JP2813998B2 - 電子部品搭載用基板 - Google Patents

電子部品搭載用基板

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JP2813998B2 JP34314889A JP34314889A JP2813998B2 JP 2813998 B2 JP2813998 B2 JP 2813998B2 JP 34314889 A JP34314889 A JP 34314889A JP 34314889 A JP34314889 A JP 34314889A JP 2813998 B2 JP2813998 B2 JP 2813998B2
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武 武山
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、半導体装置を構成するためのリードを有し
た電子部品搭載用基板に関するもので、特に実装した電
子部品を中心に樹脂等によってモールドするようにした
電子部品搭載用基板に関するものである。
(従来の技術) 従来の半導体装置は、例えば第3図に示すように構成
されているものであり、各リードと同一位置に形成され
たダイパッド上に、電子部品を搭載した基板を固定し
て、各リードの外端部が露出するような状態でトランス
ファーモールドすることにより形成されるものである。
このような、ダイパッド上に基板を固定するものにお
いては、次のような難点があった。
この従来の半導体装置においては、電子部品を実装す
るための基板を、直接ダイパッド上に固定しなければな
らないから、この基板に導体回路を形成する上での自由
度が制限され、また高密度化がしにくい。
各リードはモールド樹脂の外方に突出させなけらばな
らないものであるが、各リードとモールド樹脂との密着
性を十分なものとしておかなければならない。各リード
とモールド樹脂との接着面が弱いと、両者間から電子部
品に悪影響を及ぼす湿気等が侵入するだけでなく、両者
間に剥れ等の現象を生じるからである。
従来の半導体装置における特にの難点については、
出願人は、例えば特開平1−199497号公報等において提
案している技術によって既に解決している。すなわち、
出願人が提案している電子部品等搭載基板は、第1図及
び第2図に示すように、各リード(11)の内端部の両面
に基材(12)を一体化したものであり、この基材(12)
中に各リード(11)の内端部をサンドイッチ状に挟み込
んだものである。これにより、モールド樹脂(30)内に
モールドされる電子部品搭載用基板(10)全体の厚さを
従来のものに比して薄くすることができるとともに、当
該電子部品搭載用基板(10)の両側に導体回路(13)を
形成することができる等の理由から、電子部品搭載用基
板(10)自体の高密度化を達成することができたのであ
る。
また、この特開平1−199479号公報において提案した
ような形式の電子部品搭載用基板(10)において、その
断面形状を第3図に示したそれよりも少し複雑化できる
とともに、各導体回路(13)の接続をリード(11)の内
端部を貫通するスルーホール(14)によっても行い、こ
のスルーホール(14)中にモールド樹脂(30)が侵入し
得るようにすることによって、前述した難点もある程
度解決してきている。しかしながら、各リード(11)の
モールド樹脂(30)から露出する部分の近傍においては
依然従来のままであるから、この部分においてもリード
(11)のモールド樹脂(30)との密着を確実にしておく
必要性が生ずる場合もあるようになってきたのである。
そこで、本発明者等は、リード(11)の基材(12)と
の密着性は勿論のこと、リード(11)のモールド樹脂
(30)との密着性をも完全なものとするにはどうしたら
よいかについて種々検討してきた結果、本発明を完成し
たのである。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、以上のような経緯に基づいてなされたもの
で、その解決しようとする課題は、各リード(11)の基
材(12)及びモールド樹脂(30)に対する密着性のさら
なる向上である。
そして、本発明の目的とするところは、各リード(1
1)の基材(12)及びモールド樹脂(30)に対する密着
性を確実なものとすることができて、半導体装置とした
ときに耐久性を非常に良好なものとすることのできる電
子部品搭載用基板(10)を提供することにある。
(課題を解決するための手段及び作用) 以上の課題を解決するために、本発明の採った手段
は、実施例において使用する符号を付して説明すると、 「互いに電気的に独立した複数のリード(11)と、そ
の内端部の両面に一体的に設けられて各リード(11)の
外端部を突出させる基材(12)と、この基材(12)に形
成した導体回路(13)とを備えて、基材(12)上に実装
されるべき電子部品(20)と各リード(11)とを導体回
路(13)等を介して電気的に接続してから基材(12)及
び実装された電子部品(20)を中心にモールドするよう
にした電子部品搭載用基板(10)において、 各リード(11)の少なくとも表面部分を銅系材料のも
のとするとともに、この銅系材料のモールド樹脂(30)
及び基材(12)に接触する面並びに外部に露出する面に
黒化還元被膜(16)を形成したことを特徴とする電子部
品搭載用基板(10)」 である。
すなわち、本発明に係る電子部品搭載用基板(10)
は、その各リード(11)の少なくとも表面を銅系材料に
よって形成するとともに、この銅系材料のモールド樹脂
(30)及び基材(12)に接触する面並びに外部に露出す
る面に黒化還元被膜(16)を積極的に形成したものであ
る。
ここで重要なことは、黒化還元被膜(16)は、黒化還
元処理によって形成されたものであって、単なる黒化処
理を行って形成したものではないということである。黒
化還元処理とは、例えばリードフレームの表面に酸化第
二銅皮膜を形成する化学的処理を行うことにより微細な
凹凸を形成した後、アルカリ性還元剤溶液に浸漬処理す
るものである。
これに対して、黒化処理では、リードフレームとモー
ルド樹脂の密着力を上げるために、リードフレーム表面
に酸化第二銅皮膜を形成し、微細な凹凸を設けることに
より密着力を上げていた。しかし、この黒化処理の欠点
は、銅メッキ液や酸処理液等の酸性液に浸漬すると、ス
ルーホール壁や、基材端部において、リードフレームと
基材の界面の酸化第二銅が酸性液に溶解する現象(ハロ
ー現象)が発生することがあり、このため信頼性が低下
することである。
その点、その後にアルカリ性還元剤溶液に浸漬処理す
る黒化還元処理を施しておけば、耐酸性が高くなり、前
述したハロー現象を抑制することができるのである。
以上のような黒化還元処理を可能とするために、各リ
ード(11)の少なくとも表面を銅系材料によって形成す
る必要がある。また、各リード(11)を銅系材料とする
必要があるのは、近年の次のような要望がリードフレー
ム材料に対してあることがあげられる。すなわち、各リ
ード(11)を構成するためのリードフレーム材としては
42合金が一般的に使用されてきているのであるが、導電
性及び熱の伝導性等を更に向上させる必要があることか
ら、銅に着目されてきているのである。
・42合金よりも優れた伝導性を有すること ・42合金に匹敵する強度及び耐熱性を有すること ・他のディバイス構成材との熱膨張整合性が良好なこ
と ・ハンダ耐候性がよいこと ・寸法精度がよくプレス打抜きやエッチング性がよい
こと ・メッキ性がよいこと ・安価であること 以上のような性質を有している銅系材料としては、近
年開発が急激になされてきており、実施例や次に例示す
るような種々のものが既に実用段階に入ってきている。
国内では、当社がC19400(HSM銅)やTAMACシリーズ、神
戸製鋼所はKFCやKLFシリーズ、古河電工はEFTECシリー
ズ、三菱電機はMF202、同和金属工業はDKシリーズ、住
友グループはC19400やSLFシリーズ、日本鉱業はNKシリ
ーズ、三井金属鉱業はMLK21、東芝はCCZなど、また外国
では、米国O1inは従来材のC19400、C19500、C15100に加
えて新合金としてC19700、C19750、O1in−Aなどを開発
しつつあり、西独Wiel andもKシリーズ、韓国、釜山金
属工業もPMC102など多数の銅合金が使用され、かつ実用
化のための評価に入っているのである。
以上のように構成した電子部品搭載用基板(10)の各
リード(11)においては、必要箇所に黒化還元被膜(1
6)が形成されているから、この黒化還元被膜(16)の
表面にはモールド樹脂(30)や基材(12)を構成する樹
脂のための所謂アンカーが多数存在したものとなってい
る。従って、この黒化還元被膜(16)を介して、各リー
ド(11)に対して基材(12)やモールド樹脂(30)を接
着したとき、これら各基材(12)やモールド樹脂(30)
は各リード(11)に強固に一体化されるのである。
これにより、この電子部品搭載用基板(10)を使用し
て例えば第2図に示したような半導体装置を構成した場
合、各リード(11)とモールド樹脂(30)との密着性及
び各リード(11)と基材(12)との密着性が非常に強固
なものとなるのであり、当該装置内への湿気等の侵入を
許すことがないだけでなく、この装置にリード(11)等
を介して外力が加わったとしても、各リード(11)と基
材(12)やモールド樹脂(30)間に剥離を生ずることは
ないのである。
(実施例) 次に、本発明を図面に示した実施例に基づいて詳細に
説明すると、第1図には本発明に係る電子部品搭載用基
板(10)の斜視図が示してあり、この電子部品搭載用基
板(10)を使用したディップ型半導体装置が第2図に示
してある。
この電子部品搭載用基板(10)は、まず多数のリード
(11)を一体化して構成したリードフレームに対して、
各リード(11)の内端部に対応する面の両側に絶縁性の
基材(12)を一体化することにより形成されるが、その
場合に各リード(11)の基材(12)や後述のモールド樹
脂(30)内に埋設される部分に黒化還元被膜(16)が予
め形成されるものである。
各リード(11)としては銅系材料によって形成したも
のとすることが必要である。その理由は、各リード(1
1)の表面に黒化還元被膜(16)を次に説明する方法に
よって形成する必要がある。この銅系材料としては、完
全な銅を使用してもよいが、本実施例においては次の組
成を有するものを使用した。
この他にも、例えば42アロイからなるリードフレーム
の表面に銅をメッキしたものも採用できるものである。
なお、銅系材料としては、次の表2に示すようなもの
も具体的に採用し得るものである。
そして、このような銅系材料からなる各リード(11)
(実際上はリードフレームの状態のリード(11))の表
面に酸化第二銅被膜を形成した後に、これをアルカリ性
還元剤溶液中に浸漬処理することによって、黒化還元被
膜(16)を形成するのである。
各リード(11)の表面に酸化第二銅被膜を形成する具
体的な方法としては、(a)アルカリ性亜塩素酸ナトリ
ウム水溶液に1〜15分間浸積する方法、(b)アルカリ
性過硫酸カリ水溶液に1〜5分間浸積する方法、あるい
は(c)硫化カリ塩化アンモニア水溶液中に2〜5分間
浸積する方法等がある。そして、形成された酸化第二銅
被膜を還元して黒化還元被膜(16)とするために使用さ
れるアルカリ性還元剤溶液としては、ペーハー7〜13.5
の水溶液に還元剤としてホルマリン、次亜リン酸、次亜
リン酸ナトリウム、塩酸ヒドラジン、水素化ホウ素ナト
リウム等の一種または二種以上を溶解させたものを採用
するのである。
このようなアルカリ性還元剤溶液中に、表面に酸化第
二銅被膜を形成したリード(11)を浸積すれば、この酸
化第二銅被膜は、その表面の微細な凹凸及び樹脂との化
学的親和性を損なうことなく還元されて、酸化第一銅被
膜、すなわち黒化還元被膜(16)となるのである。
以上のような黒化還元被膜(16)を有する各導体回路
(13)の内端部の両面に一体化された基材(12)に対し
て、第1図に示したように、常法により導体回路(13)
を形成するとともに、この導体回路(13)と各リード
(11)との間にスルーホール(14)を、第1図及び第2
図にて示したように形成するのである。これにより、本
発明の電子部品搭載用基板(10)は完成されるが、この
電子部品搭載用基板(10)を使用して第2図のような半
導体装置を構成するには、電子部品(20)を基材(12)
上に搭載するとともにこの電子部品(20)と各導体回路
(13)とをボンディングワイヤ(15)等によって電気的
に接続した後、この電子部品(20)及び基材(12)とを
中心とするようにモールド樹脂(30)によってモールド
するのである。
(発明の効果) 以上、詳述した通り、本発明においては、上記実施例
に例示した如く、 「互いに電気的に独立した複数のリード(11)と、そ
の内端部の両面に一体的に設けられて各リード(11)の
外端部を突出させる基材(12)と、この基材(12)に形
成した導体回路(13)とを備えて、基材(12)上に実装
されるべき電子部品(20)と各リード(11)とを導体回
路(13)等を介して電気的に接続してから基材(12)及
び実装された電子部品(20)を中心にモールドするよう
にした電子部品搭載用基板(10)において、 各リード(11)の少なくとも表面部分を銅系材料のも
のとするとともに、この銅系材料のモールド樹脂(30)
及び基材(12)に接触する面並びに外部に露出する面に
黒化還元被膜(16)を形成したことを特徴とする電子部
品搭載用基板(10)」 にその構成上の特徴があり、これにより、各リード(1
1)の基材(12)及びモールド樹脂(30)に対する密着
性を確実なものとすることができて、半導体装置とした
ときに耐久性の非常に良好なものとすることのできる電
子部品搭載用基板(10)を提供することができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る電子部品搭載用基板の斜視図、第
2図はこの電子部品搭載用基板を採用して構成したディ
ップ型半導体装置の断面図、第3図は従来の電子部品搭
載用基板を使用して構成した半導体装置の断面図であ
る。 符号の説明 10……電子部品搭載用基板、11……リード、12……基
材、13……導体回路、14……スルーホール、16……黒化
還元被膜、20……電子部品、30……モールド樹脂。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−37080(JP,A) 特開 平1−286340(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 23/50

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに電気的に独立した複数のリードと、
    その内端部の両面に一体的に設けられて各リードの外端
    部を突出させる基材と、この基材に形成した導体回路と
    を備えて、前記基材上に実装されるべき電子部品と前記
    各リードとを前記導体回路等を介して電気的に接続して
    から前記基材及び実装された電子部品を中心にモールド
    するようにした電子部品搭載用基板において、 前記各リードの少なくとも表面部分を銅系材料のものと
    するとともに、この銅系材料の前記モールド樹脂及び前
    記基材に接触する面並びに外部に露出する面に黒化還元
    被膜を形成したことを特徴とする電子部品搭載用基板。
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