JP2817402B2 - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、界面重縮合反応により
香料、殺虫剤、肥料等の疎水性液体を芯物質としてポリ
アミド樹脂で被覆するマイクロカプセルの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、疎水性液体を芯物質として界
面重縮合反応によりマイクロカプセルを製造する方法と
しては、例えば米国特許第3,959,464号明細書
の実施例1に示されているセバコイルクロライド等の多
塩基酸ハライドを溶解させた疎水性液体をポリビニルア
ルコール含有水溶液中に添加して乳化させた後、更にエ
チレンジアミン,ジエチレンジアミン等の多価アミンと
炭酸ナトリウム等のアルカリ性化合物とを混合溶解させ
た水溶液を添加し、界面重縮合反応でポリアミド樹脂を
生成させることにより、マイクロカプセルを得る方法が
提案されている。
【0003】この方法では、水溶性リアクタントである
多価アミンと触媒であるアルカリ性化合物とを混合溶解
させて同時に添加しており、このため(1)疎水性液体
中の多塩基酸ハライドとポリビニルアルコールとの反
応、及び(2)多塩基酸ハライドと多価アミンとの反応
がほぼ同時に進行し、重縮合反応でポリアミド樹脂被膜
が形成されてマイクロカプセルが得られるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法で重縮合反応を行なう場合、芯物質として水難溶性又
は不溶性のアルコール類を含有する疎水性液体を使用す
ると、上記(2)の反応がアルコール類により妨害され
てポリアミド樹脂壁膜の形成が阻害され、マイクロカプ
セルが全く生成しなかったり、あるいは生成しても収率
が非常に低いという問題点がある。
【0005】また上記方法においては、通常(1)の反
応に比べて(2)の反応が優位に進行する傾向にある。
特に、粒径300μm以下の微細マイクロカプセルを得
る場合には、4℃より高温条件で反応を進めると(1)
の反応よりも(2)の反応が極めて優位に進み、カプセ
ル化収率が著しく低下し、10℃以上ではほとんどカプ
セルが得られない。このため、上記方法で収率良く微細
なカプセルを得るには反応温度を0〜4℃の低温に保つ
必要があり、工業的に不利である。
【0006】これに対し、本出願人は、上記方法の問題
点を解消するため、多塩基酸ハライドを溶解させた疎水
性液体をポリビニルアルコール含有水溶液中に添加して
分散し、次いでアルカリ性化合物を添加した後、2価ア
ミンを添加する界面重縮合反応で、ポリアミド樹脂を生
成させる方法を提案した(特開昭63−260440号
公報)。即ち、この方法は疎水性液体中の多塩基酸ハラ
イドがポリビニルアルコールを架橋した後にヘキサメチ
レンジアミンとの重縮合反応によりポリアミド壁膜が形
成され、マイクロカプセルが得られるものである。しか
し、更に従来方法の問題点を解消し得、また特に、マイ
クロカプセルは、その粒径を大きくすることにより全表
面積が減少し、徐放性が向上し、肉眼で識別できるよう
になるという利点を有しているため、粒径150μm以
上の粒径が大きいマイクロカプセルのより有効な製造方
法の開発が要望される。
【0007】本発明は上記要望に応えるためになされた
もので、疎水性液体を芯物質として含有する粒径の大き
いマイクロカプセルを界面重合により高収率で製造し得
るマイクロカプセルの製造方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため鋭意検討を行なった結果、界面
重縮合反応により疎水性液体をポリアミド樹脂で被覆す
るマイクロカプセルの製造方法において、多塩基酸ハラ
イドが溶解してなる疎水性液体を、ポリビニルアルコー
ル以外のOH基、NH2基もしくはNH基を有する水溶
性高分子物質又は該水溶性高分子物質とポリビニルアル
コールとの混合物の水溶液中に添加して分散させ、次い
でアルカリ性化合物を添加した後、3価以上のアミンを
添加することにより、疎水性液体を芯物質として含有す
る粒径の大きいマイクロカプセルを高収率でかつ工業的
に有利に製造し得ることを知見した。
【0009】即ち、多塩基酸ハライドが溶解してなる疎
水性液体をポリビニルアルコールを除くOH基、NH2
基もしくはNH基を有する水溶性高分子物質又は該水溶
性高分子物質とポリビニルアルコールとの混合物の水溶
液中に添加し、更にアルカリ性化合物を添加すると、ア
ルカリ性化合物が触媒として働き、疎水性液体と水相と
の界面で上記水溶性高分子物質が多塩基酸ハライドによ
り部分的に架橋し、多孔性の薄膜を形成し、次いでこれ
に3価以上のアミンを添加すると、多孔性ハライドと多
価アミンとの重縮合反応によりポリアミド壁膜が形成し
てマイクロカプセルが得られるものであり、このように
アルカリ性化合物を添加した後に3価以上のアミンを添
加することにより、多塩基酸ハライドとポリビニルアル
コールを除くOH基、NH2基もしくはNH基を有する
水溶性高分子物質又はこれにポリビニルアルコールを混
合したものとの反応が進行した後に多塩基酸ハライドと
多価アミンとの反応が起こり、マイクロカプセル膜が3
次元構造を形成して膜強度が向上し、カプセルの粒径が
150μm以上になってもカプセル膜が破壊することが
ないことを知見したものである。
【0010】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のマイクロカプセルの製造方法は、界面重縮
合反応により疎水性液体をポリアミド樹脂で被覆するマ
イクロカプセルの製造方法において、多塩基酸ハライド
が溶解してなる疎水性液体を、ポリビニルアルコールを
除くOH基、NH2基もしくはNH基を有する水溶性高
分子物質又は該水溶性高分子物質とポリビニルアルコー
ルとの混合物の水溶液中に添加して分散し、次いでアル
カリ性化合物を添加した後、3価以上のアミンを添加す
るものである。
【0011】即ち、本発明においては、まず多塩基酸ハ
ライドが溶解してなる疎水性液体をポリビニルアルコー
ルを除くOH基、NH2基もしくはNH基を有する水溶
性高分子物質又はこれとポリビニルアルコールとの混合
物の水溶液に添加し、疎水性液体をこの水溶液中に分散
させる。
【0012】ここで、疎水性液体はマイクロカプセルの
芯物質となるものであり、マイクロカプセルの用途等に
応じて種々選択され、例えばエステル類,アルコール
類,アルデヒド類,ケトン類,炭化水素類等の1種又は
2種以上を使用することができる。特に本発明の製造方
法においては、疎水性液体中にアルコール類が含有され
ていても高収率でマイクロカプセルを製造し得るので、
疎水性液体としてヘキサノール,シス−3−ヘキセノー
ル,リナロール,ゲラニオール,シトロネロール,α−
ターピネオール,l−メントール,ボルネオール,ベン
ジルアルコール,β−フェニルエチルアルコール等の水
難溶性又は不溶性アルコール類を有効に使用することが
できる。これら疎水性液体は、そのまま用いてもよい
し、あるいは固体物質に含浸させたものを用いてもよ
い。
【0013】また、この疎水性液体に溶解させる多塩基
酸ハライドとしては、例えばアジポイルクロライド,セ
バコイルクロライド,テレフタロイルクロライド,イソ
フタロイルクロライド,4,4’−ビフェニルジカルボ
ニルクロライド,1,10−デカンジカルボニルクロラ
イド,ドデカンジ酸クロライド,ベンゼンテトラ酸クロ
ライド,トリメソイルトリクロライド等が挙げられる。
多塩基酸ハライドの使用量は特に制限されないが、疎水
性液体中の多塩基酸ハライドの濃度が0.05〜1.5
モル/lとなるように溶解させることが好ましい。
【0014】更に、上記疎水性液体を添加するOH基、
NH2基、NH基を有する水溶性高分子物質としては、
次のものが挙げられる。天然系高分子としては、プルラ
ン,キサンタンガム,カードラン,デキストラン,サク
シノグルカン,シゾフィラン,ニゲラン,レバン,ルテ
ィン酸,マンナン,担子菌類多糖類等の微生物系高分
子、グァーガム,ローカストビーンガム,タマリンドガ
ム,タラガム等の種子多糖類、ペクチン,クインスシー
ドガム等の果実多糖類、でんぷん,デキストリン等の根
茎多糖類、アラビアガム,アラビノガラクタン,トラガ
カントガム,カラヤガム,ガティーガム等の樹脂多糖
類、カラギーナン,アルギン酸,寒天,ファーセレラン
等の海藻多糖類、ゼラチン,カゼイン,アルブミン,キ
トサン等の動物系高分子などが挙げられ、半合成系高分
子としては、カルボキシメチルセルロース,メチルセル
ロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロ
ピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス,ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート,
カチオン化セルロース,硫酸化セルロース,でんぷん誘
導体,グァーガム誘導体などが挙げられ、合成系高分子
としては、ポリアクリルアミド,水溶性ナイロン,ポリ
エチレングリコールなどが挙げられる。これら水溶性高
分子は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用
することができる。なお、これらの中では、特にプルラ
ン,グァーガム,アラビアガムが好ましい。
【0015】一方、上記水溶性高分子物質と混合される
ポリビニルアルコールとしては、加水分解率(ケン化
度)70〜100モル%のポリビニルアルコールが好適
に使用し得、同じ又は異なる加水分解率の2種以上のポ
リビニルアルコールを混合して用いることもできる。こ
れらポリビニルアルコールの重合度は特に制限されない
が、重合度300〜3000、特に500〜2500の
ものを用いることが好ましい。
【0016】ポリビニルアルコールを上記OH基、NH
2基もしくはNH基を有する水溶性高分子物質と混合使
用する場合、その割合は、5/95〜95/5、特に3
0/70〜70/30とすることが好ましい。
【0017】上記OH基、NH2基もしくはNH基を有
する水溶性高分子物質又はこれとポリビニルアルコール
との混合物(以下、これらを総称して単に水溶性高分子
という)の水溶液中の濃度は別に限定されないが、0.
05〜5%(重量%、以下同じ)、特に0.1〜3%と
することが好ましい。水溶性高分子濃度が上記範囲を外
れると、マイクロカプセル収率が低下する場合がある。
更に、多塩基酸ハライドが溶解した疎水性液体の水溶性
高分子含有水溶液中への添加量は、水溶性高分子含有水
溶液に対して20〜100%とすることが好ましい。
【0018】次いで、本発明の製造方法においては、疎
水性液体を分散させた水溶性高分子水溶液中に、アルカ
リ性化合物を添加した後、3価以上のアミンを添加して
マイクロカプセルを得るものである。
【0019】本発明では、このようにアルカリ性化合物
を添加した後に、3価以上のアミンを添加することによ
り、まず、アルカリ性化合物が触媒として働き、疎水性
液体と水溶性高分子水溶液との界面で水溶性高分子が多
塩基酸ハライドで部分的に架橋して多孔性の薄膜を形成
し、次いで3価以上のアミンを添加すると、多塩基酸ハ
ライドと3価以上のアミンとの重縮合反応により、3次
元構造を形成して膜強度が大きいポリアミド壁膜が形成
する。
【0020】この場合、アルカリ性化合物としてはアル
カリ又はアルカリと弱酸との塩が使用され、具体的には
NaOH,KOH,Ca(OH)2,Na2CO3,K2
3,(NH42CO3,ケイ酸ナトリウム,リン酸ナト
リウム等が好適に用いられる。
【0021】アルカリ性化合物の添加量は適宜選択され
るが、多塩基酸ハライドと多価アミンとの重縮合反応に
より生成する際の中和当量の5〜100%、特にアルカ
リを使用する場合は5〜20%、アルカリと弱酸との塩
を使用する場合は10〜100%とすることが好まし
い。
【0022】更に、アルカリ性化合物を添加する際、反
応条件は特に制限されないが、好ましくは反応温度0〜
30℃で10〜60分間撹拌することにより容易に反応
が進行する。
【0023】3価以上のアミンとしては、ジエチレント
リアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペ
ンタミン,ペンタエチレンヘキサミンなどが挙げられ、
これらの1種を単独で又は2種以上を併用することがで
きる。また、3価以上のアミンを、2価のアミンである
ヘキサメチレンジアミン,エチレンジアミン,1,4−
ジアミノブタン,m−キシレンジアミン,p−フェニレ
ンジアミン,リジン,ピペラジン,二塩基アミノ酸,エ
ポキシ樹脂のアミン付加物などの1種又は2種以上と併
用することができる。上記3価以上のアミンの添加量
は、多塩基酸ハライドの反応当量の70〜200%、特
に100〜150%とすることが好適である。
【0024】なお、多価アミンを添加する際の反応条件
も特に限定されないが、反応温度を好ましくは0〜50
℃、より好ましくは20〜40℃とし、1〜2時間程度
撹拌することで、重縮合反応が効率良く進む。
【0025】本発明のマイクロカプセルは、3価以上の
アミンを用いることにより、3次元的な構造を形成させ
ることができるのでカプセル膜の強度が向上し、かつカ
プセル膜が緻密な構造を有する粒径150μm以上のマ
イクロカプセルを得ることができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0027】〔実施例1〕エチルブチレート10%、エ
チルカプロエート10%、アミルアセテート5%、リナ
ロール75%を含有する香料組成物200gにテレフタ
ロイルクロライド12gを溶解した後、この香料組成物
をポリビニルアルコール(重合度500,ケン化度88
%)2.5g及びプルラン(平均分子量20万)2.5
gを含有する水溶液250g中に撹拌下で分散させ、粒
径が平均300μmになるように調製した。
【0028】次いで、この香料組成物の分散溶液に反応
温度10℃で20%炭酸ナトリウム水溶液32gを加え
て30分間撹拌し、香料組成物と水相との界面に、ポリ
ビニルアルコール及びプルランをテレフタロイルクロラ
イドで架橋した多孔性の薄膜を形成させた。この薄膜の
存在は光学顕微鏡により確認された。
【0029】更に、この分散液にジエチレントリアミン
4.5gを添加して2時間撹拌して、香料組成物と水相
との界面でテレフタロイルクロライドとジエチレントリ
アミンの重縮合反応を進め、ポリアミド壁膜を有するマ
イクロカプセルを得た。なお、マイクロカプセル分散液
は、20%硫酸を添加することによりpH7.0に調整
した。
【0030】このマイクロカプセルの平均粒径は300
μmで、肉眼でその存在を確認することができた。ま
た、このマイクロカプセル分散液を光学顕微鏡で観察し
たところ、被覆されていない香料組成物粒子は存在せ
ず、カプセル化収率は100%であることが確認され
た。得られたマイクロカプセルはフローラル系の香りを
放ち、芳香剤として用いることができた。
【0031】〔実施例2〕プルラン(平均分子量20
万)の代わりに、グァーガム(平均分子量20〜30
万)2.5gを用いた以外は実施例1と同様に操作した
ところ、得られたマイクロカプセルの平均粒径は300
μmで、肉眼でその存在を確認することができた。ま
た、カプセル化収率は100%であることが確認され
た。このマイクロカプセルはフローラル系の香りを放
ち、芳香剤として用いることができた。
【0032】〔実施例3〕プルラン(平均分子量20
万)2.5gの代わりに、アラビアガム(平均分子量2
0〜30万)2.5gを用いた以外は実施例1と同様に
操作したところ、得られたマイクロカプセルの平均粒径
は300μmで、肉眼でその存在を確認することができ
た。また、カプセル化収率は100%であることが確認
された。このマイクロカプセルはフローラル系の香りを
放ち、芳香剤として用いることができた。
【0033】〔実施例4〕ポリビニルアルコール(重合
度500,ケン化度88%)2.5g及びプルラン(平
均分子量20万)2.5gの代わりに、アラビアガム
(平均分子量20〜30万)2.5gを用いる以外は、
実施例1と同様に操作したところ、得られたマイクロカ
プセルの平均粒径は300μmで、肉眼でその存在を確
認することができた。また、カプセル化収率は100%
であることが確認された。このマイクロカプセルはフロ
ーラル系の香りを放ち、芳香剤として用いることができ
た。
【0034】〔比較例1〕ジエチレントリアミン4.5
gの代わりにエチレンジアミン3.9gを用いる以外
は、実施例1と同様に操作を行なったところ、マイクロ
カプセルの形成は見られたが、壊れたカプセルが多く、
光学顕微鏡から測定したカプセル化収率は約30%であ
った。
【0035】〔比較例2〕ポリビニルアルコール(重合
度500,ケン化度88%)2.5g及びプルラン(平
均分子量20万)2.5gを添加せずに、実施例1と同
様に操作を行なったところ、マイクロカプセルの形成は
見られたが、壊れたカプセルが多く、光学顕微鏡から測
定したカプセル化収率は約40%であった。
【0036】〔実施例5〕シス−3−ヘキセノール5
%、アルデヒドC85%、アルデヒドC95%、アルデヒ
ドC105%、シトラール20%、リナロール10%、リ
モネン50%を含有する香料組成物200gにテレフタ
ロイルクロライド8gを溶解した後、ポリビニルアルコ
ール(重合度500,ケン化度88%)2.5g及びプ
ルラン(平均分子量20万)2.5gを含有する水溶液
250g中に、この香料組成物を撹拌下で分散させ、粒
径が平均300μmになるように調整した。
【0037】次いで、この香料組成物の分散水溶液に反
応温度10℃で20%水酸化ナトリウム水溶液2gを加
えて30分間撹拌し、香料組成物と水相との界面にポリ
ビニルアルコール及びプルランをテレフタロイルクロラ
イドで架橋した多孔性の薄膜を形成させた。
【0038】更に、この分散液にジエチレントリアミン
7.5%と水酸化ナトリウム7%とを含有する水溶液4
0gを添加し、2時間撹拌して香料組成物と水相との界
面でテレフタロイルクロライドとジエチレントリアミン
との重縮合反応を進め、ポリアミド壁膜を有する香料組
成物内包マイクロカプセル(平均粒径300μm)を得
た。なお、マイクロカプセル水溶液は、10%硫酸を添
加してpH7.0に調整した。
【0039】このマイクロカプセル分散液を光学顕微鏡
で観察したところ、壊れたカプセルや被膜のない粒子は
存在せず、カプセル化収率は100%であった。得られ
たマイクロカプセルは柑橘系の香りを放ち、芳香剤とし
て用いることができた。
【0040】〔実施例6〕ジエチレントリアミン7.5
%の代わりに、トリエチレンテトラミン8.0%を用い
る以外は、実施例5と同様に操作し、マイクロカプセル
分散液を得た。
【0041】このマイクロカプセル分散液を光学顕微鏡
で観察したところ、壊れたカプセルや被膜のない粒子は
存在せず、カプセル化収率は100%であった。得られ
たマイクロカプセルは柑橘系の香りを放ち、芳香剤とし
て用いることができた。
【0042】〔実施例7〕ジエチレントリアミン7.5
%の代わりに、ジエチレントリアミン3.8%とエチレ
ンジアミン3.3%を併用する以外は、実施例5と同様
に操作し、マイクロカプセル分散液を得た。
【0043】このマイクロカプセル分散液を光学顕微鏡
で観察したところ、壊れたカプセルや被膜のない粒子は
存在せず、カプセル化収率は100%であった。得られ
たマイクロカプセルは柑橘系の香りを放ち、芳香剤とし
て用いることができた。
【0044】〔実施例8〕アレスリン90%、ヘキセノ
ール5%、ヘキサナール5%を含有する殺虫剤組成物2
00gにセバコイルクロライド13g、トリメソイルト
リクロライド1gを溶解した後、これをポリビニルアル
コール(重合度1500,ケン化度88%)2g及びプ
ルラン(平均分子量20万)2gを含有する水溶液30
0g中に撹拌下で分散させ、粒径が平均300μmにな
るように調整した。
【0045】次いで、この分散水溶液に反応温度10℃
で20%炭酸ナトリウム水溶液32gを加えて30分間
撹拌した後、ジエチレントリアミン4.5gを添加して
60分間撹拌した。更に、反応温度を25℃に上げて6
0分間撹拌してマイクロカプセルを得た後、10%塩酸
を添加してpH7.0に調整した。
【0046】得られたマイクロカプセルは殺虫剤組成物
を内包し、ポリアミド壁膜を有する平均粒径300μm
のマイクロカプセルであり、カプセル化収率は100%
であった。このマイクロカプセルは誘引殺虫剤として利
用できた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマイクロ
カプセル製造方法によれば、界面重縮合反応を利用して
疎水性液体を芯物質として含有するマイクロカプセルを
高収率で、かつ工業的に有利に製造し得、特に、カプセ
ル膜強度の向上により、カプセル粒径が150μm以上
のものの製造が可能となり、かつカプセル膜が緻密な構
造を持つ。
【0048】更に、本発明の製造方法で得られるマイク
ロカプセルは、芯物質が多孔性の薄膜で被覆されている
ことから徐放性を有し、芯物質が徐々に放出されるの
で、各種香料を芯物質としてカプセル化し、芳香剤等の
フレグランス製品として利用したり、殺虫成分や誘引
剤、忌避剤、殺菌剤、除草剤等を芯物質としてカプセル
化し、農薬や殺虫剤などとして利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−166966(JP,A) 特開 昭61−33230(JP,A) 特開 昭57−21932(JP,A) 特開 昭63−258640(JP,A) 特公 昭54−6506(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01J 13/02 - 13/22 A01N 25/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面重縮合反応により疎水性液体をポリ
    アミド樹脂で被覆するマイクロカプセルの製造方法にお
    いて、多塩基酸ハライドが溶解してなる疎水性液体を、
    ポリビニルアルコールを除くOH基、NH2基もしくは
    NH基を有する水溶性高分子物質又は該水溶性高分子物
    質とポリビニルアルコールとの混合物の水溶液中に添加
    して分散し、次いでアルカリ性化合物を添加した後、3
    価以上のアミンを添加することを特徴とするマイクロカ
    プセルの製造方法。
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