JP2820887B2 - 圧延機用油圧圧下装置 - Google Patents

圧延機用油圧圧下装置

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JP2820887B2
JP2820887B2 JP6105214A JP10521494A JP2820887B2 JP 2820887 B2 JP2820887 B2 JP 2820887B2 JP 6105214 A JP6105214 A JP 6105214A JP 10521494 A JP10521494 A JP 10521494A JP 2820887 B2 JP2820887 B2 JP 2820887B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願に係る発明は、圧延機の
油圧圧下装置に関し、更に詳しくは、油圧圧下装置に装
備されている油圧シリンダを、高油柱で、且つ高応答で
制御しても、ハンチング現象を生じない圧延機用油圧圧
下装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、圧
延機のロール圧下装置の多くが電動スクリュー式から油
圧シリンダ式となり、更に、種々寸法のロール組合せで
の使用を可能とするために、より長いストロークの油圧
圧下シリンダが採用される傾向にある。
【0003】そのため、多くの油圧圧下シリンダの所要
ストローク量が90〜150ミリメートル程度(以下、
90ミリメートル以上を高油注という。)で、最近では
200〜250ミリメートル、又はそれを越える場合も
あり、従って、このような油注の高い範囲で圧下シリン
ダが制御される場合がある。
【0004】一方、圧延速度と圧延精度の向上に伴い、
一般的な油圧圧下装置の応答性は、シリンダ変位のステ
ップ応答の評価では、数%以内のオーバシュートに収ま
ること、また、周波数応答では20Hz(−3db)以
上の応答性(以下、高応答という。)を持つことが要求
される。
【0005】以上に述べた油圧圧下装置に装備される油
圧圧下シリンダを制御するための油圧回路は、通常、図
5の回路図に示すように構成されている。すなわち、油
圧圧下装置は左右一対の圧下シリンダ10A,10Bを
持ち、各々には独立した位置制御系が構成され、圧延機
の左右対象に配置されている。なお、圧下シリンダ10
A,10Bは共に同一構成であり、図において左側の構
成にはAを付し、右側の構成にはBを付して説明する。
また、以下の説明においては、Aを付した左側の構成を
例にして説明し、もう一方の構成にはBを付して説明は
省略する。
【0006】図示するように、シリンダピストン11A
を有する圧下シリンダ10Aのヘッド側11aにはシリ
ンダ直付マニホールド12A(又はバルブブロック)が
設けられ、ロッド側11bには油路19a(通常は配
管)が連結されている。また、もう一方の圧下シリンダ
10Bのロッド側12bにも油路19b(通常は配管)
が連結されており、これらの油路19a,19bが合流
点28で合流し、油路19を介して圧力調整ユニット2
0に連結されている。なお、上記油路19a,19bの
合流点28は、通常、圧延機上部の圧延ライン中心位置
に配されるので油路19a,19bの長さは各10メー
トル前後で同一寸法となる。また、上記圧力調整ユニッ
ト20は地下の油圧源室に配される場合が多く、油路1
9の長さは数十メートル前後となる場合が多い。
【0007】上記シリンダ直付マニホールド12Aに
は、圧下シリンダ10Aのヘッド側11a内圧を所定の
圧力に保って油柱高さyを所定高さに保つためのヘッド
側油圧回路Hが設けられており、このヘッド側油圧回路
Hは、ヘッド側ライン13aと供給ライン13bおよび
戻りライン13cとを切換える3ウエイ型サーボ弁14
Aと、ヘッド側ライン13aに設けられたパイロット操
作逆止弁15Aとにより構成されている。なお、供給ラ
イン13bは図示しない一定油圧源に連結されている。
【0008】また、上記圧力調整ユニット20は、通
常、図6の回路図に示すように構成されている。すなわ
ち、油路19の端部には圧油供給ライン20aと圧力調
整ライン20bとを切り換える切換弁21が設けられて
おり、圧油供給ライン20aは油路22により図5の1
3bに示す油圧源とは別の一定油圧源と連結されてい
る。
【0009】一方、圧力調整ライン20bは、上記圧油
供給ライン20aから分岐した油路23に設けられた減
圧弁24と、この減圧弁24の設定圧力での圧油を蓄圧
するアキュムレータ25と、このアキュムレータ25の
圧力が所定圧力以上となった時に圧油を逃がすリリーフ
弁26とから構成されている。なお、25aは可変絞り
で25bは止め弁である。
【0010】そして、圧下シリンダ10Aのロッド側1
1bの圧力を圧力調整ユニット20により、所定圧力範
囲内(上記減圧弁24の設定圧力とリリーフ弁26の設
定圧力の差、ただしリリーフ弁設定圧<減圧弁設定圧)
に保持した状態で、上記ヘッド側油圧回路Hによりヘッ
ド側11aの圧力を調節して、シリンダピストン11A
の変位すなわちロール間隙を調整している。
【0011】一方、シリンダピストン11Aの変位は図
5に示す位置検出器16Aにより検出されて、演算アン
プ17Aにフィードバックされ、演算アンプ17Aでは
指令値17aと比較し、その差(制御偏差)に必要な調
整ゲイン(制御ゲイン)を乗じた制御信号をサーボアン
プ18Aに送り、サーボ弁14Aでシリンダピストン1
1Aの変位が所定の値となるように制御する。なお、圧
下シリンダ10B側も同様の機能を持っている。
【0012】このような油圧圧下装置の制御系としての
応答性(追従性)は、演算アンプ17Aの制御ゲインの
増加に対応して高くなり、制御ゲインを更に大きくして
いくと制御系は不安定となり最終的には発振現象を起こ
すが、この時の発振周波数は制御ゲインの増加に対応し
て高くなる。
【0013】以上のように構成された圧延機用油圧圧下
装置においては、上述したように高油柱で使用される場
合が多くなっているが、以下に述べるような現象によ
り、高油注になると、本来持っている性能、つまり、高
応答性を落として使用せざるを得ない状況が生じてしま
う。
【0014】すなわち、例えば50〜70ミリメートル
程度の低油柱時には、20Hzの高応答を持つまで制御
系の制御ゲインを大きくしても、制御系としては安定
(ステップ応答特性上にオーバーシュートは無く、ま
た、外乱等の重畳もなく安定)であったものが、例えば
90ミリメートル近傍の油柱では、ステップ応答上に、
振幅が数μmで周波数が20Hz以下の外乱(時間と共
に減衰する)が重畳する現象を生じる。
【0015】この状態より制御系の制御ゲインを増加さ
せていくと、上記の外乱の周波数は殆ど変化しないで外
乱振幅の減衰が悪くなり、最終的には持続振動(以下、
この現象をハンチング現象という。)に至る現象を生じ
てしまう。
【0016】また、上述した外乱が重畳する現象は、油
柱が高い位置で使用する時ほど顕著に現れるので、この
現象が生じ始める油柱近傍およびそれ以上の油柱では、
所要の応答(例えば、20Hz以上)を得るまで制御系
の制御ゲインを上げることができず、結局、高油注(例
えば、90ミリメートル以上)になればなるほど応答性
を落として使用せざるを得なくなり、応答性を犠牲にし
た使用に制限され、最終的には、圧延精度が低下すると
いう問題につながる。
【0017】一方、このように外乱重畳現象を生じる
と、両圧下シリンダのロッド側が油路を介して連通して
いるため、一方の圧下シリンダが上がれば他方が下がる
方向に、丁度、位相が180度ずれた状態で各々の制御
系が発振する現象(以下、シーソー現象という。)を生
じてしまう。このシーソー現象は、圧延中に時折発生
し、この現象を生じると幅方向の圧延精度が大幅に低下
してしまう。
【0018】上述した外乱重畳現象を実測データに基づ
いて以下に説明すると、図7(a) は上記の外乱重畳現象
が生じている状態の実測オシロデータの一例を示すもの
であり、この条件としては、上述した図5および図6に
示す油圧回路においてアキュムレータ止め弁25bを全
開とし、制御ゲインを所要の30%程度まで下げ、指令
値17aに50μm相当のステップ状信号を入れた時の
シリンダピストン11Aの位置の応答である。この応答
例より、周波数≒10Hzを主成分とした外乱が重畳
し、次第に減衰していることが解る。
【0019】また、図7(b) は同様の条件で、アキュム
レータ止め弁25aのみ全閉とした時のデータであり、
この応答例より、周波数≒5.7Hzの外乱が重畳して
おり、上記図7(a) の約1/2の周波数となっている。
【0020】これら図7(a),(b) の外乱重畳現象は、ス
テップ応答によりシリンダピストン11Aが油柱が増加
する側に変化(変化後は一定値に保つ制御が働く)し、
ロッド側11bの圧力が上昇して圧力波を生じ、この圧
力波は油路19a,19中を伝播して管端の圧力調整ユ
ニット20まで達し、ここでアキュムレータ25(又は
止め弁25b)で反射され、ロッド側11bに戻り、再
び反射されるという一連の圧力伝播が繰り返され、この
時の圧力波が制御系への外乱として働き、シリンダピス
トン11Aに変化外乱が生じたものと考えられる。
【0021】つまり、従来の圧延機用油圧圧下装置にあ
っては、シリンダロッド側の圧力を所定圧力内に保持し
た状態で圧下シリンダ10Aが使用され、且つ、油圧源
室に設ける圧力調整ユニット20が圧下シリンダ10A
から数十メートルも離れて設置されるため、このような
外乱重畳現象を生じ、高油注,高応答にあってはこの外
乱重畳現象の減衰が悪くなり、最終的には持続振動、す
なわちハンチング現象を生じてしまう。従って、高油注
で使用される圧下シリンダは高応答で制御して圧延精度
を向上させることができない。
【0022】このことは以下の説明から明らかである。
すなわち、管内の流体柱の固有振動数(自由振動の周
期)は、公知の如く下記の数式で表される。
【0023】両端開あるいは両端閉の時は、同じ圧力波
が時間t毎に繰り返す、つまり、時間tを基本周期とす
る振動系となり、固有振動数Np1は下記〔数1〕とな
る。そして、一端開、一端閉の時は、2tを基本周期と
する振動系となり、固有振動数Np2は下記〔数2〕とな
る。
【0024】
【数1】
【0025】
【数2】
【0026】上式において、管端が大きな水タンクある
いは空気だめ等の定圧力源に結合されているときは「開
端」とみなされ、また、容積型の流体機器等のように機
械的に閉鎖されているときは、「閉端」として取り扱わ
れる。従って、図5の油路19の圧力調整ユニット20
側の管端条件としては、図6の止め弁25bが開いてい
るときはアキュムレータ25が定圧源として機能するの
で「開端」、逆に止め弁25bを全閉とするときは「閉
端」として取り扱われる。
【0027】一方、シリンダピストン11Aはヘッド側
11aおよび油路13a内に閉じ込められている作動油
により剛性支持されるが、作動油は圧縮性流体であるの
で、シリンダロッド側11bの圧力が仮にΔPR だけ増
加すると、ヘッド側11aの作動油は圧縮され、油柱Δ
y だけ減少する。即ち、油路19の管端条件は上記ア
キュムレータに近い特性となる。
【0028】ここで、各条件を以下の通りとすると、油
柱の減少ΔLy は、以下の〔数3〕となり、この値は上
述した重畳外乱の振幅と同等の値となる。
【0029】
【数3】
【0030】以上のことから、少なくとも、全体の外乱
現象が生じるシリンダピストン位置変化範囲(近傍)に
おいては、管路19のシリンダ側の管端条件は開端とし
て機能していると考えられる。
【0031】次に、圧力調整ユニット20とロッド側1
1b油路の合流点28とを結ぶ油路19の長さは、通常
の圧延設備にあっては、図6の圧力調整ユニット20が
地下の油圧源室(セラー)に配置されているため、50
〜90メートルと長い油路が必要となり、図7(a),(b)
の実測データに対応する油路19の長さも総延長で約7
5メートルあり、この時の油路の流体柱の固有振動数N
p1, Np2は以下の〔数4〕のようになり、この固有振動
数は、上述した図7(a),(b) の実測データとほぼ一致し
ている。
【0032】
【数4】
【0033】以上のことより、シリンダ側の管端条件は
開端として作用していること、また、図7(a),(b) に重
畳している外乱現象は、シリンダロッド側油路19a,
19b,19における流体柱の固有振動(自由振動)の
影響であることが解る。
【0034】一般的に、この固有振動(特性)による圧
力波は、管路抵抗により、又は両端条件が完全反射では
ない(反射率<1)ので、時間と共にその振幅が減衰す
る特性を示す。
【0035】図7(a),(b) に示す状態から、制御系の制
御ゲインを増加させていくと、上述した如くハンチング
現象を生じるが、これが単なる閉ループ制御系での発振
現象であれば、その発振周波数は制御系の調整ゲインに
対応して変化するが、周波数は殆ど変化しないで一定で
ある。
【0036】また、制御系の応答性が重畳外乱の周波
数、すなわち、油路の固有振動数より充分に低い範囲で
は、ハンチング現象を生じることはない。
【0037】以上2つの事由より、上述したハンチング
現象は、ロッド側油路内の流体柱の固有振動(自由振
動)、即ち、油路の動特性とシリンダ位置制御系の共振
現象又はそれに類する現象であると判断できる。
【0038】従って、上述したように、高油注の圧下シ
リンダにおいては、圧延精度を向上させるために高応答
で制御することができずに圧延精度を低下させている。
【0039】なお、この種の従来技術として特開昭52−
138464号公報記載の発明があるが、この発明は圧延条件
の変動に関係なく応答性を一定に保持するためにロッド
側圧力を負荷に対応して変更させることで、系ループゲ
インを一定として安定した制御系を実現しようとするも
のであるため、このようなロッド側圧力を変更させる構
成では、この出願に係る発明が対象とする高油注におけ
る高応答では安定した制御を実現することはできない。
【0040】また、他の従来技術として、特開昭49− 6
4793号公報記載の発明や特開平3−189008号公報記載の
発明があるが、これらの発明は、この出願に係る発明が
対象とするような高応答に適用できるものではない。
【0041】この出願に係る発明は上記課題に鑑みて、
高油注で使用される圧下シリンダであっても高応答の制
御を実現することができる圧延機用油圧圧下装置を提供
することを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る圧延機用油圧圧下装置は、一対の油
圧圧下シリンダを有し、該両圧下シリンダのヘッド側を
3ウエイサーボ弁にて各々所定圧力に保つと共に、該両
圧下シリンダのロッド側を同一且つ所定圧力に保つため
に、各々のロッド側油路を合流させて圧力調整ユニット
に導く油圧回路を有する油圧圧下装置において、上記圧
力調整ユニットと上記ロッド側油路の合流点との間を連
通させる油路に、可変絞り又は固定絞りと開閉切換弁と
を並列に設けたことを特徴とするものである。
【0043】請求項2に係る圧延機用油圧圧下装置は、
一対の油圧圧下シリンダを有し、該両圧下シリンダのヘ
ッド側を3ウエイサーボ弁にて各々所定圧力に保つと共
に、該両圧下シリンダのロッド側を同一且つ所定圧力に
保つために、各々のロッド側油路を合流させて圧力調整
ユニットに導く油圧回路を有する油圧圧下装置におい
て、上記ロッド側油路の合流点と圧下シリンダのロッド
側との間を連通させる油路の各々に、可変絞り又は固定
絞りと開閉切換弁とを並列に設けたことを特徴とするも
のである。
【0044】請求項3に係る圧延機用油圧圧下装置は、
一対の油圧圧下シリンダを有し、該両圧下シリンダのヘ
ッド側を3ウエイサーボ弁にて各々所定圧力に保つと共
に、該両圧下シリンダのロッド側を同一且つ所定圧力に
保つために、各々のロッド側油路を合流させて圧力調整
ユニットに導く油圧回路を有する油圧圧下装置におい
て、上記ロッド側油路の合流点と圧下シリンダのロッド
側との間を連通させる油路の各々に開閉切換弁を設けた
ことを特徴とするものである。
【0045】請求項4に係る圧延機用油圧圧下装置は、
上記請求項3の油圧圧下装置において、両開閉切換弁を
両圧下シリンダのロッド側油路出口に直付け又は近接配
置されるマニホールドに組込んだことを特徴とするもの
である。
【0046】請求項5に係る圧延機用油圧圧下装置は、
一対の油圧圧下シリンダを有し、該両圧下シリンダのヘ
ッド側を3ウエイサーボ弁にて各々所定圧力に保つと共
に、該両圧下シリンダのロッド側を同一且つ所定圧力に
保つために、各々のロッド側油路を合流させて圧力調整
ユニットに導く油圧回路を有する油圧圧下装置におい
て、上記ロッド側油路の合流点と圧下シリンダのロッド
側との間を連通させる油路の各々に圧力調整ユニットを
設けると共に、該両圧力調整ユニットと前記両圧下シリ
ンダとの間の各油路に可変絞り又は固定絞りと開閉切換
弁とを並列に設けたことを特徴とするものである。
【0047】請求項6に係る圧延機用油圧圧下装置は、
上記請求項5の油圧圧下装置において、両圧力調整ユニ
ットを両圧下シリンダのロッド側油路出口に直付け又は
近接配置されるマニホールドに組込んだことを特徴とす
るものである。
【0048】
【作用】請求項1に係る圧延機用油圧圧下装置によれ
ば、圧延中のように高応答を必要とするときのみ開閉切
換弁を閉側に切り換えることにより、圧下シリンダのロ
ッド側に生じた圧力波を可変絞り又は固定絞り回路によ
り減衰させることができるので、圧延に必要な高応答を
得るまで制御ゲインを上げて使用しても圧力波の周期と
圧下シリンダの制御周期との間に大きな差を設けること
ができるためハンチング現象を生じない。また、ハンチ
ング現象にまで至らない外乱重畳現象が残るような場合
には、この現象が無くなるまで、又は実用上問題となら
ない程度まで上記可変絞りを絞り込んで行けば減衰させ
ることができる。
【0049】請求項2に係る圧延機用油圧圧下装置によ
れば、両圧下シリンダのロッド側が連通する油路の各々
に可変絞り又は固定絞りと開閉切換弁とが並列に存在す
る構成となるので、各々の圧下シリンダに対して、個々
に上記請求項1に係る油圧圧下装置の作用を奏すること
ができるため、両シリンダ特性(両制御系構成機器特
性)の違いによって絞り効果が異なる場合には各々異な
った制御をすることができる。従って、上記油路を介し
ての両油圧シリンダ間の相互干渉を抑えることができ
る。また、開閉切換弁が開時の作用については、請求項
1に係る発明の場合と同様である。
【0050】請求項3に係る圧延機用油圧圧下装置によ
れば、圧延中のように高応答を必要とする時のみ油路の
各々に設けた開閉切換弁を閉側に切り換えれば、圧下シ
リンダのロッド側に生じた圧力波は上記開閉切換弁で反
射するが、圧下シリンダと圧力調整ユニットとの間の距
離に比べて圧下シリンダと開閉切換弁との距離は充分に
短くなるため、油路の固有振動数は制御系の応答性より
充分に高くなり、圧延に必要な高応答を得るまで制御ゲ
インを上げて使用してもハンチング現象は生じない。ま
た、開閉切換弁が開時の作用については、請求項1に係
る発明の場合と同様である。
【0051】請求項4に係る圧延機用油圧圧下装置によ
れば、上記請求項3に係る油圧圧下装置における作用を
奏するとともに、特に開閉切換弁が圧下シリンダ直付け
又は近接配置されるマニホールドに組み込まれるので、
圧下シリンダのロッド側と開閉切換弁との距離が短くな
り、油路の固有振動数を高くして制御系の応答性と比較
して充分に大きくすることができるためハンチング現象
は生じない。
【0052】請求項5に係る圧延機用油圧圧下装置によ
れば、各々の圧下シリンダに対して個々にロッド側圧力
を所定圧力範囲に保つための圧力調整ユニットを持つの
で、ロッド側と圧力調整ユニットとの間の油路の長さが
充分に短くなるため、油路の固有振動数を制御系の応答
性に比較して充分に大きくすることができ、ハンチング
現象を防止することができる。また、両圧下シリンダの
ロッド側が連通する油路間は圧力調整ユニットの挿入に
より常時完全に遮断されるので、両圧下シリンダ間にシ
ーソー現象を生じることはない。更に、各々の油路に可
変絞り又は固定絞りを持つので、請求項2に係る発明と
同様の作用を奏することができる。
【0053】請求項6に係る圧延機用油圧圧下装置によ
れば、上記請求項5に係る油圧圧下装置における作用を
奏するとともに、特に圧力調整ユニットおよび可変絞り
又は固定絞りが圧下シリンダ直付け又は近接配置される
マニホールドに組み込まれるので、圧下シリンダのロッ
ド側と圧力調整ユニットおよび可変絞り又は固定絞りと
の距離が短くなり、油路の固有振動数を高くして制御系
の応答性と比較して充分に大きくすることができるため
ハンチング現象は生じない。
【0054】
【実施例】以下、この出願に係る発明の一実施例を図面
に基づいて説明する。なお、上述した図5および図6に
示す従来の技術と同一の構成には同一符号を付して説明
する。なお、以下の説明でも左右一対に設けられた圧下
シリンダ10A,10Bの内、図においてAを付した左
側の構成を例にして説明し、もう一方の構成にはBを付
して説明は省略する。
【0055】図1は第1実施例に係る油圧圧下装置P1
の油圧回路を示す回路図であり、図示するように、圧下
シリンダ10Aのヘッド側11aには上述した従来と同
一のヘッド側油圧回路Hが設けられており、このヘッド
側油圧回路Hのシリンダ直付マニホールド12Aには、
ヘッド側ライン13aと供給ライン13bおよび戻りラ
イン13cとを切換える3ウエイ(方向)サーボ弁14
Aと、ヘッド側ライン13aに設けられたパイロット操
作逆止弁15Aとが設けられている。
【0056】そして、圧下シリンダ10Aの変位検出も
上述した従来の構成と同一であり、シリンダ位置検出器
16Aにより検出されて、演算アンプ17Aにフィード
バックされ、制御信号によりサーボアンプ18Aがサー
ボ弁14Aを介してシリンダピストン11Aを所定の位
置に制御する。すなわち、ヘッド側11aの圧力を調節
することにより圧下シリンダ10Aのシリンダ位置を制
御している。なお、この制御系は通常の圧延機において
採用されているA.G.C.、いわゆるオートマチック・ゲー
ジ・コントロール装置であれば、他の構成であってもよ
い。
【0057】一方、圧下シリンダ10Aのロッド側11
bには油路19aが連結されており、もう一方の圧下シ
リンダ10Bに連結された油路19bとの合流点28が
油路19を介して圧力調整ユニット20と連結されてい
る。そして、この油路19には絞り回路1が設けられて
おり、この実施例では合流点28に近接して設けられて
いる。なお、この絞り回路1を設ける位置は、この圧力
波の周期と圧下シリンダの制御周期との差が、通常3〜
4倍であれば共振現象を生じないため、ロッド側11b
の油量,油路19a,19b,19の油量等を考慮して
所定位置を設定して設ければよく、ほぼ中間位置で圧力
波波長の腹の位置が好ましい。
【0058】上記絞り回路1は、開閉切換弁2と可変絞
り3とが並列に設けられたもので、開閉切換弁2を切り
換えることにより油路19を連通させるか、可変絞り3
を介して連通させるかを選択できるように構成されてい
る。そして、上記構成によりロッド側油圧回路Rを形成
している。なお、上記可変絞り3に代えて固定絞りを設
けてもよい。
【0059】上記ヘッド側11aに設けられたヘッド側
油圧回路Hは、圧延機の左右に設けられた圧下シリンダ
10A,10Bにそれぞれ設けられており、ロッド側1
1bに設けられたロッド側油圧回路Rは、圧延機の左右
に設けられた圧下シリンダ10A,10Bを合流点28
で合流させた1系統が設けられている。
【0060】また、この絞り回路1が設けられた油路1
9に連結された圧力調整ユニット20は、上述した図6
の回路図に示すように構成されている。すなわち、油路
19の端部には圧油供給ライン20aと圧力調整ライン
20bとを切り換える切換弁21が設けられ、圧油供給
ライン20aは油路22により油圧源と連結されてお
り、圧力調整ライン20bは油路23により減圧弁24
と、この減圧弁24の設定圧力で圧油を蓄圧するアキュ
ムレータ25と、このアキュムレータ25が設定圧力以
上となった時に圧油を逃がすリリーフ弁26とに連結さ
れている。そして、リリーフ弁26の設定圧力と減圧弁
24の設定圧力とによりアキュムレータ25の蓄圧力を
調節している。なお、この蓄圧力は圧延機の大きさや圧
延材料等により適宜設定すればよい。
【0061】以上のように構成された第1実施例の油圧
圧下装置P1 によれば、圧延時にロッド側油路内の流体
柱の固有振動数を大幅に高くすることができるため、圧
下シリンダの制御周期との差を大きくしてハンチング現
象を生じることなく圧下シリンダ10A,10Bを高応
答で制御することを可能としている。
【0062】すなわち、ロッド側11bを、油路19の
端部に設けられた切換弁21を圧力調整ライン20b側
に切り換えることにより、アキュムレータ25の圧力に
より保持した状態とし、この状態で絞り回路1の開閉切
換弁2を切り換えて可変絞り3を介して連通するように
すれば、この可変絞り3によりロッド側11bにおいて
生じた圧力波を減衰させることができるので、圧下シリ
ンダ10A,10Bのロッド側11bに生じる圧力波の
周期と圧下シリンダの制御周期との間に大きな差を付け
ることができる。従って、これらの間に共振現象又はそ
れに類する現象を生じることはなく、圧下シリンダ10
A,10Bを高応答で制御してもハンチング現象を生じ
ることなく圧延することが可能となる。
【0063】また、ハンチング現象にまで至らないが上
述したような外乱重畳現象が残るような場合は、この現
象が無くなるまで、又は実用上問題とならない程度まで
上記可変絞り3を絞り込んで行けばよく、従って圧延機
又は油圧圧下装置の特性が季節変化あるいは経年変化す
るような場合にも可変絞り3を有効に作用させることが
できる。
【0064】なお、可変絞り3に代えて固定絞りを設け
る場合には、実績等により必要な絞り量(絞り抵抗)が
既知の場合に使用され、簡単に絞り部分を交換できるよ
うな機構のものを採用すればよい。
【0065】更に、圧延機では圧延操作以外にロール組
み替え操作、緊急開放等の操作があり、この場合には圧
下シリンダはサーボ弁の能力一杯又はそれに近い流量を
受けて高速で動作(制御)させる必要があるが、上記の
絞り効果が働いた状態では、これが抵抗となって圧下シ
リンダ速度が制限されるため、こうした操作では、一時
開閉切換弁2を開側に切り換え、絞り効果が働かない状
態とすればよい。
【0066】次に、第2実施例を図2に示す油圧圧下装
置P2 の油圧回路図に基づいて説明する。この第2実施
例は、上記第1実施例における絞り回路1を油路19
a,19bに各々設けた実施例である。なお、この第2
実施例では、上述した第1実施例におけるヘッド側油圧
回路Hは省略してロッド側油圧回路Rのみを説明し、同
一の構成には同一符号を付して説明は省略する。
【0067】図示するように、圧下シリンダ10A,1
0Bのロッド側11bに連通した油路19a,19bに
は、上述した第1実施例と同じ開閉切換弁2A,2Bと
可変絞り3A,3Bとを有する絞り回路1A,1Bが各
々設けられており、この第2実施例の油圧圧下装置P2
によれば、以下のようにしてハンチング現象を生じるこ
となく、また、シーソー現象も未然に抑えて圧下シリン
ダを高応答で制御することを可能としている。
【0068】すなわち、絞り回路1A,1Bの開閉切換
弁2A,2Bを切り換えることにより、上述した第1実
施例と同様に可変絞り3A,3Bでロッド側11bに生
じた圧力波を減衰させてハンチング現象を生じることな
く高応答で制御することが可能となるとともに、この第
2実施例では、油路19a,19bの各々において絞り
率を変更することにより、両油路19a,19bにおけ
る流量を変化させて圧下シリンダ10A,10B間の直
接的な干渉を縁切りしてシーソー現象を未然に抑えるこ
とができる。
【0069】なお、この第2実施例の場合、絞り回路1
を上述した第1実施例よりもロッド側11bに近接させ
ることができるため、例えば、絞り回路1A,1Bをマ
ニホールド又はバルブブロックに組込めば、特別な設置
スペースを要することなく圧下シリンダ10Aのロッド
側11bに近接して設けることが可能であり、油路内の
圧力波周期と圧下シリンダの制御周期との差を3〜4倍
以上に大きくすることが容易に可能となる。
【0070】次に、第3実施例を図3に示す油圧圧下装
置P3 の油圧回路図に基づいて説明する。この第3実施
例は、圧下シリンダ10A,10Bのロッド側11bに
連通した油路19a,19bに開閉切換弁4A,4Bを
各々設けた実施例である。なお、この第3実施例でも、
上述した第1実施例におけるヘッド側油圧回路Hは省略
してロッド側油圧回路Rのみを説明し、同一の構成には
同一符号を付して説明は省略する。
【0071】図示するように、圧下シリンダ10A,1
0Bのロッド側11bに連通した油路19a,19bの
各々に開閉切換弁4A,4Bが設けられており、この油
路19a,19bに開閉切換弁4A,4Bを設けること
によりロッド側11bとの距離を長くて2〜3メートル
にすることが可能となる。そして、この第3実施例の油
圧圧下装置P3 によれば、以下のようにしてハンチング
現象を生じることなく、また、シーソー現象も未然に抑
えて圧下シリンダを高応答で制御することが可能とな
る。
【0072】すなわち、油路19a,19bに設けられ
た開閉切換弁4A,4Bを閉鎖させることにより、ロッ
ド側11bに近接した位置で油路19a,19bを閉鎖
させるため、ロッド側11bに生じた圧力波は近接した
切換弁4A,4Bで反射するので圧力波の周期は高くな
り、圧下シリンダ10A,10Bの制御周期との間に大
きな差が生じて共振現象、すなわちハンチング現象を生
じることなく高応答の制御が可能となる。また、この第
3実施例でも、開閉切換弁4A,4Bにより油路19
a,19b間を完全に遮断することができるため、両圧
下シリンダ10A,10B間のシーソー現象を未然に抑
えることができる。
【0073】なお、この第3実施例において、開閉切換
弁4A,4Bを例えばマニホールド又はバルブブロック
に組込めば、特別な設置スペースを要することなく圧下
シリンダ10Aのロッド側11bに近接して設けること
が可能となり、この場合、ロッド側11bと開閉切換弁
4との距離を2〜3メートルにすることも可能となるの
で、前述の計算例に従えば油路の固有振動数は100H
z以上となり、制御系の応答性と比較して充分に大きく
することができる。
【0074】次に、第4実施例を図4に示す油圧圧下装
置P4 の油圧回路図に基づいて説明する。この第4実施
例は、圧下シリンダ10A,10Bのロッド側11bに
連通した油路19a,19bに上述した圧力調整ユニッ
ト20と絞り回路1とを各々設けた実施例である。な
お、この第4実施例における絞り回路1は上述した第1
実施例における可変絞り3に代えて固定絞り5を設けて
いる。また、この第4実施例でも、上述した第1実施例
におけるヘッド側油圧回路Hは省略してロッド側油圧回
路Rのみを説明し、同一の構成には同一符号を付して説
明は省略する。
【0075】図示するように、圧下シリンダ10A,1
0Bのロッド側11bに連通した油路19a,19bの
各々に絞り回路1A,1Bと圧力調整ユニット20A,
20Bとが設けられており、この第4実施例の油圧圧下
装置P4 によれば、以下のようにしてハンチング現象を
生じることなく、また、シーソー現象も未然に抑えて圧
下シリンダを高応答で制御することが可能となる。
【0076】すなわち、両絞り回路1A,1Bに設けら
れた開閉切換弁2A,2Bを連通させた状態では、ロッ
ド側11bに生じた圧力波が油路19a,19bの各々
に設けられた圧力調整ユニット20A,20Bへと伝わ
ってアキュムレータ25で反射するが、この圧力調整ユ
ニット20A,20Bをロッド側11bに近接した油路
19a,19bに設けているため、圧力波の周期は高く
なり、圧下シリンダ10A,10Bの制御周期との間に
大きな差が生じて共振現象、すなわちハンチング現象を
生じることなく高応答の制御が可能となる。
【0077】また、開閉切換弁2A,2Bを閉鎖させれ
ば、固定絞り5A,5Bで圧力波を減衰させて圧力調整
ユニット20A,20Bへと伝えることができ、更に、
圧力調整ユニット20A,20Bの止め弁25bを閉鎖
させれば油路19a,19b間を完全に遮断することが
できるため、ロッド側11bに生じる圧力波に応じてこ
れらを適宜使い分け、又は組合せて使うことにより、圧
力波の周期と制御周期との間に大きな差を生じさせるこ
とができ、共振現象、すなわちハンチング現象を生じる
ことなく高応答の制御をすることが可能となる。しか
も、油路19a,19b間を完全に遮断することができ
るため、両圧下シリンダ10A,10B間のシーソー現
象を未然に抑えることもできる。なお、油路19は図示
しない一定圧力源に連結されている。
【0078】更に、上記圧力調整ユニット20A,20
Bを圧延機のマニホールド又はバルブブロックに組込め
ば、圧下シリンダ10A,10Bのロッド側11bと圧
力調整ユニット20A,20Bとの距離、つまりアキュ
ムレータ25との距離を近接させることができるため、
圧力波の周期と圧下シリンダの制御周期との差を3〜4
倍以上に高くしてハンチング現象を防止することができ
る。その上、この圧力調整ユニット20A,20Bを設
けるためのスペースも容易に確保することができる。
【0079】ところで、上記圧力調整ユニット20A,
20Bに設けられたアキュムレータ25は上述したよう
に定圧源として機能する開端となるため、上記したよう
に止め弁25bを閉鎖して閉端として使用する場合があ
る。従って、上記圧力調整ユニット20A,20Bには
必ずしもアキュムレータ25を設ける必要はない。つま
り、この圧力調整ユニット20を切換弁21と減圧弁2
4とリリーフ弁26とから構成してもよい。
【0080】この場合にも、ロッド側11bに生じた圧
力波を油路19a,19bの各々に設けられた圧力調整
ユニット20A,20Bで反射させて圧力波の周期を高
くすることが可能となるため、圧下シリンダ10A,1
0Bの制御周期との間に大きな差が生じてハンチング現
象を生じることなく高応答で制御することが可能とな
る。
【0081】なお、上述した第1〜第4実施例の構成を
組合せて使用することも容易に可能であり、この場合に
は、上述した第1〜第4実施例におけるいずれかの作用
効果を奏することができる。
【0082】以上説明したように、この出願に係る油圧
圧下装置によれば、3ウエイ型サーボ弁の出力ポートに
通じる圧下シリンダのヘッド側油柱が、90ミリメート
ルを越えるような高油柱で、且つ、20Hzを越えるよ
うな高応答で制御しても、シリンダロッド側油路内の流
体柱の固有振動数又はそれに近い周波数でのハンチング
現象を生じない圧延機用油圧圧下装置が可能となる。
【0083】
【発明の効果】この出願に係る発明は、以上説明したよ
うに構成しているので、以下に記載するような効果を奏
する。
【0084】請求項1に係る圧延機用油圧圧下装置によ
れば、圧延中のように高応答を必要とするときのみ開閉
切換弁を閉側に切り換えることにより、圧下シリンダの
ロッド側に生じた圧力波を可変絞り又は固定絞り回路に
より減衰させることができるので、圧延に必要な高応答
を得るまで制御ゲインを上げて使用しても圧力波の周期
と圧下シリンダの制御周期との間に大きな差を設けるこ
とができるためハンチング現象を生じることはなく、ま
た、ハンチング現象にまで至らない外乱重畳現象が残る
ような場合には、この現象が無くなるまで、又は実用上
問題とならない程度まで上記可変絞りを絞り込んで行け
ば減衰させることができるため、高油注であっても高応
答の制御により、精度の高い圧延を行うことが可能とな
る。
【0085】請求項2に係る圧延機用油圧圧下装置によ
れば、両圧下シリンダのロッド側が連通する油路の各々
に可変絞り又は固定絞りと開閉切換弁とが並列に存在す
る構成となるので、各々の圧下シリンダに対して、個々
に上記請求項1に係る油圧圧下装置の効果を奏すること
ができると共に、両シリンダ特性の違いによって絞り効
果が異なる場合には各々異なった制御をすることがで
き、上記油路を介しての両油圧シリンダ間の相互干渉を
抑えてシーソー現象を防止した高精度な圧延が可能とな
る。
【0086】請求項3に係る圧延機用油圧圧下装置によ
れば、圧延中のように高応答を必要とする時のみ油路の
各々に設けた開閉切換弁を閉側に切り換えれば、圧下シ
リンダのロッド側に生じた圧力波は充分に近い距離に設
けられた上記開閉切換弁で反射するため、油路の固有振
動数は制御系の応答性より充分に高くなり、圧延に必要
な高応答を得るまで制御ゲインを上げて使用してもハン
チング現象を生じることなく、高油注であっても高応答
の制御により、精度の高い圧延を行うことが可能とな
る。
【0087】請求項4に係る圧延機用油圧圧下装置によ
れば、上記請求項3に係る油圧圧下装置における効果を
奏するとともに、特に開閉切換弁が圧下シリンダ直付け
又は近接配置されるマニホールドに組込まれているの
で、圧下シリンダのロッド側と開閉切換弁との距離が短
くなり、油路の固有振動数を高くして制御系の応答性と
比較して充分に大きくすることができるため、ハンチン
グ現象は生じることなく、高油注であっても高応答の制
御により、精度の高い圧延を行うことが可能となる。
【0088】請求項5に係る圧延機用油圧圧下装置によ
れば、各々の圧下シリンダの油路に対して各々ロッド側
圧力を所定圧力範囲に保つための圧力調整ユニットを持
つので、ロッド側と圧力調整ユニットとの間の油路の長
さが充分に短くなるため、油路の固有振動数を制御系の
応答性に比較して充分に大きくし、高油注であっても高
応答の制御により、精度の高い圧延を行うことが可能と
なる。また、両圧下シリンダのロッド側が連通する油路
間は圧力調整ユニットの挿入により常時完全に遮断され
るので、両圧下シリンダ間に生じるシーソー現象を防止
することができる。
【0089】請求項6に係る圧延機用油圧圧下装置によ
れば、上記請求項5に係る油圧圧下装置における効果を
奏するとともに、特に圧力調整ユニットおよび可変絞り
又は固定絞りが圧下シリンダ直付け又は近接配置される
マニホールドに組み込まれているので、圧下シリンダの
ロッド側と圧力調整ユニットおよび可変絞り又は固定絞
りとの距離を短くして、油路の固有振動数を制御系の応
答性と比較して充分に大きくし、高油注であっても高応
答の制御により、精度の高い圧延を行うことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願に係る圧延機用油圧圧下装置の第1実
施例を示す油圧回路図である。
【図2】この出願に係る圧延機用油圧圧下装置の第2実
施例を示す油圧回路図である。
【図3】この出願に係る圧延機用油圧圧下装置の第3実
施例を示す油圧回路図である。
【図4】この出願に係る圧延機用油圧圧下装置の第4実
施例を示す油圧回路図である。
【図5】従来の油圧圧下装置における油圧回路を示す回
路図である。
【図6】従来の油圧圧下装置における圧力調整ユニット
を示す油圧回路図である。
【図7】従来の油圧圧下装置において生じる外乱重畳現
象の実測オシロデータ一例を示す線図である。
【符号の説明】
1,1A,1B…絞り回路 2,2A,2B…開閉切換弁 3,3A,3B…可変絞り 4A,4B…開閉切換弁 5A,5B…固定絞り 10A,10B…圧下シリンダ 11a…ヘッド側 11b…ロッド側 12A,12B…マニホールド 13…油圧回路 13a…ヘッド側ライン 13b…供給ライン 13c…戻りライン 14A,14B…サーボ弁 15A,15B…パイロット操作逆止弁 16A,16B…シリンダ位置検出器 17A,17B…演算アンプ 18A,18B…サーボ弁用増幅アンプ 19…油路 19a,19b…油路 20,20A,20B…圧力調整ユニット 20a…圧油供給ライン 20b…圧力調整ライン 21…切換弁 22,23…油路 24…減圧弁 25…アキュムレータ 26…リリーフ弁 P1,P2,P3,P4 …油圧圧下装置 H…ヘッド側油圧回路 R…ロッド側油圧回路
フロントページの続き (72)発明者 高橋 昌範 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 曽我 一利 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 31/32,37/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の油圧圧下シリンダを有し、該両圧
    下シリンダのヘッド側を3ウエイサーボ弁にて各々所定
    圧力に保つと共に、該両圧下シリンダのロッド側を同一
    且つ所定圧力に保つために、各々のロッド側油路を合流
    させて圧力調整ユニットに導く油圧回路を有する油圧圧
    下装置において、 上記圧力調整ユニットと上記ロッド側油路の合流点との
    間を連通させる油路に、可変絞り又は固定絞りと開閉切
    換弁とを並列に設けたことを特徴とする圧延機用油圧圧
    下装置。
  2. 【請求項2】 一対の油圧圧下シリンダを有し、該両圧
    下シリンダのヘッド側を3ウエイサーボ弁にて各々所定
    圧力に保つと共に、該両圧下シリンダのロッド側を同一
    且つ所定圧力に保つために、各々のロッド側油路を合流
    させて圧力調整ユニットに導く油圧回路を有する油圧圧
    下装置において、 上記ロッド側油路の合流点と圧下シリンダのロッド側と
    の間を連通させる油路の各々に、可変絞り又は固定絞り
    と開閉切換弁とを並列に設けたことを特徴とする圧延機
    用油圧圧下装置。
  3. 【請求項3】 一対の油圧圧下シリンダを有し、該両圧
    下シリンダのヘッド側を3ウエイサーボ弁にて各々所定
    圧力に保つと共に、該両圧下シリンダのロッド側を同一
    且つ所定圧力に保つために、各々のロッド側油路を合流
    させて圧力調整ユニットに導く油圧回路を有する油圧圧
    下装置において、 上記ロッド側油路の合流点と圧下シリンダのロッド側と
    の間を連通させる油路の各々に、開閉切換弁を設けたこ
    とを特徴とする圧延機用油圧圧下装置。
  4. 【請求項4】 両開閉切換弁を両圧下シリンダのロッド
    側油路出口に直付け又は近接配置されるマニホールドに
    組込んだことを特徴とする請求項3記載の圧延機用油圧
    圧下装置。
  5. 【請求項5】 一対の油圧圧下シリンダを有し、該両圧
    下シリンダのヘッド側を3ウエイサーボ弁にて各々所定
    圧力に保つと共に、該両圧下シリンダのロッド側を同一
    且つ所定圧力に保つために、各々のロッド側油路を合流
    させて圧力調整ユニットに導く油圧回路を有する油圧圧
    下装置において、 上記ロッド側油路の合流点と圧下シリンダのロッド側と
    の間を連通させる油路の各々に圧力調整ユニットを設け
    ると共に、該両圧力調整ユニットと前記両圧下シリンダ
    との間の各油路に可変絞り又は固定絞りと開閉切換弁と
    を並列に設けたことを特徴とする圧延機用油圧圧下装
    置。
  6. 【請求項6】 両圧力調整ユニットを両圧下シリンダの
    ロッド側油路出口に直付け又は近接配置されるマニホー
    ルドに組込んだことを特徴とする請求項5記載の圧延機
    用油圧圧下装置。
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