JP2817943B2 - レーザ発振器の放電制御装置 - Google Patents

レーザ発振器の放電制御装置

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    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/09Processes or apparatus for excitation, e.g. pumping
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、ガスレーザ発振器のレーザ出力を制御す
る放電制御装置に関する。
(従来の技術) 第4図に従来例のレーザ発振器の放電制御装置の回路
図を示す。この種の装置では、レーザガスを励起する場
合、真空の放電容器1内の相対向した1対の電極2に高
圧電源3から高電圧を印加し、これによって放電させる
ことでレーザガスを励起させる方法が採られている。こ
のような産業用の炭酸ガスレーザ発振器では、一般に放
電ガスとしてHe,N2,CO2の混合ガスが用いられ、放電容
器1内のガス圧力は30〜100Torrに設定される。
ところで、前述のような放電容器1における放電電流
−放電電圧特性は、第5図に示すように、負性抵抗とな
ることが知られている。このため、高圧電源3として定
電圧電源を用いて駆動した場合、動作点が高電流側に移
行し、制御が困難となる。そこで、安定化抵抗器Rを高
圧電源3と放電容器1の間に直列に接続することで、第
6図に示すように負性抵抗特性を除去している。この方
法では、放電電流を変えても放電電圧はあまり変化せ
ず、また安定化抵抗器Rの抵抗値を大きくすると、安定
性は増す反面、電力損失が増大するので、安定化抵抗器
Rの抵抗値をあまり大きくすることはできない。
このようなレーザ発振器では、レーザ出力を変化させ
るために放電電力を可変にすればよいが、この場合その
放電電力を可変にするため、電圧を指令値として制御す
る方法と、電流を指令値として制御する方法がある。即
ち、再度第4図において、誤差増幅器4に、例えば図示
しない方法であるが放電容器1の両電極2間の放電電圧
(分圧した電圧)を入力し、その差動出力によって高圧
電源3の出力を制御する方法と、図示した方法として放
電容器1の両電極2間の放電電流を検出し、その検出値
を誤差増幅器4に入力することで、高圧電源3の出力電
圧を制御する方法がある。
まず、前者の電圧を指令値とした方法では、第7図に
示すように、放電電圧に対して放電電力が急激に増大す
るという特性となるため、わずかな設定値の差によって
放電電力が大きく変化し、制御が困難となる。
これに対して、後者の電流を指令値とした方法では、
第8図に示すように、放電電流に対して放電電力はほぼ
直線的に変化するため、制御が容易であり、レーザ出力
も低い光出力から高い光出力まで広い範囲で制御するこ
とができる。前述の第4図に示した回路図では、放電容
器1の放電電流は電流検出部5によって検出される。電
流検出部5としては、ホール素子を用いた直流CTや、低
い抵抗値の抵抗器によって放電電流を検出し、その両端
の電位差を電流検出信号として誤差増幅器4に入力すれ
ばよい。誤差増幅器4では、この電流検出信号と、NC装
置6から入力された放電電流設定信号または基準電圧Vr
efを可変抵抗器Rvによって設定した設定信号と比較し、
その差動出力を指令値として高圧電源3に入力する。こ
れにより、高圧電源3は指令値に応じて出力が変化し、
放電容器1における放電電流が設定値となるよう制御さ
れる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前述の従来のレーザ発振器では、次の
ような種々の要因により放電電力が変化する問題があ
る。
第1の問題として、第9図でレーザ発振器の放電電力
とレーザ出力の関係を示した特性図で示されるように、
レーザ発振器の放電開始直後に比較して暖機運転後で
は、放電電力が2〜5%減少することがある。このこと
は、第10図に示すように、放電開始直後は暖機運転後に
対して放電電圧が高い状態(例えば1600Vに対して1650
V)にあることに起因する。従って、放電容器1の放電
電流は設定値に一定に制御されるため、放電電圧の下降
分だけ放電電力が減少し、これに伴ってレーザ出力も減
少する。
第2の問題として、放電容器1内にレーザガス中に大
気から空気が混入した場合、N2成分が増えるため、放電
電圧が数%上昇する。
第3の問題として、放電容器1に混合ガスを供給する
ボンベ中の混合ガスの混合比は、製造過程で約1%程度
のバラツキがある。従って、混合ガス中のHeの比が高い
場合は放電電圧が低く、CO2,N2の比が高い場合は放電電
圧が高くなる傾向がある。
第4の問題として、放電容器1内のガス圧力は一定に
制御する必要があり、その制御のため、放電容器1内の
ガス圧力を検出する圧力センサが用いられている。しか
し、圧力センサには温度ドリフト、経時変化、零点(絶
対圧力)誤差が全体で約±2Torr程度ある。放電電圧
は、ガスレーザ発振器が動作する10〜100Torrのガス圧
力の範囲では、ガス圧力に比例するため、圧力センサの
誤差によって放電電力は数%〜10%程度変化することに
なる。
第5の問題として、放電容器1にHe,N2,CO2の各ボン
ベからそれぞれガスを供給する場合、ガスの混合比を合
わせるため、各ボンベから流量計を介して供給する。こ
の場合、流量計の誤差、その経時変化によって、混合ガ
スの混合比が設定値に対して誤差を生じ、この誤差によ
って放電電圧が変化してしまう。
以上のように、各種の原因により放電電圧が変化し、
これに伴って放電電力が変化するため、前述のように電
流を指令値として放電電流を一定に制御する方法であっ
ても、放電電力を正確に制御することは困難であった。
特に、放電容器の放電電流が最大である場合、即ち定格
値に近い電流値である場合、放電電圧が高くなると、放
電電力が過大となり、電極の一部分で大電流が流れると
いう不具合が生じる。このことは、通常のグロー放電が
電極の劣化を招くアーク放電の発生の原因となり、この
電極の劣化は更に放電電圧の上昇を招くことになる。こ
のような悪循環は、急激な放電電力の増大をもたらし、
加速度的な電極の劣化を引起こす結果となり、これによ
って放電電力の低下とレーザ出力の低下を招く。そし
て、レーザにより厚板を切断する場合レーザ出力の低下
によってレーザが厚板を貫通できずにその切断に支障を
きたし、加工時間が長くなる問題があった。
この発明は、前述のような問題点を解消するためにな
されたもので、各種要因により放電電圧が変化した場合
であっても、正確に放電電力を設定値に制御でき、これ
によってレーザの光出力も一定に制御するようにしたレ
ーザ発振器の放電制御装置を提供することを目的として
いる。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 前述のごとき従来の問題に鑑みて本発明は、相対向し
た電極を有する放電容器にレーザガスを供給し、前記電
極間に高圧電源から高電圧を与えて放電させるレーザ発
振器における放電制御装置において、前記電極間の放電
電流を検出する電流検出回路と、前記高圧電源の出力電
圧を直接検出する分圧回路と、前記電流検出回路の出力
信号を基にしてバラスト抵抗器の両端電圧の平均値に比
例した信号を出力する増幅器と、前記分圧回路の出力か
ら上記増幅器の出力を減算して電極間電圧を演算する減
算器と、この減算器から入力された電極間電圧と前記電
流検出回路によって検出した放電電流とを乗算して電力
信号を出力する乗算回路と、NC装置によって予め設定さ
れた放電電力の設定信号と前記乗算回路から入力される
電力信号との誤差分を増幅して、放電電力が設定値に維
持されるように電力を指令値とした制御信号を前記高圧
電源へ出力する誤差増幅器とを備えたレーザ発振器の放
電制御装置である。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面を参照して詳細に説明
する。第1図は本発明のレーザ発振器の放電制御装置の
一実施例を示す回路図である。なお、第1図では従来装
置と同一部分は同一符号を付してある。
第1図において、放電容器1は外部からHe,N2,CO2
混合ガスが供給されるもので、そのガス圧力は一定に保
持される。また、放電容器1内には相対向した一対の電
極2が設けてあり、これら電極2間に高圧電源3から高
電圧を印加することで、ガス放電を行うものである。高
圧電源3としては、例えばサイリスタを用いた位相制御
方式の電源装置や、スイッチング制御方式のものが用い
られる。高圧電源3と電極2の間には、負性抵抗特性除
去用の安定化抵抗器Rが接続されている。
放電容器1の放電電流は、電流検出回路7で検出さ
れ、その検出信号は乗算回路8に入力される。また、放
電容器1の1対の電極2間の放電電圧は高電圧であるた
め、分圧回路9で分圧され、この分圧信号は放電電圧検
出信号として乗算回路8に入力される。乗算回路8は、
これらの放電電流と放電電圧を乗算して電力信号を出力
する回路であり、その電力信号は誤差増幅器4に入力さ
れる。誤差増幅器4のもう一方の端子には、NC装置6か
らの設定信号または基準電圧Vrefを可変抵抗器Rvで調節
した設定信号が入力される。NC装置6からの設定信号
と、基準電圧Vrefを可変抵抗器Rvで調整した設定信号
は、切換スイッチ10によって切換えることができる。従
って、NC装置6により自動的に設定信号を調整して放電
電力(レーザ出力)を可変できるし、また可変抵抗器Rv
を用いて手動によっても放電電力を調整できるようにな
っている。
誤差増幅器4は、乗算回路と8の出力と、例えばNC装
置6からの放電電力の設定信号の誤差分を増幅して出力
する差動増幅回路である。この誤差増幅器4の出力は、
電力を指令値とした制御信号として高圧電源3に入力さ
れ、この制御信号により放電電力が常時設定値に維持さ
れるよう高圧電源3の出力電圧が制御される。
次に、前記実施例の動作を具体的に説明する。今、放
電中に圧力センサが温度ドリフトによって低い圧力信号
を出力したと仮定する。圧力センサは放電容器1内のガ
ス圧力を検出するもので、放電電圧はガス圧力に比例す
る傾向がある。従って、例えば圧力センサが圧力40Tott
で4Vの圧力信号を出力すべきところ、温度ドリフトによ
り誤動作を生じ圧力40Torrで3.9Vの圧力信号を出力した
とする。この場合、放電容器1内のガス圧力を一定に維
持する圧力制御部(図示せず)は、圧力センサの出力信
号が設定値の4Vとなるよう制御する。即ち、圧力制御部
は低下した圧力分を設定値に戻すべく、圧力調整用のバ
ルブなどの開閉を制御することによって、圧力センサの
出力値を4Vにする。この結果、実際の圧力は 40Torr×(4V/3.9V)≒41Torr となり、これに伴って放電電圧も圧力に比例して約2.5
%上昇することになる。
このままでは、分圧回路9の検出値も2.5%上昇し、
これに伴い乗算回路8の出力も2.5%上昇するが、帰還
回路を構成する誤差増幅器4によって、高圧電源3の出
力電圧を下げるよう制御する。即ち、誤差増幅器4は設
定信号と乗算回路8の出力を比較し、その誤差分から上
昇した分の電圧を下げるべく、高圧電源3に制御信号を
出力する。これにより、高圧電源3の出力電圧は低下
し、放電電力を一定に保持することができる。従って、
放電電力に対するレーザ出力の効率はほぼ一定であるた
め、前述のように放電電力を一定に保持することによっ
て、レーザ出力を一定に保持することができる。
第2図は一般的な三軸直交炭酸ガスレーザ発振器の回
路図を示したものである。
この回路では、一つの電極2に放電電流が集中するこ
とを防止するため、多数の電極2に分割されている。一
般には、電極2の分割数としては、50〜150程度であ
る。このような回路では、分割された全ての電極の放電
電流、放電電圧を検出し、各電極に放電電力を乗算回路
によって求め、更にそれらを加算して全放電電力とすれ
ば、前記実施例と同様の放電制御装置とすることができ
る。しかし、電極の数が多いため、回路構成が複雑とな
り、実用的ではない。そこで、前記第2図に示したよう
にいずれかの一つの電極2を代表とし、この一つの電極
間放電電圧を検出すれば、回路構成を簡単とすることが
できる。
第3図は前記第2図の他の実施例を示したものであ
る。この例では、高圧電源3の出力電圧から安定化用の
バラスト抵抗器Rの両端電圧平均値を差引いた値を電極
間電圧として用いることにより、第2図の例よりも正確
に制御できるというものである。
具体的には、分圧回路9によって高圧電源3の出力電
圧を直接検出し、その検出信号を減算器11に入力する。
また、電流検出回路7の出力信号を増幅器12に入力し、
ここでバラスト抵抗器Rの両端電圧の平均値に比例した
信号を出力する。つまり、バラスト抵抗器Rの両端電圧
の平均値Vは、全放電電流Iに比例し、その両端電圧の
平均値Vは V=r(i1+i2+i3+……in)/n =r/n・I となる。但し、i1,i2,……,inは各電極の電流値、rは
バラスト抵抗器の抵抗値、nは電極数である。
従って、分圧回路9の出力から増幅器12の出力を減算
器11で減算すると、その減算値は電極間電圧となる。こ
の減算値を乗算回路8に入力すれば、第1図に示した実
施例と全く同様に放電電力が設定値を維持するよう高圧
電源3の出力を制御することができる。また、第3図の
例では、電流検出回路7の出力を増幅器12を介して減算
器11に入力したが、抵抗分圧を介してもよい。
なお、第3図の実施例は、バラスト抵抗器の電圧降下
分を補正して制御する例であるが、放電電圧に比べて前
記電圧降下分は充分に小さいので前記電圧降下分を無視
して高圧電源3の出力電圧を電極間電圧とみなして制御
してもよい。この場合、制御に精密さを欠くが、構成は
簡単とすることができる。
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、適
宜の設計的変更により、この他適宜の態様で実施し得る
ものである。
[発明の効果] 以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要
するに本発明は、相対向した電極(2)を有する放電容
器(1)にレーザガスを供給し、前記電極(2)間に高
圧電源(3)から高電圧を与えて放電させるレーザ発振
器における放電制御装置において、前記電極(2)間の
放電電流を検出する電流検出回路(7)と、前記高圧電
源(3)の出力電圧を直接検出する分圧回路(9)と、
前記電流検出回路(7)の出力信号を基にしてバラスト
抵抗器(R)の両端電圧の平均値に比例した信号を出力
する増幅器(12)と、前記分圧回路(9)の出力から上
記増幅器(12)の出力を減算して電極間電圧を演算する
減算器(11)と、この減算器(11)から入力された電極
間電圧と前記電流検出回路(7)によって検出した放電
電流とを乗算して電力信号を出力する乗算回路(8)
と、NC装置(6)によって予め設定された放電電力の設
定信号と前記乗算回路(8)から入力される電力信号と
の誤差分を増幅して、放電電力が設定値に維持されるよ
うに電力を指令値とした制御信号を前記高圧電源(3)
へ出力する誤差増幅器(4)とを備えた構成である。
すなわち本発明は、検出した放電電流と放電電圧を乗
算して電力値を求め、この求めた電力値がNC装置によっ
て設定された設定値と常に等しくなるように高圧電源の
出力電圧を制御するものであるから、レーザ出力の制御
を正確に行うことができるものである。この際、高圧電
源の出力電圧からバラスト抵抗器の両端電圧の平均値を
減算して電極間の放電電圧を検出しているので、より正
確な放電電力を検出することができ、レーザ出力の制御
をより正確に行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明におけるレーザ発振器の放電制御装置の
一実施例を示す回路図、第2図は他の実施例を示す回路
図、第3図は更に他の実施例を示す回路図、第4図は従
来例のレーザ発振器の放電制御装置を示す回路図、第5
図はその第4図の例で放電容器の放電電流−放電電圧特
性を示す図であって、負性抵抗特性を示す特性図、第6
図は安定化抵抗器によってその負性抵抗特性を除去した
放電電流−放電電圧特性図、第7図は第4図の例で放電
容器の放電電圧と放電電力の関係を示す特性図、第8図
は放電容器の放電電流と放電電力との関係を示す特性
図、第9図は放電電力とレーザ出力の関係を示す特性
図、第10図は放電電流と放電電圧の関係を放電開始直後
と暖機運転後で比較して示す特性図である。 1……放電容器、2……電極、3……高圧電源、4……
誤差増幅器、6……NC装置、7……電流検出回路、8…
…乗算回路、9……分圧回路、10……切換スイッチ、11
……減算器、12……増幅器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/104 H01S 3/134

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対向した電極(2)を有する放電容器
    (1)にレーザガスを供給し、前記電極(2)間に高圧
    電源(3)から高電圧を与えて放電させるレーザ発振器
    における放電制御装置において、前記電極(2)間の放
    電電流を検出する電流検出回路(7)と、前記高圧電源
    (3)の出力電圧を直接検出する分圧回路(9)と、前
    記電流検出回路(7)の出力信号を基にしてバラスト抵
    抗器(R)の両端電圧の平均値に比例した信号を出力す
    る増幅器(12)と、前記分圧回路(9)の出力から上記
    増幅器(12)の出力を減算して電極間電圧を演算する減
    算器(11)と、この減算器(11)から入力された電極間
    電圧と前記電流検出回路(7)によって検出した放電電
    流とを乗算して電力信号を出力する乗算回路(8)と、
    NC装置(6)によって予め設定された放電電力の設定信
    号と前記乗算回路(8)から入力される電力信号との誤
    差分を増幅して、放電電力が設定値に維持されるように
    電力を指令値とした制御信号を前記高圧電源(3)へ出
    力する誤差増幅器(4)とを備えたことを特徴とするレ
    ーザ発振器の放電制御装置。
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