較例1 実施例1において、ポリマー(I)を用いずに(A)〜
(D)成分の使用量が実施例1と同じになるように各成
分を配合した。すなわち、1リットル容のフラスコに、
表1に示すようにMMA78.11 部、AMA0.27部、ED
MA0.25部、DMAA57部、NVP19部、HOB1.47部
およびAIBN0.1 部を添加して混合したのち、実施例
1と同様にして共重合体をえ、かかる共重合体から試験
片および含水性ソフトコンタクトレンズを作製した。
【0073】前記試験片および含水性ソフトコンタクト
レンズを用い、各物性を実施例1と同様にして調べた。
その結果を表2に示す。
【0074】比較例2 実施例4において、ポリマー(I)を用いずに(A)〜
(D)成分の使用量が実施例4と同じになるように各成
分を配合した。すなわち、1リットル容のフラスコに、
表1に示すようにMMA68.11 部、AMA0.27部、ED
MA0.25部、DMAA57部、NVP19部、HOB1.47部
およびAIBN0.1 部を添加して混合したのち、実施例
4と同様にして共重合体をえ、かかる共重合体から試験
片および含水性ソフトコンタクトレンズを作製した。
【0075】前記試験片および含水性ソフトコンタクト
レンズを用い、各物性を実施例1と同様にして調べた。
その結果を表2に示す。
【0076】比較例3 組成を表1に示すように変更したほかは実施例1と同様
にして試験片および含水性ソフトコンタクトレンズを作
製した。
【0077】前記試験片および含水性ソフトコンタクト
レンズを用い、各物性を実施例1と同様にして調べた。
その結果を表2に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】表2に示された結果から、実施例1〜4で
えられた試験片は、透明性および酸素透過性にすぐれる
とともに、含水率が51〜66重量%と高含水性を呈しつ
つ、突抜強度およびゴム硬度が大きいものであり、また
含水性ソフトコンタクトレンズは、形状安定性にすぐれ
たものであることがわかる。
【0081】また、実施例1と比較例1との比較および
実施例4と比較例2との比較から明らかなように、比較
例1および2においてポリマー(I)を用いずにえられ
た試験片は、それぞれ実施例1および4でえられた試験
片よりも透明性に劣り、含水率が低く、酸素透過係数が
小さいにもかかわらず、突抜強度が小さいものであるこ
とがわかる。
【0082】さらに比較例3において共重合成分(II)
として(A)成分を用いずにえられた試験片は、透明性
がきわめてわるくなることがわかる。
【0083】
【発明の効果】本発明の含水性ソフトコンタクトレンズ
は、高含水性であって酸素透過性にすぐれると同時に、
薄型のコンタクトレンズとして好適なすぐれた形状安定
性、高機械的強度および高硬度を有するものであるとい
う効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02C 7/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル(メタ)アクリレート(A)お
    よび架橋剤(B)を主成分とした共重合成分(I)を共
    重合してなる分子内に少なくとも1個の重合性基を有す
    るポリマーと、アルキル(メタ)アクリレート(A)
    と、(メタ)アクリルアミド60〜90重量%およびN-ビニ
    ルラクタム10〜40重量%からなる親水性モノマー(C)
    とを含有した共重合成分(II)を共重合してなり、共重
    合成分(I)におけるアルキル(メタ)アクリレート
    (A)の配合量がアルキル(メタ)アクリレート(A)
    全量の5〜50重量%であり、前記共重合成分(II)がア
    ルキル(メタ)アクリレート(A)35〜60重量%、架橋
    剤(B)0.01〜1重量%および親水性モノマー(C)40
    〜65重量%を含有したことを特徴とする含水性ソフトコ
    ンタクトレンズ。
  2. 【請求項2】 共重合成分(II)が架橋剤(B)を含有
    したものである請求項1または2記載の含水性ソフトコ
    ンタクトレンズ。
  3. 【請求項3】 共重合成分(I)が水酸基含有(メタ)
    アクリレート(D)を含有したものである請求項1また
    は2記載の含水性ソフトコンタクトレンズ。
  4. 【請求項4】 水酸基含有(メタ)アクリレート(D)
    の配合量が共重合成分(I)の30重量%以下である請求
    項3記載の含水性ソフトコンタクトレンズ。
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