JP2817380B2 - 縦型2重モード弾性表面波フィルタ - Google Patents
縦型2重モード弾性表面波フィルタInfo
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Description
過型で低損失の弾性表面波フィルタに関するものであ
る。
じ込め型共振子によって構成された従来の縦型2重モー
ドSAWフィルタ1が示されている。このSAWフィルタ1
は、圧電基板2の表面に、表面波励起用の2組のくし型
電極3および4を備え、その両側に反射器5および6を
配置した構成となっている。
器5と反射器6との間で励振された表面波のエネルギは
閉じ込められ、縦0次および縦1次の共振モードが現わ
れる。これら2つのモードの周波数差は、くし型電極3
および4の総対数によって変化し、入出力インピーダン
スと整合をとることにより、前述した2つのモードの周
波数差を通過帯域とする、縦型2重モードSAWフィルタ
1が実現される。
とえば、第8図に示すように、反射器5と反射器6との
間に、2組のくし型電極3および4に加えて、さらにも
う1組のくし型電極7を設けたものもある。この場合、
縦0次および縦2次の共振モードが現われることは、容
易に類推できる。
一般に通過帯域外での抑圧量が不充分であることが多
く、通常、上述したような構成のSAWフィルタすなわち
エネルギ閉じ込め型共振子を1セクションとして、同じ
ものを2セクション以上多段縦続接続した、第9図に示
すような構成を採用している。
1つの圧電基板2a上において、前述したSAWフィルタ1
に設けられていたくし型電極3および4ならびに反射器
5および6に加えて、さらに2組のくし型電極8および
9ならびに反射器10および11が設けられている。そし
て、これら2セクションのエネルギ閉じ込め型共振子
は、くし型電極4とくし型電極8とを接続することによ
り、縦続接続されている。
において、その通過帯域をより広帯域化するためには、
64゜回転YカットX方向伝搬のLiNbO3圧電基板のような
電気機械結合係数の大きい圧電基板を用いることが望ま
しい。
2重モードSAWフィルタ1aのように、エネルギ閉じ込め
型共振子を2セクション以上多段縦続接続した構成とし
た場合、その伝送特性は、第10図に示すように、縦0次
の共振点f0の高域側に不要スプリアスfcが現われる。こ
の不要スプリアスfcはXカットY方向伝搬のLiTaO3を圧
電基板として用いた場合でも同様に生じるが、この場合
には、不要スプリアスfcの位置は、縦0次の共振点f0の
ごく近傍に現われるため、くし型電極の電極指の対数、
くし型電極の膜厚および外部インピーダンスを適当な値
とすることで、通過帯域においてほぼ平坦な特性とする
ことができ、実用上問題とはならない。しかしながら、
64゜回転YカットX方向伝搬のLiNbO3圧電基板の場合に
は、不要スプリアスfcを通過帯域内に納めることは困難
であり、64゜回転YカットX方向伝搬のLiNbO3圧電基板
を用いた縦型2重モードSAWフィルタの実用上の問題と
なっていた。
ている。
方向伝搬のLiNbO3圧電基板を使用した縦型2重モードSA
Wフィルタにおいて、不要スプリアスのない通過帯域を
得ることができるようにしようとすることである。
電基板の上に、各々、少なくそとも2組のくし型電極が
近接配置されかつ前記くし型電極の両側に反射器が配置
されることによって、複数セクションのエネルギ閉じ込
め型共振子が構成され、これらエネルギ閉じ込め型共振
子が多段縦続接続された、縦型2重モードSAWフィルタ
に向けられるものであって、上述した技術的課題を解決
するため、前記エネルギ閉じ込め型共振子の各セクショ
ン間の接続部に、前記くし型電極と電気的に並列となる
結合容量を備えることを特徴としている。
に、少なくとも2組のくし型電極が近接配置されかつ前
記くし型電極の両側に反射器が配置されたエネルギ閉じ
込め型共振子が複数セクション構成され、これら複数セ
クションのエネルギ閉じ込め型共振子が多段縦続され
た、縦型2重モード弾性表面波フィルタに向けられるも
のであって、上述した技術的課題を解決するため、通過
帯域の高域側近傍に発生するスプリアスの周波数を前記
縦型2重モード弾性表面波フィルタの縦0次モードの周
波数に近接あるいは一致させることにより前記フィルタ
の通過帯域が形成されるような大きさの結合容量を、前
記エネルギ閉じ込め型共振子のセクション間の接続部
に、前記くし型電極と電気的に並列となるように接続す
ることを特徴としている。
NbO3圧電基板を用いた場合であっても、前述した結合容
量を設けることにより、不要スプリアスを縦0次モード
の共振点に近づけられることが実験的に確認された。し
たがって、この発明による縦型2重モードSAWフィルタ
は、平坦な通過帯域特性を与えることができる。
生により、これまで困難視されていた、64゜回転Yカッ
トX方向伝搬のLiNbO3圧電基板を用いた縦型2重モード
SAWフィルタを実現できるようになり、従来の2重モー
ドSAWフィルタに比べ、広帯域のSAWフィルタを提供する
ことができる。
ば通信機器等に採用することにより、そのような機器の
小型化を可能にするとともに、性能の広範囲化を可能に
する。
ードSAWフィルタ20の構成図である。
ットX方向伝搬のLiNbO3圧電基板21を備える。この圧電
基板21の上には、2セクションのエネルギ閉じ込め型共
振子が構成される。
配置された2組のくし型電極22および23、ならびにこれ
らくし型電極22および23の両側に配置された反射器24お
よび25を備える。
配置された2組のくし型電極26および27、ならびにこれ
らくし型電極26および27の両側に配置された反射器28お
よび29を備える。
にあるくし型電極26とが接続されることにより、これら
第1および第2セクションのエネルギ閉じ込め型共振子
は縦続接続される。
における出力側くし型電極28と第2セクションにある入
力側くし型電極26との接続部に、電気的に並列に結合容
量30を設けていることである。この実施例では、結合容
量30は、くし型電極22,23,26,27によって励起される表
面波と干渉しないような位置に配置されたくし型電極で
構成されているが、その他、電極パッドまたは外部付加
容量で構成してもよい。
のと同様、縦0次および縦1次の共振モードを利用して
いる。
ードSAWフィルタ20aの構成図である。
フィルタ20の場合と同様、64゜回転YカットX方向伝搬
のLiNbO3圧電基板21aを備える。この圧電基板21aの上に
は、縦続接続された2セクションのエネルギ閉じ込め型
共振子が構成される。
ため、第1図において用いた参照番号を対応の要素に付
して説明すると、第1セクションのエネルギ閉じ込め型
共振子においては、反射器24と反射器25との間に、くし
型電極22および23に加えて、もう1組のくし型電極31が
配置される。第2セクションのエネルギ閉じ込め型共振
子においては、反射器28と反射器29との間に、くし型電
極26および27に加えて、もう1組のくし型電極32が配置
される。このようにして、第1および第2のエネルギ閉
じ込め型共振子は、くし型電極を3分割しているため、
前述した第8図に示したものと同様、縦0次および縦2
次の共振モードが利用される。
型共振子を縦続接続するため、第1セクションにおける
くし型電極23および31と第2セクションにおけるくし型
電極26および32とが接続される。
同様、第1セクションの出力側くし型電極23および31の
結合部から第2セクションの入力側くし型電極26および
32の結合部へ至る電極部に、電気的に並列に結合容量30
が設けられている。
も、反射器24,25,28,29と関連のくし型電極22,23,26,2
7,31,32との間の間隔、ならびにくし型電極22,23,26,2
7,31,32相互間の間隔を、それぞれ、くし型電極22,23,2
6,27,31,32の電極指ピッチの整数倍に設定し、反射器2
4,25,28,29の格子間ピッチに対し、電極指ピッチをわず
かに小さくすることによって、共振子のQが向上され
る。このような条件を満足させることが、縦型2重モー
ドSAWフィルタの設計上、望ましいことは、周知であ
る。
重モードSAWフィルタに対して、前述したように、結合
容量を付加したことにある。これによって、従来では、
スプリアスが生じ、実用化が困難であった、64゜回転Y
カットX方向伝搬のLiNbO3圧電基板を使用した縦型2重
モードSAWフィルタを実現することができる。
て、この発明に係る縦型2重モードSAWフィルタの設計
上の好ましい条件について説明する。
つの縦モードの周波数差によって決定され、第2の実施
例の場合は、縦0次の共振モードの周波数と縦2次の共
振モードの周波数との差によって決定されることは、従
来技術において説明したとおりである。また、この周波
数差は、第2図におけるくし型電極22,23,31の総対数、
ならびにくし型電極26,27,32の総対数によって変化し、
さらに、比帯域幅の上限は、反射器24,25,28,29のスト
ップバンド幅によって決定されることは、周知の事実で
ある。ここで、ストップバンド幅を広くするためには、
励振される表面波の波長λに対する電極の膜厚hの比率
である電極膜厚比h/λを増大させることが望ましいが、
そのために電極の膜厚hを増大させると、電極の加工が
困難となり、かつバルク波への変換のために生じる損失
も増大することが知られている。したがって、以下に、
電極の膜厚hが、以上のような加工上の問題等の生じな
い範囲とされた場合において、第2の実施例に関する実
験結果について説明する。
けるくし型電極22,23,31または26,27,32の電極指の総対
数Nの大きさによる比帯域幅の変動を示した図である。
なお、この明細書において、総対数Nは、電極指の数の
1/2としている。
料である64゜回転YカットX方向伝搬のLiNbO3の100℃
の周囲温度変動に対する周波数変動分0.55%を考慮する
と、くし型電極の電極指の総対数Nは、50以下とするこ
とが望ましいと判断できる。
を抑圧するために、前述したように、結合容量30が付加
されるが、この結合容量30の大きさCcが適切に設定され
ると、特に顕著な効果を発揮する。以下、第2の実施例
における結合容量30の大きさCcの適切な範囲を決定する
ために行なった実験の結果を説明する。
くし型電極23および31ならびに26および32の総容量Ctに
対して結合容量30の大きさCcを変化させた場合の、不要
スプリアスfcと縦0次モードの共振点f0との周波数差す
なわち(fc−f0)/f0の変化を示したものである。
容量比Cc/Ctを増大させることによって、縦0次モード
の共振点f0に近づくことが確認される。
の実施例に係る縦型2重モードSAWフィルタ20aの周波数
特性を示している。不要スプリアスは、縦0次モードの
共振点と結合しているため、平坦な帯域特性が得られて
いるのが確認される。
入出力インピーダンスを要求に合致させることが可能で
あることは、広く知られている。したがって、このよう
な交さ幅は、この発明を実現する上で、特に限定される
ものではない。
ドSAWフィルタ20を示す構成図である。 第2図は、この発明の第2の実施例による縦型2重モー
ドSAWフィルタ20aを示す構成図である。 第3図は、第2の実施例に基づいて行なった実験によっ
て得られた、くし型電極の電極指の総対数Nと比帯域幅
との関係を示す図である。 第4図は、第2の実施例に基づいて行なった実験によっ
て得られた、結合容量比Cc/Ctとスプリアスの周波数差
(fc−f0)/f0との関係を示す図である。 第5図は、第2の実施例による縦型2重モードSAWフィ
ルタ20aの周波数特性を示す図である。 第6図は、従来の縦型2重モードSAWフィルタ1を示す
構成図である。 第7図は、第6図に示したSAWフィルタ1の2つのモー
ド分布を表わす概念図である。 第8図は、第6図に示したSAWフィルタ1の変形例にお
ける2つのモード分布を示す概念図である。 第9図は、他の従来例としての縦型2重モードSAWフィ
ルタ1aを示す構成図である。 第10図は、第9図に示した縦型2重モードSAWフィルタ1
aの周波数特性を示す図である。 図において、20,20aは縦型2重モードSAWフィルタ、21,
21aは圧電基板、22,23,26,27,31,32はくし型電極、24,2
5,28,29は反射器、30は結合容量である。
Claims (1)
- 【請求項1】64度回転YカットX方向伝搬のLiNbO3圧電
基板の上に、少なくとも2組のくし型電極が近接配置さ
れかつ前記くし型電極の両側に反射器が配置されたエネ
ルギ閉じ込め型共振子が複数セクション構成され、これ
ら複数セクションのエネルギ閉じ込め型共振子が多段縦
続された、縦型2重モード弾性表面波フィルタにおい
て、 通過帯域の高域側近傍に発生するスプリアスの周波数を
前記縦型2重モード弾性表面波フィルタの縦0次モード
の周波数に近接あるいは一致させることにより前記フィ
ルタの通過帯域が形成されるような大きさの結合容量
を、前記エネルギ閉じ込め型共振子のセクション間の接
続部に、前記くし型電極と電気的に並列となるように接
続することを特徴とする、縦型2重モード弾性表面波フ
ィルタ。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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---|---|---|---|---|
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-
1990
- 1990-09-03 JP JP2233560A patent/JP2817380B2/ja not_active Expired - Lifetime
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