JP2819846B2 - モータの速度制御装置 - Google Patents
モータの速度制御装置Info
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- JP2819846B2 JP2819846B2 JP3050991A JP5099191A JP2819846B2 JP 2819846 B2 JP2819846 B2 JP 2819846B2 JP 3050991 A JP3050991 A JP 3050991A JP 5099191 A JP5099191 A JP 5099191A JP 2819846 B2 JP2819846 B2 JP 2819846B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータの速度制御装置
に関するものである。
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】モータの回転速度を速度検出器により検
出して、その検出信号によってモータへの供給電力を制
御するモータの速度制御装置は、ビデオテープレコーダ
ーのキャプスタンモータ等に広く利用されている。しか
しながら、このような速度制御装置では、比例・積分・
微分制御を行っているだけであり、負荷トルク変動によ
る回転速度の変動を十分に抑制することができなかっ
た。
出して、その検出信号によってモータへの供給電力を制
御するモータの速度制御装置は、ビデオテープレコーダ
ーのキャプスタンモータ等に広く利用されている。しか
しながら、このような速度制御装置では、比例・積分・
微分制御を行っているだけであり、負荷トルク変動によ
る回転速度の変動を十分に抑制することができなかっ
た。
【0003】このような問題を解決するために、特願昭
60-229143号および特願昭60-229144号に負荷トルク変動
に対して非常に強くした高性能なモータの速度制御装置
が提案されている。さらに特開昭62-210881号公報に
は、速度検出手段の1検出周期内に必要とされる演算量
をかなり少なくしたモータの速度制御装置が提案されて
いる。すなわち特開昭62-210881号公報に記載されたモ
ータの速度制御装置は、モータの回転速度に応じた周期
の交流信号を生じる回転センサと、回転センサの交流信
号によりモータの1回転当たり複数回の検出を行う速度
検出手段と、速度検出手段の検出信号に基づき制御信号
を作り出す補償手段と、前記補償手段の制御信号に応じ
て記モータを駆動する駆動手段によって速度制御系を構
成している。さらに補償手段は、速度検出手段の検出信
号に応動した回転誤差を得る回転誤差検出手段と、4個
以上のメモリ値を格納するメモリ手段と、メモリ手段に
格納されている少なくとも1個のメモリ値を使ってメモ
リ出力値を作り出すメモリ出力値作成手段と、回転誤差
検出手段の複数個の回転誤差を合成した合成誤差を作り
出す合成誤差作成手段と、メモリ出力値作成手段のメモ
リ出力値と合成誤差作成手段の合成誤差を演算合成した
値に対応した更新値によってメモリ手段のメモリ値を実
質的に順番に更新保存する更新保存手段と、メモリ出力
値作成手段のメモリ出力値と回転誤差検出手段の回転誤
差を演算合成して制御信号を作り出す制御信号作成手段
とを有し、また速度検出手段が新しい検出信号を作る毎
に制御信号作成手段は新しい制御信号を作り出し、速度
検出手段が新しい検出信号をQ個(Qは2以上の整数)
得る毎に更新保存手段は実質的に1個のメモリ値を更新
し、かつ、少なくともメモリ出力値作成手段の動作と更
新保存手段の動作は速度検出手段の検出信号のタイミン
グに関して実質的に異なっていることを特徴とする構成
で、高性能なモータの速度制御装置を実現している。
60-229143号および特願昭60-229144号に負荷トルク変動
に対して非常に強くした高性能なモータの速度制御装置
が提案されている。さらに特開昭62-210881号公報に
は、速度検出手段の1検出周期内に必要とされる演算量
をかなり少なくしたモータの速度制御装置が提案されて
いる。すなわち特開昭62-210881号公報に記載されたモ
ータの速度制御装置は、モータの回転速度に応じた周期
の交流信号を生じる回転センサと、回転センサの交流信
号によりモータの1回転当たり複数回の検出を行う速度
検出手段と、速度検出手段の検出信号に基づき制御信号
を作り出す補償手段と、前記補償手段の制御信号に応じ
て記モータを駆動する駆動手段によって速度制御系を構
成している。さらに補償手段は、速度検出手段の検出信
号に応動した回転誤差を得る回転誤差検出手段と、4個
以上のメモリ値を格納するメモリ手段と、メモリ手段に
格納されている少なくとも1個のメモリ値を使ってメモ
リ出力値を作り出すメモリ出力値作成手段と、回転誤差
検出手段の複数個の回転誤差を合成した合成誤差を作り
出す合成誤差作成手段と、メモリ出力値作成手段のメモ
リ出力値と合成誤差作成手段の合成誤差を演算合成した
値に対応した更新値によってメモリ手段のメモリ値を実
質的に順番に更新保存する更新保存手段と、メモリ出力
値作成手段のメモリ出力値と回転誤差検出手段の回転誤
差を演算合成して制御信号を作り出す制御信号作成手段
とを有し、また速度検出手段が新しい検出信号を作る毎
に制御信号作成手段は新しい制御信号を作り出し、速度
検出手段が新しい検出信号をQ個(Qは2以上の整数)
得る毎に更新保存手段は実質的に1個のメモリ値を更新
し、かつ、少なくともメモリ出力値作成手段の動作と更
新保存手段の動作は速度検出手段の検出信号のタイミン
グに関して実質的に異なっていることを特徴とする構成
で、高性能なモータの速度制御装置を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開昭62-210881号公報に記載のものでは、合成誤差
作成手段の動作に多くの乗算演算を含み、速度検出器の
検出周期内に所定の演算を終わらせるためには、高価な
高速の乗算器などを使って高速演算をする必要があり、
補償手段を実現するハードウェアの構成や動作速度に関
してかなりの制約があった。
た特開昭62-210881号公報に記載のものでは、合成誤差
作成手段の動作に多くの乗算演算を含み、速度検出器の
検出周期内に所定の演算を終わらせるためには、高価な
高速の乗算器などを使って高速演算をする必要があり、
補償手段を実現するハードウェアの構成や動作速度に関
してかなりの制約があった。
【0005】本発明は、このような点に鑑み、演算時間
を短縮できるモータの速度制御装置を提供することを目
的としたものである。
を短縮できるモータの速度制御装置を提供することを目
的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、モータの回転速度に応じた周期の交流信号
を生じる回転センサ手段と、前記回転センサの交流信号
により前記モータの1回転当たり複数回の検出を行う速
度検出手段と、前記速度検出手段の検出信号に基づき制
御信号を作り出す補償手段と、前記補償手段の制御信号
に応じて前記モータを駆動する駆動手段とを具備し、前
記補償手段は、前記速度検出手段の検出デジタル信号に
応動したデジタル回転誤差を得るデジタル回転誤差検出
手段と、4個以上のデジタルメモリ値を格納するデジタ
ルメモリ手段と、前記デジタルメモリ手段に格納されて
いる少なくとも1個のデジタルメモリ値を使ってデジタ
ルメモリ出力値を作り出すデジタルメモリ出力値作成手
段と、前記デジタル回転誤差検出手段のデジタル回転誤
差よりデジタル演算誤差を得るフィルタ手段と、前記速
度検出手段のQ回(ここに、Qは2以上の整数)の検出
動作ごとに前記フィルタ手段のデジタル演算誤差と前記
デジタルメモリ出力値作成手段のデジタルメモリ出力値
を演算合成した値に対応した更新値によって前記デジタ
ルメモリ手段のデジタルメモリ値を実質的に順番に更新
保存する更新保存手段と、前記デジタルメモリ出力値作
成手段のデジタルメモリ出力値と前記回転誤差検出手段
のデジタル回転誤差に応動する前記制御信号を作り出す
制御信号作成手段とを有し、前記フィルタ手段の伝達関
数が、
に本発明は、モータの回転速度に応じた周期の交流信号
を生じる回転センサ手段と、前記回転センサの交流信号
により前記モータの1回転当たり複数回の検出を行う速
度検出手段と、前記速度検出手段の検出信号に基づき制
御信号を作り出す補償手段と、前記補償手段の制御信号
に応じて前記モータを駆動する駆動手段とを具備し、前
記補償手段は、前記速度検出手段の検出デジタル信号に
応動したデジタル回転誤差を得るデジタル回転誤差検出
手段と、4個以上のデジタルメモリ値を格納するデジタ
ルメモリ手段と、前記デジタルメモリ手段に格納されて
いる少なくとも1個のデジタルメモリ値を使ってデジタ
ルメモリ出力値を作り出すデジタルメモリ出力値作成手
段と、前記デジタル回転誤差検出手段のデジタル回転誤
差よりデジタル演算誤差を得るフィルタ手段と、前記速
度検出手段のQ回(ここに、Qは2以上の整数)の検出
動作ごとに前記フィルタ手段のデジタル演算誤差と前記
デジタルメモリ出力値作成手段のデジタルメモリ出力値
を演算合成した値に対応した更新値によって前記デジタ
ルメモリ手段のデジタルメモリ値を実質的に順番に更新
保存する更新保存手段と、前記デジタルメモリ出力値作
成手段のデジタルメモリ出力値と前記回転誤差検出手段
のデジタル回転誤差に応動する前記制御信号を作り出す
制御信号作成手段とを有し、前記フィルタ手段の伝達関
数が、
【0007】
【数3】
【0008】または
【0009】
【数4】
【0010】で表される伝達関数Ha(z-1)で割り切れる
よう構成することにより、上記の課題を解決したもので
ある。ここで、フィルタ手段の伝達関数が伝達関数Ha(z
-1)で割り切れるとはフィルタ手段の伝達関数がその因
子にHa(z-1)を含むことと等価である。
よう構成することにより、上記の課題を解決したもので
ある。ここで、フィルタ手段の伝達関数が伝達関数Ha(z
-1)で割り切れるとはフィルタ手段の伝達関数がその因
子にHa(z-1)を含むことと等価である。
【0011】
【作用】本発明は、上記構成にすることによって、フィ
ルタ手段(従来の構成では演算合成手段)の演算を短時
間で行うことができる。すなわち、補償手段の演算時間
を短縮した、負荷トルクの特定の周波数の変動の影響を
大幅に低減させることができる高性能なモータの速度制
御装置を構成することができる。
ルタ手段(従来の構成では演算合成手段)の演算を短時
間で行うことができる。すなわち、補償手段の演算時間
を短縮した、負荷トルクの特定の周波数の変動の影響を
大幅に低減させることができる高性能なモータの速度制
御装置を構成することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例のモータの速度制御
装置について、ビデオテープレコーダのキャプスタンモ
ータを例にとり、図面を参照しながら説明する。(図
2)に本発明の一実施例を表す構成図を示す。(図2)
において直流モータ11は回転センサ12と負荷19を
直接回転駆動する。回転センサ12はモータ11の回転
にともなって1回転当たりZq回(Zqは2以上の整数であ
り、ここではZq=700)の交流信号aを発生する。回転セ
ンサ12の交流信号aは速度検出器13に入力され、交
流信号aの周期に応じたディジタル信号bを得ている。
装置について、ビデオテープレコーダのキャプスタンモ
ータを例にとり、図面を参照しながら説明する。(図
2)に本発明の一実施例を表す構成図を示す。(図2)
において直流モータ11は回転センサ12と負荷19を
直接回転駆動する。回転センサ12はモータ11の回転
にともなって1回転当たりZq回(Zqは2以上の整数であ
り、ここではZq=700)の交流信号aを発生する。回転セ
ンサ12の交流信号aは速度検出器13に入力され、交
流信号aの周期に応じたディジタル信号bを得ている。
【0013】速度検出器13の具体的な構成例を(図
3)に示す。交流信号aは波形整形回路21によって波
形整形され、整形信号gを得ている。整形信号gはアン
ド回路23とフリップフロップ回路25に入力されてい
る。アンド回路23の入力側には、さらに、発振回路2
2のクロックパルスpとカウンタ回路24のオーバーフ
ロー出力信号wも入力されている。発振回路22は水晶
発振器と分周器等によって構成され、整形信号gの周波
数よりもかなり高周波のクロックパルスp(500kHz程
度)を発生している。カウンタ回路24はアンド回路2
3の出力パルスhの到来毎にその内容をカウントアップ
する12ビットのアップカウンタになっている。また、
オーバーフロー出力信号wはカウンタ回路24のカウン
ト内容が所定値以下のときには“H”であり、カウンタ
回路24のカウント内容が所定値以上になるとwは
“L”に変化する(ここに“H”は高電位状態を表し、
“L”は低電位状態を表している)。データ入力型フリ
ップフロップ回路25は、整形信号gの立ち下がりエッ
ジをトリガ信号としてデータ入力端子に入力された
“H”を取り込み、その出力信号qを“H”にする(q
=“H”)。また、補償器14からのリセット信号rが
“H”になると、カウンタ回路24とフリップフロップ
回路25の内部状態がリセットされる(b=“LLLL
LLLLLLLL”、w=“H”、q=“L”)。
3)に示す。交流信号aは波形整形回路21によって波
形整形され、整形信号gを得ている。整形信号gはアン
ド回路23とフリップフロップ回路25に入力されてい
る。アンド回路23の入力側には、さらに、発振回路2
2のクロックパルスpとカウンタ回路24のオーバーフ
ロー出力信号wも入力されている。発振回路22は水晶
発振器と分周器等によって構成され、整形信号gの周波
数よりもかなり高周波のクロックパルスp(500kHz程
度)を発生している。カウンタ回路24はアンド回路2
3の出力パルスhの到来毎にその内容をカウントアップ
する12ビットのアップカウンタになっている。また、
オーバーフロー出力信号wはカウンタ回路24のカウン
ト内容が所定値以下のときには“H”であり、カウンタ
回路24のカウント内容が所定値以上になるとwは
“L”に変化する(ここに“H”は高電位状態を表し、
“L”は低電位状態を表している)。データ入力型フリ
ップフロップ回路25は、整形信号gの立ち下がりエッ
ジをトリガ信号としてデータ入力端子に入力された
“H”を取り込み、その出力信号qを“H”にする(q
=“H”)。また、補償器14からのリセット信号rが
“H”になると、カウンタ回路24とフリップフロップ
回路25の内部状態がリセットされる(b=“LLLL
LLLLLLLL”、w=“H”、q=“L”)。
【0014】次に、(図3)に示した速度検出器13の
動作について説明する。いま、カウンタ回路24とフリ
ップフロップ回路25がリセット信号rによってリセッ
トされているものとする。回転センサ12からの交流信
号aが“L”から“H”に変わると、波形整形回路21
の整形信号gが“L”から“H”に変わり、アンド回路
23の出力信号hとして発振回路22のクロックパルス
pが出力される。カウンタ回路24は出力信号hをカウ
ントし、その内部状態を変化させていく。交流信号aが
“H”から“L”に変わると、波形整形回路21の整形
信号gが“H”から“L”に変わり、アンド回路23の
出力信号hは“L”になり、カウンタ回路24はその内
部状態を保持する。また、フリップフロップ回路25は
整形信号gの立ち下がりエッジによってデータ“H”を
取り込み、その出力信号qを“L”から“H”に変化さ
せる。カウンタ回路24から出力されるディジタル信号
bは、回転センサ12の交流信号aの(半)周期長に比
例した値であり、モータ11の回転速度に反比例してい
る。後述の補償器14はフリップフロップ回路25の出
力信号qを見て、qが“H”になるとカウンタ回路24
のディジタル信号bを入力し、その後にリセット信号r
を所定の短時間の間“H”にして、カウンタ回路24と
フリップフロップ回路25を初期状態にリセットし、次
の速度検出動作に備えている。なお、モータ11の回転
速度が遅すぎるときには、回転センサ12の交流信号a
の周期が長いために、カウンタ回路24の内部状態が所
定値以上になり、オーバーフロー出力信号wが“H”か
ら“L”に変わり、アンド回路23の出力信号hが
“L”になり、カウンタ回路24が所定の大きな値を保
持することもある。
動作について説明する。いま、カウンタ回路24とフリ
ップフロップ回路25がリセット信号rによってリセッ
トされているものとする。回転センサ12からの交流信
号aが“L”から“H”に変わると、波形整形回路21
の整形信号gが“L”から“H”に変わり、アンド回路
23の出力信号hとして発振回路22のクロックパルス
pが出力される。カウンタ回路24は出力信号hをカウ
ントし、その内部状態を変化させていく。交流信号aが
“H”から“L”に変わると、波形整形回路21の整形
信号gが“H”から“L”に変わり、アンド回路23の
出力信号hは“L”になり、カウンタ回路24はその内
部状態を保持する。また、フリップフロップ回路25は
整形信号gの立ち下がりエッジによってデータ“H”を
取り込み、その出力信号qを“L”から“H”に変化さ
せる。カウンタ回路24から出力されるディジタル信号
bは、回転センサ12の交流信号aの(半)周期長に比
例した値であり、モータ11の回転速度に反比例してい
る。後述の補償器14はフリップフロップ回路25の出
力信号qを見て、qが“H”になるとカウンタ回路24
のディジタル信号bを入力し、その後にリセット信号r
を所定の短時間の間“H”にして、カウンタ回路24と
フリップフロップ回路25を初期状態にリセットし、次
の速度検出動作に備えている。なお、モータ11の回転
速度が遅すぎるときには、回転センサ12の交流信号a
の周期が長いために、カウンタ回路24の内部状態が所
定値以上になり、オーバーフロー出力信号wが“H”か
ら“L”に変わり、アンド回路23の出力信号hが
“L”になり、カウンタ回路24が所定の大きな値を保
持することもある。
【0015】(図2)に示す補償器14は、同図に示す
ように演算器15とメモリ16とD/A変換器17によ
って構成され、速度検出器13からのディジタル信号b
を後述する内蔵のプログラムによって計算加工し、制御
信号cを出力する。補償器14の制御信号cは電力増幅
器18(駆動手段)に入力され、電力増幅された駆動信
号Ec(制御信号cに比例した電流)がモータ11に供給
される。従って、モータ11と回転センサ12と速度検
出器13と補償器14と電力増幅器18(駆動手段)に
よって速度制御系が構成され、モータ11の回転速度が
所定の値に制御される。
ように演算器15とメモリ16とD/A変換器17によ
って構成され、速度検出器13からのディジタル信号b
を後述する内蔵のプログラムによって計算加工し、制御
信号cを出力する。補償器14の制御信号cは電力増幅
器18(駆動手段)に入力され、電力増幅された駆動信
号Ec(制御信号cに比例した電流)がモータ11に供給
される。従って、モータ11と回転センサ12と速度検
出器13と補償器14と電力増幅器18(駆動手段)に
よって速度制御系が構成され、モータ11の回転速度が
所定の値に制御される。
【0016】補償器14を構成しているメモリ16は所
定のプログラムと定数が格納されたROM領域(RO
M:リードオンリーメモリ)と随時必要なときに値を格
納するRAM領域(RAM:ランダムアクセスメモリ)
に分かれている。演算器15はROM領域内のプログラ
ムに従って所定の動作や演算を行っている。(図1)に
プログラムの一例を示す。次にその動作について説明す
る。 [1]<デジタル回転誤差検出手段>まず、演算器15
は速度検出器13のフリップフロップ回路25の出力信
号qを入力し、信号qが“H”となるのを待っている。
すなわち、速度検出器13が交流信号aの(半)周期を
検出し、新しいディジタル信号bを出力するのをモニタ
している。qが“H”になると、速度検出器13のディ
ジタル信号bを読み込んで、ディジタル信号bに対応す
る速度検出値S(ディジタル値)に直すとともに、リセ
ット信号rを所定時間“H”にして速度検出器13のカ
ウンタのカウンタ24とフリップフロップ25をリセッ
トする。所定の基準値Sref(ディジタル値)から速度
検出値Sを引いて、その値をR倍(ここに、Rは所定の
正の定数)し、モータ11の現時点でのデジタル回転誤
差Eを計算する(E=R・(Sref-S)) 。[2]<制御信号作成手段>後述するデジタルメモリ
出力値作成手段によるデジタルメモリ出力値V0と現時点
のデジタル回転誤差Eを所定の比率D:1(ここに、D
は0<D≦1なる定数で、好ましくはD=1)にて演算
合成し、制御信号Yを計算する。(Y=E+D・V0)。
制御信号値YをD/A変換器17に出力し、Yの値に対
応した直流的な電圧(制御信号)に変換する。 [3]<第1のカウント手段>Q(一般に、Qは2以上
の整数で、ここではQを3以上の整数として説明する)
をmod(法)として、新しい速度検出値Sを得るごとに
第1のカウント変数I1をカウントアップしていく。すな
わち、I1=I1+1(I1+1を新しくI1にする)にした後
に、I1=QならばI1を0にリセットする。このような演
算をするならば、I1は0からQ−1の間の整数になる。
なお、I1の初期値は0とする。 [4]<フィルタ手段>デジタル回転誤差Eにフィルタ
演算を行い、デジタル演算誤差Egを得る。ここでフィル
タの伝達関数H(z-1)は、
定のプログラムと定数が格納されたROM領域(RO
M:リードオンリーメモリ)と随時必要なときに値を格
納するRAM領域(RAM:ランダムアクセスメモリ)
に分かれている。演算器15はROM領域内のプログラ
ムに従って所定の動作や演算を行っている。(図1)に
プログラムの一例を示す。次にその動作について説明す
る。 [1]<デジタル回転誤差検出手段>まず、演算器15
は速度検出器13のフリップフロップ回路25の出力信
号qを入力し、信号qが“H”となるのを待っている。
すなわち、速度検出器13が交流信号aの(半)周期を
検出し、新しいディジタル信号bを出力するのをモニタ
している。qが“H”になると、速度検出器13のディ
ジタル信号bを読み込んで、ディジタル信号bに対応す
る速度検出値S(ディジタル値)に直すとともに、リセ
ット信号rを所定時間“H”にして速度検出器13のカ
ウンタのカウンタ24とフリップフロップ25をリセッ
トする。所定の基準値Sref(ディジタル値)から速度
検出値Sを引いて、その値をR倍(ここに、Rは所定の
正の定数)し、モータ11の現時点でのデジタル回転誤
差Eを計算する(E=R・(Sref-S)) 。[2]<制御信号作成手段>後述するデジタルメモリ
出力値作成手段によるデジタルメモリ出力値V0と現時点
のデジタル回転誤差Eを所定の比率D:1(ここに、D
は0<D≦1なる定数で、好ましくはD=1)にて演算
合成し、制御信号Yを計算する。(Y=E+D・V0)。
制御信号値YをD/A変換器17に出力し、Yの値に対
応した直流的な電圧(制御信号)に変換する。 [3]<第1のカウント手段>Q(一般に、Qは2以上
の整数で、ここではQを3以上の整数として説明する)
をmod(法)として、新しい速度検出値Sを得るごとに
第1のカウント変数I1をカウントアップしていく。すな
わち、I1=I1+1(I1+1を新しくI1にする)にした後
に、I1=QならばI1を0にリセットする。このような演
算をするならば、I1は0からQ−1の間の整数になる。
なお、I1の初期値は0とする。 [4]<フィルタ手段>デジタル回転誤差Eにフィルタ
演算を行い、デジタル演算誤差Egを得る。ここでフィル
タの伝達関数H(z-1)は、
【0017】
【数5】
【0018】で表されるものである。なお、このフィル
タの伝達関数は、(数3)で表される伝達関数Ha(z-1)
で割り切れるものである((数3)で表される伝達関数
Ha(z-1)をその因子に含んでいる)。このフィルタの周
波数特性の一例を(図4)に示す。
タの伝達関数は、(数3)で表される伝達関数Ha(z-1)
で割り切れるものである((数3)で表される伝達関数
Ha(z-1)をその因子に含んでいる)。このフィルタの周
波数特性の一例を(図4)に示す。
【0019】次に、このフィルタ手段の動作について説
明する。まず、P(Pは2以上の整数)をmod(法)と
して、新しい速度検出値Sを得るごとに第3のカウント
変数I3をカウントアップしていく。すなわち、I3=I3+1
(I3+1を新しくI3にする)にしたあとに、I3=Pならば
I3を0にリセットする。なお、I3の初期値は0とする。
その後、前回の処理までに格納されている第3のカウン
ト変数I3に対応したメモリ値F[I3]をフィルタ計算用メ
モリtemp1に格納する(temp1=F[I3])。そして、現在
のデジタル回転誤差EをF[I3]に格納する(F[I3]=
E)。さらに、フィルタ計算用メモリtemp2に現在のデ
ジタル回転誤差Eからtemp1(ここで、temp1には現在か
らP時間だけ遅れたデジタル回転誤差が格納されてい
る)を減算する(temp2=E−temp1)。そして、temp2
をデジタル的に積分し(Eg=Eg+temp2(Eg+temp2を新
しくEgにする)、Egの初期値は0)、さらにゲイン補正
計算を行い(Eg=G1・Eg(G1・Egを新しくEgにする。こ
こで、G1は定数))、デジタル演算誤差Egを得る。
明する。まず、P(Pは2以上の整数)をmod(法)と
して、新しい速度検出値Sを得るごとに第3のカウント
変数I3をカウントアップしていく。すなわち、I3=I3+1
(I3+1を新しくI3にする)にしたあとに、I3=Pならば
I3を0にリセットする。なお、I3の初期値は0とする。
その後、前回の処理までに格納されている第3のカウン
ト変数I3に対応したメモリ値F[I3]をフィルタ計算用メ
モリtemp1に格納する(temp1=F[I3])。そして、現在
のデジタル回転誤差EをF[I3]に格納する(F[I3]=
E)。さらに、フィルタ計算用メモリtemp2に現在のデ
ジタル回転誤差Eからtemp1(ここで、temp1には現在か
らP時間だけ遅れたデジタル回転誤差が格納されてい
る)を減算する(temp2=E−temp1)。そして、temp2
をデジタル的に積分し(Eg=Eg+temp2(Eg+temp2を新
しくEgにする)、Egの初期値は0)、さらにゲイン補正
計算を行い(Eg=G1・Eg(G1・Egを新しくEgにする。こ
こで、G1は定数))、デジタル演算誤差Egを得る。
【0020】以上のような演算により、伝達関数H(z-1)
が(数5)で表されるようなフィルタを実現することが
でき、デジタル回転誤差Eの高周波数成分を減衰したデ
ジタル演算誤差Egを得ることができる。本実施例におい
てデジタル演算誤差Egは、フィルタ通過後は、更新保存
手段の演算、デジタルメモリ出力値作成手段の演算が行
われるが、これらの演算は後述するように、デジタル演
算誤差Egを分周比Qでサンプリングして処理を行ってい
る。ここで示すフィルタは、サンプリングによる、低域
から高域への折り返し、エリアジングを防止し、制御系
の安定性を確保する働きがある。
が(数5)で表されるようなフィルタを実現することが
でき、デジタル回転誤差Eの高周波数成分を減衰したデ
ジタル演算誤差Egを得ることができる。本実施例におい
てデジタル演算誤差Egは、フィルタ通過後は、更新保存
手段の演算、デジタルメモリ出力値作成手段の演算が行
われるが、これらの演算は後述するように、デジタル演
算誤差Egを分周比Qでサンプリングして処理を行ってい
る。ここで示すフィルタは、サンプリングによる、低域
から高域への折り返し、エリアジングを防止し、制御系
の安定性を確保する働きがある。
【0021】(図4)に示すフィルタの周波数特性にお
いて、最も大きな減衰量を得ているのは、速度検出器1
3の検出周波数の1/Pの周波数とその整数倍の周波数
である。ここで、フィルタの定数Pと定数Qの整数倍を
等しくすると、速度検出器13の検出周波数の1/Qの
周波数(フィルタ手段の後の演算におけるサンプリング
周波数)で最も大きな減衰量が得られる(1/Qの整数
倍の周波数でも、最も大きな減衰量が得られる)。よっ
て、高周波数帯域の負荷変動がエリアジングによって低
周波数帯域の制御性能へ悪影響を及ぼすことを防止する
効果は、PがQの整数倍と等しいときに最も大きい。モ
ータの速度制御装置においては、特に低周波数の負荷変
動に対する制御性能が重要視されるので、PとQの整数
倍を等しくすることによる効果は、非常に大きい。
いて、最も大きな減衰量を得ているのは、速度検出器1
3の検出周波数の1/Pの周波数とその整数倍の周波数
である。ここで、フィルタの定数Pと定数Qの整数倍を
等しくすると、速度検出器13の検出周波数の1/Qの
周波数(フィルタ手段の後の演算におけるサンプリング
周波数)で最も大きな減衰量が得られる(1/Qの整数
倍の周波数でも、最も大きな減衰量が得られる)。よっ
て、高周波数帯域の負荷変動がエリアジングによって低
周波数帯域の制御性能へ悪影響を及ぼすことを防止する
効果は、PがQの整数倍と等しいときに最も大きい。モ
ータの速度制御装置においては、特に低周波数の負荷変
動に対する制御性能が重要視されるので、PとQの整数
倍を等しくすることによる効果は、非常に大きい。
【0022】また、P=Qとするならば、第3のカウン
ト変数I3は0からQ−1の間の整数となるので、第1の
カウント変数I1で置き換えることができる。
ト変数I3は0からQ−1の間の整数となるので、第1の
カウント変数I1で置き換えることができる。
【0023】ここで、カウント変数I1が0ならば後述す
る[5],[6]の動作を実行し、I1が1ならば[7]
の動作を実行しI1が0,1でないならば[1]の動作に
復帰する。 [5]<第2のカウント手段>Nx・L(一般にNxは整
数、Lは4以上の整数。ここではNxが1以上の整数、L
が(Zq/Q)の2以上の整数倍の整数)をmod(法)と
して、第1のカウント変数I1が0になるごとに(新しい
速度検出値SをQ個得るごとに)第2のカウント変数I2
をカウントアップしていく。すなわち、I2=I2+1にし
た後にI2=Nx・LならばI2を0にリセットする。このよ
うな演算をするならば、I2は0から(Nx・L−1)の間
の整数になる。なお、I2の初期値はNx・Lとする。 [6]<デジタルメモリ出力値作成手段>整数JはI2に
等しく(J=I2)、RAM領域内のL間隔ずつ離れたNx
個のデジタルメモリ値群M[J−nL(mod NxL)]
(n=1,…,Nx)を使って、
る[5],[6]の動作を実行し、I1が1ならば[7]
の動作を実行しI1が0,1でないならば[1]の動作に
復帰する。 [5]<第2のカウント手段>Nx・L(一般にNxは整
数、Lは4以上の整数。ここではNxが1以上の整数、L
が(Zq/Q)の2以上の整数倍の整数)をmod(法)と
して、第1のカウント変数I1が0になるごとに(新しい
速度検出値SをQ個得るごとに)第2のカウント変数I2
をカウントアップしていく。すなわち、I2=I2+1にし
た後にI2=Nx・LならばI2を0にリセットする。このよ
うな演算をするならば、I2は0から(Nx・L−1)の間
の整数になる。なお、I2の初期値はNx・Lとする。 [6]<デジタルメモリ出力値作成手段>整数JはI2に
等しく(J=I2)、RAM領域内のL間隔ずつ離れたNx
個のデジタルメモリ値群M[J−nL(mod NxL)]
(n=1,…,Nx)を使って、
【0024】
【数6】
【0025】によりデジタルメモリ出力値V0を作成す
る。ここに、比率Wnの値は、0<Wn<2/Nxであり、さ
らに、
る。ここに、比率Wnの値は、0<Wn<2/Nxであり、さ
らに、
【0026】
【数7】
【0027】の如く規格化している。その後、[1]の
動作に復帰する。 [7]<更新保存手段>デジタルメモリ出力値作成手段
によるデジタルメモリ出力値V0とデジタル演算誤差Egを
1:1の比率で演算合成して更新値を計算し、第2のカ
ウント変数I2に対応したRAM領域内のメモリ値M[I
2]を更新し(M[I2]=Eg+V0)、次の更新時まで格
納保存する。その後に、[1]の動作に復帰する。
動作に復帰する。 [7]<更新保存手段>デジタルメモリ出力値作成手段
によるデジタルメモリ出力値V0とデジタル演算誤差Egを
1:1の比率で演算合成して更新値を計算し、第2のカ
ウント変数I2に対応したRAM領域内のメモリ値M[I
2]を更新し(M[I2]=Eg+V0)、次の更新時まで格
納保存する。その後に、[1]の動作に復帰する。
【0028】このように構成するならば、(図2)の負
荷19の生じる負荷トルク変動の特定周波数成分に対し
て極めて強くなることは、従来例で述べた先願と同様で
ある。さらに、本実施例では、先願に比べて、補償器1
5の演算を大幅に短縮することができる。以下これにつ
いて説明する。
荷19の生じる負荷トルク変動の特定周波数成分に対し
て極めて強くなることは、従来例で述べた先願と同様で
ある。さらに、本実施例では、先願に比べて、補償器1
5の演算を大幅に短縮することができる。以下これにつ
いて説明する。
【0029】(図1)において、フィルタ手段の動作を
みると、この演算には乗算演算が一つしか含まれていな
いことが分かる。通常、マイコンによる乗算演算には、
加算,減算等と比べて非常に多くの時間を必要とし、ま
た短時間で乗算演算を行うことができるマイコンは非常
に高価であり、制約を受けることになる。このフィルタ
手段の動作は、新しい速度検出値Sを得る周期内で行わ
なければならないので、短時間で動作を終える必要があ
るが、乗算演算を多く含んでいた先願の合成誤差作成手
段では、実現するためのマイコンに多くの制約があっ
た。
みると、この演算には乗算演算が一つしか含まれていな
いことが分かる。通常、マイコンによる乗算演算には、
加算,減算等と比べて非常に多くの時間を必要とし、ま
た短時間で乗算演算を行うことができるマイコンは非常
に高価であり、制約を受けることになる。このフィルタ
手段の動作は、新しい速度検出値Sを得る周期内で行わ
なければならないので、短時間で動作を終える必要があ
るが、乗算演算を多く含んでいた先願の合成誤差作成手
段では、実現するためのマイコンに多くの制約があっ
た。
【0030】しかし、本実施例に示すフィルタ手段で
は、加算,減算演算のみで実現できる項を含み、ゲイン
補正に乗算演算を1回行うだけでフィルタを実現できる
ので、補償器の演算時間を大幅に短縮することができ
る。そして、補償器を実現するためのマイコンに対する
制約を少なくすることができる。補償器の演算時間が短
縮されると、多くの演算時間余裕が得られることにな
り、速度検出器13で検出する検出周期を短くしても、
モータ制御が可能となる。速度検出器13の検出周期が
短くなると、負荷トルク変動のより高い周波数成分に対
してモータの制御性能が改善され、また低い周波数成分
についてもモータの制御性能は大きく改善される。
は、加算,減算演算のみで実現できる項を含み、ゲイン
補正に乗算演算を1回行うだけでフィルタを実現できる
ので、補償器の演算時間を大幅に短縮することができ
る。そして、補償器を実現するためのマイコンに対する
制約を少なくすることができる。補償器の演算時間が短
縮されると、多くの演算時間余裕が得られることにな
り、速度検出器13で検出する検出周期を短くしても、
モータ制御が可能となる。速度検出器13の検出周期が
短くなると、負荷トルク変動のより高い周波数成分に対
してモータの制御性能が改善され、また低い周波数成分
についてもモータの制御性能は大きく改善される。
【0031】このように、演算時間を短縮できること
は、モータの制御性能にとって非常に大きな利点とな
る。そして、モータの制御性能改善により、負荷トルク
変動によるモータの回転変動を低く抑えることができ
る。
は、モータの制御性能にとって非常に大きな利点とな
る。そして、モータの制御性能改善により、負荷トルク
変動によるモータの回転変動を低く抑えることができ
る。
【0032】また、補償器を実現するためのマイコンに
対する制約が少なくできることから、経済的に高性能な
モータの速度制御装置を構成することができる。
対する制約が少なくできることから、経済的に高性能な
モータの速度制御装置を構成することができる。
【0033】(図5)にフィルタ手段の伝達関数H(z-1)
を以下に示す(数8)で表されるものにした場合の補償
器14のプログラム例を示す。
を以下に示す(数8)で表されるものにした場合の補償
器14のプログラム例を示す。
【0034】
【数8】
【0035】なお、このフィルタの伝達関数は、(数
4)で表される伝達関数Ha(z-1)で割り切れるものであ
る((数4)で表される伝達関数Ha(z-1)をその因子に
含んでいる)。またフィルタの周波数特性の一例を(図
6)に示す。ここでは、フィルタの定数Pと定数kfは異
なり、PとQは等しく、kf>Qの場合に、速度検出器の
1検出周期内に行う演算量を極力減らしたプログラム例
を示す。次に、その動作について詳細に説明する。な
お、全体の構成は(図2)と同様であり、その詳細な説
明は省略する。 [31]<デジタル回転誤差検出手段>まず、演算器1
5は速度検出器13のフリップフロップ回路25の出力
信号qを入力し、信号qが“H”となるのを待ってい
る。すなわち、速度検出器13が交流信号aの(半)周
期を検出し、新しいディジタル信号bを出力するのをモ
ニタしている。qが“H”になると、速度検出器13か
ら出力されるディジタル信号bを読み込んで、ディジタ
ル信号bに対応する速度検出値S(ディジタル値)に直
すとともに、リセット信号rを所定時間“H”にして速
度検出器13のカウンタのカウンタ24とフリップフロ
ップ25をリセットする。所定の基準値Sref(ディジ
タル値)から速度検出値Sを引いて、その値をR倍(こ
こに、Rは所定の正の定数)し、モータ11の現時点で
のデジタル回転誤差Eを計算する(E=R・(Sref-S))。 [32]<制御信号作成手段>後述するデジタルメモリ
出力値作成手段によるデジタルメモリ出力値V0と現時点
のデジタル回転誤差Eを所定の比率D:1(ここに、D
は0<D≦1なる定数で、好ましくはD=1)にて演算
合成し、制御信号Yを計算する(Y=E+D・V0)。こ
の制御信号値YをD/A変換器17に出力し、Yの値に
対応した直流的な電圧(制御信号)に変換する。 [33]<第1のカウント手段>Q(一般に、Qは2以
上の整数で、ここではQを3以上の整数として説明す
る)をmod(法)として、新しい速度検出値Sを得るご
とに第1のカウント変数I1をカウントアップしていく。
すなわち、I1=I1+1(I1+1を新しくI1にする)にし
た後に、I1=QならばI1を0にリセットする。このよう
な演算をするならば、I1は0からQ−1の間の整数にな
る。なお、I1の初期値は0とする。 [34]<フィルタ手段1>デジタル回転誤差Eにから
デジタル演算誤差Egを得るための演算の一部を行う。ま
ず、前回の処理までに格納されている第1のカウント変
数I1に対応したメモリ値F[I1]をフィルタ計算用メモリt
emp1に格納する(temp1=F[I1])。そして、現在のデジ
タル回転誤差EをF[I1]に格納する(F[I1]=E)。さら
に、フィルタ計算用メモリtemp2に現在のデジタル回転
誤差Eからtemp1(ここで、temp1には現在からQ時間だ
け遅れたデジタル回転誤差が格納されている)を減算す
る(temp2=E−temp1)。そして、temp2をデジタル的
に積分する(Eg0=Eg0+temp2(Eg0+temp2を新しくEg0
にする)、Eg0の初期値は0)。さらに得られたデジタ
ル値Eg0を加算計算用メモリsum1,sum2に加算する(sum
1=sum1+Eg0(sum1+Eg0を新しくsum1にする),sum2=
sum2+Eg0(sum2+Eg0を新しくsum2にする))。
4)で表される伝達関数Ha(z-1)で割り切れるものであ
る((数4)で表される伝達関数Ha(z-1)をその因子に
含んでいる)。またフィルタの周波数特性の一例を(図
6)に示す。ここでは、フィルタの定数Pと定数kfは異
なり、PとQは等しく、kf>Qの場合に、速度検出器の
1検出周期内に行う演算量を極力減らしたプログラム例
を示す。次に、その動作について詳細に説明する。な
お、全体の構成は(図2)と同様であり、その詳細な説
明は省略する。 [31]<デジタル回転誤差検出手段>まず、演算器1
5は速度検出器13のフリップフロップ回路25の出力
信号qを入力し、信号qが“H”となるのを待ってい
る。すなわち、速度検出器13が交流信号aの(半)周
期を検出し、新しいディジタル信号bを出力するのをモ
ニタしている。qが“H”になると、速度検出器13か
ら出力されるディジタル信号bを読み込んで、ディジタ
ル信号bに対応する速度検出値S(ディジタル値)に直
すとともに、リセット信号rを所定時間“H”にして速
度検出器13のカウンタのカウンタ24とフリップフロ
ップ25をリセットする。所定の基準値Sref(ディジ
タル値)から速度検出値Sを引いて、その値をR倍(こ
こに、Rは所定の正の定数)し、モータ11の現時点で
のデジタル回転誤差Eを計算する(E=R・(Sref-S))。 [32]<制御信号作成手段>後述するデジタルメモリ
出力値作成手段によるデジタルメモリ出力値V0と現時点
のデジタル回転誤差Eを所定の比率D:1(ここに、D
は0<D≦1なる定数で、好ましくはD=1)にて演算
合成し、制御信号Yを計算する(Y=E+D・V0)。こ
の制御信号値YをD/A変換器17に出力し、Yの値に
対応した直流的な電圧(制御信号)に変換する。 [33]<第1のカウント手段>Q(一般に、Qは2以
上の整数で、ここではQを3以上の整数として説明す
る)をmod(法)として、新しい速度検出値Sを得るご
とに第1のカウント変数I1をカウントアップしていく。
すなわち、I1=I1+1(I1+1を新しくI1にする)にし
た後に、I1=QならばI1を0にリセットする。このよう
な演算をするならば、I1は0からQ−1の間の整数にな
る。なお、I1の初期値は0とする。 [34]<フィルタ手段1>デジタル回転誤差Eにから
デジタル演算誤差Egを得るための演算の一部を行う。ま
ず、前回の処理までに格納されている第1のカウント変
数I1に対応したメモリ値F[I1]をフィルタ計算用メモリt
emp1に格納する(temp1=F[I1])。そして、現在のデジ
タル回転誤差EをF[I1]に格納する(F[I1]=E)。さら
に、フィルタ計算用メモリtemp2に現在のデジタル回転
誤差Eからtemp1(ここで、temp1には現在からQ時間だ
け遅れたデジタル回転誤差が格納されている)を減算す
る(temp2=E−temp1)。そして、temp2をデジタル的
に積分する(Eg0=Eg0+temp2(Eg0+temp2を新しくEg0
にする)、Eg0の初期値は0)。さらに得られたデジタ
ル値Eg0を加算計算用メモリsum1,sum2に加算する(sum
1=sum1+Eg0(sum1+Eg0を新しくsum1にする),sum2=
sum2+Eg0(sum2+Eg0を新しくsum2にする))。
【0036】ここで、カウント変数I1が0ならば後述す
る[35],[36],[37]の動作を実行し、I1が1
ならば[38]の動作を実行し、I1が2Q−kfならば
[39]の動作を行い(ここで、2Q−kf≠0,1とす
る。2Q−kf=0または1のときは、[39]の動作は
[37]または[38]の動作の後に行えばよい。)、
I1が0,1,2Q−kfでないならば[31]の動作に復
帰する。 [35]<フィルタ手段2>フィルタ手段1の続きの演
算を行い、デジタル演算誤差Egを得る。加算計算用メモ
リ判別スイッチsw=1ならば、sw=0としデジタル演算
誤差Eg=sum1とする。また、sw=0ならば、sw=1とし
てデジタル演算誤差Eg=sum2とする。さらに、Egに定数
G2を掛けて(Eg=G2・Eg(G2・Egを新しくEgとする))
ゲイン補正を行う。 [36]<第2のカウント手段>Nx・L(一般にNxは整
数、Lは4以上の整数。ここではNxが1以上の整数、L
が(Zq/Q)の2以上の整数倍の整数)をmod(法)と
して、第1のカウント変数I1が0になるごとに(新しい
速度検出値SをQ個得るごとに)第2のカウント変数I2
をカウントアップしていく。すなわち、I2=I2+1にし
た後にI2=Nx・LならばI2を0にリセットする。このよ
うな演算をするならば、I2は0から(Nx・L−1)の間
の整数になる。なお、I2の初期値はNx・Lとする。 [37]<デジタルメモリ出力値作成手段>整数JはI2
に等しく(J=I2)、RAM領域内のL間隔ずつ離れた
Nx個のデジタルメモリ値群M[J−nL(mod Nx
L)](n=1,…,Nx)を使って、(数6)によりデ
ジタルメモリ出力値V0を作り出す。ここに、比率Wnの値
は、0<Wn<2/Nxであり、、さらに(数7)の如く規
格化している。その後、[31]の動作に復帰する。 [38]<更新保存手段>デジタルメモリ出力値作成手
段によるデジタルメモリ出力値V0とデジタル演算誤差Eg
を1:1の比率で演算合成して更新値を計算し、第2の
カウント変数I2に対応したRAM領域内のメモリ値M
[I2]を更新し(M[I2]=Eg+V0)、次の更新時まで
格納保存する。その後に、[31]の動作に復帰する。 [39]<フィルタ手段3>加算計算用メモリをクリア
する。加算計算用メモリ判別スイッチsw=0ならばsum1
=0とする。また、sw=1ならばsum2=0とする。その
後、[31]の動作に復帰する。
る[35],[36],[37]の動作を実行し、I1が1
ならば[38]の動作を実行し、I1が2Q−kfならば
[39]の動作を行い(ここで、2Q−kf≠0,1とす
る。2Q−kf=0または1のときは、[39]の動作は
[37]または[38]の動作の後に行えばよい。)、
I1が0,1,2Q−kfでないならば[31]の動作に復
帰する。 [35]<フィルタ手段2>フィルタ手段1の続きの演
算を行い、デジタル演算誤差Egを得る。加算計算用メモ
リ判別スイッチsw=1ならば、sw=0としデジタル演算
誤差Eg=sum1とする。また、sw=0ならば、sw=1とし
てデジタル演算誤差Eg=sum2とする。さらに、Egに定数
G2を掛けて(Eg=G2・Eg(G2・Egを新しくEgとする))
ゲイン補正を行う。 [36]<第2のカウント手段>Nx・L(一般にNxは整
数、Lは4以上の整数。ここではNxが1以上の整数、L
が(Zq/Q)の2以上の整数倍の整数)をmod(法)と
して、第1のカウント変数I1が0になるごとに(新しい
速度検出値SをQ個得るごとに)第2のカウント変数I2
をカウントアップしていく。すなわち、I2=I2+1にし
た後にI2=Nx・LならばI2を0にリセットする。このよ
うな演算をするならば、I2は0から(Nx・L−1)の間
の整数になる。なお、I2の初期値はNx・Lとする。 [37]<デジタルメモリ出力値作成手段>整数JはI2
に等しく(J=I2)、RAM領域内のL間隔ずつ離れた
Nx個のデジタルメモリ値群M[J−nL(mod Nx
L)](n=1,…,Nx)を使って、(数6)によりデ
ジタルメモリ出力値V0を作り出す。ここに、比率Wnの値
は、0<Wn<2/Nxであり、、さらに(数7)の如く規
格化している。その後、[31]の動作に復帰する。 [38]<更新保存手段>デジタルメモリ出力値作成手
段によるデジタルメモリ出力値V0とデジタル演算誤差Eg
を1:1の比率で演算合成して更新値を計算し、第2の
カウント変数I2に対応したRAM領域内のメモリ値M
[I2]を更新し(M[I2]=Eg+V0)、次の更新時まで
格納保存する。その後に、[31]の動作に復帰する。 [39]<フィルタ手段3>加算計算用メモリをクリア
する。加算計算用メモリ判別スイッチsw=0ならばsum1
=0とする。また、sw=1ならばsum2=0とする。その
後、[31]の動作に復帰する。
【0037】このように構成することにより、伝達関数
H(z-1)が(数8)で表されるフィルタを実現することが
できる。この実施例における演算において、[34]の
演算の以後の演算は、速度検出値SをQ個得るごとに行
っている。フィルタ手段は、このサンプリングによる低
域から高域への折り返し,エリアジングを防止し、制御
系の安定性を確保する働きがあることは前述の実施例と
同じである。そして、前述の実施例よりも、デジタル回
転誤差Eの高周波成分を減衰する量(減衰量)をさらに
大きくできる。これは、伝達関数H(z-1)が(数8)で表
されるフィルタが、2つのフィルタを直列接続した形に
なっているからである。そして、制御系の安定性を確保
する効果が大きくなる。
H(z-1)が(数8)で表されるフィルタを実現することが
できる。この実施例における演算において、[34]の
演算の以後の演算は、速度検出値SをQ個得るごとに行
っている。フィルタ手段は、このサンプリングによる低
域から高域への折り返し,エリアジングを防止し、制御
系の安定性を確保する働きがあることは前述の実施例と
同じである。そして、前述の実施例よりも、デジタル回
転誤差Eの高周波成分を減衰する量(減衰量)をさらに
大きくできる。これは、伝達関数H(z-1)が(数8)で表
されるフィルタが、2つのフィルタを直列接続した形に
なっているからである。そして、制御系の安定性を確保
する効果が大きくなる。
【0038】ここで、フィルタの定数PとQの整数倍を
等しくすることにより、エリアジングによって高周波数
帯域の負荷変動が低周波数帯域の制御性能へ悪影響を及
ぼすことを防止する効果が、最も大きくなる。これは、
前述の実施例の場合と同様である。
等しくすることにより、エリアジングによって高周波数
帯域の負荷変動が低周波数帯域の制御性能へ悪影響を及
ぼすことを防止する効果が、最も大きくなる。これは、
前述の実施例の場合と同様である。
【0039】また、フィルタの定数Pと定数kfを異なる
定数とすることにより、伝達関数H(z-1)が(数5)で表
されるフィルタでは減衰量が小さかった周波数において
も、大きな減衰量が得られるようになる。つまり、より
広い帯域で大きな減衰量を得られるようになる。これ
は、速度検出器13の検出周波数の1/P倍の周波数と
その整数倍の周波数で最大の減衰量が得られるフィルタ
と、1/Kf倍の周波数とその整数倍の周波数で最大の減
衰量が得られるフィルタの直列接続の形になるからであ
る。本実施例ではkf>P(=Q)の場合を示したがkf<
Pとしても、より広い帯域で大きな減衰量が得られる効
果は変わらない。
定数とすることにより、伝達関数H(z-1)が(数5)で表
されるフィルタでは減衰量が小さかった周波数において
も、大きな減衰量が得られるようになる。つまり、より
広い帯域で大きな減衰量を得られるようになる。これ
は、速度検出器13の検出周波数の1/P倍の周波数と
その整数倍の周波数で最大の減衰量が得られるフィルタ
と、1/Kf倍の周波数とその整数倍の周波数で最大の減
衰量が得られるフィルタの直列接続の形になるからであ
る。本実施例ではkf>P(=Q)の場合を示したがkf<
Pとしても、より広い帯域で大きな減衰量が得られる効
果は変わらない。
【0040】そして、Pとkfを異なる定数とし、しかも
PとQを等しくすることにより、広い帯域で大きな減衰
量が得られ、しかもサンプリングによるエリアジングを
防止する効果が最も大きくなるフィルタを構成すること
ができる。
PとQを等しくすることにより、広い帯域で大きな減衰
量が得られ、しかもサンプリングによるエリアジングを
防止する効果が最も大きくなるフィルタを構成すること
ができる。
【0041】また、フィルタ手段の演算を、本実施例の
プログラムに示すように、速度検出器が新しい速度検出
値Sを得るごとに演算を行う部分と、速度検出値SをQ
個得るごとに演算を行う部分とに分けて処理を行うなら
ば、速度検出器の1検出周期内に行う演算量は非常に少
なくなる。また、このフィルタには、乗算演算も1つし
かないので演算時間を短縮できる。これにより、演算時
間余裕が得られ、モータの制御性能にとって非常に大き
な利点となることは、前述の通りである。
プログラムに示すように、速度検出器が新しい速度検出
値Sを得るごとに演算を行う部分と、速度検出値SをQ
個得るごとに演算を行う部分とに分けて処理を行うなら
ば、速度検出器の1検出周期内に行う演算量は非常に少
なくなる。また、このフィルタには、乗算演算も1つし
かないので演算時間を短縮できる。これにより、演算時
間余裕が得られ、モータの制御性能にとって非常に大き
な利点となることは、前述の通りである。
【0042】なお、フィルタ手段の伝達関数H(z-1)は、
上記のものに限らず、(数3)または(数4)で表され
る伝達関数Ha(z-1)で割り切れるものであれば、上述の
効果は保持される。
上記のものに限らず、(数3)または(数4)で表され
る伝達関数Ha(z-1)で割り切れるものであれば、上述の
効果は保持される。
【0043】また、フィルタ手段を実現するためのプロ
グラムは上記のものに限らず、様々なプログラムで実現
することが可能であることは言うまでもない。
グラムは上記のものに限らず、様々なプログラムで実現
することが可能であることは言うまでもない。
【0044】また、速度検出手段の検出回数に換算した
ときに、デジタルメモリ出力値作成手段のデジタルメモ
リ値の制御信号作成手段における利用タイミングが、更
新保存手段における利用タイミングよりも、フィルタ手
段の伝達関数H(z-1)が(数3)で表される伝達関数Ha(z
-1)で割り切れる場合は(Q+p)/2回以上早い場合
に、制御系全体の動作が安定になることは、前述した先
願から推定できる。同じく、フィルタ手段の伝達関数H
(z-1)が(数4)で表される伝達関数Ha(z-1)で割り切れ
る場合は(Q+p+Kf)/2以上早い場合に、制御系全
体の動作が安定になる。つまり、このようにタイミング
をずらすことにより、フィルタ手段による位相遅れと、
サンプリングに対するホールド要素での位相遅れを補償
するのである。ここで、ホールド要素は、制御信号作成
手段に含まれることになる。
ときに、デジタルメモリ出力値作成手段のデジタルメモ
リ値の制御信号作成手段における利用タイミングが、更
新保存手段における利用タイミングよりも、フィルタ手
段の伝達関数H(z-1)が(数3)で表される伝達関数Ha(z
-1)で割り切れる場合は(Q+p)/2回以上早い場合
に、制御系全体の動作が安定になることは、前述した先
願から推定できる。同じく、フィルタ手段の伝達関数H
(z-1)が(数4)で表される伝達関数Ha(z-1)で割り切れ
る場合は(Q+p+Kf)/2以上早い場合に、制御系全
体の動作が安定になる。つまり、このようにタイミング
をずらすことにより、フィルタ手段による位相遅れと、
サンプリングに対するホールド要素での位相遅れを補償
するのである。ここで、ホールド要素は、制御信号作成
手段に含まれることになる。
【0045】前述の実施例では、速度検出期によってモ
ータの回転速度のみを検出するようにしたが、これ以外
にモータの回転位相を周知の位相検出器によって検出
し、その両者を合成して回転誤差としてもよく、本発明
に含まれることは言うまでもない。また、補償器の出力
をデジタル信号やPWM信号(パルス幅変調信号)にし
たり、電力増幅器の出力信号をPWM信号にしてもよ
い。また、モータにブラシレス直流モータを用いてもよ
い。その他、本発明の主旨を変えずして種々の変更が可
能である。
ータの回転速度のみを検出するようにしたが、これ以外
にモータの回転位相を周知の位相検出器によって検出
し、その両者を合成して回転誤差としてもよく、本発明
に含まれることは言うまでもない。また、補償器の出力
をデジタル信号やPWM信号(パルス幅変調信号)にし
たり、電力増幅器の出力信号をPWM信号にしてもよ
い。また、モータにブラシレス直流モータを用いてもよ
い。その他、本発明の主旨を変えずして種々の変更が可
能である。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のモータの速
度制御装置は、演算時間を大幅に短縮し、速度制御装置
を構成するためのマイコンに対する制約を少なくしなが
らも、特定周波数において極めて良好な制御特性を有
し、負荷トルク変動による回転速度の変動が大幅に低減
されている。従って、本発明に基づき、ビデオテープレ
コーダのキャプスタンモータを構成するならば、高性能
なモータの速度制御装置を経済的に構成できる。
度制御装置は、演算時間を大幅に短縮し、速度制御装置
を構成するためのマイコンに対する制約を少なくしなが
らも、特定周波数において極めて良好な制御特性を有
し、負荷トルク変動による回転速度の変動が大幅に低減
されている。従って、本発明に基づき、ビデオテープレ
コーダのキャプスタンモータを構成するならば、高性能
なモータの速度制御装置を経済的に構成できる。
【図1】本発明に係る図2に示した補償器の内臓プログ
ラムの一例を表すフローチャートである。
ラムの一例を表すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施例における全体構成を表す構成
図である。
図である。
【図3】図2に示す速度検出器の具体的な構成例を表す
構成図である。
構成図である。
【図4】伝達関数H(z-1)が(数5)で表されるフィルタ
手段の一例の周波数特性図である。
手段の一例の周波数特性図である。
【図5】本発明に係る図2に示した補償器の内臓プログ
ラムの他の例を表すフローチャートである。
ラムの他の例を表すフローチャートである。
【図6】伝達関数H(z-1)が(数8)で表されるフィルタ
手段の一例の周波数特性図である。
手段の一例の周波数特性図である。
1 デジタル回転誤差検出手段 2 制御信号作成手段 3 第1のカウント手段 4 フィルタ手段 5 第2のカウント手段 6 デジタルメモリ出力値作成手段 7 更新保存手段 11 モータ 12 回転センサ 13 速度検出器 14 補償器 15 演算器 16 メモリ 17 D/A変換器 18 電力増幅器 19 負荷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−210881(JP,A) 特開 平3−52576(JP,A) 特開 昭62−89487(JP,A) 特開 平2−52517(JP,A) 特開 昭53−142150(JP,A) 特開 平3−52583(JP,A) 特開 平1−117676(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02P 5/00
Claims (5)
- 【請求項1】 モータの回転速度に応じた周期の交流信
号を生じる回転センサ手段と、前記回転センサから出力
される交流信号により前記モータの1回転当たり複数回
の検出を行う速度検出手段と、前記速度検出手段の検出
信号に基づき制御信号を作り出す補償手段と、前記補償
手段の制御信号に応じて前記モータを駆動する駆動手段
とを具備し、前記補償手段は、前記速度検出手段の検出
デジタル信号に応動したデジタル回転誤差を得るデジタ
ル回転誤差検出手段と、4個以上のデジタルメモリ値を
格納するデジタルメモリ手段と、前記デジタルメモリ手
段に格納されている少なくとも1個のデジタルメモリ値
を使ってデジタルメモリ出力値を作り出すデジタルメモ
リ出力値作成手段と、前記デジタル回転誤差検出手段の
デジタル回転誤差よりデジタル演算誤差を得るフィルタ
手段と、前記速度検出手段のQ回(ここに、Qは2以上
の整数)の検出動作ごとに前記フィルタ手段のデジタル
演算誤差と前記デジタルメモリ出力値作成手段のデジタ
ルメモリ出力値を演算合成した値に対応した更新値によ
って前記デジタルメモリ手段のデジタルメモリ値を実質
的に順番に更新保存する更新保存手段と、前記デジタル
メモリ出力値作成手段のデジタルメモリ出力値と前記回
転誤差検出手段のデジタル回転誤差に応動する前記制御
信号を作り出す制御信号作成手段とを有し、前記フィル
タ手段の伝達関数が、 【数1】 (ここで、z-1は1サンプル時間分の遅延、z-PはPサン
プル時間分の遅延(ただし、Pは2以上の整数))で表
される伝達関数Ha(z-1)で割り切れることを特徴とする
モータの速度制御装置。 - 【請求項2】 モータの回転速度に応じた周期の交流信
号を生じる回転センサ手段と、前記回転センサから出力
される交流信号により前記モータの1回転当たり複数回
の検出を行う速度検出手段と、前記速度検出手段の検出
信号に基づき制御信号を作り出す補償手段と、前記補償
手段の制御信号に応じて前記モータを駆動する駆動手段
とを具備し、前記補償手段は、前記速度検出手段の検出
デジタル信号に応動したデジタル回転誤差を得るデジタ
ル回転誤差検出手段と、4個以上のデジタルメモリ値を
格納するデジタルメモリ手段と、前記デジタルメモリ手
段に格納されている少なくとも1個のデジタルメモリ値
を使ってデジタルメモリ出力値を作り出すデジタルメモ
リ出力値作成手段と、前記デジタル回転誤差検出手段の
デジタル回転誤差よりデジタル演算誤差を得るフィルタ
手段と、前記速度検出手段のQ回(ここに、Qは2以上
の整数)の検出動作ごとに前記フィルタ手段のデジタル
演算誤差と前記デジタルメモリ出力値作成手段のデジタ
ルメモリ出力値を演算合成した値に対応した更新値によ
って前記デジタルメモリ手段のデジタルメモリ値を実質
的に順番に更新保存する更新保存手段と、前記デジタル
メモリ出力値作成手段のデジタルメモリ出力値と前記回
転誤差検出手段のデジタル回転誤差に応動する前記制御
信号を作り出す制御信号作成手段とを有し、前記フィル
タ手段の伝達関数が、 【数2】 (ここで、z-1は1サンプル時間分の遅延、z-PはPサン
プル時間分の遅延(ただしPは2以上の整数)、z-iは
iサンプル時間分の遅延、kfは2以上の整数の定数)で
表される伝達関数Ha(z-1)で割り切れることを特徴とす
るモータの速度制御装置。 - 【請求項3】 PをQの整数倍と等しくしたことを特徴
とする請求項1記載のモータの速度制御装置。 - 【請求項4】 Pとkfを異なる定数としたことを特徴と
する請求項2記載のモータの速度制御装置。 - 【請求項5】 PをQの整数倍と等しくしたことを特徴
とする請求項4記載のモータの速度制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3050991A JP2819846B2 (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | モータの速度制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3050991A JP2819846B2 (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | モータの速度制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04285488A JPH04285488A (ja) | 1992-10-09 |
JP2819846B2 true JP2819846B2 (ja) | 1998-11-05 |
Family
ID=12874262
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3050991A Expired - Fee Related JP2819846B2 (ja) | 1991-03-15 | 1991-03-15 | モータの速度制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2819846B2 (ja) |
-
1991
- 1991-03-15 JP JP3050991A patent/JP2819846B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04285488A (ja) | 1992-10-09 |
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Legal Events
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