JP2821801B2 - 水泳プールの昇降床装置 - Google Patents

水泳プールの昇降床装置

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JP2821801B2 JP19839190A JP19839190A JP2821801B2 JP 2821801 B2 JP2821801 B2 JP 2821801B2 JP 19839190 A JP19839190 A JP 19839190A JP 19839190 A JP19839190 A JP 19839190A JP 2821801 B2 JP2821801 B2 JP 2821801B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、水泳プールの水深を可変調節自在とする水
泳プールの昇降床装置に関する。
(従来の技術) 従来、水泳プールの水深を昇降床(可動床とか、移動
床とも称する)により可動調節するに、.特開昭55−
13307号公報に示す「深さ可変のプール」、.特開昭6
0−47169号公報に示す「移動床を備えるプール」、.
特開昭60−133167号公報に示す「昇降床を備えるプー
ル」、.特開昭61−165466号公報に示す「水泳用プー
ルの床昇降方法」、.特開昭62−112868号公報に示す
「プールの床面昇降支持装置」、.特開昭62−185967
号公報に示す「プールフロアの昇降装置」、.特開昭
62−185968号公報に示す「プールフロア構造」、.特
開昭62−248762号公報に示す「プール内に設けた昇降床
の高さ調節装置」、また、.実開昭55−143345号公報
に示す「可動床を有するプール」、.実開昭56−1406
47号公報に示す「水深調節用プール可動床の支承構
造」、.実開昭56−157263号公報に示す「プールの床
上げ構造」、.実開昭59−154566号公報に示す「空気
ばねによるプール水深調整装置」、.実開昭60−4076
0号公報に示す「プール用昇降床板装置」、.実開昭6
1−36048号公報に示す「床の昇降装置」、.実開昭61
−176356号公報に示す「水深調節フロアー」、.実開
昭63−111559号公報に示す「流体圧式水没昇降ステー
ジ」、.実開昭63−159056号公報に示す「床運動場兼
用水泳プール」、.実開昭63−190455号公報に示す
「昇降床を設けたプール」等の多数の従来技術が提案さ
れている。
此等は、いずれも昇降床をウインチによる巻き上げ装
置で、また、電動モータによるチェーン駆動で、また、
油圧シリンダ又は空気圧シリンダで、或は、スクリュウ
ジャッキやピニオンラック機構等で昇降作動させたり、
また、昇降床をパンタグラフやリンク機構で支持し、そ
れを油圧シリンダや空気圧シリンダを作動させること
で、昇降床を昇降移動したり、更には、昇降床を支持す
る空気袋や昇降床の空洞室への空気の出し入れや水の出
し入れを、エアコンプレッサや送風機或は給排水ポンプ
等により制御することで浮力を変化させ、これにて昇降
床を水中へ沈降したり、浮上させる等の種々の駆動手段
によって、昇降床を昇降移動させ、水泳プールにおける
水深の深さ調節に対処している。
(発明が解決しようとする問題点) ところが、前記した従来技術の場合には、水泳プール
のプール底や外周部のプール壁を、専用的に造らねばな
らなかったり、既設の水泳プールのプール底やプール壁
に各種の治具を固定的に取り付けたり、昇降床の周縁部
を昇降案内する案内溝を設けたり、或は、プールサイド
に昇降床の駆動装置の機械室を構成せねばならない。
その為、水泳プールとして、専用的な水深調節プール
として新設することを前提とした場合には、問題を生ず
る余地が希薄であると推察できる。
ところが、此種の昇降床装置は、既設の水泳プールに
格別な加工をすることなく設備できるものとしなけれ
ば、昇降床を撤去して本来の水泳プールに復旧させて使
用に供する事態を想定した場合に対処できないことにな
る。
その為、既設の水泳プールに格別な加工をすることな
く設備できる昇降床装置であることが要請される。
また、水泳プールのプール底は、飛び込み側から所定
の距離を隔てた最深部を基準に、プール前端部の飛び込
み側とプール後端部の折り返し側にかけて、緩やかな傾
斜勾配に形成されている。
例えば、学校用プールの内、小学生用に設備される水
泳プールは、通常、長手方向に25m、幅方向に10M、その
前後両端部のプール深さは0.9M、また、飛び込み側から
5Mの位置が最深で1.1Mの大きさに略規格化されている。
また、中学生用の場合には、長手方向に25m、幅方向
に15M、その前後両端部のプール深さは1.1M、また、飛
び込み側から5Mの位置が最深で1.3Mの大きさとなってい
る。
斯様に、プール底が飛び込み側から一定の距離の位置
を最深部としつつ、前端部の飛び込み側と後端部の折り
返し側に向かって緩やかな傾斜勾配で形成されているに
も拘わらず、従来提案されている各種の昇降床装置は、
昇降床を水平状態の侭、上下に昇降移動させる構造が提
案され、その水深を、ただ単に平均的な深さにすること
で対処しているにすぎない。
それが為、水中へ沈降させたときの昇降床が、最深部
のない単なる水平床構造となり、それではプール底に昇
降床を沈降させて通常の使用、即ち、プール前端部の飛
び込み台から泳者が飛び込んで水泳するとの、本来的な
使用に対処することができないことになる。
斯様に、水泳プールとしての本来的な使用をも考慮し
た場合には、プール底の最深部と、当該部所の昇降床と
の間に、飛び込み台からの泳者が飛び込む際における制
約を受けることになる、最深部にかけての隙間が形成さ
れるものでないことが要請される。
例えば、小中学校用の大きさの水泳プールに、水平床
構造の昇降床を設備し、それをプール底に沈降させた場
合、当該プール底の最深部と前後両端部の最浅部との深
さの差として最大20cm程度の意味のない隙間が、プール
最深部に発生することになる。
その為には、此種の昇降床装置が、プール底の傾斜勾
配の存在意義を損なうことなく、プール底に可能な限り
薄型コンパクトな状態で、張り付いたような状態にする
ことができる昇降床装置であることが要請される。
前記に加えるに、水泳プールが温水プールである場合
を除き、屋外の水泳プールの使用は、1年を通じて6月
中旬当たりから9月中旬当たり迄の3ケ月程度の比較的
短い期間しか使用されないことが通例であり、また、当
該プールの使用季節であっても、水泳シーズンの初期や
末期には、日を通じても極めて短い間、例えば、我が国
の夏季の日照時間のうち、午前10〜11時〜午後3〜4時
程度の時間帯での使用が中心でカリキュラムに入ってい
るにすぎない。
このことは、当日に暖められた熱を可能な限り逃がす
ことなく翌朝まで持ち越すことができれば、少なくと
も、日を通じてのプールの使用開始時間が早まるばかり
か、また、通常の水泳シーズンの場合に比して、水泳プ
ールの使用が、比較的早い期間から遅い期間までと、前
後1〜2ケ月程度に期間延長できることにもなり、教育
上の見地からしても望ましいことでもある。
その為には、水泳プールの水温を、可能な限り保温し
て逃がさない昇降床装置であることが併せて要請され
る。
更には、水泳プールのオフシーズンの場合やそれを使
用しない場合には、此種の昇降床装置をプールサイドと
略面一に保持させておくことで、水泳プールに防火水槽
としての存在意義を具備せしめつつ、此種の昇降床装置
の表面を一種の運動場乃至広場としての使用にも対処で
きれば、本来の運動場を限られたスペースしか有しない
都市部の学校にとって、スペースの有効利用にもつなが
り、その設備投資効果が一層高まることにもなる。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、前記のように提起した問題点の内、先ず、
第1には、既設の水泳プールに格別な加工をすることな
く設備できる装置として、水泳プールの昇降床F1,F2
折り畳み御装置X1〜Xnで支持し、当該折り畳み脚装置X1
〜Xnの折り畳み脚22,22A、23,23Aをシリンダモータ、
M1,M2と、二つ折れ自在な折り畳みリンクL1,L2で開脚作
動したり、閉脚作動するように構成してなる水泳プール
の昇降床装置を提供したのである。
また、第2には、水泳プールとしての本来的な使用を
も考慮した場合には、プール底の最深部と、当該部所の
昇降床との間に、飛び込み台からの泳者が飛び込む際に
おける制約を受けることになる、最深部にかけての隙間
が形成されるものでない装置として、2体で1組の昇降
床F1,F2を、プール最深部4の鉛直線Y−Y上で折曲自
在に連結し、当該昇降床F1,F2を折り畳み脚装置X1〜Xn
で支持し、当該折り畳み脚装置X1〜Xnの折り畳み脚22,2
2A、23,23AをシリンダモータM1,M2と、二つ折れ自在な
折り畳みリンクL1,L2で開脚作動したり、閉脚作動する
ように構成してなる水泳プールの昇降床装置をも提供し
たのである。
(作 用) 而して、シリンダモータM1,M2を正逆駆動すると、昇
降床F1,F2を支持する折り畳み脚装置X1〜Xnにおける折
り畳みリンクL1,L2が開閉成すると同時に、プール後傾
底5やプール前傾底6に沿って折り畳み脚22,22A、23,2
3Aが転動案内されて開脚作動したり、閉脚作動すること
により、蝶番7で連結した昇降床F1,F2が、当該蝶番7
を支点として、船底状に折れ曲げられた状態の侭で昇降
移動したり、或は、プールサイドと略面一の高さで、水
平状態な姿勢を保持する昇降床F1,F2を、その水平姿勢
の侭で昇降移動させる等のことにより、水泳プールの水
深を底上げして、その深さを可変調節自在とする水泳プ
ールが得られる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
(水泳プール) 先ず、水泳プールの基本的な構成を説明する。第1図
〜第4図において、1はプール前端部の飛び込み側に形
成した水泳プールの前壁、2は飛び込み台、3はプール
後端部の折り返し側に形成した水泳プールの後壁、4は
水泳プールの最深部であって、飛び込み側から一定距離
を隔てた位置を左右幅方向へ結ぶ線上に設けられ、それ
が小中学校用プールの場合には、プール前壁1から5m隔
てた位置をプール最深部4としている。
5,6は水泳プールのプール底であって、その内、5は
プール前壁11の下端部からプール最深部4に向かって、
後ろ下がりに傾斜角度θの勾配のプール底(以下、プ
ール後傾底という)に形成され、また、6はプール後壁
3の下端部からプール最深部4に向かって、前下がりに
傾斜角度θの勾配のプール底(以下、プール前傾底と
いう)に形成している。
(昇降床装置) そこで、本発明に係る水泳プールの昇降床装置Sを、
第1図に示すように、中学校用規格の水泳プールの全面
に構成した場合、それは一体当たり長手方向の全体の長
さを25m、左右幅方向の長さを5m程度の大きさに構成し
た3体の昇降床装置Sが、水泳プールの左右幅方向に並
設状態に構成される。
(昇降床装置の上部構造) F1,F2は長手方向のフレーム長さを長短異にする前後
2体で1組の昇降床であって、その内、一方の昇降床F1
は、長手方向へ5m程度の比較的短い長さで、プール前壁
1とプール最深部4の鉛直線Y−Y上との間の前部側に
形成され(以下、前部側昇降床ともいう)、また、他方
の昇降床F2は、長手方向へ20m程度の比較的長尺の長さ
で、プール最深部4の鉛直線Y−Y上とプール後壁3と
の間の後部側に形成され(以下、後部側昇降床ともい
う)、この前後2本の昇降床F1,F2の1組を、プール最
深部4の鉛直線Y−Y上で突き合わせ、その突き合わせ
部分を蝶番7で折曲自在に連結し、当該蝶番7部分を境
にして、前部側昇降床F1と後部側昇降床F2とが船底状に
折れ曲がるようにしている。
第5図や第6図において、8は長手方向に並設した梁
フレームであって、昇降床F1,F2の左右両端部とその中
間部等に梁設している。
9A,9Bは左右幅方向に並設した桁フレームであって、
その内、一方の桁フレーム9Aは断面が縦長矩形を呈し、
他方の桁フレーム9Bの断面は横長矩形を呈し、此等の桁
フレーム9A,9Bで、前部側昇降床F1と後部側昇降床F2
前後両端部と、その間を適宜の間隔毎に区画して桁設
し、これにて前部側昇降床F1と後部側昇降床F2の床フレ
ームHを、梁フレーム8と桁フレーム9A,9B等により格
子状や千鳥状等にフレーム構成している。
第6図や第9図、第10図において、P1は床フレームH
の上面に敷設固定した適宜厚の帯板状のパネル本体であ
って、当該パネル本体P1上面の天板幅を10〜15cm程度に
形成され、その片側のパネル端部の裏面側には、前後に
間隔を隔てた2条で1組の凸状嵌合爪Aを下向きに突設
し、また、他側のパネル端部には、前後に間隔を隔てた
2条で1組の凹状嵌合爪Bを上向きに突設させて張り出
し形成している。
P2,P3は床フレームHの基端部と末端部に敷設固定し
た端部パネルであって、その内、基端部の端部パネルP2
の場合には、前後に間隔を隔てた2条で1組の凹状嵌合
爪Bを上向きに突設し、また、末端部の端部パネルP3
は、前後に間隔を隔てた2条で1組の凸状嵌合爪Aを下
向きに突設している。
此等のパネル本体P1と端部パネルP2,P3における凸状
嵌合爪Aと凹状嵌合爪Bの爪幅は、凹状嵌合爪Bの内側
に、拡張弾力を有する凸状嵌合爪Aが嵌め込まれて嵌合
支持される間隔に構成される。
10は凸状嵌合爪Aの下部先端部に外向きに鈎設した拡
張弾力を有する帯板状の係合フック、11は凸状嵌合爪A
の基端部の外側に楔設した突き合わせ突起、12は凹状嵌
合爪Bの上端部に楔設した突き合わせ突起、13は凹状嵌
合爪Bの下端内側部に楔設した係合突部であって、当該
係合突部13に凸状嵌合爪Aの下端部の係合フック10が付
勢嵌合され、また、凸状嵌合爪Aの突き合わせ突起11
に、凹状嵌合爪Bの突き合わせ突起12が突き合わせられ
て嵌合される。
14は凹状嵌合爪Bの底部に膨成させて条設したビス固
定用の台座、15は凹状嵌合爪Bの底部にスリット状に条
設した細溝である。
そこで、此等のパネル構成部材P1〜P3を、昇降床F1,F
2の左右幅方向の長さに合わせて切断加工した上で、第1
0図に示すような組立順序で、第9図に示すように組み
立てるに、先ず、床フレームHの基端部に、凹状嵌合爪
Bを上向きにした基端部の端部パネルP2を止着ビス16で
固定し、次いで、パネル本体P1の凸状嵌合爪Aを、端部
パネルP2の凹状嵌合爪Bに嵌め込み、そしてパネル本体
P1の凹状嵌合爪Bの略中心線上を止着ビス16で固定す
る。
後は、同様な手順で、パネル本体P1の多数枚を次々と
嵌め込んで連設固定し、最後には、末端部のパネル本体
P1の凹状嵌合爪Bに、凸状嵌合爪Aを下向きにした末端
部の端部パネルP3を嵌め込むことで、第6図や第9図に
示すように、床フレームHの上面に昇降床F1,F2のパネ
ル構造が敷設固定される。
17はパネル本体P1の裏面に凹成した本体溝部であっ
て、当該本体溝部17には発泡スチロール製の断熱材18が
嵌め込まれて張り付けられ、後記のようにプールサイド
と略面一の高さに昇降床F1,F2を水平状態に支持した場
合に、水泳プールの水温を可能な限り保温して逃がさな
い対策の一としている。
19は前部側昇降床F1における床フレームHの前端部に
枢設したローラであって、昇降移動する前部側昇降床F1
の前端部をプール前壁1に沿って転動案内する。
20は後部側昇降床F2における床フレームHの後端部に
枢設したローラであって、昇降移動する後部側昇降床F2
の後端部をプール後壁3に沿って転動案内する。
前記の構成によって、本発明の昇降床装置Sにおける
上部構造が構成される。
(昇降床装置の下部構造) 次に、本発明の昇降床装置Sにおける下部構造を構成
する折り畳み脚装置X1〜Xnについて説明するに、これは
前後2体で1組の昇降床F1,F2における床フレームH
に、第1図〜第5図に示すように、1列当たり10体程度
の折り畳み脚装置X1〜Xnが長手方向へ略等間隔に配設さ
れ、また、それが左右幅方向に少なくとも2列程度、場
合によっては、床フレームHに千鳥状に配設すること
で、3列程度に亙って間隔を隔てて並設している。そこ
で、当該折り畳み脚装置X1〜Xnの構成を、第6図〜第8
図に従って説明する。
21,21Aは取付ブラケットであって、床フレームHにお
ける桁フレーム9Bの左右に間隔を隔てて固定している。
22,22A、23,23Aは前後2体で1組の折り畳み脚であっ
て、左右幅方向に90cm〜1m程度の間隔を隔てて配設して
いる。
24は折り畳み脚22,22A、23,23Aの上端部に嵌着固定し
た受け金具であって、当該受け金具24を取付ブラケット
21,21Aに嵌め込み、連結ピン25(又は長尺の連結軸を左
右幅方向へ挿通してもよい)により、前後2体で1組の
折り畳み脚22,22A、23,23Aの上端部を開脚したり、閉脚
自在に枢設している。
26は折り畳み脚22,22A、23,23Aの下端部に嵌着固定し
た車輪ホルダであって、当該車輪ホルダ26には車輪27を
転動自在に枢設し、連結ピン25で枢設した折り畳み脚2
2,22A、23,23Aが開脚したり、閉脚する際に、プール後
傾底5やプール前傾底6に沿って円滑に転動案内される
ようにしている。
M1,M2は長尺シリンダ構造のモータ駆動装置(以下、
シリンダモータという)であって、長さが90〜100cm程
度で角筒状の外観形態(その内部構造の詳細は後記す
る)を呈し、その左右両端部に鍔設したフランジ(後記
する後端蓋フランジ52と前端蓋フランジ54)を、左右幅
方向に間隔を隔てて配設した折り畳み脚22,22A、23,23A
の略中間内側部に差し渡して固定し、当該シリンダモー
タM1,M2の一端部には、モータ駆動により高減速比で正
逆回動する出力軸28を突設している。
この出力軸28は、本実施例のシリンダモータM1,M2
場合には、片側からの出力構造としている関係上、一方
のシリンダモータM1の出力軸28と、他方のシリンダモー
タM2の出力軸28とは、平面視して対角線上に位置させて
配設している。
勿論、シリンダモータM1,M2の前後両端部から出力軸2
8を突設してなる両出力構造とすることもできる。
L1,L2は前後2体で1組の折り畳みリンクであって、
その内、一方の折り畳みリンクL1は、その基端部を折り
畳み脚22、23Aの略上下中間部から突出したシリンダモ
ータM1,M2の出力軸28に嵌着固定することで、当該折り
畳みリンクL1が駆動リンクとして機能するようにし、ま
た、他方の折り畳みリンクL2の場合には、前記の折り畳
みリンクL1に対する従動リンクとして機能するように、
当該折り畳みリンクL2の基端部を、他方の折り畳み脚22
A、23の略上下中間部に挿通固定する連結ピン29に枢設
している。
30は折り畳みリンクL1,L2を二つ折り自在とする連結
ピンであって、駆動側の折り畳みリンクL1の先端部と従
動側の折り畳みリンクL2の先端部に枢設しているが、当
該連結ピン30に代えて長尺の連結軸(図示せず)を、左
側位置の1組の折り畳みリンクL1,L2から右側位置の1
組の折り畳みリンクL1,L2にかけて貫挿支持することも
できる。
31は折り畳み脚22,22A、23,23AとシリンダモータM1,M
2等で構成される折り畳み脚装置X1〜Xnの補強ビームで
あって、線杆又は帯板等で交差状に配設され、左右に間
隔を隔てた折り畳み脚22,22A、23,23Aの内側上端部と内
側中間部に、また、内側中間部と内側下端部にクロスさ
せて連結することで、当該補強ビーム31の両端部を固定
し、これにて折り畳み脚装置X1〜Xnのフレーム補強に対
処している。
そこで、シリンダモータM1,M2の出力軸28を、後記の
ように減速駆動させると、駆動側の折り畳みリンクL1
基端部が比較的長い時間をかけて徐々に回動し、それに
伴って、前後2体で1組の駆動側と従動側の折り畳みリ
ンクL1,L2が二つ折りされて折り畳まれたり、略直線状
に押し広げられ、最終的には、折り畳みリンクL1,L2
連動して、前後2体で1組の折り畳み脚22,22A、23,23A
が開脚作動したり、閉脚作動するようにしている。
32は補強ビーム31を張設支持する調整用ターンバック
ルである。
33は駆動側の折り畳み脚22、23Aと駆動側の折り畳み
リンクL1の基端部との間に介装したスペーサであって、
前後2体で1組の折り畳み脚22,22A、23,23Aと、前後2
体で1組の折り畳みリンクL1,L2が、その開脚時や閉脚
時に当たらないように間隔調整している。
(シリンダモータ) 次に、シリンダモータM1,M2の構成を第11図〜第15図
に基づいて説明する。
34は角筒状で長尺なハウジング本体であって、その本
体長さが80〜90cm程度で、本体幅が5cm程度で高さが9cm
程度の矩形断面にケーシングしている。
35は減速機構を内蔵した電動モータであって、長さが
30〜40cm程度で、直径が4cm程度の大きさに形成され、
ハウジング本体34の基端部寄りの後部位置に内蔵して嵌
挿固定している。36はハウジング本体34の中間部から先
端部にかけて内蔵した回転案内筒であって、長さが40cm
程度で外径が4cm弱程度の長尺円筒状に形成され、当該
回転案内筒36の先端部には、前記出力軸28における基端
部の段付き軸部28Aを嵌挿した上で、連結ピン37を前後
に間隔を隔てて直交方向から打ち込んで固定している。
38は緩やかなピッチで螺旋状に穿設した2条の螺旋案
内溝であって、回転案内筒36の基端部側から先端部側に
かけての外周部に30cm程度の長さに亙って筒方向へ形成
している。
39は回転案内筒36の基端部側に嵌着固定した軸受け機
能の底蓋であって、その中心位置に貫通孔を穿設し、ま
た、回転案内筒36の円周方向から底蓋39に連結ピン40を
打ち込んで固定している。
41は回転案内筒36に摺動自在に嵌挿した内側スライダ
であって、その中心位置の内周面には雄ネジを刻設して
いる。
42は外周面に雄ネジを刻設した長尺な回転螺杆であっ
て、前記の内側スライダ41に螺合して貫挿し、その基端
部側を底蓋39の中心位置の貫通孔に貫挿して後方突設
し、また、回転螺杆42の先端部を、段付き軸部28Aの後
部中心位置に穿設した軸受け孔43に嵌挿して自由転自在
に支持している。
44は回転案内筒36の外周面とハウジング本体34の内周
面に摺動自在に嵌挿した外側スライダ、45は断面が小判
状の案内ピン(単なる棒状でも可)であって、外側スラ
イダ44と内側スライダ41を螺旋案内溝38を隔てて連結
し、第14図や第15図に示すように、当該案内ピン45と交
差する方向から間隔を隔てて打ち込んだ連結ピン46で固
定され、螺旋案内溝38に沿って案内ピン45が摺動自在に
機能するようにしている。
47は回転案内筒36の基端部側をハウジング本体34の内
壁面に回転自在に支持する軸受け台、48は電動モータ35
の先端部に穿設したモータ回転軸、49はカップリングで
あって、その後端部をモータ回転軸48と連結ピン50で、
また、カップリング49の先端部を、回転螺杆42と一体の
後端突出軸部42Aと連結ピン51で固定している。
52はハウジング本体34の後端部を閉成して水封固定す
る後端蓋フランジであって、その中心位置から電動モー
タ35の電源コード53を引き出している。
54はハウジング本体34の前端部を閉成して水封固定す
る前端蓋フランジであって、その中心位置から出力軸28
を突設させている。
55は前端蓋フランジ54の後部と出力軸28の基端部に嵌
着した軸受けである。
従って、前記のシリンダモータM1,M2における前端蓋
フランジ54を、駆動側の折り畳み脚22、23Aの略上下中
間位置の内側部に固定し、また、後端蓋フランジ52を、
従動側の折り畳み脚22A、23の略上下中間位置の内側部
に固定し、その内、駆動側の折り畳み脚22、23Aから突
出した出力軸28の先端部に形成した角軸部28Bに、駆動
側の折り畳みリンクL1の基端部を嵌着固定した上で、固
定ボルト56を螺合することにより、当該折り畳みリンク
L1を抜け止め不能に固定している。
勿論、前記の角軸部28Bに代えて、出力軸28の先端部
を丸軸部(図示せず)に形成した場合には、当該丸軸部
に折り畳みリンクL1の基端部を嵌合した上で、丸軸部に
形成したキー溝と折り畳みリンクL1の基端部通孔に形成
したキー孔に、キーを打ち込んで嵌着固定することもで
きる。
(シリンダモータの作用) 而して、水泳プールの昇降床装置Sの昇降方法を説明
するに先だって、シリンダモータM1,M2単体の作用を説
明する。
先ず、電動モータ35を減速駆動させてモータ回転軸48
を正逆いずれかの方向へ回転させると、カップリング49
を介して回転螺杆42が回転し、それに伴って、回転螺杆
42に螺合貫挿した内側スライダ41が、回転案内筒36の前
後いずれか一方へ進退移動し、例えば、回転案内筒36の
基端部側から先端部側にかけて徐々に前進移動しようと
する。
この内側スライダ41には、回転案内筒36の螺旋案内溝
38に嵌挿した案内ピン45を介して、外側スライダ44と内
外連結しており、その為、案内ピン45で内外連結した内
側スライダ41と外側スライダ44が一体になって軸線方向
へ向かって直線的に押し出されながら前進移動し始めよ
うとする。
すると、螺旋案内溝38を介して回転案内筒36が徐々に
回動させられ、回転案内筒36の先端部に固定した出力軸
28が時間をかけて緩やかに減速回動することになる。
具体的には、回転螺杆42の回転によって、案内ピン45
で内外連結した内側スライダ41と外側スライダ44が、回
転案内筒36の基端部側から先端部側にかけて30cm程度の
移動ストロークを進退移動したとき、出力軸28が略半回
転する程度の回動出力が得られる。
前記とは逆に、電動モータ35の減速駆動によって回転
螺杆42を逆回転すれば、案内ピン45で内外連結した内側
スライダ41と外側スライダ44が、回転案内筒36の先端部
側から基端部側にかけて30cm程度の移動ストロークを後
退移動し、前記とは逆方向へ出力軸28を略半回転程度回
動し、これにて当初の状態に復帰作動する。
(昇降床の昇降方法) そこで、本発明に係る昇降床装置Sの作動工程の概要
を、第4図や第19図の状態から第3図や第20図の状態を
経て、第2図や第16図の状態に至る上昇工程と、第2図
や第16図の状態から第17図の状態と第18図の状態を経
て、第4図や第19図の状態に至る下降工程とに分けて説
明する。
(上昇工程) 先ず、水泳プールとしての本来的な使用時、即ち、飛
び込み台2からの飛び込みに対応できるように、本発明
では、第4図や第19図に示すような状態で、最大限の水
深を確保しているが、それは、昇降床装置Sにおける折
り畳み脚装置X1〜Xnの折り畳み脚22,22A、23,23Aと、そ
の折り畳みリンクL1,L2を、殆ど直線状、或は、開き角
度が180度に近い状態に開脚乃至開成させた状態とし、
全開脚時の厚みが10〜15cm以下の薄型状態で、プール後
傾底5とプール前傾底6に略平行な敷設状態にして水没
支持され、その結果、前部側昇降床F1と後部側昇降床F2
は、蝶番7を支点として、小さな傾斜勾配θ1で船
底状に折れ曲げられた状態にある。
そこで、昇降床装置Sにおける昇降床F1,F2を押し上
げて、当該昇降床F1,Fを船底状に折れ曲げた状態の侭、
第3図や第20図に示すような水深にするには、折り畳み
脚装置X1〜Xnにおける個々のシリンダモータM1,M2を同
時に駆動すると、前記したように駆動側の折り畳み脚2
2,23AにおけるシリンダモータM1,M2の出力軸28が徐々に
減速回動すると共に、駆動側の折り畳みリンクL1が、出
力軸28を回転支点として、駆動側の折り畳みリンクL1
先端部を徐々に押し下げて揺動し始める。
それと同時に、従動側の折り畳みリンクL2の先端部
も、当該折り畳みリンクL2の基端部の連結ピン29を支点
として、反時計方向へ押し下げられて揺動し始め、その
結果、プール後傾底5とプール前傾底6に略直線状、或
は、開き角度が180度に近い開成状態にあった折り畳み
リンクL1,L2は、その開き角度が徐々に小さくなって二
つ折れされることになる。
それに伴って、駆動側の折り畳みリンクL1の出力軸28
と従動側の折り畳みリンクL2の連結ピン29との間の軸間
距離が徐々に狭められ、その結果、前後2体で1組の折
り畳み脚22,22A、23,23Aは、その上端部の連結ピン25を
支点として徐々に閉脚し始める。
すると、前後2体で1組の昇降床F1,F2は、船底状に
折れ曲げられた状態の侭、即ち、前部側昇降床F1はプー
ル後傾底5と略平行状態を維持し、また、後部側昇降床
F2はプール前傾底6と略平行状態を維持しつつ、然も、
昇降床F1,F2の前後両端部のローラ19,20が、プール前壁
1とプール後壁3に沿って転動案内されることにより、
昇降床F1,F2の全体が鉛直上方へ略均等に押し上げられ
る。
その際、折り畳み脚装置X1〜Xnにおける折り畳み脚2
2,22A、23,23Aは、プール後傾底5とプール前傾底6
に、その下端部(全開脚時における先端部)の車輪27が
接地して転動案内されるので、プール後傾底5やプール
前傾底6に多少の凹凸があっても、円滑な押し上げ作動
に対処している。
そこで、昇降床F1,F2の上昇途中の適宜の段階で、シ
リンダモータM1,M2を駆動停止すれば、第3図や第20図
に示すように、前後2体で1組の昇降床F1,F2は、船底
状に折り曲げられた姿勢の侭、適度な開脚状態の折り畳
み脚装置X1〜Xnで安定的に支持され、これにて適宜の水
深に底上げした水泳プールが得られることになる。引き
続いて、更に、昇降床F1,F2を鉛直上方へ押し上げるべ
く、折り畳み脚装置X1〜XnにおけるシリンダモータM1,M
2を駆動すると、比較的大きな開成度合いで二つ折れ状
態にあった折り畳みリンクL1,L2は、更に小さな開成度
合いに徐々に二つ折れされ、同時に、駆動側の折り畳み
リンクL1の出力軸28と、従動側の折り畳みリンクL2の連
結ピン29との間の軸間距離が狭められる結果、前後2体
で1組の折り畳み脚22,22A、23,23Aは、連結ピン25を支
点として、更に小さな開脚度合いに閉脚される。
前記のようにして昇降床F1,F2の押し上げ作動が進行
し、前部側昇降床F1の前端部と後部側昇降床F2の後端部
が、第21図に示すような状態、即ち、昇降床F1,F2の前
後両端部がプールサイドから上部側へ僅かに食み出る程
度に、平行移動して押し上げられた段階で、最前列の折
り畳み脚装置X1と最後列の折り畳み脚装置Xnにおけるシ
リンダモータM1,M2の駆動を同時に、又は相前後して停
止する。
或は、最前列の折り畳み脚装置X1と最後列の折り畳み
脚装置Xnにおける折り畳み脚22,22A、23,23Aが、それ以
上の角度に閉脚しないように適宜の開き止め手段(図示
せず)、例えば、折り畳み脚装置X1〜Xnにおける上端部
の連結ピン25と折り畳みリンクL1,L2の先端部の連結ピ
ン30との間に、開き止め用チェーンやワイヤを掛架支持
する(図示せず)等により制止することで、更に駆動し
て昇降床F1,F2を押し上げようとするシリンダモータM1,
M2の電動モータ35に適度な負荷を与えることで、最前列
の折り畳み脚装置X1と最後列の折り畳み脚装置Xnにおけ
るシリンダモータM1,M2の駆動を自動停止する。
他方、最前列と最後列の折り畳み脚装置X1,Xn以外の
折り畳み脚装置X2〜Xn-1におけるシリンダモータM1,M2
は、中断することなく昇降床F1,F2の押し上げ駆動を続
行し、個々の折り畳み脚装置X2〜Xn-1における折り畳み
脚22,22A、23,23Aの閉脚度合いを徐々に増す方向へ機能
している。
そして、此等の折り畳み脚装置X2〜Xn-1における折り
畳み脚22,22A、23,23Aが、個々に所定の閉脚度合いとな
った段階で、最前列の折り畳み脚装置X1と最後列の折り
畳み脚装置Xnの場合と同様な手段で、個々の折り畳み脚
装置X2〜Xn-1におけるシリンダモータM1,M2の駆動を順
次停止するか、或は、折り畳み脚装置X2〜Xn-1における
シリンダモータM1,M2により昇降床F1,F2の押し上げ作動
を続行した侭、プール最深部4を挟んで、前後部に位置
する最前列から第2番目の折り畳み脚装置X2と第3番目
の折り畳み脚装置X3が、最大限閉脚する角度を、最前列
の折り畳み脚装置X1と最後列の折り畳み脚装置Xnの場合
と同様な開き止め手段で規制して駆動停止するか、或
は、前部側昇降床F1と後部側昇降床F2が、プールサイド
の高さと略面一となる段階をセンサーで検知し、当該折
り畳み脚装置X2,X3におけるシリンダモータM1,M2の駆動
を停止することで、前部側昇降床F1と後部側昇降床F
2を、第2図や第16図に示すように、プールサイドの高
さと略面一で水平状態に押し上げて支持する。
斯様に、船底状に折れ曲げられた状態の昇降床F1,F2
における蝶番7部分が鉛直上方へ向かって押し上げられ
る反面、昇降床F1,F2の前後両端部におけるプールサイ
ドから僅かに上方へ食み出し高さが徐々に減少させら
れ、最終的には、前部側昇降床F1と後部側昇降床F2を、
プールサイドの高さと略面一な水平状態に姿勢変動せし
めることで水泳プールが閉成されることになる。
これにて、水泳シーズンの始め頃や終わり頃における
プール使用時には、当日暖めた水温を可能な限り逃がさ
ないようにすると共に、降雨の際における雨水が、可能
な限り水泳プールへ入り込まないようにしている。
勿論、第3図や第20図に示すような、適度な水深に上
昇させた昇降床F1,F2を、再び、第4図や第19図の状態
に沈降させるには、折り畳み脚装置X1〜Xnにおけるシリ
ンダモータM1,M2を、前記の場合とは逆に逆転駆動する
ことで、前部側昇降床F1と後部側昇降床F2は、船底状に
折れ曲げた状態を保持した侭下降移動することになる。
(下降工程) 次に、第2図や第16図に示すように、プールサイドと
略面一な水平状態にある昇降床装置Sを引き下げて水中
へ沈降させるには、先ず、折り畳み脚装置X1〜Xnにおけ
る個々のシリンダモータM1,M2を、上昇時の場合とは逆
方向へ逆転駆動する。
すると、駆動側の折り畳み脚22,23Aにおけるシリンダ
モータM1,M2の出力軸28が徐々に減速逆回動し、駆動側
の折り畳みリンクL1の先端部を引き上げる方向へ揺動し
始め、同時に従動側の折り畳みリンクL2の先端部も引き
上げる方向へ揺動し、この前後2体で1組の折り畳みリ
ンクL1,L2が徐々に開成する方向へ作動する。
それに伴って、駆動側の折り畳みリンクL1の出力軸28
と、従動側の折り畳みリンクL2の連結ピン29との間の車
間距離が徐々に押し広げられ、同時に、前後2体で1組
の折り畳み脚22,22A、23,23Aは、連結ピン25を支点とし
て徐々に開脚し始める。
その結果、前後2体で1組の昇降床F1,F2は、略水平
状態の侭徐々に引き下げられ、やがて第17図に示すよう
な下降途中の適宜の水深になったところで、折り畳み脚
装置X1〜XnにおけるシリンダモータM1,M2の駆動を停止
すれば、略均等な水深に底上げされた水平状態の水泳プ
ールが得られることになる。
引き続いて、シリンダモータM1,M2の逆転駆動を進行
させると、前後2体で1組の昇降床F1,F2は、略水平状
態を保持した侭折り畳みリンクL1,L2の開成度合いを徐
々に増しながら、また、折り畳み脚22,22A、23,23Aは、
その開脚度合いを徐々に増す方向へ機能し、昇降床F1,F
2を略水平状態に維持した侭、やがて、第18図に示すよ
うに、プール前壁1の下端部とプール後壁3の下端部の
位置まで引き下げられて下降移動する。
この段階で、最前列の折り畳み脚装置X1と最後列の折
り畳み脚装置XnにおけるシリンダモータM1,M2による開
脚作動を停止する。
他方、最前列と最後列の折り畳み脚装置X1,Xn以外の
折り畳み脚装置X2〜Xn-1のシリンダモータM1,M2は、中
断することなく引き下げ駆動を続行し、個々の折り畳み
脚装置X2〜Xn-1における折り畳み脚22,22A、23,23Aの開
脚度合いを更に増す方向へ機能している。
その為、2体で1組の昇降床F1,F2は、水平状態の姿
勢から、やがて、第4図や第19図に示すように、蝶番7
を支点として、プール後傾底5とプール前傾底6に沿っ
て、船底状に折れ曲げた状態の姿勢に変動した状態で、
折り畳み脚装置X2〜Xn-1におけるシリンダモータM1,M2
が駆動停止する。
これにて、最大限の水深が得られ、水泳プールとして
の本来的な使用に供することができる。
勿論、この場合にも、第18図に示すような、均等な水
深に水平姿勢の侭下降させた昇降床F1,F2を、再び、第1
7図に示すような、浅い水深の状態に均等に上昇移動さ
せるには、折り畳み脚装置X1〜Xnにおけるシリンダモー
タM1,M2を、前記の場合とは逆に正転駆動すること対応
できることになる。
尚、当日のプールの使用終了後に、昇降床装置Sを第
2図や第16図に示すような状態に作動させて翌朝まで持
ち越し、当日の使用開始前に、昇降床装置Sを第3図や
第20図、第4図や第19図に示すような状態に作動させた
り、或は、第17図や第18図に示すような状態に作動させ
た上で、プール使用に供すれば、前日に暖められた熱
を、可能な限り逃がすことなく翌日まで持ち越すことが
でき、その為、日を通じてのプールの使用開始時間を大
幅に早めることができたり、或は、通常の水泳シーズン
の場合に比して、水泳プールの使用が、比較的早い期間
から遅い期間までと、前後の大幅に期間延長できること
にもなる。
また、前記の場合には、1体の昇降床装置Sにおける
上昇工程や下降工程について作動説明したが、3体程度
の昇降床装置S(中学生用プールの場合)や2体程度の
昇降床装置(小学生用プールの場合)を順次駆動させ
て、隣合う昇降床装置Sによる水深を階段状に変化させ
ることで、泳者の水泳能力に応じた技術指導に対処する
ことができる。
また、前記の場合には、2体〜3体程度の昇降床装置
Sを、水泳プールの全体に亙って構成した場合について
説明したが、1体〜2体程度の昇降床装置Sを水泳プー
ルの片側や両側に構成し、それ以外の部分を通常の使用
に供するような構成とすることもできる。
(発明の効果) 本発明は、前記のように水泳プールの昇降床F1,F2
折り畳み脚装置X1〜Xnで支持し、当該折り畳み脚装置X1
〜Xnの折り畳み脚22,22A、23,23AをシリンダモータM1,M
2と、二つ折れ自在な折り畳みリンクL1,L2で開脚作動し
たり、閉脚作動するように構成した水泳プールの昇降床
装置を提供したことにより、既設の水泳プールに格別な
加工をすることなく、水深を自在に底上げして深さを可
変調節自在とする昇降床装置を設備することができると
共に、シーズン終了後、或は、撤去の必要性が生じたよ
うな場合には、その侭撤去して本来の水泳プールに復旧
させる事態にも即応することができる。
また、前記の構成に加えるに、2体で1組の昇降床
F1,F2を、プール最深部4の鉛直線Y−Y上で折曲自在
に連結した水泳プールの昇降床装置ともしているので、
昇降床F1,F2が船底状に折れ曲げられた状態や、水平状
態の姿勢を保持しつつ水中を昇降移動して、適宜の水深
で駆動停止させることで、水深を自在に底上げした深さ
可変調節自在とする水泳プールが得られる。
その際、昇降床F1,F2をプール底に沿って船底状に折
れ曲げて薄型に敷設した場合には、飛び込み台から泳者
が飛び込む水泳プールとしての本来的な使用にも即応で
き頗る利便である。
また、昇降床の上面をプールサイドと略面一な水平状
態の断熱構造とすることで水泳プールを開成し、その
為、当日の水温を可能な限り逃がすことなく翌朝へ持ち
越した上で、その使用に供することができ、日を通じて
のプールの使用開始時間を大幅に早めることができた
り、或は、通常の水泳シーズンの場合に比して、水泳プ
ールの使用が、比較的早い期間から遅い期間までと、前
後の大幅に期間延長できることにもなる。
また、水泳プールのオフシーズンの場合や、本発明の
昇降床装置を使用しない場合には、それをプールサイド
と略面一に保持させておくことで、水泳プールに防火水
槽としての存在意義を具備せしめつつ、その上面を一種
の運動場乃至広場としての使用に対処することもでき、
本来の運動場を限られたスペースしか有しない都市部の
学校にとって、スペースの有効利用にもつながり、その
設備投資効果が一層高まることにもなる等の諸効果を齊
す。
【図面の簡単な説明】
第1図は水泳プールに3体の昇降床装置を並設した状態
を示す全体概要図、第2図は昇降床装置をプールサイド
と略面一の高さ位置に水平支持した状態を示す縦断側面
図、第3図は昇降床装置における昇降床F1,F2を、適宜
の水深位置に船底状に底上げした状態を示す縦断側面
図、第4図はプール後傾底とプール前傾底に水没させた
状態を示す縦断側面図、第5図は昇降床装置の1組を示
す底面図である。 第6図は床フレームに取着した折り畳み脚装置の1体を
示す斜視図、第7図は折り畳み脚装置の分解斜視図、第
8図は折り畳み脚装置の左右幅方向の取付状態を示す正
面図である。 第9図は床フレームに敷設固定したパネル構成部材を示
す斜視図、第10図はその分解斜視図である。 第11図はシリンダモータの縦断面図、第12図はシリンダ
モータに内蔵した回転案内筒を示す斜視図、第13図は回
転案内筒に穿設した螺旋案内溝の展開状態を示す平面
図、第14図は第11図のシリンダモータにおける案内ピン
の部分で切断した断面図、第15図は第14図のZ−Z線の
断面図である。 第16図〜第21図は飛び込み側と折り返し側の作動工程を
示す工程図であって、その内、第16図はプールサイドと
略面一の高さ位置に昇降床の上面を水平支持した状態を
示す縦断側面図、第17図は昇降床を適宜の水深位置まで
水平状態の侭で沈降させた中間状態を示す縦断側面図、
第18図は水平状態の侭でプール底に沈降させた状態を示
す縦断側面図、第19図は蝶番を支点として昇降床を船底
状に折り曲げ、プール後傾底とプール前傾底に略平行に
密着させて水没支持した状態を示す縦断側面図、第20図
は船底状に折り曲げた侭昇降床を上方へ押し上げて、適
度な水深位置に上昇した中間姿勢状態を示す縦断側面
図、第21図は船底状に折り曲げた侭昇降床を上方へ押し
上げて、その前後両端部がプールサイドの上方へ僅かに
食み出して露呈した状態を示す縦断側面図である。 第22図〜第25図は船底状に折れ曲げられた昇降床装置に
おける最前列の折り畳み脚装置と最後列の折り畳み脚装
置の開脚状態を示す縦断側面図であって、その内、第22
図(a),(b)は折り畳み脚装置がプール前傾底とプ
ール後傾底に沿って、略直線状に開脚した状態を示し、
第23図(a),(b)は昇降床が適度な水深まで押し上
げられて底上げされた場合を示し、第24図(a),
(b)は押し上げられた昇降床の前後両端部が、プール
サイドから僅かに上方へ食み出した状態を示し、第25図
(a),(b)は昇降床がプールサイドと略面一となっ
た状態を示している。 符合表 S……昇降床装置、F1,F2……昇降床、Y−Y……鉛直
線 P1……パネル本体、A……凸状嵌合爪、B……凹状嵌合
爪 P2,P3……端部パネル、H……床フレーム X1〜Xn……折り畳み脚装置、M1,M2……シリンダモータ L1,L2……折り畳みリンク 1……プール前壁、2……飛び込み台、3……プール後
壁 4……プール最深部、5……プール後傾底、6……プー
ル前傾底 7……蝶番、8……梁フレーム、9A,9B……桁フレーム 10……係合フック、11……突き合わせ突起、13……係合
突部 14……台座、15……細溝、16……止着ビス 17……本体溝部、18……断熱材、19,20……ローラ 21,21A……取付ブラケット、22,22A……折り畳み脚 23,23A……折り畳み脚、24……受け金具 25……連結ピン、26……車輪ホルダ、27……車輪 28……出力軸、29……連結ピン、30……連結ピン 31……補強ビーム、32……ターンバックル、33……スペ
ーサ 34……ハウジング本体、35……電動モータ、36……回転
案内筒 37……連結ピン、38……螺旋案内溝、39……底蓋 40……連結ピン、41……内側スライダ、42……回転螺杆 43……軸受け孔、44……外側スライダ、45……案内ピン 46……連結ピン、47……軸受け台、48……モータ回転軸 49……カップリング、50……連結ピン、51……連結ピン 52……後端蓋フランジ、53……電源コード 54……前端蓋フランジ、55……軸受け、56……固定ボル

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水泳プールの昇降床F1,F2を折り畳み脚装
    置X1〜Xnで支持し、当該折り畳み脚装置X1〜Xnの折り畳
    み脚22,22A、23,23Aの前後2体を、二つ折れ自在な折り
    畳みリンクL1,L2で連結し、当該折り畳みリンクL1,L2を
    モータ駆動装置M1,M2で二つ折れ作動したり、展開作動
    することにより、前記折り畳み脚22,22A、23,23Aの前後
    2体を開脚したり、閉脚するように構成したことを特徴
    とする水泳プールの昇降床装置。
  2. 【請求項2】前後2体で1組の昇降床F1,F2を折曲自在
    に連結し、 当該昇降床F1,F2を折り畳み脚装置X1〜Xnで支持し、当
    該折り畳み脚装置X1〜Xnの折り畳み脚22,22A、23,23Aの
    前後2体を、二つ折れ自在な折り畳みリンクL1,L2で連
    結し、当該折り畳みリンクL1,L2をモータ駆動装置M1,M2
    で二つ折れ作動したり、展開作動することにより、前記
    折り畳み脚22,22A、23,23Aの前後2体を開脚したり、閉
    脚するように構成し、 前記昇降床F1,F2の内、前部側昇降床F1が水泳プールの
    水中ではプール後傾底5と略平行な後傾状態になり、ま
    た、後部側昇降床F2がプール前傾底6と略平行な前傾状
    態になることで船底状に保持され、逆に、前記昇降床F
    1,F2が押し上げられて水中から浮上して略水平状態に姿
    勢変動することで、水泳プールが閉成されるように構成
    したことを特徴とする水泳プールの昇降床装置。
  3. 【請求項3】折り畳み脚装置X1〜Xnを、左右幅方向に間
    隔を隔てた前後2体で1組の開脚自在な折り畳み脚22,2
    2A、23,23Aと、当該折り畳み脚22,22A,23,23Aの略中間
    内側部の左右幅方向に差し渡したシリンダモータM1,M2
    と、当該シリンダモータM1,M2の駆動によって、前記折
    り畳み脚22,22A,23,23Aを開閉脚作動させる前後2体で
    1組の折り畳みリンクL1,L2とで構成してなる請求項1
    又は請求項2に記載の水泳プールの昇降床装置。
  4. 【請求項4】モータ駆動装置であるシリンダモータM1,M
    2を、ハウジング本体34の内部に内蔵した電動モータ35
    と回転案内筒36と、当該電動モータ35のモータ回転軸48
    に連結した回転螺杆42と、当該回転螺杆42に螺合支持さ
    れ、前記回転案内筒36に摺動自在に嵌挿した内側スライ
    ダ41と、回転案内筒36に形成した螺旋案内溝38,38Aと、
    回転案内筒36とハウジング本体34との間に摺動自在に嵌
    挿した外側スライダ44と、当該外側スライダ44と前記内
    側スライダ41を螺旋案内溝38,38Aを隔てて連結する案内
    ピン45,45Aと、回転案内筒36の先端部に突設した出力軸
    28とで構成してなる請求項、請求項2又は請求項3に記
    載の水泳プールの昇降床装置。
  5. 【請求項5】昇降床F1,F2を、プール前壁1とプール後
    壁3を結ぶ長手方向へ梁設した梁フレーム8と、その左
    右幅方向へ桁設した桁フレーム9A,9Bとで構成した床フ
    レームHと、当該床フレームHの上面に敷設固定したパ
    ネル構成部材P1〜P3と、パネル裏面に固定した断熱材18
    とで構成してなる請求項1又は請求項2に記載の水泳プ
    ールの昇降床装置。
  6. 【請求項6】床フレームHに敷設した昇降床F1,F2を、
    帯板状のパネル本体P1と端部パネルP2,P3とで構成し、
    その内、パネル本体P1には、パネル端部の裏面側に、間
    隔を隔てた2条で1組の凸状嵌合爪Aを下向きに突設
    し、また、他側のパネル端部には、間隔を隔てた2条で
    1組の凹状嵌合爪Bを上向きに突設させて側方へ張り出
    し、基端部の端部パネルP2には、間隔を隔てた2条で1
    組の凹状嵌合爪Bを上向きに突設し、末端部の端部パネ
    ルP3には、間隔を隔てた2条で1組の凸状嵌合爪Aを下
    向きに突設してなり、此等のパネル構成部材P1〜P3の凹
    状嵌合爪Bに凸状嵌合爪Aを嵌め込んで構成してなる請
    求項1、請求項2又は請求項5に記載の水泳プールの昇
    降床装置。
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