JP2820962B2 - ガスケツト - Google Patents
ガスケツトInfo
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- JP2820962B2 JP2820962B2 JP1181383A JP18138389A JP2820962B2 JP 2820962 B2 JP2820962 B2 JP 2820962B2 JP 1181383 A JP1181383 A JP 1181383A JP 18138389 A JP18138389 A JP 18138389A JP 2820962 B2 JP2820962 B2 JP 2820962B2
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- gasket
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- polyarylate
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は油性流体をシールするためのシール材いわゆ
るガスケツトに関するものであり、とくに補強繊維とし
て全芳香族ポリエステル繊維いわゆるポリアリレート繊
維が用いられたガスケツトに関するものである。
るガスケツトに関するものであり、とくに補強繊維とし
て全芳香族ポリエステル繊維いわゆるポリアリレート繊
維が用いられたガスケツトに関するものである。
(従来技術および発明が解決しようとする課題) 従来からこの種のガスケツトとしては、補強繊維とし
てアスベストを主材としたものが多用されているが、こ
のアスベスト補強ガスケツトは使用時の高温によりアス
ベスト中に含有されている結晶水の効果が漸減してアス
ベストが空中に飛散して人体に侵入するいわゆるアスベ
スト公害を誘発するとされている。さらに技術の高度化
および苛酷な条件下での使用の必要性に伴ない、より高
度の引張り強度および復元性を有するガスケツトが要求
されているが、アスベスト補強ガスケツトはこの点で満
足できるものではない。また高温油性液体には水分が含
まれている場合が多く、この点で吸水による膨潤、変性
等がないことも重要な要件である。
てアスベストを主材としたものが多用されているが、こ
のアスベスト補強ガスケツトは使用時の高温によりアス
ベスト中に含有されている結晶水の効果が漸減してアス
ベストが空中に飛散して人体に侵入するいわゆるアスベ
スト公害を誘発するとされている。さらに技術の高度化
および苛酷な条件下での使用の必要性に伴ない、より高
度の引張り強度および復元性を有するガスケツトが要求
されているが、アスベスト補強ガスケツトはこの点で満
足できるものではない。また高温油性液体には水分が含
まれている場合が多く、この点で吸水による膨潤、変性
等がないことも重要な要件である。
(課題を解決するための手段) 本発明は、脱アスベストガスケツト、とりわけ補強繊
維として有機繊維のうちでもとくにp−ヒドロキシ安息
香酸及び6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を主成分とし
て得られる溶融液晶性ポリマーからなるポリアリレート
繊維を用いたガスケツトに関するものである。本発明の
ガスケツトは、耐熱性はアスベスト補強ガスケツトと同
等であり、ガスケツトの基本要求性能である引張強度お
よび復元率においてアスベスト補強ガスケツトより優
れ、しかも公害発生の危険のないガスケツトに関するも
のである。
維として有機繊維のうちでもとくにp−ヒドロキシ安息
香酸及び6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を主成分とし
て得られる溶融液晶性ポリマーからなるポリアリレート
繊維を用いたガスケツトに関するものである。本発明の
ガスケツトは、耐熱性はアスベスト補強ガスケツトと同
等であり、ガスケツトの基本要求性能である引張強度お
よび復元率においてアスベスト補強ガスケツトより優
れ、しかも公害発生の危険のないガスケツトに関するも
のである。
すなわち、本発明において最大の特徴は、ガスケツト
のゴムを補強する繊維としてポリアリレート繊維を用い
た点である。ポリアリレート繊維は溶融液晶性ポリエス
テル繊維であるため繊維の長さ方向の引張強度に優れて
おり、これを好ましくは短繊維状でビーター等へ仕込ん
でスラリー状としたものをゴムラテツクス中に添加する
ことによりスラリー状の繊維がゴムラテツクス中に均一
分散し、その結果、ガスケツトのすべての方向の引張強
度がほぼ等しく補強されるのである。
のゴムを補強する繊維としてポリアリレート繊維を用い
た点である。ポリアリレート繊維は溶融液晶性ポリエス
テル繊維であるため繊維の長さ方向の引張強度に優れて
おり、これを好ましくは短繊維状でビーター等へ仕込ん
でスラリー状としたものをゴムラテツクス中に添加する
ことによりスラリー状の繊維がゴムラテツクス中に均一
分散し、その結果、ガスケツトのすべての方向の引張強
度がほぼ等しく補強されるのである。
ポリアリレート繊維としては、近時、ベクトランとい
う名称で上市されているp−ヒドロキシ安息香酸及び6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を主成分として得られる
溶融液晶性ポリマーや、さらにp−ヒドロキシ安息香酸
及び6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を主成分とし、他
のモノマーを共重合してなる溶融液晶性ポリマーからな
るポリアリレート繊維を用いる。一般にポリアリレート
繊維とは全芳香族ポリエステルからなる溶融液晶性ポリ
マーからなるものであり、その求められる機械的性能と
しては、強度が約20g/d以上、ヤング率が約500g/d以
上、そして耐熱性が約250℃以上のものである。今日、
これらの諸性能を同時に満足する有機繊維としてケブラ
ー(デユポン社の登録商標名)と称される液晶アラミド
繊維が上市されているが、本発明で用いるポリアリレー
ト繊維とりわけベクトランと称されるポリアリレート繊
維はケブラーの耐酸性よりはるかに優れ、かつケブラ
ーの耐吸湿性より格段に優れているので、耐酸性およ
び耐吸湿性が高度に要求されるガスケツト補強繊維とし
てはより好適素材である。
う名称で上市されているp−ヒドロキシ安息香酸及び6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を主成分として得られる
溶融液晶性ポリマーや、さらにp−ヒドロキシ安息香酸
及び6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を主成分とし、他
のモノマーを共重合してなる溶融液晶性ポリマーからな
るポリアリレート繊維を用いる。一般にポリアリレート
繊維とは全芳香族ポリエステルからなる溶融液晶性ポリ
マーからなるものであり、その求められる機械的性能と
しては、強度が約20g/d以上、ヤング率が約500g/d以
上、そして耐熱性が約250℃以上のものである。今日、
これらの諸性能を同時に満足する有機繊維としてケブラ
ー(デユポン社の登録商標名)と称される液晶アラミド
繊維が上市されているが、本発明で用いるポリアリレー
ト繊維とりわけベクトランと称されるポリアリレート繊
維はケブラーの耐酸性よりはるかに優れ、かつケブラ
ーの耐吸湿性より格段に優れているので、耐酸性およ
び耐吸湿性が高度に要求されるガスケツト補強繊維とし
てはより好適素材である。
本発明のガスケツトはたとえばつぎのようにして製造
される。すなわち、ポリアリレート繊維の所定量をビー
ターに入れて叩解、解繊してスラリー状としたのち、こ
れに耐油性ゴムラテツクスを加硫剤とともに加えて充分
に撹拌して先のスラリー状の繊維にラテツクスを吸着さ
せ、ついでこれを抄紙機で抄造して湿紙シートとしたの
ちこのシートを加熱加圧成型する方法である。またゴム
とポリアリレート繊維と加硫剤そして充填材をミキサー
で混練し、カレンダーロール上に押出してシート化し、
加硫成形する方法によつても製造される。
される。すなわち、ポリアリレート繊維の所定量をビー
ターに入れて叩解、解繊してスラリー状としたのち、こ
れに耐油性ゴムラテツクスを加硫剤とともに加えて充分
に撹拌して先のスラリー状の繊維にラテツクスを吸着さ
せ、ついでこれを抄紙機で抄造して湿紙シートとしたの
ちこのシートを加熱加圧成型する方法である。またゴム
とポリアリレート繊維と加硫剤そして充填材をミキサー
で混練し、カレンダーロール上に押出してシート化し、
加硫成形する方法によつても製造される。
本発明のガスケツトは、補強材としてポリアリレート
繊維単独でも充分に実用可能であるが、さらに高性能の
ガスケツトとするためには、補強材としてマイカ、硅藻
土、タルク、クレー、硫酸バリウム、シリカ、カーボン
等と併用使用することが望ましい。本発明で用いられる
ポリアリレート繊維はガスケツト全体重量の少くとも10
%は用いないと補強効果は認められない。とりわけ20〜
75%用いることが好ましい。また、ポリアリレート繊維
の他に補強材を併用使用する場合には、ポリアリレート
繊維を10〜25%、マイカを10〜25%、その他を15〜50%
の量で併用すると最良のガスケツトが得られる。なおポ
リアリレート繊維と共に他の補強繊維を用いることも可
能であり、そのような繊維としては、ガラス繊維、セラ
ミツク繊維、金属繊維、カーボン繊維等があるが、これ
らはポリアリレート繊維の特性を発揮させるため同繊維
の数分の1以下の量で用いるのが好ましい。本発明で用
いられるゴムとしては耐油性ゴムラテツクスが好まし
く、具体的にはニトリルゴム、多硫化ゴム、フツ素ゴ
ム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム
などがある。
繊維単独でも充分に実用可能であるが、さらに高性能の
ガスケツトとするためには、補強材としてマイカ、硅藻
土、タルク、クレー、硫酸バリウム、シリカ、カーボン
等と併用使用することが望ましい。本発明で用いられる
ポリアリレート繊維はガスケツト全体重量の少くとも10
%は用いないと補強効果は認められない。とりわけ20〜
75%用いることが好ましい。また、ポリアリレート繊維
の他に補強材を併用使用する場合には、ポリアリレート
繊維を10〜25%、マイカを10〜25%、その他を15〜50%
の量で併用すると最良のガスケツトが得られる。なおポ
リアリレート繊維と共に他の補強繊維を用いることも可
能であり、そのような繊維としては、ガラス繊維、セラ
ミツク繊維、金属繊維、カーボン繊維等があるが、これ
らはポリアリレート繊維の特性を発揮させるため同繊維
の数分の1以下の量で用いるのが好ましい。本発明で用
いられるゴムとしては耐油性ゴムラテツクスが好まし
く、具体的にはニトリルゴム、多硫化ゴム、フツ素ゴ
ム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム
などがある。
本発明のガスケツトの骨格はポリアリレート繊維とラ
テツクスによつて形成されているので、膨潤時にこれら
が油で膨潤することはなくガスケツト形状が崩れないの
である。また、ポリアリレート繊維と他の補強材を併用
した場合には、マイカ等が圧力に対して変形しにくく、
油膨潤性物質の流水現象を防止する効果があるため、高
い面圧の必要とする用途にも適するものである。
テツクスによつて形成されているので、膨潤時にこれら
が油で膨潤することはなくガスケツト形状が崩れないの
である。また、ポリアリレート繊維と他の補強材を併用
した場合には、マイカ等が圧力に対して変形しにくく、
油膨潤性物質の流水現象を防止する効果があるため、高
い面圧の必要とする用途にも適するものである。
以下に実施例、比較例によつて本発明の効果を具体化
する。
する。
実施例1〜2および比較例1 耐油性ゴムラテツクスとしてニトリルゴムをすべての
例で用い、実施例1では補強材としてp−ヒドロキシ安
息香酸(70モル%)と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
(30モル%)から合成されたポリアリレート繊維単独、
同2では該繊維の他にマイカ、硅藻土、タルク、クレー
を併用、比較例1はアスベストを補強材とした例であ
る。
例で用い、実施例1では補強材としてp−ヒドロキシ安
息香酸(70モル%)と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
(30モル%)から合成されたポリアリレート繊維単独、
同2では該繊維の他にマイカ、硅藻土、タルク、クレー
を併用、比較例1はアスベストを補強材とした例であ
る。
第1表のとおりの構成で湿紙シート、加熱加圧方式に
よつて厚さ0.5mm、密度約1.5〜1.7g/cm3のガスケツトを
得た。
よつて厚さ0.5mm、密度約1.5〜1.7g/cm3のガスケツトを
得た。
第2表にこれら3種のガスケツトの諸性能を示す。な
お、耐油性についてはASTM−No.3オイルに150℃で5時
間浸漬後のデータである。
お、耐油性についてはASTM−No.3オイルに150℃で5時
間浸漬後のデータである。
第2表から明らかのように、本発明のガスケツトは比
較例のガスケツトに比して初期引張強度にきわめて優
れ、加圧時の復元率にも優れ、かつ耐油性とくに強度保
持率に優れていることが明らかである。もちろん、本発
明のガスケツトは人体に対するアスベスト公害からは全
く心配のないものであることは言うまでもない。
較例のガスケツトに比して初期引張強度にきわめて優
れ、加圧時の復元率にも優れ、かつ耐油性とくに強度保
持率に優れていることが明らかである。もちろん、本発
明のガスケツトは人体に対するアスベスト公害からは全
く心配のないものであることは言うまでもない。
Claims (1)
- 【請求項1】p−ヒドロキシ安息香酸及び6−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸を主成分として得られる溶融液晶性
ポリマーからなるポリアリレート繊維によって補強され
たガスケットであって、該ポリアリレート繊維がガスケ
ット中に実質的に均一に分散していることを特徴とする
ガスケット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1181383A JP2820962B2 (ja) | 1989-07-12 | 1989-07-12 | ガスケツト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1181383A JP2820962B2 (ja) | 1989-07-12 | 1989-07-12 | ガスケツト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0345685A JPH0345685A (ja) | 1991-02-27 |
JP2820962B2 true JP2820962B2 (ja) | 1998-11-05 |
Family
ID=16099773
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1181383A Expired - Fee Related JP2820962B2 (ja) | 1989-07-12 | 1989-07-12 | ガスケツト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2820962B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5472995A (en) * | 1994-08-09 | 1995-12-05 | Cytec Technology Corp. | Asbestos-free gaskets and the like containing blends of organic fibrous and particulate components |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5617382B2 (ja) * | 1973-04-03 | 1981-04-22 | ||
US4443517A (en) * | 1982-05-05 | 1984-04-17 | Dana Corporation | Gasketing material |
-
1989
- 1989-07-12 JP JP1181383A patent/JP2820962B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0345685A (ja) | 1991-02-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |