JP2810882B2 - 糸の連続小割装置 - Google Patents

糸の連続小割装置

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JP2810882B2
JP2810882B2 JP19848696A JP19848696A JP2810882B2 JP 2810882 B2 JP2810882 B2 JP 2810882B2 JP 19848696 A JP19848696 A JP 19848696A JP 19848696 A JP19848696 A JP 19848696A JP 2810882 B2 JP2810882 B2 JP 2810882B2
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司 村上
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  • Winding Filamentary Materials (AREA)
  • Replacing, Conveying, And Pick-Finding For Filamentary Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糸の連続小割装置
に関する。織布や編布を作る機械はそれぞれ織機、編機
と呼ばれる。織機は、複数の経糸を平行に張っておき、
この平行に張った経糸に対して直角方向に順次緯糸を通
していき、織布を織るものである。前記複数の経糸は、
同一長さの糸を巻き取った巻芯を複数個設置し、この複
数個の巻芯からそれぞれの巻芯に対応する糸を繰り出
し、これらを平行に張っている。逆に言えば、織機で織
布を織るには同一長さの糸が巻き取られた複数の巻芯を
予め用意しておく必要がある。同様に、編機で編布を編
むにも同一長さの糸が巻き取られた複数の巻芯を予め用
意しておく必要がある。1本の原糸を複数の同一長さの
糸に分割しながら、分割された糸を巻芯に巻き取ってい
き、糸が巻き取られた複数の巻芯を作るための装置が糸
の連続小割装置である。
【0002】
【従来の技術】最近の消費者の多彩なニーズに合わせ
て、色彩豊かな種々の織布や編布を織る必要があり、多
品種小ロットの受注形態が大半を占めている。一枚の織
布や編布を作るためには、例えば500mで同一長さの経糸
が数百本必要である。一方、前記経糸や緯糸の元となる
原糸は1本で例えば30,000〜60,000mもの長さがあり、
受注に対応して、1本の原糸全てを染めることができな
い。このため、受注の少ない色の糸の在庫が増えたり、
無駄になったりしていた。
【0003】そこで、1本の原糸を複数の同一長さの糸
に分割して、分割された糸を複数の巻芯にそれぞれ分割
して巻き取るための糸の連続小割装置が開発されてい
る。図10は巻芯の概略斜視図、図11は従来の糸の連
続小割装置の概略斜視図である。図10に示すように、
巻芯mは円筒形で中空部分eを有しており、その周面に
糸を巻き取るものである。図11に示すように、従来の
糸の連続小割装置は上方に巻芯供給機構120 が設けられ
ている。この巻芯供給機構120 は複数の巻芯mを貯めて
おくためのボックス121 とダクト124 から構成されてい
る、前者のボックス121 は前方斜めに向けて配設されて
いる。後者のダクト124 の下部には巻芯送出口125 が設
けられており、この巻芯送出口125 には逐次送出爪126
が開閉自在に取り付けられている。この逐次送出爪126
は図示しないスプリングの付勢力によって常時閉じてお
り、巻芯mを送り出すときにのみ開くもので、閉じてい
るときには、スプリングの付勢力によって巻芯mが巻芯
送出口125 から落下するのを防止している。この構成に
よって、巻芯供給機構120 は複数の巻芯mのうち常に1
本の巻芯mを巻芯供給機構120 の巻芯送出口125 から送
り出すことができる。この巻芯供給機構120 の下方には
巻芯ホルダー140 が設けられている。この巻芯ホルダー
140 は図示しないが対向する一対の爪を有しており、こ
の一対の爪で巻芯mの両端を支持し、この巻芯mを自軸
廻りに回転させることができるものである。巻芯供給機
構120 と巻芯ホルダー140 との間には、巻芯受渡機構13
0 が設けられている。この巻芯受渡機構130 は、回転軸
132 にアーム131 の基端が上下揺動自在に取り付けられ
ており、このアーム131 の先端には巻芯握着部136 が取
り付けられているものである。このアーム131 は常時図
で示す上位位置に待機しており、図示しないコントロー
ラにより指令されると、揺動しながら巻芯ホルダー140
の巻芯支持位置に移動する。アーム131 が上位位置から
巻芯ホルダー140 の巻芯支持位置へ移動する間に、アー
ム131 の巻芯握着部136 は巻芯供給機構120 の巻芯送出
口125 の逐次送出爪126 に掛合して、この逐次送出爪12
6 が外れ、巻芯握着部136 によって巻芯送出口125 から
巻芯mは抜き取られる。そして、アーム131 がさらに巻
芯ホルダー140 の巻芯支持位置まで下降し、巻芯ホルダ
ー140 に巻芯mが支持される。巻芯ホルダー140 の下方
には垂直面内で回転自在な綾振りドラム113 が設けられ
ている。この綾振りドラム113 の背面には、巻芯mに巻
き取られた糸が所望の長さになると、糸をカットし、カ
ットされた糸の尾端を巻芯ホルダー140 の位置に移動さ
せる図示しない糸寄せカット機構が設けられている。R
は給糸側原糸で、1本の糸yが巻き取られたものであ
り、回転自在なターンテーブルTの上に設置されてい
る。105 は巻芯受板で、巻芯ホルダー140 に近設され、
巻芯ホルダー140 の巻芯支持位置から後方に向かって傾
斜して配設された板である。所望の長さの糸yが巻き取
られた巻芯mは、この巻芯受板105 を自重により転がっ
て、図示しない巻芯収納箱に収納される。給糸側原糸R
から繰り出された糸yは、綾振りドラム113 を通って、
巻芯ホルダー140 が支持する巻芯mに巻き取られる。
【0004】このような構成によって、従来の糸の連続
小割装置は以下のように巻芯mに糸yを巻き取る。図1
2は従来の糸の連続小割装置の動作説明図であって、
(A)は巻芯受渡機構130 の側面図、(B)は巻芯ホル
ダー140 の正面図である。図13は巻芯ホルダー140 の
動作説明図で、(A)は巻芯mを解放した状態、(B)
は巻芯mを支持した状態である。まず、巻芯供給機構12
0 のボックス121 に複数本の巻芯mを入れておく。各巻
芯mは巻芯mの自重でボックス121 の底斜面を転がり、
ボックス121 からダクト124 を通り、ダクト124 の巻芯
送出口125 まで転がり待機する。糸の連続小割装置を稼
働させると、図12(A)、(B)に示すように、巻芯
受渡機構130 のアーム131 は二点鎖線で示す上位位置か
ら揺動しながら下降し、前記巻芯供給機構120 の巻芯送
出口125 の位置に移動する。そして、このアーム131 の
先端の巻芯握着部136 は、巻芯供給機構120 の逐次送出
爪126 に掛合して、この逐次送出爪126 が外れるので、
巻芯受渡機構130 の巻芯握着部136 によって巻芯供給機
構120 の巻芯送出口125 に位置している巻芯mは握まれ
て巻芯供給機構120 の巻芯送出口125 から抜き取られ
る。巻芯mを抜き取られた巻芯供給機構120 では、ダク
ト124 の内部の次の巻芯mが自重によって、巻芯供給機
構120の巻芯送出口125 まで転がり、抜き取られた巻芯
mの替わりに新たな巻芯mが待機する。ついで、巻芯受
渡機構130 のアーム131 は実線で示す下位位置へ揺動し
ながら下降する。ここで、図13(A)に示すように、
前記糸寄せカット機構の糸寄せアーム151 によって、巻
芯mの中空部分eと巻芯ホルダー140 の間に糸yが移動
される。ついで、図13(B)に示すように巻芯ホルダ
ー140 が、糸yを巻芯mとで挟んで巻芯mの両端を握ん
で支持する。そして、巻芯ホルダー140 は巻芯mをその
自軸方向廻りに回転させ、この巻芯mの回転に同調して
綾振ドラム113 は回転する。巻芯mと綾振ドラム113 と
がともに回転するので、糸yは巻芯mの長手方向に沿っ
て幾度も往復しながら巻芯mに巻き取られる。巻芯mに
巻き取られた糸yが所定の長さになると、巻芯mおよび
綾振ドラム113 はともに回転を停止する。そして、図示
しない糸寄せカット機構のカッターによって、巻芯mと
綾振ドラム113 との間の部分の糸yをカットされる。そ
して、巻芯mを支持していた巻芯ホルダー140 は、その
巻芯mを解放する。解放された巻芯mは巻芯受板105 上
に移動し、この巻芯受板105 上を転がり、そして、巻芯
収納箱に収納される。この動作を繰り返し、1本の給糸
側原糸Rの糸yを複数の同一長さの糸yに分割しなが
ら、分割されたそれぞれの糸yを複数の巻芯mに巻き取
ることができる。このため、巻芯mに巻き取られた糸y
毎に受注に合った種々の色に染めればよいので、糸yを
無駄なく使うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、糸yは細く
て撓むため、正確に巻芯mと巻芯ホルダー140 との間に
糸yを挟むことができない。このため、糸yが巻芯mか
ら外れてしまい、外れた糸yを人手によって巻芯mに取
り付けねばならず、連続的に巻芯mに糸yを巻き取らせ
ることができないという問題がある。また、従来の巻芯
受渡機構130 は、巻芯ホルダー140 の巻芯支持位置に巻
芯mを揺動しながら移動させるので、巻芯mの停止位置
を上下方向および前後方向に対して正確に決めねばなら
ない。つまり、巻芯mの停止位置が上下方向または前後
方向のいずれか一方に少しでもズレると、巻芯ホルダー
140 と巻芯mとの間に正確に糸yを位置決めさせること
ができないという問題がある。さらに、巻芯mと巻芯ホ
ルダー140 との間に糸yをうまく挟んだ場合であって
も、図13(B)に示すように、糸yの尾端が巻芯mと
巻芯ホルダー140 との間から余分な糸yとして出てしま
う。このため、巻芯mに糸yを巻き取っている間に、こ
の余分な糸yをも巻き取ってしまう。したがって、織布
を織る場合、この巻芯mから糸yを繰り出すときに、前
記余分な糸yが引っかかってスムーズに出ていかず、と
きには、糸yが切れてしまうことがあるという問題があ
る。さらにまた、巻芯mに巻き取るべき糸yの長さが短
い場合には、糸yが巻き取られた巻芯mは軽量となる。
このため、この糸yを巻き取った巻芯mが、巻芯受板10
5 を転がっていかないので、巻芯受板105 上に巻芯mが
貯ってしまい、巻芯ホルダー140 の動作が阻害され連続
操業を行うことができないという問題がある。
【0006】本発明はかかる事情に鑑み、原糸を複数の
巻芯に分割しながら自動的・連続的に巻き取ることがで
き、しかも糸の尾端を正確に巻芯に装着することがで
き、巻芯を糸の尾端とともに正確に支持することがで
き、糸の尾端を残さずに巻芯に巻き取ることができる糸
の連続小割装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の糸の連続小割
装置は、給糸側原糸から繰り出した糸を複数の筒形の巻
芯に分割して巻き取るための装置であって、前記複数の
巻芯を一つずつ巻芯送出口から送り出す巻芯供給機構
と、巻芯を両端で支持し、巻芯を自軸廻りに回転させる
巻芯ホルダーと、前記巻芯供給機構から巻芯を受け取
り、該巻芯を前記巻芯ホルダーの巻芯支持位置に移動さ
せる巻芯受渡機構と、前記巻芯ホルダーの近くに設けら
れた、回転自在な綾振りドラムを有するワインダーと、
糸が巻かれた巻芯と給糸側原糸との間の部分の糸を前記
巻芯供給機構の巻芯送出口へ移動させてカットする糸寄
せカット機構と、カットされた給糸側原糸の尾端を巻芯
の中空部分に送り込む尾端位置決め機構とからなること
を特徴とする。請求項2の糸の連続小割装置は、前記巻
芯受渡機構が、前記巻芯供給機構の巻芯送出口と前記巻
芯ホルダーの巻芯支持位置との間を水平に移動し、前記
巻芯ホルダーが、前記巻芯受渡機構の移動方向に直交す
る水平方向において同一軸線上に配設された一対のシャ
フトからなり、一方のシャフトは固設され、他方のシャ
フトは軸方向に移動し、巻芯を握持・解放しうることを
特徴とする。請求項3の糸の連続小割装置は、前記尾端
位置決め機構が、エアを吹き付けるエア吹付ノズルと、
該エア吹付ノズルのエアを吸引する吸引ブロアーとから
なり、前記エア吹付ノズルおよび吸引ブロアーの吸引口
が前記巻芯供給機構の巻芯送出口で待機する巻芯の中空
部分を挾む両側に、それぞれ配設されたことを特徴とす
る。請求項4の糸の連続小割装置は、前記巻芯ホルダー
の下方に巻芯受板が設けられ、糸が巻き取られた巻芯が
該巻芯受板に自重で垂直落下することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面
に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態に係わる
糸の連続小割装置の概略側面図、図2は同概略斜視図で
ある。図1〜2に示すように、本実施形態の糸の連続小
割装置1は図示しない給糸側原糸から繰り出された1本
の糸yを複数の円筒形の巻芯mに分割して巻き取るため
の装置である。本実施形態の糸の連続小割装置1は、水
平に設けられた左右一対のベース2の上に、連結ビーム
3が前記一対のベース2,2間を渡して取り付けられて
おり、この連結ビーム3の上に巻芯供給機構20が設けら
れている。この巻芯供給機構20は前面下部に巻芯送出口
25が設けられており、複数の巻芯mを内部に貯めてお
き、巻芯送出口25から1本ずつ送り出すものである。そ
して、この巻芯供給機構20の前方におけるベース2上
に、巻芯mを支持して、この巻芯mに糸yを巻き取らせ
る巻芯ホルダー40が設けられている。そして、前記巻芯
供給機構20の下部には、巻芯受渡機構30が設けられてい
る。本実施形態において、この巻芯受渡機構30は、前記
巻芯供給機構20の巻芯送出口25で1本の巻芯mを受け取
り、この巻芯mを前記巻芯ホルダー40の支持位置に水平
移動させることを特徴とする。そして、前記巻芯供給機
構20の巻芯送出口25の側方に、本実施形態の特徴である
尾端位置決め機構60が設けられている。前記巻芯ホルダ
ー40の上方には、その先端に公知の綾振りドラム13を回
転自在に取り付けられたワインダー10が設けられてい
る。7はテンショナーで、図示しない給糸側原糸から繰
り出された糸yをテンショナー7で経由させ、テンショ
ナー7より先の部分の糸yに一定の張力をかけるための
ものである。
【0009】ベース2より下方には、糸寄せカット機構
50が設けられている。この糸寄せカット機構50は、糸y
が巻き取られた巻芯mと給糸側原糸との間の部分の糸y
を前記巻芯供給機構20の巻芯送出口25へ移動させて、そ
の糸yをカットするものである。6は巻芯収納箱であ
る。本実施形態において前記巻芯ホルダー40の下方に
は、一対の巻芯受板5、5が設けられているのが特徴で
ある。この一対の巻芯受板5、5は互いに下向きに傾斜
して対向させており、この1対の巻芯受板5、5は谷を
形成しており、さらに巻芯収納箱6に向けて傾斜してい
る。巻芯mは円筒形で中空部分eが形成されており、周
面に糸yが巻き取られるものである。なお、巻芯mは木
管や合成樹脂管や紙管などを使用することができる。
【0010】つぎに、各機構10〜60について詳細に説明
する。図3は巻芯供給機構20および巻芯受渡機構30の側
面図である。図2〜3に示すように、巻芯供給機構20は
ボックス21の内部に前傾してダクト24が設けられたもの
である。このボックス21は前板22の両側部にそれぞれ側
板23が取り付けられたものである。ダクト24の前方部分
24a は屈曲されて、垂直下方に延びており、この前方部
分24a とボックス21の前板22との間の間隙は巻芯mの直
径より少し広くなっている。そして、この巻芯供給機構
20のボックス21の前面には、後述する糸寄せカット機構
50の図示しない位置決め棒53が固着されているが、詳細
は後述する。ボックス21の側板23の前方下部は一部欠削
されており、この欠削部を巻芯送出口25としている。ボ
ックス21の前板22の前面における下方には、枢軸27で前
後方向に揺動自在に支持された、逆くの字状の逐次送出
爪26が取り付けられている。巻芯受渡機構30の詳細につ
いては、後述する。
【0011】つぎに、巻芯ホルダー40を説明する。図4
は、ワインダー10を外した状態の本実施形態の糸の連続
小割装置1の概略斜視図である。図2および図4に示す
ように、巻芯ホルダー40は、ベース2上に設けられてお
り、ベース2の長手方向に直交する水平方向において同
一軸線上に、一対のシャフト41、42が設けられたもので
ある。43はL字型金具で、底面部をベース2に取り付け
られており、側面部には一方のシャフト41が固着されて
いる。他方のシャフト42は自軸方向に前後進退自在に設
けられている。前記一対のシャフト41、42にはそれぞれ
軸面の中心位置に突起45が形成されており、この突起45
は巻芯mの中空部分eに突入係合するものである。44は
シャフト支材で、シャフト42を支えるものである。上記
のシャフト42を自軸方向に前後に進退させると、一対の
シャフト41、42によって巻芯mの両端を握持・開放する
ことができる。
【0012】つぎに、巻芯受渡機構30を説明する。図3
および図4に示すように、巻芯受渡機構30は、前記巻芯
供給機構20の下部における内部に、巻芯供給機構20の巻
芯送出口25と同じ高さで、ベース2の長手方向に沿って
前後進退自在に取り付けられており、この巻芯送出口25
と前記巻芯ホルダー40の巻芯支持位置との間を水平に前
後進退させることができるものである。この巻芯受渡機
構30は、底板31の上面に、前端縁部32a を垂直下向きに
屈曲された上板32が巻芯mの直径の長さ分だけ後方にず
らして取り付けられている。そして、底板31の前端部に
は開閉自在に一対の蝶板34,35が取り付けられている。
33は補強板である。一方の蝶板35は補強板33と底板31と
に挟まれて、底板31に固着されている。他方の蝶板34は
図示しないスプリングによって常時閉じる方向に付勢力
を受けており、前記巻芯ホルダー40に掛合するときにの
み開くものである。この構成により、蝶板34と補強板33
と前端縁部32a とが囲む空間に巻芯mを支持することが
できる。なお、この巻芯受渡機構30は、前記巻芯供給機
構20の巻芯送出口25で1本の巻芯mを受け取り、この巻
芯mを前記巻芯ホルダー40の支持位置に水平移動させる
ことができるものであればよく、種々の構成を採択しう
る。
【0013】つぎに、ワインダー10を説明する。図5は
ワインダー10の動作説明図であって、(A)は回転時の
状態、(B)は停止時の状態である。図2および図5
(A)、(B)に示すように、このワインダー10は、一
対のアーム11の先端に公知の綾振りドラム13が回転自在
に取り付けられたものであって、揺動軸14で上下に揺動
するように構成されている。綾振りドラム13の同軸には
プーリー13P が取り付けられており、揺動軸14にはプー
リー14P が取り付けられている。このプーリー13P とプ
ーリー14P にはVベルトが巻き掛けられている。そし
て、揺動軸14は図示しないモーターによって回転される
ように構成されている。したがって、図示しないモータ
ーの駆動によって綾振りドラム13を回転させることがで
きる。また、アーム11は図示しないエアシリンダによっ
て、揺動軸14で上下に揺動することができる。12は補強
ビーム、15は保護カバーである。図5(A)に示すよう
に、前記巻芯ホルダー40の一対のシャフト41,42が巻芯
mを両端で握持している状態で、ワインダー10の綾振り
ドラム13は巻芯mに接触している。綾振りドラム13を回
転させると、綾振りドラム13と巻芯mとの間の摩擦力に
よって巻芯mは回転する。このため、糸yは巻芯mの長
手方向に沿って何度も往復しながら巻芯mに均一に巻き
取られる。図5(B)に示すように、ワインダー10の綾
振りドラム13が巻芯mから遠ざかり接触していない。こ
の場合、巻芯mは回転しないが、巻芯mを巻芯ホルダー
40に握持・解放させやすい。
【0014】つぎに、糸寄せカット機構50を説明する。
図6は糸寄せカット機構50の平面図である。図1〜2お
よび図6に示すように、糸寄せカット機構50は、糸寄せ
アーム51と、図1〜2に示す位置決め棒53と、カッター
54とから構成されている。糸寄せアーム51は、ベース2
の下方に垂直に立てて取り付けられた回転軸52に水平面
内で回転自在に取り付けられている。そして、この糸寄
せアーム51の先端部51a はくの字に屈曲されており、糸
yを引掛けやすくなっている。位置決め棒53は図1〜2
に示すように、前記巻芯供給機構20のボックス21の前板
22において、巻芯送出口25より少し上方に固着されてい
る。カッター54は位置決め棒53の下方に設けられてい
る。このカッター54によって、糸yをカットして、巻芯
mに巻き取られた巻芯m側の糸yと、給糸側原糸側の糸
yとに分割することができる。この構成により、糸寄せ
アーム51が図6で示す実線の位置から二点鎖線の位置ま
で移動すると、図1で示すように、テンショナー7と巻
芯mとの間の部分の糸yは実線の位置から二点鎖線の位
置まで移動する。テンショナー7から出ている二点鎖線
で示す糸yは、位置決め棒53に掛合して、前記巻芯供給
機構20の巻芯送出口25の側方を通って、糸寄せカッター
機構50の糸寄せアーム51の先端部51a に掛合して、巻芯
mに巻かれている。
【0015】つぎに、本実施形態の特徴の一つである尾
端位置決め機構60を説明する。図7は巻芯送出口25周辺
の説明図であって、(A)は側面図、(B)は後面断面
図である。図2および図7(B)に示すように、尾端位
置決め機構60は巻芯送出口25に待機している巻芯mの中
空部分eの側方に、エアを吹き付けるエア吹付ノズル61
が配設されており、このエア吹付ノズル61に対向して、
この巻芯mの中空部分eを挟む位置に吸引ダクト62が配
設されている。この吸引ダクト62にはエア吹付ノズル61
のエアを吸引する図示しない吸引ブロアーが接続されて
いる。なお、尾端位置決め機構60はカットされた給糸側
原糸の尾端を巻芯mの中空部分eに送り込むことができ
ればよく、種々の構成を採択しうる。
【0016】したがって、エア吹付ノズル61がエアを巻
芯mの中空部分eに向けて吹き付けると、このエアは巻
芯mの一端から中空部分eを通って、巻芯mの他端へ抜
ける。このエアは、吸引ダクト62を通って図示しない吸
引ブロアーに吸引される。つまり、エア吹付ノズル61か
ら図示しない吸引ブロアーへ向かってエアが巻芯mの中
空部分eを通る構造となっている。
【0017】この構成により、尾端位置決め機構60は以
下のように動作する。前述のごとく、前記糸寄せカット
機構50の糸寄せアーム51によって移動された糸yは、図
1の二点鎖線で示すように位置決め棒53に掛合して、巻
芯供給機構20の巻芯送出口25を通っている。ところで、
図7(A)に示すように、巻芯送出口25には巻芯mが待
機している。したがって、巻芯送出口25を通る糸yは、
巻芯mの中空部分eの側方に位置することになる。
【0018】そして、糸寄せカット機構50のカッター54
で糸yがカットされると、図8(A)、(B)に示すよ
うに、カットされた糸yは給糸原糸側の糸yと巻芯m側
の糸yとに分割される。巻芯m側の糸yについては後述
する。給糸側原糸側の糸yは張力がなくなって、この糸
yの尾端は自重で巻芯mから外れようとするが、尾端位
置決め機構60によって、この糸yの尾端は巻芯mの中空
部分eに導かれる。つまり、尾端位置決め機構60によっ
て、糸yの尾端を巻芯mに接触させて、巻芯mから糸y
が外れるのを防止できるという効果を奏する。
【0019】つぎに、本実施形態の糸の連続小割装置1
による糸の小割作業を説明する。図9は本実施形態の糸
の連続小割装置1の動作説明図である。説明のため、巻
芯供給機構20の巻芯送出口25で待機している複数の巻芯
mのうち最下位置のものを巻芯m1 とし、巻芯m1 の上
の巻芯を巻芯m2 とし、巻芯m2 の上の巻芯を巻芯m3
とする。そして、巻芯m1 の前に糸yが巻き取られた巻
芯を巻芯m0 とする。まず、図9(A)に示すように、
巻芯m1 は巻芯送出口25に位置しており、糸yは図示し
ない糸寄せカット機構50のアーム51によって、巻芯m1
の中空部分eの側方に移動する。そして、糸寄せカット
機構50のカッター54で糸yが切られると、巻芯m0 に巻
き取られた巻芯m側の糸yと、給糸側原糸R側の糸yと
に分割される。所望の長さの糸yが巻き取られた巻芯m
0 は、自重で図1の巻芯受板5の上を滑り落下し、巻芯
収納箱6に収納される。
【0020】給糸側原糸R側の糸yは張力がなくなっ
て、この糸yの尾端は巻芯mから外れようとする。一
方、尾端位置決め機構60のエア吹付ノズル61からエアが
吹き付けられ、図示しない吸引ブロアーがこのエアを吸
引するので、巻芯m1 の中空部分eはエアが通ってい
る。したがって、図8(A)、(B)に示すように、エ
アによって糸yの尾端が巻芯m1 の中空部分eに送られ
る。このため、確実に糸yの尾端を巻芯m1 の中空部分
eの位置に位置決めすることができるという効果を奏す
る。
【0021】つぎに、図9(B)に示すように、糸yの
尾端を巻芯m1 の中空部分eに伴ったまま、巻芯m1 は
巻芯受渡機構30によって、巻芯ホルダー40の巻芯支持位
置まで移動する。
【0022】そして、図9(C)に示すように、巻芯ホ
ルダー40の一対のシャフト41、42が、前記巻芯受渡機構
30の移動方向に直交する水平方向に動作して、巻芯m1
の両端を握持する。巻芯受渡機構30が水平に前後方向の
一方向にのみ動作し、巻芯ホルダー40の一対のシャフト
41,42も水平に左右方向の一方向にのみ動作するので、
巻芯受渡機構30および巻芯ホルダー40は互いに高さ方向
の動作を伴わない。このため、巻芯m1 を正確に巻芯ホ
ルダー40の巻芯支持位置に停止させることができる。し
たがって、正確に糸yの尾端を巻芯mとともに支持する
ことができるので、巻芯mから糸yが外れないという効
果を奏する。また、糸yの尾端が巻芯mの中空部分eに
位置決めされているので、糸yの尾端を巻芯m1 の周面
に巻き込まないという効果を奏する。
【0023】図9(D)に示すように、巻芯ホルダー40
によって巻芯m1 が支持された後に、巻芯受渡機構30は
後退する。巻芯m1 が巻芯ホルダー40に支持されたまま
巻芯受渡機構30が後退するので、蝶板34が巻芯mから受
ける力が蝶板34を付勢しているスプリングに打ち勝って
蝶板34が傾倒しながら開く。図示しないが、巻芯受渡機
構30がさらに後退すると、蝶板34と巻芯mとの係合が外
れる。そして、巻芯受渡機構30が元の位置に復帰し、つ
ぎの巻芯m2 が巻芯m1 に替わって巻芯受渡機構30に支
持される。そして、巻芯ホルダー40が巻芯m1 を支持し
たまま、ワインダー10の綾振りドラム13が巻芯m1 に接
触して回転する。このため、綾振りドラム13と巻芯m1
との間に摩擦力が生じ、この摩擦力によって巻芯m1 は
回転する。このため、糸yは巻芯mの長手方向に沿って
何度も往復するので、巻芯m1 の周面には均一に糸yが
巻き取られる。所望の長さの糸yが巻き取られると、綾
振りドラム13は回転を停止する。このため、巻芯mは回
転を停止する。そして、図示しないエアシリンダによっ
て、ワインダー10は巻芯m1 から遠ざかる。
【0024】そして、巻芯ホルダー40が巻芯m1 を解放
すると、この巻芯m1 は自重により垂直に落下して、巻
芯受板5、5で一旦受け止められる。したがって、この
巻芯m1 は巻芯ホルダー40から離れるので、巻芯m1 に
よって巻芯ホルダー40の動作が阻害されることなく、連
続的に操業することができるという効果を奏する。前記
糸寄せカット50の糸寄せアーム51によって糸yは巻芯供
給機構20の巻芯送出口25に待機している巻芯m2 の中空
部分eの側方に移動される。そして、糸寄せカット機構
50のカッター54で糸yが切られ、所望の長さの糸yが巻
き取られた巻芯m1 は、自重で巻芯受板5、5を滑り、
そして落下して巻芯収納箱6に収納される。
【0025】そして巻芯m2 についても前記巻芯m1 と
実質同様の動作が順に繰り返し行われ、巻芯m2 に所望
の長さの糸yが巻き取られる。さらに巻芯m3 について
も、巻芯m1 や巻芯m2 と同様に所望の長さの糸yが巻
き取られる。このようにして、1本の糸yを複数の同一
長さの糸yに分割しながら、複数の巻芯mに巻き取るこ
とができる。
【0026】上記のごとく、本実施形態の糸の連続小割
装置は原糸を複数の巻芯に分割しながら自動的・連続的
に巻き取ることができ、しかも糸の尾端を正確に巻芯に
装着することができ、巻芯を糸の尾端とともに正確に支
持することができ、糸の尾端を残さずに巻芯に巻き取る
ことができる。
【0027】
【発明の効果】請求項1の糸の連続小割装置によれば、
原糸を複数の巻芯に分割しながら自動的・連続的に巻き
取ることができ、しかも糸の尾端を正確に巻芯に装着す
ることができ、糸の尾端を残さずに巻芯に巻き取ること
ができる。請求項2の糸の連続小割装置によれば、正確
に糸の尾端を巻芯ホルダーと巻芯との間に支持すること
ができるので、巻芯から糸が外れるのを防止できる。請
求項3の糸の連続小割装置によれば、糸の尾端を巻芯の
中空部分に移動させることができるので、糸の尾端を巻
芯の周面に巻き込むのを防止できるとともに、糸の尾端
を巻芯の中空部分の位置に位置決めすることができる。
請求項4の糸の連続小割装置によれば、巻芯の自重で垂
直に自由落下するので、巻芯に巻き取られた糸の長さが
短かくても、巻芯ホルダーの動作を阻害せず、連続操業
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の糸の連続小割装置1に係わる概略
側面図である。
【図2】本実施形態の糸の連続小割装置1に係わる概略
斜視図である。
【図3】巻芯供給機構20および巻芯受渡機構30の側面図
である。
【図4】ワインダー10を外した状態の本実施形態の糸の
連続小割装置1の概略斜視図である。
【図5】ワインダー10の動作説明図であって、(A)は
回転時の状態、(B)は停止時の状態である。
【図6】糸寄せカット機構50の平面図である。
【図7】糸yをカットする前の巻芯送出口25周辺の説明
図であって、(A)は側面図、(B)は後面断面図であ
る。
【図8】糸yをカットした後の巻芯送出口25周辺の説明
図であって、(A)は側面図、(B)は後面断面図であ
る。
【図9】本実施形態の糸の連続小割装置1の動作説明図
である。
【図10】巻芯mの概略斜視図である。
【図11】従来の糸の連続小割装置の概略斜視図であ
る。
【図12】従来の糸の連続小割装置における巻芯受渡機
構の説明図で、(A)は側面図、(B)は正面図であ
る。
【図13】従来の糸の連続小割装置における巻芯ホルダ
ーの動作説明図で、(A)は巻芯mを解放した状態、
(B)は巻芯mを支持した状態である。
【符号の説明】
1 糸の連続小割装置 5 巻芯受板 10 ワインダー 13 綾振りドラム 20 巻芯供給機構 25 巻芯送出口 30 巻芯受渡機構 40 巻芯ホルダー 41 シャフト 42 シャフト 50 糸寄せカット機構 60 尾端位置決め機構 61 エア吹付ノズル m 巻芯 e 中空部分 y 糸

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】給糸側原糸から繰り出した糸を複数の筒形
    の巻芯に分割して巻き取るための装置であって、前記複
    数の巻芯を一つずつ巻芯送出口から送り出す巻芯供給機
    構と、巻芯を両端で支持し、巻芯を自軸廻りに回転させ
    る巻芯ホルダーと、前記巻芯供給機構から巻芯を受け取
    り、該巻芯を前記巻芯ホルダーの巻芯支持位置に移動さ
    せる巻芯受渡機構と、前記巻芯ホルダーの近くに設けら
    れた、回転自在な綾振りドラムを有するワインダーと、
    糸が巻かれた巻芯と給糸側原糸との間の部分の糸を前記
    巻芯供給機構の巻芯送出口へ移動させてカットする糸寄
    せカット機構と、カットされた給糸側原糸の尾端を巻芯
    の中空部分に送り込む尾端位置決め機構とからなること
    を特徴とする糸の連続小割装置。
  2. 【請求項2】前記巻芯受渡機構が、前記巻芯供給機構の
    巻芯送出口と前記巻芯ホルダーの巻芯支持位置との間を
    水平に移動し、前記巻芯ホルダーが、前記巻芯受渡機構
    の移動方向に直交する水平方向において同一軸線上に配
    設された一対のシャフトからなり、一方のシャフトは固
    設され、他方のシャフトは軸方向に移動し、巻芯を握持
    ・解放しうることを特徴とする請求項1記載の糸の連続
    小割装置。
  3. 【請求項3】前記尾端位置決め機構が、エアを吹き付け
    るエア吹付ノズルと、該エア吹付ノズルのエアを吸引す
    る吸引ブロアーとからなり、前記エア吹付ノズルおよび
    吸引ブロアーの吸引口が前記巻芯供給機構の巻芯送出口
    で待機する巻芯の中空部分を挾む両側に、それぞれ配設
    されたことを特徴とする請求項1または2記載の糸の連
    続小割装置。
  4. 【請求項4】前記巻芯ホルダーの下方に巻芯受板が設け
    られ、糸が巻き取られた巻芯が該巻芯受渡板に自重で垂
    直落下することを特徴とする請求項1、2または3記載
    の糸の連続小割装置。
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