JP2822681B2 - 磁気バブル検出方法 - Google Patents

磁気バブル検出方法

Info

Publication number
JP2822681B2
JP2822681B2 JP3062218A JP6221891A JP2822681B2 JP 2822681 B2 JP2822681 B2 JP 2822681B2 JP 3062218 A JP3062218 A JP 3062218A JP 6221891 A JP6221891 A JP 6221891A JP 2822681 B2 JP2822681 B2 JP 2822681B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic bubble
magnetic field
detection signal
bubble
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3062218A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04295689A (ja
Inventor
元士 桃井
俊雄 飯野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokogawa Electric Corp filed Critical Yokogawa Electric Corp
Priority to JP3062218A priority Critical patent/JP2822681B2/ja
Publication of JPH04295689A publication Critical patent/JPH04295689A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2822681B2 publication Critical patent/JP2822681B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気バブル検出方法に
関し、更に詳しくは磁気バブル検出信号とノイズを分離
し、安定な幅の広い磁気バブル検出信号を得る磁気バブ
ル検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気バブルを用いた回転数検出器の原理
は広く知られているが、ここで概略を説明する。図31
は磁気バブルを用いた回転数検出器の動作原理図、図3
2は図31の磁気バブル素子上に形成された転送素子ル
ープのパターン図、図33は図32の転送素子ループの
ストレッチャー部の拡大図である。
【0003】図31において、磁気バブル素子1は磁気
バブルを発生する材料で構成される。説明を加えると、
磁気バブルは、適当な強さの垂直磁界を加えることによ
り、GGG(ガドリニウム−ガリウム−ガーネット)上
に数μmエピタキシャル成長させた垂直磁化膜の中に筒
状の形で発生する。この磁気バブル素子1には、磁気バ
ブル検出素子12,13及びアルミ配線パターン14,
15,16が形成されている(図33参照)。磁気バブ
ル検出素子12,13は、磁気抵抗素子(例えばパーマ
ロイ)で構成される。更に磁気バブル素子1には、薄膜
のパーマロイで構成された転送素子11がループ状に形
成され、これに沿って磁気バブルが転送される(図3
2,図33参照)。図32では1つの転送素子ループを
示したが、実際の磁気バブル素子1上には複数の転送素
子ループが設けられる。各転送素子ループにはメモリホ
イールのビットパターンで磁気バブルが書き込まれてい
る。なお、磁気バブル素子1が配置されている平面を便
宜上x−y平面と呼ぶ。
【0004】2枚一組のバイアス磁石2,2′(図31
参照)は、磁気バブル素子1に対し垂直な一定のバイア
ス磁界を与え、バブル状の磁区を保持する作用を有する
ものである。読出コイル3,4は、磁気バブル素子1の
周囲に図31の如く配置される。そしてこの読出コイル
3,4はリング磁石5が固定された回転軸の累積回転数
を読み出す時に使われるもので、交番電流を流すことに
より回転磁界を発生させ、磁気バブル17,18,19
を転送する。
【0005】リング磁石5は、回転シャフト(図示せ
ず)に取り付けられた永久磁石である。このリング磁石
5は磁気バブル素子1に対して平行な面内磁界を与える
もので、この面内磁界は回転シャフトが回転することに
より回転する。磁気バブルは、1転送素子/1回転磁界
で転送素子ループを巡回する。図31は8極に着磁され
たリング磁石の例であり、この場合、回転シャフトが1
回転すると、磁気バブルは転送素子11の4個分を移動
する。
【0006】図32に示す各転送素子ループには、『メ
モリホイールの原理』に基づいた特殊配列パターンの磁
気バブルが書き込まれている。この特殊配列パターンと
は、全ビットパターンの中のある位置から切り出した連
続するビットパターンが他の位置から切り出した同ビッ
ト数のパターンとも同じにならないという特徴を持った
パターンである。従って、ある決まった位置から連続す
る数ビットのパターンを読み出すことでそのループの回
転シフト量を知ることができる。
【0007】磁気バブルは、前記ある位置に配置された
磁気バブル検出器10で検出される。磁気バブル検出器
10は、図33に示す磁気バブル検出素子12,13で
構成される。この磁気バブル検出素子12,13には、
アルミ配線パターン14,15,16を介して定電流が
予め流されている(アルミ配線パターン16はアース電
位)。そして磁気バブル検出素子12,13の部分に磁
気バブル17,18,19が移動してくると、この抵抗
値が変化するため、アルミ配線パターン14,15の電
位が変化する。この2つの配線パターン14,15の電
位信号を図示しない差動増幅器で差動演算することによ
り磁気バブルの検出信号を得ている。
【0008】以上のような磁気バブル素子1において、
転送素子ループ上には、『メモリホイールの原理』によ
り定まる、例えば1ループ8ビットのビットパターン
(01110100)が磁気バブルの有無により形成さ
れている。図32に示す実施例ではもっと多数のビット
(例えば49ビット前後)であるが、ここでは分り易く
するために8ビットで説明する。この8ビットのビット
パターンは、リング磁石5が回転すると、その回転に応
じて転送素子ループ上を巡回する。この巡回動作は、図
31の装置が停電状態であっても正常に行われる。
【0009】例えば、図31に示す回転数検出器の電源
がストップして電子回路的にその動作を停止している時
にリング磁石5が10回転すると、この10回転に応じ
た位置に前記8ビットパターンの磁気バブルは移動して
いる。電源が復帰すると、リング磁石が何回転したかを
測定するために読出コイル3,4を動作させて回転磁界
を発生させ、磁気バブルを例えば3個の転送素子分だけ
順にその位置を移動させる。従って、磁気バブル検出器
10からは、3個の時系列のビットパターンが読み出さ
れ、このパターンから『メモリホイールの原理』により
リング磁石5の累積回転数を知ることができる。検出
後、読出コイル3,4は、上述と逆方向の回転磁界を磁
気バブル素子1に加えて磁気バブルを3個の転送素子分
だけ移動させ、元の位置に戻す。
【0010】このように回転軸の累積回転数を読み取る
ために一旦転送した磁気バブルを裳とあった位置に戻さ
ないと、回転軸の累積回転数に、これが積算されて、正
確な累積回転数の測定ができなくなるからである。
【0011】ここで、読出コイル3,4を動作させた場
合、読出コイル3,4により発生した磁界HM とリング
磁石5による磁界HR とが重畳して磁気バブル素子1の
磁気バブル検出素子12,13に加えられる。そして、
リング磁石5の磁界HR のベクトル方向と読出コイル
3,4の磁界HM のベクトル方向とが同じ方向へ向いた
領域では、パーマロイで構成された磁気バブル検出素子
12,13が磁気飽和して磁気バブル17,18,19
が検出できなくなるという問題が発生する。
【0012】これらを図34と図Eを参照して説明す
る。磁気バブル17,18,19を転送するためには、
面内磁界として例えば40ガウス以上を加える必要があ
る。リング磁石5が発生する磁界HR を40ガウスとす
ると、シャフトに取り付けたリング磁石5が回転するこ
とにより図34の小円のベクトル軌跡が得られる。ベク
トルOAの角度でこのリング磁石5が停止し、読出コイ
ル3,4によりリング磁石5の累積回転数を測定する場
合、この読出コイル3,4による回転磁界(例えばHM
=90ガウス)のベクトル軌跡は点Aを中心とする大円
となる(図34参照)。すなわち、原点0から見ると、
ベクトル和OBは、50〜130ガウスの間で変化す
る。
【0013】一方、磁気バブル検出素子12,13の磁
界−抵抗値変化の特性は図35のようになり、抵抗値の
変化は60ガウス程度で飽和している。図34でベクト
ル和がOCに向いた時に磁気バブルを検出するように配
置すると、磁気バブル検出素子12,13の飽和により
(図34より60ガウス以上)、磁気バブル17,1
8,19の磁束を検出できなくなる。
【0014】このような点に鑑み、本出願人は、実願昭
62-126991 号を出願してこの問題点を解決した。この先
願は、2個のホール素子を用いてリング磁石による磁界
HRのx,y成分を測定し、この磁界HR を打ち消す直
流電流Hx オフセット,Hyオフセットを読出コイル
3,4に重畳するようにしたものである。図36はこの
先願のリング磁石5とホール素子20,21と磁気バブ
ル素子1との位置関係を示す斜視図である。ここで、磁
気バブル素子1のX軸の磁界(リング磁石5が発生する
磁界)成分を測定するX軸ホール素子20は座標軸X方
向と一致するように配置し、Y軸ホール素子21は座標
軸Y方向と一致するように配置する。また、図37は直
流電流Hx オフセット,Hy オフセットを発生するため
の回路構成を示す構成図である。このような構成によ
り、磁気バブル素子上でのリング磁石からの磁界を、直
流電流Hx オフセット,Hy オフセットによりキャンセ
ルするようにしている。
【0015】そして、磁気バブルは磁気バブル検出素子
12,13により検出されて、図38のような検出信号
が得られる。この場合、磁気バブルの読み出しが容易に
行えるためには、検出信号のS/Nが良く、検出信号幅
が広いことが必要である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図38に示す
ように検出信号にはノイズが重畳している。このノイズ
は、磁気バブル検出素子自体が発生するスイッチングノ
イズ(バルクハウゼンノイズと呼ばれる)であり、消す
ことはできない。このバルクハウゼンノイズは、図39
に示すように、本来感度がないはずのHy 方向に振動す
る磁界を加えたときに、一定のHy の値で発生する。す
なわち、検出信号(図38)の立ち下がりを早め、S/
Nを悪化させているのは、このバルクハウゼンノイズで
ある。
【0017】また、磁気バブル検出素子のHx 方向感度
曲線には、図40(図39と同一スケールである)に示
すように不感帯が存在する。このため、Hx 方向の磁界
がある程度大きくならないと、検出信号が出力されな
い。検出信号の立ち上がりを遅らせ、検出信号幅を狭め
ているのは、この不感帯である。
【0018】以上のような理由により、原点対象な回転
磁界による磁気バブル読み出しでは、外乱磁界が加わっ
た場合に、S/Nの悪化,信号幅の現象などで、安定し
た磁気バブル読み出しが行えない場合があった。
【0019】尚、従来から、バイアス磁石を傾けるなど
してオフセット磁界を与え、磁気バブル読み出しの際に
はこれをキャンセルするといったことが特公昭56−3
1678号公報などに記載され提案がなされているが、
上記課題を解決するものではなかった。すなわち、オフ
セットの方向については何ら規定がない。
【0020】本発明はこのような点に着目してなされた
ものであり、その目的は、磁気バブルの検出信号とノイ
ズ成分を分離し、かつ、後段での信号処理をよういにな
るような安定な幅広の磁気バブル検出信号を得ることが
可能な磁気バブル検出方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、ストレッチャと、磁気抵抗効果による薄膜型の磁
気バブル検出素子を使用し、読み出しコイルに回転磁界
を発生させることで磁気バブルを強制的に移動させ、磁
気バブルのビットパターンを磁気バブル検出素子で検出
する磁気バブル検出方法において、バイアス磁界が磁気
バブル素子の裏面から表面に向かって加わっているとき
には、検出素子の感度方向のうちストレッチャ内で磁気
バブル検出素子が配置されている向きの直流成分と、こ
の向きから磁気バブル検出素子面内であって磁気バブル
を移動させるための回転磁界とは逆方向に90度回転し
て磁気バブル検出素子の感度方向とは垂直な向きの直流
成分とを有するような回転磁界を磁気バブル素子に与
え、バイアス磁界が磁気バブル素子の表面から裏面に向
かって加わっているときには、検出素子の感度方向のう
ちストレッチャ内で磁気バブル検出素子が配置されてい
る向きと逆向きの直流成分と、検出素子が配置されてい
る向きから磁気バブル検出素子面内であって磁気バブル
を移動させるための回転磁界方向に90度回転して磁気
バブル検出素子の感度方向とは垂直な向きの直流成分と
を有するような回転磁界を磁気バブル素子に与える。
【0022】
【作用】本発明方法において、磁気バブル検出素子の不
感帯から早く抜け出すことができ、検出信号の立ち上が
りが早くなり、検出信号の幅を広げることができる。ま
た、検出信号に加わっているノイズ(磁気バブル検出素
子自体が発生するスイッチングノイズ)のタイミングと
検出信号の立ち下がりタイミングとを分離でき、S/N
を向上させることができる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0024】図1は本発明の一実施例を示す構成図であ
り、ストレッチャ及び磁気バブル検出素子周囲を示す図
である。また、図2は読み出しの際の三角波及びオフセ
ット電流が重畳された電流により発生する回転磁界の一
例を示す説明図である。
【0025】ここで、図3以降を参照して、ストレッチ
ャと磁気バブル検出素子の位置関係,磁界回転方向,バ
ブル検出位相及びオフセットの関係を、場合分けして詳
細に説明する。
【0026】図3はストレッチャSと磁気バブル検出素
子12との関係並びに磁界の方向を示す図である。図4
は回転磁界を図3のCW方向に回転させたときのノイズ
と検出信号との関係を示す図であり、図5は回転磁界を
図3のCCW方向に回転させたときのノイズと検出信号
との関係を示す図である。これらの図では、バイアス磁
界HB が紙面裏から表に向かっている場合であり、磁気
バブルはS極である。この場合、磁気バブル検出素子1
2(13)により検出される検出信号は、磁気バブル検
出素子12が置かれているストレッチャのX方向に磁界
が向いたときに発生する。また、スイッチングノイズが
でる位相は、回転磁界の回転方向のみにより決まり、ス
トレッチャSと磁気バブル検出素子12との位置,バイ
アス磁界の向きとは無関係である。
【0027】X方向のオフセットHx を図の右方向に加
えることにより、磁気バブル検出素子のHx 方向感度曲
線にある不感帯から早く抜け出すことができる。このた
め、検出信号の立ち上がりが早くなり、検出信号の幅を
広げることができる。
【0028】一方、Y方向のオフセットHy を図の上方
向に加えることにより、検出信号に加わっているノイズ
(磁気バブル検出素子自体が発生するスイッチングノイ
ズ)のタイミングと検出信号の立ち下がりタイミングと
を分離でき、S/Nを向上させることができる。図3の
構成では、CW方向に磁界を回転させる(図4に示す)
ことが好ましい。
【0029】図6は磁気バブル素子12のストレッチャ
に対する位置が図3と異なる配置の場合を示す図であ
る。この場合、X方向のオフセットHx を図の左方向に
加えることにより、磁気バブル検出素子のHx 方向感度
曲線にある不感帯から早く抜け出すことができる。この
ため、検出信号の立ち上がりが早くなり、検出信号の幅
を広げることができる。
【0030】一方、Y方向のオフセットHy を図の上方
向に加えることにより、検出信号に加わっているノイズ
(磁気バブル検出素子自体が発生するスイッチングノイ
ズ)のタイミングと検出信号の立ち下がりタイミングと
を分離でき、S/Nを向上させることができる。従っ
て、図6の構成では、CCW方向に磁界を回転させる
(図8に示す)ことが好ましい。
【0031】図9はストレッチャの向きが図3,図6と
異なる配置の場合を示す図である。この場合、X方向の
オフセットHx を図の右方向に加えることにより、磁気
バブル検出素子のHx 方向感度曲線にある不感帯から早
く抜け出すことができる。このため、検出信号の立ち上
がりが早くなり、検出信号の幅を広げることができる。
【0032】一方、Y方向のオフセットHy を図の下方
向に加えることにより、検出信号に加わっているノイズ
(磁気バブル検出素子自体が発生するスイッチングノイ
ズ)のタイミングと検出信号の立ち下がりタイミングと
を分離でき、S/Nを向上させることができる。従っ
て、図9の構成では、CCW方向に磁界を回転させる
(図11に示す)ことが好ましい。
【0033】図12は磁気バブル素子12のストレッチ
ャに対する位置が図9と異なる配置の場合を示す図であ
る。この場合、X方向のオフセットHx を図の左方向に
加えることにより、磁気バブル検出素子のHx 方向感度
曲線にある不感帯から早く抜け出すことができる。この
ため、検出信号の立ち上がりが早くなり、検出信号の幅
を広げることができる。
【0034】一方、Y方向のオフセットHy を図の下方
向に加えることにより、検出信号に加わっているノイズ
(磁気バブル検出素子自体が発生するスイッチングノイ
ズ)のタイミングと検出信号の立ち下がりタイミングと
を分離でき、S/Nを向上させることができる。従っ
て、図12の構成では、CW方向に磁界を回転させる
(図13に示す)ことが好ましい。
【0035】以上のことから、読み出しに適した(検出
信号の信号幅が広くとれる)オフセットの方向は、以下
の通りである。
【0036】Hx オフセット: ストレッチャと磁気バ
ブル検出素子の位置関係で決定される。すなわち、スト
レッチャの中で磁気バブル検出素子が配置されている側
のX方向の向きである。 … Hy オフセット: ストレッチャと磁気バブル検出素子
の位置関係と、磁界回転方向で決定される。すなわち、
ストレッチャの中で磁気バブル検出素子が配置されてい
る側のX方向の向きから、磁界回転方向とは逆に90度
回転したようなY方向の向きである。 … また、読み出しに適した(信号幅が広くとれる)磁界の
回転方向は、ストレッチャの中で磁気バブル検出素子が
置かれている側の稜線を、バブルが裾から頂上に向かっ
て昇る方向である。 … 次に、図15以降を参照して、バイアス磁界HB が紙面
表から裏に向かい、磁気バブルがN極である場合につい
て説明する。この場合、磁気バブル検出素子12(1
3)により検出される検出信号は、磁気バブル検出素子
12が置かれているストレッチャのX方向と逆に磁界が
向いたときに発生する。また、スイッチングノイズがで
る位相は、回転磁界の回転方向のみにより決まり、スト
レッチャSと磁気バブル検出素子12との位置,バイア
ス磁界の向きとは無関係である。
【0037】X方向のオフセットHx を図の左方向に加
えることにより、磁気バブル検出素子のHx 方向感度曲
線にある不感帯から早く抜け出すことができる。このた
め、検出信号の立ち上がりが早くなり、検出信号の幅を
広げることができる。
【0038】一方、Y方向のオフセットHy を図の下方
向に加えることにより、検出信号に加わっているノイズ
(磁気バブル検出素子自体が発生するスイッチングノイ
ズ)のタイミングと検出信号の立ち下がりタイミングと
を分離でき、S/Nを向上させることができる。図15
の構成では、CW方向に磁界を回転させる(図16に示
す)ことが好ましい。
【0039】図18は磁気バブル素子12のストレッチ
ャに対する位置が図15と異なる配置の場合を示す図で
ある。この場合、X方向のオフセットHx を図の右方向
に加えることにより、磁気バブル検出素子のHx 方向感
度曲線にある不感帯から早く抜け出すことができる。こ
のため、検出信号の立ち上がりが早くなり、検出信号の
幅を広げることができる。
【0040】一方、Y方向のオフセットHy を図の下方
向に加えることにより、検出信号に加わっているノイズ
(磁気バブル検出素子自体が発生するスイッチングノイ
ズ)のタイミングと検出信号の立ち下がりタイミングと
を分離でき、S/Nを向上させることができる。図18
の構成では、CCW方向に磁界を回転させる(図20に
示す)ことが好ましい。
【0041】図21はストレッチャの向きが図15,図
18と異なる配置の場合を示す図である。この場合、X
方向のオフセットHx を図の左方向に加えることによ
り、磁気バブル検出素子のHx 方向感度曲線にある不感
帯から早く抜け出すことができる。このため、検出信号
の立ち上がりが早くなり、検出信号の幅を広げることが
できる。
【0042】一方、Y方向のオフセットHy を図の上方
向に加えることにより、検出信号に加わっているノイズ
(磁気バブル検出素子自体が発生するスイッチングノイ
ズ)のタイミングと検出信号の立ち下がりタイミングと
を分離でき、S/Nを向上させることができる。従っ
て、図21の構成では、CCW方向に磁界を回転させる
(図23に示す)ことが好ましい。
【0043】図24は磁気バブル検出素子12のストレ
ッチャに対する位置が図21と異なる配置の場合を示す
図である。この場合、X方向のオフセットHxを図の右
方向に加えることにより、磁気バブル検出素子のHx 方
向感度曲線にある不感帯から早く抜け出すことができ
る。このため、検出信号の立ち上がりが早くなり、検出
信号の幅を広げることができる。
【0044】一方、Y方向のオフセットHy を図の上方
向に加えることにより、検出信号に加わっているノイズ
(磁気バブル検出素子自体が発生するスイッチングノイ
ズ)のタイミングと検出信号の立ち下がりタイミングと
を分離でき、S/Nを向上させることができる。図24
の構成では、CW方向に磁界を回転させる(図25に示
す)ことが好ましい。
【0045】以上のことから、読み出しに適した(検出
信号の信号幅が広くとれる)オフセットの方向は、以下
の通りである。
【0046】Hx オフセット: ストレッチャと磁気バ
ブル検出素子の位置関係で決定される。すなわち、スト
レッチャの中で磁気バブル検出素子が配置されている側
と逆のX方向の向きである。 … Hy オフセット: ストレッチャと磁気バブル検出素子
の位置関係と、磁界回転方向で決定される。すなわち、
ストレッチャの中で磁気バブル検出素子が配置されてい
る側のX方向の向きから、磁界回転方向に90度回転し
たようなY方向の向きである。 … また、読み出しに適した(信号幅が広くとれる)読み出
し磁界の回転方向は、ストレッチャの中で磁気バブル検
出素子が置かれている側の稜線を、バブルが裾から頂上
に向かって昇る方向である。 … 従って、この回転磁界の方向はHB が変わっても変化し
ない(=)。
【0047】以上のようにして求められたオフセットの
条件(,,,)に従ってオフセットを与えた場
合の検出信号波形のアイパターンの概略を図27(a)
に、オフセット無しの場合の検出信号波形のアイパター
ンを図27(b)に、本実施例と逆にオフセットを与え
た場合の検出信号のアイパターンを図27(c)に示
す。これらの図からも明らかなように、本実施例のオフ
セットの方向が有効であることがわかる。
【0048】尚、上記の諸条件に従って、X,Yのいず
れか一方のオフセットを加えてもよい。また、バイアス
磁石を傾けることにより、オフセット磁界を発生させる
ことも可能である。
【0049】また、読み出しコイルに与える電流波形を
三角波として説明を行ったが、正弦波でも何ら問題はな
い。そして、ストレッチャSとして、図28に示すよう
にシェブロンストレッチャを突き合わせ配置のものを用
いて説明したが、図29に示す入れ子配置型のシェブロ
ンストレッチャや、図30に示す非対象型シェブロンス
トレッチャを使用することも可能である。
【0050】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の磁
気バブル検出方法によれば、磁気バブル検出信号とノイ
ズとを分離でき、かつ安定な幅の広い磁気バブル検出信
号が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気バブル素子全体を示す構成図である。
【図2】読み出しコイルに与える電流波形の一例を示す
波形図である。
【図3】ストレッチャと磁気バブル検出素子との位置関
係を示す説明図である。
【図4】図3に示した構成での検出信号とオフセットの
関係を示す説明図である。
【図5】図3に示した構成での検出信号とオフセットの
関係を示す説明図である。
【図6】ストレッチャと磁気バブル検出素子との位置関
係を示す説明図である。
【図7】図6に示した構成での検出信号とオフセットの
関係を示す説明図である。
【図8】図6に示した構成での検出信号とオフセットの
関係を示す説明図である。
【図9】ストレッチャと磁気バブル検出素子との位置関
係を示す説明図である。
【図10】図9に示した構成での検出信号とオフセット
の関係を示す説明図である。
【図11】図9に示した構成での検出信号とオフセット
の関係を示す説明図である。
【図12】ストレッチャと磁気バブル検出素子との位置
関係を示す説明図である。
【図13】図12に示した構成での検出信号とオフセッ
トの関係を示す説明図である。
【図14】図12に示した構成での検出信号とオフセッ
トの関係を示す説明図である。
【図15】ストレッチャと磁気バブル検出素子との位置
関係を示す説明図である。
【図16】図15に示した構成での検出信号とオフセッ
トの関係を示す説明図である。
【図17】図15に示した構成での検出信号とオフセッ
トの関係を示す説明図である。
【図18】ストレッチャと磁気バブル検出素子との位置
関係を示す説明図である。
【図19】図18に示した構成での検出信号とオフセッ
トの関係を示す説明図である。
【図20】図18に示した構成での検出信号とオフセッ
トの関係を示す説明図である。
【図21】ストレッチャと磁気バブル検出素子との位置
関係を示す説明図である。
【図22】図21に示した構成での検出信号とオフセッ
トの関係を示す説明図である。
【図23】図21に示した構成での検出信号とオフセッ
トの関係を示す説明図である。
【図24】ストレッチャと磁気バブル検出素子との位置
関係を示す説明図である。
【図25】図24に示した構成での検出信号とオフセッ
トの関係を示す説明図である。
【図26】図24に示した構成での検出信号とオフセッ
トの関係を示す説明図である。
【図27】オフセットを変化させた場合の検出信号のア
イパターンを比較して示す説明図である。
【図28】ストレッチャの配置の一例を示す説明図であ
る。
【図29】ストレッチャの配置の一例を示す説明図であ
る。
【図30】ストレッチャの配置の一例を示す説明図であ
る。
【図31】磁気バブル素子周囲の配置を示す説明図であ
る。
【図32】ストレッチャ及び磁気バブル検出素子の配置
を示す説明図である。
【図33】ストレッチャ及び磁気バブル検出素子の配置
を詳細に示す説明図である。
【図34】バイアス磁界及び回転磁界の強度を示す説明
図である。
【図35】磁気バブル検出素子の特性を示す特性図であ
る。
【図36】磁気バブル検出素子周囲を示す斜視図であ
る。
【図37】読み出しのための磁界を発生する回路構成を
示す回路図である。
【図38】検出信号を示す波形図である。
【図39】磁気バブル検出素子のHy 方向感度曲線を示
す説明図である。
【図40】磁気バブル検出素子のHx 方向感度曲線を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 磁気バブル素子 2,2′バイアス磁石 3,4 読み出しコイル 5 リング磁石 12,13 磁気バブル検出素子 S ストレッチャ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストレッチャと、磁気抵抗効果による薄
    膜型の磁気バブル検出素子を使用し、読み出しコイルに
    回転磁界を発生させることで磁気バブルを強制的に移動
    させ、磁気バブルのビットパターンを磁気バブル検出素
    子で検出する磁気バブル検出方法において、バイアス磁
    界が磁気バブル素子の裏面から表面に向かって加わって
    いるときには、検出素子の感度方向のうちストレッチャ
    内で磁気バブル検出素子が配置されている向きの直流成
    分と、この向きから磁気バブル検出素子面内であって磁
    気バブルを移動させるための回転磁界とは逆方向に90
    度回転して磁気バブル検出素子の感度方向とは垂直な向
    きの直流成分とを有するような回転磁界を磁気バブル素
    子に与え、バイアス磁界が磁気バブル素子の表面から裏
    面に向かって加わっているときには、検出素子の感度方
    向のうちストレッチャ内で磁気バブル検出素子が配置さ
    れている向きと逆向きの直流成分と、検出素子が配置さ
    れている向きから磁気バブル検出素子面内であって磁気
    バブルを移動させるための回転磁界方向に90度回転し
    て磁気バブル検出素子の感度方向とは垂直な向きの直流
    成分とを有するような回転磁界を磁気バブル素子に与え
    る磁気バブル検出方法。
JP3062218A 1991-03-26 1991-03-26 磁気バブル検出方法 Expired - Lifetime JP2822681B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3062218A JP2822681B2 (ja) 1991-03-26 1991-03-26 磁気バブル検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3062218A JP2822681B2 (ja) 1991-03-26 1991-03-26 磁気バブル検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04295689A JPH04295689A (ja) 1992-10-20
JP2822681B2 true JP2822681B2 (ja) 1998-11-11

Family

ID=13193791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3062218A Expired - Lifetime JP2822681B2 (ja) 1991-03-26 1991-03-26 磁気バブル検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2822681B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04295689A (ja) 1992-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6107793A (en) Magnetic sensing device unaffected by positioning error of magnetic field sensing elements
JP3028377B2 (ja) 磁気抵抗近接センサ
US6169396B1 (en) Sensing device for detecting change in an applied magnetic field achieving high accuracy by improved configuration
US6559638B1 (en) Magnetic positioning detector using field direction as primary detecting means
US20090256552A1 (en) Gear tooth sensor with single magnetoresistive bridge
JP2819507B2 (ja) 磁気的測定システム
CN110196399A (zh) 角传感器系统和杂散场消除方法
JP3487452B2 (ja) 磁気検出装置
US6522132B1 (en) Linear angular sensor with magnetoresistors
JP3855801B2 (ja) 回転検出装置
JP2822681B2 (ja) 磁気バブル検出方法
JPH051769Y2 (ja)
JP2976677B2 (ja) 回転数検出器
JP3036274B2 (ja) 磁気エンコーダ
JP3220278B2 (ja) 位置検出装置
JPH11118517A (ja) 回転体用センサ
JPH11237255A (ja) 磁気バブル検出方法及びこれを用いた回転数検出器
JPH06147816A (ja) 角度センサ
JPH0749381Y2 (ja) 回転数検出器
JP3123661B2 (ja) 回転数検出器
JP2619621B2 (ja) エンコーダ装置
JPH0618279A (ja) 位置検出装置
Mapps et al. A double bifilar magneto-resistor for earth's field detection
JPS63205514A (ja) 磁気的に位置や速度を検出する装置
JPH10255236A (ja) 磁気検出装置