JP2822169B2 - リング磁石の成形装置および成形方法 - Google Patents

リング磁石の成形装置および成形方法

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JP2822169B2
JP2822169B2 JP7328287A JP32828795A JP2822169B2 JP 2822169 B2 JP2822169 B2 JP 2822169B2 JP 7328287 A JP7328287 A JP 7328287A JP 32828795 A JP32828795 A JP 32828795A JP 2822169 B2 JP2822169 B2 JP 2822169B2
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忠 南
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F2999/00Aspects linked to processes or compositions used in powder metallurgy

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  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁性粉体により
ラジアル異方性のリング磁石を成形するリング磁石の成
形装置および成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のリング磁石の成形装置として、例
えば図4に示すものが知られている。これは、金型1に
下パンチ2を挿入している下ラム3と、該下ラム3内に
昇降可能に挿入されて、上記下パンチ2とともに上記金
型1内にリング状の成形空間11を形成する下部コア4
とを有する。
【0003】また、上記金型1は磁路の一部を形成する
ヨーク5内に設置され、この金型1上に配置された上ラ
ム6内には昇降可能に上部コア7が挿入されている。な
お、8は上ラム6に一体の上パンチである。
【0004】さらに、上記下ラム3の周囲には下部磁化
コイル9が配置されており、上記上ラム6の周囲には上
部磁化コイル10が配置されている。
【0005】次にかかる構成のリング磁石の成形装置の
動作について説明する。まず、金型1およびこれに均等
な面で連続するヨーク5の上面に、例えば磁性粉体を入
れたシューボックスを滑らせて、上記成形空間11内に
その磁性粉体を落下充填する。
【0006】次に、上ラム6を降下させて、上パンチ8
が僅かに成形空間11内に突込んだ図示の位置であっ
て、かつ上部コア7が下部コア4に接した位置で、その
上ラム6の降下を停止させる。
【0007】そこで、上部磁化コイル10および下部磁
化コイル9に相互に反発する極性となるように通電を行
い、この通電状態にて上ラム6を再降下させ、上パンチ
8で成形空間11内の磁性粉体を所定の圧力になるまで
加圧する。
【0008】そして、その加圧終了時点で通電を停止
し、続いて、上記各コイル9,10に上記とは逆向の通
電を行って、磁性粉体からなる成形体の減磁を行う。こ
の後、金型1を下降させ、上ラム6を上昇させ、下部コ
ア4を下降させた後、下パンチ2を上昇させることによ
って、上記成形体を取り出す。
【0009】このようにして、大径の空心コイルである
下部磁化コイル9および上部磁化コイル10を下ラム3
および上ラム6をそれぞれ磁心とするようにセットし、
しかも互いに反発する向きの磁束を各コア4,7から金
型1に向って放射状に流すことにより、磁性粉体をラジ
アル方向に配向して、ラジアル異方化のリング磁石を製
造している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のリング磁石の成形装置にあっては、下部磁化コイ
ル9および上部磁化コイル10が大径となるため、ま
た、各ラム3,6を磁気回路とする磁路長が長くなるた
め、各コイル9,10の起磁力を相当程度に大きくする
必要があった。
【0011】このため、設備の大形化によるコストアッ
プを招くほか、磁気抵抗損失の増大に伴い配向のための
磁化や減磁のための通電時間の立上りと立下りに長時間
を要し、また、磁化と減磁との間に通電休止時間(コイ
ルの自己インダクタンスによる時定数を超える)を設け
る必要があるところから、結果的にリング磁石1個を成
形するための所要時間が、例えば25〜45秒にもなる
という課題があった。
【0012】この発明は上記のような従来の課題を解決
するためになされたものであり、通電時間および通電電
流を少なく抑えながら強力な磁場を磁性粉体に効率的に
及ばせて、所期のリング磁石を小さい設備にてローコス
トに製造できるリング磁石の成形装置および成形方法を
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
リング磁石の成形装置は、金型に下パンチを挿入してい
る下ラムと、該下ラム内に昇降可能に挿入されて、上記
下パンチとともに上記金型にリング状の成形空間を形成
する下部コアと、上記金型の上面に移動可能とされて、
上記下部コアに当接される磁極および上記金型に当接さ
れるヨークを一体に有する電磁石とを設けて、該電磁石
の上記金型の上面からの退避後に上ラムに一体の上パン
チを、上記成形空間内に挿入して、該成形空間内に充填
された磁性粉体を圧縮成形するようにしたものである。
【0014】請求項2の発明にかかるリング磁石の成形
方法は、金型内に下ラムの下パンチおよび下部コアによ
って形成されたリング状の成形空間に磁性粉体を充填
し、磁極とヨークを一体に有する電磁石を、上記磁極が
上記下部コア端に一致するように上記金型上にセットし
た後、上記電磁石に通電して上記磁性粉体に磁場を印加
し、続いてその電磁石を上記金型上から退避させた後
に、上記金型上方から上ラムの上パンチを上記成形空間
内に挿入して上記磁性粉体を圧縮し、さらに上記上ラム
を上昇退避させた後再び上記電磁石を上記金型上にセッ
トして脱磁モードの磁場を上記磁性粉体に印加するよう
にしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
図について説明する。図1はこの発明のリング磁石の成
形装置を具体的に示す断面図であり、ここでは図3に示
したものと実質的に同一構成となる部分には同一符号を
付して、その重複する説明を省略してある。
【0016】この実施の形態では、既述の上部コア7,
下部磁化コイル9および上部磁化コイル10が省かれて
おり、新たに、金型1の上面およびこれと均等レベルに
位置した下部コア4の上面にスライド可能に、小径の電
磁石15を後述の磁性粉体に配向のための磁場を与える
磁化器として設けてある。
【0017】また、この電磁石15は磁極16を中心と
してその周辺にヨーク17を一体に有するものからな
り、磁極16には励磁用のコイル18が巻装されてい
る。
【0018】上記磁極16は、また上記下部コア4の端
面と形状およびサイズが略一致する形態をなし、ヨーク
17は金型1の上面に対向する位置に設けられている。
つまり、磁極16およびヨーク17は互いに近接した配
置となっている。
【0019】さらに、19は内部に磁性粉体20を収納
して、上記金型1上にスライド可能なシューボックスで
ある。
【0020】次にかかる構成になる成形装置によりリン
グ磁石を成形する方法について説明する。まず、金型
1,下パンチ2および下部コア4とで形成された成形空
間11内に、シューボックス19を金型1上にスライド
させることで、その中の磁性粉体20を充填し、続い
て、そのシューボックス19を金型1上から退避させ
る。
【0021】次に、上記電磁石15を金型1上へスライ
ドさせて、磁極16を下部コア4の上面に一致するよう
にセットし、磁極コイル18に瞬時に通電を行う。これ
により、電磁石15には起磁力が発生し、磁極16を中
心として発生する磁束が下部コア4,成形空間11内の
磁性粉体,金型1およびヨーク17が作る磁路を通過
し、これによりその磁性粉体を配向させる。
【0022】この発明では、上記のように電磁石15が
小径で磁極16とヨーク17が近接しているため、小さ
な起磁力でも金型1を磁路の一部として成形空間11内
の磁性粉体に磁束を集中させることが可能であり、強い
配向磁場を磁性粉体に与えることができる。
【0023】そして、電磁石15は成形機とは独立して
作動(スライドなど)するため、磁極16と下部コア4
との密接によって磁路内の磁気抵抗を小さく抑えること
ができ、磁路長を短くできることと合わせて、短期間の
通電にて強力な磁場を発生させることができる。従っ
て、電磁石15による印加磁場は静磁場でもパルス磁場
のいずれでもよい。
【0024】次に、上記磁性粉体の配向後、一旦、電磁
石15を金型1上から退避させ、上ラム6を下降するこ
とにより、上パンチ8によって成形空間11内の磁性粉
体を圧縮成形する。
【0025】こうして、圧縮成形を終了した後は上ラム
6を上昇させて、再度電磁石15を金型1上にスライド
させ、磁極16を下部コア4に当接させて、上記とは逆
方向の静磁場あるいはパルス磁場を発生させて、上記成
形された磁性粉体の成形体の減磁を行う。
【0026】続いて、この減磁を行った後で電磁石15
を金型1上から退避させ、さらに金型1および下部コア
4を下降させまたは下パンチ2を上昇させることで、上
記成形体を取り出すことができる。
【0027】このように、小形の電磁石15を、上ラム
6の作動とは別に金型1上にスライドさせ、磁極16お
よびヨーク17と下部コア4および金型1との各接合に
よって、磁性粉体およびこれの成形体の磁化や減磁を、
損失を少なく抑えて効率的に実施可能とする。従って、
リング磁石の製造効率および製造コストが大幅に改善さ
れ、従来方法に比べて、例えば3〜4倍の高速成形,製
造が可能になる。
【0028】また、上記実施の形態では1個取りのリン
グ磁石の成形装置について述べたが2個取り以上の成形
も、上記電磁石の小形化によって効率的に行える。
【0029】図2は4個取りの成形に用いる成形装置の
要部を示す断面図であり、1Aは4個の下パンチ2Aお
よび下部コア4Aとともに成形空間11Aを形成する金
型、15Aは上記各下部コア4Aに対向する位置に同様
の磁極16Aを対向配置した、図3に示すような略円盤
状の電磁石で、これらの磁極16Aには、電源に対し直
列接続された励磁コイル18Aがそれぞれ巻装されてい
る。
【0030】また、各磁極16Aと一体に電磁石15A
に設けられたヨーク17Aは、上記金型1Aの中心部分
および周辺部分の各上面に当接可能に臨んでいる。
【0031】かかる構成になるリング磁石の成形装置で
は、上記励磁コイル18Aに電流を流すことにより、4
つの磁極16Aが同時に励磁され、これらの磁極16A
が発生する磁束は、これに対する各4本の下部コア4
A、各成形空間11A内の磁性粉体またはこれの成形
体、金型1Aの中心部および周辺部の上面、ヨーク17
Aをそれぞれ点線矢印に示すように通過する。
【0032】このため、各成形空間11A内の磁性粉体
またはこれの成形体に対し強力な磁場を集中させること
が可能となり、同時に4個のリング磁石が成形可能とな
る。
【0033】特に、この場合、金型1Aの中心部を通っ
て流れる磁束の方向は一致するため、磁束流の干渉は生
じることがなく、均一な放射状の磁場が得られる。
【0034】このように、この発明によるリング磁石の
成形方法にあっては、磁場の集中と磁気抵抗低減の相乗
作用により、瞬間の通電、例えばパルスの通電によって
も、強力な磁場を磁性粉体やこれの成形体に効率的に及
ばしめることが可能となり、これを簡単かつ安価な構成
および方法にて実現できる。
【0035】また、上記パルス電流の印加によって、パ
ルス磁場による配向度が向上し、高性能のリング磁石を
得ることができ、また、従来に比べて2〜3倍の高効率
にて磁場成形が可能となる。
【0036】特に、1−5系サマコバ磁石やネオジ磁石
はニュークリエイション型の保磁力発生機構を有してい
るので、最初の磁化方向に対して静磁場で脱磁するのは
難しいが、強力なパルス磁場での脱磁は可能であり、従
って、その製品のハンドリングが容易となる。
【0037】また、この発明の成形方法では成形品の脱
磁の際に、同時に金型1も脱磁されるため、磁性粉体の
給粉の際におけるブリッジング現象が解消され、従っ
て、給粉が容易となる。
【0038】また、磁場の印加と磁性粉体の圧縮成形の
作業が独立したステップで実施されるため、これらの相
互の作動タイミングの制御が容易となり、設備コストが
安価になるという効果が得られる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれば
金型に下パンチを挿入している下ラムと、該下ラム内に
昇降可能に挿入されて、上記下パンチとともに上記金型
にリング状の成形空間を形成する下部コアと、上記金型
の上面に移動可能とされて、上記下部コアに当接される
磁極および上記金型に当接されるヨークを一体に有する
電磁石とを設けて、該電磁石の上記金型の上面からの退
避後に降下するする上ラムに一体の上パンチを、上記成
形空間内に挿入して、該成形空間内に充填された磁性粉
体を圧縮成形するように構成したので、通電時間および
通電電流を少なく抑えながら強力な磁場を磁性粉体に効
率的に及ばせることができ、これにより所期のリング磁
石を小さい設備にてローコストに製造できるものが得ら
れる効果がある。
【0040】また、請求項2の発明によれば金型内に下
ラムの下パンチおよび下部コアによって形成されたリン
グ状の成形空間に磁性粉体を充填し、磁極とヨークを一
体に有する電磁石を、上記磁極が上記下部コア端に一致
するように上記金型上にセットした後、上記電磁石に通
電して上記磁性粉体に磁場を印加し、続いてその電磁石
を上記金型上から退避させた後に、上記金型上方から上
ラムの上パンチを上記成形空間内に挿入して上記磁性粉
体を圧縮し、さらに上記上ラムを上昇退避させた後再び
上記電磁石を上記金型上にセットして脱磁モードの磁場
を上記磁性粉体に印加するようにしたので、磁性粉体や
これの成形体への磁場の印加と、上ラムの作動による圧
縮成形の各動作を独立して異なったタイミングにて実現
でき、このため、この制御のためのシステムの設計の容
易化および設備のローコスト化を容易に実現できるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態によるリング磁石の成
形装置を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の他の形態によるリング磁石の
成形装置を示す要部断面図である。
【図3】図2における電磁石の平面図である。
【図4】従来のリング磁石の成形装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,1A 金型 2,2A 下パンチ 3,3A 下ラム 4,4A 下部コア 6 上ラム 8 上パンチ 11 成形空間 15 電磁石 16 磁極 17 ヨーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 41/02 B22F 3/087

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型に下パンチを挿入している下ラム
    と、該下ラム内に昇降可能に挿入されて、上記下パンチ
    とともに上記金型にリング状の成形空間を形成する下部
    コアと、上記金型の上面に移動可能とされて、上記下部
    コアに当接される磁極および上記金型に当接されるヨー
    クを一体に有する電磁石と、該電磁石の上記金型の上面
    からの退避後に上記成形空間内に挿入され、該成形空間
    内に充填された磁性粉体を圧縮成形する上ラムの上パン
    チとを備えたことを特徴とするリング磁石の成形装置。
  2. 【請求項2】 金型内に下ラムの下パンチおよび下部コ
    アによって形成されたリング状の成形空間に磁性粉体を
    充填し、磁極とヨークを一体に有する電磁石を、上記磁
    極が上記下部コア端に一致するように上記金型上にセッ
    トした後、上記電磁石に通電して上記磁性粉体に磁場を
    印加し、続いてその電磁石を上記金型上から退避させた
    後に、上記金型上方から上ラムの上パンチを上記成形空
    間内に挿入して上記磁性粉体を圧縮し、さらに上記上ラ
    ムを上昇退避させた後再び上記電磁石を上記金型上にセ
    ットして脱磁モードの磁場を上記磁性粉体に印加するこ
    とを特徴とするリング磁石の成形方法。
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