JP2819676B2 - 6サイクル断熱エンジン - Google Patents

6サイクル断熱エンジン

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JP2819676B2 JP25227489A JP25227489A JP2819676B2 JP 2819676 B2 JP2819676 B2 JP 2819676B2 JP 25227489 A JP25227489 A JP 25227489A JP 25227489 A JP25227489 A JP 25227489A JP 2819676 B2 JP2819676 B2 JP 2819676B2
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寛 松岡
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、燃焼室に水を噴射するノズル及び燃料を
噴射するノズルを備えた吸入、圧縮、膨張、排気に次い
で膨張及び排気の各行程を行う6サイクル断熱エンジン
に関する。
〔従来の技術〕
従来、水噴射式断熱セラミックディーゼルエンジン
は、例えば、特開昭60−184923号公報に開示されてい
る。該公報に開示された水噴射式断熱セラミックディー
ゼルエンジンは、シリンダヘッド、シリンダライナ及び
ピストンヘッドのそれぞれの少なくとも燃焼室に面した
部位のセラミックス製部材によって断熱構造の燃焼室を
形成し、前記シリンダヘッドに燃料噴射系と独立した水
噴射系より高圧水の供給を受け、前記燃焼室に水を噴射
する水噴射弁を装着し、前記水噴射弁の水噴射タイミン
グと噴射水量とを制御して単位燃料当たりの出力を増大
させる水噴射制御装置を具備したものである。この水噴
射式断熱セラミックディーゼルエンジンは、燃焼室を断
熱構造として燃焼ガス温度を高め、該燃焼室に適時適量
の水を噴射することによって噴霧水を蒸気化し、この蒸
気の膨張力を燃焼ガスの膨張力に加担させることによっ
て燃料消費量を低減させ、単位燃料当たりの出力を増大
させると共に、水の蒸気化に伴う気化熱の吸収によって
新気の吸入効率の低下を補完するものである。
また、本出願人に関わる出願である特願平1−84605
号には、6サイクル断熱エンジンが開示されている。該
6サイクル断熱エンジンは、掃気空気の給排気行程を含
み、燃焼室内に水を吐出する吐出口と、この吐出口を開
閉制御する制御手段と、この制御手段に対して前記掃気
空気の給排気行程で水噴射指令を与える指令手段とを具
備したものであり、前記指令手段は前記掃気空気の排気
行程の後半に水噴射指令を与えるものである。従って、
掃気空気に給排気行程で、その所定のタイミングを選ん
で燃焼室に水を噴射することによって、次の吸入行程で
の空気温度の上昇を防ぎ、負荷条件にかかわらず燃焼条
件を揃えることができるものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、断熱エンジンについて、燃焼室を断熱をす
るということは、筒内の壁温を上昇させることであり、
この筒内の壁温上昇により吸入効率の低下又は圧縮行程
での受熱により、圧縮仕事の増大を招き、エンジン効率
の低下を起こす。
また、前掲特開昭60−184923号公報に開示された水噴
射式断熱セラミックディーゼルエンジンについては、従
来一般的に行われている噴射タイミングによって燃料噴
射し、また、水の噴射は膨張行程の始まりで行われ、水
を蒸発して膨張させ、該膨張力として出力を増大させる
ものである。従って、理論混合気燃焼を行うことができ
ず、壁温を低下させる効果はなく、吸入効率を向上でき
るものではない。
この発明の目的は、上記の課題を解決することであ
り、通常の吸入行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程
から成る4サイクルに加えて、水噴射による水の気化に
よる膨張行程及びその排気行程を設け、高温の燃焼室壁
面より熱エネルギーを吸収して冷却し、吸入効率を向上
させると共に、圧縮行程での受熱を防止して圧縮仕事を
低減し、エンジン効率を向上させるものであり、水噴射
を排気行程終了後の排気メインバルブがほぼ閉鎖した状
態となった膨張行程開始時に、主としてセラミック材等
から構成した断熱された燃焼室の高温壁に向けて行い、
燃料による熱エネルギーの回収で気化させ、噴射された
水は膨張のため筒内の圧力が上がり、膨張仕事を行うこ
とができ、その後、ピストンがほぼ下死点にきた頃、排
気メインバルブとは別に設けた排気サブバルブを開放し
てターボチャージャのタービンをバイパスして膨張水蒸
気を排出するものであり、それによって、冷却用の膨張
水蒸気をスムーズに排気し、燃焼室の壁面温度の過熱を
防止し、壁面が有する熱エネルギーを有効に回収し、エ
ンジン効率を向上させる6サイクル断熱エンジンを提供
することである。
或いは、この発明の別の目的は、上記の課題を解決す
ることであり、通常の吸入行程、圧縮行程、膨張行程及
び排気行程から成る4サイクルに加えて、水噴射による
水の気化による膨張行程を設け、高温の燃焼室壁面より
熱エネルギーを回収するサイクルを追加したものであ
り、主としてセラミック材等から構成した断熱構造の燃
焼室に圧縮行程の上死点で膨張行程にかけて、次いで、
排気行程終了後で膨張行程にかけて排気バルブがほぼ閉
鎖した状態となった後の2度にわたって燃焼室の高温壁
に向けて水噴射し、燃料による熱エネルギーの回収で気
化させ、噴射された水は膨張のため筒内の圧力が上が
り、膨張仕事を行うことができ、その後、ピストンがほ
ぼ下死点にきた頃、排気バルブを開放して膨張水蒸気を
排出するものであり、それによって、燃焼室の壁面温度
の過熱を防止し、壁面が有する熱エネルギーを有効に回
収でき、エンジン効率を向上できる6サイクル断熱エン
ジンを提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、上記の目的を達成するために、次のよう
に構成されている。即ち、この発明は、排ガスをタービ
ンを通じて排気する側の排気ポートに設けた排気メイン
バルブ、圧縮行程後半から膨張行程にかけて断熱構造の
燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射ノズル、排気行程終了
後の膨張行程で前記燃焼室に水を噴射する水噴射ノズ
ル、及び水噴射後の排気行程で開弁し且つ前記タービン
をバイパスする側の排気ポートに設けた排気サブバル
ブ、から成る吸入、圧縮、膨張、排気に次いで膨張及び
排気の各行程を行う6サイクル断熱エンジンに関する。
或いは、この発明は、圧縮行程後半から膨張行程にか
けて断熱構造の燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射ノズ
ル、及び前記燃焼室に圧縮上死点から膨張行程にかけて
水を噴射し、次いで、排気行程終了後の膨張行程で水を
噴射する水噴射ノズル、から成る吸入、圧縮、膨張、排
気に次いで膨張及び排気の各行程を行う6サイクル断熱
エンジンに関する。
〔作用〕
この発明による6サイクル断熱エンジンは、以上のよ
うに構成されており、次のように作用する。即ち、この
6サイクル断熱エンジンは、排気行程終了後の膨張行程
で前記燃焼室に水を噴射する水噴射ノズル、及び水噴射
後の排気行程で開弁し且つ前記タービンをバイパスする
排気通路を通じて排気するための排気サブバルブから構
成したので、排気行程終了後の膨張行程でシリンダ内ガ
ス雰囲気に向けて水噴射ノズルから水噴射することによ
って、壁面より熱エネルギーを回収して壁面を冷却し過
熱を防止すると共に、高温壁面からの熱エネルギーで気
化した水蒸気は膨張仕事をし、次いで該水蒸気は排気行
程で前記排気サブバルブから前記タービンをバイパスし
て排気されるので、背圧はほぼ零になり、気化した水蒸
気はスムースに排気される。また、壁面温度の低下によ
り吸入効率を大幅に向上できる。
或いは、この6サイクル断熱エンジンは、水噴射ノズ
ルから前記燃焼室に圧縮上死点から膨張行程にかけて水
を噴射し、次いで、排気行程終了後の膨張行程で水を噴
射するように構成したので、2度の水噴射によって、壁
面より熱エネルギーの回収量が増大すると共に、壁面温
度がコントロールされて最適状態に維持され、4サイク
ルエンジンに比較して燃料噴射量を多く噴射するように
コントロールでき、エンジンの高温高負荷に対応させる
と共に、4サイクルエンジンと同等の出力を出させるこ
とができる。しかも、高温壁面からの熱エネルギーで気
化された水蒸気は膨張仕事をすることができ、次いで該
水蒸気は排気行程で排気され、燃焼室の壁温は冷却さ
れ、壁面温度の過熱を防止し、壁面温度の低下により吸
入効率を向上できる。
〔実施例〕
以下、図面を参照して、この発明による6サイクル断
熱エンジンの実施例を詳述する。
第1図において、この発明による6サイクル断熱エン
ジンの一実施例を示す断面図が示されている。この6サ
イクル断熱エンジンは、主として、シリンダ14を備えた
シリンダブロック11、該シリンダ14に嵌合したシリンダ
ライナ15、シリンダブロック11にガスケット28を介して
固定したシリンダヘッド10、シリンダヘッド10に形成し
た穴部に断熱ガスケット4を介して配置したヘッド下面
部とライナ上部とを一体的に断熱構造に構成したヘッド
ライナ2、ヘッドライナ2とシリンダライナ15内を往復
運動する断熱構造のピストンヘッド9を備えたピストン
6、ピストンヘッド9とヘッドライナ2によって形成さ
れる燃焼室1、燃料噴射ノズル5及び水噴射ノズル7を
有している。ヘッドライナ2及びピストンヘッド9は、
窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)、チタン酸アルミ
ニウム、チタン酸カリウム、複合材料等のセラミック材
料から断熱構造に構成されている。
この6サイクル断熱エンジンにおいて、シリンダヘッ
ド10及びヘッドライナ2には、吸気ポート12及び排気ポ
ート13が形成され、吸気ポート12には吸気バルブが配置
され、排気ポート13には排気バルブ8が配置されてい
る。排気ポート13は排気管29に接続され、しかも、該排
気管29には、ターボチャージャ32のタービン35及びエネ
ルギー回収用ターボチャージャ33のタービン36が配置さ
れている。これらのタービン35,36は、エンジンに吸入
空気を過給すると共に、排ガスエネルギーを回収するた
めの作用を有している。この6サイクル断熱エンジンに
おいて、特に、シリンダヘッド10及びヘッドライナ2に
は、排気ポート13とは別の排気ポート31が形成され、該
排気ポート31を開閉するための排気ポート31には排気サ
ブバルブ30が配置されている。排気ポート31には排気管
37が接続されている。該排気管37は、排気管29に設けら
れたターボチャージャ32のタービン35及びエネルギー回
収用ターボチャージャ33のタービン36をバイパスし、エ
ネルギー回収用ターボチャージャ33の後流の排気管34に
接続されている。
この6サイクル断熱エンジンにおいて、燃料噴射ノズ
ル5は燃料噴射ポンプ(図示せず)から供給される燃料
を燃焼室1に噴射するものであり、また、水噴射ノズル
7は水噴射ポンプ(図示せず)から供給される水を燃焼
室1に噴射するものである。更に、燃料噴射ポンプ及び
水噴射ポンプは、例えば、クランクシャフトと一体に回
転するクランクプーリにタイミングベルトによって駆動
することができる。この時、燃料噴射ポンプ及び水噴射
ポンプの噴射時期は、6サイクル断熱エンジンであるか
らクランクシャフトの回転数の1/3回転で同期するよう
に設定すればよい。或いは、上記同期タイプに限らず、
例えば、水噴射ポンプ20を電動式ポンプの非同期タイプ
に構成し、水噴射ノズル7の針弁の開閉をコントローラ
18で直接駆動するように構成することもできる。
この6サイクル断熱エンジンは、第2図に示すよう
に、吸入行程A、圧縮行程B、膨張行程C及び排気行程
Dから成る通常の4サイクルの作動行程に加えて、水噴
射による膨張行程E及び該膨張行程Eに対する排気行程
Fを有する6サイクルの作動行程で駆動されるものであ
る。この作動制御装置において、燃料噴射ポンプは、圧
縮行程B後半から膨張行程Cにかけて断熱されて高温に
なっているヘッドライナ2及びピストンヘッド9に向け
て比較的に低圧で燃料噴射ノズル5から燃料を噴射させ
るように、予め噴射時期が設定されている。
この発明による6サイクル断熱エンジンにおいて、排
気行程Dが終了し、排気バルブ8が閉鎖し、且つ吸気バ
ルブが閉鎖状態の時、膨張行程Eの開始時期に水が水噴
射ポンプから水噴射ノズル7に供給され、該水が水噴射
ノズル7から燃焼室1内へ噴射される。この時、水噴射
ポンプの水噴射口には、コントローラ18の指令によって
水噴射ポンプから水噴射ノズル7へ供給される水量を調
節するため、ステップモータ等から成る水量コントロー
ルレバー等を設けることができる。更に、この6サイク
ル断熱エンジンにおいて、ヘッドライナ2に設けた壁温
センサー3によって燃焼室1の壁温を検出し、そこで、
壁温センサー3によって検出された検出値をコントロー
ラ18に入力し、コントローラ18は壁温、場合によって
は、回転センサー26によるエンジン回転数及び負荷セン
サー27によるエンジン負荷の各検出信号を受けて、燃焼
室1内の温度及び圧力を計算し、燃焼室1に噴射する水
量を決定し、該水量を水噴射ノズル7から噴射するよう
に制御することもできる。燃焼室1に水噴射することに
よって、該水は燃焼室1の壁面から熱エネルギーを吸収
して蒸発し、膨張仕事を行いながら膨張行程Eが行われ
る。従って、燃焼室1は冷却され、温度を低下されるの
で、燃焼室1の過熱状態の発生は防止される。次いで、
排気サブバルブ30が開弁し、膨張した水蒸気を排出する
排気行程Fに進む。即ち、膨張した水蒸気は、排気サブ
バルブ30を通じて排気ポート31、排気管37、次いで排気
管34から排気される。従って、燃焼室1内を冷却した膨
張した水蒸気は、ターボチャージャ32のタービン35及び
エネルギー回収用ターボチャージャ33のタービン36に排
気エネルギーを与える程高くはないので、該タービン3
5,36をバイパスして排気する。この時、膨張水蒸気を排
出する排気行程Fでは、第2図の符号Mで示すように、
背圧がほとんど零の状態になる。しかるに、燃料が燃焼
して発生した排ガスは、排気メインバルブ8から排気さ
れ、タービン35,36を通るので、第2図の符号Lで示す
ように、背圧がかかっている状態で排気される。
次に、この発明による6サイクル断熱エンジンの別の
実施例を、第3図及び第4図を参照して説明する。この
実施例は、上記実施例と比較して、排気サブバルブを設
けていない点及び水噴射の噴射タイミングが異なる以外
は、同一の構成及び機能を有しているものであるので、
同一の部品については同一の符号を付して重複する説明
を省略する。第3図に示す6サイクル断熱エンジンにお
いて、シリンダヘッド10及びヘッドライナ2には、吸気
ポート12及び排気ポート13が形成され、吸気ポート12に
は吸気バルブが配置され、排気ポート13には排気バルブ
38が配置されている。排気ポート13は排気管に接続さ
れ、図示していないが、該排気管には、ターボチャージ
ャ及びエネルギー回収用ターボチャージャが配置され、
エンジンに吸入空気を過給すると共に、排ガスエネルギ
ーを電気エネルギーとして回収する機能を有している。
この6サイクル断熱エンジンにおいて、特に、水噴射ノ
ズル7から燃焼室1内に2度の水噴射を行う点を特徴と
している。水噴射ポンプ20は、6サイクル断熱エンジン
であるからクランクシャフト23の回転数の1/3回転で同
期してタイミングベルトによって回転し、水噴射ポンプ
20のクランクプーリ22の1回転の間に2回の水噴射がで
きるように水噴射ポンプ20に回転バルブを設けるように
構成できる。或いは、水噴射ポンプ20はクランク回転に
同期させた同期タイミングに限らず、例えば、水噴射ポ
ンプ20を電動式ポンプの非同期タイプに構成し、水噴射
ノズル7の針弁の開閉をコントローラ17で直接駆動する
ように構成することもできる。即ち、針弁をソレノイド
の付勢で上下運動可能に構成し、コントローラ17の指令
でソレノイドを付勢して針弁を開放するように構成でき
る。更に、水噴射ポンプ20から水噴射ノズル7へ供給さ
れる水量は、コントローラ17の指令によってコントロー
ルレバー16を調節することで制御される。
また、燃料噴射ノズル5は燃料噴射ポンプ19から供給
される燃料を燃焼室1に噴射するものである。更に、燃
料噴射ポンプ19にはポンプ作動用プーリ21が設けられて
いる。ポンプ作動用プーリ21は、クランクシャフト23に
取付け且つクランクシャフト23と一体に回転するクラン
クプーリ24にタイミングベルト25によって駆動連結され
ている。この時、燃料噴射ポンプ19は、6サイクル断熱
エンジンであるからクランクシャフト23の回転数の1/3
回転で同期して回転するようにタイミングベルト25によ
って駆動される。
この6サイクル断熱エンジンにおいて、燃料噴射ポン
プ19から供給される燃料は燃料噴射ノズル5から燃焼室
1に噴射され、その噴射タイミングは、第4図に示すよ
うに、圧縮行程B後半から膨張行程Cにかけて行われ
る。また、水噴射ポンプ20から供給される水は水噴射ノ
ズル7から燃焼室1に噴射され、その噴射タイミング
は、第4図に示すように、圧縮行程B終了時即ち圧縮上
死点から膨張行程Cにかけて行われる。この膨張行程C
では、吸気バルブ及び排気バルブ38は閉鎖されており、
燃料の爆発燃焼による膨張仕事に1回目の水噴射による
水の蒸気による膨張仕事が加えられる。また、排気行程
D後の膨張行程Eでは、同様に吸気バルブ及び排気バル
ブ38は閉鎖されており、該時期即ち排気上死点での2回
目の水噴射では、燃焼によって高温となった燃焼室1の
壁面から熱エネルギーを回収して壁面を冷却し、しか
も、水は蒸発して膨張水蒸気となって膨張仕事を行う。
次いで、膨張した水蒸気は排気行程Fに移って開放され
た排気バルブ38を通じて排出される。それ故に、2回の
水噴射によって燃焼室1の壁面からは十分に熱エネルギ
ーが回収され、最適状態にまで冷却されることになる。
従って、引き続く吸入行程Aにおいて吸入空気は壁面か
らそれほど受熱することがなく、吸入行程Aにおける吸
入効率を向上させることができる。更に、エンジンの作
動行程が6サイクルであるので、エンジンの大きさに比
べて出力の低下が心配されるが、上記のように、6サイ
クル中に2回の水噴射によって燃焼室1の壁面温度がコ
ントロールされており、吸入空気量を多くすることがで
きるので、燃料噴射量を4サイクルエンジンの時より多
く噴射でき、高温高負荷に対応できると共に、4サイク
ルエンジンと同等の出力を確保することができる。
この6サイクル断熱エンジンは、上記のように構成さ
れているが、上記各実施例に限らず、例えば、上記実施
例で2回の水噴射を行った場合に、燃焼室1に排気メイ
ンバルブと排気サブバルブを設けておき、圧縮上死点で
行った1回目の水噴射による膨張水蒸気は、排気行程D
において排気メインバルブから排出し、次いで、排気行
程D後の膨張行程Eで行った2回目の水噴射による膨張
水蒸気は、排気行程Fで排気サブバルブから排出するよ
うにコントロールしてもよいことは勿論である。又は、
この6サイクル断熱エンジンにおいて、コントローラ18
によって、燃焼室1の壁温を検出する壁温センサー3で
検出された壁温が所定温度以上に応答して水噴射ノズル
7から噴射される水噴射量を決定し、該水量の水を排気
行程D終了後の膨張行程Eにかけて水噴射を制御するよ
うに構成することもできる。或いは、この6サイクル断
熱エンジンにおいて、コントローラ17によって、燃焼室
1の壁温を検出する壁温センサー3で検出された壁温が
所定温度以上に応答して水噴射ノズル7から噴射される
水噴射量を決定し、該水量の水を圧縮上死点から膨張行
程C開始にかけてと排気行程D終了後の膨張行程Eにか
けてとの2度の水噴射を制御するように構成することも
できる。
〔発明の効果〕
この発明による6サイクル断熱エンジンは、以上のよ
うに構成されているので、次のような効果を有する。即
ち、この6サイクル断熱エンジンは、吸入、圧縮、膨
張、排気に次いで膨張及び排気の各行程を行うものであ
り、排ガスをタービンを通じて排気する側の排気ポート
に設けた排気メインバルブ、圧縮行程後半から膨張行程
にかけて断熱構造の燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射ノ
ズル、排気行程終了後の膨張行程で前記燃焼室に水を噴
射する水噴射ノズル、及び水噴射後の排気行程で開弁し
且つ前記タービンをバイパスする側の排気ポートに設け
た排気サブバルブから構成したので、排気行程終了後の
膨張行程でシリンダ内ガス雰囲気に向けて水噴射ノズル
から水噴射することによって、壁面より熱エネルギーを
回収すると共に、高温壁面からの熱エネルギーで気化さ
れた水蒸気は膨張仕事をすることができ、次いで該水蒸
気は前記排気サブバルブが開放する排気行程で排気さ
れ、排気管に設けた後流のターボチャージャのタービン
をバイパスするので、背圧はほぼ零になり、気化した水
蒸気はスムースに排気され、燃焼室の壁温は冷却され、
壁面温度の過熱を防止し、壁面温度の低下により吸入効
率を向上でき、壁温の熱エネルギーを有効に回収でき、
従って、エンジン効率を向上できる。
或いは、この6サイクル断熱エンジンは、吸入、圧
縮、膨張、排気に次いで膨張及び排気の各行程を行うも
のであり、圧縮行程後半から膨張行程にかけて断熱構造
の燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射ノズル、及び前記燃
焼室に圧縮行程後半から膨張行程にかけて水を噴射し、
次いで、排気行程終了後の膨張行程で水を噴射する水噴
射ノズル、から構成したので、2回の水噴射によって燃
焼室の壁面からは十分に熱エネルギーが回収され、最適
状態にまで冷却されることになる。従って、引き続く吸
入行程において吸入空気は壁面からそれほど受熱するこ
とがなく、吸入行程における吸入効率を向上させること
ができる。即ち、エンジンが高速高負荷になり、燃焼室
内が高温になる状態になっても、燃焼室内は2度の水噴
射で冷却され、燃焼室内は冷却され且つ壁面エネルギー
を有効に回収し、壁温の低下により吸入効率を向上させ
る。しかも、この6サイクル断熱エンジンで高排ガスエ
ネルギーを得ることができることは勿論のことである。
更に、エンジンの作動行程が6サイクルであるので、エ
ンジンの大きさに比べて出力の低下が心配されるが、上
記のように、6サイクル中に2回の水噴射によって燃焼
室の壁面温度がコントロールされており、吸入空気量を
多くすることができるので、燃料噴射量を4サイクルエ
ンジンの時より多く噴射でき、高温高負荷に対応できる
と共に、4サイクルエンジンと同等の出力を確保するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による6サイクル断熱エンジンの一実
施例を示す説明図、第2図は第1図の6サイクル断熱エ
ンジンにおける燃料噴射時期、水噴射時期、エンジン作
動状態及び燃焼室内圧力を示す説明図、第3図はこの発
明による6サイクル断熱エンジンの別の実施例を示す説
明図、並びに第4図は第3図の6サイクル断熱エンジン
における燃料噴射時期及び水噴射時期を示す説明図であ
る。 1……燃焼室、2……ヘッドライナ、3……壁温センサ
ー、5……燃料噴射ノズル、7……水噴射ノズル、8…
…排気メインバルブ、9……ピストンヘッド、10……シ
リンダヘッド、12……吸気ポート、13,31……排気ポー
ト、19……燃料噴射ポンプ、20……水噴射ポンプ、30…
…排気サブバルブ、35,36……タービン、38……排気バ
ルブ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排ガスをタービンを通じて排気する側の排
    気ポートに設けた排気メインバルブ、圧縮行程後半から
    膨張行程にかけて断熱構造の燃焼室に燃料を噴射する燃
    料噴射ノズル、排気行程終了後の膨張行程で前記燃焼室
    に水を噴射する水噴射ノズル、及び水噴射後の排気行程
    で開弁し且つ前記タービンをバイパスする側の排気ポー
    トに設けた排気サブバルブ、から成る吸入、圧縮、膨
    張、排気に次いで膨張及び排気の各行程を行う6サイク
    ル断熱エンジン。
  2. 【請求項2】圧縮行程後半から膨張行程にかけて断熱構
    造の燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射ノズル、及び前記
    燃焼室に圧縮行程上死点から膨張行程にかけて水を噴射
    し、次いで排気行程終了後の膨張行程で水を噴射する水
    噴射ノズルから成る、吸入、圧縮、膨張及び排気行程に
    次いで膨張及び排気行程を行う吸入、圧縮、膨張、排気
    に次いで膨張及び排気の各行程を行う6サイクル断熱エ
    ンジン。
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