JP2822959B2 - 直熱含浸型陰極構体 - Google Patents

直熱含浸型陰極構体

Info

Publication number
JP2822959B2
JP2822959B2 JP28674495A JP28674495A JP2822959B2 JP 2822959 B2 JP2822959 B2 JP 2822959B2 JP 28674495 A JP28674495 A JP 28674495A JP 28674495 A JP28674495 A JP 28674495A JP 2822959 B2 JP2822959 B2 JP 2822959B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cathode
direct heat
cathode assembly
lead wire
heat impregnated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP28674495A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09102640A (ja
Inventor
徹 千葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP28674495A priority Critical patent/JP2822959B2/ja
Publication of JPH09102640A publication Critical patent/JPH09102640A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2822959B2 publication Critical patent/JP2822959B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lasers (AREA)
  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)
  • Solid Thermionic Cathode (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直熱含浸型陰極構体
に関し、特に高出力イオンレーザ管に使用される直熱含
浸型陰極構体に関する。
【0002】
【従来の技術】図3に、従来のイオンレーザ管の縦断面
図を示す。
【0003】図3を参照して、放電ビーム通過用の中央
細管口131と、ガスのリターン路132を備えた窒化
アルミニウム(AlN)からなるディスク133と、窒
化アルミニウム(AlN)からなるパイプ134と、が
交互に接続され、終端部のディスク133またはパイプ
134にさらにKBガラスから成るガラス管135が接
続されて、放電細管部136が構成されている。
【0004】この放電細管部136の端部のガラス管1
35には、陽極137および直熱含浸型陰極138を具
備した金属封入皿139、139′が接合され、さらに
金属封入皿139、139′の先端にはブリュースタ窓
140、140′がそれぞれ接続されてイオンレーザ管
が構成されている。
【0005】図4に、従来のイオンレーザ管に使用され
る直熱含浸型陰極の構成例(「従来例1」という)を示
す。図4(a)は、直熱含浸型陰極の上面図、図4
(b)は、直熱含浸型陰極の側面図、図4(c)は、図
4(a)の直熱含浸型陰極41の軸方向に平行な断面を
示す図をそれぞれ示している。また、図4(d)には、
不図示の支持体とリード線43、43′を介して接続さ
れる直熱含浸型陰極41の側面図が示されている。な
お、図4(a)から図4(c)に示す直熱含浸型陰極4
1は、両端部において陰極支持体48、48′が直接当
接してなる一体型の構成例を示している。
【0006】イオンレーザ管の陰極には中央部に放電ビ
ームが通るため、螺旋状(コイル状)の直熱含浸型陰極
41が用いられ、図4(c)に示すように、軸に垂直な
螺旋状含浸型陰極(「螺旋状陰極」ともいう)41の断
面44は各ターンの面積が互いに等しい形状とされてい
る。
【0007】イオンレーザ管の陰極はその動作温度が略
950℃b(℃bは黒体における輝度温度をあらわす)
から1200℃bの範囲とされ、陰極支持体48、4
8′(図4(b)参照)あるいは螺旋状含浸型陰極41
と不図示の陰極支持体とを接続するリード線43、4
3′(図4(d)参照)を介して、螺旋状陰極41を支
持すると共に、電圧を印加する直熱型の構成とされてい
る。なお、図4(d)を参照して、リード線43、4
3′の一端は螺旋状陰極41の両端部において例えばア
ーク溶接等で固定され、リード線43、43′は反対方
向の端部において不図示の支持体(図3の141、14
1′参照)にアーク溶接等で固定されている。また、図
4(d)においてリード線43、43′は一例として4
本の導線から構成されているが、これは螺旋状陰極41
からの放電電流等に依存して適宜可変される。
【0008】従って、螺旋状陰極41の中央部は、リー
ド線43、43′、及び陰極支持体48、48′からの
伝導熱損失の影響が小さいため、螺旋状陰極41の端部
に比べ、約50℃bから100℃b程度温度が高くな
る。
【0009】しかしながら、螺旋状陰極41全体から必
要とする電子放射量を得るため、レーザビーム発振開始
特には、螺旋状陰極41の端部の温度を所定動作温度に
上げることが必要とされ、螺旋状陰極41の中央部は所
定温度よりさらに50℃bから100℃b温度が高くな
る。
【0010】これにより、螺旋状陰極41の中央部にお
いてレーザビームが発振するが、この際、図3を参照し
て、陽極137側からはプラズマイオンが発生し、螺旋
状陰極138の陽極137側の端部に発生したイオンが
衝突することにより、螺旋状陰極138(図4の41に
対応)の陽極側端部も、所定温度よりさらに50℃bか
ら100℃b程度温度が高くなる。
【0011】このため、螺旋状陰極41の陽極側の端部
および中央部は電子放射物質の蒸発が著しく、電子放射
物質の消費が大となり、局部的に寿命が低下する。
【0012】また、螺旋状陰極41の陽極側の端部およ
び中央部からの電子放射物質の析出物がイオンガスレー
ザ管のミラーに付着し、イオンガスレーザ管の出力の低
下を生ずる原因となる。
【0013】そして、イオンレーザ管に用いられる陰極
の放電電流密度は通常1A/cm2から5A/cm2であ
り、40W以上の高出力のイオンレーザ管の場合、陰極
からの放電電流は50Aを超える。
【0014】このため、従来の10W程度のイオンレー
ザ管に比べ、陰極の表面積を大きくする必要があり、螺
旋状陰極のコイル数や、螺旋状陰極の外径を大きくする
ことにより放電電流を確保することが行われている。
【0015】そして、特開昭63−252488号公報
には、陰極螺旋の温度分布の均一化を図り、螺旋中央部
の最高温度を低下させ螺旋低温部の析出物による異常放
電をなくすことにより長寿命化を図るガスレーザを提供
することを目的として、螺旋の中央付近の断面積が大で
両端付近の断面積が小に形成された陰極の構成が提案さ
れている。
【0016】図5に、上記特開昭63−252488号
公報に提案される従来技術の構成(「従来例2」とい
う)を示す。図5において、51は螺旋状陰極、55は
螺旋状陰極中央、56、57は螺旋状陰極端部、58、
58′は陰極支持体をそれぞれ示している。
【0017】このガスレーザ管は、上記の如く、螺旋状
陰極51の断面積をその中央部付近で大、両端部付近で
小として、図5(B)からも明かなように、陰極51は
螺旋全体の外形が樽形となっている。そして、螺旋状陰
極51の抵抗を部分的に下げ、螺旋状陰極51の温度分
布を均一化し、陰極の長寿命化、異常放電を防止するも
のである。なお、図5(C)は上記公報に記載された変
形例を示している。
【0018】図6は、特開昭62−105340号公報
に記載された従来技術の構成(「従来例3」という)を
示す断面図である。同公報には、イオン発生装置の保守
時間を短縮し稼動率を向上させると共に容易にイオン発
生量のコントロールができるイオン発生装置を提供する
ことを目的として、図6に示すように、半導体製造時に
使用するイオン発生装置において、熱電子発生用のフィ
ラメント163を複数個設置し、それらを主・補助に分
け、それぞれのフィラメント電極164を介して電流値
調整、または抵抗値を変化させ、電子放出量、イオン発
生量を調整し、フィラメントのプラズマ衝突による消耗
を防止する構成が提案されている。
【0019】図7に、特開昭64−52257号公報に
記載された従来技術の構成(「従来例4」という)を示
す。同公報には、図7に示すように、二重螺旋状陰極7
6、77の陽極側の端部が短絡片79を介して電気的に
短絡され、反対方向の端部に陰極支持体78が取り付け
られ、陽極側温度分布を均一化して、スパッタを防止
し、安定放電状態とする構成が提案されている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、レー
ザ管の陰極はリード線への熱損失やレーザビーム発振時
のプラズマ衝撃により、加熱温度は均一とはならず、螺
旋状陰極の陽極側端部および中央部は所定温度より50
℃bから100℃b温度が高くなる。
【0021】このため、螺旋状陰極の陽極側端部および
中央部は電子放射物質の蒸発が著しく、電子放射物質の
消費が大となり、局部的に寿命が低下する。
【0022】また、螺旋状陰極の陽極側端部および中央
部からの電子放射物質の析出物がイオンガスレーザ管の
ミラーに付着し、出力の低下を生ずる原因となる。
【0023】さらに、40W以上の高出力のイオンレー
ザ管の場合、陰極からの放電電流は50Aを超える。こ
のため、従来の10W程度のイオンレーザ管に比べ、陰
極表面積を大きくする必要があり、螺旋状陰極のコイル
数や、螺旋状陰極外径を大きくすることにより所定の放
電電流を得ることができる。
【0024】しかしながら、螺旋状陰極のコイル数を増
加、あるいは螺旋状陰極外径を大きくした場合、前述し
た950℃bから1200℃bでの高温動作ではコイル
の自重により螺旋形状が変形し、螺旋状陰極の中心軸を
通過する放電ビームの経路を遮断する。
【0025】従来技術について図面を参照して詳細に検
討する。
【0026】上記従来例2として、図5(a)、図5
(b)に示した直熱含浸型陰極構体においては、螺旋状
陰極全体が樽形になっており、螺旋状陰極51の中央部
55付近の断面積が大に、螺旋状陰極の両端部56、5
7付近の断面積が小に形成されている。このため、螺旋
状陰極51の中央部55の抵抗を部分的に下げ、螺旋状
陰極51の温度分布を均一化し、陰極の長寿命化、異常
放電を防止するとしている。
【0027】しかしながら、上記従来例2の直熱含浸型
陰極構体においては、螺旋状陰極の端部56、57の断
面積が中央部55に比べて小さいため、機械強度は螺旋
状陰極端部56、57の方が中心部55に比べて弱く、
加熱動作時の応力が螺旋状陰極端部56、57に集中す
るため、変形をおこし、ついには放電ビームを遮断する
に至るという問題があった。
【0028】次に、上記従来例3として図6に示した半
導体製造時に使用するイオン発生装置においては、熱電
子発生用のフィラメントを複数個設置し、それらを主・
補助に分け、電流値調整、または抵抗値を変化し、電子
放出量、イオン発生量を調整し、フィラメントのプラズ
マ衝突による消耗を防止するとしている。
【0029】しかしながら、構造が複雑となり、電流値
調整および抵抗値のコントロールが容易ではない。ま
た、フィラメントを複数個設置するため、製造する際に
かかる工数が大となる。
【0030】最後に、上記従来例4として図7に示した
直熱含浸型陰極構体においては、陰極が二重螺旋状に形
成され、その陽極側端部が電気的に短絡され、他端に陰
極支持体が取り付けられた構造が示されているが、螺旋
76と螺旋77とを陽極側で短絡させた場合、陰極支持
部が螺旋状陰極の軸方向片側だけであるため、加熱動作
時の応力が陽極側端部に集中し、陽極側短絡箇所の破壊
もしくは変形をおこす可能性がある。また、動作時にお
いても、陽極側が局部的に加熱され、陰極の寿命が劣化
するという問題点を有している。
【0031】従って、本発明は、上記従来技術の問題点
を解消し、動作時における螺旋状陰極の局部的加熱を制
御し、安定に電子を放電し、寿命の向上を達成する直熱
含浸型陰極構体を提供することを目的とする。また、本
発明は、螺旋状陰極のターン数が多い陰極でも、加熱動
作時に応力が局部的に集中せず、螺旋形状の変形を防
ぎ、放電ビームの経路を確実に確保する直熱含浸型陰極
構体を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、放電路用貫通孔を軸方向に備えた略円筒
形状の細管部材と、該細管部材を内側に収納し、ガス帰
還路用の貫通路を軸方向に備えた円筒状部材が軸方向に
複数個接合されることにより放電路が形成され、該放電
路の両端に陽極と直熱含浸型陰極とを具備してなるイオ
ンレーザ管において、前記直熱含浸型陰極に、加熱用と
して、3箇所以上リード線を設けたことを特徴とする直
熱含浸型陰極構体を提供する。
【0033】本発明に係る直熱含浸型陰極構体において
は、好ましくは、高出力イオンレーザ管に使用する直熱
含浸型陰極に対し、カソード(陰極)を支持し、電圧を
印加するリード線を、螺旋状陰極の両端部と螺旋状陰極
の両端部以外の箇所にあわせて3箇所以上配置し、螺旋
状陰極の両端部とそれぞれ隣合うリード線の接点間に独
立した回路を設けている。
【0034】
【作用】上記構成のもと、本発明によれば、動作開始時
は、螺旋状陰極両端部より電圧を印加し、螺旋状陰極全
体を所定温度以上に加熱することにより放電ビームを発
振させることができる。また、本発明によれば、放電ビ
ームが発振し、安定した後は、螺旋状陰極両端部と両端
部以外のリード線のそれぞれ隣合う接点間に設けた、独
立した回路により、イオン衝突による局部的な温度上昇
を抑えるように印加電圧を制御することができる。
【0035】そして、本発明によれば、3箇所以上で陰
極を支持する構成としたことにより、陰極の変形を防
ぎ、放電ビームの経路を確実に確保することができる。
【0036】さらに、本発明によれば、螺旋状陰極の各
ターンの断面積が均一であることから、螺旋状陰極全体
にわたって機械的強度が均一であり、加熱動作時に応力
が局部的に集中することなく、安定に電子を放電し、寿
命を向上することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して以下に説明する。
【0038】
【実施形態1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係
る直熱含浸型陰極の構成を示す断面図である。ただし、
図中、陰極をイオンレーザ管に支持する支持体(陰極支
持体)は省略されている。
【0039】図1を参照して、本実施形態では、直熱含
浸型陰極1の両端2、2′において、電圧を印加し、直
熱含浸型陰極1を支持するためのリード線3、3′をそ
れぞれ接続し、さらに直熱含浸型陰極1の中央部に1箇
所リード線3″を接続する。リード線3、3′、3″は
直熱含浸型陰極1に接続される端部と反対方向の端部に
おいてそれぞれ不図示の支持体に例えばアーク溶接等で
取り付けられる。このような構成としたことにより、本
実施形態においては、直熱含浸型陰極1を、合計3箇所
から電圧を印加し、及び直熱含浸型陰極1を支持できる
ように構成されている。本実施形態において、螺旋状陰
極1の各ターンの断面積は略均一とされる。
【0040】次に、本実施形態に係る直熱含浸型陰極1
の製造方法について説明する。
【0041】先ず、タングステン粉末を圧縮形成した
後、還元雰囲気で焼結して得られた空孔率約18%から
21%の多孔質性タングステンに銅あるいはプラスティ
ックを含浸させ、螺旋内径11.7mm、螺旋外径1
4.0mm、ピッチ2.0mm、螺旋間間隔1.0m
m、ターン数9.5の螺旋形状に切削加工する。
【0042】その後、銅あるいはプラスティックを加熱
除去し、螺旋両端および中央部に直径0.6mmのモリ
ブデン製ワイヤー4本を1束として、ヘリウムあるいは
アルゴンの不活性雰囲気によるアーク溶接により螺旋状
陰極に固定する。
【0043】これを還元性雰囲気でBaO、CaO、A
23よりなる電子放射物質含浸溶融させ、直熱含浸型
陰極1を得る。
【0044】
【実施形態2】図2(A)は、本発明の第2の実施の形
態に係る直熱含浸型陰極(単に「陰極」ともいう)の構
成を示す上面図である。
【0045】図2(A)を参照して、本実施形態は、直
熱含浸型陰極21に少なくとも3箇所以上設けられたリ
ード線23、23′、23″を放電軸を中心とし、直熱
含浸型陰極21の長手方向(軸方向)に直交する端面か
らみて120°間隔で等分割した位置で支持体へ固定し
たものである。本実施形態においても、直熱含浸型陰極
21を側面からみた場合には、直熱含浸型陰極21の両
端部にリード線を接続すると共に陰極の両端部以外の例
えば中央部にリード線を接続し、あわせて3箇所配置さ
れている。
【0046】本実施形態においては、直熱含浸型陰極2
1に電圧を印加しこれを支持するためのリード線23、
23′、23″を120°間隔で等分割して配置したこ
とにより、直熱含浸型陰極21の変形を防ぎ、放電ビー
ムの経路を確実に確保することができる。
【0047】上記第1及び第2の実施形態では、陰極構
体の両端部以外の箇所に設置するリード線は1本とした
が、本発明は、陰極構体両端部以外の箇所にリード線を
2本以上設ける構成も含むことは勿論である。なお、陰
極構体の両端部以外に新たに配設されるリード線の数は
例えば陰極構体のターン数あるいは出力(パワー)等に
依存して可変される。
【0048】
【実施形態3】図2(B)を参照して、本発明の第3の
実施の形態を説明する。図2(B)は、前記第1及び第
2の実施形態の構成を電気回路で模式的に表わした図で
ある。
【0049】図2(B)において、26(a)と26
(b)は、直熱含浸型陰極構体に設けられたリード線の
うち、陰極構体両端部に設けられたリード線(例えば図
1のリード線3、3′)の接点を示し、29は、陰極構
体両端部以外の箇所に設けられたリード線(例えば図1
のリード線3″)の接点を示している。
【0050】また、直熱含浸型陰極構体の中間部接点2
9(a)、29(b)に対して、陽極(図3の137参
照)に直接対向する側である陰極端部26(a)と中間
部接点29(a)との間の陰極構体の抵抗すなわち26
(a)−29(a)間の抵抗をRa、反対方向の側の中
間部接点29(b)と陰極端部26(b)との間の陰極
構体の抵抗すなわち29(b)−26(b)間の抵抗を
Rbとする。
【0051】そして、陰極構体両端部26(a)−26
(b)間には可変電源EaとEbを直列形態に接続し、
陽極対向側には可変電源Eaが配置され、その反対側に
は可変電源Ebが配置されている。
【0052】さらに、可変電源EaとEbとの接続点
(中間点)29(c)と、抵抗RaとRbの接続点29
(a)、29(b)(中間部接点)間をスイッチSWを
介して接続している。
【0053】このような構成としたことにより、26
(a)−29(a)、及び29(b)−26(b)のそ
れぞれの接点間に独立した回路が設けられる構成として
いる(すなわち、それぞれの接点間を独立に制御するこ
とが可能とされる)。なお、図2(B)を参照して、接
点26(a)、26(b)には陰極構体端部にそれぞれ
接続される2箇所のリード線の端部が接続され(図1参
照)、陰極構体両端部以外の例えば中央部に設けられる
リード線の陰極構体との接続点は便宜上接点29
(a)、29(b)で表わし、該リード線の他端はスイ
ッチSWを介して可変電源EaとEbとの接続点である
29(c)に接続されている。
【0054】図2(B)を参照して、本実施形態の動作
を以下に説明する。
【0055】動作開始時には、スイッチSWが開放状態
とされ、陰極構体両端部の接点26(a)と26(b)
との間に可変電源EaとEbとを直列形態に接続してな
る電源から初期値設定電圧を印加し、放電ビームを発振
させる。
【0056】次に、発振した放電ビームの一部が熱エネ
ルギーとして、レーザ管自体を加熱し、レーザ管全体が
飽和温度に達する約15分後に、スイッチSWを閉成
し、陰極構体の陽極側端部接点26(a)と陰極構体の
両端部以外の箇所に設けられたリード線の接点29
(a)間の可変電源Eaを調整し、その印加電圧を初期
値より低下させる。
【0057】また、反対側の可変電源Ebは初期値のま
ま、あるいは必要に応じて初期値より低下させる。
【0058】これにより、陽極側からのイオン衝撃によ
る、陰極構体の局部的な温度上昇を抑えるように制御す
ることができる。
【0059】上記実施形態では陰極構体両端部以外の箇
所に設置するリード線は1本としたが、2本以上であっ
ても本発明に含まれることはいうまでもない。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
直熱含浸型陰極に螺旋両端部および螺旋両端部以外の箇
所にリード線を設置することにより、動作時における螺
旋状陰極の局部的加熱を制御することで、安定に放電
し、寿命の大幅な向上を達成するという効果を有する。
【0061】さらに、本発明によれば、螺旋状陰極の各
ターンの断面積が均一であることから、螺旋状陰極全体
にわたって機械的強度が均一であり、しかも直熱含浸型
陰極に螺旋両端部および螺旋両端部以外の箇所にリード
線を設置し、3箇所以上で陰極を保持するため、螺旋状
陰極のターン数が多い陰極でも、加熱動作時に応力が局
部的に集中せず、螺旋形状の変形を防ぎ、放電ビームの
経路を確実に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示す側面図
である。
【図2】(A)本発明の第2の実施の形態の構成を説明
するための端面図である。 (B)本発明の第1、第2の実施の形態の構成を模式的
に示した電気回路図である。
【図3】イオンレーザ管の構成を説明するための断面図
である。
【図4】(a)従来の直熱含浸型陰極の上面図である。 (b)従来の直熱含浸型陰極の側面図である。 (c)従来の直熱含浸型陰極の断面図である。 (d)従来の直熱含浸型陰極の側面図である。
【図5】(A)特開昭63−252488号公報に記載
の従来の含浸型陰極の構成を説明するための側面図であ
る。 (B)上記公報に記載の従来の含浸型陰極の構成を説明
するための断面図である。 (C)上記公報に記載の従来の含浸型陰極の構成を説明
するための断面図である。
【図6】特開昭62−105340号公報に記載の従来
のイオン発生装置の断面図である。
【図7】(A)特開昭64−52257号公報に記載の
従来の含浸型陰極の上面図である。 (B)上記公報に記載の従来の含浸型陰極の側面図であ
る。
【符号の説明】
1、21、41、51、76、77、138 含浸型陰
極 2、2′、22、56、57 螺旋状陰極端部 3、23、43 リード線 26 陰極構体両端部接点 29 陰極構体両端部以外の接点 44 陰極断面 48、58、78 陰極支持体 55 螺旋状陰極中央部 79 短絡片 131 中央細管口 132 ガスリターン路 133 ディスク 134 パイプ 135 ガラス管 136 放電細管部 137 陽極 139、139′ 封入皿 140 ブリュースタ窓 161 ガス導入管 162 ガス導入口 163 フィラメント 164 フィラメント電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/038 H01J 1/15 H01J 27/08 H01J 37/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電路用貫通孔を軸方向に備えた略円筒形
    状の細管部材と、該細管部材を内側に収納し、ガス帰還
    路用の貫通路を軸方向に備えた円筒状部材が軸方向に複
    数個接合されることにより放電路が形成され、該放電路
    の両端に陽極と直熱含浸型陰極とを具備してなるイオン
    レーザ管において、 前記直熱含浸型陰極に、加熱用として、3箇所以上リー
    ド線を設けたことを特徴とする直熱含浸型陰極構体。
  2. 【請求項2】前記直熱含浸型陰極の両端部に一端がそれ
    ぞれ接続された第1及び第2のリード線と、前記直熱含
    浸型陰極にその両端部の間において一端が接続された第
    3のリード線と、を少なくとも含むことを特徴とする請
    求項1記載の直熱含浸型陰極構体。
  3. 【請求項3】前記第3のリード線が前記直熱含浸型陰極
    の長手方向の略中央部に接続されたことを特徴とする請
    求項2記載の直熱含浸型陰極構体。
  4. 【請求項4】前記3箇所以上設けられたリード線が放電
    軸を中心とし、直熱含浸型陰極構体の長手方向に直交す
    る端面からみて120°等分割の位置で支持体へ固定さ
    れてなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一
    に記載の直熱含浸型陰極構体。
  5. 【請求項5】前記3箇所以上設けられたリード線のう
    ち、陰極構体両端部に設けられたリード線と、陰極構体
    両端部以外の箇所に設けられたリード線を接点とし、陰
    極構体両端部と該端部にそれぞれ隣合う接点との間に互
    いに独立した回路を設ける構成とし、 動作開始時は、前記陰極構体両端部より所定の電圧を印
    加し、 放電ビームが発振した後は、それぞれの回路で印加電圧
    を制御することを特徴とする請求項1記載の直熱含浸型
    陰極構体。
  6. 【請求項6】放電路用貫通孔を軸方向に備えた略円筒形
    状の細管部材と、該細管部材を内側に収納し、ガス帰還
    路用の貫通路を軸方向に備えた円筒状部材が軸方向に複
    数個接合されることにより放電路が形成され、該放電路
    の両端に陽極と直熱含浸型陰極とを具備してなるイオン
    レーザ管において、 一端が陰極構体の両端部にそれぞれ接続された第1及び
    第2のリード線の他端に一側端子がそれぞれ電気的に接
    続されると共に、他側端子が互いに電気的に接続されて
    なる第1及び第2の電源を備え、 前記陰極構体の両端部の間に一端が接続された第3のリ
    ード線を少なくとも備え、且つ前記第3のリード線はス
    イッチを介して前記第1及び第2の電源の接続点との電
    気的接続が制御され、 動作開始時には、前記スイッチが開放状態とされて、直
    列形態に接続された前記第1及び第2の電源から前記陰
    極構体の両端部に所定の初期電圧が印加され、 放電ビームが発振した後は、前記スイッチが閉成され
    て、前記陰極構体の陽極側端部と前記第3のリード線と
    の接続点との間、及び/又は、前記陰極構体の他側端部
    と前記第3のリード線との接続点との間の印加電圧を個
    別に制御するようにしたことを特徴とする直熱含浸型陰
    極構体。
  7. 【請求項7】前記第1の電源及び/又は第2の電源が、
    出力電圧が可変に制御可能な電圧源から構成されたこと
    を特徴とする請求項6記載の直熱含浸型陰極構体。
  8. 【請求項8】前記直熱含浸型陰極の各ターンの断面積を
    略均一としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    一に記載の直熱含浸型陰極構体。
JP28674495A 1995-10-06 1995-10-06 直熱含浸型陰極構体 Expired - Lifetime JP2822959B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28674495A JP2822959B2 (ja) 1995-10-06 1995-10-06 直熱含浸型陰極構体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28674495A JP2822959B2 (ja) 1995-10-06 1995-10-06 直熱含浸型陰極構体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09102640A JPH09102640A (ja) 1997-04-15
JP2822959B2 true JP2822959B2 (ja) 1998-11-11

Family

ID=17708473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28674495A Expired - Lifetime JP2822959B2 (ja) 1995-10-06 1995-10-06 直熱含浸型陰極構体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2822959B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112013007238T5 (de) * 2013-07-09 2016-04-28 Shimadzu Corporation Röntgenstrahlröhrenanordnung und Verfahren zum Anpassen einesGlühkörpers

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09102640A (ja) 1997-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7429826B2 (en) Indirectly heated electrode for gas discharge tube, gas discharge tube using said indirectly heated electrode, and lighting device for said gas discharge tube
JP2822959B2 (ja) 直熱含浸型陰極構体
US2508114A (en) Tantalum electrode for electric discharge devices
JP3987436B2 (ja) ガス放電管用傍熱型電極
JPH08273622A (ja) アーク放電ランプ用陰極
JP3999663B2 (ja) ガス放電管用直熱型電極及びガス放電管
JPH0696679A (ja) M型電子管用陰極
JP4420422B2 (ja) 放電管用電極
US2110601A (en) Electrode for vapor discharge lamps
JPS6027140B2 (ja) モジュラ−電子管
US3163793A (en) Electron discharge device having a stand-by cathode
US20070159100A1 (en) Electrode for a high-pressure discharge lamp
JP4054017B2 (ja) ガス放電管
JP2005071816A (ja) 光源装置
JPH10172482A (ja) 全周照射型x線管
JP2003068247A (ja) ガス放電管及び光源装置
JP3211643B2 (ja) 放電ランプ用電極
JPH06295693A (ja) イオン源装置
JPH01320747A (ja) X線管
US3193718A (en) Gas diode having auxiliary cathode for fault currents
JP2004014467A (ja) ガス放電管
JP4227364B2 (ja) ガス放電管及びガス放電管装置
JP2004014464A (ja) ガス放電管の駆動方法
JP2004014468A (ja) ガス放電管の駆動方法
JPH0680244U (ja) 陰極構体

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980804