JP2822619B2 - 液圧システム - Google Patents

液圧システム

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JP2822619B2
JP2822619B2 JP2169222A JP16922290A JP2822619B2 JP 2822619 B2 JP2822619 B2 JP 2822619B2 JP 2169222 A JP2169222 A JP 2169222A JP 16922290 A JP16922290 A JP 16922290A JP 2822619 B2 JP2822619 B2 JP 2822619B2
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liquid
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猛 酒井
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、液圧ポンプとアクチュエータを備えた液
圧システムに関するものである。
〔従来の技術〕
従来、この種の液圧システムでは液圧ポンプの吸込側
の負圧により発生するキャビテーションによる騒音及び
耐久性の悪化が問題になるため液圧ポンプの吸込側に過
給装置を設け、キャビテーションの発生を低減してい
る。しかし、近年の、より小型化・高速化・大容量化の
需要に伴いキャビテーションの発生の虞が高まり、これ
を防ぐため特開昭62−9753号公報ではタンク内に第2の
過給装置を設け、この過給装置により作動油を過給しポ
ンプ吸込側を昇圧している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、このシステムでは作動流体内に混入している
気体分を除去することが不可能であり、気泡が回路内に
混入したまま運転することとなり騒音等の原因となる。
この発明の目的は、確実にキャビテーションを防止す
ることができる液圧システムを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、液圧ポンプと、当該液圧ポンプの吐出す
る液により駆動されるアクチュエータと、主回路用タン
クとを順に接続し閉回路とした液圧システムにおいて、 前記主回路用タンクと液圧ポンプとの間に設けられ、
液を前記液圧ポンプの吸込側に巻き込む絞り部を有する
過給装置と、大気に開放され、前記過給装置により前記
液圧ポンプの吸込側に供給される液を蓄える過給用タン
クと、前記主回路用タンクと過給用タンクとを連通し、
前記主回路用タンク内の気泡とともに主回路用タンク内
の液の一部を過給用タンクに排出する連通部とを備えた
液圧システムをその要旨とするものである。
〔作用〕
過給装置により過給用タンクの液が液圧ポンプの吸込
側に供給される。又、連通部により主回路用タンク内の
気泡とともに主回路用タンク内の液の一部が過給用タン
クに排出される。その結果、主回路用タンク内に気泡が
溜まり液圧ポンプ内に吸い込まれ騒音が発生したりする
ことはなく、全回転域で吸込側を正圧にできるのでキャ
ビテーションも防止できる。
〔実施例〕
以下、この発明を具体化した一実施例を図面に従って
説明する。本実施例の液圧システムは自動車のパワース
テアリングシステムに応用したものである。
第1図に示すように、エンジンにて駆動される液圧ポ
ンプ1にはアクチュエータ2が接続され、同アクチュエ
ータ2はパワーステアリング用シリンダである。この液
圧ポンプ1の吸込側には第1の過給装置3が設けられて
いる。第1の過給装置3は液圧ポンプ1の吸込側に作動
液を巻き込むための絞り部4が備えられ、その絞り部4
には過給される液を供給する供給部(供給孔)5が形成
されている。そして、流量調整弁6を介して余剰分の液
圧ポンプ1の吐出液が第1の過給装置3の絞り部4を通
して液圧ポンプ1の吸込側に戻されるようになってい
る。
タンクケース7はその中央に隔壁(分離板)8が設け
られ、左右に主回路用タンク9と過給用タンク10が形成
されている。主回路用タンク9の側壁には液導入管11が
貫通した状態で設けられ、この液導入管11にアクチュエ
ータ2が接続されている。さらに、主回路用タンク9の
底部には液排出管12が貫通した状態で設けられ、この液
排出管12には第2の過給装置13と第1の過給装置3を介
して液圧ポンプ1が接続されている。
この第2の過給装置13には、液圧ポンプ1の吸込側に
作動液を巻き込むための絞り部14が備えられ、その絞り
部14の先端部には過給される液を供給する供給部(供給
孔)15が形成されている。そして、絞り部14を作動液が
通過する際に流速が上がり圧力が低下するとともにその
周辺部の供給部15から過給される液を吸引する力が作用
する。
そして、液圧ポンプ1→アクチュエータ2→主回路用
タンク9→第2の過給装置13→第1の過給装置3→液圧
ポンプ1により主液圧回路(閉回路)が形成されてい
る。
又、過給用タンク10の底部には液排出管16が設けら
れ、この液排出管16には第2の過給装置13の供給部15が
接続されている。又、タンクケース7の天井部にはタン
クキャップ17が設けられ、タンクキャップ17は主回路用
タンク9を密閉状態にするとともに、過給用タンク10を
大気開放とするものである。つまり、隔壁8上部でのタ
ンクケース7に、筒状部18が設けられ、この筒状部18の
底面は主回路用タンク9内に開口し、筒状部18の側面は
連通孔19を介して過給用タンク10内に開口している。そ
して、蓋材20をセットすることによりバネ21にて押圧板
(ゴム板)22を付勢して筒状部18の底面開口部を閉じる
とともに、連通孔19を介して過給用タンク10内が開放状
態となっている。又、主回路用タンク9内の圧力が異常
に高くなると、その圧力により押圧板22を押し上げ主回
路用タンク9内と過給用タンク10内とが連通状態にな
り、主回路用タンク9内の圧力が過給用タンク10内を介
して抜くことができる。
又、主回路用タンク9と過給用タンク10内にはそれぞ
れストレーナ23,24が配置されている。
さらに、タンクケース7内での隔壁8の上部には連通
管25が貫通した状態で配置され、連通管25の内径は主液
圧回路の配管材の内径よりも小さくなっている。
次に、このように構成した液圧システムの作用を説明
する。
液圧ポンプ1が駆動し、圧縮・吐出された作動液はア
クチュエータ2を介して密閉された主回路用タンク9に
流入する。さらに、主回路用タンク9内の液は第2の過
給装置13及び第1の過給装置3を通過することにより昇
圧される。このとき、主液圧回路中の作動液には低温時
に溶解していた気体分、及び、軸封装置等から吸い込ま
れる極微小量の気体分が混入している。
主液圧回路は第1・第2の過給装置3,13により大気圧
よりも高い圧力を保持しており、この回路中に混入され
ている気体分はアクチュエータ2から主回路用タンク9
に流入する。その後、液中の気体は比重が小さいため、
主回路用タンク9の上部に滞留するが、タンク内圧差に
より連通管25を通じて大気中へ連通する過給用タンク10
へ液分とともに流入する。この過給用タンク10内へ流入
した気体分が除去される。
その後、過給用タンク10の液分は再び第2の過給装置
13にて主液圧回路に過給・流入され、昇圧された作動液
が第1の過給装置3にて、さらに昇圧されて液圧ポンプ
1に吸入される。この時、連通管25を通じて過給用タン
ク10へ流入する気体分の混入した作動液は、主回路に流
れる作動流量よりも遥かに少なくてよいため(例えば、
1/10程度)、主回路用タンク9の圧力が低下してキャビ
テーションの発生防止に悪影響を与えることなく、又、
過給用タンク10内の作動液も滞留することなく、主液圧
回路に流入循環させることができ、液圧システムの放熱
にも大きく寄与する。
さらに、第2図に示すように、例えば、第1のの過給
装置3のみを使用して流量Q1の作動液を吐出した場合
(特性線L1)、ポンプ1吸込側の最小圧力はP1となる
が、システムの作動流量を増加させ流量Q2とすると(特
性線L2)、過給用の作動流量は減少し、吸込側の圧力は
より高回転域まで負圧となり、キャビテーションが発生
して騒音や耐久性の悪化を招く。しかし、本実施例のよ
うに、第2の過給装置13を付加することで特性線L3とな
り、どの回転数でも過給され吸込側の圧力は全回転域に
わたって正圧にできる。即ち、第2図でのポンプ回転数
がn0の場合を考えると、特性線L1の場合にはQaの作動流
体で過給され、特性線L2の場合にはQbの作動流体で過給
されるが、本実施例では(Q2+Qb)が過給用の作動流体
となる。
このように本実施例は、大気に開放された過給用タン
ク10と、主回路用タンク9とを連通管25にて連通し、こ
の連通管25により主液圧回路(閉回路)内の気泡ととも
に主液圧回路内の液を過給用タンク10に排出させるよう
にした。その結果、液圧システムを循環する流体の一部
を過給用タンク10に排出して気体分を抜き、さらに、分
離した液体分を第2の過給装置13に供給できる。よっ
て、確実にキャビテーションを防止することができ、小
型で大吐出量で、かつ低騒音な液圧システムとすること
ができることとなる。又、過給用タンク10を介して主液
圧回路に流入循環させることができ、液圧システムの放
熱にも大きく寄与することができ過給用タンク10の作動
液を有効に作動させることができる。
尚、この発明は上記実施例に限定されるものではな
く、例えば、上記実施例では主回路用タンク9と過給用
タンク10とをタンクケース7内に形成し、共通のタンク
キャップ17を設けたが、キャップはそれぞれのタンクに
設けてもよく、又、タンク9,10を別体とし、タンク間に
作動液の一部を流通させる配管を設けてもよい。
又、第3図に示すように、両タンク9,10間の隔壁8を
通して主回路用タンク9から過給用タンク10内へ配管
し、過給用タンク10内に第2の過給装置26を設けてもよ
い。即ち、絞り用管材27と供給部28と出口管29とにより
第2の過給装置26を形成してもよい。この場合、第2の
過給装置26から液圧ポンプ1への配管を1本にできる。
〔発明の効果〕
以上詳述したようにこの発明によれば、確実にキャビ
ターションを防止することができる優れた効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例の液圧システムの全体構成図、第2図は
ポンプ回転数に対する吐出流量と吸込側圧力との関係を
示す図、第3図は別例の油圧システムの全体構成図であ
る。 1は液圧ポンプ、2はアクチュエータ、9は主回路用タ
ンク、10は過給用タンク、13は第2の過給装置、14は絞
り部、25は連通管。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液圧ポンプと、当該液圧ポンプの吐出する
    液により駆動されるアクチュエータと、主回路用タンク
    とを順に接続し閉回路とした液圧システムにおいて、 前記主回路用タンクと液圧ポンプとの間に設けられ、液
    を前記液圧ポンプの吸込側に巻き込む絞り部を有する過
    給装置と、 大気に開放され、前記過給装置により前記液圧ポンプの
    吸込側に供給される液を蓄える過給用タンクと、 前記主回路用タンクと過給用タンクとを連通し、前記主
    回路用タンク内の気泡とともに主回路用タンク内の液の
    一部を過給用タンクに排出する連通部と を備えたことを特徴とする液圧システム。
JP2169222A 1990-06-26 1990-06-26 液圧システム Expired - Lifetime JP2822619B2 (ja)

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