JP2817069B2 - 磁性塗料の調製方法 - Google Patents

磁性塗料の調製方法

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JP2817069B2
JP2817069B2 JP3203544A JP20354491A JP2817069B2 JP 2817069 B2 JP2817069 B2 JP 2817069B2 JP 3203544 A JP3203544 A JP 3203544A JP 20354491 A JP20354491 A JP 20354491A JP 2817069 B2 JP2817069 B2 JP 2817069B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープや磁気ディ
スクを製造するために使用される磁性塗料の調製方法に
関するものであり、特に官能基を有する結合剤を含む磁
性塗料の調製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録、特にVTRの磁気記録
において、高密度記録化が急速に進み、磁気記録媒体に
対し、短波長記録においても高再生出力が得られるよう
に、磁気特性、電磁変換特性の向上が求められている。
【0003】そのために、いかに少ない結合剤で磁性塗
料中に強磁性粉末を均一に分散するかということがポイ
ントとなる。現在一般に強磁性粉末の分散には官能基を
有する結合剤を使用し、強磁性粉末に吸着させ、その立
体障害効果により分散を安定化する方法がとられてい
る。結合剤の量を多くすれば吸着する結合剤の量も増
え、分散は安定化されるが、媒体になった際の強磁性粉
末の充填度が下がり、結果的に特性が落ちてしまう。そ
こで結合剤の吸着率を上げる必要がある。そのため、吸
着能の高い官能基の探索や吸着し易い混合条件の研究が
広く行われている。例えば、塩化ビニル共重合体、ポリ
ウレタン樹脂やニトロセルロースなどにスルホ基及びそ
の塩、カルボン酸及びその塩などの親水性の官能基の導
入などが試みられている。(特開昭61−198416
号、特開昭57−114719号、特開昭59−542
3号の各公報)一方、特開昭54−83406号公報に
ある如く、強磁性粉末の表面処理による分散性改良が考
えられる。これは水酸基ないしカルボキシル基を有する
樹脂を溶解させた希薄溶液を調整し、この溶液で強磁性
粉末を湿潤させた後、減圧乾燥して、粉末表面に樹脂被
覆を形成し、この処理粉末を結合剤樹脂と共に基体に塗
着するという提案であるが、ここにおいて事前に樹脂で
強磁性粉末に吸着させてしまうため、後から加える結合
剤は吸着には寄与しないし、この提案は充填度向上とい
う観点は全く考えていない。
【0004】即ち、余分な結合剤を除去しようという思
想はない。このように、これら結合剤樹脂の吸着率を上
げるには限界があり、投入した結合剤の何割かは吸着し
ないまま残ることがわかった。従って磁性塗料中に分散
性向上に寄与せず媒体中の強磁性粉末の充填率を下げて
しまう余分な結合剤を多く含んでいるという欠点がいま
だ解消されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点を解消して優れた電磁変換特性の磁気記録媒
体の製造が可能な磁性塗料の調製方法を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した本発明の目的
は、少なくとも強磁性粉末、官能基を有する結合剤及び
溶剤を含む磁性塗料を攪拌、混合し、主として結合剤の
吸着した強磁性粉末からなる固形部分と、主として結合
剤が溶解した溶液部分からなる混合液を得て、その後、
前記混合液から前記固形部分を分離し、その分離した固
形部分に新たに溶剤及び添加剤を加えて、攪拌、混合す
ることを特徴とする磁性塗料の調製方法により、達成で
きる。
【0007】本発明の基本的な概念は、従来法のような
事前に強磁性粉末と結合剤等の磁性層組成形成用磁性塗
料の配合割合を決定するのではなく、磁性塗料の調製過
程において、強磁性粉末と結合剤等の磁性層組成形成用
磁性塗料の配合割合が決められることにあり、その主眼
とするところは、磁性層形成に必要な結合剤のうち極力
余分な結合剤を排除しようとする思想にあり、これによ
りより優れた電磁変換特性を与える磁気記録媒体を提供
しようとするものである。
【0008】即ち、本発明は、その余分な結合剤を排除
するために少なくとも強磁性粉末と結合剤を含む磁性塗
料の溶液部分を固形部分より分離、除去することを最大
の特徴とするものである。
【0009】ここで、溶液部分とは、溶剤に溶解してい
る任意の溶質の溶液部分をいい、この中には主として溶
剤に溶解している結合剤が含まれる。また、固形部分と
は、磁性塗料のうち溶解していない固形分を意味し、主
として結合剤の吸着した強磁性粉末からなり、他の無機
粉末等があればそれも含む意味である。ここで、吸着と
は、結合剤が有する官能基と強磁性粉末の活性点とがイ
オン的および/または共有結合的に吸着した状態を包含
するものである。
【0010】従って、本発明は、このような強磁性粉末
と吸着していないフリーの結合剤、即ち、磁性層におい
て余分な結合剤となりえる部分を極力排除して強磁性粉
末の充填度および分散性を向上しようとするものであ
り、同時に必要最低限の結合剤を確保して磁性層の耐久
性を保持しようとするものである。即ち、単に事前に配
合する結合剤の量を減らした場合、分散を安定化するの
に必要な結合剤の吸着量が得られず、目的の磁気記録媒
体は得られない。
【0011】従来法による磁性塗料では、強磁性粉末と
して、酸化鉄を使用した場合約1/2の結合剤がフリー
の状態で存在し、強磁性金属粉末の場合は、1/3の結
合剤がフリーの状態で存在する。
【0012】本発明では、このようなフリーの結合剤を
除去する手段は任意であるが、最終調製の磁性塗料にお
ける結合剤の溶液部分と固形部分への分配率、言い換え
れば固形部分への吸着比率を制御することにほかならな
い。
【0013】まず、本発明における磁性塗料の結合剤の
最低量を補償するため磁性塗料中の結合剤量をもって評
価できる。その結合剤量〔g/g〕は次式(1)で表せ
る。 結合剤量=(重量B−重量C)/重量C 式(1) また、本発明の吸着比率は、次式(2)で与えられる。
【0014】吸着比率 % … 式(2) =100X[1 −(重量A −重量B )×重量E ÷((重量B −重量C)(重量D −重量E))] 上記式(1)、(2)の結合剤量、吸着比率は、磁性塗
料を試料として次のような方法で強磁性粉末1g当たり
の結合剤量と結合剤の吸着比率を求めたものである。あ
らかじめ、使用する溶剤が蒸発し、結合剤が分解蒸発し
ない温度(温度A)と結合剤が分解蒸発する温度(温度
B)の測定をおこなっておく。そしてまず、固形部分か
ら適当な量(重量A:溶剤+強磁性粉末+結合剤)を温
度Aにし、溶剤を蒸発させる。その重量(重量B:樹脂
+強磁性粉末)を測定した後、温度Bにし、結合剤を分
解させて、残留物の重量(重量C:主として強磁性粉
末)を測定する。
【0015】次に試料の溶液部分を採取する。この溶液
部分を適当量(重量D:溶剤+結合剤))とり、これを
温度Aにし、溶剤を蒸発させ、残留物の重量(重量E:
結合剤)を測定する。
【0016】本発明において、式(1)で評価される最
終磁性塗料の結合剤量は、強磁性金属粉末にあっては
0.02〜0.30g/g、好ましくは、0.05〜
0.20g/g、更に好ましくは0.1〜0.17g/
gであり、酸化鉄系強磁性粉末にあっては、0.01〜
0.25g/g、好ましくは、0.03〜0.18g/
g、更に好ましくは0.05〜0.15g/gである。
【0017】本発明において、式(2)で評価される最
終磁性塗料の吸着比率は、強磁性金属粉末にあっては8
0%以上、好ましくは、90%以上、更に好ましくは9
5%以上であり、酸化鉄系強磁性粉末にあっては、65
%以上、好ましくは、70%以上、更に好ましくは75
%以上である。
【0018】本発明において、結合剤量、吸着比率を制
御する手段は任意であるが、例示すれば、以下の方法が
挙げられる。主として、結合剤量を制御する方法として
は、強磁性粉末、結合剤、及び溶剤の配合割合を調整す
る方法が一般的であり、強磁性粉末として強磁性金属粉
末また酸化鉄系粉末を使用した場合には、共に重量比
で、強磁性粉末:結合剤:溶剤=1:0.05〜2.
0:0.10〜10.0、好ましくは1:0.1〜1.
0:0.2〜5.0の範囲が望ましい。
【0019】吸着比率を制御する方法は、上記結合剤量
を制御する方法と深く関連するが、他の因子として結合
剤の種類、溶剤の種類、量、混合攪拌時間、溶液部分の
除去方法等により、調整できる。
【0020】結合剤を強磁性粉末に吸着させるための混
合攪拌時間は、好ましくは5分〜2日、更に好ましくは
15分〜5時間である。溶液部分の除去方法としては、
特に制限はないが、通常、固形部分と溶液部分の2相に
相分離させてから溶液部分を除去する方法が挙げられ
る。
【0021】該相分離する手段としては、自然沈降、遠
心分離、磁力分離等が使用できる。自然沈降は、1時間
〜3日位が好ましい。また、溶液部分の除去は、溶液部
分を系から除去するようにしても固形部分を系から抽出
するようにしてもどちらでもよい。
【0022】本発明においては、溶液部分の除去は、複
数回行うことができる。即ち、結合剤量を確保した条件
で新た溶剤を固形部分あるいは固形部分をすくなくと
も含む部分に添加して、新たに生じた溶液部分を除去す
ることができる。
【0023】この時の溶剤による固形部分の希釈は、
部分の10倍容まで可能である。即ち、吸着比率が期
待する値になるまで、溶剤添加、攪拌、沈降、溶液部分
除去を繰り返すことができる。
【0024】最後に、溶剤量を調整し、その他添加剤を
加え、最終磁性塗料とすることが一般的であるが、該添
加剤のうち当初から添加しても吸着比率等に悪影響を及
ぼさなければそれも可能である。
【0025】尚、強磁性粉末以外の無機粉末を含む場合
には、特に遠心分離法により固形分を沈降させ、溶液部
分を除去する方法が好ましい。また、溶液部分の除去法
として、結合剤を吸着除去するための吸着剤を磁性塗料
に添加し、結合剤が吸着した後、濾過等により吸着剤を
分離することにより、フリーな結合剤を除去する方法が
挙げられる。この場合、吸着剤の径を強磁性粉末等の無
機粉末に比べて大きくすることが必要である。
【0026】この様な吸着剤としては、活性炭等が挙げ
られる。本発明において、磁性塗料の混合方法はいろい
ろと考えられるが、例えば、ニーダ、3本ロールミル、
ホモミキサ、ポールミル、サンドミルなどを使う方法が
ある。場合によってはこれらを複数組合せて使うことも
できる。
【0027】本発明に用いられ結合剤は上述したように
強磁性粉末と吸着する官能基を有する。該官能基として
は、該吸着が可能であれば、特に制限はないが、特に、
−COOM、−SO3 M、−OSO3 M、−PO
3 2 、−OPO3 2 (ここで、Mは水素、アルカリ
金属、又はアンモニウム基を示す)が好ましい。これら
は、同一の結合剤分子内に1種以上含まれることができ
る。また、同一もしくは異種の官能基を1種以上の樹脂
に導入した結合剤を使用してもよい。また、官能基のな
い樹脂を所望量混合して、本発明の結合剤としてもよ
い。
【0028】官能基の結合剤樹脂への導入は、公知の手
段が適用できる。本発明に用いられる結合剤としては、
塩化ビニル系共重合体(例えば、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコー
ル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・アクリル酸共重
合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル・アクリロニトリル共重合体)、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体、ニトロセルロース樹脂等のセルロース誘導
体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリウレタン系樹脂(例えば、ポリエステル系ポリウレ
タン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリカー
ボネートポリウレタン樹脂)等を挙げることができる。
【0029】上記結合剤の内特に好ましいのは塩化ビニ
ル系共重合体とポリウレタン系樹脂である。ポリ塩化ビ
ニル系共重合体は、分子量としては3,000〜50,
000、好ましくは、8,000〜30,000であ
る。この範囲を外れると硬化性が不良になったり、ある
いは耐久性が悪くなったりする。
【0030】これらの塩化ビニル系共重合体は、ベース
となるポリ塩化ビニル系共重合体として、例えば塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニル
アルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイ
ン酸−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−プロピ
オン酸ビニル−マレイン酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−プロピオン酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩
化ビニリデン−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化
ビニリデン−プロピオン酸ビニル−ビニルアルコール共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸−ビニルアル
コール共重合体等の塩化ビニル系共重合体、およびこれ
らの共重合体を鹸化して用いてもよい。
【0031】また、官能基を導入する方法としては、例
えば、次のような方法を挙げることができる。上記のベ
ースとなる共重合体のヒドロキシ基もしくはカルボキシ
ル基の一部を、あるいは鹸化することによって生じたヒ
ドロキシル基の一部を多官能イソシアネートの1個のN
CO基と反応させ、残るNCO基をCO2 H基、SO3
M基、OPO3 2 基等を含有するヒドロキシル化合物
とを反応させることによって得ることができる。
【0032】これらの基の導入方法は前述の方法に限定
されるものではない。これらの樹脂の合成例は、特開昭
61−89207号、同61−10660号、同57−
40744号、同59−8126号等に開示されてい
る。本発明に使用できる樹脂は、これらの合成例に限定
されるものではない。
【0033】ポリウレタン系樹脂としては、ポリエステ
ル系ポリウレタンの場合、主鎖の骨格がポリエステル、
ポリエーテル、ポリエステルエーテル、ポリカプロラク
トン、ポリカーボネート等のいずれでもよい。最も、一
般的に使うことのできるものは、ポリエステルである。
これに用いられる二塩基酸の具体例としては、蓚酸、マ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン
酸、ドデカン2酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、トリメチルアジピン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テ
トラヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等が挙げ
られる。
【0034】ポリウレタン系樹脂への官能基の導入法と
しては、これら二塩基酸に官能基を導入したもの、例え
ば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−カリウム
スルホイソフタル酸等をポリオールと反応させることが
挙げられる。
【0035】分子量としては、1,000〜100,0
00であり、好ましくは2,000〜50,000、特
に好ましくは3,000〜30,000である。分子量
が1,000未満の場合、得られる磁気記録媒体の磁性
層が強くなりすぎ、折り曲げたときに割れがはいった
り、工程中や保存中の加熱により磁気記録媒体がカール
するという問題が発生しやすい。一方、分子量が10
0,000を越えると溶剤への溶解性が不良となりやす
く、取扱いに不便となるのみでなく、強磁性粉末の分散
性が悪化したり、硬化に多大なエネルギーを必要とする
ので好ましくない。
【0036】本発明において、結合剤に導入される官能
基の量は結合剤1g当たり、10-7〜10-3当量程度含
むものが好ましく、更に好ましくは10-6〜10-2当量
の範囲である。
【0037】本発明には任意の架橋剤あるいは硬化剤を
使用できるが、好ましくは溶液部分を除去した後に添加
することが望ましい。架橋剤として用いるられるポリイ
ソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4
−4′−ジフエニルメタンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トル
イジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
トリフエニルメタントリイソシアネート等のイソシアネ
ート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコ
ールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によっ
て生成したポリイソシアネート等を使用することができ
る。これらのイソシアネート類の市販されている商品名
としては、日本ポリウレタン社製:コロネートL、コロ
ネートHL、コロネート2030、コロネート203
1、ミリオネートMR、ミリオネートMTL、武田薬品
社製:タケネートD−102、タケネートD−110
N、タケネートD−200、タケネートD−202、住
友バイエル社製:デスモジュールL、デスモジュールI
L、デスモジュールN、デスモジュールHL等があり、
これらを単独または硬化反応性の差を利用して二つもし
くはそれ以上の組合せで用いることができる。
【0038】本発明において用いる強磁性粉末として
は、従来公知の任意の強磁性粉末が使用できる。例え
ば、針状の強磁性粉末としてγ酸化鉄、Co変性酸化
鉄、CrO2 、マグネタイト、Co含有マグネタイト、
及びFeを主成分とした合金粉末(例えば、Fe−A
l、Fe−Si、Fe−Ni、Fe−Ni−Co等)、
あるいは板状の強磁性粉末として六方晶フェライト系強
磁性粉末(Baフェライト、Srフェライト等)、及び
Co含有合金粉末が使用できる。これらの強磁性粉末に
は所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、
Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、S
b、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、
Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Z
n、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。
【0039】これら強磁性粉末のHc、σS は、適宜選
択してよい。本発明の磁性塗料においては、任意の添加
剤、例えば、カーボンブラック等の帯電防止剤、研磨
剤、着色剤、潤滑剤、分散剤等が含まれてもよい。
【0040】本発明に用いられる研磨剤としてはα化率
90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ
素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダ
ム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカ
ーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など
が単独または組合せで使用できる。
【0041】潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑
効果、などをもつ添加剤としては下記のものが列挙され
る。固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン、二硫化タ
ングステン、グラフアイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、
カーボンブラック等が挙げられる。
【0042】有機質潤滑剤としては、シリコーンオイ
ル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、
フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素
含有エステル、ポリオレフイン、ポリグリコール、アル
キル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル
硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフエニル
エーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびその
アルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸
(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわな
い)、および、これらの金属塩(Li,Na,K,Cu
など)または、炭素数12〜22の一価、二価、三価、
四価、五価、六価アルコール(不飽和結合を含んでも、
また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22の
アルコキシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂
肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかま
わない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、
五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含
んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモ
ノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂
肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキ
ルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸
アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用で
きる。
【0043】これらの具体例としてはラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ス
テアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、エライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン
酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オ
クチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソル
ビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステ
アレート、アンヒドロソルビタントリステアレート、オ
レイルアルコール、ラウリルアルコール、が挙げられ
る。
【0044】また、アルキレンオキサイド系、グリセリ
ン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオ
キサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、
エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイ
ン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム
類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォ
ン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、などの
酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノ
スルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エス
テル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も
使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活
性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載され
ている。
【0045】本発明で用いられる溶剤として通常の有機
溶媒が使用でき、任意の比率で使用しえる。有機溶媒と
しては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソ
ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシ
クロヘキサノール、などのアルコール類、酢酸メチル、
酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸
エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジ
メチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオ
キサン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの
芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロ
ライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒ
ドリン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、
N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等が挙げられ
る。
【0046】本発明により調製された磁性塗料は、非磁
性支持体上に公知の塗布方法により、塗布し、次いで乾
燥、所望により磁場配向、カレンダー処理等を施して、
テープ状、ディスク状、カード状等の所望の形状に裁断
して磁気記録媒体を製造することができる。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により詳
細に説明する。実施例、比較例で用いた強磁性粉末、結
合剤、溶剤は以下の通りである。
【0048】強磁性粉末A:強磁性金属粉末 組成;F
e (Hc:1500Oe) 強磁性粉末B:Co含有γ−Fe2 3 (Hc:700Oe) 結合剤:スルホ基含有塩化ビニル共重合体(日本ゼオン
社製 MR110) 溶剤:シクロヘキサノン なお作製した試料の評価は次のように行った。調製した
塗料を厚さ14μmのポリエチレンテレフタレート支持
体上に乾燥厚みが4μmとなるように塗布し、2極対向
永久磁石からなる磁界によって、一定方向に配向処理し
た後乾燥させた。その後、支持体を所定幅に裁断して磁
気テープを作り、このテープの配向方向の角型比と最大
磁束密度を東英工業製試料振動型磁力計を使用し、印加
磁界5000Oeで測定した。角型比は分散の度合いを
反映し、最大磁束密度は、強磁性粉末充填率を反映して
いる。
【0049】(実施例1) ニーダおよびサンドミルを使用し、強磁性粉末A(強磁
性金属粉末)を用いて表1の試料実1−1〜実1−4の
組成の分散液を得た。次に磁石(住友特殊金属社製 N
EOMAX磁石)を用いて強磁性粉末を沈降させ、沈降
物の固形分濃度、即ち固形部分濃度が50%になるよう
に上澄み、即ち溶液部分を取り除いた。この沈降物を回
収し、取り除いた上澄みと同じ重量の溶剤を加え、攪拌
した後、磁石で沈降させ、上澄みを除去するという操作
を3回繰り返した。最後にもう一度同量の溶剤を加えて
攪拌し、試料とした。得られた試料の結合剤量と吸着比
率を測定した結果を表2に示す。この結果よりすべての
試料について吸着比率が97%以上となっていた。これ
ら試料に表3に示した割合で添加剤を加え塗料とした。
各塗料から作製した磁気テープの評価結果を表4、図1
および図2に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】(比較例1)実施例1の比較として、表5
に示した組成の試料をニーダ及びサンドミルにて調製し
た。この試料の吸着比率を表6に示す。これら試料に表
3に示した割合で添加剤を加え、塗料とした。各塗料に
て磁気テープを作製し評価した結果を表7、図1及び図
2に示す。
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】(実施例2)強磁性粉末として強磁性粉末
B(Co含有γ−Fe2 3 )を使用し、実施例1と同
様の実験を行った。組成を表8に示す。この強磁性粉末
はもともと結合剤が吸着しにくいため、溶剤添加、上澄
み除去を2回以上行うと、結合剤量が少なくなり、磁気
テープにした時強度に問題が生じる。そこで上澄み除去
を1回だけ行った。その結果吸着比率が80%程度の試
料が得られた。この際の結合剤量を表9に示す。これら
試料に表3に示した割合で添加剤を加え塗料とした。こ
の塗料を用いて磁気テープを作製し、評価した結果を表
10、図3及び図4に示す。
【0059】
【表8】
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】(比較例2)実施例2の比較として表11
に示した組成の試料を調製した。表12に、その試料の
吸着比率を示す。これら試料に表3に示した割合で添加
剤を加え塗料とした。各塗料にて磁気テープを作製し、
評価した結果を表13、図3及び図4に示す。
【0063】
【表11】
【0064】
【表12】
【0065】
【表13】
【0066】実施例1と比較例1の対比、実施例2と比
較例2の対比から明らかなように未吸着結合剤を除去す
ることは、少ない結合剤で分散性を確保することを可能
にし、充填率の高く、磁気特性、電磁変換特性に優れた
磁気記録媒体を提供する。
【0067】
【発明の効果】本発明は、結合剤が溶解している溶液部
分の除去という非常に簡単な操作を加えるのみで、形成
される磁性層の余分な樹脂を磁性塗料調製時に除去でき
るので、充填率の高く、磁気特性、電磁変換特性に優れ
た磁気記録媒体を容易かつ安価に提供することができる
優れた磁性塗料の調製方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1と比較例1により作製した磁気テープ
の角型比を結合剤量に対しプロットしたグラフである。
【図2】実施例1と比較例1により作製した磁気テープ
の最大磁束密度を結合剤量に対しプロットしたグラフで
ある。
【図3】実施例2と比較例2により作製した磁気テープ
の角型比を結合剤量に対しプロットしたグラフである。
【図4】実施例2と比較例2により作製した磁気テープ
の最大磁束密度を結合剤量に対しプロットしたグラフで
ある。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも強磁性粉末、官能基を有する
    結合剤及び溶剤を含む磁性塗料を攪拌、混合し、主とし
    て結合剤の吸着した強磁性粉末からなる固形部分と、主
    として結合剤が溶解した溶液部分からなる混合液を得
    て、その後、前記混合液から前記固形部分を分離し、そ
    の分離した固形部分に新たに溶剤及び添加剤を加えて、
    攪拌、混合することを特徴とする磁性塗料の調製方法。
  2. 【請求項2】 前記混合液の固形部分の分離方法が、前
    記混合液を放置し、固形部分を沈降させた後、上澄み液
    である溶液部分を除去することであることを特徴とする
    請求項1記載の磁性塗料の調製方法。
  3. 【請求項3】 前記官能基を有する結合剤が−COO
    M、−SO3 M、−OSO3 M、−PO3 2 、−OP
    3 2 (ここで、Mは水素、アルカリ金属、又はアン
    モニウム基を示す)より選ばれた少なくとも1種の極性
    基を有する結合剤であることを特徴とする請求項1記載
    の磁性塗料の調製方法。
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