JP2003068247A - ガス放電管及び光源装置 - Google Patents

ガス放電管及び光源装置

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JP2003068247A
JP2003068247A JP2001256597A JP2001256597A JP2003068247A JP 2003068247 A JP2003068247 A JP 2003068247A JP 2001256597 A JP2001256597 A JP 2001256597A JP 2001256597 A JP2001256597 A JP 2001256597A JP 2003068247 A JP2003068247 A JP 2003068247A
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discharge
cathode
discharge path
sub
path limiting
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JP2001256597A
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English (en)
Inventor
Koji Kawai
浩司 河合
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Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B20/00Energy efficient lighting technologies, e.g. halogen lamps or gas discharge lamps

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アーク放電による発光が高輝度化されるとと
もに、始動性や寿命などについての良好な特性が保持さ
れるガス放電管、及び光源装置を提供する。 【解決手段】 重水素ガスが封入された密封容器2内
に、熱電子を発生させる主陰極部20、及び主陰極部2
0からの熱電子を受容する陽極板8を設け、主陰極部2
0と陽極板8との間で、発光のためのアーク放電の放電
路を形成する。そして、この放電路上に、放電路を狭窄
する放電路制限部16とともに、副陰極板12を設置す
る。副陰極板12は、放電路上のアークボール等を熱源
として加熱されて、放電に寄与する電子を補助的に供給
する。これにより、アーク放電による発光が高輝度化さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分光光度計や液体
クロマトグラフィーなどの紫外線光源等として用いられ
るガス放電管、及びそれを用いた光源装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ガス放電管は、ガスを封入した密封容器
内において、陰極と陽極との間に発生させたアーク放電
によって発光する放電光源である。ガス放電管として
は、例えば、密封容器内に重水素ガスを封入し、アーク
放電によって紫外光を発する重水素放電管などが用いら
れる。
【0003】このようなガス放電管では、その陰極と陽
極との間の放電路上に、放電路を狭窄するための放電路
制限部(アパーチャ)を配置する場合がある。すなわ
ち、陰極と陽極との間に開口を有する金属製などの板状
部材を放電路制限部として設け、その開口によって放電
路を狭窄する。このように、放電路を狭窄することによ
り、高輝度の光を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】重水素放電管などのガ
ス放電管においては、出射される光(例えば紫外光)の
さらなる高輝度化が望まれている。ガス放電管での発光
を高輝度化するには、上記のように陰極と陽極との間に
放電路制限部を設けた構成において、放電路を狭窄して
いる放電路制限部の開口を小さくする方法がある。しか
しながら、このように放電路制限部の開口を小さくする
と、放電管での発光を開始する際にアーク放電が始動し
にくくなり、始動電圧を著しく高くしなくてはならない
という問題がある。
【0005】また、陰極と陽極との間でのアーク放電の
放電電流を増加させることによって、発光を高輝度化す
る方法がある。しかしながら、このように放電電流を単
に増加させると、ガスを封入した密封容器内の各部の劣
化が速くなり、放電管の寿命が短くなるなどの問題があ
る。また、放電電流によって密封容器の外壁の温度が上
昇し、例えば分光光度計に用いた場合に装置全体の動作
に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0006】本発明は、以上の問題点を解決するために
なされたものであり、アーク放電による発光が高輝度化
されるとともに、始動性や寿命などについての良好な特
性が保持されるガス放電管、及び光源装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明によるガス放電管は、所定のガスが封
入された密封容器内で放電を発生させることにより、密
封容器の光出射窓から放電によって発光された光を放射
するガス放電管であって、(1)放電に寄与する電子を
供給する主陰極部と、(2)電子を受容して、主陰極部
との間で放電を発生させる陽極部と、(3)主陰極部及
び陽極部の間の放電路上に配置されて、放電路を狭窄す
る開口を有する放電路制限部と、(4)放電路上に配置
されて、放電に寄与する電子を補助的に供給する副陰極
部とを備えることを特徴とする。
【0008】上記したガス放電管においては、主陰極部
と陽極部との間の放電路上に放電路を狭窄するための放
電路制限部を配置するとともに、その放電路上にさら
に、電子を補助的に供給する副陰極部を設けている。こ
のとき、副陰極部は、放電路上に配置されていることに
よって加熱されるので、これにより、副陰極部から補助
的な電子が充分に供給されて、放電管での発光が高輝度
化される。
【0009】このような構成によれば、放電路制限部の
開口を過度に小さくすることなく、放電路制限部による
放電路の狭窄の効果と、副陰極部からの電子の補助的な
供給の効果とを合わせることによって、発光を効率的に
高輝度化することができる。また、主陰極部と陽極部と
の間でのアーク放電の放電電流を過度に増加させること
なく、副陰極部から補助的に放電電流を増加させて、発
光を効率的に高輝度化することができる。以上により、
アーク放電による発光が高輝度化されるとともに、その
始動性や寿命などについての良好な特性が保持されるガ
ス放電管が実現される。
【0010】放電路上での副陰極部の配置構成として
は、副陰極部を、放電路制限部と陽極部との間に配置す
る構成がある。あるいは、副陰極部を、主陰極部と放電
路制限部との間に配置する構成がある。このように、放
電路制限部に対して陽極部側または主陰極部側のいずれ
に副陰極部を配置した場合においても、同様に、発光の
高輝度化を実現することができる。
【0011】また、上記以外にも、様々な構成を用いる
ことができる。そのような構成としては、例えば、放電
路制限部として、主陰極部側から順に第1放電路制限部
と第2放電路制限部とが設けられ、副陰極部が、第1放
電路制限部と第2放電路制限部との間に配置されている
構成がある。あるいは、副陰極部を複数個設置するな
ど、それ以外の構成としても良い。
【0012】また、副陰極部は、易電子放射物質を含む
ことを特徴とする。これにより、アーク放電に寄与する
電子を、副陰極部から補助的かつ効果的に供給すること
ができる。易電子放射物質としては、例えば、バリウ
ム、ストロンチウム、カルシウムの単体または混合物、
希土類金属の単体または混合物、トリウム、あるいはそ
れらを組合せて用いるのが好適である。
【0013】また、本発明による光源装置は、(a)上
記したガス放電管と、(b)陽極部及び主陰極部の間に
設置された主電源と、(c)陽極部及び副陰極部の間に
設置された副電源とを備えることを特徴とする。
【0014】このように、主電源及び副電源の2つの電
源を設置することによって、陽極部と主陰極部との間、
及び陽極部と副陰極部との間にそれぞれ電圧を印加する
ことができる。これにより、放電に寄与する電子を主陰
極部及び副陰極部それぞれから好適に供給させることが
できる。また、副陰極部に印加する電圧を主陰極部とは
独立に制御できるので、発光の輝度を調整することも可
能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面とともに本発明による
ガス放電管及び光源装置の好適な実施形態について詳細
に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には
同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面
の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0016】図1及び図2は、本発明によるガス放電管
の第1実施形態の構成を示す断面図である。
【0017】本実施形態のガス放電管1はヘッドオン型
の重水素放電管であり、好ましくはガラス製の密封容器
2と、密封容器2内に収容された発光部組立体6とを有
している。密封容器2内には、放電用のガスとして所定
圧力(例えば数百Pa程度)の重水素ガスが封入されて
いる。
【0018】密封容器2は、円筒状の側管3と、側管3
の一方の端部を封止するとともに光を外部へと出射する
光出射窓4と、側管3の他方の端部を封止するステム5
とからなる。以下においては、説明の便宜のため管軸G
方向を放電管1の上下方向とし、図1及び図2に示すよ
うに、光出射窓4側を上、ステム5側を下としてその構
成を説明する。
【0019】発光部組立体6には、ステム5側から上方
に向けて、それぞれ円板状に形成された3個の電気絶縁
部7、10、及び14が設けられている。これらの電気
絶縁部7、10、及び14は、好ましくは電気絶縁性の
セラミックスからなり、各電極等を支持する支持部とし
て機能する。
【0020】第1支持部である電気絶縁部7上には、陽
極部となる陽極板8が設置されている。図3は、図1に
示したガス放電管における陽極部の要部拡大断面図であ
る。陽極板8は、円形の本体部8aと、本体部8aから
延びた2本のリード部8bとからなる。本体部8aは、
第1支持部7から所定の距離だけ離間するように配置さ
れている。リード部8bは、第1支持部7上に固定さ
れ、これによって、陽極部として機能する本体部8aを
上記位置に保持している。また、このリード部8bは、
放電管1の管軸G方向に延びるようにステム5に立設さ
れた陽極用ステムピン9Aの先端部分に電気的に接続さ
れている。
【0021】第1支持部7の上方には、第2支持部であ
る電気絶縁部10が設置されている。この第2支持部1
0は、第1支持部7と同径の円板状に形成され、第1支
持部7上に重ねるようにして載置されている。
【0022】図4は、図1に示したガス放電管のI−I
矢印断面図であり、第2支持部10の断面及び陽極板8
等を示している。図4に示すように、第2支持部10の
中央には、円形の放電開口11が、陽極板8の本体部8
aが覗き出るように形成されている。
【0023】第2支持部10上には、副陰極板12が設
置されている。副陰極板12は、第2支持部10の上面
に当接して設置されている。これにより、陽極板8の本
体部8aと副陰極板12とが対面している。この副陰極
板12は、円形状の金属材料からなり好ましくは易電子
放射物質を含んで形成され、放電管1での発光のための
放電に寄与する電子を補助的に供給する副陰極部として
機能する。易電子放射物質としては、例えば、バリウ
ム、ストロンチウム、カルシウムの単体または混合物、
希土類金属の単体または混合物、トリウム等が挙げら
れ、これらの易電子放射物質は、金属材料に例えば含浸
または塗布等の処理がされる。
【0024】図5は、図1に示したガス放電管における
副陰極部を示す平面図である。図5に示すように、副陰
極板12の中央には、陰極部(主陰極部、後述)と陽極
板8との間の放電路を狭窄するための開口13が形成さ
れている。これにより、本実施形態での副陰極板12
は、放電路制限部(第2放電路制限部)としても機能し
ている。また、副陰極板12には2本のリード部12a
が設けられ、各リード部12aは、ステム5に立設され
た副陰極用ステムピン9Bの先端部分に電気的に接続さ
れている。
【0025】第2支持部10の上方には、第3支持部で
ある電気絶縁部14が設置されている。この第3支持部
14は、第2支持部10と同径の円板状に形成され、第
2支持部10上に重ねるようにして載置されている。
【0026】図6は、図1に示したガス放電管における
放電路制限部の要部拡大断面図である。図6に示すよう
に、第3支持部14の中央には装填口17が形成されて
いる。この装填口17内には、放電路制限部(第1放電
路制限部)16が装填されている。放電路制限部16
は、好ましくは、例えばモリブデン、タングステン、あ
るいはこれらの合金などの導電性の金属からなる。
【0027】放電路制限部16の中央には、図6に示す
ように、主陰極部と陽極板8との間の放電路を狭窄させ
るための開口18が形成されている。この放電路制限部
16における開口18は、副陰極板12における開口1
3と同一の管軸G上に位置し、また、開口13よりも大
径の円形状に形成されている。
【0028】放電路制限部16の開口18は、管軸G方
向に延在して良好なアークボールを作り出すためのロー
ト状の部分であるロート部18aを有する。ロート部1
8aは、光出射窓4側から陽極板8側に向けて内径が小
さくなっていくように形成されている。これにより、主
陰極部と陽極板8との間の放電路は、放電路制限部とし
ても機能している副陰極板12の開口13と、放電路制
限部16の開口18との協働によって狭窄される。
【0029】第3支持部14の上面には、導電板19が
当接配置されている。この導電板19には、放電路制限
部16の装填が可能なように、第3支持部14の装填口
17に略合致された開口19aが形成されている。
【0030】図7は、図1に示したガス放電管のII−II
矢印断面図であり、第3支持部14、導電板19、及び
放電路制限部16等を示している。図7に示すように、
導電板19には、2本のリード部19bが設けられてお
り、各リード部19bは、ステム5に立設された放電路
制限部用ステムピン9Cの先端部分に電気的に接続され
ている。そして、導電板19には、放電路制限部16に
設けられたフランジ部16aを当接配置させ、導電板1
9にフランジ部16aを溶接して、導電板19と放電路
制限部16とを一体化している。
【0031】ここで、放電路制限部16と副陰極板12
とは、両者を電気的に絶縁するために、空間部Sによっ
て離間されている。さらに、この絶縁を確実にするため
に、放電路制限部16と第3支持部14とが離間されて
いる。これは、放電管1の動作中において、放電路制限
部16及び副陰極板12が高温になると、スパッタ物及
び蒸発物が放電路制限部16及び副陰極板12から発生
するが、このときの金属蒸発物を、装填口17の壁面に
積極的に付着させるためのものである。すなわち、放電
路制限部16と第3支持部14とを離間させることで、
金属蒸発物の付着面積を増大させ、これによって、放電
路制限部16と副陰極板12との短絡を確実に防止して
いる。
【0032】また、ロート部18aの壁面をミラー面に
加工しておくことが好ましい。この場合、ロート部18
aの壁面は、タングステン、モリブデン、パラジウム、
ニッケル、チタン、金、銀、または白金などの素材単
体、あるいは合金に研磨加工することによって鏡面に仕
上げてもよく、または、上記素材単体、合金、あるいは
セラミックを母材として、メッキ処理、蒸着処理などに
より上記素材にコーティングを施して鏡面仕上げにして
もよい。これによって、アークボールによる発光をロー
ト部18aの鏡面で反射させて、光出射窓4に向けて光
を集光させることができ、放電管1から出射される光の
輝度を向上させることができる。
【0033】図8は、図1に示したガス放電管のIII−I
II矢印断面図である。図8に示すように、第3支持部1
4の上方には、その光出射窓4側で放電管1から出射さ
れる光の光路から外れた位置に、主陰極部20が設置さ
れている。この主陰極部20の両端は、ステム5に立接
されるとともに各支持部7、10、14を貫通された主
陰極用ステムピン9Dの先端部分に電気的に接続されて
いる。この主陰極部20は、具体的には例えば、光出射
窓4に対して平行に延在するタングステン製のコイル部
20aを有して構成され、放電管1での発光のための放
電に寄与する電子として、熱電子を発生する。
【0034】主陰極部20は、キャップ状で好ましくは
金属製のフロントカバー21内に収容されている。この
フロントカバー21には、爪片21aが設けられてお
り、図1に示すように、この爪片21aを第3支持部1
4に設けられたスリット孔23内に差し込んだ後に折り
曲げることで、フロントカバー21が第3支持部14に
固定される。また、フロントカバー21には、光出射窓
4に対面する部分に円形の光通過口21bが形成されて
いる。
【0035】また、フロントカバー21内において、主
陰極部20と放電路制限部16との間には、放電管1か
ら出射される光の光路から外れた位置に、放電整流板2
2が設置されている。この放電整流板22には、脚片2
2bが設けられており、図7に示すように、この脚片2
2bを第3支持部14の上面に載置させて脚片22bか
ら第3支持部14に向けてリベット24を打ち込むこと
で、放電整流板22が第3支持部14に固定される。ま
た、放電整流板22には、熱電子を通過させるための矩
形の開口として、電子放出窓22aが形成されている。
【0036】このように、フロントカバー21と放電整
流板22とで主陰極部20を包囲することによって、放
電管1内における放電等を制御するとともに、主陰極部
20から放出されるスパッタ物あるいは蒸発物を光出射
窓4に付着させないようにしている。
【0037】以上によって、密封容器2内に設けられる
発光部組立体6が構成されている。また、密封容器2に
は、密封容器2内を重水素ガスで満たす必要性から、そ
のステム5の中央にガラス製の排気管26が一体形成さ
れている。この排気管26は、放電管1を組み立てる最
終工程において、密封容器2内の空気を一旦抜き、所定
の圧力で重水素ガスを適切に充填させた後に融着によっ
て封止されるものである。なお、ガス放電管1の他の例
としては、ヘリウム、ネオン等の希ガスを封入する場合
もある。
【0038】さらに、図1〜図3に示すように、ステム
5に立設された8本のステムピン9A〜9Dは、密封容
器2内においてステム5と第1支持部7との間で露出し
ないように、好ましくはセラミックス製の電気絶縁チュ
ーブ27A〜27Dによって包囲されている。これによ
り、ステムピン9A〜9D間での放電の発生が防止され
る。
【0039】チューブ27A〜27Dのうち、チューブ
27A、27B、27Cの先端は、第1支持部7を下か
ら支持するように下面側から差し込まれている。また、
チューブ27Dの先端は、第3支持部14を下から支持
するように下面側から差し込まれている。これにより、
支持部7、10、14を含む発光部組立体6は、各チュ
ーブ27A〜27Dによっても保持されている。
【0040】本実施形態のガス放電管1における電極等
の配置、及び放電管1内での放電路についてまとめる
と、以下のようになる。まず、熱電子を発生させる主陰
極部20と、主陰極部20からの熱電子を受容する陽極
板8との間で、発光に必要なアーク放電の放電路が形成
される。そして、この放電路上に、主陰極部20側から
順に、放電路を狭窄する放電路制限部16と、放電に寄
与する電子を補助的に供給するとともに放電路を狭窄す
る副陰極板12とが配置されている。
【0041】本実施形態によるガス放電管1において
は、主陰極部20と陽極板8との間の放電路上に放電路
を狭窄するための放電路制限部16を配置するととも
に、その放電路上で放電路制限部16及び陽極板8の間
に、さらに、電子を補助的に供給する副陰極板12を設
けている。そして、これにより、放電管1での発光の高
輝度化を図っている。
【0042】このような構成によれば、放電路制限部1
6の開口18を過度に小さくすることなく、放電路制限
部16による放電路の狭窄の効果と、副陰極板12から
の電子の補助的な供給の効果とを合わせることによっ
て、発光を効率的に高輝度化することができる。また、
主陰極部20と陽極板8との間でのアーク放電の放電電
流を過度に増加させることなく、副陰極板12から補助
的に放電電流を増加させて、発光を効率的に高輝度化す
ることができる。以上により、アーク放電による発光が
高輝度化されるとともに、その始動性や寿命などについ
ての良好な特性が保持されるガス放電管が実現される。
【0043】また、本実施形態においては、副陰極板1
2が放電路制限部としても機能している。これにより、
放電路制限部16と協働して、主陰極部20と陽極板8
との間の放電路を効果的に狭窄することができる。ま
た、陽極板8側の副陰極板12の開口13を放電路制限
部16の開口18よりも小さい開口面積とすることによ
り、開口面積が段階的に絞られることとなるので、始動
性などの特性が良好に保持される。ただし、この開口面
積については、開口13を開口18と略同一またはそれ
よりも大きい開口面積としても良い。
【0044】また、電子を補助的に供給するための副陰
極板12は、バリウムなどの易電子放射物質を含んで形
成されている。これにより、アーク放電に寄与する電子
を、副陰極板12から補助的かつ効果的に供給すること
ができる。
【0045】ここで、主陰極部20及び副陰極板12か
らの電子の供給について説明しておく。陰極からの電子
放出による放電の形態は、主に、熱電子放出と電界放出
とに分けられる。このうち、熱電子放出では、金属の温
度が上昇することによって金属の伝導帯内にある電子ガ
スの熱運動エネルギーが増加する。そして、この熱運動
エネルギーの増加により、電子がポテンシャル障壁を超
えて放出される。一方、電界放出では、金属表面に強い
外部電界が印加されることによって、ポテンシャルエネ
ルギー曲線が湾曲してポテンシャル障壁が低くなる。そ
して、このポテンシャル障壁が低くなることにより、電
子がトンネル効果によって放出される。
【0046】ガス放電管1での主な電子供給源となる主
陰極部20では、通常、ヒータ回路などの加熱手段が接
続される。これにより、主陰極部20はヒータ回路によ
って加熱され、熱電子放出によって放電に寄与する電子
を供給する。
【0047】これに対して、本実施形態のガス放電管1
に設けられた副陰極板12では、主陰極部20と陽極板
8との間の放電路上に副陰極板12を配置することによ
り、ヒータ回路等を設けることなく、補助的な電子を充
分に供給することが可能となっている。
【0048】すなわち、ガス放電管1においては、主陰
極部20と陽極板8との間での放電路形成に伴って、放
電路上にアーク放電のアークボールが発生する。そし
て、このアークボールが熱源となって、ヒータ回路によ
らずに副陰極板12が加熱される。これにより、加熱さ
れた副陰極板12から熱電子放出によって電子が供給さ
れる。また、副陰極板12からの電子は、電界放出によ
っても供給され、熱電子と合わせて、放電に寄与する補
助的な電子が充分に供給される。
【0049】なお、主陰極部20からの電子について
は、上述したように、通常はヒータ回路を用いた熱電子
放出によって電子を供給する。ただし、密封容器2内に
封入するガスが高圧力である場合などには、ヒータ回路
などの加熱手段を設けずに電子の供給を行うことも可能
である。
【0050】図9は、本発明による光源装置の第1実施
形態の構成を示す模式図である。本実施形態の光源装置
Lにおいては、光を放射するガス放電管として、図1に
示したガス放電管1が用いられている。なお、図9にお
いては、ガス放電管1を主陰極部20、放電路制限部1
6、副陰極板12、及び陽極板8によって模式的に示
し、他の構成要素については図示を省略している。
【0051】光源装置Lは、図9に示すように、ガス放
電管1及びその駆動回路を含んで構成されている。主陰
極部20のコイル部20aの両端は、それぞれ端子C
1、C2を介して駆動回路へと接続されている。また、
陽極板8は、端子C3を介して駆動回路へと接続されて
いる。また、副陰極板12は、端子C4を介して駆動回
路へと接続されている。
【0052】主陰極部20の端子C1と、陽極板8の端
子C3との間には、主陰極部20から電子を放出させる
ための主電源P1が設けられている。また、副陰極板1
2の端子C4と、陽極板8の端子C3との間には、副陰
極板12から電子を補助的に放出させるための副電源P
2が設けられている。さらに、主陰極部20の両端の端
子C1、C2の間には、主陰極部20を加熱する加熱手
段であるヒータ電源P3が設けられている。また、ガス
放電管1でのアーク放電を始動して発光を開始するた
め、トリガ電源P4、コンデンサA、及びスイッチBが
設けられている。
【0053】以上の構成を有する光源装置Lの動作例に
ついて説明する。なお、以下に示す電圧値などの具体的
な動作条件は、その一例を示すものであり、それらの各
動作条件については、電極等の形状や配置、必要な光量
などに応じて、適宜設定することができる。
【0054】まず、ヒータ電源P3により、端子C1、
C2の間に10W程度の電力を供給して、主陰極部20
を加熱する。また、ガス放電管1の始動用のトリガ電源
P4により、コンデンサAを充電する。その後、主電源
P1により、主陰極部20の端子C1と陽極板8の端子
C3との間に160V程度の電圧を印加して、アーク放
電の準備を整える。
【0055】続いて、主陰極部20が充分に加熱された
タイミングを見計らって、スイッチBを切り換えてコン
デンサAからの給電を行い、端子C1、C3の間に35
0V程度の電圧を印加する。すると、主陰極部20と副
陰極板12との間、及び主陰極部20と陽極板8との間
等に放電が順次発生して、放電管1でのアーク放電が始
動される。
【0056】このような始動放電が発生すると、主陰極
部20と陽極板8との間の放電路上でアーク放電が維持
され、また、放電路制限部16の開口18内、副陰極板
12の開口13内等でアークボールが発生する。そし
て、このアークボールから取り出される紫外光は、極め
て輝度の高い光として光出射窓4を介して外部に放射さ
れる。また、このとき、発生したアークボール等を熱源
として、副陰極板12が加熱される。
【0057】さらに、このように主陰極部20と陽極板
8との間で放電を始動した後、副陰極板12が充分に加
熱されたタイミングを見計らって、副陰極板12の端子
C4と陽極板8の端子C3との間に10〜100V程度
の電圧を印加する。なお、この電圧は副陰極板と陽極と
の間の距離により適宜決定する。これにより、副陰極板
12から放電に寄与する電子が補助的に供給されて、ア
ークボールからの発光がさらに高輝度化される。
【0058】なお、アーク放電始動後で放電管1の発光
動作中においては、副陰極板12の端子C4と陽極板8
の端子C3との間に印加する上記電圧を調整することに
よって、放電管1での発光の輝度を調整することができ
る。すなわち、図9に示した駆動回路は、ガス放電管1
に対する光量調整回路としても機能する。また、必要と
される光量が小さい場合には、副電源P2による副陰極
板12への電圧の印加を停止し、主陰極部20のみによ
って放電及び発光を継続しても良い。
【0059】また、放電路制限部16については、図9
においては駆動回路とは接続しない構成となっている。
ただし、必要があれば、この放電路制限部16について
も駆動回路に接続する構成としても良い。また、副陰極
板12への副電源P2の接続については、スイッチによ
って接続のON/OFFを切り換えるなどの構成を付加
しても良い。
【0060】図10は、ガス放電管の第2実施形態の構
成を示す断面図である。なお、この図は、第1実施形態
について図2に示された断面図に対応した断面図であ
る。
【0061】本実施形態のガス放電管1Aはヘッドオン
型の重水素放電管であり、図1に示した第1実施形態の
ガス放電管1とほぼ同様の構成を有するが、第2支持部
10が無く第3支持部14が第1支持部7上に載置され
ている点が異なる。また、各電極等については、主陰極
部(図示していない)及び陽極板8は第1実施形態と同
様であるが、主陰極部と陽極板8との間の放電路上に
は、放電路制限部16及び副陰極板12に代えて、副陰
極板12A及び放電路制限部16Aが配置されている。
【0062】放電路制限部16Aは、第3支持部14の
装填口内の所定位置に、その内壁に埋め込まれるように
設置されている。放電路制限部16Aは、好ましくは、
例えばモリブデン、タングステン、あるいはこれらの合
金などの導電性の金属からなる。また、放電路制限部1
6Aの中央には、主陰極部と陽極板8との間の放電路を
狭窄させるための開口18Aが形成されている。
【0063】また、副陰極板12Aは、導電板19を介
して第3支持部14上に設置されている。この副陰極板
12Aは、円形状の金属板であって好ましくは易電子放
射物質を含んで形成され、放電管1での発光のための放
電に寄与する電子を補助的に供給する副陰極部として機
能する。易電子放射物質としては、例えば、バリウム、
ストロンチウム、カルシウムの単体または混合物、希土
類金属の単体または混合物、トリウム等が挙げられ、こ
れらの易電子放射物質は、副陰極板12Aに例えば含浸
または塗布される。また、副陰極板12Aは、導電板1
9を介して副陰極用ステムピン9Cの先端部分に電気的
に接続されている。
【0064】副陰極板12Aの中央には、主陰極部と陽
極板8との間の放電路を狭窄するための開口13Aが形
成されている。これにより、本実施形態での副陰極板1
2Aは、放電路制限部としても機能している。この副陰
極板12Aにおける開口13Aは、放電路制限部16A
における開口18Aと同一の管軸G上に位置し、また、
開口18Aよりも大径の円形状に形成されている。これ
により、主陰極部と陽極板8との間の放電路は、放電路
制限部16Aの開口18Aと、放電路制限部としても機
能している副陰極板12Aの開口13Aとの協働によっ
て狭窄される。
【0065】本実施形態のガス放電管1Aにおける電極
等の配置、及び放電管1A内での放電路についてまとめ
ると、以下のようになる。まず、熱電子を発生させる主
陰極部20と、主陰極部20からの熱電子を受容する陽
極板8との間で、発光に必要なアーク放電の放電路が形
成される。そして、この放電路上に、主陰極部20側か
ら順に、放電に寄与する電子を補助的に供給するととも
に放電路を狭窄する副陰極板12Aと、放電路を狭窄す
る放電路制限部16Aとが配置されている。
【0066】本実施形態によるガス放電管1Aにおいて
は、主陰極部20と陽極板8との間の放電路上に放電路
を狭窄するための放電路制限部16Aを配置するととも
に、その放電路上で放電路制限部16A及び主陰極部2
0の間に、さらに、電子を補助的に供給する副陰極板1
2Aを設けている。そして、これにより、放電管1Aで
の発光の高輝度化を図っている。
【0067】このような構成によれば、放電路制限部1
6Aの開口18Aを過度に小さくすることなく、放電路
制限部16Aによる放電路の狭窄の効果と、副陰極板1
2Aからの電子の補助的な供給の効果とを合わせること
によって、発光を効率的に高輝度化することができる。
また、主陰極部20と陽極板8との間でのアーク放電の
放電電流を過度に増加させることなく、副陰極板12A
から補助的に放電電流を増加させて、発光を効率的に高
輝度化することができる。以上により、アーク放電によ
る発光が高輝度化されるとともに、その始動性や寿命な
どについての良好な特性が保持されるガス放電管が実現
される。
【0068】また、本実施形態においては、副陰極板1
2Aが放電路制限部としても機能している。これによ
り、放電路制限部16Aと協働して、主陰極部20と陽
極板8との間の放電路を効果的に狭窄することができ
る。また、主陰極部20側の副陰極板12Aの開口13
Aを放電路制限部16Aの開口18Aよりも大きい開口
面積とすることにより、開口面積が段階的に絞られるこ
ととなるので、始動性などの特性が良好に保持される。
ただし、この開口面積については、開口13Aを開口1
8Aと略同一またはそれよりも小さい開口面積としても
良い。
【0069】また、電子を補助的に供給するための副陰
極板12Aは、バリウムなどの易電子放射物質を含んで
形成されている。これにより、アーク放電に寄与する電
子を、副陰極板12Aから補助的かつ効果的に供給する
ことができる。
【0070】図11は、光源装置の第2実施形態の構成
を示す模式図である。本実施形態の光源装置LAにおい
ては、光を放射するガス放電管として、図10に示した
ガス放電管1Aが用いられている。なお、図11におい
ては、ガス放電管1Aを主陰極部20、副陰極板12
A、放電路制限部16A、及び陽極板8によって模式的
に示し、他の構成要素については図示を省略している。
【0071】光源装置LAは、図11に示すように、ガ
ス放電管1A及びその駆動回路を含んで構成されてい
る。主陰極部20のコイル部の両端は、それぞれ端子C
1、C2を介して駆動回路へと接続されている。また、
陽極板8は、端子C3を介して駆動回路へと接続されて
いる。また、副陰極板12Aは、端子C5を介して駆動
回路へと接続されている。
【0072】主陰極部20の端子C1と、陽極板8の端
子C3との間には、主陰極部20から電子を放出させる
ための主電源P1が設けられている。また、副陰極板1
2Aの端子C5と、陽極板8の端子C3との間には、副
陰極板12Aから電子を補助的に放出させるための副電
源P2が設けられている。さらに、主陰極部20の両端
の端子C1、C2の間には、主陰極部20を加熱する加
熱手段であるヒータ電源P3が設けられている。また、
ガス放電管1Aでのアーク放電を始動して発光を開始す
るため、トリガ電源P4、コンデンサA、及びスイッチ
Bが設けられている。
【0073】以上の構成を有する光源装置LAの動作に
ついて説明する。
【0074】まず、ヒータ電源P3により、端子C1、
C2の間に10W程度の電力を供給して、主陰極部20
を加熱する。また、ガス放電管1Aの始動用のトリガ電
源P4により、コンデンサAを充電する。その後、主電
源P1により、主陰極部20の端子C1と陽極板8の端
子C3との間に160V程度の電圧を印加して、アーク
放電の準備を整える。
【0075】続いて、主陰極部20が充分に加熱された
タイミングを見計らって、スイッチBを切り換えてコン
デンサAからの給電を行い、端子C1、C3の間に35
0V程度の電圧を印加する。すると、主陰極部20と副
陰極板12Aとの間、及び主陰極部20と陽極板8との
間等に放電が順次発生して、放電管1Aでのアーク放電
が始動される。
【0076】このような始動放電が発生すると、主陰極
部20と陽極板8との間の放電路上でアーク放電が維持
され、また、副陰極板12Aの開口13A内、放電路制
限部16Aの開口18A内等でアークボールが発生す
る。そして、このアークボールから取り出される紫外光
は、極めて輝度の高い光として光出射窓4を介して外部
に放射される。また、このとき、発生したアークボール
等を熱源として、副陰極板12Aが加熱される。
【0077】さらに、このように主陰極部20と陽極板
8との間で放電を始動した後、副陰極板12Aが充分に
加熱されたタイミングを見計らって、副陰極板12Aの
端子C5と陽極板8の端子C3との間に10〜100V
程度の電圧を印加する。なお、この電圧は副陰極板と陽
極との間の距離により適宜決定する。これにより、副陰
極板12Aから放電に寄与する電子が補助的に供給され
て、アークボールからの発光がさらに高輝度化される。
【0078】なお、アーク放電始動後での放電管1Aの
発光動作中においては、副陰極板12Aの端子C5と陽
極板8の端子C3との間に印加する上記電圧を調整する
ことによって、放電管1Aでの発光の輝度を調整するこ
とができる。すなわち、図11に示した駆動回路は、ガ
ス放電管1Aに対する光量調整回路としても機能する。
また、必要とされる光量が小さい場合には、副電源P2
による副陰極板12Aへの電圧の印加を停止し、主陰極
部20のみによって放電及び発光を継続しても良い。
【0079】また、放電路制限部16Aについては、図
11においては駆動回路とは接続しない構成となってい
る。ただし、必要があれば、この放電路制限部16Aに
ついても駆動回路に接続する構成としても良い。また、
副陰極板12Aへの副電源P2の接続については、スイ
ッチによって接続のON/OFFを切り換えるなどの構
成を付加しても良い。
【0080】図12は、ガス放電管の第3実施形態の構
成を示す断面図である。なお、この図は、第1実施形態
について図1に示された断面図に対応した断面図であ
る。
【0081】本実施形態のガス放電管1Bはヘッドオン
型の重水素放電管であり、図1に示した第1実施形態の
ガス放電管1とほぼ同様の構成を有するが、電気絶縁部
である支持部7、10、14に加えて、さらに電気絶縁
部40が設けられている点が異なる。また、各電極等に
ついては、主陰極部20及び陽極板8は第1実施形態と
同様であるが、主陰極部20と陽極板8との間の放電路
上には、放電路制限部16及び副陰極板12に代えて、
第1放電路制限部16B、副陰極部12B、及び第2放
電路制限部16Cが配置されている。
【0082】第2放電路制限部16Cは、第2支持部1
0上に設置されている。放電路制限部16Cは、好まし
くは、例えばモリブデン、タングステン、あるいはこれ
らの合金などの導電性の金属からなる。また、放電路制
限部16Cの中央には、主陰極部20と陽極板8との間
の放電路を狭窄させるための開口18Cが形成されてい
る。
【0083】また、第2放電路制限部16Cの上方に
は、好ましくは電気絶縁性のセラミックスからなる電気
絶縁部40が設置されている。これにより、第2放電路
制限部16Cは、第2支持部10と電気絶縁部40とに
よって挟み込まれるように固定されている。
【0084】また、副陰極部12Bは、電気絶縁部40
上に設置されている。この副陰極部12Bは、棒状の金
属体であって好ましくは易電子放射物質を含んで形成さ
れ、放電管1での発光のための放電に寄与する電子を補
助的に供給する副陰極部として機能する。易電子放射物
質としては、例えば、バリウム、ストロンチウム、カル
シウムの単体または混合物、希土類金属の単体または混
合物、トリウム等が挙げられ、これらの易電子放射物質
は、副陰極部12Bに例えば含浸または塗布される。
【0085】副陰極部12Bは、2本の棒状の金属体か
らなり、2本の副陰極部12Bのそれぞれは、一方の端
部の面が管軸Gを挟んで互いに対面するように、管軸G
上の所定位置を通り管軸Gに垂直な直線上に配置されて
いる。また、2本の副陰極部12Bの間は、間隙13B
となっている。また、副陰極部12Bの他方の端部は、
副陰極用ステムピン9Bの先端部分に電気的に接続され
ている。
【0086】また、第1放電路制限部16Bは、第3支
持部14上に設置されている。この第1放電路制限部1
6Bは、第1実施形態における放電路制限部16とほぼ
同じ構成となっている。これにより、主陰極部20と陽
極板8との間の放電路は、第2放電路制限部16Cの開
口18Cと、第1放電路制限部16Bの開口18Bとの
協働によって狭窄される。
【0087】本実施形態のガス放電管1Bにおける電極
等の配置、及び放電管1B内での放電路についてまとめ
ると、以下のようになる。まず、熱電子を発生させる主
陰極部20と、主陰極部20からの熱電子を受容する陽
極板8との間で、発光に必要なアーク放電の放電路が形
成される。そして、この放電路上に、主陰極部20側か
ら順に、放電路を狭窄する第1放電路制限部16Bと、
放電に寄与する電子を補助的に供給する副陰極部12B
と、放電路を狭窄する第2放電路制限部16Cとが配置
されている。
【0088】本実施形態によるガス放電管1Bにおいて
は、主陰極部20と陽極板8との間の放電路上に放電路
を狭窄するための第1放電路制限部16B及び第2放電
路制限部16Cを配置するとともに、その放電路上で第
1放電路制限部16B及び第2放電路制限部16Cの間
に、さらに、電子を補助的に供給する副陰極部12Bを
設けている。そして、これにより、放電管1Bでの発光
の高輝度化を図っている。
【0089】このような構成によれば、放電路制限部1
6B、16Cの開口18B、18Cを過度に小さくする
ことなく、放電路制限部16B、16Cによる放電路の
狭窄の効果と、副陰極部12Bからの電子の補助的な供
給の効果とを合わせることによって、発光を効率的に高
輝度化することができる。また、主陰極部20と陽極板
8との間でのアーク放電の放電電流を過度に増加させる
ことなく、副陰極部12Bから補助的に放電電流を増加
させて、発光を効率的に高輝度化することができる。以
上により、アーク放電による発光が高輝度化されるとと
もに、その始動性や寿命などについての良好な特性が保
持されるガス放電管が実現される。
【0090】なお、本実施形態においては、副陰極部1
2Bは棒状の金属体であり、したがって、この副陰極部
12Bは、開口によって放電路を狭窄する放電路制限部
としては機能しない。このように、副陰極部としては、
他の放電路制限部の構成などの条件に応じて、放電路制
限部としては機能しない形態の副陰極部12Bを用いて
良い。ただし、本実施形態においても、副陰極部12B
の間隙13Bによって放電路が制限される。
【0091】また、電子を補助的に供給するための副陰
極部12Bは、バリウムなどの易電子放射物質を含んで
形成されている。これにより、アーク放電に寄与する電
子を、副陰極部12Bから補助的かつ効果的に供給する
ことができる。
【0092】図13は、光源装置の第3実施形態の構成
を示す模式図である。本実施形態の光源装置LBにおい
ては、光を放射するガス放電管として、図12に示した
ガス放電管1Bが用いられている。なお、図13におい
ては、ガス放電管1Bを主陰極部20、第1放電路制限
部16B、副陰極部12B、第2放電路制限部16C、
及び陽極板8によって模式的に示し、他の構成要素につ
いては図示を省略している。
【0093】光源装置LBは、図13に示すように、ガ
ス放電管1B及びその駆動回路を含んで構成されてい
る。主陰極部20のコイル部の両端は、それぞれ端子C
1、C2を介して駆動回路へと接続されている。また、
陽極板8は、端子C3を介して駆動回路へと接続されて
いる。また、副陰極部12Bは、端子C6を介して駆動
回路へと接続されている。
【0094】主陰極部20の端子C1と、陽極板8の端
子C3との間には、主陰極部20から電子を放出させる
ための主電源P1が設けられている。また、副陰極部1
2Bの端子C6と、陽極板8の端子C3との間には、副
陰極部12Bから電子を補助的に放出させるための副電
源P2が設けられている。さらに、主陰極部20の両端
の端子C1、C2の間には、主陰極部20を加熱する加
熱手段であるヒータ電源P3が設けられている。また、
ガス放電管1Bでのアーク放電を始動して発光を開始す
るため、トリガ電源P4、コンデンサA、及びスイッチ
Bが設けられている。
【0095】以上の構成を有する光源装置LBの動作に
ついて説明する。
【0096】まず、ヒータ電源P3により、端子C1、
C2の間に10W程度の電力を供給して、主陰極部20
を加熱する。また、ガス放電管1Bの始動用のトリガ電
源P4により、コンデンサAを充電する。その後、主電
源P1により、主陰極部20の端子C1と陽極板8の端
子C3との間に160V程度の電圧を印加して、アーク
放電の準備を整える。
【0097】続いて、主陰極部20が充分に加熱された
タイミングを見計らって、スイッチBを切り換えてコン
デンサAからの給電を行い、端子C1、C3の間に35
0V程度の電圧を印加する。すると、主陰極部20と副
陰極部12Bとの間、及び主陰極部20と陽極板8との
間等に放電が順次発生して、放電管1Bでのアーク放電
が始動される。
【0098】このような始動放電が発生すると、主陰極
部20と陽極板8との間の放電路上でアーク放電が維持
され、また、第1放電路制限部16Bの開口18B内、
副陰極部12Bの間隙13B内、第2放電路制限部16
Cの開口18C内等でアークボールが発生する。そし
て、このアークボールから取り出される紫外光は、極め
て輝度の高い光として光出射窓4を介して外部に放射さ
れる。また、このとき、発生したアークボール等を熱源
として、副陰極部12Bが加熱される。
【0099】さらに、このように主陰極部20と陽極板
8との間で放電を始動した後、副陰極部12Bが充分に
加熱されたタイミングを見計らって、副陰極部12Bの
端子C6と陽極板8の端子C3との間に5〜50V程度
の電圧を印加する。なお、この電圧は副陰極板と陽極と
の間の距離により適宜決定する。これにより、副陰極部
12Bから放電に寄与する電子が補助的に供給されて、
アークボールからの発光がさらに高輝度化される。
【0100】なお、アーク放電始動後での放電管1Bの
発光動作中においては、副陰極部12Bの端子C6と陽
極板8の端子C3との間に印加する上記電圧を調整する
ことによって、放電管1Bでの発光の輝度を調整するこ
とができる。すなわち、図13に示した駆動回路は、ガ
ス放電管1Bに対する光量調整回路としても機能する。
また、必要とされる光量が小さい場合には、副電源P2
による副陰極部12Bへの電圧の印加を停止し、主陰極
部20のみによって放電及び発光を継続しても良い。
【0101】また、放電路制限部16B、16Cについ
ては、図13においてはいずれも駆動回路とは接続しな
い構成となっている。ただし、必要があれば、この放電
路制限部16B、16Cについても一方または両方を駆
動回路に接続する構成としても良い。また、副陰極部1
2Bへの副電源P2の接続については、スイッチによっ
て接続のON/OFFを切り換えるなどの構成を付加し
ても良い。
【0102】本発明によるガス放電管及び光源装置は、
上記した実施形態に限られるものではなく、様々な変形
が可能である。例えば、副陰極部の構成については、上
述した第1〜第3実施形態の構成例に限らず、様々な形
態のものを用いて良い。副陰極部の形状について言え
ば、第1、第2実施形態では、図14(a)に示すよう
な中央に開口が形成された円板状の部材、第3実施形態
では、図14(b)に示すような中央に間隙を有する棒
状の部材が用いられている。これら以外にも、例えば、
メッシュ状あるいは格子状のものなど、様々な形状のも
のを副陰極部として適用することが可能である。また、
主陰極部と陽極部との間の放電路上に複数個の副陰極部
を設置する構成としても良い。
【0103】また、上記した実施形態は陰極部と陽極部
との間の直流放電に関するものであるが、交流放電を行
っても良い。
【0104】
【発明の効果】本発明によるガス放電管及び光源装置
は、以上詳細に説明したように、次のような効果を得
る。すなわち、主陰極部と陽極部との間の放電路上に、
放電路制限部とともに、放電に寄与する電子を補助的に
供給する副陰極部を設けたガス放電管及び光源装置によ
れば、放電路上に配置されていることによって加熱され
た副陰極部から補助的な電子が充分に供給されて、放電
管での発光が高輝度化される。これにより、アーク放電
による発光が高輝度化されるとともに、その始動性や寿
命などについての良好な特性が保持されるガス放電管、
及び光源装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガス放電管の第1実施形態の構成を示す断面図
である。
【図2】図1に示したガス放電管の断面図である。
【図3】図1に示したガス放電管における陽極部の要部
拡大断面図である。
【図4】図1に示したガス放電管のI−I矢印断面図で
ある。
【図5】図1に示したガス放電管における副陰極部を示
す平面図である。
【図6】図1に示したガス放電管における放電路制限部
の要部拡大断面図である。
【図7】図1に示したガス放電管のII−II矢印断面図で
ある。
【図8】図1に示したガス放電管のIII−III矢印断面図
である。
【図9】図1に示したガス放電管を用いた光源装置の第
1実施形態の構成を示す模式図である。
【図10】ガス放電管の第2実施形態の構成を示す断面
図である。
【図11】図10に示したガス放電管を用いた光源装置
の第2実施形態の構成を示す模式図である。
【図12】ガス放電管の第3実施形態の構成を示す断面
図である。
【図13】図12に示したガス放電管を用いた光源装置
の第3実施形態の構成を示す模式図である。
【図14】副陰極部の構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、1A、1B…ガス放電管、L、LA、LB…光源装
置、2…密封容器、3…側管、4…光出射窓、5…ステ
ム、6…発光部組立体、7…第1支持部、8…陽極板、
9A〜9D…ステムピン、10…第2支持部、11…放
電開口、12、12A…副陰極板、12B…副陰極部、
13、13A…開口、13B…間隙、14…第3支持
部、16、16A、16B、16C…放電路制限部、1
7…装填口、18、18A、18B、18C…開口、1
9…導電板、20…主陰極部、21…フロントカバー、
22…放電整流板、24…リベット、27A〜27D…
チューブ、40…電気絶縁部、P1…主電源、P2…副
電源、P3…ヒータ電源、P4…トリガ電源、C1〜C
6…端子、A…コンデンサ、B…スイッチ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のガスが封入された密封容器内で放
    電を発生させることにより、前記密封容器の光出射窓か
    ら前記放電によって発光された光を放射するガス放電管
    であって、 放電に寄与する電子を供給する主陰極部と、 前記電子を受容して、前記主陰極部との間で放電を発生
    させる陽極部と、 前記主陰極部及び前記陽極部の間の放電路上に配置され
    て、前記放電路を狭窄する開口を有する放電路制限部
    と、 前記放電路上に配置されて、前記放電に寄与する電子を
    補助的に供給する副陰極部とを備えることを特徴とする
    ガス放電管。
  2. 【請求項2】 前記副陰極部は、前記放電路制限部と前
    記陽極部との間に配置されていることを特徴とする請求
    項1記載のガス放電管。
  3. 【請求項3】 前記副陰極部は、前記主陰極部と前記放
    電路制限部との間に配置されていることを特徴とする請
    求項1記載のガス放電管。
  4. 【請求項4】 前記放電路制限部として、前記主陰極部
    側から順に第1放電路制限部と第2放電路制限部とが設
    けられ、 前記副陰極部は、前記第1放電路制限部と前記第2放電
    路制限部との間に配置されていることを特徴とする請求
    項1記載のガス放電管。
  5. 【請求項5】 前記副陰極部は、易電子放射物質を含む
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のガ
    ス放電管。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項記載のガス
    放電管と、 前記陽極部及び前記主陰極部の間に設置された主電源
    と、 前記陽極部及び前記副陰極部の間に設置された副電源と
    を備えることを特徴とする光源装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2173144A4 (en) * 2007-06-28 2015-07-15 Hamamatsu Photonics Kk LIGHT SOURCE ARRANGEMENT, DISCHARGE LAMP AND CONTROL PROCEDURE THEREFOR

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