JPH06108865A - コジェネレーション型ガスエンジン - Google Patents

コジェネレーション型ガスエンジン

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JPH06108865A
JPH06108865A JP4282221A JP28222192A JPH06108865A JP H06108865 A JPH06108865 A JP H06108865A JP 4282221 A JP4282221 A JP 4282221A JP 28222192 A JP28222192 A JP 28222192A JP H06108865 A JPH06108865 A JP H06108865A
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exhaust gas
steam
gas
engine
energy
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Hideo Kawamura
英男 河村
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M26/00Engine-pertinent apparatus for adding exhaust gases to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture, e.g. by exhaust gas recirculation [EGR] systems
    • F02M26/02EGR systems specially adapted for supercharged engines
    • F02M26/08EGR systems specially adapted for supercharged engines for engines having two or more intake charge compressors or exhaust gas turbines, e.g. a turbocharger combined with an additional compressor

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、排気ガスをターボチャージャ、エ
ネルギー回収装置及び蒸気発生装置を通して排気ガス温
度を低下させ、低温の排気ガスをEGRに使用してNO
X を低減するコジェネレーション型ガスエンジンを提供
する。 【構成】 本発明は、遮熱型ガスエンジン50からの排
気ガスによってターボチャージャ51を駆動し、該ター
ボチャージャ51からの排気ガスで発電機57を備えた
エネルギー回収装置52を駆動する。エネルギー回収装
置52からの排気ガスで蒸気発生装置54で水を蒸気に
変換し、該蒸気によって蒸気タービン58を駆動して電
気エネルギーとして回収する。蒸気発生装置54を通過
した排気ガスをターボチャージャ51のコンプレッサ7
1に送り込んでEGRを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ナチュラルガスを燃
料とするガスエンジンを備えて電気エネルギーと温水を
発生させるコジェネレーション型ガスエンジンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、天然ガス即ちナチュラルガスを主
燃料とするガスエンジンは、コジェネレーション型エン
ジンとして、官公庁研究機関或いは民間会社で開発が進
められている。このコジェネレーション型エンジンは、
動力を発電機で電気エネルギーとして取り出し、排気ガ
スエネルギーが有する熱を熱交換器で水を加熱して温水
にして給湯用として利用している。そして、このエンジ
ンは、都市内電気供給システムとして利用されることが
期待されている。即ち、ガスエンジンをコジェネレーシ
ョンシステムに用いる場合に、一般の冷却エンジンで
は、冷却水によるエンジン冷却回路と、排気ガスを冷却
する二系統の冷却回路を持っている。また、排気ガスを
冷却する冷却回路とエンジン冷却回路はいずれも気水分
離タンク等を持ち、蒸気による二次熱交換器によって温
水供給を行う。
【0003】ナチュラルガスを燃料とするエンジンとし
て、例えば、特開昭54−156911号公報、特開昭
63−6358号公報、特開平1−232119号公報
に開示されたものがある。
【0004】特開昭54−156911号公報に開示さ
れた内燃機関は、吸入空気を圧縮して主燃焼室に供給
し、吸入空気の一部をジェットセル点火室中に供給し、
パラフィン系の炭化水素燃料を上記ジェットセル点火室
中に噴射して濃厚な混合物を生成し、吸入空気と混合物
を更に圧縮し、パラフィン系の炭化水素燃料を主燃焼室
中に噴射し、一方で吸入空気と混合物を更に圧縮して希
薄な混合物を主燃焼室内に生成させ、ジェットセル点火
室中の混合物を両混合物の完全圧縮が達成される前に点
火して熱いガスの流れを生成し、該熱いガスの流れを主
燃焼室内の上記混合物中に投入してこの主燃焼室内の混
合物を点火し、NOX の生成を低減するものである。
【0005】また、特開昭63−6358号公報に開示
されたガスエンジン駆動型ヒートポンプシステムは、可
燃ガスをバッファタンクに貯留し、このバッファタンク
より可燃ガスを複数台のヒートポンプに蓄えられた駆動
用ガスエンジンに分配供給し、ヒートポンプで気液分離
後の温泉水を所要温度に加熱し、加熱後の温泉水を熱負
荷に供給するように構成してあるものであり、バッファ
タンクに圧力センサーを設けると共に、圧力センサーに
よるバッファタンクの検出圧が高圧設定圧から低圧設定
圧に低下する毎に、ガス供給対象ヒートポンプの数順次
減少させる制御手段を有しているものである。
【0006】また、特開平1−232119号公報に開
示された水素・液化天然ガス用エンジンは、エンジンの
低負荷運転状態においては燃料たる水素と液化天然ガス
との何れか一方を供給すると共に、エンジンの高負荷運
転状態においては燃料たる液化天然ガスを供給すべき制
御手段を設けたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、遮熱型ガス
エンジンの排気ガス温度は、相当に高く、その排気ガス
エネルギー即ち熱量は多いので、該排気ガスエネルギー
で水を加熱して蒸気を生成することは容易である。しか
も、その蒸気を用いてタービンを回転させることが可能
である。
【0008】しかしながら、ナチュラルガスを燃料とす
るガスエンジンは、燃料がガス体であるので、ガソリン
と同じように燃料ガスを吸気バルブから吸入され、圧
縮、着火されるので、圧縮比を大きくすることができ
ず、理論熱効率(η=仕事の熱換算/燃料の熱量)は必
ずしも高くない。通常使用されているガスエンジンは、
圧縮比が12〜13程度であり、理論熱効率は48%に
過ぎないものであり、ガスエンジンの動力を電気エネル
ギーにした場合には、熱効率は34〜35%で、場合に
よっては30%を割るような効率である。従って、冷却
水損失及び排気ガスエネルギーとしては、燃料の65〜
70%のものが放出されることになり、この熱エネルギ
ーを熱交換器によって温水を作り、給湯用にしても該温
水が余り多量であり一般の利用設備では十分に利用でき
ないという現状である。従って、ガスエンジンから得ら
れる電気エネルギーとしては、コストの高いものにな
る。しかも、このようなガスエンジンは、圧縮比が18
以上であるディーゼルエンジンの理論熱効率57%と
は、大幅に異なるものである。
【0009】そこで、ガスエンジンの動力を電気エネル
ギーとして取り出す場合に、熱効率を向上させることが
望まれているのが現状である。そこで、ガスエンジンに
遮熱型ガスエンジンを取り入れ、熱効率を向上させるこ
とが考えられるようになった。ガスエンジンは、ナチュ
ラルガスを燃料とするものであり、燃料が気体である。
そこで、吸入行程で空気及びガス燃料をシリンダ内に吸
入し、それを圧縮して高圧縮すると、温度が高くなり、
自己着火の現象が起こり、ノッキングが発生することに
なる。しかるに、ナチュラルガスのガス燃料は圧縮比が
12以下でないと、自己着火するものである。
【0010】特に、コジェネレーション型ガスエンジン
では、排気ガスのレベル低減が重要な課題である。窒素
酸化物の低減のためには、EGR(排気ガス再循環)が
効果的と言われている。しかしながら、遮熱型ガスエン
ジンでは、排出される排気ガスは高温であるが、EGR
として使用される排気ガスは温度が低い程、NOX の発
生が低減できるという現象がある。また、遮熱型ガスエ
ンジンでは、燃焼室の壁面温度が上昇するので、該燃焼
室に供給された燃料は着火タイミング前に自己着火する
という自己着火性の問題が増加する。即ち、遮熱型ガス
エンジンでは、燃焼室壁面温度が約600℃以上に高く
なるため、ナチュラルガス、ガソリン等を燃料とした場
合には、圧縮比を高くなるように構成すると、吸気弁か
ら燃料ガスと空気とが混合して高圧縮されると、自己着
火が発生し、上死点TDCのはるか手前で燃焼を始める
ことになり、ノッキングを起こしてエンジンとして成立
しないものになる。
【0011】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、NOX の低減を図るためガスエン
ジンから排出される排気ガスを使用してEGRを行い、
EGRに使用する排気ガスの温度を低下させることであ
り、特に、遮熱型ガスエンジンの排気ガスの温度を低下
させた状態でEGRに使用し、排気ガスエネルギーをエ
ネルギー回収装置で電気エネルギーとして回収し、該エ
ネルギー回収装置からの排気ガスによって第1熱交換器
で水を加熱して蒸気を生成し、その蒸気を用いて蒸気タ
ービンを回転させて電気エネルギーとして回収し、特に
第1熱交換器で熱エネルギーを吸収されて温度が低下し
た排気ガスをターボチャージャのコンプレッサに送り込
んでEGRを行なうコジェネレーション型ガスエンジン
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、ナチュラルガスを燃料とするガスエンジン
及び該ガスエンジンの回転軸に取り付けて電気エネルギ
ーを取り出す発電機を有するコジェネレーション型ガス
エンジンにおいて、前記ガスエンジンの排気ガスエネル
ギーによって駆動されるターボチャージャ、該ターボチ
ャージャから排気される排気ガスエネルギーで駆動され
るタービンと発電機を備えたエネルギー回収装置、前記
タービンから排気される排気ガスの熱エネルギーで蒸気
を発生させる蒸気発生換器、該蒸気発生換器から放出さ
れた蒸気によって駆動される前記エネルギー回収装置に
設けた蒸気タービン、該蒸気タービンから排出される蒸
気が送り込まれる熱交換器、及び前記蒸気発生装置を通
過した排気ガスを排出する排気通路と前記ターボチャー
ジャのコンプレッサへ空気を供給する空気通路とを連通
する調整バルブを備えた排気ガス再循環通路、を有する
ことを特徴とするコジェネレーション型ガスエンジンに
関する。
【0013】また、このコジェネレーション型ガスエン
ジンは、エンジン負荷を検出するセンサー、及び該セン
サーの検出信号に応答して複数の気筒の作動状態を休筒
又は運転制御して1気筒当たりのエンジン負荷を可及的
に高くする制御を行なうコントローラを有するものであ
る。
【0014】
【作用】この発明によるコジェネレーション型ガスエン
ジンは、上記のように構成されており、次のように作用
する。即ち、このコジェネレーション型ガスエンジン
は、排気ガスエネルギーによって駆動されるターボチャ
ージャ、該ターボチャージャから排気される排気ガスエ
ネルギーで駆動されるタービンと発電機を備えたエネル
ギー回収装置、及び前記タービンから排気される排気ガ
スの熱エネルギーで蒸気を発生させる蒸気発生装置を有
し、及び前記蒸気発生装置を通過した排気ガスを排出す
る排気通路と前記ターボチャージャのコンプレッサへ空
気を供給する空気通路とを連通する調整バルブを備えた
排気ガス再循環通路を有するので、前記排気ガス再循環
通路を通って前記コンプレッサへ供給される排気ガスは
低温になっている。
【0015】それ故に、このコジェネレーション型ガス
エンジンでは、低温の排気ガスをEGRに使用でき、E
GRの効果が大きくなる。即ち、排気ガス中のCO、C
2が空気中のガス量を大きくし、CO、CO2 が空気
中に適当に分散して温度が低いと、NOX を低減すると
いう効果がある。また、低温の排気ガスが新気に混合さ
れても、吸入空気を上昇させることがなく、圧縮端温度
を余り高くすることがないので、燃焼温度を低くコント
ロールできてNOX の発生を低減するという効果があ
る。更に、EGRに使用する排気ガスの温度が低いと、
新気を膨張させることもなく、所定量の新気をエンジン
に供給できる。また、通常、ターボチャージャのコンプ
レッサはアルミニウム合金で作製されているので、高温
の排気ガスをコンプレッサに通すと腐食等の問題が発生
するが、このコジェネレーション型ガスエンジンは、温
度の低い排気ガスをEGRに使用するので、腐食等の問
題が発生しない。
【0016】例えば、ガスエンジンにおいて、燃焼室を
遮熱構造に構成して遮熱型ガスエンジンに構成した場合
には、排気ガスの温度は900℃程になり、該排気ガス
がターボチャージャのタービンを駆動することによって
排気ガスの温度は700℃程に低下する。次いで、ター
ビンから排出された排気ガスがエネルギー回収装置のタ
ービンを駆動し、その排気ガスの温度は600℃〜50
0℃に低下する。次いで、エネルギー回収装置のタービ
ンから排出する排気ガスを蒸気発生装置に通し、蒸気発
生装置で熱エネルギーを吸収された排気ガスの温度は3
00℃程度にまで低下する。また、蒸気発生装置で発生
した蒸気は給湯用熱交換器に送り込まれ、蒸気温度は2
00℃〜100℃にまで低下する。従って、EGRに使
用される排気ガスは300℃程度であり、蒸気発生装置
の構造によっては排気ガスの温度を100℃〜200℃
まで低下させることができ、NOX の発生を低減するこ
とができる。
【0017】また、このコジェネレーション型ガスエン
ジンは、遮熱型ガスエンジンの排気ガスエネルギーによ
ってターボチャージャを駆動し、該ターボチャージャの
タービンから排気される排気ガスエネルギーで発電機を
備えたエネルギー回収装置を駆動し、該エネルギー回収
装置のタービンから排気される排気ガスは蒸気発生装置
で水を熱交換して蒸気に変換し、該蒸気によって前記エ
ネルギー回収装置に設けた蒸気タービンを駆動し、更
に、該蒸気タービンから排出される高温の蒸気を熱交換
器で熱交換して給湯用の水を加熱するので、排気ガスエ
ネルギーを蒸気にして電気エネルギーと給湯用として回
収でき、高効率のシステムを提供することができる。
【0018】即ち、前記遮熱型ガスエンジンの熱効率が
約40%とすれば、前記ターボチャージャと前記エネル
ギー回収装置で約15%の熱エネルギーを電気エネルギ
ーとして回収され、更に前記蒸気タービンで約5%の熱
エネルギーを電気エネルギーとして回収され、合計で熱
効率が約60%の高効率のエンジンを提供することでき
る。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明によるコジ
ェネレーション型ガスエンジンの実施例を説明する。図
1はこの発明によるコジェネレーション型ガスエンジン
の一実施例を示す概略説明図、図2はこのコジェネレー
ション型ガスエンジンに組み込まれたターボチャージャ
の一実施例を示す概略断面図、図3はこのコジェネレー
ション型ガスエンジンに組み込まれたエネルギー回収装
置の一実施例を示す概略断面図、図4はこのコジェネレ
ーション型ガスエンジンに組み込まれた遮熱型ガスエン
ジンの一実施例を示す概略断面図、及び図5は図4の線
A−Aにおける断面図である。
【0020】このコジェネレーション型ガスエンジン
は、天然ガス即ちナチュラルガスを燃料とするガスエン
ジン、及び該ガスエンジンの回転軸61に取り付けて電
気エネルギーを取り出す発電機60を有するものであ
り、電気エネルギーと温水を供給することができるもの
である。更に、この実施例では、ガスエンジンとして遮
熱型ガスエンジン50を使用したものである。
【0021】このコジェネレーション型ガスエンジン
は、遮熱型ガスエンジン50の排気ガスエネルギーによ
って駆動されるターボチャージャ51、ターボチャージ
ャ51のタービン56から排気される排気ガスエネルギ
ーで駆動されるタービン59と発電機57を備えたエネ
ルギー回収装置52、エネルギー回収装置52のタービ
ン59から排気される排気ガスの熱エネルギーで高温の
蒸気を発生させる熱交換器である蒸気発生装置54、蒸
気発生装置54からの蒸気によって駆動されるエネルギ
ー回収装置52に設けた蒸気タービン58、及び蒸気タ
ービン58から排出される高温の蒸気で温水を発生させ
る給湯用熱交換器53を有している。
【0022】このコジェネレーション型ガスエンジンで
は、蒸気タービン58から排出される蒸気を利用して熱
交換器53で水を加熱して温水にし、該温水は給湯用に
利用できるものである。ターボチャージャ51は、ター
ビンとコンプレッサから成るTCを使用してもよく、或
いは、図2に示すように、遮熱型ガスエンジン50から
の排気ガスで駆動されるタービン56、該タービン56
にシャフト73で連結されたコンプレッサ71及びシャ
フト73に設けた発電・電動機72を有しているTCG
を使用することもできる。また、エネルギー回収装置5
2は、図3に示すように、ターボチャージャ51からの
排気ガスエネルギーで駆動されるタービン59と蒸気発
生装置54からの蒸気で駆動される蒸気タービン58と
はシャフト74で連結され、シャフト74にはエネルギ
ー回収装置52に設けた発電機57が取り付けられてい
る。
【0023】このコジェネレーション型ガスエンジンに
おいて、遮熱型ガスエンジン50で発生した排気ガス
は、排気通路70を通ってターボチャージャ51のター
ビン56に送り込まれ、排気ガスが有する排気ガスエネ
ルギーは発電・電動機72で電気エネルギーとして回収
されて電力合成手段33に蓄えられると共に、コンプレ
ッサ71を駆動する。コンプレッサ71を駆動すること
で吸入空気が吸気通路69を通じて遮熱型ガスエンジン
50に過給される。タービン56から排気される排気ガ
スは、排気通路65を通じてエネルギー回収装置52の
タービン59に送り込まれ、排気ガスが有する排気ガス
エネルギーは発電機57で電気エネルギーとして回収さ
れて電力合成手段33に蓄えられる。更に、エネルギー
回収装置52のタービン59から排気される排気ガス
は、高速ではないが相当に高温であって熱エネルギーを
有しているので、その排気ガスを排気通路66を通って
蒸気発生装置54に送り込み、排気ガスで水を加熱して
蒸気を発生させる。水を加熱して蒸気を発生させた排気
ガスは、熱エネルギーを奪われて温度も低く、速度エネ
ルギーも殆ど有していないので排気通路67を通じて排
出する。
【0024】特に、このコジェネレーション型ガスエン
ジンは、温度の低い排気ガスをEGRに用いてNOX
発生を低減することであり、蒸気発生装置54を通過し
た排気ガスを排出する排気通路67とターボチャージャ
51のコンプレッサ71へ空気を供給する空気通路37
とを連通する排気ガス再循環通路36を有している。し
かも、排気ガス再循環通路36と空気通路37との連結
部には、EGRの排気ガスの流量を調整するために調整
バルブ35が設けられている。このように、排気ガス再
循環通路36を設けることによって、排気ガスは熱エネ
ルギーをターボチャージャ51、エネルギー回収装置5
2及び蒸気発生装置54で十分に吸収され、温度の低下
した排気ガスをEGRに利用できるようになる。排気ガ
スの温度を低くすれば、該排気ガスをEGRに用いて
も、窒素酸化物NOX の発生を低減させることができ、
極めて有効である。また、図4に示すように、主室1と
副室2との連絡を遮断する連絡孔弁4を有するガスエン
ジンでは、主としてNOX は主室1で発生するが、その
主室1に排気ガスをEGRとして送り込むことによって
主室1で発生するNOX の発生を抑制できる。
【0025】例えば、遮熱型ガスエンジンを用いた場合
には、排気ガスの温度は900℃程になり、該排気ガス
がターボチャージャ51のタービン56を駆動して排気
ガスの温度は700℃程に低下する。次いで、タービン
56から排出された排気ガスがエネルギー回収装置52
のタービン59を駆動し、その排気ガスの温度は600
℃〜500℃に低下する。次いで、エネルギー回収装置
52のタービン59から排出する排気ガスを蒸気発生装
置54に通し、蒸気発生装置54で熱エネルギーを吸収
された排気ガスの温度は300℃程度にまで低下する。
従って、EGRに使用される排気ガスは300℃程度で
あり、蒸気発生装置54の構成によっては排気ガスの温
度を100℃〜200℃まで低下させることができ、ガ
スエンジンのNOX の発生を低減することができる。ま
た、蒸気発生装置54で発生した蒸気は給湯用熱交換器
53に送り込まれ、蒸気温度は200℃〜100℃にま
で低下し、その蒸気は放出され、熱エネルギーは大気に
放熱される。
【0026】また、このコジェネレーション型ガスエン
ジンにおいて、EGRを行なう場合に、EGRの排気ガ
ス中のCO2 の濃度が常に問題になる。そこで、ガスエ
ンジンにエンジン負荷を検出するセンサー、及び該セン
サーの検出信号に応答して複数の気筒の作動状態を休筒
又は運転制御して1気筒当たりのエンジン負荷を可及的
に高くする制御を行なうコントローラを設ける。例え
ば、ガスエンジンの部分負荷時には、コントローラによ
って予め決定した気筒を休筒し、低減した気筒で運転を
行い、それによって1気筒あたりの負荷を増加させ、エ
ンジン負荷を高くすることができ、EGRの排気ガスと
して好ましいものである。
【0027】また、蒸気発生装置54で発生した蒸気
は、蒸気通路62を通ってエネルギー回収装置52の蒸
気タービン58に送り込まれる。蒸気タービン58のノ
ズル75から吹き込まれた蒸気はブレード76を回転さ
せ、シャフト74の回転力となり、発電機57で電気エ
ネルギーとして回収される。蒸気タービン58から排出
される蒸気はまだ高温であるので、蒸気通路63を通じ
て熱交換器53に送り込まれる。熱交換器53では、該
蒸気で水を加熱して温水にし、その温水はクリーンな温
水となるので温水通路68を通じて給湯用に利用され
る。また、蒸気は熱交換器53で熱エネルギーが奪われ
て水になって放出されるが、場合によっては、該水は水
ポンプ等によって再び蒸気発生装置54に送り込んで循
環させることもできる。
【0028】このコジェネレーション型ガスエンジン
は、遮熱型ガスエンジン50を使用しており、排気ガス
温度は相当に高温であり、その熱量は多いので、排気ガ
スで蒸気を発生させることは容易である。その蒸気を利
用して蒸気タービン58を回転させることができ、更
に、蒸気タービン58を回転させた後、残った排気ガス
の熱エネルギーを利用して熱交換器53によって給湯を
行うことができるものである。この遮熱型ガスエンジン
50には、冷却系が設けられていないので、遮熱型ガス
エンジン50の熱効率が、例えば、40%以上で燃焼す
ると、残りの60%は排気ガスエネルギーとしてその熱
量が移動する。排気ガスエネルギーは、ターボチャージ
ャ51及びエネルギー回収装置52によって15%が動
力に変換される。残りの熱エネルギーは、水供給源38
から通路64を通じて蒸気発生装置54に供給された水
を蒸気発生装置54によって蒸気に変換するために使わ
れ、大量の蒸気を発生する。その蒸気は、エネルギー回
収装置52に設けた蒸気タービン58を駆動し、発電機
57によって電気エネルギーとして5%の動力を回収す
る。その後、熱交換器53で高温の蒸気は、そのエネル
ギーを水道水等の水供給源34からの水を加温して通路
68を通じて給湯用として使われる温水を発生させるた
めに利用される。以上のように、このコジェネレーショ
ン型ガスエンジンでは、電気エネルギーを発生させるた
め60%の熱効率が得られ、電気エネルギーとして極め
て高い効率のエンジンを提供できる。
【0029】次に、遮熱型ガスエンジン50の一実施例
を、図4及び図5を参照して説明する。遮熱型ガスエン
ジンは、シリンダブロック14、シリンダブロック14
に固定されたシリンダヘッド7、シリンダヘッド7に形
成された吸気ポート25、吸気ポート25に配置された
吸気弁20、シリンダヘッド7に形成された排気ポート
31、排気ポート31に配置された排気弁32、シリン
ダヘッド7に形成した穴部19に配置した遮熱構造の壁
体3で形成した副室2、シリンダブロック14に形成し
た孔部21に嵌合したシリンダライナ22、該シリンダ
ライナ22に形成したシリンダ18内を往復運動するピ
ストン15、シリンダ18側に形成される遮熱構造の主
室1、及び主室1と副室2とを連通する壁体3に形成し
た連絡孔30を有している。
【0030】遮熱型ガスエンジン50において、主室1
はシリンダヘッド7に形成した穴部9に嵌合した壁体で
あるヘッドライナ10で形成されている。ヘッドライナ
10は、シリンダ18の一部を構成するライナ上部28
とヘッド下面部11から構成されている。ヘッド下面部
11の上面には、副室2を構成する壁体3が一体的に形
成されている。壁体3は、シリンダヘッド7の穴部19
に嵌合した上部壁体12と下部壁体13から構成されて
いる。ヘッド下面部11には、吸排気弁20,32のバ
ルブシート26と連絡孔弁4のバルブシート24が形成
されている。
【0031】遮熱型ガスエンジン50において、燃料と
してのナチュラルガスを収容した燃料タンク27、燃料
タンク27からのナチュラルガスを蓄圧する蓄圧室6、
蓄圧室6のナチュラルガスを燃料入口23から副室2に
供給するため、副室2と蓄圧室6を連通する燃料通路
8、主室1と副室2とを連通する連絡孔30に配置した
連絡孔弁4、燃料入口23に配置して吸入行程に開放し
て副室2にナチュラルガスを供給する燃料弁5を有して
いる。連絡孔30の領域では、燃焼ガスで高温になるた
め、連絡孔30に配置した連絡孔弁4は高温強度を有す
る耐熱性に優れた窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミッ
クスから製作されている。燃料弁5は、電磁力で開閉さ
れる電磁バルブ駆動装置を有し、エンジン負荷に応じて
開弁期間が決定されている。燃料弁5が燃料入口23を
開放することによって、ナチュラルガスであるガス燃料
が蓄圧室6から必要量だけ副室2に供給される。
【0032】また、ピストン15は、耐熱性に優れた窒
化ケイ素当のセラミックスから成るピストンヘッド16
と、ピストンヘッド16に結合リング29でメタルフロ
ーによって固定したピストンスカート17から構成され
ている。ヘッドライナ10、壁体3を構成する上部壁体
12と下部壁体13、シリンダライナ22及びピストン
ヘッド16は、耐熱性に優れた窒化ケイ素等のセラミッ
クスで作製されている。従って、燃焼後期のガス温度が
高くなっても十分な強度を有し、未燃炭化水素HC等の
排出が少なくなり、高効率エンジンを達成できる。
【0033】遮熱型ガスエンジン50は、吸入行程、圧
縮行程、膨張行程及び排気行程の4つの行程を順次繰り
返すことによって作動されるものであり、まず、吸入行
程では、吸気弁20が吸気ポート25を開放して主室1
に吸入空気が供給され、連絡孔弁4によって連絡孔30
を閉鎖した状態で燃料弁5を開放して燃料通路8を通じ
て蓄圧室6から副室2にナチュラルガスの燃料が供給さ
れる。この時、副室2には、燃焼後の排気ガスが残留し
ているので、蓄圧室6からのガス燃料が導入されると、
ガス燃料は受熱して副室2内で活性化する。
【0034】次に、圧縮行程では、連絡孔弁4によって
連絡孔30を閉鎖しておき、主室1での吸入空気の圧縮
比を大きくする。次いで、圧縮行程終盤で連絡孔弁4が
連絡孔30を開放し、連絡孔30を通じて高圧縮で高温
化した空気を主室1から副室2へ流入させ、該吸入空気
は活性化したガス燃料と混合を促進して着火燃焼し、燃
焼が急速に進展して副室2の火炎が主室1へ噴出し、膨
張行程へ移行し、主室1に存在する新気と混合を促進し
て短期間に燃焼を完結する。この膨張行程では、連絡孔
30の開放状態を維持して副室2から主室1へ火炎を噴
出させて仕事をさせ、排気行程終了で連絡孔30を閉鎖
する。
【0035】遮熱型ガスエンジン50は、副室2に連絡
孔30と燃料入口23を設け、ナチュラルガスを溜めた
燃料タンク27からのナチュラルガスを蓄圧室6に蓄圧
し、該蓄圧室6のナチュラルガスを連絡孔弁4で連絡孔
30を閉鎖した状態で燃料入口23から副室2内に供給
し、また吸気ポート25から主室1へ吸入した吸入空気
を連絡孔弁4で連絡孔30を閉鎖した状態で副室2には
吸入空気が供給されない状態でピストン15の上昇の圧
縮行程で圧縮されるので、吸入空気が主室1内で高圧縮
比になっても副室2内に供給された燃料が自己着火する
ことなく、ノッキングが発生することがない。連絡孔弁
4が連絡孔30を開放することで、主室1から高圧縮比
の吸入空気が副室2に流入して燃料ガスと吸入空気とが
混合して着火し、当量比の大きい燃料リッチな状態で高
速燃焼してNOX の発生が抑制される。更に、燃焼後の
排気ガスを含んだ副室2には、蓄圧室6からのガス燃料
が導入され、該ガス燃料は受熱して活性化する。また、
吸入空気が主室1内で高圧縮比になっても副室2は連絡
孔弁4で閉鎖しており、副室2内の活性化したガス燃料
が自己着火することなく、ノッキングが発生することが
ない。
【0036】更に、連絡孔30が開放することで、主室
1から高圧縮で且つ高温化した空気が副室2に流入して
ガス燃料と吸入空気との混合が一気に促進して着火し、
当量比の大きい燃料リッチな状態で高速燃焼してNOX
の発生が抑制される。そして、副室2内は一気に圧力が
上昇し、燃焼が促進され、それと同時に、連絡孔30を
通じて副室2から主室1へ火炎は一気に噴出し、該火炎
は主室1で新気と混合を促進して燃焼スピードを上昇し
て理想的な二次燃焼を完結する。従って、この遮熱エン
ジンは、NOX 、HC等の発生を大幅に低減できる。燃
料弁5は電磁力で駆動され、燃料弁5はエンジン負荷の
作動状態を検出する負荷センサーの検出信号に応答して
コントローラによって開弁期間を決めるように設定でき
る。
【0037】
【発明の効果】この発明によるコジェネレーション型ガ
スエンジンは、上記のように構成されており、次のよう
な効果を有する。即ち、このコジェネレーション型ガス
エンジンは、排気ガスエネルギーによって駆動されるタ
ーボチャージャ、該ターボチャージャから排気される排
気ガスエネルギーで駆動されるタービンと発電機を備え
たエネルギー回収装置、及び前記タービンから排気され
る排気ガスの熱エネルギーで蒸気を発生させる蒸気発生
装置を有し、及び前記蒸気発生装置を通過した排気ガス
を排出する排気通路と前記ターボチャージャのコンプレ
ッサへ空気を供給する空気通路とを連通する調整バルブ
を備えた排気ガス再循環通路を有するので、EGRの排
気ガスを前記調整バルブを調節して前記排気ガス再循環
通路を通って前記コンプレッサへ供給することになる
が、前記蒸気発生装置を通過した排気ガスは熱エネルギ
ーを吸収されて低温になっている。それ故に、低温の排
気ガスをEGRとしてガスエンジンに再循環させるのに
使用でき、NOX の発生を低減することができる。
【0038】例えば、遮熱型ガスエンジンに構成した場
合には、排気ガスの温度は900℃程であるが、その排
気ガスエネルギーによって、ターボチャージャのタービ
ンを駆動し、エネルギー回収装置のタービンを駆動し、
更に、蒸気発生装置に通して熱エネルギーを吸収するこ
とによって、排気ガスの温度は300℃程度、場合によ
っては排気ガスの温度を100℃〜200℃まで低下さ
せることができ、EGRの排気ガスとして極めて好まし
い温度になり、NOX の発生を低減することができる。
【0039】また、遮熱型ガスエンジンの排気ガスエネ
ルギーによってターボチャージャを駆動し、該ターボチ
ャージャのタービンから排気される排気ガスエネルギー
で発電機を備えたエネルギー回収装置を駆動し、該エネ
ルギー回収装置のタービンから排気される排気ガスの熱
エネルギーで蒸気を発生させる蒸気発生装置を有してお
り、該蒸気発生装置から放出された蒸気によって前記エ
ネルギー回収装置の蒸気タービンを駆動し、それによっ
て排気ガスの熱エネルギーを電気エネルギーに変換でき
るので、熱効率の高いシステムを提供することができ
る。更に、前記蒸気タービンから排出される高温の蒸気
を給湯用熱交換器で水を加熱して温水を発生させること
で、極めて高いエネルギー回収を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるコジェネレーション型ガスエン
ジンの一実施例を示す概略説明図である。
【図2】このコジェネレーション型ガスエンジンに組み
込まれたターボチャージャの一実施例を示す概略断面図
である。
【図3】このコジェネレーション型ガスエンジンに組み
込まれたエネルギー回収装置の一実施例を示す概略断面
図である。
【図4】このコジェネレーション型ガスエンジンに組み
込まれた遮熱型ガスエンジンの一実施例を示す概略断面
図である。
【図5】図4の線A−Aにおける断面図である。
【符号の説明】
35 調整バルブ 36 排気ガス再循環通路 37 空気通路 50 遮熱型ガスエンジン(ガスエンジン) 51 ターボチャージャ 52 エネルギー回収装置 53 熱交換器 54 蒸気発生装置 56,59 タービン 57 発電機 58 蒸気タービン 60 発電機 61 回転軸 67 排気通路 71 コンプレッサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナチュラルガスを燃料とするガスエンジ
    ン及び該ガスエンジンの回転軸に取り付けて電気エネル
    ギーを取り出す発電機を有するコジェネレーション型ガ
    スエンジンにおいて、前記ガスエンジンの排気ガスエネ
    ルギーによって駆動されるターボチャージャ、該ターボ
    チャージャから排気される排気ガスエネルギーで駆動さ
    れるタービンと発電機を備えたエネルギー回収装置、前
    記タービンから排気される排気ガスの熱エネルギーで蒸
    気を発生させる蒸気発生装置、該蒸気発生装置から放出
    された蒸気によって駆動される前記エネルギー回収装置
    に設けた蒸気タービン、該蒸気タービンから排出される
    蒸気が送り込まれる熱交換器、及び前記蒸気発生装置を
    通過した排気ガスを排出する排気通路と前記ターボチャ
    ージャのコンプレッサへ空気を供給する空気通路とを連
    通する調整バルブを備えた排気ガス再循環通路、を有す
    ることを特徴とするコジェネレーション型ガスエンジ
    ン。
  2. 【請求項2】 エンジン負荷を検出するセンサー、及び
    該センサーの検出信号に応答して複数の気筒の作動状態
    を休筒又は運転制御して1気筒当たりのエンジン負荷を
    可及的に高くする制御を行なうコントローラ、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のコジェネレーション
    型ガスエンジン。
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