JP2818119B2 - 人工衛星地上局 - Google Patents

人工衛星地上局

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JP2818119B2
JP2818119B2 JP6286845A JP28684594A JP2818119B2 JP 2818119 B2 JP2818119 B2 JP 2818119B2 JP 6286845 A JP6286845 A JP 6286845A JP 28684594 A JP28684594 A JP 28684594A JP 2818119 B2 JP2818119 B2 JP 2818119B2
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知博 藤原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、人工衛星と通信する
ための人工衛星地上局に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は、人工衛星、例えば、地球環境
や資源の調査を行なうことを目的とする地球観測衛星が
送信する電波を受信し、必要なデータを得るための従来
の人工衛星地上局の構成を示す。
【0003】同図において、1は人工衛星地上局であ
り、地球観測衛星(以下、「衛星」と記す)10−1,
10−2,・・・からの電波を受信するアンテナ2及び
その出力に基づいて受信処理を行う受信装置5−1,5
−2,・・・から構成される。ここで、複数の受信装置
5−1,5−2を備えるのは、人工衛星地上局1で複数
の衛星10−1、10−2、・・・それぞれについて電
波を受信し、処理するためである。すなわち、この種の
衛星からの電波を人工衛星地上局1が受信できる時間は
約15〜20分と短く、ただひとつの衛星を受信対象と
すると運用効率が悪くなる。そこで、人工衛星地上局1
は、通常、上空を通過する複数の衛星が送信する電波を
とらえて処理するようにつくられる。ところが、これら
の衛星はひとつひとつその仕様が異なるため、受信処理
にはそれぞれ専用の受信装置を必要とする。このため、
受信しようとする衛星それぞれについて専用の受信装置
を必要とするのである。
【0004】したがって、図11の受信装置5−1は、
専ら衛星10−1からのデータを受信し、受信装置5−
2は、専ら衛星10−2からのデータを受信する。な
お、図示するように衛星10−1,10−2は、データ
を送信するためのアンテナ10a−1,10a−2をそ
れぞれ備える。
【0005】次に動作について説明する。衛星10−
1,10−2は、地球環境や資源の調査をするための衛
星であり、いずれも地球の軌道上を移動しつつ大気や地
表を観測する。よって、静止衛星の場合とは異なり、衛
星10−1,10−2は地上から見て一ヶ所に止どまら
ず、順々に上空を通過する。なお、このとき衛星10−
1,10−2は同時に上空を通過するのではなく、一定
の間隔をあけて移動するものとする。
【0006】まず、人工衛星地上局1のアンテナ2は、
その方向を変化させて最初に通過する衛星10−1を追
跡し、衛星10−1のアンテナ10a−1から送信され
る電波を受信する。次に、衛星10−1が通過した後
に、人工衛星地上局1のアンテナ2は衛星10−2を追
跡し、衛星10−2のアンテナ10a−2から送信され
る電波を受信する。このように、アンテナ2は、地上か
ら見た衛星10−1,10−2の軌道に沿いつつ全天を
追跡する。なお、このときのアンテナの仰角(EL)は
5°以上が一般的である。
【0007】アンテナ2により受信された衛星10−1
の信号は専用の受信装置5−1で受信処理がなされる。
同様に、衛星10−2の信号は専用の受信装置5−2で
受信される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の人工
衛星地上局には、次のような問題点があった。第1の問
題点は、同時に複数の衛星が観測範囲に入ってきたとき
には対応できなかったことである。第2の問題点は、ア
ンテナの周囲の障害物により観測範囲が制限された場合
は、必要なデータを受信できなくなったことである。以
下、第1の問題点、第2の問題点について説明する。
【0009】まず、第1の問題点について説明する。こ
の人工衛星地上局1の観測範囲が図12のRANGEで
示す範囲であり、そして、このRANGE内において衛
星10−1,10−2がそれぞれPATH10−1,P
ATH10−2の経路を通って移動する場合を考える。
ここで、PATH10−1,PATH10−2はそれぞ
れ衛星10−1,10−2の直下点の軌跡を示し、PA
TH10−1,PATH10−2がRANGE内にある
ときはアンテナ2と衛星10−1,10−2との見通し
がとれて、送信された電波を受信することができる。な
お、観測範囲がどのように決定されるかについては後述
する。
【0010】このとき、図13(a)に示すように、衛
星10ー1がRANGE外に出てから衛星10−2がR
ANGE内に入る場合は、アンテナ2を衛星10−1、
10−2の順番で指向し、追尾すればよく、どちらの電
波も受信できる。これに対して、同図(b)に示すよう
に、時刻t1〜t2にかけてのT時間の間は、衛星10−
1と衛星10−2とが同時にRANGE内にあるとき
は、これらを同時に追尾することはできない。図12に
示すように、時刻t1(あるいは時刻t2)における衛星
10−1,10−2の位置が異なるからである。
【0011】次に、第2の問題点について説明する。衛
星10−1,10−2からの電波を受信するためには、
アンテナ2から衛星10−1,10−2を見通せなけれ
ばならない。ところで電波の障害物があって見通しがと
れなければ電波を受信できないから、どの範囲まで観測
できるかは、アンテナ2の周囲に存在する電波に対する
障害物の高さが問題となる。ここで、アンテナ2から見
た障害物の上端の輪郭をスカイラインと言う。このスカ
イラインは、一般にアンテナ2の全周についての方位角
(AZ角度:0°〜360°)に対する仰角(EL角
度)で表わされる。図14にスカイラインの一例を示
す。また、図15にEL角度の説明図を示す。
【0012】また、同じスカイラインに対しては、衛星
の高度が高いほど観測範囲が広がる。すなわち、図17
に示すように、衛星の高度h1,h2によってスカイライ
ン(この場合「山」)が与える影響が異なり、緯度、経
度が同一の衛星軌道(PATH)の場合、高度が高い
(h2)ときは見通しを確保できても、高度が低い
(h1)場合は「山」の影になって見通しがきかなくな
る。
【0013】したがって、実際のRANGEは上述した
スカイラインと衛星の高度により決まる。図16を用い
てこのことを説明する。同図において、RANGEaは
衛星の高度がh1のときの観測範囲であり、RANGE
bはスカイラインが同一であるとしたときの衛星の高度
がh2のときの観測範囲である。RANGEa,RAN
GEbは、いずれもアンテナ2の周囲の障害物による影
響を受けており、障害物がないとした場合よりも観測範
囲が狭くなっている(全く障害物がないとすればRAN
GEa,RANGEbいずれも円状になる)。また、衛
星の高度に対応して、RANGEbの方がRANGEa
よりも広い。
【0014】この場合において、衛星10−1がPAT
H10−1上を移動する場合、高度h1であれば、高度
2のときよりも観測範囲が狭く、データを受信できる
時間が短くなる。さらに、衛星10−2がPATH10
−2上を移動する場合、PATH10−2は観測範囲の
東端を通過するのでRANGEaの範囲外である。した
がって、衛星の高度がh2であればデータ受信が可能で
あるものの、衛星の高度が低くなりh1であるとすると
データ受信が不可能になる。このように、アンテナのス
カイラインにより観測範囲が制限された場合は、なんら
障害物がないとした場合に比べデータの受信に際して制
限が加わることになる。
【0015】以上の説明において、衛星から電波を受信
する場合を例にとったが、衛星に対し制御信号、通信信
号等を送信する場合についても同様であり、同じ問題が
生じる。
【0016】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、この発明の第1の目的は、同時
に複数の衛星が観測範囲に入ってきたときにも対応でき
る人工衛星地上局を提供することである。第2の目的
は、アンテナのスカイラインのデータ受信及び送信への
影響を軽減できる人工衛星地上局を提供することであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明に係る人工衛星
地上局は、他局と離隔して設置されていて、各局内に、
複数の衛星が発する電波を受信する受信アンテナと、
記受信アンテナからの出力信号を自局及び他局に分配す
る分配器と、自局または他局の上記分配器を介して分配
された受信アンテナからの出力信号のうちのいずれか1
つの出力信号を選択して出力する切替器と、上記切替器
の出力に基づき対応する衛星からの電波を専用にそれぞ
れ受信する複数の受信装置とを備えたものである。
【0018】また、上記各局の受信アンテナから1つの
受信アンテナを特定するとともに、特定された受信アン
テナの出力信号を選択するように上記切替器を制御する
管理装置を備えたことを特徴とするものである。
【0019】また、上記管理装置を、予め定められた上
記複数の衛星の観測時間表に基づき観測可能な1つの受
信アンテナを特定する構成としたことを特徴とするもの
である。
【0020】また、上記管理装置を、予め定められた上
記複数の衛星の軌道情報と予め定められた上記各局の
信アンテナそれぞれの観測範囲とに基づき観測可能な1
つの受信アンテナを特定する構成としたことを特徴とす
ものである。
【0021】
【0022】また、上記切替器を、上記受信アンテナか
ら出力されるアナログ信号が入力されるとともに、選択
されたアナログ信号を上記受信装置に対して出力する構
成としたことを特徴とするものである。
【0023】また、上記切替器を、上記受信アンテナか
ら出力されるアナログ信号から変換されたデジタル信号
が入力されるとともに、選択されたデジタル信号を上記
信装置に対して出力する構成としたことを特徴とする
ものである。
【0024】また、他の発明に係る人工衛星地上局は、
他局と離隔して設置されていて、各局内に、複数の衛星
中対応する衛星に対して送信信号をそれぞれ専用に生成
する複数の送信装置と、各送信装置からの送信信号の送
信を自局または他局のいずれかに選択して切り替えるた
めの複数の切替器と、自局及び他局の上記切替器を介し
て入力された送信装置からの送信信号を合成する合成器
と、衛星に対して該合成器を介した送信信号の電波を送
信する送信アンテナとを備えたものである。
【0025】また、上記各局の送信アンテナから1つの
送信アンテナを特定するとともに、特定された送信アン
テナを選択するように上記切替器を制御する管理装置を
備えたことを特徴とするものである。
【0026】また、上記管理装置を、予め定められた上
記衛星の観測時間表に基づき送信可能な1つの送信アン
テナを特定する構成としたことを特徴とするものであ
る。
【0027】また、上記管理装置を、予め定められた上
記衛星の軌道情報と予め定められた上記各局の送信アン
テナそれぞれの観測範囲とに基づき観測可能な1つの送
信アンテナを特定する構成としたことを特徴とするもの
である。
【0028】また、上記切替器を、上記送信装置から出
力されるアナログ信号が入力されるとともに、選択され
た送信アンテナに対してアナログ信号を出力する構成と
したことを特徴とするものである。
【0029】また、上記切替器を、上記送信装置から出
力されるデジタル信号が入力されるとともに、選択され
た送信アンテナに対してデジタル信号を出力する構成と
したことを特徴とするものである。
【0030】
【作用】この発明においては、複数の受信アンテナが複
数の衛星が発する電波を受信し、分配器を介して切替器
が上記複数の受信アンテナからの出力信号のうちのいず
れか1つの出力信号を選択して出力し、受信装置が上記
切替器の出力に基づき受信処理を行う。
【0031】また、管理装置が上記複数の受信アンテナ
から1つの受信アンテナを特定するとともに、特定され
た受信アンテナの出力信号を選択するように上記切替器
を制御する。
【0032】また、上記管理装置が、予め定められた上
記複数の衛星の観測時間表に基づき観測可能な1つの受
信アンテナを特定する。
【0033】また、上記管理装置が、予め定められた上
記複数の衛星の軌道情報と予め定められた上記複数の受
信アンテナそれぞれの観測範囲とに基づき観測可能な1
つの受信アンテナを特定する。
【0034】
【0035】また、上記切替器がアナログ信号の切換を
行う。
【0036】また、上記切替器がデジタル信号の切換を
行う。
【0037】また、他の発明に係る人工衛星地上局は、
複数の送信アンテナが衛星に対して電波を送信し、送
置が衛星に送信する信号を生成し、切替器が上記複数
の送信アンテナからいずれか1つの送信アンテナを選択
し、合成器を介して選択した送信アンテナに対し上記送
信装置が生成した信号を出力する。
【0038】また、管理装置が上記複数の送信アンテナ
から1つの送信アンテナを特定するとともに、特定され
た送信アンテナを選択するように上記切替器を制御す
る。
【0039】また、上記管理装置が、予め定められた上
記衛星の観測時間表に基づき送信可能な1つの送信アン
テナを特定する。
【0040】また、上記管理装置が、予め定められた上
記衛星の軌道情報と予め定められた上記複数の送信アン
テナそれぞれの観測範囲とに基づき観測可能な1つの送
信アンテナを特定する。
【0041】また、上記切替器がアナログ信号の切換を
行う。
【0042】また、上記切替器がデジタル信号の切換を
行う。
【0043】
【実施例】
実施例1.図1にこの発明の一実施例である人工衛星地
上局の構成を示す。同図は、2カ所に設置された人工衛
星地上局1a、1bにより、衛星10及び11からデー
タを受信する場合を示している。なお、人工衛星地上局
1a,1bは、例えば数百メートル程度離れて設置され
ることがある。
【0044】同図において、1a,1bは人工衛星地上
局であり、互いに離隔して設置されている。人工衛星地
上局1a,1bは、地球観測衛星(以下、「衛星」と記
す)10−1,10−2,・・・及び11−1,11−
2,・・・からの電波を受信するアンテナ2a,2b
と、アンテナ2a、2bの出力をそれぞれ2つの出力に
分配する分配器3a、3bと、分配器3aの出力及び分
配器3bの出力を受けていずれか一方を選択して出力す
る切替器4a−1,4a−2,・・・及び4b−1,4
b−2,・・・と、切替器4a−1,4a−1,・・・
及び4b−1,4b−2の出力を受けて受信処理を行う
受信装置5a−1,5a−2,・・・及び5b−1,5
b−2,・・・とから構成される。受信装置5a−1、
5a−2、5b−1、5b−2は、それぞれ衛星10−
1,10−2,11−1,11−2からの電波を専用に
受信するためのものである。なお、分配器3a、3bは
アナログ信号の分配を行い、切替器4a−1,4a−
2,・・・、4b−1,4b−2、・・・はアナログ信
号の切り替えを行う。
【0045】ここで、複数の受信装置を備えるのは、人
工衛星地上局1a,1bで複数の衛星10−1、10−
2、・・・及び11−1,11−2、・・・からの電波
をそれぞれ受信し、処理するためである。すなわち、人
工衛星地上局1a,1bがこの種の衛星からの電波を受
信できる時間は約15〜20分と短いため、ただひとつ
の衛星を受信対象とする運用効率が悪くなる。そこで、
人工衛星地上局1a,1bは、通常、上空を通過する複
数の衛星が送信する電波をとらえて処理するようにつく
られる。ところが、これら衛星はひとつひとつその仕様
が異なるため、受信処理にはそれぞれ専用の受信装置を
必要とする。このため、受信しようとする衛星それぞれ
について専用の受信装置を必要とするのである。
【0046】また、衛星10−1,10−2、・・・、
11−1,11−2,・・・からの電波は、衛星が観測
範囲にあれば、アンテナ2a、2bいずれでも受信する
ことができる。そして、アンテナ2a,2bで受信した
信号は、分配器3a,3bにより分配されて人工衛星地
上局1a、1bいずれに対しても供給される。したがっ
て、受信装置5a−1,5a−2,・・・、5b−1,
5b−2、・・・は、アンテナ2a、2bいずれの出力
に基づいても受信処理を行うことができる。
【0047】また、同図において、10−1,10−
2、11−1,11−2は地球観測衛星であり、データ
を送信するためのアンテナ10a−1,10a−2、1
1a−1,11a−2をそれぞれ備える。
【0048】また、図2は、アンテナ2a、2bのそれ
ぞれのスカイラインに対応する観測範囲を同時に表示し
た図である。同図において、RANGE Aはアンテナ
2aのスカイラインに基づく観測範囲,RANGE B
はアンテナ2bのスカイラインに基づく観測範囲を示す
(いずれも、おおざっぱに言って半径約2000km程度の範
囲である)。なお、このときの衛星10,11の高度は
いずれも同じであるとする。
【0049】同図のPATH10−1,10−2はある
時間帯における衛星10−1,10−2の直下点の軌
跡、PATH11−1はある時間帯における衛星11−
1の直下点の軌跡を示す。地球観測衛星は太陽同期軌跡
が多いので、同図に示すように南から北、あるいは北か
ら南に移動する軌跡をとる。PATH10−1はRAN
GE A及びRANGE Bのほぼ中央を通り、PAT
H10−2はPATH10−1のやや東側を通り、PA
TH11−1は、RANGE Bのほぼ西端を通る(R
ANGE Aの範囲外である)。
【0050】図2は、アンテナ2a、2bが、我が国の
ほぼ中央(例えば、東京近郊)に設置された場合の例を
示しており、アンテナ2aの場合、その固有のスカイラ
インのために、およそ南西方向から西北方向にかけて観
測範囲が制限を受けて観測できる距離が短くなってい
る。また、アンテナ2bの場合、同様の理由で、およそ
西北方向から東北方向にかけて観測範囲が制限を受けて
観測できる距離が短くなっている。しかし、図2に示さ
れるように、アンテナ2a及びアンテナ2bによる観測
範囲RANGE AとRANGE Bとが合成された観
測範囲を考えると、西北方向の一部を除き、ほぼ全方位
において所定の観測範囲が確保される。
【0051】図2は、アンテナ2a及び2bの観測範囲
を合成した図であるが、図3(a)に、アンテナ2a単
独の観測範囲を示す。また、同図(b)は、真北を0度
として右回りに方位角(AZ角度)をとって表したアン
テナ2aのスカイラインである。同図によれば、約23
0度から約330度にかけて障害物があり、見通しをと
るためには、この方位角においては他の方位角の場合よ
りもアンテナの仰角(EL角度)を大きくとる必要があ
る。
【0052】同様に、図4(a)に、アンテナ2b単独
の観測範囲を示す。また、同図(b)は、アンテナ2b
のスカイラインであり、約330度から約30度にかけ
て障害物がある。
【0053】次に動作について、図1及び図2を用いて
説明する。地球観測衛星は、地球環境や資源の調査をす
るための衛星であるから、衛星10−1,10−2、1
1−1,11−2はいずれも地球の周囲の軌道上を移動
しながら大気や地表を観測する。したがって、静止衛星
の場合とは異なり、地球観測衛星は地上から見て一ヶ所
に静止していないから、人工衛星地上局1a、1bのア
ンテナ2a、2bは衛星10−1,10−2、11−
1,11−2の移動に伴い、これらを追跡するようにア
ンテナ2a、2bを指向し、その方向を移動する。すな
わち、アンテナ2a、2bは、地上から見た衛星10−
1,10−2、11−1,11−2の軌道に沿って全天
を追跡する。このとき、アンテナ2a、2bは地平線よ
り上方となる角度の範囲で変化する。なお、アンテナの
仰角(EL)は、5°以上の場合が一般的である。
【0054】次に衛星の移動に対応してどのように切替
器を制御するかについて説明する。まず、同時に複数の
衛星が観測範囲に入ってきたときにも対応できるように
するためには、次のように制御する。
【0055】この人工衛星地上局1の観測範囲が図2の
RANGE A,RANGE Bで示す範囲であり、そ
して、このRANGE A及びRANGE B内におい
て衛星10−1,10−2がそれぞれPATH10−
1,PATH10−2の経路を通って移動する場合を考
える。ここで、PATH10−1,PATH10−2が
RANGE A内にあるときはアンテナ2aと衛星10
−1,10−2との見通しがとれて、送信された電波を
受信することができる。RANGE Bの場合も同様で
ある。
【0056】このとき、図13(a)に示すように、衛
星10ー1がRANGE A外に出てから衛星10−2
がRANGE A内に入る場合は、アンテナ2aを衛星
10−1、10−2の順番に指向し、追尾すればよく、
どちらの電波も受信できる。したがって、切替器4a−
1,4a−2を、いずれもアンテナ2aの出力を選択す
るように制御すればよい。
【0057】これに対して、同図(b)に示すように、
時刻t1〜t2にかけてのT時間の間に衛星10−1と衛
星10−2とが同時にRANGE A内にあるときは、
アンテナ2aは、これらを同時に追尾することはできな
い。そこで、運用者は、切替器4a−1をアンテナ2a
の出力を選択するように制御するとともに、時刻t1
なり衛星10−2の観測時間帯となったときに切替器4
a−2をアンテナ2bの出力を選択するように制御す
る。そして、同時にアンテナ2bを衛星10−2を追尾
するように制御する。こうすることにより、アンテナ2
a,2bそれぞれが衛星10−1,10−2を追尾でき
て、同時に観測時間帯となった衛星10−1,10−2
の電波を同時に受信して処理することができる。
【0058】このように、アンテナ2a,2bいずれで
もカバーできる観測範囲内であれば、2つの衛星が同時
に入ってきた場合でも対処できてデータ受信が不能にな
ることはない。なお、さらに3つ目の衛星11−1ある
いは11−2が観測範囲内にあるとアンテナ2bを衛星
10−2の追尾に用いることができないが、同時に多数
の衛星が観測範囲にあることは少なく、実際上あまり問
題とはならない。
【0059】次に、アンテナの周囲の障害物のデータ受
信への影響を軽減するための制御について説明する。
【0060】受信する衛星の軌道は事前に求められてい
るものとする。そして、アンテナ2a、2bの観測範囲
が図2に示すようであるとする。図2によれば、PAT
H10−1,10−2については、アンテナ2aにより
受信した方が長い時間にわたってデータを受信でき、ま
た、PATH11−1については、アンテナ2bによら
なければデータを受信できない。したがって、運用者
は、衛星10−1,10−2からの電波を受信する場合
は、アンテナ2aが受信した信号に基づき受信装置5a
−1,5a−2が受信処理できるように、切替器4a−
1,4a−2にアンテナ2aの信号を選択させる。ま
た、衛星11−1からの電波を受信する場合は、アンテ
ナ2bが受信した信号に基づき受信装置5b−1が受信
処理できるように切替器4b−1にアンテナ2bの信号
を選択させる。
【0061】このように、この実施例1では、図2で示
された関係に基づき運用者が、最適なアンテナと衛星
(受信装置)の組み合わせを選択し、手動で切替器4a
−1,4a−2,4b−1,4b−2を制御する。
【0062】次に、図2及び図3の求め方について説明
する。これらの図は、アンテナ固有のスカイラインと衛
星の軌道情報とから求められる。ここで、受信する衛星
の軌道は予め求められているから、衛星10−1,10
−2,11−1,11−2それぞれについて、任意の時
刻における緯度、経度、高度を知ることができる。衛星
の軌跡PATH10−1等は、上記の緯度、経度を地図
上にプロットすることにより得られる。
【0063】また、観測範囲は、図3(b)、図4
(b)に示すような、方位角(AZ角),仰角(EL
角)をパラメータとして測定されているスカイラインと
衛星の高度とから求められる。ここで、衛星の高度を定
めて、この条件の下でスカイラインを、AZ,ELのパ
ラメータによる表現から地球上の緯度、経度による表現
に変換して表す必要がある。なぜなら、衛星10−1,
10−2,11−1,11−2の軌道は、地球上の緯
度、経度により表されるから、比較のためパラメータを
統一する必要があるためである。こうして変換された緯
度、経度の情報に基づき観測範囲を地図上にプロットす
る。
【0064】以上のように、この実施例1によれば、複
数のアンテナ2a,2bと、アンテナ2a,2bの出力
をそれぞれ2分配する分配器3a,3bと、アンテナ2
a,2bの出力を選択し、出力する切替器4a−1,4
a−2,4b−1,4b−2を備えたので、同時に複数
の衛星が観測範囲に入ってきたときにも複数のアンテナ
により追尾できて、それぞれの衛星についてデータを受
信することができるとともに、アンテナの周囲の障害物
により観測範囲が狭められたときでも、複数のアンテナ
の観測範囲を合成することにより観測範囲を広げること
ができ、データ受信に対する障害物への影響を軽減でき
る。
【0065】また、この実施例1によれば、一方のアン
テナが保守点検等により運用を停止しているときでも、
他方のアンテナによりデータを受信することができて、
運用の中断時間を減らすこともできる。さらに、分配器
によりアンテナの受信信号を分配して複数の人工衛星地
上局に供給するので、1つのアンテナの受信信号を他の
人工衛星地上局で受信処理することができて、人工衛星
地上局及びそのアンテナを効率的に運用することができ
る。
【0066】なお、この実施例1において、アンテナが
2台の場合を例にとり説明したが、これに限らず3台以
上の場合であってもよい。この場合、切替器は、アンテ
ナの台数に対応して3入力以上のものを使用する。ま
た、同様に、受信装置が3台以上の場合であっても適用
できる。
【0067】また、図1において、受信装置5b−1,
5b−2がなく、アンテナ2a,2bのいずれもが衛星
10−1,10−2を追尾するためのものであってもよ
く、同様の効果を奏する。
【0068】実施例2.上記実施例1の場合、運用者
が、手動で切替器を切り替えていたが、複数の衛星の軌
道情報に基づき衛星の観測時間を予測する管理装置によ
り衛星を選択してアンテナに自動的に追尾させ、併せて
切替器を制御するようにしてもよい。
【0069】図5は、この実施例2の人工衛星地上局の
構成図であり、同図において、6は複数の衛星の軌道情
報に基づき作成された観測時間表により衛星の観測時間
を予測し、観測範囲に衛星が入ってきたときにアンテナ
2a,2bのうちから最適なものを選択してこれを追尾
させるとともに、切替器4a,4bを切り替えて衛星に
対応する受信装置に受信信号を供給する管理装置であ
る。
【0070】なお、人工衛星地上局1a,1b、アンテ
ナ2a,2b、分配器3a,3b、切替器4a−1,4
a−2,4b−1,4b−2、受信装置5a−1,5a
−2,5b−1,5b−2、衛星10−1,10−2,
11−1,11−2、衛星のアンテナ10a−1,10
a−2,11a−1,11a−2は、図1に示すものと
同一のものである。
【0071】次に、動作について、管理装置6の動作を
示すフローチャート図6に基づき説明する。まず、管理
装置6は、予め与えられている衛星の軌道情報及びアン
テナ固有のスカイラインによる観測範囲とに基づき観測
すべき衛星の観測時間帯についての観測時間表(タイム
チャート、例えば図13に示すもの)を作成しておく。
そして、このタイムチャートと現在時刻とを比較して新
たな衛星X(衛星10−1、・・・のいずれか)の観測
時間が到来したかどうかを判断する。観測時間が到来し
たと判断したときは、次のステップST2に進む(ST
1)。
【0072】ST2においては、衛星の軌道情報から衛
星Xの軌跡(図2のPATH10−1等に相当するも
の)を求め、次のステップST3に進む。
【0073】ST3においては、衛星Xの軌跡とアンテ
ナ2aの観測範囲とを、例えば図2に示す図により比較
し、アンテナ2aで衛星Xを観測できるかどうか判断す
る。なお、アンテナ2a、2bいずれでも観測できる場
合は、より有効な観測が行える(例えば長時間観測でき
る)かどうか判断する(この点は、後述のST4でも同
様である)。観測できるときはステップST11に進
む。観測できないときはステップST4に進む。
【0074】ST11においては、アンテナ2aが使用
中であるかどうか判断する。他の衛星の追尾のために使
用中であったり、あるいは故障等のために使用不能であ
るときはステップST4に進む。使用可能であればステ
ップST12に進む。
【0075】ST12において、管理装置6は、アンテ
ナ2aに対し衛星Xを追尾するように指示を出す。そし
て、管理装置6は、切替器X(図5の4a−1、・・・
のいずれか)に対し、衛星Xを受信するための受信装置
X(図5の5a−1、・・・のいずれか)にアンテナ2
aの受信信号が入力されるように切り替え指令を発する
(ST13)。このような制御により、衛星Xからのデ
ータを専用の受信装置Xで受信することができる(ST
14)。
【0076】一方、ST11からST4に進んだ場合
は、ST4において、ST3の場合と同様にして衛星X
の軌跡とアンテナ2bの観測範囲とを比較し、アンテナ
2bで衛星Xを観測できるかどうか判断する。観測でき
るときはステップST21に進む。ステップST21〜
24における処理は、ステップST11〜14の場合と
同様であるので、それらの説明を省略する。また、観測
できないときはステップST5に進む。
【0077】ステップST5に進む場合は、衛星Xの軌
跡がアンテナ2a,2b両方の観測範囲外にあるか、あ
るいは観測範囲内にあるとしても観測できるアンテナ
が、他の衛星の追尾に使用されていたり、故障中・保守
中であったりして衛星Xのためには使用不能であって、
衛星Xからのデータを受信することができないときであ
る。したがって、ステップST5では、データ受信不能
である旨を運用者等に対して報告する。
【0078】以上のように、この実施例2によれば、複
数の衛星の軌道情報に基づき衛星の観測時間を予測し、
観測範囲に衛星が入ってきたときにアンテナ2a,2b
のいずれかにこれを追尾させるとともに、切替器4a,
4bを切り替えて衛星に対応する受信装置に受信信号を
供給する管理装置を備えたので、同時に複数の衛星が観
測範囲に入ってきたときにも複数のアンテナにより追尾
できて、それぞれの衛星についてデータを受信すること
ができるとともに、アンテナの周囲の障害物により観測
範囲が狭められたときでも、複数のアンテナの観測範囲
を合成することにより観測範囲を広げることができ、デ
ータ受信に対する障害物への影響を軽減でき、さらに、
以上のアンテナ及び切替器の制御を自動的に行うことが
できて、運用者の作業負担を軽減することができる。
【0079】また、この実施例2によれば、一方のアン
テナが保守点検等により運用を停止しているときでも、
他方のアンテナによりデータを受信することができて、
運用の中断時間を減らすこともできる。
【0080】なお、この実施例2において、衛星の観測
時間表による処理(ST1)と衛星の軌道情報及びアン
テナの観測範囲との比較による処理(ST3,ST4)
の両方の処理を行っていたが、いずれか一方の処理を行
うようにしてもよい。この場合においても、第1の問
題、第2の問題のうち、いずれか一方を解決することが
できる。
【0081】なお、この実施例2において、アンテナが
2台の場合を例にとり説明したが、これに限らず3台以
上の場合であってもよい。
【0082】また、図6において、受信装置5b−1,
5b−2がなく、アンテナ2a,2bのいずれもが衛星
10−1,10−2を追尾するためのものであってもよ
く、同様の効果を奏する。
【0083】実施例3.なお、実施例1の人工衛星地上
局1a,1bにおいて、アンテナ2a,2bの出力を分
配して受信装置5a−1,5a−2,5b−1,5b−
2に供給したが、これに限らず、図7に示すように受信
装置の出力で分配するようにしてもよい。
【0084】同図において、7a−1,7a−2,7b
−1,7b−2は、それぞれ、衛星10−1,10−
2,11−1,11−2から受信したデータを受けて衛
星固有のフレーム同期、データフォーマット等に基づい
てテープ等への記録等を行なう記録設備である。また、
同図の分配器3c、3dは、受信処理がなされたデジタ
ル信号を分配する点で、図1のアンテナが出力する受信
処理前のアナログ信号を分配する分配器3a,3bと異
なる。同様の点で、切替器4c−1,4c−2,4d−
1,4d−2は、図1の切替器4a−1,4a−2,4
b−1,4b−2と異なる。また、図7の受信装置5
c,5dは、アンテナ2a,2bと同様に衛星10−
1,10−2,11−1,11−2全てに対応して処理
ができて、この点で図1の特定の衛星専用の受信装置5
a,5bと異なる。
【0085】次に動作について説明する。この実施例3
の人工衛星地上局1a,1bの動作は、実施例1の場合
と同様であり、構成上、分配器5c,5d及び切替器4
c−1,4c−2,4d−1,4d−2が、受信装置5
c,5dよりも端末側である記録設備7a−1,7a−
2,7b−1,7b−2側にある点でのみ異なる。
【0086】すなわち、人工衛星地上局1a、1bのア
ンテナ2a、2bは衛星10−1,10−2、11−
1,11−2の移動に伴い、これらを追尾する。受信し
た信号は受信装置5c,5dにおいて受信処理がなさ
れ、デジタル信号に変換されてから分配器3c,3dに
より2分配される。切替器4c−1,4c−2,4d−
1,4d−2は、分配器3c,3dのデジタル出力のい
ずれか一方を選択し、それぞれ記録設備7a−1,7a
−2,7b−1,7b−2に対し出力する。記録設備
は、衛星固有の所定のフォーマットでデータを記録す
る。なお、アンテナ2a,2bの制御、切替器4c−
1,4c−2,4d−1,4d−2の制御は実施例1の
場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0087】このように、受信処理後の段階で信号を分
配し、選択するようにしてもよい。なお、これに限ら
ず、全ての衛星に対応できるような汎用的機能をもつ機
器により共通化できる部分(図7であれば、アンテナ2
a,2b、受信装置5c,5d)をもつ場合、その共通
化された部分以降の段階であれば、どの段階で信号を分
配するようにしてもよい。
【0088】この実施例3によれば、実施例1の場合と
同様の効果を奏するとともに、高周波信号であるアンテ
ナの出力を分配する場合と比べ、デジタル信号により伝
送することができて、伝送上有利になる。このことは、
複数の人工衛星地上局のアンテナ間の距離が大きくなる
場合において、設備の性能及び信頼性の向上、さらにコ
ストダウンの点で非常に有利になる。なお、アナログ信
号であっても、損失が少ない中間周波帯、ベースバンド
帯で伝送する場合も、高周波で伝送する場合に比べて伝
送上同様の効果を奏するとともに、A/D変換、D/A
変換が不要になり構成が簡単になる。
【0089】実施例4.なお、以上の実施例1ないし3
において、衛星からの信号を受信する場合を例にとり説
明してきたが、これに限らず衛星に対して制御信号、通
信信号等を送信する場合にも適用できて、同様の効果を
奏する。この実施例4による人工衛星地上局の構成の例
を図8、図9及び図10に示す。
【0090】図8は、実施例1の構成を送信の場合に適
用した人工衛星地上局の構成を示す図であり、同図にお
いて、8a,8bは人工衛星地上局1aからの送信信号
と人工衛星地上局1bからの送信信号とを合成してアン
テナ2a,2bに対して出力する合成器、9a−1,9
a−2,9b−1,9b−2は、人工衛星10−1,1
0−2,11−1,11−2それぞれに対応する制御信
号、通信信号等の送信信号を生成して出力する送信装置
である。
【0091】また、アンテナ2a,2b、切替器4e−
1,4e−2,4f−1,4f−2は、実施例1ないし
3で説明したものと同一、あるいは相当のものである。
また、動作は、受信処理が送信処理に変わったことに伴
い、信号の流れが逆向きになる点を除き、実施例1の場
合と同様であるので、その説明を省略する。
【0092】また、図9は、実施例2の構成を送信の場
合に適用した人工衛星地上局の構成を示す図である。同
図中の各構成要素は図8の場合と同じであるので、それ
らの説明は、省略する。また、動作も、受信処理が送信
処理に変わったことに伴い、信号の流れが逆向きになる
点を除き、実施例2の場合と同様であるので、その説明
を省略する。
【0093】また、図10は、実施例3の構成を送信の
場合に適用した人工衛星地上局の構成を示す図であり、
同図において、21a,21bは人工衛星地上局1aか
らの送信データ(デジタル信号)と人工衛星地上局1b
からの送信データ(デジタル信号)とを合成してアンテ
ナ2a,2bに対して出力するデータ合成器、22a−
1,22a−2,22b−1,22b−2は、人工衛星
10−1,10−2,11−1,11−2それぞれに対
応する制御コマンドデータ、通信データ等の送信データ
を生成して出力する制御装置である。
【0094】また、アンテナ2a,2b、切替器4e−
1,4e−2,4f−1,4f−2は、図8のものと同
一のものである。また、動作は、受信処理が送信処理に
変わったことに伴い、信号の流れが逆向きになる点を除
き、実施例3の場合と同様であるので、その説明を省略
する。
【0095】この実施例4の構成によれば、衛星に対す
る送信にも適用できて、実施例1ないし実施例3と同様
の効果を奏する。
【0096】なお、上記実施例1ないし実施例4におい
て、衛星は地球観測衛星に限らず一般的な衛星に対して
も適用できて、同様の効果を奏するのは言うまでもな
い。
【0097】
【発明の効果】以上のように、この発明及び他の発明に
よれば、分配器を介して分配された自局又は他局の受信
アンテナからの出力信号のうちのいずれか1つの出力信
号を切替器により選択して切り替え、対応する衛星から
の電波を専用に設けた受信装置によりそれぞれ受信し、
また、複数の衛星中対応する衛星に対して送信信号をそ
れぞれ専用に生成する複数の送信装置からの送信信号の
送信を切替器により自局または他局のいずれかに選択し
て切り替え、自局及び他局の上記切替器を介して入力さ
れた送信装置からの送信信号を合成器により合成して対
応する衛星に対して送信アンテナより送信信号の電波を
送信するようにしたので、同時に複数の衛星が観測範囲
に入ってきたときに、それぞれの衛星についてデータを
受信・送信することができるとともに、複数のアンテナ
の観測範囲を合成することにより観測範囲を広げてデー
タ受信・送信に対する障害物への影響を軽減できる。
【0098】また、予め定められた衛星の観測時間表に
基づき観測可能・送信可能なアンテナを特定する管理装
置を備えたので、同時に複数の衛星が観測範囲に入って
きたときに、それぞれの衛星についてデータを受信・送
信することができる
【0099】また、予め定められた衛星の軌道情報と予
め定められたアンテナの観測範囲とに基づき観測可能・
送信可能なアンテナを特定する管理装置を備えたので、
複数のアンテナの観測範囲を合成することにより観測範
囲を広げてデータ受信・送信に対する障害物への影響を
軽減できる。
【0100】
【0101】また、上記送信装置から出力されるアナロ
グ信号が入力されるとともに、選択された送信アンテナ
に対してアナログ信号を出力する切替器を備えたので、
デジタル信号を分配して伝送する場合と比べ、A/D変
換、D/A変換が不要であり構成が簡単になる。
【0102】また、上記送信装置から出力されるデジタ
ル信号が入力されるとともに、選択された送信アンテナ
に対してデジタル信号を出力する切替器を備えたので、
アナログ信号を分配して伝送する場合と比べ、信頼性の
点で伝送上有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による人工衛星地上局の
構成図である。
【図2】 この発明の実施例1による人工衛星地上局の
動作の説明図である。
【図3】 この発明の実施例1のアンテナ2aの観測範
囲とスカイラインを示す図である。
【図4】 この発明の実施例1のアンテナ2bの観測範
囲とスカイラインを示す図である。
【図5】 この発明の実施例2による人工衛星地上局の
構成図である。
【図6】 この発明の実施例2の管理装置の動作を説明
するためのフローチャートである。
【図7】 この発明の実施例3による人工衛星地上局の
構成図である。
【図8】 この発明の実施例4による人工衛星地上局の
構成図である。
【図9】 この発明の実施例4による人工衛星地上局の
構成図である。
【図10】 この発明の実施例4による人工衛星地上局
の構成図である。
【図11】 従来の人工衛星地上局の構成図である。
【図12】 従来のアンテナの観測範囲と衛星の軌跡を
示す図である。
【図13】 衛星の観測時間表の一例である。
【図14】 アンテナのスカイラインの一例である。
【図15】 アンテナの仰角(EL角)の説明図であ
る。
【図16】 従来の人工衛星地上局の動作を説明するた
めの図である。
【図17】 観測範囲と衛星の高度との関係を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1a,1b 人工衛星地上局、2a,2b アンテナ、
3a,3b 分配器、4a,4b 切替器、5a,5b
受信装置、6 管理装置、7a,7b 記録設備、8
a,8b 合成器、9a,9b 送信装置、10 衛
星、11 衛星、21a,21b データ合成器、22
a,22b 制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村瀬 文義 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 通信機製作所内 (72)発明者 平野 ゆりか 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 通信機製作所内 (56)参考文献 特開 平6−276453(JP,A) 特開 平4−56425(JP,A) ハイテクブックシリーズ10 世界の非 静止衛星通信 (第1版第1刷),下世 古幸雄・飯田尚志 著,電波新聞社 編,(1994−5−10) P.39−44,第 2.15図 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 7/14 - 7/22 H04B 7/02 - 7/12 H04L 1/02 - 1/06

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 他局と離隔して設置されていて、各局内
    に、複数の衛星が発する電波を受信する受信アンテナ
    と、上記受信アンテナからの出力信号を自局及び他局に
    分配する分配器と、自局または他局の上記分配器を介し
    て分配された受信アンテナからの出力信号のうちのいず
    れか1つの出力信号を選択して出力する切替器と、上記
    切替器の出力に基づき対応する衛星からの電波を専用に
    それぞれ受信する複数の受信装置とを備えた人工衛星地
    上局。
  2. 【請求項2】 上記各局の受信アンテナから1つの受信
    アンテナを特定するとともに、特定された受信アンテナ
    の出力信号を選択するように上記切替器を制御する管理
    装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の人工衛星
    地上局。
  3. 【請求項3】 上記管理装置は、予め定められた上記複
    数の衛星の観測時間表に基づき観測可能な1つの受信ア
    ンテナを特定する構成としたことを特徴とする請求項2
    記載の人工衛星地上局。
  4. 【請求項4】 上記管理装置は、予め定められた上記複
    数の衛星の軌道情報と予め定められた上記各局の受信ア
    ンテナそれぞれの観測範囲とに基づき観測可能な1つの
    受信アンテナを特定する構成としたことを特徴とする請
    求項2記載の人工衛星地上局。
  5. 【請求項5】 上記切替器は、上記受信アンテナから出
    力されるアナログ信号が入力されるとともに、選択され
    たアナログ信号を上記受信装置に対して出力することを
    特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の人
    工衛星地上局。
  6. 【請求項6】 上記切替器は、上記受信アンテナから出
    力されるアナログ信号から変換されたデジタル信号が入
    力されるとともに、選択されたデジタル信号を上記受
    置に対して出力することを特徴とする請求項1乃至請
    求項4のいずれかに記載の人工衛星地上局。
  7. 【請求項7】 他局と離隔して設置されていて、各局内
    に、複数の衛星中対応する衛星に対して送信信号をそれ
    ぞれ専用に生成する複数の送信装置と、各送信装置から
    の送信信号の送信を自局または他局のいずれかに選択し
    て切り替えるための複数の切替器と、自局及び他局の上
    記切替器を介して入力された送信装置 からの送信信号を
    合成する合成器と、衛星に対して該合成器を介した送信
    信号の電波を送信する送信アンテナとを備えた人工衛星
    地上局。
  8. 【請求項8】 上記各局の送信アンテナから1つの送信
    アンテナを特定するとともに、特定された送信アンテナ
    を選択するように上記切替器を制御する管理装置を備え
    ことを特徴とする請求項7記載の人工衛星地上局。
  9. 【請求項9】 上記管理装置は、予め定められた上記衛
    星の観測時間表に基づき送信可能な1つの送信アンテナ
    を特定する構成としたことを特徴とする請求項記載の
    人工衛星地上局。
  10. 【請求項10】 上記管理装置は、予め定められた上記
    衛星の軌道情報と予め定められた上記各局の送信アンテ
    ナそれぞれの観測範囲とに基づき観測可能な1つの送信
    アンテナを特定する構成としたことを特徴とする請求項
    記載の人工衛星地上局。
  11. 【請求項11】 上記切替器は、上記送信装置から出力
    されるアナログ信号が入力されるとともに、選択された
    送信アンテナに対してアナログ信号を出力することを特
    徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の人
    工衛星地上局。
  12. 【請求項12】 上記切替器は、上記送信装置から出力
    されるデジタル信号が入力されるとともに、選択された
    送信アンテナに対してデジタル信号を出力することを特
    徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の人
    工衛星地上局。
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