JP2820656B2 - アルキッド系塗料を塗装する方法 - Google Patents

アルキッド系塗料を塗装する方法

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JP2820656B2 JP9863896A JP9863896A JP2820656B2 JP 2820656 B2 JP2820656 B2 JP 2820656B2 JP 9863896 A JP9863896 A JP 9863896A JP 9863896 A JP9863896 A JP 9863896A JP 2820656 B2 JP2820656 B2 JP 2820656B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケイ素原子に結合
した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合
を形成することにより架橋しうるケイ素含有基(以下、
反応性ケイ素基ともいう)を有するオキシアルキレン系
重合体を含有する硬化性組成物の硬化物の表面にアルキ
ッド系塗料を塗装する方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】反応性ケ
イ素基を有するオキシアルキレン系重合体は、室温硬化
性シリコンゴムのように室温で空気中の湿気などによっ
ても硬化し、ゴム状物を与える重合体である。この硬化
物は優れた伸び特性、強度、接着性などを有するため、
シーラント、接着剤などの用途に使用されている。
【0003】反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン
系重合体が有する特徴の1つは、主鎖がオキシアルキレ
ン系重合体であるため、シリコンゴムと比較して硬化物
表面に一般に使用されるほとんどの塗料を塗装できると
いう利点である。なお、シリコンゴムのばあいには表面
が撥水撥油性であり、塗料を塗装することは実際には不
可能である。
【0004】ところが反応性ケイ素基を有するオキシア
ルキレン系重合体を用いた硬化物でも、アルキッド系塗
料を塗装したばあいにかぎり塗膜の乾燥性がわるく、前
記硬化物に該塗料を塗装するのが実際上困難であるとい
う問題がある。このため、該オキシアルキレン系重合体
を用いたシーラントの硬化物上に直接アルキッド系塗料
を塗装することは、半ばあきらめられているというのが
実状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】アルキッド系塗料の乾燥
性がわるい原因すらも全く不明であったが、本発明者ら
はこの原因について鋭意検討を重ねた結果、反応性ケイ
素基を有するオキシアルキレン系重合体を含有する硬化
性組成物に配合されている可塑剤、とくに低粘度で低分
子量の可塑剤が乾燥性を低下させることを見出した。
【0006】可塑剤は組成物の粘度を低下させたり(使
用の際の作業性が改善される)、硬化物の引張特性を改
善させたりするために添加されるものである。
【0007】組成物の粘度低下や硬化物の引張特性の改
善には可塑剤を使用するのが簡便な方法であるので、本
発明者らは可塑剤を用いてもアルキッド系塗料の乾燥性
を悪化させないものがあるかどうか探索した結果、可塑
剤のうちでも一般に高分子可塑剤と呼ばれる可塑剤を使
用すると、上記問題が改善されることを見出し、すでに
特許出願している(昭和62年12月26日および28
日出願の発明の名称「アルキッド系塗料の塗装方法」お
よび「硬化性組成物」)。
【0008】本発明者らは、さらに乾燥性の改善された
組成物をうるために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、 (A)ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基
を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しう
るケイ素含有基を少なくとも1個有するオキシアルキレ
ン系重合体 (B)高分子可塑剤および(または)高粘度可塑剤なら
びに (C)空気酸化硬化型化合物 を含有してなる硬化性組成物の硬化物の表面にアルキッ
ド系塗料を塗装する方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、反応性ケイ素
基を少なくとも1個有するオキシアルキレン系重合体
(以下、オキシアルキレン系重合体(A)ともいう)が
用いられる。
【0011】前記オキシアルキレン系重合体(A)は、
特公昭45−36319号、同46−12154号、同
49−32673号、特開昭50−156599号、同
51−73561号、同54−6096号、同55−8
2123号、同55−123620号、同55−125
121号、同55−131022号、同55−1351
35号、同55−137129号の各公報などに提案さ
れている重合体である。
【0012】オキシアルキレン系重合体(A)の分子鎖
は、本質的に一般式: −R1−O− (式中、R1は2価の有機基)で示される繰返し単位を
有するものである。R1は炭素数1〜10の2価のアルキ
レン基であることが好ましく、とくに炭素数2〜4の2
価のアルキレン基であることが好ましい。またこのアル
キレン基は一部の水素原子が塩素原子のような置換基で
置換されている置換炭化水素基であってもよい。
【0013】R1の具体例としては、
【0014】
【化1】
【0015】などがあげられ、とくに
【0016】
【化2】
【0017】が好ましい。前記オキシアルキレン系重合
体(A)の分子鎖は1種だけの繰返し単位からなってい
てもよいし、2種以上の繰返し単位よりなっていてもよ
い。
【0018】オキシアルキレン系重合体(A)の主鎖は
一般式:−R1−O−で示される繰返し単位のみからな
っていてもよいが、他の繰返し単位などを含有していて
もよい。他の繰返し単位などを含有するばあい、一般
式:−R1−O−で示される繰返し単位が重合体の60
%(重量%、以下同様)以上、さらには80%以上であ
るのが好ましい。
【0019】オキシアルキレン系重合体(A)における
シロキサン結合を形成することによって架橋および(ま
たは)重合しうる反応性ケイ素基はよく知られた官能基
であり、室温においても架橋しうるという特徴を有して
いる。この反応性ケイ素基の代表例としては、一般式
(I):
【0020】
【化3】
【0021】(式中、R2は炭素数1〜20の置換もし
くは非置換の1価の有機基またはトリオルガノシロキシ
基で、(m(2−a)+3−b)個のR2は異なってい
てもよい、Xは水酸基または加水分解性基であり、(m
a+b)個のXは異なっていてもよい、aは0、1また
は2、bは0、1、2または3であり、かつ(ma+
b)≧1、mは0〜19の整数であり、m個の
【0022】
【化4】
【0023】におけるaは同じである必要はない)で表
わされる基があげられる。一般式(I)で表わされる反
応性ケイ素基のうちでは、経済性などの点から一般式
(II):
【0024】
【化5】
【0025】(式中、R2 およびXは前記に同じ、zは
1、2または3)で表わされる基が好ましい。
【0026】一般式(I)におけるXの1種である加水
分解性基の具体例としては、たとえば塩素原子などのハ
ロゲン原子、水素原子、メトキシ基、エトキシ基などの
アルコキシ基、アセトキシ基などのアシルオキシ基、ジ
メチルケトキシメート基などのケトキシメート基、ジメ
チルアミノ基などのアミノ基、N−メチルアセトアセト
アミド基などのアミド基、ジメチルアミノオキシ基など
のアミノオキシ基、チオフェノキシ基などのメルカプト
基、イソプロペニルオキシ基などのアルケニルオキシ基
などがあげられる。これらのうちでは加水分解性がマイ
ルドであるという点からメトキシ基、エトキシ基などの
アルコキシ基が好ましい。
【0027】また一般式(I)におけるR2の具体例と
しては、たとえばメチル基、エチル基などのアルキル
基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニ
ル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基
や、一般式: (R′)3SiO− (R′は炭素数1〜20の置換もしくは非置換の1価の
有機基で、3個のR′は同じである必要はない)で示さ
れるトリメチルシロキシ基などのトリオルガノシロキシ
基などがあげられる。これらのうちではメチル基がとく
に好ましい。
【0028】オキシアルキレン系重合体(A)中の反応
性ケイ素基の個数は1個以上あればよいが、充分な硬化
性をうるという点からすると平均1.1個以上、さらに
は1.5〜4個が好ましい。また反応性ケイ素基はオキ
シアルキレン系重合体(A)の分子鎖末端に存在するの
が好ましい。
【0029】オキシアルキレン系重合体(A)の数平均
分子量は3,000〜30,000のものが好ましく、
5,000〜15,000のものがさらに好ましい。オ
キシアルキレン系重合体(A)は単独で使用してもよ
く、2種以上併用してもよい。
【0030】オキシアルキレン系重合体(A)は、たと
えば一般式(I)で表わされる基に水素原子が結合した
ヒドロシラン化合物と一般式(III):
【0031】
【化6】
【0032】(式中、R3は水素原子または炭素数1〜
20の1価の有機基、R4は炭素数1〜20の2価の有
機基、cは0または1)で示されるオレフィン基を有す
るポリエーテルとを、白金化合物などのVIII族遷移
金属化合物などを触媒として付加反応させるなどの方法
により製造される。
【0033】前記以外のオキシアルキレン系重合体
(A)を製造する方法としては、 水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体にトルエン
ジイソシアネートのようなポリイソシアネート化合物を
反応させてイソシアネート基末端アルキレンオキシド系
重合体とし、そののち該イソシアネート基に一般式(I
V):
【0034】
【化7】
【0035】(式中、Wは水酸基、カルボキシル基、メ
ルカプト基およびアミノ基(1級または2級)から選ば
れた活性水素含有基、z、R2、R4およびXは前記に同
じ)で示されるシリコン化合物のW基を反応させる方
法、 一般式(III)で示されるオレフィン基を有するポ
リオキシアルキレン系重合体のオレフィン基に、Wがメ
ルカプト基である一般式(IV)で示されるシリコン化
合物のメルカプト基を付加反応させる方法、および 水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体の水酸基
に、一般式(V):
【0036】
【化8】
【0037】(式中、R2、R4、Xおよびzは前記に同
じ)で表わされる化合物を反応させる方法 などが具体的にあげられるが、これらの方法に限定され
るものではない。
【0038】前記一般式(I)で示される基に水素原子
が結合したヒドロシリル化合物と一般式(III)で示
されるオレフィン基を有するオキシアルキレン系重合体
とを反応させる方法において、それらを反応させたの
ち、一部または全部のX基をさらに他の加水分解性基ま
たはヒドロキシル基に変換してもよい。たとえばX基が
ハロゲン原子、水素原子のばあいには、これらの基をア
ルコキシ基、アシルオキシ基、アミノオキシ基、アルケ
ニルオキシ基、ヒドロキシル基などに変換して使用する
のが好ましい。一般式(III)において、R3は水素
原子または炭素数1〜20の置換もしくは非置換の1価
の有機基であるが、水素原子または炭化水素基であるの
が好ましく、とくに水素原子であるのが好ましい。
【0039】前記R4は炭素数1〜20の2価の有機基
であるが、
【0040】
【化9】
【0041】(R5は炭素数1〜10の2価の炭化水素
基)であるのが好ましく、とくにメチレン基であるのが
好ましい。
【0042】一般式(III)で示されるオレフィン基
を有するアルキレンオキシド系重合体の具体的製造法と
しては、特開昭54−6097号公報に開示されている
ように、たとえばオキシアルキレン系重合体の末端水酸
基と不飽和基を有する化合物とを反応させてエーテル結
合、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合な
どにより結合させて製造する方法、あるいはエチレンオ
キシド、プロピレンオキシドなどのエポキシ化合物を重
合させる際に、アリルグリシジルエーテルなどのオレフ
ィン基含有エポキシ化合物を添加して共重合させること
により、側鎖にオレフィン基を導入させる方法などが例
示されうる。
【0043】本発明に用いる硬化性組成物には高分子可
塑剤および(または)高粘度可塑剤(以下、特定の可塑
剤ともいう)が使用される。
【0044】前記高分子可塑剤は、該組成物の粘度やス
ランプ性、該組成物からの硬化物の特性である引張強
度、伸びなどの機械的特性を調整するとともに、低分子
可塑剤を使用したばあいに比較して該硬化物にアルキッ
ド系塗料を塗装したばあいの乾燥性を改良するための成
分である。
【0045】本明細書にいうアルキッド系塗料が塗装さ
れる硬化物とは、組成物が完全に硬化して所定の特性を
出すものに限定されるものではなく、施工後硬化途中で
あっても塗料を塗装しうるものをも含む概念である。
【0046】前記高分子可塑剤の分子量は4,000〜
15,000、さらには4,500〜10,000が好
ましい。
【0047】このような高分子可塑剤の具体例として
は、たとえば2塩基酸と2価アルコールとのポリエステ
ル類などのポリエステル系可塑剤;ポリプロピレングリ
コールやその誘導体などのポリエーテル類などがあげら
れるが、これらに限定されるものではない。ポリエステ
ル系可塑剤、ポリエーテル類は、アルキッド系塗料の乾
燥性改善以外の相溶性、粘度を低下させるなどの点から
も好ましく、とくにポリエーテル類が好ましい。
【0048】前記ポリエーテル類のうちでも数平均分子
量4,500以上のものが好ましく、5,000〜1
0,000のものがことに好ましい。
【0049】前記ポリエーテル類はオキシアルキレン系
重合体(A)との相溶性がよく、粘度低下効果に優れて
おり、また硬化物の低弾性率化、高伸び化などの点から
も好ましい。また分子末端の数が少ないか、分子末端に
水酸基の少ないものが、塗装されたアルキッド系塗料の
乾燥性がよくなるという点から好ましく、分子末端に実
質的に水酸基を含有しないものがさらに好ましい。同様
の理由から、末端がアルキルエーテル基、アリルエーテ
ル基、アリールエーテル基などになっているものがより
好ましい。さらに、数平均分子量1,000以下の成分
の割合が10%(GPC法により測定した値からの割
合、以下同様)以下のものが、アルキッド系塗料の乾燥
性がよくなるため好ましく、5%以下であるのがことに
好ましい。また、ポリエーテル類の分子量は、分布の狭
いもの、すなわち
【0050】
【外1】
【0051】が小さいものが低分子量成分の割合が少な
いので塗装されたアルキッド系塗料の乾燥性がよくなる
という点から好ましく、
【0052】
【外2】
【0053】が2以下のものがより好ましく、1.5以
下のものがさらに好ましい。
【0054】このようなポリエーテル類の具体例として
は、たとえば数平均分子量が4000以上であり、分子
量分布が狭いか、分子量1,000以下の含量が少ない
ポリオキシプロピレングリコール、該ポリオキシプロピ
レングリコールの片末端、好ましくは両末端がアルキル
エーテル結合、アルキルフェニルエーテル結合、アルケ
ニルエーテル結合、アリルエーテル結合などにより水酸
基が封鎖されているもの、ウレタン結合、エステル結
合、尿素結合、アミド結合、カーボネート結合などの結
合によりアルキル基、アリール基、アルケニル基などの
基で水酸基が封鎖されているものなどがあげられるが、
これらに限定されるものではない。
【0055】前記高粘度可塑剤は、高分子可塑剤のばあ
いとほぼ同様に本発明に用いる硬化性組成物の粘度やス
ランプ性、該硬化性組成物からの硬化物の特性である引
張強度、伸びなどの機械的特性を調整するとともに、低
粘度可塑剤を使用したばあいに比較して該硬化物にアル
キッド系塗料を塗装したばあいの乾燥性を改良するため
の成分である。
【0056】該高粘度可塑剤は25℃での粘度が8P程
度以上、好ましくは20〜300P程度であるかぎり分
子量などにはとくに限定はないが、一般に分子量が増加
するにしたがって粘度も増加するため、通常、高分子可
塑剤の多くは高粘度可塑剤としても使用しうる。
【0057】高分子可塑剤以外の高粘度可塑剤の具体例
としては、たとえばトリアリールジエタン、その異性体
混合物、1−フェニル−1−キシリルエタン、ポリブテ
ン、水添ポリブテン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ
スチレン、塩素化パラフィン、ポリブタジエン(1,2
−、1,4−)、ポリペンタジエンなどがあげられる
が、これらに限定されるものではない。これらのうちで
はトリアリールジエタン、その異性体混合物、ポリブテ
ン、ポリ−α−メチルスチレンなどが好ましい。
【0058】前記高分子可塑剤や高粘度可塑剤は単独で
使用してもよく、2種以上併用してもよい。なお、それ
ら可塑剤はオキシアルキレン系重合体(A)製造時に溶
剤として配合しておいてもよい。
【0059】前記特定の可塑剤の使用量は、オキシアル
キレン系重合体(A)100部(重量部、以下同様)に
対して1〜150部が好ましく、さらに好ましくは10
〜120部、とくに好ましくは20〜100部である。
該量が1部未満になると可塑剤としての効果が充分発現
しなくなり、150部をこえると硬化物の機械的強度が
不足するとともに、アルキッド系塗料の乾燥性が充分で
なくなる傾向にある。
【0060】本発明に用いる硬化性組成物に使用される
空気酸化硬化型化合物は、オキシアルキレン系重合体
(A)と特定の可塑剤とを含む硬化性組成物からの硬化
物では塗装されたアルキッド系塗料の乾燥性が充分でな
いという問題を改善するとともに、表面の耐候性を改善
するための成分である。
【0061】前記空気酸化硬化型化合物の具体例として
は、桐油、あまに油などで代表される乾性油や、該化合
物を変性してえられる各種アルキッド樹脂;乾性油によ
り変性されたアクリル系重合体、エポキシ系樹脂、シリ
コーン樹脂;1,2-ポリブタジエン、1,4−ポリブタジ
エン、C5 〜C8 ジエンの重合体や共重合体などのジエ
ン系重合体、さらには該重合体や共重合体の各種変性物
(マレイン化変性、ボイル油変性など)などがあげられ
るが、これらのうちでは桐油、ジエン系重合体のうちの
液状物(液状ジエン系重合体)やその変性物がとくに好
ましい。
【0062】前記液状ジエン系重合体の具体例として
は、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、1,3−
ペンタジエンなどのジエン系化合物を重合または共重合
させてえられる液状重合体や、これらジエン系化合物と
共重合性を有するアクリロニトリル、スチレンなどの単
量体とをジエン系化合物が主体となるように共重合させ
てえられるNBR、SBRなどの液状重合体や、さらに
はそれらの各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変
性物など)などがあげられる。これらの液状ジエン系重
合体のうちでは液状ポリブタジエンが好ましく、液状−
1,2−ポリブタジエンがさらに好ましい。
【0063】空気酸化硬化型化合物は単独で用いてもよ
く、2種以上併用してもよい。
【0064】空気酸化硬化型化合物の使用量はオキシア
ルキレン系重合体(A)100部に対して0.1〜20
部が好ましく、さらに好ましくは1〜10部である。前
記使用量が0.1部未満になると空気酸化硬化型化合物
を用いる目的であるアルキッド系塗料の乾燥性の改善が
充分でなくなり、20部をこえると硬化物の引張り特性
などが損われる傾向が生ずる。1つの化合物が可塑剤で
あり、かつ空気酸化硬化型化合物であるばあいには、上
記可塑剤の使用量範囲および空気酸化硬化型化合物の使
用量範囲を合わせた使用量範囲になるように用いるのが
好ましい。
【0065】本発明に用いる硬化性組成物の調製方法に
はとくに制限はないが、具体的な方法の1つとして空気
酸化硬化型化合物や特定の可塑剤をオキシアルキレン系
重合体(A)に単に添加する方法があげられる。このば
あい、空気酸化硬化型化合物や特定の可塑剤の性状など
に応じて加熱攪拌条件などを適宜調整し、均一に分散、
溶解させればよい。しかし、完全に均一透明な状態にす
る必要はなく、不透明な状態であっても分散していれば
充分目的は達せられる。また必要に応じて、たとえば界
面活性剤などの分散性改良剤などを併用してもよい。
【0066】本発明に用いる硬化性組成物を調製する他
の方法としては、最終用途に使用する際に空気酸化硬化
型化合物や特定の可塑剤を所定量配合して混合する方法
であり、たとえば2成分型のシーリング剤などとして使
用するようなばあい、オキシアルキレン系重合体(A)
と空気酸化硬化型化合物、特定の可塑剤および要すれば
使用される硬化触媒などとを混合して使用する方法があ
げられる。
【0067】前記硬化触媒としては、たとえば有機スズ
化合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとア
ミンとの反応物、飽和または不飽和の多価カルボン酸ま
たはその酸無水物、有機チタネート化合物などがあげら
れる。
【0068】前記有機スズ化合物の具体例としては、ジ
ブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエー
ト、ジブチルスズフタレート、オクチル酸スズ、ジブチ
ルスズメトキシドなどがあげられる。
【0069】また前記酸性リン酸エステルとは、
【0070】
【化10】
【0071】部分を含むリン酸エステルのことであり、
たとえば
【0072】
【化11】
【0073】(式中、dは1または2、Rは有機残基を
示す)で示される有機酸性リン酸エステルなど、具体的
には
【0074】
【化12】
【0075】
【化13】
【0076】などがあげられる。
【0077】さらに前記有機チタネート化合物として
は、たとえばテトラブチルチタネート、テトライソプロ
ピルチタネート、トリエタノールアミンチタネートなど
のチタン酸エステルがあげられる。
【0078】本発明に用いる硬化性組成物には、必要に
応じて、充填剤、その他の添加剤などを加えて使用して
もよい。
【0079】前記充填剤としては、たとえば重質炭酸カ
ルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、
カオリン、タルク、シリカ、酸化チタン、ケイ酸アルミ
ニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラッ
クなどがあげられる。
【0080】前記その他の添加剤としては、たとえば水
添ヒマシ油、有機ベントナイトなどのタレ防止剤、着色
剤、老化防止剤などがあげられる。
【0081】また本発明に用いる組成物には可塑剤とし
てジオクチルフタレートなどの低分子量、低粘度の可塑
剤を本発明の効果が達成される限り併用して添加しうる
ことはもちろんである。
【0082】このようにしてえられる本発明に用いる組
成物は、接着剤、粘着剤、塗料、塗膜防水剤、密封材組
成物、型取り用材料、注型ゴム材料、発泡材料などとし
て有用に使用することができる。
【0083】たとえば建築用シーリング剤として適用す
るばあい、本発明に用いる重合体(A)100部に炭酸
カルシウム、タルク、カオリンなどの無機充填剤を通常
10〜300部加え、さらに必要に応じて酸化チタン、
カーボンブラックなどの顔料や紫外線吸収剤、ラジカル
連鎖禁止剤などの老化防止剤を適当量加えたのち、ニー
ダーやペイントロールなどで充分均一に混練したものを
施工して空気中の湿気にさらすことによって硬化させ、
良好な耐候性、透明性、引張り伸びを示すゴム弾性体が
えられる。
【0084】塗料として適用したばあいも前記と同様の
条件で硬化し、建築用の高弾性塗料、コンクリート構造
物のプライマー、防水剤などとして優れた特性を示す。
【0085】このようにしてえられる本発明に用いる硬
化性組成物を硬化させてなる硬化物の表面にアルキッド
系塗料塗装することにより、このアルキッド系塗料の
乾燥が速くなる。アルキッド系塗料の塗装は、前記硬化
組成物がほぼ完全に硬化してから塗装するのが硬化物
特性がよくなったものの上に塗装できるため塗装しやす
い、塗膜により必要な水分の供給が妨げられないなどの
点から好ましいが、硬化性組成物の表面が皮はりのごと
き状態になれば塗装しうる。
【0086】前記アルキッド系塗料にはとくに限定はな
く、多塩基酸(無水フタル酸、無水マレイン酸など)と
多価アルコール(グリセリン、ペンタエリスリトール、
エチレングリコール、トリメチロールエタンなど)との
縮合物を脂肪油または脂肪酸(アマニ油、大豆油、ヒマ
シ油、サフラワー油など)で変性したいわゆる油変性ア
ルキッド樹脂や、アルキッド樹脂を各種の樹脂あるいは
ビニル単量体などで変性した変性アルキッド樹脂を塗膜
形成の主要素とする塗料のことであり、車両用、航空機
用、工業用などの塗装に使用されるアルキッド樹脂ワニ
スやアルキッド樹脂エナメル、建築用、鉄橋用、船舶用
などの塗装に使用されるアルキッド樹脂調合ペイント
(合成樹脂調合ペイントともいわれる)、自動車、機
械、電気製品、家具などの下地塗料として使用されるア
ルキッド樹脂下地塗料など、いずれの形態のものでもよ
い。
【0087】前記アルキッド系塗料は、油性塗料と比べ
て乾燥が速く、この塗膜は硬くて光沢があり、付着性、
耐候性、耐油性、抵抗性などほとんどの点で優れてお
り、その物性は変性油の種類、油長、変性の種類などに
より広い範囲で調節ができるため、各種用途に使用され
ている塗料である。
【0088】従来、オキシアルキレン系重合体(A)と
低分子可塑剤や低粘度可塑剤とを併用した硬化物にアル
キッド系塗料を塗装すると、理由はよくわからないがア
ルキッド系塗料の乾燥が著しく遅くなったり、塗料のべ
たつきが残るといった問題があった。従って前記硬化物
にアルキッド系塗料を塗装したいばあいには、前記硬化
物表面をプライマー処理してからアルキッド系塗料を塗
装するか、まずアルキッド系塗料以外の塗料を塗装した
のち塗装するかしないとアルキッド系塗料は実質的に使
用できないとされてきたが、本発明に用いる硬化性組成
物を用いることにより、オキシアルキレン系重合体
(A)系硬化物にも通常の方法により通常のアルキッド
系塗膜を形成することができる。
【0089】次に本発明の方法を実施例に基づき具体的
に説明する。
【0090】合成例1 アリルエーテル基を全末端の97%に導入した平均分子
量約8000のポリオキシプロピレン系重合体800g
を攪拌機付耐圧反応容器に入れ、メチルジメトキシシラ
ン19gを加えた。ついで塩化白金酸触媒溶液(H2
tCl6・6H2Oの8.9gをイソプロピルアルコール
18mlおよびテトラヒドロフラン160mlに溶解さ
せた溶液)0.34mlを加えたのち80℃で6時間反
応させた。
【0091】反応溶液中の残存水素化ケイ素基の量をIR
スペクトル分析法により定量したところ、ほとんど残存
していなかった。またNMR法により反応性ケイ素基の
定量をしたところ、分子末端に
【0092】
【化14】
【0093】基を1分子当り約1.7個有するポリオキ
シプロピレン系重合体がえられた。
【0094】実施例1〜7および比較例1〜8 合成例1でえられた重合体100gに、表1に示す可塑
剤と空気酸化硬化型化合物とを表1に示す量配合したの
ち、炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名CC
R)120g、酸化チタン(石原産業(株)製、商品名
R820)20g、スチレン化フェノール0.5g、ジ
ブチルスズジアセチルアセトナート2gを加え、ロール
を3回通したのち厚さ3mmのシート状物を作製した。
えられたシート状物を23℃、65%RHで1日養生し
たのち、表面に市販のアルキッド塗料、オランダのSi
kkens(社)製のもので商品名Rubbol AZ
をはけ塗りし、23℃、65%RHの雰囲気中に放置し
て塗料の乾燥性をしらべた。結果を表1に示す。
【0095】なお、表1中の可塑剤Aは合成例1で用い
たアリルエーテル末端ポリオキシプロピレン(25℃で
の粘度35P)、可塑剤Bはポリ−α−メチルスチレン
(25℃での粘度35P)、可塑剤Cはポリプロピレン
グリコール(MW5000、25℃での粘度9P)、可
塑剤Dはトリアリールジエタンの異性体混合物(20℃
での粘度50P)、DOPはジ−2−エチルヘキシルフ
タレート(25℃での粘度0.4P)、BBPはブチル
ベンジルフタレート(25℃での粘度0.5P)、液状
1,2−ポリブタジエンは日本曹達(株)製の日曹ポリ
ブタジエンB−1000、液状1,4−ポリブタジエン
は日本ゼオン(株)製のポリオイル130である。
【0096】また、表1中の評価の◎は塗布した塗料が
完全に硬化し、全くべたつかないこと、○は塗布した塗
料が硬化するが、表面に少しべたつきが残ること、△は
塗布した塗料の硬化が不充分で触れると指に塗料がつく
こと、×は塗布した塗料が硬化しないことを表わす。
【0097】
【表1】
【0098】
【発明の効果】本発明に用いる硬化性組成物によれば、
従来アルキッド系塗料が塗装できないとされていたオキ
シアルキレン系重合体(A)系硬化性組成物の硬化物に
もアルキッド系塗料を塗装することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/56 C08K 5/56 C08L 101/00 C08L 101/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基また
    は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成すること
    により架橋しうるケイ素含有基を少なくとも1個有する
    オキシアルキレン系重合体、 (B)高分子可塑剤および(または)高粘度可塑剤なら
    びに (C)空気酸化硬化型化合物 を含有してなる硬化性組成物の硬化物の表面にアルキッ
    ド系塗料を塗装する方法
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